JP5927533B2 - 機能シート貼付装置における機能シート不良部分の廃棄方法 - Google Patents

機能シート貼付装置における機能シート不良部分の廃棄方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁波のシールド、偏光、色度調整、反射防止などの機能を有した機能シートの不良部分を廃棄する方法、装置に関するものである。
プラズマディスプレイパネルや液晶パネル、有機ELパネルに使用されている機能シートは、パネルのサイズに合った寸法に切断された積層シートから基材シートを剥離して前記パネルに貼り合わせている。
近年、製品コストを下げるため、定寸法に切断したシートを貼り合わせる従来からの方法から、ロール状に巻かれた積層シートを巻き出し、基材シートは切断せず機能シートのみ切断し基材シートから剥離して貼り合わせる方法が導入されつつある。
図8は機能シート6を基材シート1から剥離する工程を示す。
積層シート7は、表面が滑らかな基材シート1と、粘着材からなる接着層2を有した機能シート6とで構成されており、機能シート6が、基材シート1の表面に接着層2によって貼り付けられている。この連続した積層シート7は、巻かれたロール110の状態で供給される。ロール110から引き出された積層シート7は、先端が鋭角の剥離板20を経由して基材シート1が巻き取りリール111に巻き取られる。規定の張力が作用した状態の基材シート1が剥離板20の先端を通過すると、接着層2を有している機能シート6が基材シート1から剥離する。基材シート1から剥離された機能シート6は、通過するパネル8に機能シート6の接着層2によって貼り合わせられる。
しかし、ロール110に巻かれている連続した積層シート7の途中には不良部分が存在していることがある。この不良部分はパネル8に貼り合わせることができず、廃棄する必要がある。
また、パネル8に機能シート6を貼り合わせたときに、機能シート6とパネル8の間に異物の噛み込みや気泡による不良品が発生することが頻繁にあり、その場合には、機能シート6をパネル8から剥がして再度貼り合わせる工程が取られる。そのため、機能シート6の接着層2は、剥離しやすいように粘着力が弱く設計されている。
このように粘着力が弱い接着層2で基材シート1に機能シート6が貼り付けられている積層シート7の不良部分を廃棄する場合には、機能シート6が基材シート1から剥がれる問題が技術課題として高く、別の粘着材からなるダミーシートに転写させる方法が取られている。例えば先行文献1では、積層シート7の良品部分は図9(a)に示すように、ローラー100,101とで構成されている移送経路に沿って矢印方向に移送されている。積層シート7の不良部分を検出した場合には、図9(b)に示すように、検出された不良部分の機能シート6bだけが切断されるとともに、ローラー102がローラー103に近接する。前記ダミーシート104は、ダミーシート巻装体105から引き出されてローラー103を経由して巻き取り軸106に架張されて矢印方向に移送されている。ローラー102によって積層シート7がローラー103の上のダミーシート104に押し付けられた位置に差し掛かった不良部分の機能シート6bは、基材シート1からダミーシート104に乗り移ることで転写し巻き取り軸106に巻き取っている。
特許第4377964号公報
このダミーシート104による不良部分の機能シート6bの回収の場合には、対象物のパネルが大面積なものになれば、ダミーシート104の面積も大きくなるため、ダミーシート104の交換作業が設備稼働率を落とす原因となることや、作業員の負担も大きくなることが大きな課題となっている。
また、転写のための強い粘着力のあるダミーシート104が必要となるため、ランニングコスト増大を招いている。
さらに、機能シート6は薄型化が進んでおり、機能シート6の剛性が低くく、ダミーシート104へ乗り移る時に機能シート6bの折れ曲がりや引っ掛かりが発生し、回収不良が課題となっている。
本発明は、従来の課題を解決するものであり、安定かつ前記パネルの生産性に優れたシートの廃棄方法を提供することを目的とする。
本発明の機能シート貼付装置における機能シート不良部分の廃棄方法は、基材シートに機能シートを貼り付けた長尺の積層シートを、剥離部の剥離板を経由して移送し、所定の長さ分の機能シートを切断するとともに前記剥離部を通過して基材シートから剥離された機能シートを対象物に貼り付ける機能シート貼付装置において、前記積層シートの不良部分の機能シートを前記対象物に貼り付けずに廃棄する場合には、前記積層シートの移送経路の剥離部を挟んで上手側と下手側の2点間で把持した後に、前記剥離板を後退させて前記基材シートにかかる張力を無負荷にした状態で、前記剥離部における積層シートの折り曲げ角度を、機能シートを基材シートから剥離して前記対象物に貼り付けるときよりも鈍角に変更するとともに、前記剥離部における廃棄する機能シートの始端の通過角度:θに応じて、前記基材シートに作用する張力:Tを制御して前記不良部分の機能シートを前記基材シートに貼り付けたままで移送することを特徴とする。
また、本発明の機能シート貼付装置における機能シート不良部分の廃棄方法は、基材シートに機能シートを貼り付けた長尺の積層シートを、剥離部の剥離板を経由して移送し、所定の長さ分の機能シートを切断するとともに前記剥離部を通過して基材シートから剥離された機能シートを対象物に貼り付ける機能シート貼付装置において、前記積層シートの不良部分の機能シートを前記対象物に貼り付けずに廃棄する場合には、前記積層シートの移送経路の剥離部を挟んで上手側と下手側の2点間で把持した後に、前記剥離板を後退させて前記基材シートにかかる張力を無負荷にした状態で、前記剥離部における積層シートの折り曲げ角度が、機能シートを基材シートから剥離して前記対象物に貼り付けるときよりも鈍角になるローラーに入れ換えるとともに、前記剥離部を通過中に前記機能シートに作用する剥離力として前記基材シートの厚みと縦弾性係数と前記剥離部の径寸法で求められる曲げ応力σbと、積層シートにかける張力から前記剥離部の半径方向に作用する応力σtは、
σ = (σb+σt)sinθ
=[(E・y/R)−{T1/(t・w)]・sinθ
で表され、θは前記剥離部に対するシート先端の通過位置、剥離力は上記応力σに通過した面積Sを乗算し求められ、前記剥離部に対し前記機能シートが通過するときに制御する張力値の設定は、
T1 < (t・w)・[(E・y/R)−{F/(S・sinθ)}]
なる式から算出し、前記剥離部通過中に前記機能シートの先端が前記基材シートから剥離しないように巻き取ることを特徴とする。なお、σb:曲げ応力,σt:引張応力,E:機能シートの縦弾性係数(GPa),R:ローラーの半径(mm),y:中立面からの距離(mm),T1:積層シートにかける張力(N),t:基材シートの厚み(mm),w:機能シートの幅(mm),F:基材シートから機能シートを剥離するのに必要な力(N),θ:機能シートの先端部が剥離部を通過した角度(°),S:機能シートの先端部が剥離部を通過した面積(mm)である。
本発明によれば、不良部分の機能シートを基材シートに貼り付けたまま回収することができ、回収専用のダミーシートに回収するようなダミーシートの交換作業が不要であるため、設備稼働率を落とすことがない。また、剥離部における廃棄する機能シートの始端の通過角度:θに応じて、基材シートに作用する張力:Tを制御しているので、シートの折れ曲がりや引っ掛かり、蛇行なども無く良好な回収の生産を実現できる。
発明の機能シート不良部分の廃棄機構を備えた機能シート貼付装置の構成図 実施の形態で使用した積層シートの構成図 機能シートを貼り付けたプラズマディスプレイパネルの構成図 実施の形態における機能シート不良部分の廃棄機構の動作説明図 実施の形態における機能シート不良部分の廃棄機構における張力制御の説明図 実施の形態における機能シート不良部分の廃棄機構において機能シートに作用する剥離力の説明図 機能シート不良部分の廃棄機構を通過時の機能シートの先端に作用する剥離力と設定張力関係図 従来例によるシート剥離部の装置構成概略図 従来例による不良部分巻き取り手段の動作図
以下、本発明の機能シート貼付装置における機能シート不良部分の廃棄方法を、具体的な実施の形態に基づいて説明する。
なお、ここではプラズマディスプレイパネルの表示面に直接に貼り付ける電磁波シールド用フィルムの機能シートを例に挙げて説明する。
連続した長尺の積層シート7は、図2に示すように表面が滑らかな基材シート1(厚み:30〜50μm)と、粘着材からなる接着層2(厚み:20〜40μm)を有した機能シート6とで構成されており、機能シート6が、基材シート1の表面に接着層2によって貼り付けられている。
機能シート6は、樹脂フィルム層3(厚み:70〜130μm)、金属メッシュ層4(厚み:1〜10μm)、ハードコート層5(厚み:2〜10μm)の順に積み重なったシートの樹脂フィルム層3の片面に接着層2が設けられている。
基材シート1および樹脂フィルム層3としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネイト(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのフィルムを用いることが可能である。
接着層2は、アクリル系モノマーをベースにした接着剤であり、紫外線や熱・圧力などにより重合が開始する反応開始剤も含んでいる。また必要に応じて色素などを導入することで 光透過率や色調などを調節する機能を付加した接着剤も可能である。
金属メッシュ層4は、銅、銀、金、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、コバルトなどの導電性金属もしくはその合金、またはバインダ樹脂に導電性微粒子を分散した材料で、メッシュ状の金属層がシート全面に形成されている。
ハードコート層5は、アクリル系樹脂など紫外線硬化樹脂を用いた硬度の高い樹脂により形成されている。
この本実施の形態で使用したシートの詳細内容は以下のとおりである。
基材シート1(35〜40μm):ポリエチレンテレフタレート
接着層2(25〜30μm) :アクリル系接着剤+感圧式反応開始剤
樹脂フィルム層3(100μm):ポリエチレンテレフタレート
金属メッシュ層4(1〜3μm):銅
ハードコート層5(3〜5μm):アクリル系紫外線硬化樹脂
なお、ここで述べたシート材料は、あくまでも一例であり、特に限定されるものではない。
基材シート1から剥がされた機能シート6を、図3に示すようにプラズマディスプレイパネル8の表示面に貼り合わせる貼付装置は、図1のように構成されている。
まず、積層シート7がロール状に巻かれたロール原反33を設置し、積層シート7の送り量を制御しながら自転可能なロール原反引出しローラー29に連動している。
そのロール原反33から引き出された積層シート7は、下流方向に複数本のフリーローラー34a〜34gを介して搬送され、垂れたりしないように積層シート7に張力をかけた状態で切断工程37へ搬送する。
この切断工程37では、例えば刃物36とステージとしての下台38が所定の間隔で保持されており、その間に積層シート7が搬送され下台38に基材シート1が接するように設置される。機能シート6を所定の長さで切断する位置に積層シート7を搬送し、基材シート1を下台38で保持、刃物36を機能シート6のみ入れ込むことで切断させる。そのため、基材シート1が切断しない範囲で下台38と刃物36先端の隙間を保持しておくことが必要である。以後、機能シート6のみ切断され基材シート1は切断されていない切断状態をハーフカットと述べることとする。刃物36は真円度が10〜20μm以下の高精度な回転可能な刃を用い、刃先が機能シート6に食い込んだ状態で幅方向に加圧、走引させることでハーフカットする。刃物36は固定で使用する場合や回転で使用するも双方において可能である。また、加工用レーザーを用いたハーフカットも適用できる。
次に、所定の間隔でハーフカットされた機能シート6は剥離工程39に送られ、先端角度15°の剥離板20上を、ダンサーローラー31を動かす張力用エアーシリンダー32の推力で上流方向に張力を与えながら搬送させることで、機能シート6の先端が基材シート1から剥離する。この先端が剥離された機能シート6は、基材シート1を巻き取ることにより徐々に剥離されながら貼り合わす対象物であるプラズマディスプレイパネル8の表面に搬送される。また貼り合わせローラー22a,22bで挟み込むとともに、張力用エアーシリンダー32の推力で上流方向に張力を与えながら、プラズマディスプレイパネル8の表面に機能シート6を貼り合わす。貼り合わせローラー22a,22bは自転する機能を有し、プラズマディスプレイパネル8を挟み回転することで搬送させている。
このとき、機能シート6を皺無く貼り合わせるため、プラズマディスプレイパネル8の送り速度と機能シート6の送り速度を同期させる必要がある。そのため、貼り合わせローラー22a,22bの速度を基準に、機能シート6の送りを行う第2巻き取りローラー24を高い応答性で速度を追従させる制御を行っている。
高い応答性が必要であるため、貼り合わせローラー22a,22bと第2巻き取りローラー24はサーボモーターを使用している。機能シート6を剥離した基材シート1は第2巻き取りローラー24に送られ、回収ロール42において巻き取られる。
剥離板20の先端部分は曲面加工を施している。曲面加工部の半径は、5〜10mmが適正である。これは基材シート1にキズが入り破断、もしくは搬送時の抵抗低減・静電気発生防止などの観点から、基材シート1が滑り易く処理しておくことが望ましい。また必要に応じて、表面にすべりやすいコーティングを施すことも可能である。
積層シート7に欠陥が存在した場合の機能シート不良部分の廃棄方法について説明する。
積層シート7の搬送途中に存在するシート検査工程35において、積層シート7の表面欠陥やあらかじめ別工程で欠陥が存在する箇所に設けられたマークを認識カメラやファイバーセンサーなどの不良部分検出センサー43を用いて検出し、積層シート7のどの位置に欠陥が存在するのかを予め把握しておく。
ここでマークとは、積層シート7の端に線状または点状に印字された印を用いたが、検出手段に検出できるものであれば特にこれに限ったものではない。
また、ここではシート検査工程35にて欠陥を検出する方法を用いたが、あらかじめシート製造工程で検査し、貼り合わせ装置10に投入する前に欠陥位置を把握しておいてもよい。
積層シート7の不良部分の検出位置から、プラズマディスプレイパネル8に貼り合わす必要長さを確保できないと判断した場合、積層シート7の不良部分から上流側に刃物36が搬送方向に移動しハーフカットする。
次に、不良部分をハーフカットした積層シート7の廃棄方法について説明する。
図4では、先端が鋭角で曲率の小さい剥離板20と、曲率が大きく摩擦抵抗を小さくするため軸受で保持された回転体からなる廃棄ローラー30とを入れ換える構造図である。
剥離板20は、両端を上下もしくは斜め方向に駆動する第1エアーシリンダー21で保持されている。剥離板の奥行き寸法(幅)はパネル8の画面サイズが42インチ〜65インチの場合、600〜900mmであり重量も大きいため、第1エアーシリンダー21はガイド付きの剛性が高いものを使用する。廃棄ローラー30においても、両端を第2エアーシリンダー25の駆動源で固定させ、上下方向もしくは斜め、または回転運動させる構造としている。廃棄ローラー30自体はころがり摩擦による回転体にすることが望ましい。
なお、この実施の形態では、剥離板20の先端が鋭角であるのに対して、廃棄ローラー30の鈍角であって、通常は剥離板20を経由して積層シート7を移送して機能シート6を剥離板20で基材シート1から剥がしていたが、不良部分の機能シート6を廃棄する場合には、剥離板20と廃棄ローラー30を入れ換えて機能シート6が基材シート1から剥がさずに廃棄ローラー30を通過して基材シート1に張り付いた状態で移送され回収される。このように剥離部における積層シートの折り曲げ角度を、機能シートを基材シートから剥離して対象物に貼り付けるときよりも鈍角に変更する剥離部切り換え機構44が、図1では第2エアーシリンダー25,第3エアーシリンダー26,挟み込みシャフト41などで構成されている。この剥離部切り換え機構44は、機能シート6を基材シート1から剥離して対象物8に貼り付ける場合の積層シート7の折り曲げ角度の鋭角の剥離部20と不良部分の機能シート6を前記対象物8に貼り付けずに廃棄する場合の鈍角の剥離部30との入れ換えに際して、剥離部を挟んで上手側と下手側の2点間で積層シート7を把持する移動規正機構46を有している。移動規正機構46は、この実施の形態では第1巻き取りローラー23,第2巻き取りローラー24と、フリーローラー34c,挟み込みシャフト41,第3エアーシリンダー26によって構成されている。
次に、図4を用いて剥離板20と廃棄ローラー30の入れ換える動作について説明する。
通常、積層シート7には、搬送中の蛇行を防止するために上流方向に向かい張力用エアーシリンダー32の推力によって張力Tを与えて引っ張っている。そのため、張力を与えた状態で剥離板20と廃棄ローラー30の入れ換え動作を行うと、切断工程37でハーフカットした機能シート6の切断面である始端部が剥離する。
そのため、図4(b)のように剥離板20と廃棄ローラー30を入れ換える動作の前に、挟み込みシャフト41にて積層シート7を挟み込む動作を行う。下流側では、第1巻き取りローラー23と第2巻き取りローラー24によって挟まれており、積層シート7は2点間で固定されることで無負荷状態を作り出している。通常、第1巻き取りローラー23と第2巻き取りローラー24は常時挟み込まれている状態を保持し、回転駆動する動力を持ち、積層シート7を搬送している。第1巻き取りローラー23は、軸受で保持された回転体からなり、両端をエアーシリンダーで押さえ込むことで第2巻き取りローラー24との挟み込みを実現している。第1巻き取りローラー23と第2巻き取りローラー24は積層シートとも摩擦による搬送を行っているため、ウレタンゴムなどの弾性変形や摩擦が大きいものを用いる。また、挟み込みシャフト41はフリーローラー34cに対し挟み込む動作を行うが、挟み込みシャフト41は軸受で保持されず駆動源を持たないため、挟み込みシャフト41は回転しない丸棒を用いる。また、摩擦による保持をしているため、ウレタンゴムなど硬度の低い材質を採用している。挟み込みシャフト41の両端を第3エアーシリンダー26で駆動し、フリーローラー34cとの挟み込みを行う。
第3エアーシリンダー26により挟み込みシャフト41を押し出して、また、第1巻き取りローラー23と第2巻き取りローラー24とで2点間を把持した後、第1エアーシリンダー21にて剥離板20が上下もしくは斜め方向に後退する。
次に、第2エアーシリンダー25にてリンク機構で構成された末端の廃棄ローラー30が後方から上下もしくは斜め方向に移動することで剥離板20と廃棄ローラー30の入れ換え動作を行う。
次に、図4(c)に示すように2点間を把持するために挟み込みをしていた挟み込みシャフト41を後退させ、把持状態から開放し積層シート7に張力を与える。第1巻き取りローラー23と第2巻き取りローラー24を回転させることで積層シート7を搬送するが、機能シート6のハーフカットによる切断面は剥離しやすいため、剥離力を抑えることを目的とし巻き取り直前に張力用エアーシリンダー32への供給圧力を低くし張力を下げる。
この実施の形態では、剥離板20に代わって廃棄ローラー30を使用する場合には、廃棄ローラー30における廃棄する機能シート6の始端の通過角度:θに応じて、基材シート1に作用する張力:Tを制御する張力制御部45が、ダンサーローラー31,張力用エアーシリンダー32などで構成されている。
切断面である機能シート6の始端が廃棄ローラー30を通過後に、張力用エアーシリンダー32への供給圧力を上げ張力を再度増大させ、通過後の積層シート7の蛇行を抑制する。張力用エアーシリンダー32は0.1〜0.5sec間で供給圧力を変化させる必要があるため、供給圧力の制御には電空圧力弁を使用することが望ましい。
図5では2段階制御する張力変化図を示している。図6は剥離板20と廃棄ローラー30とを入れ換え、廃棄ローラー30が所定の角度θ回転分だけ積層シート7を搬送した時の図を示している。図5の2段階制御による張力設定において、第1段階での張力設定値T1を下記の式(1)〜式(3)を用いて算出する。これによって機能シート6が基材シート1から剥離する力を予め知っておき、F2の力より小さくなるように第1段階での張力T1の設定を決める。
σ = [(E・y/R)−{T1/(t・w)]・sinθ ・・・(1)
F1= σ・S+mrw ・・・(2)
T1 < (t・w)・[(E・y/R)−{F/(S・sinθ)}]・・・(3)
算出式を図6にて詳しく説明する。
角度θは、機能シート6の先端が点aから点bまで搬送したときに成す角度で、張力は機能シート6の始端が点aの位置にある時に張力を下げた設定値T1に変更している。
次に、廃棄ローラー30とシート搬送方向の上流側のローラーとを接線で繋いだ点aを角度0°と定義する。また、シート搬送方向の下流側のローラーとを接線で繋いだ点は、前記記述の点aから175°の位置に存在する。剥離板20と廃棄ローラー30を入れ換えた直後は、切断された機能シート6の先端が点aの位置におり、廃棄ローラー30の接点にいるため半径方向の力は作用していない。
また、廃棄ローラー30の径寸法は、廃棄ローラー30の周辺の隣接する機構とのスペースで決めることができるが、本発明では直径35mmを採用している。
次に、図6の位置である機能シート6の始端が角度θ分だけ下流側に搬送された時、機能シート6の先端には、機能シート6の厚み、縦弾性係数と廃棄ローラー30の半径で決まる曲げ応力と、第1段階で設定された張力T1による半径方向にかかる応力と、機能シート6と基材シート1の厚みの差で発生する遠心力が作用する。プラズマディスプレイパネルに貼り合わせる機能シート6と、基材シート1の厚みは合計で170μmと薄く、式(2)では遠心力mrwが非常に小さくなるため無視できる。
式(1)より、曲げ応力σbは機能シート6の材料特性である縦弾性係数Eと廃棄ローラー30の曲げ半径Rで算出できる。機能シート6の縦弾性係数Eについて、材料にはポリエチレンテレフタレートが使用され、ポリエチレンテレフタレートの縦弾性係数は2.5GPaである。半径Rは、廃棄ローラー30の寸法で決まり、今回は直径35mmを採用しているため半径は17.5mmとなる。yは曲げによる機能シート6に発生する引張応力と圧縮応力の中立面からの距離を示し、y=0の位置では応力は0となり、機能シート6の表面で応力最大となる。本発明では、機能シート6の厚みは100μmであり、中立面からの距離yを50μmで計算する。式(1)より、曲げ応力σbは7.1MPaとなる。
次に張力T1による引張応力σtを求める。
引張応力σtは、積層シート7にかける張力を断面積(t×w)で除算したものである。ここでの張力は、図5に示す第1張力T1であり、張力T1は図7に示す剥離力F1の最大値F1maxが、機能シート6が基材シート1から剥離する力F2以下になるように張力T1を設定する。式(2)は、式(1)により求められた応力に面積Sを乗算し半径方向の力、つまり剥離力F1を求める式である。式(1)と式(2)より、機能シート6が基材シート1から剥離するのに必要な力F2より小さくなるための張力T1の算出式を式(3)に示す。
機能シート6が基材シート12から剥離する力は5Nと分かっており、式(3)のF2に5Nを代入することでT1を算出することができる。ここで基材シート1の厚みtは38μm、機能シート6の幅(奥行)wは550mmである。
a点から機能シート6の先端が廃棄ローラー30を通過するa点から175°の位置である点までにかかる剥離力F1との関係図を図7に示す。図7の剥離力F1は式(2)に示す関数であり、正弦波状に変化しa点から120°付近で最大となる。120°の位置からは徐々に減少していき、175°に向かうにつれ0に収束していく。
ここで、剥離力F1の最大値が、機能シート6が基材シート1から剥離するために必要な力より小さくなるように第1段階での張力値T1を設定する。式(3)より張力T1は148.4Nと算出され、安全率を考慮し70Nに設定している。
機能シート6の先端が175°の位置に到達した時、積層シート7にかける張力をT1から、前記記述の電空圧力弁の供給圧力を上げ張力T2に増大させる。第1段階での張力値T1は70Nと良品を貼り合せるときの張力200Nに対し小さく、その状態で積層シート7の搬送を続けた場合、積層シート7がその他多数存在するローラーを通過中に蛇行する。そのため、機能シート6の先端が廃棄ローラー30の175°の位置に到達したと同時に張力T2へ上げ、2段階制御することで機能シート6の先端部の剥離と積層シート7全体の蛇行を防止している。本発明では、張力T2の設定を、通常良品部分を対象物に貼り合せる時の張力値200〜300Nと同一としている。
また、積層シート7の搬送速度は300mm/sとしているが、速度はより速い方が設備稼働率を確保できるためこれに限るものではない。
前記記述の方法により、機能シート6を剥離することなく基材シート1と共に搬送し、最終ロール状に巻き取っている。ロール径が所定の径寸法になると、ロールごと装置から排出し廃棄処理している。
以上のような方法で巻き取る不良部分の廃棄手段では、多種にわたる積層シートに適用でき、また廃棄速度の制限も無いため短時間で装置稼働率を損なわず廃棄することができる。シートの厚さ、剛性の違い等のあるゆる機能シートに効果的であり、樹脂層および塗布や薄膜プロセスにより形成される金属層を有する積層シートやキズ、汚れの防止のために表面にハードコートを形成した機能シートの貼付装置などに非常に有効である。
本発明は、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよび太陽電池などの対象パネルに貼り付ける電磁波シールドフィルム、色調・透過率調整フィルム、反射防止フィルムなど幅広い分野の機能シート貼付装置に適応して、生産性の向上に寄与する。
1 基材シート
2 接着層
3 フィルム層
4 金属メッシュ層
5 ハードコート層
6 機能シート
7 積層シート
8 プラズマディスプレイパネル
9 プラズマディスプレイ
10 貼り合わせ装置
20 剥離板
21 第1エアーシリンダー
22a,22b 貼り合わせローラー
23 第1巻き取りローラー
24 第2巻き取りローラー
25 第2エアーシリンダー
26 第3エアーシリンダー
29 ロール原反引出しローラー
30 廃棄ローラー
31 ダンサーローラー
32 張力用エアーシリンダー
33 ロール原反
34a〜34g フリーローラー
35 検査工程
36 刃物
37 切断工程
38 下台
39 剥離工程
41 挟み込みシャフト
42 回収ロール
43 不良部分検出センサー
44 剥離部切り換え機構
45 張力制御部
46 移動規正機構

Claims (3)

  1. 基材シートに機能シートを貼り付けた長尺の積層シートを、剥離部の剥離板を経由して移送し、所定の長さ分の機能シートを切断するとともに前記剥離部を通過して基材シートから剥離された機能シートを対象物に貼り付ける機能シート貼付装置において、
    前記積層シートの不良部分の機能シートを前記対象物に貼り付けずに廃棄する場合には、前記積層シートの移送経路の剥離部を挟んで上手側と下手側の2点間で把持した後に、前記剥離板を後退させて前記基材シートにかかる張力を無負荷にした状態で、前記剥離部における積層シートの折り曲げ角度を、機能シートを基材シートから剥離して前記対象物に貼り付けるときよりも鈍角に変更するとともに、前記剥離部における廃棄する機能シートの始端の通過角度:θに応じて、前記基材シートに作用する張力:Tを制御して前記不良部分の機能シートを前記基材シートに貼り付けたままで移送する
    機能シート貼付装置における機能シート不良部分の廃棄方法。
  2. 基材シートに機能シートを貼り付けた長尺の積層シートを、剥離部の剥離板を経由して移送し、所定の長さ分の機能シートを切断するとともに前記剥離部を通過して基材シートから剥離された機能シートを対象物に貼り付ける機能シート貼付装置において、
    前記積層シートの不良部分の機能シートを前記対象物に貼り付けずに廃棄する場合には、前記積層シートの移送経路の剥離部を挟んで上手側と下手側の2点間で把持した後に、前記剥離板を後退させて前記基材シートにかかる張力を無負荷にした状態で、前記剥離部における積層シートの折り曲げ角度が、機能シートを基材シートから剥離して前記対象物に貼り付けるときよりも鈍角になるローラーに入れ換えるとともに、
    前記剥離部を通過中に前記機能シートに作用する剥離力として前記基材シートの厚みと縦弾性係数と前記剥離部の径寸法で求められる曲げ応力σbと、積層シートにかける張力から前記剥離部の半径方向に作用する応力σtは、
    σ = (σb+σt)sinθ
    =[(E・y/R)−{T1/(t・w)]・sinθ
    で表され、θは前記剥離部に対するシート先端の通過位置、剥離力は上記応力σに通過した面積Sを乗算し求められ、前記剥離部に対し前記機能シートが通過するときに制御する張力値の設定は、
    T1 < (t・w)・[(E・y/R)−{F/(S・sinθ)}]
    なる式から算出し、前記剥離部通過中に前記機能シートの先端が前記基材シートから剥離しないように巻き取る
    機能シート貼付装置における機能シート不良部分の廃棄方法。
    σb:曲げ応力,σt:引張応力,E:機能シートの縦弾性係数(GPa),R:ローラーの半径(mm),y:中立面からの距離(mm),T1:積層シートにかける張力(N),t:基材シートの厚み(mm),w:機能シートの幅(mm),F:基材シートから機能シートを剥離するのに必要な力(N),θ:機能シートの先端部が剥離部を通過した角度(°),S:機能シートの先端部が剥離部を通過した面積(mm)である。
  3. 前記積層シートの不良部分の機能シートを前記対象物に貼り付けずに廃棄する場合の前記張力:Tを、機能シートの先端がローラー通過後に増加させ2段階で張力を制御することで、第1段階ではローラー通過中の機能シート先端が剥離することを防止し、第2段階ではローラー通過後の積層シート全体の蛇行を防止す
    求項2記載の機能シート貼付装置における機能シート不良部分の廃棄方法。
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