JP5927072B2 - メカニカルシール - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、コンプレッサやポンプなどの各種回転機器に軸封装置として使用されるメカニカルシールに関する。
従来より、例えば、コンプレッサやポンプなどの各種回転機器において、ケーシングを貫通する回転軸からの漏出を機械的にシールする装置としてメカニカルシールが多用されている。単に、メカニカルシールといっても、その用途により、特許文献1で提案されるような一組の回転密封環及び静止密封環によるシール面(摺動面)でシールするシングル型、シングル型に比べてシール性能の高い、二組の回転密封環及び静止密封環によるシール面(摺動面)でシールするダブル型や、特許文献2で提案されるようなタンデム型などのシール機構がある。
なお、ダブル型のシール機構は二組の回転密封環及び静止密封環が回転軸の軸心方向において逆向きに配置される構成であり、流体の圧力を二分してより高圧状況下で使用されるタンデム型のシール機構は二組の回転密封環及び静止密封環が軸心方向において同方向に配置される構成である。
このようなメカニカルシールは、シール機構の型に限らず、回転密封環のシール面と、静止密封環のシール面とを摺動させてシールするため、回転密封環、及び静止密封環のうち一方を他方に向かって付勢手段で軸心方向に付勢している。この付勢手段の付勢力が、シール面でのシール性に大きく影響している。つまり、高圧力下でのシール性を確保するためには、付勢手段の付勢力を大きく設定し、一方のシール面を他方のシール面に強く押し付けて高いシール性能を確保する。
このように、付勢力を増大させてシール性を向上させることにより、回転方向に摺動している回転密封環、及び静止密封環は発熱して高温になる。回転密封環、及び静止密封環が高温になると、回転密封環、及び静止密封環が膨張してひずみが生じ、ひずみに起因して異常摩耗したり、ひずみによってシール面の平行性が崩れて漏洩を許容し、シール性能が低下するおそれがあった。
特開2007−211939号公報 特開2006−83889号公報
そこで本発明では、高いシール性能を長期にわたって維持できる耐久性の高いメカニカルシールを提供することを目的とする。
この発明は、回転軸に回転固定された回転密封環の回転側シール面と、ハウジングに回転固定された静止密封環の静止側シール面とで、回転摺動する摺動シール面を構成するシール機構を備えるとともに、前記回転密封環及び前記静止密封環のうち一方を前記回転軸の軸心方向に移動可能な軸心方向移動環で構成し、該軸心方向移動環を他方に向かって、前記回転軸に固定された反力固定部の反力により、軸心方向に付勢する付勢手段を備えたメカニカルシールであって、前記ハウジング内部において前記シール機構より機内側を機内側空間とするとともに、前記シール機構より機外側を機外側空間とし、前記機外側空間に流体を供給する流体供給路を形成するとともに、前記機外側空間において、前記反力固定部に対して、前記機外側空間に供給された前記流体を導通する流体導通部を備え、前記流体導通部を、表面積を拡大する凹凸形状を有する凹凸形状部を備えたことを特徴とする。
上述の前記回転軸に固定された反力固定部は、スリーブを介して回転軸に固定された反力固定部や、回転軸に直接固定された反力固定部とすることができる。
上記メカニカルシールは、一組の回転密封環及び静止密封環を有するシングル型、二組の回転密封環及び静止密封環を軸心方向に互いに逆向きに配置するダブル型、二組の回転密封環及び静止密封環を同じ向きに配置したタンデム型であることを含む。
上記流体は、例えば、フラッシング、クエンチングあるいはバッファフルードのように潤滑性のある循環液や洗浄液とすることができる。
上記シール機構より機内側あるいは機外側は、軸心方向に交差する方向のシール面である場合、シール機構より軸心方向において機内側の空間と連通するシール面より径内側あるいは径外側の空間、あるいはシール機構より軸心方向において機外側の空間と連通するシール面より径内側あるいは径外側を含む概念とする。
この発明により、高いシール性能を長期にわたって維持することができる。
詳しくは、前記ハウジング内部において前記シール機構より機外側である機外側空間に形成した流体供給路から流体を供給するとともに、前記機外側空間において、前記反力固定部に対して、流体導通部に前記流体を導通するため、回転方向に摺動することにより、その摩擦熱で高温になった回転密封環、及び静止密封環を流体で効率的に冷却することができる。したがって、回転密封環や静止密封環の熱膨張や、熱膨張によるひずみの発生を防止できるため、付勢手段の付勢力を大きく設定し、一方のシール面を他方のシール面に強く押し付けて達成する高いシール性能を長期にわたって維持することができる。
また、前記流体導通部を、表面積を拡大する凹凸形状を有する凹凸形状部を備えることにより、流体導通部の表面積を拡大することができる。したがって、流体導通部を導通する流体と軸心方向移動環との熱交換性が向上し、流体導通部を導通する流体による軸心方向移動環の冷却効果を向上する。
なお、上述の凹凸形状部に有する凹凸形状は、断面方向の凹凸形状あるいは周方向の凹凸形状とすることができる。
またこの発明は、回転軸に回転固定された回転密封環の回転側シール面と、ハウジングに回転固定された静止密封環の静止側シール面とで、回転摺動する摺動シール面を構成するシール機構を備えるとともに、前記回転密封環及び前記静止密封環のうち一方を前記回転軸の軸心方向に移動可能な軸心方向移動環で構成し、該軸心方向移動環を他方に向かって、前記回転軸に固定された反力固定部の反力により、軸心方向に付勢する付勢手段を備えたメカニカルシールであって、前記ハウジング内部において前記シール機構より機内側を機内側空間とするとともに、前記シール機構より機外側を機外側空間とし、前記機外側空間に流体を供給する流体供給路を形成するとともに、前記機外側空間において、前記反力固定部に対して、前記機外側空間に供給された前記流体を導通する流体導通部を備え、前記凹凸形状部を、前記軸心方向に沿った螺旋状に形成したことを特徴とする。
この発明により、高いシール性能を長期にわたって維持することができるとともに、流体導通部への流体の導通性が向上する。詳しくは、回転軸の回転に伴って螺旋状に形成した凹凸形状部を有する流体導通部が回転するため、螺旋状のスクリュウ効果により流体導通部への流体の導通性が向上する。したがって、流体による軸心方向移動環の冷却効果をより一層向上することができる。
この発明の態様として、前記軸心方向移動環を、前記回転密封環とし、前記付勢手段を、前記回転密封環を軸心方向に付勢し、前記流体導通部を、前記反力固定部と前記回転軸周面との間に形成することができる。
この発明により、より効率的に流体導通部に流体を導通して、高い冷却効果を得ることができる。詳しくは、回転する回転軸の周面と反力固定部との間に流体導通部を形成しているため、回転軸の回転に伴って、流体導通部も回転するため、より効率的に流体導通部に流体を導通させることができる。したがって、回転密封環や静止密封環の熱膨張や、熱膨張によるひずみに起因する異常摩耗やシール性低下による漏洩を防止できるため、付勢手段の付勢力を大きく設定し、一方のシール面を他方のシール面に強く押し付けて達成する高いシール性能を長期にわたって安定して維持することができる。
またこの発明の態様として、前記軸心方向移動環、及び前記反力固定部の径方向に対向する径方向対向面に、前記軸心方向に直交する方向の環状に形成した環状シール部材を備えることができる。
この発明により、シール性を向上することができる。詳しくは、軸心方向に移動する前記軸心方向移動環と反力固定部との間のシール性を確保できるとともに、流体導通部を導通する流体により前記軸心方向移動環を冷却するため、環状シール部材が熱劣化することを防止できる。したがって、高いシール性能を維持することができる。
またこの発明の態様として、二組の回転密封環及び静止密封環を、軸心方向に直列配置し、前記シール機構を、機内側の機内側シール機構と、機外側の機外側シール機構とで構成し、前記機内側空間を、前記機内側シール機構より機内側とするとともに、前記機外側空間を、前記機外側シール機構より機外側の第1機外側空間と、前記機外側シール機構と前記機内側シール機構の間の第2機外側空間とで構成し、前記流体供給路を、前記第2機外側空間に前記流体を供給する構成とすることができる。
この発明により、いわゆるダブル型あるいはタンデム型であっても、流体導通部に導通する流体による冷却効果により、耐久性の高い、高圧化におけるシール性を得ることができる。
またこの発明の態様として、前記回転軸の外周面に沿って軸心方向に長く、前記回転軸に固定されたスリーブを備え、前記スリーブの軸心方向中央付近に、機外側の前記回転密封環を軸心方向に付勢する付勢手段を装着する、径の大きな径大部を形成するとともに、前記スリーブの機内側端部付近に、前記反力固定部を固定し、前記流体導通部を、前記スリーブと前記反力固定部との間に形成することができる。
この発明により、高いシール性能を長期にわたって維持できるいわゆるダブル型あるいはタンデム型メカニカルシールの組み付け性を向上することができる。
詳しくは、二組の回転密封環及び静止密封環で構成する機内側シール機構と機外側シール機構のうち機外側シール機構をスリーブの機外側から組み付けて径大部に装着し、機内側シール機構を、スリーブの機内側から組み付けるとともに、前記スリーブの機内側端部付近に、前記反力固定部を固定して装着できる。つまり、二組のシール機構を機外側からと機内側からの両方向から組み付けることができるため、高いシール性能を長期にわたって維持でき、シングル型に比べて複雑な構造である、いわゆるダブル型あるいはタンデム型であっても容易に組み付けることができる。
本発明により、高いシール性能を長期にわたって維持できる耐久性の高いメカニカルシールを提供することができる。
タンデム型メカニカルシールの断面図。 タンデム型メカニカルシールのa部拡大断面図。 タンデム型メカニカルシールの正面図。 タンデム型メカニカルシールにおけるバッファフルード侵入機構についての説明図。
この発明の一実施形態を以下図1乃至図4と共に説明する。
図1はタンデム型メカニカルシール1の断面図を示し、図2はタンデム型メカニカルシール1のa部拡大断面図を示し、図3はタンデム型メカニカルシール1の正面図を示し、図4はタンデム型メカニカルシール1におけるバッファフルード侵入機構50についての説明図を示している。
なお、図4(a)は、回転軸110にスリーブ140とスプリングリテーナ25とが組み付けられた状態の一部断面斜視図を示し、図4(b)は、スリーブ140が組み付けられた回転軸110からスプリングリテーナ25が分離した状態の一部断面斜視図を示している。
タンデム型メカニカルシール1は、コンプレッサやポンプなどの各種回転機器において、ケーシング100やフランジ120,130を貫通する回転軸110からの機内側被密封液の漏出をシールする装置であり、第1フランジ120や第2フランジ130に回転不能に係止され、静止密封環として機能するフロートシート11,21と、回転軸110に固定され、回転軸110とともに回転し、回転密封環として機能するシールリング12,22とで構成するシール機構10,20を備えている。そして、タンデム型メカニカルシール1は、機外側Ko(図1における左側)の二次側シール機構10と、機内側Ki(図1における右側)の一次側シール機構20とが、回転軸110の軸心方向Lに対して、各々のフロートシートとシールリングとを同じ位置関係にして配置したタンデム型のメカニカルシールである。
すなわち、タンデム型メカニカルシール1は、ケーシング100を貫通し、回転する回転軸110と、ケーシング100及びフランジ120,130との間に配置されている。
また、タンデム型メカニカルシール1は、ケーシング100及びフランジ120,130を貫通する回転軸110の外周面に沿って装着されるスリーブ140と、軸心方向Lに長いスリーブ140の外周に沿って、軸心方向Lに所定間隔を隔てて配置した二組のシール機構10,20とで構成している。
なお、各種回転機器の本体ケースにおいて、回転軸110が貫通する部分であるケーシング100は、略円柱状の回転軸110の貫通を許容する貫通孔101を有するともに、タンデム型メカニカルシール1における機内側部分の装着を許容する装着凹部102を、機外側Koから機内側Kiに向かう凹状となるように貫通孔101の内径より大径に形成している。
また、ケーシング100には、図1乃至図3に示すように、後述する一次側シール空間S2にフラッシングオイルを供給、排出するフラッシングオイル孔103を、供給側と排出側で周方向に所定間隔を隔てて形成している。
また、回転する回転軸110は、タンデム型メカニカルシール1を貫通する太径部111と、タンデム型メカニカルシール1の機内側Kiにおいて径が細くなる細経部112とで構成しているが、回転軸110の直径はこれに限定されない。なお、図1及び図4において、回転軸110は軸心方向Lにおける一部のみを切り出して図示している。
スリーブ140は、回転軸110の太径部111における外周面に密着するように装着される円筒状であり、先端に、後述する第1フランジ120の軸心方向Lにおける位置を固定するセットプレート127(図1において破線で図示)の嵌め込みを許容する嵌め込み溝141と、軸心方向Lの中間付近に形成され、二次側シール機構10を装着する第1シール装着部142と、軸心方向Lの機内側Kiである一次側シール機構20を装着する部分において外周面に形成にされたスパイラル溝143とを備えている(図4参照)。
なお、スリーブ140において、一次側シール機構20を装着する機内側Kiの端部には、後述するスプリングリテーナ25の径内係止凸部25aaが機内側Kiから係止して、スリーブ140に対する軸心方向Lの位置を規制する係止段部140aを形成している(図2参照)。
第1シール装着部142は、スリーブ140における他の部分に比べて、径外側に突出する態様で肉厚に形成され、第1シール装着部142の機外側Koの端部における径外側角部142aが面取されるとともに、第1シール装着部142における機内側Kiの端部に、装着した二次側シール機構10の機内側Kiへの移動を規制する径方向凸部142bを備えている。
スパイラル溝143は、図4(b)におけるb部拡大図に示すように、軸心方向Lに沿って螺旋状となる断面矩形のスパイラル溝であり、後述する一次側シール機構20のスプリングリテーナ25の内周面に形成したスパイラル溝25fとともに、後述するバッファフルード案内溝52を構成する。
なお、本明細書では、スパイラル溝143及びスパイラル溝25fとの双方を図示しているが、いずれか一方のスパイラル溝を形成しても同じ作用を得ることができる。
スリーブ140は、機外側Koの端部付近において、セットスクリュウ144によって、回転軸110に固定している。
装着凹部102の機外側Koを覆うようにケーシング100に装着される第2フランジ130は、図1乃至3に示すように、正面視円状のフランジ本体131と、フランジ本体131の機内側Kiにおいて、装着凹部102の内周面に沿うように装着凹部102に挿入される挿入リング部132とで構成している。
また、フランジ本体131には、機外側Koに回転軸110の貫通を許容する貫通孔133を備えるとともに、径内側において、フランジ本体131から挿入リング部132を跨ぐとともに、貫通孔133に連通し、一次側シール機構20の配置を許容する配置空間H2を形成している。
詳述すると、フランジ本体131の径内側に形成された機外側配置空間H2oと、挿入リング部132の径内側に形成された機内側配置空間H2iとで構成された配置空間H2は、機外側Koから機内側Kiに向けて、貫通孔133、配置空間H2、装着凹部102及び貫通孔101がこの順で連通し、配置空間H2と装着凹部102とに一次側シール機構20が配置される。
また、機外側配置空間H2oには、図1におけるa部の拡大図である図2に示すように、一次側シール機構20のフロートシート21が配置され、機外側配置空間H2oと機内側配置空間H2iとの間に、機外側配置空間H2oに配置したフロートシート21の軸心方向Lに飛び出しを防止するためのステンレス製の円環状のプレート134がスナップリング134aに固定されている。さらに、フロートシート21は固定ピン135によってフランジ本体131に回転不能に係止されている。
また、挿入リング部132におけるプレート134より機内側Kiの外周面に沿って、周方向に形成された断面矩形の周面溝136を形成している。
なお、周面溝136は、上述したケーシング100に形成したフラッシングオイル孔103と軸心方向Lの位置が対応し、フラッシングオイル孔103と連通している。また、周面溝136には、周方向において所定の間隔を隔てて、周面溝136と、挿入リング部132の径内側である機内側配置空間H2iとを連通する連通孔136aを複数個形成している。
第2フランジ130の機外側Koに装着される第1フランジ120は、図1及び図3に示すように、略円筒状に形成され、機外側Koに回転軸110の貫通を許容する貫通孔121を備えるとともに、径内側において、貫通孔121に連通し、二次側シール機構10の配置を許容する配置空間H1を形成している。
詳述すると、第1フランジ120の機外側Koの端面の内周に配置されるブッシュB1aと、ブッシュB1aを軸方向に押えて固定するプレートB1b及び、プレートB1bを第1フランジ120に取付固定するボルトB1cとにより、第1フランジ120の機外側Koの端面の内周部にブッシュシールB1を形成し、ブッシュシールB1は回転軸110の貫通を許容し、スリーブ140との間にわずかな隙間を形成する貫通孔121を形成している。また、配置空間H1は、前記貫通孔121に連通し、後述する二次側シール機構10のフロートシート11の配置を許容する第1配置空間H1o、シールリング12及びシールリングリテーナ13の配置を許容する第2配置空間H1m、スプリングリテーナ15の配置を許容する第3配置空間H1iとを、機外側Koからこの順で配置して構成している。
また、第1配置空間H1o、第2配置空間H1m、及び第3配置空間H1iは、この順で径が大きくなるよう形成している。
第1フランジ120には、クエンチ流体(以下、クエンチという)を外部から第1配置空間H1oに供給するクエンチ供給孔122a、クエンチを外部に排出するクエンチ排出孔122b、供給されたクエンチをシールするブッシュシールB1、及び第2配置空間H1mにバッファフルードを外部から供給するバッファフルード供給孔123a、バッファフルードを外部に排出するバッファフルード排出孔123bを備えている。
クエンチ孔122(122a,122b)は、図1または図3に示すように、配置空間H1における機外側Koの第1配置空間H1oに連通し、クエンチ供給孔122aを上半側に配置し、クエンチ排出孔122bを下方向きに配置している。
図1に示すように、バッファフルード孔123(123a,123b)のうちバッファフルード排出孔123bは第2配置空間H1mに連通し、バッファフルード供給孔123aは第3配置空間H1iに連通している。そして、図3に示すように、バッファフルード供給孔123aを上向きに配置し、バッファフルード排出孔123bを下方向きに配置している。
また、第3配置空間H1iを構成する第1フランジ120の内周面には、径外向きに凹状となる凹状溝124を形成し、バッファフルード供給孔123aが連通している。
さらに、第1フランジ120の内面には、第1配置空間H1oに配置するフロートシート11を回転不能に係止するピン125を備えている。
また、第1フランジ120の機外側Koの端面における貫通孔121の対向する二か所において、スリーブ140の嵌め込み溝141に嵌め込み可能なセットプレート127を装着している(図1及び図3参照)。
このように構成したタンデムシールは、まず、スリーブ140の所定位置に二次側シール機構10を構成する回転側シール部材12,13,14,15,16を装着し、第1フランジ120の内周側にフロートシート11を装着した後、二次側シール機構10を装着したスリーブ140を第1フランジ120に挿通し、第1フランジ120の内周側に、ブッシュシールB1を装着する。そして、スリーブ140の嵌め込み溝141にセットプレート127の外周を嵌め込み、スリーブ140に第1フランジ120を係合する。
さらに、スリーブ140に、二次側シール機構10のスプリングリテーナ15側から第2フランジ130を挿通し、複数本の固定ボルト(図示省略する)により第1フランジ120と第2フランジ130とを固定し、第2フランジ130の内周側に、一次側シール機構20を構成するフロートシート21を装着した後、スリーブ140に一次側シール機構20を構成するシールリング22乃至スプリング27を装着固定する。
このようにして、一次側シール機構20及び二次側シール機構10を、第1フランジ120と第2フランジ130とスリーブ140とで形成されるシール空間Sに複数の固定ボルト104によりケーシング100に固定する。その後、セットプレート127を外して、所望のタンデムシールの装着を完了する。
また、回転軸110と第2フランジ130との境界面、第2フランジ130と第1フランジ120との境界面における適宜の位置にOリング130aを配置している。
続いて、第1フランジ120、第2フランジ130及びケーシング100と、回転軸110との間において、軸心方向Lに直列配置したシール機構10,20について詳細に説明する。
配置空間H1に配置する二次側シール機構10は、機外側Koから順に、第1配置空間H1oに配置するフロートシート11、第2配置空間H1mに配置するシールリング12、シールリングリテーナ13及びカラー14、並びに第3配置空間H1iに配置するスプリングリテーナ15、さらに、カラー14とスプリングリテーナ15との間に配置するスプリング17(図1において破線で図示)とで構成している。
フロートシート11、シールリング12、シールリングリテーナ13、カラー14及びスプリングリテーナ15はリング状に形成している。
詳述すると、フロートシート11は、カーボン製であり、第1シール装着部142より機外側Koのスリーブ140に挿通可能なリング本体11aと、リング本体11aにおける内周縁付近に、機内側Kiに突出し、機内側Kiの端面でシール対向面11baを構成する凸状シール部11bとで構成している。
なお、フロートシート11は、上述したように、第1配置空間H1oに配置され、ピン125により第1フランジ120に回転不能に係止されている。
シールリング12は、炭化ケイ素(SiC)製であり、第2配置空間H1mにおける第1シール装着部142より機外側Koの前方に配置されている。
シールリング12は、正面視リング状のリング本体12aと、リング本体12aの外周側において機内側Kiに突出する機内側突出部12bとで構成している。
なお、リング本体12aの機外側Koの端面を、上述のフロートシート11におけるシール対向面11baと対向し、円周方向に摺動可能なシール対向面12aaとしている。また、シールリング12は、機内側突出部12bが第1シール装着部142の機外側Koである径外側角部142aに係るよう、軸方向移動可能に装着する。
シールリングリテーナ13は、例えば、チタンまたはステンレス鋼により構成され、第1シール装着部142の外周に装着されるリング体であり、機外側Koに突出し、上述のシールリング12の機内側突出部12bの側周面を焼嵌め固定する機外側突出部13aと、Oリング(バランスラインOリング)16の嵌め込みを許容する嵌め込み溝13bを内周面に備えている。
カラー14は、シールリングリテーナ13と略同一径で形成された平板状のリング体であり、ドライブピン15eにより、後述するスプリングリテーナ15に軸方向移動可能かつ回転不能に係合されている。カラー14の機外側Koの端面は、シールリングリテーナ13の機内側Kiの端面に面接触している。
スプリングリテーナ15は、第1シール装着部142における機内側Kiに配置されるリテーナ本体15aと、リテーナ本体15aの機内側Kiであり、径方向凸部142bに当接するフランジ部15bを介してリテーナ本体15aより径外側方向に所定間隔を隔てて形成された外側リング部15cとで構成している。
スプリングリテーナ15は、セットスクリュウ15dによって、第1シール装着部142に固定されるとともに、シールリング12、シールリングリテーナ13及びカラー14は、スプリングリテーナ15に対して、軸心方向Lに移動可能に軸心方向Lに平行に配置されたドライブピン(回り止め)15eによって、第1シール装着部142とともに回転可能に固定されている。
また、シールリング12、シールリングリテーナ13及びカラー14は、径方向凸部142bによって、第1シール装着部142に対する軸心方向Lにおける機内側Kiへの位置が拘束されたスプリングリテーナ15を介して、スプリング17の反力によって軸心方向Lの機外側Koに付勢されている。
また、スプリングリテーナ15の外側リング部15cには、周方向に所定間隔を隔てるとともに、上述の第1フランジ120の内周面に形成した凹状溝124と連通し、外側リング部15cを径方向に貫通する貫通孔15caを複数形成している。
さらにまた、第1シール装着部142とシールリングリテーナ13との径方向における対向部分である嵌め込み溝13bにOリング16を配置し、第1シール装着部142の外周を軸心方向Lに移動するシールリングリテーナ13と第1シール装着部142との間のシール性を確保している。
このように構成した二次側シール機構10は、第2フランジ130に固定されたフロートシート11のシール対向面11baに対して、第1シール装着部142の径方向凸部142bによって位置規制されたスプリングリテーナ15を介して、スプリング17の反力によって機外側Koに付勢されたシールリング12のシール対向面12aaが押し付けられているため、回転軸110の回転に伴って、第2フランジ130に回転不能に係止されたフロートシート11に対して回転方向に摺動しながらシールすることができる。
配置空間H2に配置する一次側シール機構20は、図2に示すように、機外側Koから順に、機外側配置空間H2oに配置するフロートシート21、機内側配置空間H2iに配置するシールリング22、シールリングリテーナ23、カラー24、及びスプリングリテーナ25、さらに、カラー24とスプリングリテーナ25との間に配置するスプリング27(図1及び図2において破線で図示)とで構成している。
フロートシート21、シールリング22、シールリングリテーナ23、カラー24及びスプリングリテーナ25はリング状または円筒状に形成している。
詳述すると、フロートシート21は、カーボン製であり、回転軸110に挿通可能なリング本体21aと、リング本体21aにおける内周縁付近に、機内側Kiに突出し、機内側Kiの端面でシール対向面21baを構成する凸状シール部21bとで構成している。
なお、フロートシート21は、上述したように、機外側配置空間H2oに配置され、固定ピン135により第2フランジ130に回転不能に係止されている。
シールリング22は、炭化ケイ素(SiC)製であり、正面視リング状のリング本体22aと、リング本体22aの外周側において機内側Kiに突出する機内側突出部22bとで構成し、機内側配置空間H2iにおける機外側Koの前方に配置されている。
なお、リング本体22aの機外側Koの端面を、上述のフロートシート21におけるシール対向面21baと対向し、円周方向に摺動可能なシール対向面22aaとしている。また、シールリング22は、機内側突出部22bが後述するスプリングリテーナ25の機外側Koである縮径嵌挿部25cの先端に係るよう軸方向移動可能に装着する。
シールリングリテーナ23は、例えば、チタンまたはステンレス鋼により構成され、後述するスプリングリテーナ25の機外側Koに装着されるリテーナ本体23aと、機外側Koに突出し、上述のシールリング22の機内側突出部22bの側周面を焼嵌め固定する機外側突出部23bとで構成している。
シールリングリテーナ23の機内側Kiの端面23cには、ドライブピン23dが円周方向に等間隔を隔てて配置され、ドライブピン23dに対応してカラー24に形成した穴24aに回転不能に係合されている。
カラー24は、リテーナ本体23aと略同じ外径で形成された平板状のリング体であり、ドライブピン25eにより後述するスプリングリテーナ25に軸方向移動可能かつ回転不能に係合されている。カラー24の機外側Koの端面は、リテーナ本体23aの機内側Kiの端面に面接触している。
スプリングリテーナ25は、機内側Kiから機外側Koに向かって、リテーナ本体23aと略同じ外径で形成され、スリーブ140に対して固定するセットスクリュウ25dの装着を許容する固定フランジ25aと、リテーナ本体23aの内周面の軸方向の移動が可能な嵌合を許容するリング本体25bと、外周にOリング(バランスラインOリング)26の装着を許容するとともに、シールリング22の機内側突出部22bの内周面の軸方向の移動が可能な嵌合を許容する縮径嵌挿部25cとで構成し、この順で配置している。
なお、固定フランジ25aの機内側Kiの径内側には、上述のスリーブ140の係止段部140aに係止する径内係止凸部25aaを備えている。
スプリングリテーナ25は、機内側Kiからスリーブ140に装着され、スリーブ140の係止段部140aに固定フランジ25aの径内係止凸部25aaが係止することでスリーブ140に対する軸心方向Lの位置が規制されるとともに、固定フランジ25aに螺挿したセットスクリュウ25dによって、スリーブ140に固定される。また、シールリング22、シールリングリテーナ23及びカラー24は、スプリングリテーナ25に対して、軸心方向Lに移動可能に軸心方向Lに平行に配置されたセットスクリュウ25eによって、スリーブ140に回転不能に係止している。
このように構成した一次側シール機構20は、第2フランジ130に固定されたフロートシート21のシール対向面21baに対して、スプリングリテーナ25を介してスプリング27の反力によって機外側Koに付勢されたシールリング22のシール対向面22aaが押し付けられているため、回転軸110の回転に伴って、第2フランジ130に回転不能に係止されたフロートシート21に対して円周方向に回転摺動しながらシールすることができる。
また、スプリングリテーナ25の縮径嵌挿部25cとシールリングリテーナ23との径方向における対向部分にOリング26を配置し、縮径嵌挿部25cの外周を軸心方向Lに移動するシールリングリテーナ23とスプリングリテーナ25との間のシール性を確保している。
さらにまた、縮径嵌挿部25cとリング本体25bの内周をスリーブ140の外周に対してわずかに径大に形成し、スリーブ140への装着状態において、縮径嵌挿部25c及びリング本体25bの内周面と、スリーブ140の外周面との間に、バッファフルードの侵入を許容する侵入クリアランス51を構成している。
また、図4(b)におけるc部拡大図に示すように、縮径嵌挿部25cとリング本体25bの内周面には、軸心方向Lに沿って螺旋状となるスパイラル溝25fを備え、上述のスリーブ140の外周面に形成したスパイラル溝143とともに、バッファフルード案内溝52を構成している。なお、前記スパイラル溝25f,143は様々な溝形状が選択可能であるが、ここではスパイラル溝25f,143の断面を矩形として図示している。
バッファフルード案内溝52は、侵入クリアランス51の径方向両側において、侵入クリアランス51を径方向両側から挟み込むように形成され、侵入クリアランス51とバッファフルード案内溝52とで、バッファフルード供給孔123aから後述する二次側シール空間S1に供給されたバッファフルードの侵入を許容するバッファフルード侵入機構50を構成している。
上述のように構成したタンデム型メカニカルシール1は、フロートシート11の機外側Koと、フロートシート11のシール対向面11baとシールリング12のシール対向面12aaによる摺動シール面の径内側と、第1フランジ120の機外側Koの端面の内周に配置されるブッシュB1aと、該ブッシュB1aを軸方向に押えて固定するプレートB1b及びプレートB1bを第1フランジ120に取付固定するボルトB1cにより、第1フランジ120の機外側Koの端面の内周部にブッシュシールB1が形成され、ブッシュシールB1は回転軸110の貫通を許容し、スリーブ140との間にわずかな隙間を形成する貫通孔121を形成し、フロートシート11及びシールリング12とスリーブ140との対向面部分とで先端側シール空間S0を構成し、当該先端側シール空間S0に、クエンチ供給孔122aから、上述のシール対向面11baとシール対向面12aaとの摺動シール面を保護するクエンチを供給し、封入することができる。なお、先端側シール空間S0に封入したクエンチはクエンチ排出孔122bから排出することができる。
また、タンデム型メカニカルシール1は、フロートシート11の機内側Kiにおいて、フロートシート11のシール対向面11baとシールリング12のシール対向面12aaによる摺動シール面の径外側の第2配置空間H1mと、第3配置空間H1iと、貫通孔133を通り、フロートシート21のシール対向面21baとシールリング22のシール対向面22aaによる摺動シール面の径内側と、フロートシート21及びシールリング22とスリーブ140との対向面部分と、バッファフルード侵入機構50とで二次側シール空間S1を構成している。
そして、当該二次側シール空間S1に、バッファフルード供給孔123aから、貫通孔15caを通って、上述のシール対向面21baとシール対向面22aaとの摺動シール面を保護するバッファフルードを供給し、封入することができる。なお、二次側シール空間S1に封入したバッファフルードはバッファバッファフルード排出孔123bから排出することができる。
ここで、二次側シール空間S1に封入されるバッファフルードの圧力Pbは、大気側圧力をPo、機内側Kiの流体圧力をPiとするとき、
Po≦Pc≦Pb≦Pi
となるように設定される。ここでPcはクエンチ流体の圧力である。
さらに、タンデム型メカニカルシール1は、フロートシート21の機内側Kiにおいて、フロートシート21のシール対向面21baとシールリング22のシール対向面22aaによる摺動シール面の径外側の機内側配置空間H2iと、装着凹部102とで一次側シール空間S2を構成している。
そして、当該一次側シール空間S2に、フラッシングオイル孔103から、周面溝136を通って、シール対向面21baとシール対向面22aaによる摺動シール面の洗浄、冷却するフラッシングオイルを供給することができる。
このように構成したタンデム型メカニカルシール1は、先端側シール空間S0にクエンチを封入し、二次側シール空間S1にバッファフルードを封入し、一次側シール空間S2に、フラッシングオイルを供給することによって高いシール性能を確保することができる。
また、二次側シール空間S1に封入されたバッファフルードは、バッファフルード侵入機構50に侵入できるため、一次側シール機構20におけるシール対向面21baとシール対向面22aaとの回転摺動により発せられた熱によって加熱された一次側シール機構20を冷却することができる。また、バッファフルード侵入機構50に侵入したバッファフルードによって、加熱された一次側シール機構20を冷却できるため、熱によって硬化するおそれがあるOリング26の熱劣化を防止し、確実なシール性を維持することができる。なお、一次側シール空間S2のフラッシングオイルが高温であっても、二次側シール空間S1に封入されたバッファフルードによって冷却することができる。
また、バッファフルードが侵入するバッファフルード侵入機構50を構成する侵入クリアランス51の両側に、バッファフルード案内溝52を構成するスパイラル溝25f,143を形成しているため、バッファフルードが侵入するバッファフルード侵入機構50の表面積を拡大し、バッファフルードによる冷却効果を向上することができる。
さらにまた、バッファフルード侵入機構50を構成するバッファフルード案内溝52を、軸心方向Lに沿った螺旋状に形成するとともに、回転軸110の回転とともに、バッファフルード侵入機構50は二次側シール空間S1において回転するため、バッファフルード案内溝52のスクリュウ効果により、バッファフルード侵入機構50へのバッファフルードの侵入を促進し、より高い冷却効果を得ることができる。
以下において本発明のタンデム型メカニカルシール1の作用効果について詳細に説明する。
詳しくは、回転軸110に軸方向移動可能に固定されたシールリング22のシール対向面22aaと、第2フランジ130に回転不能に係止されたフロートシート21のシール対向面21baとで、回転摺動可能な摺動シール面を有する一次側シール機構20を構成するとともに、シールリング22を回転軸110の軸心方向Lに移動可能に構成し、シールリング22をフロートシート21に向かって、回転軸110に固定されたスプリングリテーナ25を介して、軸心方向Lに押圧付勢するスプリング27を備えたタンデム型メカニカルシール1において、第2フランジ130及びケーシング100の内部において一次側シール機構20より機内側Kiを一次側シール空間S2とするとともに、一次側シール機構20より機外側Koを二次側シール空間S1とし、二次側シール空間S1にバッファフルードを供給するバッファフルード孔123を形成するとともに、二次側シール空間S1において、スプリングリテーナ25に対して、二次側シール空間S1に供給されたバッファフルードを導通するバッファフルード侵入機構50を備えたことにより、高いシール性能を長期にわたって維持することができる。
詳しくは、第2フランジ130及びケーシング100の内部において一次側シール機構20より機外側Koである二次側シール空間S1に形成したバッファフルード供給孔123aからバッファフルードを供給するとともに、二次側シール空間S1において、回転軸110に固定されたスプリングリテーナ25に対して、バッファフルード侵入機構50にバッファフルードを導通するため、円周方向に回転摺動することにより、その摩擦熱で高温になったシールリング22、及びフロートシート21をバッファフルードで効率的に冷却することができる。
したがって、シールリング22やフロートシート21の熱膨張や、熱膨張によるひずみの発生を防止できるため、スプリング27の付勢力を大きく設定し、シールリング22のシール対向面22aaをフロートシート21のシール対向面21baに強く押し付けて達成する高いシール性能を長期にわたって維持することができる。
また、スプリング27でシールリング22を軸心方向Lに付勢し、バッファフルード侵入機構50を、回転軸110に装着したスリーブ140の外周面とスプリングリテーナ25との間に形成することにより、より効率的にバッファフルード侵入機構50にバッファフルードを導通して、一次側シール機構20に対して高い冷却効果を得ることができる。
詳しくは、回転する回転軸110に装着したスリーブ140の外周面とスプリングリテーナ25との間にバッファフルード侵入機構50を形成しているため、回転軸110の回転に伴って、バッファフルード侵入機構50も回転し、より効率的にバッファフルード侵入機構50にバッファフルードを導通させることができる。
したがって、シールリング22やフロートシート21の熱膨張や、熱膨張によるひずみの発生を防止できるため、スプリング27の付勢力を大きく設定し、シールリング22のシール対向面22aaをフロートシート21のシール対向面21baに強く押し付けて達成する高いシール性能を長期にわたって安定して維持することができる。
また、シールリング22、及びスプリングリテーナ25の径方向に対向する径方向対向部分に、軸心方向Lに直交する方向の環状に形成したOリング26を備えているため、シール性を向上することができる。詳しくは、軸心方向Lに移動するシールリング22とスプリングリテーナ25との間のシール性を確保できるとともに、バッファフルード侵入機構50を導通するバッファフルードによりシールリング22を冷却するため、Oリング26が熱劣化することを防止できる。したがって、高いシール性能を維持することができる。
また、バッファフルード侵入機構50に、断面矩形の凹状に形成したスパイラル溝25fまたは143で形成するバッファフルード案内溝52を備えたことにより、バッファフルード侵入機構50の表面積を拡大することができる。したがって、バッファフルード侵入機構50を導通するバッファフルードとシールリング22との熱交換性が向上し、バッファフルード侵入機構50を導通するバッファフルードによるシールリング22の冷却効果を向上する。
また、断面矩形の凹状に形成したスパイラル溝25fまたは143で形成するバッファフルード案内溝52を、軸心方向Lに沿った螺旋状に形成することにより、バッファフルード侵入機構50へのバッファフルードの導通性が向上する。
詳しくは、回転軸110の回転に伴って螺旋状のバッファフルード案内溝52を形成したバッファフルード侵入機構50が回転するため、螺旋状のバッファフルード案内溝52によるスクリュウ効果によりバッファフルード侵入機構50へのバッファフルードの導通性が向上する。したがって、バッファフルードによるシールリング22の冷却効果をより一層向上することができる。
また、フロートシート11とシールリング12とで構成する二次側シール機構10と、フロートシート21とシールリング22とで構成する一次側シール機構20とを、軸心方向Lに直列配置し、二次側シール機構10と一次側シール機構20の間の二次側シール空間S1に対して、バッファフルード供給孔123aからバッファフルードを供給することにより、バッファフルード侵入機構50に導通するバッファフルードによる冷却効果により、耐久性の高い、高圧化におけるシール性を得ることができる。
また、回転軸110の外周面に沿って軸心方向Lに長いスリーブ140を装着し、スプリングリテーナ25を、スリーブ140に固定し、バッファフルード侵入機構50を、スリーブ140とスプリングリテーナ25との間に形成し、スリーブ140の軸心方向L中央付近に、機外側Koのシールリング12を軸心方向Lに付勢するスプリング17の反力となるとともに、径の大きな第1シール装着部142を形成し、スリーブ140の機内側Ki端部付近に、スプリングリテーナ25を固定することにより、タンデム型メカニカルシール1の組み付け性を向上することができる。
詳しくは、フロートシート11,21及びシールリング12,22で構成する一次側シール機構20と二次側シール機構10のうち二次側シール機構10をスリーブ140の機外側Koから組み付けて第1シール装着部142に装着し、一次側シール機構20を、スリーブ140の機内側Kiから組み付けるとともに、スリーブ140の機内側Ki端部付近に、スプリングリテーナ25を固定して装着できる、つまり、二次側シール機構10と一次側シール機構20を機外側Koからと機内側Kiからの両方向から組み付けることができるため、高いシール性能を長期にわたって維持でき、シングル型に比べて複雑な構造であるタンデム型メカニカルシール1を容易に組み付けることができる。
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、
本実施形態の回転密封環及び軸心方向移動環は、シールリング22に対応し、
以下同様に、
回転側シール面は、シール対向面22aaに対応し、
ハウジングは、第2フランジ130及びケーシング100に対応し、
静止密封環は、フロートシート21に対応し、
静止側シール面は、シール対向面21baに対応し、
シール機構は、一次側シール機構20に対応し、
反力固定部は、スプリングリテーナ25に対応し、
付勢手段は、スプリング27に対応し、
メカニカルシールは、タンデム型メカニカルシール1に対応し、
機内側空間は、一次側シール空間S2に対応し、
機外側空間は、二次側シール空間S1に対応し、
流体は、バッファフルードに対応し、
流体供給路は、バッファフルード供給孔123aに対応し、
流体導通部は、バッファフルード侵入機構50に対応し、
回転軸周面は、回転軸110に装着したスリーブ140の外周面に対応し、
環状シール部材は、バランスラインOリング26に対応し、
凹凸形状は、バッファフルード案内溝52を構成する、断面矩形の凹状に形成したスパイラル溝25fまたは143に対応し、
二組の回転密封環及び静止密封環は、フロートシート11,21及びシールリング12,22に対応し、
第1機外側空間は、先端側シール空間S0に対応し、
第2機外側空間は、二次側シール空間S1に対応し、
径大部は、第1シール装着部142に対応するも、上記実施形態に限定するものではない。
例えば、シールリング及びフロートシートで構成する一組のシール機構を有するシングル型や、二組のシール機構が軸心方向Lに対して逆向きに装着したダブル型のメカニカルシールであっても、バッファフルード侵入機構50を備えることにより、上述のタンデム型メカニカルシール1におけるバッファフルード侵入機構50と同様の効果を得ることができる。
また、バッファフルード侵入機構50にバッファフルードを導通したが、冷却効果のみを想定する場合、クエンチやフラッシングをバッファフルード侵入機構50に導通してもよい。
また、バッファフルード侵入機構50には侵入クリアランス51を両側挟み込む態様のバッファフルード案内溝52を形成したが、侵入クリアランス51のみでバッファフルード侵入機構50を構成してもよく、さらには、侵入クリアランス51に対してスパイラル溝25fとスパイラル溝143のいずれか一方のみでバッファフルード案内溝52を構成してもよい。
具体的には、スリーブ140の外周面にスパイラル溝143を形成するとともに、縮径嵌挿部25cの内周面をスプリングリテーナ25の内径より大径の円筒状に形成することにより、バッファフルード侵入機構50へのバッファフルードの侵入、排出をスムーズに行うことができる。
逆に、スプリングリテーナ25の縮径嵌挿部25cの内周面にのみスパイラル溝25fを形成してバッファフルード案内溝52を構成しても同様の効果を奏することができる。
さらにまた、上述の説明では、スパイラル溝25fとスパイラル溝143とが軸心方向Lにおける同じ位置で同じ螺旋形状で形成したが、スパイラル溝25fとスパイラル溝143との軸心方向Lにおける位置をずらして配置してもよく、螺旋角度や螺旋方向などの螺旋形状を異なる形状で形成してもよい。
1…タンデム型メカニカルシール
10…二次側シール機構
11…フロートシート
12…シールリング
20…一次側シール機構
21…フロートシート
21ba…シール対向面
22…シールリング
22aa…シール対向面
25…スプリングリテーナ
25f…スパイラル溝
26…バランスラインOリング
27…スプリング
50…バッファフルード侵入機構
52…バッファフルード案内溝
110…回転軸
123…バッファフルード孔
130…第2フランジ
140…スリーブ
142…第1シール装着部
143…スパイラル溝
L…軸心方向
S1…二次側シール空間
S2…一次側シール空間

Claims (6)

  1. 回転軸に回転固定された回転密封環の回転側シール面と、
    ハウジングに回転固定された静止密封環の静止側シール面とで、回転摺動する摺動シール面を構成するシール機構を備えるとともに、
    前記回転密封環及び前記静止密封環のうち一方を前記回転軸の軸心方向に移動可能な軸心方向移動環で構成し、
    該軸心方向移動環を他方に向かって、前記回転軸に固定された反力固定部の反力により、軸心方向に付勢する付勢手段を備えたメカニカルシールであって、
    前記ハウジング内部において前記シール機構より機内側を機内側空間とするとともに、前記シール機構より機外側を機外側空間とし、
    前記機外側空間に流体を供給する流体供給路を形成するとともに、
    前記機外側空間において、前記反力固定部に対して、前記機外側空間に供給された前記流体を導通する流体導通部を備え
    前記流体導通部を、
    表面積を拡大する凹凸形状を有する凹凸形状部を備えた
    メカニカルシール。
  2. 回転軸に回転固定された回転密封環の回転側シール面と、
    ハウジングに回転固定された静止密封環の静止側シール面とで、回転摺動する摺動シール面を構成するシール機構を備えるとともに、
    前記回転密封環及び前記静止密封環のうち一方を前記回転軸の軸心方向に移動可能な軸心方向移動環で構成し、
    該軸心方向移動環を他方に向かって、前記回転軸に固定された反力固定部の反力により、軸心方向に付勢する付勢手段を備えたメカニカルシールであって、
    前記ハウジング内部において前記シール機構より機内側を機内側空間とするとともに、前記シール機構より機外側を機外側空間とし、
    前記機外側空間に流体を供給する流体供給路を形成するとともに、
    前記機外側空間において、前記反力固定部に対して、前記機外側空間に供給された前記流体を導通する流体導通部を備え、
    前記凹凸形状部を、
    前記軸心方向に沿った螺旋状に形成した
    メカニカルシール。
  3. 前記軸心方向移動環を、前記回転密封環とし、
    前記付勢手段を、前記回転密封環を軸心方向に付勢し、
    前記流体導通部を、前記反力固定部と前記回転軸周面との間に形成した
    請求項1又は2に記載のメカニカルシール。
  4. 前記軸心方向移動環、及び前記反力固定部の径方向に対向する径方向対向面に、
    前記軸心方向に直交する方向の環状に形成した環状シール部材を備えた
    請求項1乃至3のうちいずれかに記載のメカニカルシール。
  5. 二組の回転密封環及び静止密封環を、軸心方向に直列配置し、
    前記シール機構を、機内側の機内側シール機構と、機外側の機外側シール機構とで構成し、
    前記機内側空間を、前記機内側シール機構より機内側とするとともに、
    前記機外側空間を、前記機外側シール機構より機外側の第1機外側空間と、前記機外側シール機構と前記機内側シール機構の間の第2機外側空間とで構成し、
    前記流体供給路を、前記第2機外側空間に前記流体を供給する構成とした
    請求項1乃至4のうちいずれかに記載のメカニカルシール。
  6. 前記回転軸の外周面に沿って軸心方向に長く、前記回転軸に固定されたスリーブを備え、
    前記スリーブの軸心方向中央付近に、機外側の前記回転密封環を軸心方向に付勢する付勢手段を装着する、径の大きな径大部を形成するとともに、
    前記スリーブの機内側端部付近に、前記反力固定部を固定し、
    前記流体導通部を、前記スリーブと前記反力固定部との間に形成した
    請求項に記載のメカニカルシール。
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