JP5931237B1 - Vベルト交換器具及びその補助器具 - Google Patents
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Abstract
Description
この空調設備には、「給気ファン」や「排気ファン」等が設けられ、これらは電動機の動力がVベルトを介して伝達されて、駆動される。
また、前記施設における給排水設備においても、ポンプへの動力の伝達はVベルトを介して行われている。
これらのVベルトは消耗品であるため、年1回程度の頻度で交換が必要であった。
Vベルトの交換作業は、消耗したVベルトをプーリーから取外し、新しいVベルトを取付ける工程で行われるが、これらの交換作業は、従来から手作業で行われていた。
また、手作業の際には不必要に力が入り、作業者が体勢を崩して転倒したり、また、不意の電動機の起動及び負荷側機器の動作(静圧)により重大な事故が発生するおそれもあり、安全に、且つ、簡単にVベルトの交換作業ができる器具の開発が望まれていた。
このVベルト交換器具は、前記回転軸に固定されているプーリーのV溝に嵌められた前記Vベルトを前記プーリーの外周側から内周側に向けて押付ける押付部を備えたVベルト押付機構と、このVベルト押付機構により前記Vベルトが押付けられたプーリーを回転させるため、前記プーリーの直径方向に沿うように位置付けられる主ハンドルを備えたプーリー回転機構とを有する。
前記Vベルト押付機構は、前記押付部による押付力を前記Vベルト及び前記プーリーのリムを介して受ける受部と、この受部と前記押付部を対向させて取付ける横開きコ字状部を備える。
前記押付部は、押付ハンドルと、その押付ハンドルの先端に設けられ、且つ、前記Vベルトに接するリング面を備えるとともに、前記押付ハンドルをカラ回りさせる押付先端部とを備える。
前記受部は、頂面とこの頂面に隣接する傾斜面を有し、それぞれ前記押付部の押付力により前記リムに当接するように変形される当接部とを備える。
この補助器具は、前記プーリーに接触する先端に形成され、且つ、略L字片を備えた鉤状部と、この鉤状部から立ちあがり、且つ、前記Vベルトに略交差させるように位置付けられる棒状部と、この棒状部から折り曲げられて、前記鉤状部の略L字片の縦辺に略平行するように傾斜されると共に、前記鉤状部を支点として前記VベルトをV溝から取外すように前記棒状部を移動させることができるハンドル部を備える。
また、このVベルト押付機構により前記Vベルトが押付けられたプーリーを回転させるため、前記プーリーの直径方向に沿うように位置付けられる主ハンドルを備えたプーリー回転機構が設けられているので、前記プーリーの回転軸に対し、力のモーメントを作用させることができるVベルト交換器具を提供することができる。
また、前記押付部は、押付ハンドルと、その押付ハンドルの先端に設けられ、且つ、前記Vベルトに接するリング面を備えるとともに、前記押付ハンドルをカラ回りさせる押付先端部とを備え、且つ、前記押付部の押付力を前記Vベルト及び前記プーリーのリムを介して受ける受部は、前記押付部の押付力により前記リムに当接するように変形される当接部を備えるので、Vベルト交換器具がプーリーに強固に固定されることとなり、このプーリーを主ハンドルを用いて回転させることで空調機や排風機等の大型ファンのベルト交換に適するVベルト交換器具を提供することができる。
さらに、主ハンドルに対し、このハンドルの長手方向に略直交するように、且つ、前記横開きコ字状部に着脱自在に取付けられる副ハンドルを備えるので、Vベルトのテンションに応じて主ハンドル又は副ハンドルのみを使用したり、
主ハンドル及び副ハンドルを同時に使用することができる。
また、Vベルトの交換作業のスペースに応じて、副ハンドルを取外して主ハンドルのみを使用できること等、前記プーリーに必要な力を加えることができる。
また、前記ハンドル部により、前記鉤状部を支点として前記VベルトをV溝から取外すように前記棒状部を移動させることができるので、前記棒状部により、容易に前記VベルトをV溝から取外すことができる。
よって、前記コ字状部22が強固に前記プーリーPに固定されることとなり、ベルトBを破損させずに前記プーリー回転機構3を操作し易いようにしている。
前記補助器具4は、図3のように、前記プーリーPに接触する先端に形成され、且つ、略L字片を備えた鉤状部40と、この鉤状部40から立ちあがり、前記VベルトBに略交差させるように位置付けられる棒状部41と、この棒状部41から折り曲げられて、前記鉤状部40の略L字片の縦辺400に略平行するように傾斜されると共に、前記鉤状部40を支点として、前記VベルトBをV溝P1から取外すように前記棒状部41を移動させることができるハンドル部42を備える。
なお、前記鉤状部40を弾性材により被覆するようにしてもよく、その場合には、前記補助器具4が前記プーリーPで滑ることが防止され、また前記プーリーPの破損を防ぐことができる。
この使用方法においては、空調機等の大型ファンのプーリーPと電動機のプーリーP間において、3本のベルトBが平行掛けされている場合を想定している。
(1) 最外側のベルトBへの交換器具1のセット
図4のように、前記副ハンドル31により交換器具1を支持しつつ、受部21と押付ハンドル202により取外しの対象となるベルトBを挟むことができる位置まで、プーリーPをコ字状部22に飲み込ませる。
次に、前記押付ハンドル202を回して、前記リング面203をベルトBに押付け、前記受部21と共にベルトBをサンドイッチするように交換器具1をプーリーPに固定してセットする。
図5のようにベルトB,B間に補助器具4の鉤状部40及び棒状部41を差し入れて、鉤状部40をプーリーPのリムR等に係止させて、補助器具4をセットする。
次に、前記鉤状部40を支点にして、ハンドル部42をベルトBから遠ざけるように回転させて動かすと、棒状部41によりベルトBがV溝P1から浮き上がるようにずらされる。
引き続き、図6のように前記主ハンドル30を把持してプーリーPを回転させつつ、ハンドル部42を動かしてベルトBをプーリーPから取外す。
その後、交換器具1の押付ハンドル202を緩めて、プーリーPから交換器具1を取外すと共に、空調機等のプーリーPからもベルトBを外す。
コ字状部22から前記副ハンドル31を取外し、図7のようにプーリーPの内側から、コ字状部22をプーリーPのリムRに差し入れ、前記主ハンドル30によりコ字状部22を支持しつつ、押付ハンドル202と受部21によりベルトBを挟み付ける。
次に、引き続き前記押付ハンドル202を回して、コ字状部22をプーリーPに固定し、その後、前記補助器具4を用い、同様の手順でベルトBを外す。
(1) Vベルトへの交換器具1のセット
空調機等のプーリーPに新しいベルトBを掛け渡した後、図8のように、電動機等のプーリーPに前記コ字状部22を固定して交換器具1をセットする。
即ち、電動機等のプーリーPのV溝P1にベルトBを噛ませ、前記副ハンドル31により交換器具1を支持しつつ、押付ハンドル202と受部21により取付け対象となるベルトBを挟み込むことができる位置まで、プーリーPをコ字状部22に飲み込ませる。
次に、前記押付ハンドル202を回して、コ字状部22をベルトBに取付けプーリーPに固定する。
(2) Vベルトの取付け
その後、前記主バンドル30を回転させると、順次、ベルトBがV溝P1に嵌め込まれる。
最内側のベルトBについては、コ字状部22から副ハンドル31を取外した後、同様な手順で取付ける。
また、中ベルトBも同様に空調機等のプーリーPに新しいベルトBを掛け渡した後、電動機等のプーリーPのV溝P1にベルトBを噛ませた後、同様の手順でプーリーPのV溝P1に嵌め込む。
この場合、プーリーPに強いトルクを掛ける必要があるが、図9のように前記主バンドル30と共に副ハンドル31を用いることができる。
ベルト交換器具の作用効果
(1) 作業者がベルトBに接触せずに作業することができるため、安全で、且つ、簡単に、空調機や排風機等のファンや給排水機器等のベルトBを交換することができる。
(2) 前記受部21は、前記押付部20の押付力を受けて前記プーリーPのリムRの内周面に当接するように変形されるようになっているので、交換器具1が強固に前記プーリーPに固定される。よって、前記プーリー回転機構3を操作し易いようになっており、またベルトBやプーリーPが破損し難くなっている。
(3) 前記押付部20の押付先端部204は、前記VベルトBに接するリング面203を備えるとともに、前記押付ハンドル202をカラ回りさせることができるので、ベルトBを破損させることはない。
(4) プーリーPのリムRの内周面に傾斜が形成されていても、前記受部21はその傾斜に対応するように柔軟に変形され、交換器具1が強固に前記プーリーPに固定される。
(5) コ字状部22は、平行掛けされた複数本のベルトBの任意のベルトBを挟み込むことができ、また、前記押付ハンドル202及び受部21はそれぞれ前記コ字状部の自由端寄りに設けられているので、交換器具1が電動機等の機器に接触しないように構成され、その機器の破損等を防止することができる。
(6) 副ハンドル31は着脱自在になっているので、電動機の本体等とプーリーP間の隙間が狭い場合でも、交換器具1をセットすることができる。
(7) VベルトBのテンションの強さに従い、主ハンドル30のみでプーリーPを回転させたり、また主ハンドル30及び副ハンドル31によりプーリーPを回転させたりすることができる。この場合、主ハンドル30に働く力によるモーメントにより、プーリーPに対して大きなトルクをかけることができる。
(8) 補助器具4の先端に鉤状部40を設けたので、先端が尖状のドライバー等と異なり、プーリーPに係止させ易く、ベルトBの取外し作業中に外れにくくなっている。
(9) ドライバー等のようにハンドル部から先端まで直線状になっていると、先端がプーリーPに点接触してしまい滑ってしまう。
この補助器具4では、ハンドル部42から先端まで直線状にせずに、先端に鉤状部40を設けて、滑り難くしている。
(10) プーリーPに係止される鉤状部40を支点としてハンドル部42を動かして、棒状部41にベルトBを取外す力を作用させる「てこの原理」を用いたものである。よって、小さな力で大きな力を発揮させることができ、また、点接触による滑りが無くなり、さらに点接触によりプーリーPが破損する恐れが無くなる。
2 Vベルト押付機構
20 押付部 21 受部
22 横開きコ字状部
200 メネジ部 201 オネジ部
202 押付ハンドル 203 リング面
204 押付先端部
210 頂面 211,211 傾斜面
212 当接部
3 プーリー回転機構
30 主ハンドル 31 副ハンドル
4 補助器具
40 鉤状部 41 棒状部
42 ハンドル部
400 縦辺 401 横辺
Claims (2)
- 少なくとも二つの回転軸間で動力を伝達するVベルトを交換する際に使用されるベルト交換器具において、
該ベルト交換器具は、前記回転軸に固定されているプーリーのV溝に嵌められた前記Vベルトを前記プーリーの外周側から内周側に向けて押付ける押付部を備えたVベルト押付機構と、このVベルト押付機構により前記Vベルトが押付けられたプーリーを回転させるため、前記プーリーの直径方向に沿うように位置付けられる主ハンドルを備えたプーリー回転機構とを有し、
前記Vベルト押付機構は、前記押付部による押付力を前記Vベルト及び前記プーリーのリムを介して受ける受部と、この受部と前記押付部を対向させて取付ける横開きコ字状部を備え、
前記押付部は、押付ハンドルと、その押付ハンドルの先端に設けられ、且つ、前記Vベルトに接するリング面を備えるとともに、前記押付ハンドルに対してカラ回りする押付先端部とを備え、
前記受部は、頂面とこの頂面に隣接する傾斜面を有し、それぞれ前記押付部の押付力により前記リムに当接するように変形される当接部を備えると共に、
前記横開きコ字状部には、前記プーリーのリムを飲込むことができるスペースが形成され、且つ、前記押付ハンドルは前記横開きコ字状部の自由端寄りに設けられ、
前記押付ハンドルを構成するオネジ部の進行方向の延長線上に前記受部の頂面が位置されていることを特徴とするベルト交換器具。 - 少なくとも二つの回転軸間で動力を伝達するVベルトを交換する際に使用されるベルト交換器具であって、
前記ベルト交換器具は、前記回転軸に固定されているプーリーのV溝に嵌められた前記Vベルトを前記プーリーの外周側から内周側に向けて押付ける押付部を備えたVベルト押付機構と、このVベルト押付機構により前記Vベルトが押付けられたプーリーを回転させるため、前記プーリーの直径方向に沿うように位置付けられる主ハンドルを備えたプーリー回転機構とを有し、
前記Vベルト押付機構は、前記押付部による押付力を前記Vベルト及び前記プーリーのリムを介して受ける受部と、この受部と前記押付部を対向させて取付ける横開きコ字状部を備え、
前記押付部は、押付ハンドルと、その押付ハンドルの先端に設けられ、且つ、前記Vベルトに接するリング面を備えるとともに、前記押付ハンドルに対してカラ回りする押付先端部とを備え、
前記受部は、頂面とこの頂面に隣接する傾斜面を有し、それぞれ前記押付部の押付力により前記リムに当接するように変形される当接部を備えると共に、
前記横開きコ字状部には、前記プーリーのリムを飲込むことができるスペースが形成され、且つ、前記押付ハンドルは前記横開きコ字状部の自由端寄りに設けられ、
前記押付ハンドルを構成するオネジ部の進行方向の延長線上に前記受部の頂面が位置され、
且つ、前記Vベルト押付機構によりプーリーのV溝に押付けられた前記Vベルトを前記プーリーから取外す際の補助器具を備え、
該補助器具は、前記プーリーに接触する先端に形成され、且つ、略L字片を備えた鉤状部と、この鉤状部から立ちあがり、前記Vベルトに略交差させるように位置付けられる棒状部と、この棒状部から折り曲げられて、前記鉤状部の略L字片の縦辺に略平行するように傾斜されると共に、前記鉤状部を支点として、前記VベルトをV溝から取外すように前記棒状部を移動させることができるハンドル部を備えることを特徴とするベルト交換器具。
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JP2013104505A (ja) * | 2011-11-15 | 2013-05-30 | Tokyo Metropolitan Sewerage Service Corp | Vベルト脱着用治具 |
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