JP5929464B2 - ヒートポンプ及びヒートポンプの起動方法 - Google Patents

ヒートポンプ及びヒートポンプの起動方法 Download PDF

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Description

本発明は、ヒートポンプ及びヒートポンプの起動方法に関するものである。
例えば、圧縮式ヒートポンプでは、代替フロン等の冷媒(熱媒体)が流れる循環流路に、蒸発器と、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁とが設置されている。このような圧縮式ヒートポンプにおいては、蒸発器に供給される熱源の熱によって冷媒が蒸発され、蒸発した冷媒が圧縮機で圧縮された後に凝縮器で凝縮され、凝縮されることで液化された冷媒が膨張弁を介して減圧されてから再び蒸発器に供給される。熱源の熱は、蒸発器で冷媒に吸熱された後、冷媒が凝縮されるときに放熱される。すなわち、圧縮式ヒートポンプは、実質的に蒸発器から凝縮器に熱の移送を行う。
ところで、ヒートポンプが停止しているときには、冷媒の流れがなく、圧縮機や蒸発器から圧縮機に到達する配管が冷えた状態となっている。このため、ヒートポンプの起動時には、蒸発器にて蒸発した冷媒が、圧縮機や圧縮機に到達する配管で冷やされて凝縮し、圧縮機に冷媒の液滴が吸入されて圧縮機に悪影響を与える恐れがある。例えば、ターボ式の圧縮機を用いている場合には、冷媒の液滴が圧縮機インペラに衝突し、圧縮機インペラが損耗につながる恐れがある。
そこで、例えば、特許文献1では、圧縮機を起動する前に蒸発器に熱源を投入し、蒸発した冷媒によって圧縮機や圧縮機に到達する配管を予熱し、予熱が完了してから圧縮機を起動することが提案されている。
ところが、予熱のときに生成される蒸気は、ヒートポンプが停止しているときに蒸発器の内部に液体として溜まっていた冷媒が蒸発したものである。このため、冷媒が圧縮機へと流出するに連れて蒸発器内部の冷媒が減少し、蒸気の発生が止まってしまう。このような事態を解消し、継続して充分な予熱を行うためには、蒸発器に冷媒を補充する必要がある。例えば、自然循環によって凝縮器側から液体の冷媒を蒸発器に供給する方法も考えられるが、装置が大型になり、時間もかかる。そこで、特許文献1では、限られた大きさの装置で短時間のうちに予熱を完了するために、送液ポンプを設置し、凝縮器側から蒸発器に液体の冷媒を強制流動させて蒸発器に送り、蒸発器に対して液体の冷媒を補充している。このような送液ポンプは、例えば、蒸発器において冷媒の沸騰が始まると同時に駆動される。
特開2011−127871号公報
ところが、凝縮器側においては、液体の冷媒と気体の冷媒とが飽和状態で共存している。このため、冷媒が送液ポンプにて減圧されると、直ちに飽和圧力を下回ることで容易に沸騰し、送液ポンプがキャビテーションを起こしやすくなる。このため、キャビテーションを起こし難い型式の送液ポンプを使うことが考えられるが、このような型式の送液ポンプは、液封性や耐蝕性に優れないものが多い。一方、冷媒の外界への漏洩を極力抑えつつ、必要十分な揚程及び送液量を得たい場合、磁気カップリング等のシール機構で完全に液封することが可能で、かつ揚程及び送液量が十分に得られるターボ式送液ポンプ等を用いることが望ましい。しかし、このような液封性及び耐蝕性に優れ十分な揚程及び送液量を得られる型式の送液ポンプはキャビテーションの発生しやすいものが多く、安定した運転が難しかった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、凝縮器側から送液ポンプを用いて蒸発器に液体の熱媒体を補充しながら圧縮機等の予熱を行うことで短時間にて起動を完了するヒートポンプにおいて、送液ポンプにおけるキャビテーションの発生を防止することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
第1の発明は、熱媒体の循環流路に、上記熱媒体を蒸発させる蒸発器と、上記蒸発器にて蒸発された熱媒体を圧縮する圧縮機と、上記圧縮機で圧縮された熱媒体を凝縮する凝縮器と、上記蒸発器と上記凝縮器との間に配置される膨張弁とが設置されるヒートポンプであって、上記凝縮器から上記蒸発器に上記熱媒体を強制流動させる送液ポンプと、ヒートポンプの起動時に、先に上記蒸発器にて上記熱媒体を蒸発させ、後に上記送液ポンプを駆動する制御処理装置とを備えるという構成を採用する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記送液ポンプに供給される上記熱媒体の温度及び圧力を測定する測定手段を備え、上記制御処理装置が、上記送液ポンプがキャビテーションを起こさない駆動条件を予め記憶し、上記測定手段の測定結果と予め記憶する上記駆動条件とに基づいて上記送液ポンプを駆動するか否かの判断を行うという構成を採用する。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記制御処理装置が、上記測定手段から得られる上記熱媒体の温度に基づいて飽和圧力を算出し、当該飽和圧力と上記測定手段から得られる上記熱媒体の圧力との差が上記駆動条件である上記送液ポンプの有効吸込ヘッドを超えたときに上記送液ポンプを駆動するという構成を採用する。
第4の発明は、上記第1〜第3いずれかの発明において、上記圧縮機に供給される上記熱媒体の温度を測定する温度計を備え、上記制御処理装置が、上記圧縮機が起動可能となる圧縮機入口温度を予め記憶し、上記送液ポンプを駆動した後であって上記温度計から得られる上記熱媒体の温度が上記圧縮機入口温度を超えたときに上記圧縮機を起動するという構成を採用する。
第5の発明は、熱媒体の循環流路に、上記熱媒体を蒸発させる蒸発器と、上記蒸発器にて蒸発された熱媒体を圧縮する圧縮機と、上記圧縮機で圧縮された熱媒体を凝縮する凝縮器と、上記蒸発器と上記凝縮器との間に配置される膨張弁とが設置されるヒートポンプの起動方法であって、先に上記蒸発器にて上記熱媒体を蒸発させ、後に上記凝縮器から上記蒸発器に上記熱媒体を強制流動させる送液ポンプを駆動するという構成を採用する。
常温状態(ヒートポンプが停止している状態)から予熱のために蒸発器に熱源が投入されて熱媒体が蒸発されると、蒸発器に溜まった液体の熱媒体が蒸発し、蒸発器の内部が昇圧する。このように蒸発器内部の圧力が上昇すると、凝縮器側に貯留される液体の熱媒体の上面が押圧され、空間的に繋がる凝縮器や送液ポンプにおける液体の熱媒体の圧力も直ちに蒸発器内部の圧力と同じとなる。
また、蒸発器の内部温度は、液体の熱媒体が蒸発する温度まで上昇している。このため、蒸発器と空間的に繋がる凝縮器や送液ポンプも、蒸発器の熱が伝わり、加熱される。ただし、凝縮器側で貯留された液体の熱媒体の全体が瞬時に加熱されるわけではなく、温度の伝わりは、圧力と比較して緩やかとなる。
したがって、常温状態(ヒートポンプが停止している状態)から予熱のために蒸発器に熱源が投入されて熱媒体が蒸発され始めると、送液ポンプにおける熱媒体の圧力は蒸発器内部の熱媒体の圧力と同期して上昇し、送液ポンプにおける熱媒体の温度は蒸発器内部の熱媒体の温度と同期せずに徐々に高くなる。この結果、送液ポンプにおける熱媒体の圧力は、送液ポンプの熱媒体の温度が蒸発器内部の熱媒体の温度に近づいて充分に高くなるまでの間、飽和圧力を上回ることになる。すなわち、送液ポンプには、加圧された液体の熱媒体が供給されることなる。よって、送液ポンプにて多少熱媒体が減圧されても、熱媒体が沸騰することがない。
本発明によれば、ヒートポンプの起動時に、先に蒸発器にて熱媒体を蒸発させ、後に送液ポンプを駆動する。このため、蒸発器にて蒸発された熱媒体が圧縮機等を予熱している間、加圧された液体の熱媒体が送液ポンプに供給されることになり、送液ポンプにおけるキャビテーションの発生を防止することが可能となる。
本発明の一実施形態におけるヒートポンプの概略構成を示すシステムフロー図である。 本発明の一実施形態におけるヒートポンプの起動方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるヒートポンプの変形例を示すシステムフロー図であり、(a)が容積式の圧縮機を用いたヒートポンプを示し、(b)が受液器の機能を有する凝縮器を用いたヒートポンプを示す。 本発明の一実施形態におけるヒートポンプの変形例が備える配管の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るヒートポンプ及びヒートポンプの起動方法の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態のヒートポンプ1の概略構成を示すシステムフロー図である。この図に示すように、本実施形態のヒートポンプ1は、循環流路2と、蒸発器3と、ターボ圧縮機4(圧縮機)と、バイパス部5と、凝縮器6と、受液器7と、切替流路部8と、膨張弁9と、温度計10と、測定部11(測定手段)と、制御処理装置12とを備えている。
循環流路2は、冷媒X(熱媒体)を循環させて流すための流路であり、蒸発器3、ターボ圧縮機4と、凝縮器6、受液器7と、切替流路部8と、膨張弁9とを繋いでいる。蒸発器3は、循環流路2の途中部位に配置されており、外部から供給される低温熱源Y(熱源)と、循環流路2を流れる液体の冷媒X(以下、冷媒液X1と称する)との間で熱交換を行うことによって、冷媒液X1を蒸発させて、冷媒Xの蒸気(以下、冷媒ガスX2と称する)を生成する。なお、冷媒Xとしては、例えば、代替フロンが用いられる。また、低温熱源Yとしては、例えば、工場等から出る排熱から得られる比較的温度が低い低温蒸気や、この低温蒸気よりもさらに温度が低い温水や温風が用いられる。ただし、低温熱源Yに限らず、高温の蒸気等を熱源として用いることが可能である。
ターボ圧縮機4は、循環流路2の途中部位であって、蒸発器3の下流側に配置されている。このターボ圧縮機4は、外部電源によって圧縮機インペラを回転駆動することにより気体の圧縮を行うターボ式の圧縮機であり、蒸発器3にて生成された冷媒ガスX2を圧縮する。バイパス部5は、ターボ圧縮機4の下流側から上流側に接続されるバイパス流路5aと、このバイパス流路5aの途中部位に配置される第1開閉バルブ5bとを備えている。このようなバイパス部5は、第1開閉バルブ5bを開放したときのみ、ターボ圧縮機4から吐出された冷媒ガスX2の一部をターボ圧縮機4に返流することによって、起動時におけるターボ圧縮機4のサージングを防止する。
凝縮器6は、循環流路2の途中部位に配置されており、ターボ圧縮機4の下流側に配置されている。この凝縮器6は、外部から供給される水Zと、循環流路2を流れる冷媒ガスX2との間で熱交換を行うことによって、水Zを加熱して蒸気Z1(あるいは温水)を生成すると共に、冷媒ガスX2を凝縮させて冷媒液X1とする。受液器7は、循環流路2の途中部位に配置されており、凝縮器6の下流側かつ下方に設置されている。この受液器7は、凝縮器6から排出された冷媒液X1を一時的に貯留するタンクであり、上部から供給される冷媒液X1を一時的に貯留して底部から排出する。
切替流路部8は、循環流路2の途中部位であって、受液器7の下流側に配置されている。この切替流路部8は、ヒートポンプ1の定常時に冷媒液X1を流す第1流路8aと、第1流路の途中部位に設置される第2開閉バルブ8bと、ヒートポンプ1を起動するときに冷媒液X1を流す第2流路8cと、第2流路8cの途中部位に設置される第3開閉バルブ8dと、第2流路8cの途中部位であって第3開閉バルブ8dの下流側に配置される送液ポンプ8eとを備えている。この送液ポンプ8eは、ヒートポンプ1を起動するときのみに駆動され、受液器7に貯留された冷媒液X1を蒸発器3に強制流動させて補充する。
膨張弁9は、循環流路2の途中部位であって、切替流路部8と蒸発器3との間に配置されている。この膨張弁9は、ターボ圧縮機4で圧縮されることにより昇圧した冷媒X(冷媒液X1)を減圧するものである。
温度計10は、ターボ圧縮機4の入口に配置されており、ターボ圧縮機4に供給される冷媒ガスX2の温度を計測して出力する。測定部11は、切替流路部8の入口に配置されており、切替流路部8に供給される冷媒液X1の圧力を計測して出力する圧力計11aと、切替流路部8に供給される冷媒液X1の温度を計測して出力する温度計11bとを備えている。すなわち、測定部11は、送液ポンプ8eに供給される冷媒液X1の温度及び圧力を測定する。
制御処理装置12は、ターボ圧縮機4、バイパス部5、切替流路部8と、温度計10と、測定部11とに電気的に接続されており、ヒートポンプ1の全体を制御するものである。本実施形態において制御処理装置12は、停止されていたヒートポンプ1を起動する起動運転と、ヒートポンプ1で熱の移送を行う定常運転とを行う。
この制御処理装置12は、起動運転にて、先に蒸気器にて冷媒液X1を蒸発させ、後に送液ポンプ8eを駆動する。この起動運転については、後にフローチャートを参照してより詳細について説明する。また、制御処理装置12は、起動運転にて、送液ポンプ8eがキャビテーションを起こさない駆動条件として、送液ポンプの有効吸込ヘッドを記憶している。このような制御処理装置12は、測定部11の温度計11bから得られる冷媒液X1の温度に基づいて送液ポンプ8eでの飽和圧力を算出し、当該飽和圧力と測定部11の圧力計11aから得られる冷媒液X1の圧力との差が有効吸込ヘッドを超えたときに送液ポンプ8eを駆動する。すなわち、制御処理装置12は、起動運転にて、測定部11の測定結果(圧力計11aの測定結果と、温度計11bの測定結果)と予め記憶する有効吸込ヘッドとに基づいて送液ポンプ8eを駆動するか否かの判断を行う。
また、制御処理装置12は、ターボ圧縮機4が起動可能となる圧縮機入口温度を予め記憶している。このような制御処理装置12は、起動運転にて、送液ポンプ8eを駆動した後であって、温度計10から得られる冷媒ガスX2の温度が、ターボ圧縮機4が起動可能となる圧縮機入口温度を超えたときにターボ圧縮機4を起動する。
このような構成を有する本実施形態のヒートポンプ1は、定常運転時には、制御処理装置12の制御の下、第1開閉バルブ5bによってバイパス流路5aが閉鎖され、第1流路8aが開放され、第3開閉バルブ8dによって第2流路8cが閉鎖された状態とされる。そして、蒸発器3にて低温熱源Yの熱によって冷媒液X1が蒸発されることにより冷媒ガスX2が生成され、この冷媒ガスX2がターボ圧縮機4で圧縮される。ターボ圧縮機4で圧縮された冷媒ガスX2は、凝縮器6にて水Zを加熱して蒸気Z1とすることで冷却されて凝縮し、冷媒液X1となる。この冷媒液X1は、受液器7にて一旦貯留された後、切替流路部8の第1流路8aを通り、膨張弁9で減圧されてから、再び蒸発器3に戻される。なお、定常運転時における冷媒Xの流れは、主としてターボ圧縮機4が冷媒ガスX2を圧縮して下流側に圧送することによって形成されている。ヒートポンプ1は、このような定常運転を行うことによって、低温熱源Yから水Zに熱を移送する。
次に、図2のフローチャートを参照して、本実施形態のヒートポンプ1の起動運転(起動方法)について説明する。なお、ヒートポンプ1を起動するときには、その前においてヒートポンプ1が停止された状態であるため、冷媒Xは、常温であり、冷媒液X1となっている。このような冷媒液X1は、例えば、蒸発器3、凝縮器6、受液器7に溜まっている。
まず、図2に示すように、ヒートポンプ1の起動準備を開始する(ステップS1)。ここでは、制御処理装置12が、外部からの指令等に基づいて、第1開閉バルブ5b、第2開閉バルブ8b及び第3開閉バルブ8dを制御することにより、バイパス流路5aを開放し、第1流路8aを閉鎖し、第2流路8cを開放する。
続いて、蒸発器3を低温熱源Yで加熱する(ステップS2)。ここでは、制御処理装置12が、例えば、低温熱源Yの流れを調節するバルブ(不図示)を制御することによって、低温熱源Yが蒸発器3に流れ込むようにする。このように、蒸発器3が低温熱源Yで加熱されることによって、蒸発器3に溜まった冷媒液X1が沸騰する(ステップS3)。そして、冷媒ガスX2が生成される。
このように蒸発器3にて冷媒液X1が蒸発されて冷媒ガスX2が生成されると、蒸発器3の内部が昇圧する。蒸発器3内部の圧力が上昇すると、凝縮器6や受液器7に貯留される冷媒液X1の上面が押圧され、空間的に繋がる凝縮器6や送液ポンプ8eにおける冷媒液X1の圧力も直ちに蒸発器内部の圧力と同じとなる。したがって、常温状態(ヒートポンプが停止している状態)から予熱のために蒸発器3に低温熱源Yが投入されて冷媒液X1が蒸発され始めると、送液ポンプ8eにおける冷媒液X1の圧力は蒸発器3内部の冷媒ガスX2の圧力と同期して上昇していく。
一方、送液ポンプ8eにおける冷媒液X1の温度は蒸発器3内部の冷媒ガスX2の温度と同期せずに徐々に高くなる。これは、凝縮器6や受液器7で貯留された冷媒液X1の全体が蒸発器3の昇温に伴って瞬時に加熱されるわけではなく、温度の伝わりが圧力と比較して緩やかなためである。この結果、送液ポンプ8eにおける冷媒液X1の圧力は、送液ポンプ8eの冷媒液X1の温度が蒸発器3内部の冷媒ガスX2の温度に近づいて充分に高くなるまでの間、飽和圧力を上回ることになる。すなわち、送液ポンプ8eには、加圧された冷媒液X1が供給されることとなる。
このように、送液ポンプ8eに飽和圧力を上回る圧力となった冷媒液X1が供給されている状態にて、制御処理装置12は、送液ポンプ8eの上流側における冷媒液X1の温度から求まる飽和圧力と、実際の冷媒液X1の圧力との差が予め記憶する有効吸込ヘッドを超えているか否かを判断する(ステップS4)。ここでは、制御処理装置12は、測定部11の温度計11bから得られた温度に基づいて冷媒液X1の飽和圧力を算出する。また、制御処理装置12は、測定部11の圧力計11aから得られた圧力を実際の冷媒液X1の圧力とする。そして、制御処理装置12は、算出した飽和圧力と圧力計11aから得られた圧力との差を算出し、有効吸込ヘッドと比較する。
そして、制御処理装置12は、ステップS4にて飽和圧力と実際の圧力との差が有効吸込ヘッドを超えていないと判断した場合には、ステップS2に戻り、蒸発器3の加熱を続ける。一方、制御処理装置12は、ステップS4にて飽和圧力と実際の圧力との差が有効吸込ヘッドを超えたと判断した場合には、第3開閉バルブ8dを開けると共に第2開閉バルブ8bを閉め、さらに低温熱源Yによる蒸発器3の加熱を続けながら送液ポンプ8eを駆動する(ステップS5)。
このように送液ポンプ8eが駆動されることによって、受液器7に貯留された冷媒液X1が蒸発器3に向けて強制流動され、蒸発器3に冷媒液X1が補充される。ここで、送液ポンプ8eに供給される冷媒液X1は上述のように飽和圧力よりも圧力が高く、加圧されている。このため、送液ポンプ8eにて多少冷媒液X1が減圧されても、冷媒液X1が沸騰することがなく、送液ポンプ8eでキャビテーションが発生することを防止することができる。
続いて、制御処理装置12は、ターボ圧縮機4の入口温度が、ターボ圧縮機4の運転が可能な温度まで上昇したか否かを判断する(ステップS6)。ここでは、制御処理装置12は、温度計10から得られた温度をターボ圧縮機4の入口温度とし、この温度が予め記憶するターボ圧縮機4が起動可能となる圧縮機入口温度を超えたときに、ターボ圧縮機4の運転が可能な温度まで上昇したと判断する。
そして、制御処理装置12は、ステップS6にて、ターボ圧縮機4の入口温度が、ターボ圧縮機4の運転が可能な温度まで上昇していないと判断した場合には、ステップS5に戻り、蒸発器3の加熱を続ける。一方、制御処理装置12は、ステップS6にて、ターボ圧縮機4の入口温度が、ターボ圧縮機4の運転が可能な温度まで上昇していると判断した場合には、送液ポンプ8eを停止し、第3開閉バルブ8dを閉め、第2開閉バルブ8bを開け(ステップS7)、さらにターボ圧縮機4を起動する(ステップS8)。なお、制御処理装置12は、ステップS7及びステップS8が完了した後に、ターボ圧縮機4でのサージングを防ぐように制御しながら第1開閉バルブ5bを閉める。これによって、蒸発器3にて発生した冷媒ガスX2がターボ圧縮機4に供給され、ヒートポンプ1は定常運転に移行する。
以上のような本実施形態のヒートポンプ1及びヒートポンプ1の起動方法によれば、ヒートポンプ1の起動時に、先に蒸発器3にて冷媒液X1を蒸発させ、後に送液ポンプ8eを駆動する。このため、蒸発器3にて蒸発された冷媒液X1がターボ圧縮機4やターボ圧縮機4に至る配管を予熱している間、加圧された冷媒液X1が送液ポンプ8eに供給されることになり、送液ポンプ8eにおけるキャビテーションの発生を防止することが可能となる。また、送液ポンプ8eが駆動された後は、冷媒液X1が蒸発器3に補充され続けることから、常に蒸発器3にて冷媒ガスX2を生成することができ、ターボ圧縮機4等の予熱を短時間で完了することができる。
また、本実施形態のヒートポンプ1では、制御処理装置12が、送液ポンプ8eがキャビテーションを起こさない駆動条件(有効吸込ヘッド)を予め記憶し、測定部11の測定結果と予め記憶する有効吸込ヘッドとに基づいて送液ポンプ8eを駆動するか否かの判断を行う。このため、送液ポンプ8eがキャビテーションを起こさない条件が整ってから送液ポンプ8eを駆動することができ、より確実に送液ポンプ8eにおけるキャビテーションの発生を防止することが可能となる。
また、本実施形態のヒートポンプ1では、送液ポンプ8eがキャビテーションを起こさない駆動条件を有効吸込ヘッドとし、制御処理装置12が、測定部11から得られる冷媒液X1の温度に基づいて飽和圧力を算出し、当該飽和圧力と測定部11から得られる冷媒液X1の圧力との差が有効吸込ヘッドを超えたときに送液ポンプ8eを駆動する。このように、キャビテーションの発生する条件を直接的に示す有効吸込ヘッドを基準として送液ポンプ8eを駆動するか否かの判断が行うことができ、より確実に送液ポンプ8eにおけるキャビテーションの発生を防止することが可能となる。
また、本実施形態のヒートポンプ1では、制御処理装置12が、ターボ圧縮機4が起動可能となる圧縮機入口温度を予め記憶し、送液ポンプ8eを駆動した後であって温度計10から得られる冷媒液X2の温度がターボ圧縮機4の入口温度を超えたときにターボ圧縮機4を起動する。このため、ターボ圧縮機4にて冷媒ガスX2が凝縮して液滴になることを確実に防止でき、ターボ圧縮機4において圧縮機インペラが損耗することを確実に防止することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、ターボ圧縮機4を用いる構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、スクリュー式やレシプロ式といった容積式の圧縮機13を用いることも可能である。このような容積式の圧縮機13は、サージングが起きない。このため、図3(a)に示すように、バイパス部5を省略することができる。容積式の圧縮機13を用いた場合であっても、冷媒ガスX2が凝縮されて圧縮機13に液滴が流れ込むと、圧縮機13の運転状態に支障を来たす可能性がある。このため、本発明を適用し、送液ポンプ8eでのキャビテーションを防止しつつ短時間で圧縮機13を予熱することによるメリットは大きい。
また、例えば、図3(b)に示すように、受液器7の機能を有する凝縮器14(例えば、管外凝縮するシェルアンドチューブ型の凝縮器)を設置し、受液器7を省略する構成も考えられる。このような構成を採用することにより、受液器7を省略し、ヒートポンプ1の装置サイズを小さくすると共に廉価なヒートポンプ1とすることができる。
また、例えば、冷媒Xの量が少なく、受液器7に溜まる冷媒液X1の量が少ないときには、図4に示すように、受液器7に換えて、途中部位を上下に蛇行させた大口径の配管15を設置しても良い。このような場合には、例えば、循環流路2の一部によって配管15を形成することができ、受液器7を設置するよりも、ヒートポンプ1の装置サイズを小さくすると共に廉価なヒートポンプ1とすることができる。
1……ヒートポンプ、2……循環流路、3……蒸発器、4……ターボ圧縮機(圧縮機)、5……バイパス部、5a……バイパス流路、5b……第1開閉バルブ、6……凝縮器、7……受液器、8……切替流路部、8a……第1流路、8b……第2開閉バルブ、8c……第2流路、8d……第3開閉バルブ、8e……送液ポンプ、9……膨張弁、10……温度計、11……測定部(測定手段)、11a……圧力計、11b……温度計、12……制御処理装置、13……圧縮機、14……凝縮器、15……配管、X……冷媒(熱媒体)、X1……冷媒液、X2……冷媒ガス、Y……低温熱源(熱源)、Z……水、Z1……蒸気

Claims (4)

  1. 熱媒体の循環流路に、前記熱媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器にて蒸発された熱媒体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された熱媒体を凝縮する凝縮器と、前記蒸発器と前記凝縮器との間に配置される膨張弁とが設置されるヒートポンプであって、
    前記凝縮器から前記蒸発器に前記熱媒体を強制流動させる送液ポンプと、
    ヒートポンプの起動時に、先に前記蒸発器にて前記熱媒体を蒸発させ、後に前記送液ポンプを駆動する制御処理装置と
    前記送液ポンプに供給される前記熱媒体の温度及び圧力を測定する測定手段とを備え、
    前記制御処理装置は、前記送液ポンプがキャビテーションを起こさない駆動条件を予め記憶し、前記測定手段の測定結果と予め記憶する前記駆動条件とに基づいて前記送液ポンプを駆動するか否かの判断を行う
    ことを特徴とするヒートポンプ。
  2. 前記制御処理装置は、前記測定手段から得られる前記熱媒体の温度に基づいて飽和圧力を算出し、当該飽和圧力と前記測定手段から得られる前記熱媒体の圧力との差が前記駆動条件である前記送液ポンプの有効吸込ヘッドを超えたときに前記送液ポンプを駆動することを特徴とする請求項記載のヒートポンプ。
  3. 熱媒体の循環流路に、前記熱媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器にて蒸発された熱媒体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された熱媒体を凝縮する凝縮器と、前記蒸発器と前記凝縮器との間に配置される膨張弁とが設置されるヒートポンプであって、
    前記凝縮器から前記蒸発器に前記熱媒体を強制流動させる送液ポンプと、
    ヒートポンプの起動時に、先に前記蒸発器にて前記熱媒体を蒸発させ、後に前記送液ポンプを駆動する制御処理装置と
    前記圧縮機に供給される前記熱媒体の温度を測定する温度計とを備え、
    前記制御処理装置は、前記圧縮機が起動可能となる圧縮機入口温度を予め記憶し、前記送液ポンプを駆動した後であって前記温度計から得られる前記熱媒体の温度が前記圧縮機入口温度を超えたときに前記圧縮機を起動する
    ことを特徴とするヒートポンプ。
  4. 熱媒体の循環流路に、前記熱媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器にて蒸発された熱媒体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された熱媒体を凝縮する凝縮器と、前記蒸発器と前記凝縮器との間に配置される膨張弁とが設置されるヒートポンプの起動方法であって、
    先に前記蒸発器にて前記熱媒体を蒸発させ、後に前記凝縮器から前記蒸発器に前記熱媒体を強制流動させる送液ポンプを駆動することを特徴とするヒートポンプの起動方法。
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