本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を図1〜図20に従って説明する。なお図中に示す矢印Vは鉛直方向を示し、矢印Hは水平方向であって装置左右方向を示し、矢印Dは水平方向であって装置奥行方向を示す。
(全体構成)
図20に示されるように、画像形成装置10の装置本体10Aの内部には、入力される画像データに対して画像処理を行なう画像処理部12が設けられている。
この画像処理部12は、入力された画像データをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の階調データに処理するようになっている。そして、画像処理部12によって処理された階調データを受け取って、レーザ光LBによる画像露光を行う露光装置14が装置本体10A内の中央側に設けられている。
また、露光装置14の鉛直方向上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kが、水平方向に対して傾斜する方向に間隔をおいて配置され、装置本体10Aに着脱可能とされている。この画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kで、各色のトナー画像が形成されるようになっている。なお、Y、M、C、Kを区別して説明する必要が無い場合は、Y,M,C,Kを省略して記載することがある。
一方、各色の画像形成ユニット16の鉛直方向上方には、各色の画像形成ユニット16で形成されたトナー画像が多重に転写される一次転写ユニット18が設けられている。さらに、一次転写ユニット18の側方(図中右側)には、後述する供給搬送ユニット30によって搬送経路60に沿って搬送された記録媒体としてのシート部材Pに、一次転写ユニット18に多重に転写されたトナー画像を転写する二次転写ロール22が設けられている。
二次転写ロール22に対してシート部材Pの搬送方向下流側には、シート部材Pに転写されたトナー画像を熱及び圧力によってシート部材Pに定着させる定着装置24が設けられている。また、この定着装置24に対してシート部材Pの搬送方向下流側には、トナー画像が定着したシート部材Pを画像形成装置10の装置本体10Aの上部に設けられた排出部26に排出する排出ロール28が設けられている。
一方、露光装置14の鉛直方向下方及び側方には、シート部材Pを供給し搬送する供給搬送ユニット30が設けられている。
〔画像形成ユニット〕
先ず、画像形成ユニット16について説明する。
各色の画像形成ユニット16は、すべて同様に構成されている。そして、各色の画像形成ユニット16は、回転する円柱状の像保持体34と、この像保持体34の外周面を帯電させる帯電部材36と、備えている。さに、各色の画像形成ユニット16は、帯電した像保持体34の外周面に前述した露光装置14の画像露光によって形成された静電潜像を現像剤(トナー)で現像してトナー画像とする現像器38と、像保持体34の外周面を清掃する清掃ブレード(図示省略)とを備えている。
また、この画像形成ユニット16は、画像形成ユニット16を像保持体34の回転軸方向に移動させることで、装置本体10Aに対して着脱可能とされている。そして、画像形成ユニット16のハウジングには、装置本体10Aに対して着脱される際に用いられる第一摺動面94及び二摺動面96が形成されている。なお、画像形成ユニット16を装置本体10Aに対して着脱させるための構成等については、詳細を後述する。
〔露光装置〕
次に、露光装置14について説明する。
露光装置14の筐体14Aの内部には、回転多面鏡であるポリゴンミラー32が配置されている。光源の一例としての半導体レーザ54から出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、シリンドリカルレンズ(図示省略)を介してこのポリゴンミラー32に照射され、このポリゴンミラー32によって主走査方向に偏向走査されるようになっている。そして、このポリゴンミラー32によって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、結像レンズ及び複数枚のミラー(図示省略)を介して、像保持体34上の露光位置に、斜め下方から走査露光されるようになっている。
このように、露光装置14は、斜め下方から像保持体34上を走査露光するものである。このため、この露光装置14には、上方に位置する各色の画像形成ユニット16に備えられた現像器38等からトナー等の異物が落下する虞が有る。そこで、筐体14Aの外周面において上方を向いた部分には、4本のレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを、各色の画像形成ユニット16の像保持体34上に向けて透過させる透明なガラス製の透過ガラス40Y、40M、40C、40Kが備えられている。
〔一次転写ユニット・二次転写ロール〕
次に、一次転写ユニット18及び二次転写ロール22について説明する。
一次転写ユニット18は、各色の画像形成ユニット16の鉛直方向上方に配置されている。この一次転写ユニット18は、無端状の中間転写ベルト42と、中間転写ベルト42が巻き掛けられ回転駆動して中間転写ベルト42を矢印A方向に周回させる駆動ロール46と、中間転写ベルト42が巻き掛けられ、中間転写ベルト42に張力を付与する張力付与ロール48と、張力付与ロール48の鉛直方向上方に配置されて中間転写ベルト42と従動回転する従動ロール50と、中間転写ベルト42を挟んで各色の像保持体34の反対側に夫々配置される一次転写ロール52とを備えている。
これにより、各色の画像形成ユニット16の像保持体34上に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が、各色の一次転写ロール52によって、中間転写ベルト42上に多重に転写されるようになっている。
さらに、中間転写ベルト42の外周面に接して中間転写ベルト42の外周面を清掃する清掃ブレード56が、中間転写ベルト42を挟んで駆動ロール46の反対側に配置されている。また、中間転写ベルト42を挟んで従動ロール50の反対側には、中間転写ベルト42上に転写されたトナー画像を、搬送されるシート部材Pに転写する二次転写ロール22が設けられている。
以上により、中間転写ベルト42上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像は、中間転写ベルト42によって搬送される。搬送されるトナー画像は、従動ロール50と二次転写ロール22とに挟まれ、後述する供給搬送ユニット30により搬送経路60に沿って搬送されてきたシート部材Pに二次転写されるようになっている。
〔供給搬送ユニット〕
次に、シート部材Pを供給して搬送する供給搬送ユニット30について説明する。
供給搬送ユニット30は、装置本体10A内において露光装置14の鉛直方向下方に配置され、複数のシート部材Pが積載される給紙部材62を備えている。
さらに、供給搬送ユニット30は、給紙部材62に積載されたシート部材Pを搬送経路60へ送り出す給紙ロール64と、給紙ロール64によって送り出されたシート部材Pを1枚ずつ分離する分離ロール66と、シート部材Pの搬送タイミングを合わせる位置合せロール68と、を備えている。そして、各ロールが、シート部材Pの搬送方向上流側から下流側に向けてこの順番で配置されている。
この構成により、給紙部材62から供給されたシート部材Pは、回転する位置合せロール68によって中間転写ベルト42と二次転写ロール22とが接触する位置(二次転写位置)へ定められたタイミングで送り出されるようになっている。
さらに、供給搬送ユニット30は、定着装置44によって一方の面にトナー画像が定着されたシート部材Pを、排出ロール28によって排出部26にそのまま排出させずに、他方の面にトナー画像を形成するために用いる両面搬送装置70を備えている。
そして、この両面搬送装置70は、排出ロール28から位置合せロール68に向けてシート部材Pの表裏を反転させるようにシート部材Pが搬送される両面搬送経路72と、両面搬送経路72に沿ってシート部材Pを搬送する搬送ロール74及び搬送ロール76とを備えている。
(全体構成の作用)
この構成により、以下のようにシート部材Pに画像が形成される。
先ず、画像処理部12から露光装置14に各色の階調データが順次出力さる。そして、この露光装置14から階調データに応じて出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、帯電部材36によって帯電した像保持体34の外周面を走査露光する(主走査方向に露光する)。これにより、像保持体34の外周面には静電潜像が形成される。像保持体34上に形成された静電潜像は、各色の現像器38によって現像され、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像として可視化される。
さらに、一次転写ユニット18の一次転写ロール52によって、像保持体34上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が、周回する中間転写ベルト42上に多重に転写される。
周回する中間転写ベルト42上に多重に転写された各色のトナー画像は、給紙部材62から給紙ロール64、分離ロール66、位置合せロール68によって搬送経路60に沿って搬送されてきたシート部材Pに二次転写ロール22によって二次転写される。
さらに、トナー画像が転写されたシート部材Pは、定着装置44へと搬送される。そして、トナー画像が定着装置44によってシート部材Pに定着される。トナー画像が定着されているシート部材Pは、排出ロール28によって排出部26に排出される。
一方、シート部材Pの両面に画像を形成させる場合は、定着装置44によって一方の面(表面)にトナー画像が定着されたシート部材Pは、排出ロール28によって排出部26にそのまま排出されない。排出ロール28を逆転させることで、シート部材Pの搬送方向が切り替えられる。そして、このシート部材Pは、搬送ロール74、76により両面搬送経路72に沿って搬送される。
両面搬送経路72に沿って搬送されるシート部材Pは、表裏が反転されて再度位置合せロール68へと搬送される。今度は、シート部材Pの他方の面(裏面)にトナー画像が転写・定着された後、シート部材Pは、排出部26に排出ロール28によって排出される。
(要部構成)
次に、画像形成ユニット16を装置本体10Aに対して着脱させるための構成等について説明する。
図11に示されるように、画像形成ユニット16は、像保持体34の回転軸方向(以下単に「保持体軸方向」と記載する場合がある)に延びている。そして、画像形成ユニット16の長手方向の一端側(後述する装置手前側)には、画像形成ユニット16内の廃トナーを外部に排出する円筒状のトナー排出路80が保持体軸方向に延びて形成されている。なお、本実施形態では、保持体軸方向と装置奥行方向とは同一方向である。つまり、図中に示す矢印D方向は、保持体軸方向及び装置奥行方向を示す。
図16、図18には、画像形成装置10の正面側に着脱可能とされたメンテナンスカバー及び後述する廃トナーボックス124が離脱された状態の画像形成装置10の一部の正面図及び画像形成装置10の斜視図が記載されている。
図16、図18に示されるように、装置本体10Aに装着された各色の画像形成ユニット16は、水平方向に対して傾斜する方向に間隔をおいて配置されている。この状態で、トナー排出路80は、装置本体10Aの手前側(以下単に「装置手前側」と記載することがある)に配置されている。
この画像形成ユニット16を、保持体軸方向の装置手前側に引き出すことで、画像形成ユニット16が装置本体10Aから離脱されるようになっている。一方、画像形成ユニット16を、保持体軸方向の装置本体10Aの奥側(以下単に「装置奥側」と記載することがある)に押し込むことで、画像形成ユニット16が装置本体10Aに装着されるようになっている。
〔案内面・摺動面〕
次に、装置本体10Aに形成され、画像形成ユニット16を装置本体10Aに着脱させる際に画像形成ユニット16を案内する第一案内面82及び第二案内面84と、画像形成ユニット16に形成され、各案内面と摺動する第一摺動面94及び二摺動面96について説明する。
[案内面]
図1(A)には、画像形成ユニット16が装置本体10Aに着脱される際に保持体軸方向に移動している状態の正面図が記載され、図1(B)には、画像形成ユニット16が装置本体10Aに装着された状態の正面図が記載されている。
図1(A)に示されるように、装置本体10Aには、保持体軸方向に延び、画像形成ユニット16を装置本体10Aに着脱させる際に画像形成ユニット16を案内する第一案内面82(図13参照)及び第二案内面84(図15参照)が形成されている。この第一案内面82は、保持体軸方向から見て画像形成ユニット16の水平方向一方側(図1に示す左側)に配置され、第二案内面84は、保持体軸方向から見て画像形成ユニット16の水平方向他方側(図1に示す右側)に配置されている。つまり、保持体軸方向から見て、画像形成ユニット16の重心Gを通る鉛直線Mを間に挟んで、第一案内面82と第二案内面84とが配置されている。
さらに、保持体軸方向から見て、第一案内面82と第二案内面84とは、異なる傾斜角度(傾斜角度0度を含む)とされている。
また、第二案内面84は、第一案内面82に比べて、鉛直方向の上方に配置され、保持体軸方向から見て、画像形成ユニット16の重心Gを通る水平線Nを間に挟んで、第一案内面82と第二案内面84とが配置されている。
さらに、保持体軸方向から見て、画像形成ユニット16の図心Fを通る鉛直線Rに対して、画像形成ユニット16の重心G側(図に示す右側)に像保持体34の回転軸34A(像保持体34の重心)が配置されている。
ここで、図心とは、対象物が均一の物体(密度が一定の物体)と仮定した場合の重心である。また、重心とは、対象物の各部にはたらく重力を1つにまとめたとき、そのまとめた力がはたらく位置である。
画像形成ユニット16は、均一の物体ではないため、画像形成ユニット16の図心と重心とはずれてしまう。なお、画像形成ユニット16の重心は、現像剤が内部に充填されている状態で算出される。
また、図1(A)、図13に示されるように、第一案内面82は、装置本体10Aに装着された画像形成ユニット16を支持する枠部材86において装置手前側と装置奥側とを掛け渡された底部86Dから突出するように形成されている。
これに対して、図1(A)、図15に示されるように、第二案内面84は、装置手前側から装置奥側に向けて延び、枠部材86を補強するために板部材を折り曲げて形成された補強部材88の一部に形成されている。具体的には、この補強部材88には、画像形成ユニット16側に折り曲げられたフランジ部90が備えられ、このフランジ部90の上面が第二案内面84とされている。また、このフランジ部90には、一部が切り欠かれた切欠部90Aが形成されており、この切欠部90Aでは、第二案内面84も切り欠かれている。
[摺動面]
図1(A)、図12に示されるように、画像形成ユニット16を、装置本体10Aから着脱される際に第一案内面82と摺動する第一摺動面(被案内面)94が、画像形成ユニット16に形成されている。第一摺動面94は、第一案内面82に沿って保持体軸方向に延び、保持体軸方向から見て、画像形成ユニット16の重心Gに対して水平方向一方側に配置されている。
これに対して、図1(A)、図9に示されるように、画像形成ユニット16を、装置本体10Aから着脱される際に第二案内面84と摺動する第二摺動面(被案内面)96が、画像形成ユニット16に形成されている。第二摺動面96は、第二案内面84に沿って保持体軸方向に延び、保持体軸方向から見て、画像形成ユニット16の重心Gに対して水平方向他方側に配置されている。
〔板ばね〕
次に、画像形成ユニット16を装置本体10Aに装着させる際に、装置本体10Aに押し込まれる画像形成ユニット16を、保持体軸方向に対して交差する方向に移動させて装置本体10Aに対する装着位置へ向けて付勢する移動部材の一例としての板ばね100、102について説明する。なお、装着位置とは、最終的に画像形成ユニット16が装置本体10Aに装着される位置であって、図1(B)及び図4に示す位置である。
図4に示されるように、板ばね100は、装置本体10Aにおける装置手前側に配置され、板ばね102は、装置奥側に配置されている。
図4、図13に示されるように、板ばね100は、装置本体10Aに装置奥側が片持ち状態で固定され、画像形成ユニット16が装着位置に配置された状態で画像形成ユニット16と当たる屈曲部100Aと、屈曲部100Aに対して装置手前側に形成され、上方を向いた傾斜面100Bとを備えている。この傾斜面100Bは、装置手前側に向かうに従って鉛直方向下方となるように傾斜している。
これに対して、図4、図12に示されるように、画像形成ユニット16に備えられた装置手前側のカバー部材105には、画像形成ユニット16が装着位置に配置された状態で屈曲部100Aと接触するように下方を向いた接触面105Aと、接触面105Aに対して装置奥側に形成され、下方を向いた傾斜面105Bとを備えている。接触面105Aは、保持体軸方向に延びて形成され、傾斜面105Bは、装置奥側に向かうに従って鉛直方向上方となるように傾斜している。
一方、図4、図15に示されるように、板ばね102は、装置本体10Aに固定され、画像形成ユニット16が装着位置に配置された状態で画像形成ユニット16と当たる屈曲部102Aと、屈曲部102Aに対して装置手前側に形成された傾斜面102Bとを備えている。この傾斜面102Bは、装置手前側に向かうに従って鉛直方向下方となるように傾斜している。
これに対して、図4、図10に示されるように、画像形成ユニット16には、像保持体34を回転可能に支持する軸受部材104が装置奥側に備えられている。そして、この軸受部材104は、画像形成ユニット16が装着位置に配置された状態で屈曲部102Aと接触する接触面104Aと、接触面104Aに対して装置奥側に形成された傾斜面104Bとを備えている。接触面104Aは、保持体軸方向に延びて形成され、傾斜面104Bは、装置奥側に向かうに従って鉛直方向上方となるように傾斜している。
また、図1(A)(B)に示されるように、保持体軸方向から見て、板ばね100及び板ばね102は、第二案内面84に対して垂直方向に、画像形成ユニット16を移動させて装着位置に向けて付勢するように配置されている。
さらに、板ばね100及び板ばね102による付勢力は、画像形成ユニット16の重心G近傍に作用するようになっている。
この構成において、画像形成ユニット16を装置本体10Aに装着する場合には、装置本体10Aに対して、画像形成ユニット16を保持体軸方向の装置奥側に押し込む。そうすると、図2(A)に示されるように、先ず、軸受部材104の端部104Dが板ばね102の傾斜面102Bに接触する。次に、図2(B)、図3(A)に示されるように、軸受部材104の端部104D及び傾斜面104Bが板ばね102を押すことで板ばね102が下方に撓むと共に、板ばね102の付勢力により画像形成ユニット16の装置奥側の部分が装着位置へ向けて移動する。
さらに、図3(B)に示されるように、軸受部材104の接触面104Aが板ばね102の屈曲部102Aに到達する。なお、傾斜面104Bが板ばね102と接触している状態では、板ばね102の付勢力により、画像形成ユニット16には装置手前側に押し戻される力が作用するようになっている。
接触面104Aが屈曲部102Aに到達した後、カバー部材105の傾斜面105Bが板ばね100と接触する。また、図3(B)、図4に示されるように、カバー部材105の傾斜面105Bが板ばね100を押すことで板ばね100が、下方に撓みと共に、板ばね102の付勢力により画像形成ユニット16の装置手前側の部分が装着位置へ向けて移動する。さらに、カバー部材105の接触面105Aが、板ばね100の屈曲部100Aに到達するようになっている。なお、傾斜面105Bが板ばね100と接触している状態では、板ばね100の付勢力により、画像形成ユニット16には装置手前側に押し戻される力が作用するようになっている。
〔位置決め構造〕
次に、装着位置へ画像形成ユニット16を位置決めする位置決め構造について説明する。
図4に示されるように、画像形成ユニット16を挟んで板ばね100の反対側の枠部材86には、板ばね100側を向く位置決め面86A(図6参照)が、形成されている。
また、図4、図11に示されるように、画像形成ユニット16には、像保持体34を回転可能に支持する軸受部材108が装置手前側に備えられている。そして、この軸受部材108には、画像形成ユニット16が装着位置に移動して配置された状態で、位置決め面86Aと接触して装置手前側における画像形成ユニット16の位置を決める接触面108Aが形成されている。
一方、図4に示されるように、画像形成ユニット16を挟んで板ばね102の反対側には、板ばね102を向く位置決め面110Aが形成された位置決め部材110が、図示せぬフレーム部材に固定されている。
これに対して、図4、図11に示されるように、軸受部材104には、画像形成ユニット16が装着位置に配置された状態で、位置決め面110Aと接触して装置奥側における画像形成ユニット16の上下方向の位置を決める接触面104Cが形成されている。
また、図2(A)に示されるように、画像形成ユニット16を装置本体10Aに装着しようとして装置奥側に押し込んだ際に、軸受部材104と板ばね102が接触した状態では、位置決め部材110と軸受部材104とが保持体軸方向で重なる(ラップする)ようになっている。
〔規制部〕
次に、装着位置に配置された画像形成ユニット16が保持体軸方向に移動してしまうのを規制する規制部材の一例としての規制部108Bについて説明する。
図6、図11に示されるように、軸受部材108において接触面108Aの装置手前側には、接触面108Aから突出する規制部108Bが形成されている。
これに対して、図6に示されるように、枠部材86における位置決め面86Aの装置手前側には、装着位置に配置された画像形成ユニット16の規制部108Bが入り込むことで画像形成ユニット16の保持体軸方向の移動が規制される凹部86Bが形成されている。
さらに、枠部材86における凹部86Bの装置手前側には、画像形成ユニット16の装置本体10Aへの装着時に、規制部108Bと接触する傾斜面86Cが形成されている。
〔回転制限構造〕
次に、画像形成ユニット16を装置本体10Aに着脱させる際に、保持体軸方向から見て、画像形成ユニット16が回転するのを制限する回転制限構造について説明する。
図1(A)、図11に示されるように、画像形成ユニット16において、第一摺動面94に対して鉛直方向上方には、鉛直方向上方を向いて保持体軸方向に延びる制限面112が形成されている。また、この制限面112は、保持体軸方向から見て画像形成ユニット16に対して水平方向一方側(図1に示す左側)に配置されている。さらに、画像形成ユニット16における制限面112の装置手前側には、制限面112に対して凹んだ凹部114が形成されている。
これに対して、図1(A)、図13に示されるように、枠部材86には、保持体軸方向に移動される画像形成ユニット16の制限面112と当たって、画像形成ユニット16が、保持体軸方向から見て時計方向の回転するのを制限する制限部116が形成されている。
そして、図7(A)(B)、図14に示されるように、画像形成ユニット16が移動される状態では、制限面112と制限部116とが対向するようになっている(図7(A)参照)。また、画像形成ユニット16が装着位置に配置された状態では、凹部114と制限部116とが対向し、制限部116は、保持体軸方向において、制限面112と離間するようになっている(図7(B)、図14参照)。
一方、図1(A)、図15に示されるように、補強部材88のフランジ部90において第二案内面84とは反対側には、鉛直方向下方を向いて保持体軸方向に延びる制限面118が形成されている。また、フランジ部90の切欠部90Aでは、制限面118も切り欠かれている。
これに対して、図1(A)、図9に示されるように、画像形成ユニット16には、画像形成ユニット16が着脱されるために保持体軸方向に移動する際に、制限面118と対向し、保持体軸方向から見て反時計方向の回転するのを制限する制限部120が形成されている。この制限部120は、画像形成ユニット16において、保持体軸方向の一部に形成されている。
そして、図8(A)(B)に示されるように、画像形成ユニット16が移動される状態では、制限面118と制限部120とが対向するようになっている(図8(A)参照)。また、画像形成ユニット16が装着位置に配置された状態では、切欠部90Aに制限部120が到達し、保持体軸方向において、制限部120は、制限面118と離間するようになっている(図8(B)参照)。
〔廃トナーボックス〕
次に、画像形成ユニット16の内部からトナー排出路80を通って排出される廃トナーを回収する廃トナーボックス124について説明する。
廃トナーボックス124は、装置本体10Aに対して着脱自在とされている。図17に示されるように、空洞化された内部に回収されたトナーが溜められる廃トナーボックス124には、装置本体10Aに装着された状態(図19参照)で、画像形成ユニット16と対向する側壁124Aが備えられている。
そして、この側壁124Aには、各色の画像形成ユニット16に備えられたトナー排出路80(図18参照)が挿入される円状の回収孔126が4個形成されている。この4個の回収孔126は、画像形成ユニット16と同様に傾斜する方向に一定間隔を空けて配置されている。また、側壁124Aにおいて、夫々の回収孔126の斜め下方には、凹部128が夫々形成されている。
これに対して、図5に示されるように、装置本体10Aに装着された廃トナーボックス124の凹部128に挿入される凸部130が、画像形成ユニット160のカバー部材105に形成されている。
凸部130が凹部128に挿入された状態で、外力により画像形成ユニット16が保持体軸方向に対して交差する方向に移動しようとすると、凸部130が凹部128を構成する壁面に当たって画像形成ユニット16の移動が規制されるようになっている。これにより、規制部108Bが凹部86Bから抜け出ないようになっている。
(要部構成の作用)
次に、画像形成ユニット16を装置本体10Aに対して装着又は離脱させる場合の各部材の作用等ついて説明する。
先ず、画像形成ユニット16を装置本体10Aに装着させる場合について説明する。図1(A)に示されるように、装置本体10Aの第一案内面82及び第二案内面84に、画像形成ユニット16の第一摺動面94及び第二摺動面96を摺動させながら画像形成ユニット16を保持体軸方向の装置奥側に押し込む。
この画像形成ユニット16が押し込まれる過程では、装置本体10Aの制限部116は、画像形成ユニット16の制限面112と対向し、画像形成ユニット16の制限部120は、装置本体10Aの制限面118と対向している。
図2(A)に示されるように、画像形成ユニット16を装置本体10Aに押し込むと、軸受部材104の端部104Dが板ばね102の傾斜面102Bと接触する。この状態で、位置決め部材110と軸受部材104とが保持体軸方向で重なっている(ラップしている)。
次に、図2(B)、図3(A)に示されるように、軸受部材104の端部104D及び傾斜面104Bが板ばね102を押すことで板ばね102が鉛直方向下方に撓むと共に、板ばね102の付勢力により画像形成ユニット16の装置奥側の部分が装着位置へ向けて移動する。なお、傾斜面104Bが板ばね102と接触している状態では、板ばね102の付勢力により、画像形成ユニット16には装置手前側に押し戻される力が作用する。
さらに、図3(B)に示されるように、軸受部材104の接触面104Aが板ばね102の屈曲部102Aに到達する。接触面104Aが屈曲部102Aに到達した状態では、板ばね102の付勢力により、接触面104Cは、位置決め部材110の位置決め面110Aと接触し、接触面104Cは、位置決め面110Aに向けて付勢される。
接触面104Aが屈曲部102Aに到達した後、カバー部材105の傾斜面105Bが板ばね100と接触する。そして、図3(B)、図4に示されるように、カバー部材105の傾斜面105Bが板ばね100を押すことで板ばね100が、鉛直方向下方に撓みと共に、板ばね100の付勢力により画像形成ユニット16の装置手前側の部分が装着位置へ向けて移動する。なお、傾斜面105Bが板ばね100と接触している状態では、板ばね100の付勢力により、画像形成ユニット16には装置手前側に押し戻される力が作用する。
そして、カバー部材105の接触面105Aが、板ばね100の屈曲部100Aに到達した後、図6に示されるように、軸受部材108の規制部108Bが、枠部材86の傾斜面86Cに接触しながら装置奥側に移動して凹部86Bに入り込む。そして、板ばね100の付勢力により、軸受部材108の接触面108Aが、枠部材86の位置決め面86Aに接触し、接触面108Aは、位置決め面86Aに向けて付勢される。以上により、画像形成ユニット16は、装着位置に配置される。
この状態では、図7(B)、図8(B)に示されるように、制限部116は、保持体軸方向で制限面112と離間し、制限部120は、保持体軸方向で制限面118と離間する。
また、図1(B)に示されるように、板ばね100、102の付勢力により、画像形成ユニット16が装着位置へ移動することで、第一摺動面94は、第一案内面82から離間し、第二摺動面96は、第二案内面84から離間する。
次に、図19に示されるように、廃トナーボックス124を、装置手前側から保持体軸方向に移動させて装置本体10Aに装着する。図5に示されるように、廃トナーボックス124が装置本体10Aに装着されると、廃トナーボックス124の凹部128にカバー部材105の凸部130が挿入される。これにより、画像形成ユニット16の保持体軸方向に対して交差する方向の移動が規制される。
次に、画像形成ユニット16を装置本体10Aから離脱させる場合について説明する。先ず、図18、図19に示されるように、図示せぬメンテナンスカバーを開け、廃トナーボックス124を装置本体10Aから離脱させる。
次に、画像形成ユニット16の装置手前側の部分を鉛直方向下方に移動させ、規制部108Bを凹部86Bから抜き出す(図6参照)。
後の手順は、装着した際とは逆の手順であって、画像形成ユニット16を装置手前側に引き出すことで、画像形成ユニット16が装置本体10Aから離脱される。
以上説明したように、画像形成ユニット16を装置本体10Aに着脱させる際には、装置本体10Aの第一案内面82及び第二案内面84に、画像形成ユニット16の第一摺動面94及び第二摺動面96を摺動させる。
ここで、保持体軸方向から見て、第一案内面82と第二案内面84とは、画像形成ユニット16の重心Gを通る鉛直線Mを間に挟むように配置され、さらに、第一案内面82と第二案内面84とは、異なる傾斜角度とされている。これにより、夫々の案内面82、84に夫々の摺動面94、96が沿うため、第一案内面82と第二案内面84とが同一の傾斜角度である場合と比して、着脱時の画像形成ユニット16の姿勢が安定する。
また、保持体軸方向から見て、画像形成ユニット16の重心Gを通る水平線Nを間に挟んで、第一案内面82と第二案内面84とが配置されている。これにより、両方の案内面が、水平線Nに対して同じ側に配置されている場合と比して、着脱時の画像形成ユニット16の姿勢が安定する。
また、保持体軸方向から見て、板ばね100及び板ばね102は、第二案内面84に対して垂直方向に、画像形成ユニット16を移動させて付勢する。これにより、画像形成ユニット16の移動方向が第二案内面84に対して傾斜している場合と比して、第二案内面84の案内幅が狭くなる。
また、板ばね100及び板ばね102の付勢力は、画像形成ユニット16の重心Gの近傍に作用する。これにより、板ばね100及び板ばね102の付勢力による画像形成ユニット16の移動姿勢が安定する。
また、画像形成ユニット16を装置奥側に押し込んだ際に、軸受部材104と板ばね102が接触した状態では、位置決め部材110と軸受部材104とが保持体軸方向で重なっている(ラップしている)。これにより、板ばね102の付勢力により位置決め部材110に向けて移動する軸受部材104が、位置決め部材110の位置決め面110Aに確実に接触する。
また、軸受部材104の傾斜面104Bが板ばね102と接触している状態では、板ばね102の付勢力により、画像形成ユニット16には装置手前側に押し戻される力が作用する。同様に、カバー部材105の傾斜面105Bが板ばね100と接触している状態では、板ばね100の付勢力により、画像形成ユニット16には装置手前側に押し戻される力が作用する。これにより、画像形成ユニット16が装着位置に到達する前に、画像形成ユニット16を押し込む力が解除されると、画像形成ユニット16が装置手前側に押し戻される。これにより、画像形成ユニット16が装着位置へ到達していないことが、作業者に報知される(半ラッチ防止)。なお、板ばね102のみでも半ラッチ防止に効果がある。
また、装置奥側の接触面104Aが板ばね102の屈曲部102Aに到達した後、装置手前側のカバー部材105が板ばね100と接触する。つまり、板ばね102によって画像形成ユニット16を装置手前側に押し戻す力と、板ばね100によって画像形成ユニット16を装置手前側に押し戻す力とが同時に生じることがない。このため、画像形成ユニット16を装置本体10Aに押し込む力が軽減される。
また、画像形成ユニット16が装着位置へ配置された状態では、移動中の画像形成ユニット16の回転を制限する制限部120は制限面118と保持体軸方向で離間し、制限部116は制限面112と保持体軸方向で離間する。これにより、制限部116、120に阻害される(邪魔される)ことなく画像形成ユニット16が装着位置へ配置される。
また、画像形成ユニット16が装着位置に配置された状態では、規制部108Bが凹部86Bに入り込む。このため、装着位置に配置された画像形成ユニット16が保持体軸方向に移動してしまうのが抑制される。
また、廃トナーボックス124が、装置本体10Aに装着された状態では、外力により画像形成ユニット16が保持体軸方向に対して交差する方向に移動しようとすると、凸部130が凹部128を構成する壁面に当たる。これにより、画像形成ユニット16の移動が規制されることで規制部108Bが凹部86Bから抜け出るのが抑制される。
また、保持体軸方向から見て、画像形成ユニット16の図心Fを通る鉛直線Rに対して、画像形成ユニット16の重心Gが配置される側に像保持体34の回転軸34Aが配置されている。
ここで、画像形成ユニット16の着脱時に重心G側の第二案内面84に負荷される荷重が、第一案内面82に負荷される荷重より大きくなる。つまり、保持体軸方向から見て、第二案内面84側に配置される部材の姿勢が安定する。すなわち、図心Fを通る鉛直線Rに対して、重心Gと同じ側に配置される部材の姿勢が安定する。一方、像保持体34は、他の部材に比して装置本体10Aに対して高い位置精度が求められる。前述したように、図心Fを通る鉛直線Rに対して、重心Gが配置される側に像保持体34の回転軸34Aが配置されている。このため、装着時の像保持体34の姿勢が安定することで、装置本体10Aに装着された状態の像保持体34の位置精度が高くなる。特に、画像形成ユニット16が、像保持体を支持するハウジングと現像器を支持するハウジングとを備え、これらが相対移動可能とされている構成においては、この作用が顕著に現れる。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、保持体軸方向から見て、板ばね100、102が、第二案内面84に対して垂直方向に画像形成ユニット16を移動させて付勢したが、第一案内面82に対して垂直方向であってもよい。