JP5928293B2 - 化合物、及びリチウムイオン電池 - Google Patents

化合物、及びリチウムイオン電池 Download PDF

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Description

本発明は、化合物、及びリチウムイオン電池に関する。
従来、携帯電話、モバイルパソコン、電気自動車などの蓄電池として、エネルギー密度が大きいリチウムイオン電池が広く使用されている。
前記リチウムイオン電池は、酸化還元反応を行う正極活物質を正極に有しており、酸化還元反応を行う負極活物質を負極に有している。前記正極活物質及び前記負極活物質は、化学反応を起こすことでエネルギーを放出する。放出したエネルギーを電気エネルギーとして取り出すことで、前記リチウムイオン電池はその機能を発現している。
前記リチウムイオン電池においては、放電時にはカチオン(リチウムイオン)が電解質から前記正極活物質へ移動し、前記負極活物質から前記電解質へカチオンが移動する。充電時には前記正極活物質から前記電解質へカチオンが放出され、前記電解質から前記負極活物質へカチオンが移動する。前記リチウムイオンは、イオン化傾向が大きく、酸化還元電位が全元素中で最も低い(−3.040V)。
前記リチウムイオン電池の前記正極活物質には、通常、コバルト酸リチウム(LiCoO)が用いられている。しかし、コバルト酸リチウムは、180℃程度で多量の酸素を放出することから、可燃性の有機電解液を用いるリチウムイオン電池では、発火防止が大きな課題となる。
そこで、安全性が高い正極活物質として、鉄系の正極活物質が注目されている。
例えば、前記鉄系の正極活物質として、LiFePが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この提案の化合物は、導電性が低く、導電助材としてカーボンの添加が必要である。前記カーボンを添加すると、その分、電池作製の工程が煩雑になってしまう。
また、前記正極活物質として、A(3c+1)で表される化合物(ただし、前記A、前記M、及び前記Xは、特定の元素を表し、前記a、前記b、及び前記cは、特定の数字を表す。)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この提案の化合物を用いたリチウムイオン電池は、放電容量が小さく性能的には十分とは言えない。
したがって、大きな放電容量が得られるリチウムイオン電池を導電助剤を添加しなくても作製可能にする、正極活物質として有用な化合物、及び前記化合物を用いたリチウムイオン電池の提供が求められているのが現状である。
特表2006−523930号公報
Journal of American Chemical Society, 2010, 132 (39), pp13596−13597
本件は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本件は、大きな放電容量が得られるリチウムイオン電池を導電助剤を添加しなくても作製可能にする、正極活物質として有用な化合物、及び前記化合物を用いたリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、後述する付記に記載した通りである。即ち、
開示の化合物は、下記一般式(1)で表される。
LiFe ・・・一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Mは、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Ir、Pt、及びAuの少なくともいずれかを表す。aは、1.5〜2.5を表す。bは、0.700〜0.990を表す。cは、0.010〜0.300を表す。
開示のリチウムイオン電池は、開示の前記化合物を含有する正極を有する。
開示の化合物によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、大きな放電容量が得られるリチウムイオン電池を導電助剤を添加しなくても作製可能にする。
開示のリチウムイオン電池によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、大きな放電容量が得られるリチウムイオン電池を導電助剤を添加しなくても作製できる。
図1は、開示のリチウムイオン電池の一例を示す概略断面図である。
(化合物)
開示の化合物は、下記一般式(1)で表される。
LiFe ・・・一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Mは、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Ir、Pt、及びAuの少なくともいずれかを表す。aは、1.5〜2.5を表す。bは、0.700〜0.990を表す。cは、0.010〜0.300を表す。
前記Mとしては、Nb、Mo、Ru、及びRhの少なくともいずれかであることが好ましく、Nb、及びRuの少なくともいずれかであることがより好ましい。
前記aとしては、より大きな放電容量を有するリチウムイオン電池が得られる点から、1.6〜2.4が好ましく、1.9〜2.1がより好ましい。
前記bとしては、より大きな放電容量を有するリチウムイオン電池が得られる点から、0.900〜0.980が好ましい。
前記cとしては、より大きな放電容量を有するリチウムイオン電池が得られる点から、0.020〜0.100が好ましく、0.020〜0.030がより好ましい。
前記bと前記cとの和(b+c)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.900〜1.100が好ましく、0.950〜1.050がより好ましい。
前記Mが、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Ir、Pt、及びAuから選択される2種以上である場合の前記cとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記Mが、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Ir、Pt、及びAuから選択される2種である場合、2種の金属を、M、Mとすると、前記Mは、M c1 c2と表すことができ、前記cは、前記c1と前記c2との和(c1+c2)であり、前記c1としては、例えば、0.010〜0.150などが挙げられる。前記c2としては、例えば、0.010〜0.150などが挙げられる。
<一般式(1)で表される化合物の製造方法>
前記一般式(1)で表される化合物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウムを含有する化合物と、鉄を含有する化合物と、M(前記一般式(1)中のM)を含有する化合物と、リン酸を含有する化合物とを混合して混合物を得る混合工程と、得られた前記混合物を焼成する焼成工程とを含む製造方法などが挙げられる。
−混合工程−
前記混合工程は、リチウムを含有する化合物と、鉄を含有する化合物と、M(前記一般式(1)中のM)を含有する化合物と、リン酸を含有する化合物とを混合して混合物を得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−リチウムを含有する化合物−−
前記リチウムを含有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウムのフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、水素硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、酸化物、アセテート、シュウ酸塩などが挙げられる。前記リチウムを含有する化合物は、これらの化合物の水和物であってもよい。これらの中でも、リチウムの炭酸塩(炭酸リチウム)が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−鉄を含有する化合物−−
前記鉄を含有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄のフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、酸化物、水酸化物、酢酸塩、シュウ酸塩などが挙げられる。前記鉄を含有する化合物は、これらの化合物の水和物であってもよい。これらの中でも、鉄のシュウ酸塩が好ましい。前記鉄のシュウ酸塩としては、例えば、シュウ酸鉄二水和物などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−Mを含有する化合物−−
前記Mを含有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属M、前記Mのフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、酸化物、水酸化物、酢酸塩、シュウ酸塩などが挙げられる。前記Mを含有する化合物は、これらの化合物の水和物であってもよい。これらの中でも、前記Mの酸化物が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−リン酸を含有する化合物−−
前記リン酸を含有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記混合は、得られる前記混合物において、前記Li、前記Fe、前記M、及び前記Pが所望の比率になるように行うことが好ましい。
前記混合の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボールミル法、乳鉢と乳棒とによる混合などが挙げられる。
前記混合の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30分間〜2時間などが挙げられる。
前記混合における温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−焼成工程−
前記焼成工程としては、前記混合工程で得られた前記混合物を焼成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記焼成の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、500℃〜700℃などが挙げられる。
前記焼成の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5時間〜24時間などが挙げられる。
前記焼成の雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性雰囲気などが挙げられる。前記不活性雰囲気としては、例えば、アルゴン雰囲気などが挙げられる。
(リチウムイオン電池)
開示のリチウムイオン電池は、正極を少なくとも有し、更に必要に応じて、負極、電解質、セパレータ、正極ケース、負極ケースなどのその他の部材を有する。
<正極>
前記正極は、開示の前記化合物を少なくとも有し、更に必要に応じて、正極集電体などのその他の部を有する。
前記正極において、前記化合物は、正極活物質である。
前記正極における前記化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極において、前記正極活物質は、結着材と混合され、正極層を形成していてもよい。
前記結着材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。
前記正極の材質、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、棒状、円板状などが挙げられる。
−正極集電体−
前記正極集電体の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。
前記正極集電体は、端子である正極ケースに対して正極層を良好に導通させるためのものである。
<負極>
前記負極は、負極活物質を少なくとも有し、更に必要に応じて、負極集電体などのその他の部を有する。
前記負極の大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、棒状、円板状などが挙げられる。
−負極活物質−
前記負極活物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属元素を有する化合物が挙げられる。
前記アルカリ金属元素を有する化合物としては、例えば、金属単体、合金、金属酸化物、金属窒化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属元素としては、例えば、リチウムなどが挙げられる。
前記金属単体としては、例えば、リチウムなどが挙げられる。
前記合金としては、例えば、リチウムを有する合金などが挙げられる。前記リチウムを有する合金としては、例えば、リチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、リチウムを有する金属酸化物などが挙げられる。前記リチウムを有する金属酸化物としては、例えば、リチウムチタン酸化物などが挙げられる。
前記金属窒化物としては、例えば、リチウムを含有する金属窒化物などが挙げられる。前記リチウムを含有する金属窒化物としては、例えば、リチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物などが挙げられる。
前記負極における前記負極活物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極において、前記負極活物質は、導電材、及び結着材とともに混合され、負極層を形成していてもよい。
前記導電材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセチレンブラック、グラファイト、カーボンなどが挙げられる。
前記結着材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。
−負極集電体−
前記負極集電体の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。
前記負極集電体は、端子である負極ケースに対して負極層を良好に導通させるためのものである。
<電解質>
前記電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非水電解液、固体電解質などが挙げられる。
−非水電解液−
前記非水電解液としては、例えば、リチウム塩と、有機溶媒とを含有する非水電解液などが挙げられる。
−−リチウム塩−−
前記リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六フルオロリン酸リチウム、四フルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、六フルオロリン酸リチウムが、前記有機溶媒への溶解性が高い点で、好ましい。
前記リチウム塩の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記有機溶媒中に0.5mol/L〜3mol/Lであることがイオン伝導度の点で好ましい。
−−有機溶媒−−
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エチレンカーボネート及びジメチルカーボネートの混合溶媒が、前記リチウム塩の溶解性が高い点で、好ましい。
前記有機溶媒の前記非水電解液中の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、75質量%〜95質量%が好ましく、80質量%〜90質量%がより好ましい。
前記有機溶媒の含有量が、75質量%未満であると、前記非水電解液の粘度が増加し、電極への濡れ性が低下するため、電池の内部抵抗の上昇を招くことがあり、95質量%を超えると、イオン伝導度が低下し、電池の出力の低下を招くことがある。一方、前記有機溶媒の含有量が、前記より好ましい範囲内であると、高いイオン伝導度を維持することができ、前記非水電解液の粘度を抑えることで電極への濡れ性を維持することができる点で有利である。
−固体電解質−
前記固体電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機固体電解質、真性ポリマー電解質などが挙げられる。
前記無機固体電解質としては、例えば、LISICON材料、ペロブスカイト材料などが挙げられる。
前記真性ポリマー電解質としては、例えば、エチレンオキシド結合を有するポリマーなどが挙げられる。
前記リチウムイオン電池における前記電解質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<セパレータ>
前記セパレータの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、セロハン、ポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布などが挙げられる。前記紙としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙などが挙げられる。
前記セパレータの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シート状などが挙げられる。
前記セパレータの構造は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記セパレータの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<正極ケース>
前記正極ケースの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、ステンレス鋼、ステンレス鋼又は鉄にニッケルなどのめっきを施した金属などが挙げられる。
前記正極ケースの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、周囲が反り上がった底の浅い皿状、有底円筒形、有底角柱状などが挙げられる。
前記正極ケースの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。前記積層構造としては、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、及び銅の三層構造などが挙げられる。
前記正極ケースの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<負極ケース>
前記負極ケースの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、ステンレス鋼、ステンレス鋼又は鉄にニッケルなどのめっきを施した金属などが挙げられる。
前記負極ケースの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、周囲が反り上がった底の浅い皿状、有底円筒形、有底角柱状などが挙げられる。
前記負極ケースの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。前記積層構造としては、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、及び銅の三層構造などが挙げられる。
前記負極ケースの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記リチウムイオン電池の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コイン型、円筒状、角形、シート型などが挙げられる。
開示のリチウムイオン電池の一例を図を用いて説明する。図1は、開示のリチウムイオン電池の一例を示す概略断面図である。
図1に示すリチウムイオン電池は、コイン型のリチウムイオン電池である。前記コイン型リチウムイオン電池は、正極集電体11及び正極層12からなる正極10と、負極集電体21及び負極層22からなる負極20と、正極10及び負極20の間に介在する電解質層30とを備える。図1のリチウムイオン電池においては、正極集電体11及び負極集電体21は、各々、正極ケース41及び負極ケース42に対して、集電体43を介して固定されている。正極ケース41と負極ケース42との間は、例えば、ポリプロピレン製のパッキング材44で封止されている。集電体43は、正極集電体11と正極ケース41との間、及び負極集電体21と負極ケース42との間の空隙を埋めつつ導通を図るためのものである。
以下、実施例を挙げて開示の化合物、及びリチウムイオン電池をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制限されるものではない。
(実施例1)
<Li2.0Fe0.970Ru0.030の合成>
リチウム源として、炭酸リチウム(LiCO、株式会社高純度化学研究所製)、鉄源として、シュウ酸鉄二水和物(FeC・2HO、関東化学株式会社製)、リン源として、リン酸水素二アンモニウム(((NHHPO)、関東化学株式会社製)、及びルテニウム源として、酸化ルテニウム(RuO、アルドリッチ社製)を原料に用いた。
前記原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.970:0.030:2.000となるように秤量した。秤量した試薬を、ボールミルにて1時間混合し、混合物を得た。前記混合物を管状炉に設置し、アルゴン雰囲気下、600℃で12時間加熱し焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Ru0.030であることを確認した。
(実施例2)
<Li1.6Fe0.970Ru0.030の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=1.600:0.970:0.030:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=1.600:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li1.6Fe0.970Ru0.030であることを確認した。
(実施例3)
<Li2.4Fe0.970Ru0.030の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.400:0.970:0.030:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.400:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.4Fe0.970Ru0.030であることを確認した。
(実施例4)
<Li2.0Fe0.990Ru0.010の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.990:0.010:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.990:0.010:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.990Ru0.010であることを確認した。
(実施例5)
<Li2.0Fe0.980Ru0.020の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.980:0.020:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.980:0.020:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.980Ru0.020であることを確認した。
(実施例6)
<Li2.0Fe0.900Ru0.100の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.900:0.100:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.900:0.100:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.900Ru0.100であることを確認した。
(実施例7)
<Li2.0Fe0.700Ru0.300の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.700:0.300:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.700:0.300:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.700Ru0.300であることを確認した。
(実施例8)
<Li2.0Fe0.970Nb0.030の合成>
実施例1において、酸化ルテニウムを酸化ニオブ(Nb、株式会社高純度化学研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ニオブ:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Nb0.030であることを確認した。
(実施例9)
<Li2.0Fe0.970Mo0.030の合成>
実施例1において、酸化ルテニウムを酸化モリブデン(MoO、株式会社高純度化学研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:モリブデン:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Mo0.030であることを確認した。
(実施例10)
<Li2.0Fe0.970Rh0.030の合成>
実施例1において、酸化ルテニウムを酸化ロジウム(RhO、株式会社高純度化学研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ロジウム:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Rh0.030であることを確認した。
(実施例11)
<Li2.0Fe0.970Nb0.010Ru0.020の合成>
実施例1において、原料に、酸化ニオブ(Nb、株式会社高純度化学研究所製)を追加した。
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ニオブ:ルテニウム:リン=2.000:0.970:0.010:0.020:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ニオブ:ルテニウム:リン=2.000:0.970:0.010:0.020:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Nb0.010Ru0.020であることを確認した。
(実施例12)
<Li2.0Fe0.980Ru0.050の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.980:0.050:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.980:0.050:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.980Ru0.050であることを確認した。
(実施例13)
<Li2.0Fe0.900Ru0.050の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.900:0.050:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.900:0.050:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.900Ru0.050であることを確認した。
(実施例14)
<Li2.0Fe0.970Pd0.030の合成>
実施例1において、酸化ルテニウムを酸化パラジウム(PdO、株式会社高純度化学研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:パラジウム:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Pd0.030であることを確認した。
(実施例15)
<Li2.0Fe0.970Ag0.030の合成>
実施例1において、酸化ルテニウムを酸化銀(AgO、株式会社高純度化学研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:銀:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Ag0.030であることを確認した。
(実施例16)
<Li2.0Fe0.970Hf0.030の合成>
実施例1において、酸化ルテニウムを酸化ハフニウム(HfO、株式会社高純度化学研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ハフニウム:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Hf0.030であることを確認した。
(実施例17)
<Li2.0Fe0.970Ta0.030の合成>
実施例1において、酸化ルテニウムを五酸化タンタル(Ta、株式会社高純度化学研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:タンタル:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Ta0.030であることを確認した。
(実施例18)
<Li2.0Fe0.9700.030の合成>
実施例1において、酸化ルテニウムを酸化タングステン(WO、株式会社高純度化学研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:タングステン:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.9700.030であることを確認した。
(実施例19)
<Li2.0Fe0.970Re0.030の合成>
実施例1において、酸化ルテニウムを酸化レニウム(ReO、株式会社高純度化学研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:レニウム:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Re0.030であることを確認した。
(実施例20)
<Li2.0Fe0.970Ir0.030の合成>
実施例1において、酸化ルテニウムを酸化イリジウム(IrO、株式会社高純度化学研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:イリジウム:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Ir0.030であることを確認した。
(実施例21)
<Li2.0Fe0.970Pt0.030の合成>
実施例1において、酸化ルテニウムを白金(Pt、株式会社高純度化学研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:白金:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Pt0.030であることを確認した。
(実施例22)
<Li2.0Fe0.970Au0.030の合成>
実施例1において、酸化ルテニウムを酸化金(Au、株式会社高純度化学研究所製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:金:リン=2.000:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Au0.030であることを確認した。
(比較例1)
<LiFePの合成>
リチウム源として、炭酸リチウム(LiCO、株式会社高純度化学研究所製)、鉄源として、シュウ酸鉄二水和物(FeC・2HO、関東化学株式会社製)、及びリン源として、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)を原料に用いた。
前記原料を元素比で、リチウム:鉄:リン=2.0:1.0:2.0となるように秤量した。秤量した試薬を、ボールミルにて1時間混合し、混合物を得た。前記混合物を管状炉に設置し、アルゴン雰囲気下、600℃で12時間加熱し焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:リン=2.0:1.0:2.0であり、得られた焼成体は、LiFePであることを確認した。
(比較例2)
<Li1.4Fe0.970Ru0.030の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=1.400:0.970:0.030:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=1.400:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li1.4Fe0.970Ru0.030であることを確認した。
(比較例3)
<Li2.6Fe0.970Ru0.030の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.600:0.970:0.030:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.600:0.970:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.6Fe0.970Ru0.030であることを確認した。
(比較例4)
<Li2.0Fe0.995Ru0.005の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.995:0.005:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.995:0.005:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.995Ru0.005であることを確認した。
(比較例5)
<Li2.0Fe0.650Ru0.350の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.650:0.350:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.650:0.350:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.650Ru0.350であることを確認した。
(比較例6)
<Li2.0Fe0.650Ru0.030の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.650:0.030:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.650:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.650Ru0.030であることを確認した。
(比較例7)
<Li2.0Fe0.995Ru0.030の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.995:0.030:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.995:0.030:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.995Ru0.030であることを確認した。
(比較例8)
<Li2.0Fe0.970Ru0.005の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.970:0.005:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.970:0.005:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.970Ru0.005であることを確認した。
(比較例9)
<Li2.0Fe0.700Ru0.350の合成>
実施例1において、原料を元素比で、リチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.700:0.350:2.000となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、焼成体を得た。
得られた焼成体について、SPS1700HVR(セイコーインスツル株式会社製)を用いてICP分析を行った。その結果、元素比がリチウム:鉄:ルテニウム:リン=2.000:0.700:0.350:2.000であり、得られた焼成体は、Li2.0Fe0.700Ru0.350であることを確認した。
(実施例23〜44、及び比較例10〜19)
得られた焼成体を正極活物質として用いてリチウムイオン電池を作製し、充放電試験を行った。
<リチウムイオン電池の作製>
2464のコイン電池を作製した。
前記コイン電池の作製に用いた各種材料は以下の通りである。
〔材料〕
・正極層材料:表1又は表2に記載の正極活物質、結着材、及び導電助剤を混合したもの
・負極活物質:厚み0.1mmのリチウム箔(本城金属株式会社製)
・セパレータ:ポリエチレンフィルム(宝泉株式会社製)
・電解液:ヘキサフルオロリン酸リチウムの溶液
(溶媒は、エチレンカーボネート:ジエチレンカーボネート=1:1(体積比))
(キシダ化学株式会社製、電解質の濃度1mol/L)
前記正極層材料を、正極集電体としてのステンレス集電体(直径15mm、平均厚み1μm)上に平均厚みが10μmになるように製膜し、前記正極集電体と正極層とからなる正極を形成した。次に、前記正極上に、セパレータを載せ、更に前記セパレータ上に、負極活物質を載せて負極層を形成した。次に、前記正極と前記セパレータとの隙間、及び前記セパレータと前記負極層との隙間に前記電解液を浸み込ませた。次に、前記負極層上に銅を蒸着することによって、平均厚み1μmの負極集電体を形成した。次に、前記正極集電体及び前記負極集電体に対して、各々スペーサ集電体を介して正極ケース及び負極ケースを固着させつつ、前記正極ケースと前記負極ケースとの間を樹脂封止することによって、図1に示すのと同様な構成のコイン型リチウムイオン電池を作製した。
得られたコイン電池について、充放電試験機(東洋システム株式会社製、TOSCAT)を用いて充放電試験を行った。まず、定電流定電圧充電により満充電した。その際の電圧値を測定し、起電力を求めた。また、満充電後、20μA/cmの電流密度で定電流放電させた。放電において電池の電圧値が3.0Vとなった時点を終了とし、その時点での電池の放電容量(mAh)から、正極活物質1g当たりの放電容量(mAh/g)を算出した。結果を表1及び表2に示す。なお、比較例10における放電容量は、正極活物質と導電助剤との和1g当たりの放電容量である。
表1及び表2中、結着材は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF1300、株式会社クレハ製)である。導電助剤は、ケッチェンブラック(ECP600JD、ケッチェンブラック社製)である。
実施例23〜44では、導電助剤であるカーボンブラックを添加しなくても放電容量及び起電力に優れるコイン電池が得られた。LiFePの場合、実施例23〜44と同等の放電容量及び起電力を得るためには、カーボンブラックを必要とした。
比較例11〜19では、放電容量が105mAh/g以下であり、不十分であった。
以上の実施例1〜44を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物。
LiFe ・・・一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Mは、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Ir、Pt、及びAuの少なくともいずれかを表す。aは、1.5〜2.5を表す。bは、0.700〜0.990を表す。cは、0.010〜0.300を表す。
(付記2) 前記Mが、Nb、及びRuの少なくともいずれかである付記1に記載の化合物。
(付記3) 前記cが、0.020〜0.030である付記1から2のいずれかに記載の化合物。
(付記4) 前記bが、0.900〜0.980である付記1から3のいずれかに記載の化合物。
(付記5) 前記aが、1.9〜2.1である付記1から4のいずれかに記載の化合物。
(付記6) 付記1から5のいずれかに記載の化合物を含有する正極を有することを特徴とするリチウムイオン電池。
10 正極
11 正極集電体
12 正極層
20 負極
21 負極集電体
22 負極層
30 電解質層
41 正極ケース
42 負極ケース
43 集電体
44 パッキング材

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物。
    LiFe ・・・一般式(1)
    ただし、前記一般式(1)中、Mは、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Ir、Pt、及びAuの少なくともいずれかを表す。aは、1.5〜2.5を表す。bは、0.700〜0.990を表す。cは、0.010〜0.300を表す。
  2. 前記Mが、Nb、及びRuの少なくともいずれかである請求項1に記載の化合物。
  3. 前記cが、0.020〜0.030である請求項1から2のいずれかに記載の化合物。
  4. 前記bが、0.900〜0.980である請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
  5. 前記aが、1.9〜2.1である請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の化合物を含有する正極を有することを特徴とするリチウムイオン電池。
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