JP5926264B2 - ミラー、当該ミラーを備える投影対物レンズ、及び当該投影対物レンズを備えるマイクロリソグラフィ用投影露光装置 - Google Patents

ミラー、当該ミラーを備える投影対物レンズ、及び当該投影対物レンズを備えるマイクロリソグラフィ用投影露光装置 Download PDF

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Description

本発明はミラーに関する。さらに、本発明は、当該ミラーを備える投影対物レンズに関する。さらに、本発明は、当該投影対物レンズを備えるマイクロリソグラフィ用投影露光装置に関する。
EUV波長域用のマイクロリソグラフィ用の投影露光装置は、像平面へのマスクの結像に用いるミラーが高反射率を有するという前提に依存せざるを得ず、その理由は、第1に、個々のミラーの反射率値の積が投影露光装置の全透過率を決定するからであり、第2に、EUV放射線源の光パワーが限られているからである。
高反射率値を有する約13nmのEUV波長域用のミラーは、例えば特許文献1から既知である。当該文献に記載のミラーは、基板上に施されて個別層の配列を有する層構成体(layer arrangement)からなり、層構成体は、周期を形成する種々の材料の少なくとも2つの個別層の周期的配列をそれぞれが有する複数の表面層システムを含み、個々の層システムの周期の数及び周期の厚さは、基板から表面に向かって減少する。このようなミラーは、入射角間隔(angle of incidence interval)が0°〜20°である場合に30%よりも高い反射率を有する。
この場合、入射角は、光線の入射方向と光線がミラーに当たる点におけるミラーの表面に対する法線との間の角度として定義される。この場合、入射角間隔は、ミラーに関してそれぞれ考慮される最大入射角と最小入射角との間の角度域から得られる。
しかしながら、上述の層に関して不利なのは、規定される入射角間隔での反射率が一定ではなく変動することである。しかしながら、入射角におけるミラーの反射率の変動は、マイクロリソグラフィ用の投影対物レンズにおいて高入射角及び高入射角変化を有する箇所でのこのようなミラーの使用には不利である。これは、そのような変動により、例えば上記投影対物レンズの瞳アポダイゼーションの変動が大きくなり過ぎるからである。この場合、瞳アポダイゼーションは、投影対物レンズの射出瞳における強度変動の測度である。
上述の層に関してさらに不利なのは、層が基板へ透過させるEUV放射線が多すぎる結果として、基板が長期間にわたって高線量のEUV放射線に曝されることである。しかしながら、高線量のEUV放射線下では、例えばSchott AGからのZerodur(登録商標)又はCorning Inc.からのULE(登録商標)等の材料から構成されるEUVミラー用の基板は、数容量パーセントオーダの緻密化が生じる傾向がある。ミラーが全体的に不均一に照射される場合、上記緻密化がミラーの表面形態の不均一な変化を招く結果として、動作期間中にミラーの光学結像特性が不所望に変化する。
EUV波長域用のミラーの高反射率を得るためには、迷光に起因した損失を回避する必要もあり、これは、いわゆるHSFR領域におけるこのようなミラーの表面粗さに関する厳しい要件につながる。特に、10nm〜1μmの粗さの空間波長を有するHSFR領域と、1μm〜1mmの粗さの空間波長を有するMSFR領域とにおける表面粗さの定義について、非特許文献1を参照されたい。さらに、このようなミラーは、高強度EUV放射線での連続照射下で数年間にもわたって高い反射率値及び所望の光学結像品質を確保しなければならない。
250nm未満の波長でのマイクロリソグラフィ用の投影露光装置内で用いる他のミラーも、迷光損失を回避するためにHSFR領域における表面粗さに関して低い値を有さなければならない。
独国特許第101 55 711号明細書
したがって、本発明の目的は、迷光の結果としての損失を最小化するミラーを提供することである。さらに、本発明の目的は、高線量のEUV放射線でも数か月〜数年の動作期間中にその光学特性の長期安定性が高いと同時に、迷光の結果としての損失を最小化する、EUV波長域用のミラーを提供することである。
本発明によれば、この目的は、基板及び層構成体を備えるミラーであって、層構成体を、少なくとも0°〜30°の入射角でミラーに入射する250nm未満の波長を有する光がその強度の20%よりも多く反射されるよう設計し、層構成体は、個別層の少なくとも2つの周期の周期的配列からなる少なくとも1つの表面層システムを含み、周期は、高屈折率層及び低屈折率層に関して異なる材料から構成される2つの個別層を含み、層構成体は、グラフェンから構成される少なくとも1つの層を含むミラーにより達成される。
本願に関して、グラフェンから構成される層は、少なくとも炭素原子の単層からなる層を意味すると理解され、炭素原子はsp混成をとる。
高屈折率及び低屈折率という用語は、この場合、表面層システムの1周期内の各相手層に関する相対的用語である。表面層システムは、光学的に高い屈折率で働く層をそれよりも光学的に低い屈折率の層と、表面層システムの1周期の主要構成要素として組み合わせた場合にのみ概して機能する。これは、EUV波長域に特に当てはまる。
本発明によれば、グラフェンから構成される少なくとも1つの層の低い表面粗さで、光学素子の表面の迷光損失を低減するのに十分であることが認識された。これは特にミラーに当てはまるが、その理由は、ミラーが本質的にレンズよりも迷光損失を受けやすいからである。導入部で述べたように、特にEUV波長域用のミラーは、迷光に対して非常に低い値を有さなければならない。これは特に、基板保護層(SPL)又は基板保護層システム(SPLS)を設けたEUV波長域用のミラーに当てはまるが、その理由は、上記基板保護層(SPL)又は基板保護層システム(SPLS)の層が、高い表面粗さを有する金属から概して構成されるからである。この点で、グラフェンの表面粗さにより他の層の、特に基板保護層の粗さを補償することが可能であることで、少なくとも1つの反射表面層システムを支持体としての平滑グラフェン層に施すことができ、それにより、この層システムは支持体の粗さにより乱されずに成長できる。そうでなければ、基板保護層の粗さは反射表面層システムに直接伝わる。
結果として、グラフェンから構成される層によりミラーの迷光損失を低減することが可能である。さらに、EUV波長域用のミラーの基板を、基板保護層又は基板保護層システムにより長期劣化から十分に保護すると同時に、基板保護層又は基板保護層システムがある結果としての迷光損失を回避することが可能である。
一実施形態では、グラフェンから構成される少なくとも1つの層は、0.1nm rms HSFR未満、特に0.04nm rms HSFR未満の表面粗さを有する。迷光損失は、HSFR領域におけるこのように低い粗さ値の結果として回避される。
さらに、本発明の目的は、基板及び層構成体を備えるミラーであって、層構成体を、少なくとも0°〜30°の入射角でミラーに入射する250nm未満の波長を有する光がその強度の20%よりも多く反射されるよう設計し、層構成体は、個別層の少なくとも2つの周期の周期的配列からなる少なくとも1つの表面層システムを含み、周期は、高屈折率層及び低屈折率層に関して異なる材料から構成される2つの個別層を含むミラーにより達成される。さらに、層構成体は、0.1nm rms HSFR未満、特に0.04nm rms HSFR未満の表面粗さを有する少なくとも1つの層を含む。
本発明によれば、層構成体の少なくとも1つの層のHSFR領域の低い表面粗さで、ミラーの迷光損失を低減するのに十分であることが認識された。特に、基板保護層(SPL)又は基板保護層システム(SPLS)の表面粗さを、層構成体の少なくとも1つの層のHSFR領域の低い表面粗さにより補償することができる。結果として、基板を、基板保護層又は基板保護層システムにより長期劣化から十分に保護すると同時に、基板保護層又は基板保護層システムがある結果としての迷光損失を回避することが可能である。
一実施形態では、少なくとも1つの層は、HSFR領域を超える空間周波数で0.1nm rms未満、特に0.07nm未満の表面粗さを有する。「原子的に平滑」と表されるこのような層は、他の層の成長により増強され得ることで他の層の表面粗さの一因となり得る欠陥が最初から存在しないことにより、「原子的に平滑な」層に加わる上記層の粗さを低減する。
別の実施形態では、ミラーは、少なくとも0°〜30°の入射角でミラーに入射するEUV放射線をその強度の20%よりも多く反射するEUV波長域用のミラーである。特に、高入射角間隔の箇所で用いられるEUV波長域用のミラーの場合、当該ミラーは概して、小さな入射角間隔のみに対応するいわゆる「垂直入射」ミラーと比較して全入射角間隔で反射率値が高すぎないので、迷光損失を最小化する必要がある。結果として、これらミラーの場合の迷光損失は、純粋な「垂直入射」ミラーの場合よりも大きな相対光損失につながる。これらの相対光損失は、導入部で述べたように、望ましくない高い瞳アポダイゼーションに直接つながる。
さらに別の実施形態では、層構成体を通るEUV放射線の透過率が10%未満、特に2%未満となるよう層構成体を選択する。この場合、本発明によれば、基板を過剰に高い線量のEUV放射線から保護するために、ミラーの基板上の層構成体を、ごく僅かなEUV放射線のみが基板に達するよう設計すれば十分であることが認識された。この目的で、層構成体又は層構成体の表面層システムに対応の周期の数の層を設けてもよく、又は表面保護層(SPL)又は表面保護層システム(SPLS)を用いて、いずれにせよ層構成体を通して基板へのEUV放射線の透過率が10%未満、特に2%未満となるようにする。
別の実施形態では、層構成体は、20nmを超える、特に50nmを超える厚さを有する少なくとも1つの表面保護層システムSPL又は少なくとも1つの表面保護層システムSPLSを含み、表面保護層SPL又は表面保護層システムSPLSは、EUV放射線下で1%未満、特に0.2%未満の体積の不可逆変化を生じる。
この場合、EUV放射線下での体積の不可逆変化は、熱膨張に起因した体積の可逆変化ではなく、高線量のEUV放射線により生じる対象の材料の構造変化に起因した体積の長期的な不可逆変化を意味すると理解される。
この場合、本発明によれば、材料の選択によっては20nm厚の表面保護層SPL又は20nm厚の表面保護層システムSPLSですでに十分であり得る基板の保護に加えて、リソグラフィ装置の寿命にわたって蓄積される高線量のEUV放射線下でも表面保護層SPL又は表面保護層システムSPLSが安定したままでなければならないことも考慮に入れなければならないことが認識された。そうでなければ、体積の不可逆変化の問題は、基板から表面保護層又は表面保護層システムに移るだけである。
さらに別の実施形態では、層構成体は、20nmを超える、特に50nmを超える厚さを有する少なくとも1つの表面保護層又は少なくとも1つの表面保護層システムを含み、表面保護層又は表面保護層システムは、法線方向に測定して0.1nmを超えるEUV放射線下での基板の表面の不可逆的変化を防止するために設けられる。この場合、法線方向に沿ったこの不可逆的変化は、基板の照射領域内の場所で照射領域外の場所と比較したものである。同時に、表面保護層又は表面保護層システムは、層構成体における層応力を補償する引張応力を加えるために設けられる。
この場合、本発明によれば、材料の選択によっては20nm厚の表面保護層SPL又は20nm厚の表面保護層システムSPLSですでに十分であり得る基板の保護に加えて、それと同時に、表面保護層SPL又は表面保護層システムSPLSを、層構成体における層応力を補償するよう構成することも考慮に入れなければならないことが認識されており、これは、そうでなければ基板が層応力に起因して許容不可能なほど曲がるからである。したがって、特に表面保護層システムの設計において、得られる層応力を最適化の際に同時に考慮に入れなければならない。さらに、高線量のEUV放射線は層応力の、したがって表面形態の変化を必然的に伴うので、表面保護層SPLの場合及び表面保護層システムSPLSの場合の材料の選択を通じて、高線量のEUV放射線の場合にこれらが変化しないことを確実にするよう注意しなければならない。
一実施形態では、ミラーの層構成体は、ニッケル、炭素、グラフェン、炭化ホウ素、コバルト、ベリリウム、ケイ素、酸化ケイ素の群からの材料から形成されるか又は化合物として当該材料から構成される少なくとも1つの層を含む。これらの材料は、表面保護層SPL又は表面保護層システムSPLSのために個別に又は相互の組み合わせが適している。特にグラフェンから構成される比較的厚い層は、層構成体の他の表面層システムの設計が適当であれば、表面層システムを通過する残りのEUV放射線を吸収することが可能であるので、この場合は表面保護層SPL又は表面保護層システムSPLSを省くことができる。
さらに別の実施形態では、本発明によるミラーの層構成体は、少なくとも3つの表面層システムを含み、基板の最も近くに位置する表面層システムの周期の数は、基板から最も遠い表面層システムの周期の数よりも多く、且つ/又は基板から2番目に遠い表面層システムの周期の数よりも多い。
この多数の周期の使用は、ミラーの反射特性を層構成体の下にある層又は基板の反射特性から切り離すことを促し、他の機能特性を有する他の層又は他の基板材料をミラーの層構成体の下で用いることが可能となる。
したがって、第1に、ミラーの光学特性に対する、この場合は特に反射率に対する層構成体の下にある層又は基板の摂動作用を回避することが可能であり、第2に、すでに上述した措置に加えて層構成体の下にある層又は基板がEUV放射線から十分に保護されることがこれにより可能である。
この場合、層構成体の反射率、透過率、及び吸収性といった特性が層構成体の周期の数に対して非線形の挙動を示し、反射率が特に、層構成体の周期の数に関して限界値に向かって飽和挙動を示すことを考慮に入れるべきである。したがって、上記表面保護層SPL又は上記表面保護層システムSPLSは、層構成体の周期の必要数を反射率特性の達成に必要な周期の数に制限するという趣旨で用いることもできる。そうでなければ、反射率に加えて、同時に表面層システムによる対応の保護を提供するために、非常に多数の周期を用いなければならないであろう。
別の実施形態では、層構成体は、2μmを超える、特に5μmを超える厚さを有する石英層を含み、これは、CVD法、特にPICVD、PACVD、又はPECVD法により堆積させたものである。このような層は、EUV放射線下で長期安定性を示すと同時に、その吸収性により下の基板を保護する。
一実施形態では、層構成体は石英層を含み、石英層は、0.5nm rms HSFR未満、特に0.2nm rms HSFR未満の表面粗さを有する。このような石英層は、第1に、導入部で述べたようにミラーの低い迷光損失につながり、第2に、概して研磨困難である基板材料に良好に研磨できる表面層を設けるために用いることができる。その代替形態として、グラフェン層が基板材料の粗さを補償するのに適している。
さらに別の実施形態では、層構成体は、個別層の少なくとも2つの周期の周期的配列からなる少なくとも1つの表面保護層システムSPLSを含み、周期は、高屈折率層及び低屈折率層に関して異なる材料から構成される2つの個別層を含み、周期を形成する2つの個別層の材料は、ニッケル及びケイ素又はコバルト及びベリリウムである。このような表面保護層システムSPLSが個別の表面保護層SPLと比較して有利なのは、表面保護層システムSPLSの吸収層の総厚が吸収効果用の個別の表面保護層SPLの厚さに相当していても、当該表面保護層と比較して上記吸収層が他の材料から構成される他の層により中断される結果として、表面保護層SPLにおける結晶成長と比較して表面保護層システムSPLSの層における結晶成長が中断されることである。これにより、高い迷光損失を伴わない非常に滑らかな表面を提供すること、又は例えばアシストイオン衝撃によりコーティングプロセス中に上記表面を生成することが可能となる。
別の実施形態では、表面保護層システムSPLSの個別層は、少なくとも1つのバリア層により分離され、バリア層は、BC、C、グラフェン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ホウ化ケイ素、窒化モリブデン、炭化モリブデン、ホウ化モリブデン、窒化ルテニウム、炭化ルテニウム、及びホウ化ルテニウムの材料群から選択される材料、又は化合物として当該材料群から構成される材料からなる。言及したこれらの材料は、SPLSの個別層の相互拡散を防止する。
この場合、特にバリア層としてのグラフェンの粗さには、表面保護層SPL又は表面保護層システムSPLSに関して本発明による補償効果がある。結果として、中間層により結晶成長を中断された層の低減した表面粗さでさえもさらに減らすことができる。さらに、中間層としてのグラフェン自体が、結晶成長の中断をもたらし得る。
さらに別の実施形態では、層構成体は、個別層の少なくとも2つの周期の周期的配列からなる少なくとも1つの表面保護層システムSPLSを含み、周期は、低屈折率層及びバリア層に関して異なる材料から構成される2つの個別層を含む。このような表面保護層システムSPLSは、高屈折率層又はスペーサを省いたので構成が非常に単純である。
別の実施形態では、層構成体は、個別層の少なくとも2つの周期の周期的配列からなる少なくとも1つの表面保護層システムSPLSを含み、周期は、低屈折率層及びバリア層に関して異なる材料から構成される2つの個別層を含み、低屈折率層の材料はニッケルからなり、バリア層の材料は、BC、C、グラフェン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ホウ化ケイ素、窒化モリブデン、炭化モリブデン、ホウ化モリブデン、窒化ルテニウム、炭化ルテニウム、及びホウ化ルテニウムの材料群から選択されるか、又は化合物として当該材料群から構成される。このような表面保護層システムSPLSは、単純な表面保護層システムSPLSの好ましい材料の組み合わせを構成する。
さらに別の実施形態では、少なくとも1つの表面保護層システムSPLSは、0.5nm rms HSFR未満、特に0.2nm rms HSFR未満の表面粗さを有する低屈折率層を有する。このような層は、導入部で述べたように低い迷光損失につながり、例えばアシストイオン衝撃によりコーティングプロセス中に生成することができる。
一実施形態では、EUV波長域用のミラーは基板及び層構成体を備え、層構成体は複数の表面層システムを含む。この場合、表面層システムはそれぞれ、個別層の少なくとも2つの周期の周期的配列からなる。この場合、周期は、高屈折率層及び低屈折率層に関して異なる材料から構成される2つの個別層を含み、各表面層システム内で、隣接する表面層システムの周期の厚さから逸脱した一定の厚さを有する。この場合、基板から2番目に遠い表面層システムが有する周期の配列は、基板から最も遠い表面層システムの第1高屈折率層が基板から2番目に遠い表面層システムの最終高屈折率層の直後に続くように、且つ/又は基板から最も遠い表面層システムが基板から2番目に遠い表面層システムの周期の数よりも多い周期の数を有するようになっている。
この場合、本発明によるミラーの層構成体の表面層システムは、相互に直接連続し、さらに別の層システムによって分離されない。さらに、本発明において、高屈折率層と低屈折率層との間の周期の区分が他の点で同一であったとしても、隣接する表面層システムの周期の厚さの差異として0.1nmを超える差異があれば、表面層システムが隣接する表面層システムと区別される。これは、0.1nmの差を超えると、高屈折率層と低屈折率層との間の周期の区分が他の点で同一であっても表面層システムの異なる光学的効果を得ることが可能だからである。
大きな入射角間隔で高く均一な反射率を得るために、基板から最も遠い表面層システムの周期の数が基板から2番目に遠い表面層システムの周期の数よりも多くなければならないことが認識された。さらに、大きな入射角間隔で高く均一な反射率を得るために、上述の措置の代替形態として又はそれに加えて、基板から最も遠い表面層システムの第1高屈折率層が基板から2番目に遠い表面層システムの最終高屈折率層の直後に続くべきであることが認識された。
さらに別の実施形態では、EUV波長域用のミラーは基板及び層構成体を備え、層構成体は複数の表面層システムを含む。この場合、表面層システムはそれぞれ、個別層の少なくとも2つの周期の周期的配列からなる。この場合、周期は、高屈折率層及び低屈折率層に関して異なる材料から構成される2つの個別層を含み、各表面層システム内で、隣接する表面層システムの周期の厚さから逸脱した一定の厚さを有する。この場合、基板から2番目に遠い表面層システムが有する周期の配列は、基板から最も遠い表面層システムの第1高屈折率層が基板から2番目に遠い表面層システムの最終高屈折率層の直後に続くようになっている。さらに、表面層システムを通るEUV放射線の透過率は、10%未満、特に2%未満となる。
大きな入射角間隔で高く均一な反射率を得るために、層構成体の下に位置する層又は基板の影響を低減しなければならないことが認識された。これは、基板から2番目に遠い表面層システムが有する周期の配列が、基板から最も遠い表面層システムの第1高屈折率層が基板から2番目に遠い表面層システムの最終高屈折率層の直後に続くようになっている層構成体で、主に必要である。層構成体の下にある層又は基板の影響を低減するための1つの単純な可能性は、層構成体の下にある層まで透過させるEUV放射線が可能な限り少ないように層構成体を設計することにある。これにより、層構成体の下にある上記層又は基板がミラーの反射率特性に大きく寄与することが可能となる。
一実施形態では、表面層システムは、この場合、高屈折率層及び低屈折率層に関して同じ材料から全て構成される。これは、ミラーの製造を単純化するためである。
基板から最も遠い表面層システムの周期の数が9〜16の値に相当するEUV波長域用のミラー、及び基板から2番目に遠い表面層システムの周期の数が2〜12の値に相当するEUV波長域用のミラーは、ミラーの反射効果に必要な層の総数を制限することにつながり、したがってミラーの製造時の複雑性及び危険性を低減することにつながる。
さらに、表面層システムが少数である場合に層構成体で特に高い屈折率値を得ることが可能なのは、この場合は基板から最も遠い表面層システムの周期が、基板から2番目に遠い表面層システムの周期の高屈折率層の厚さの120%を超える、特にその厚さの2倍を超える高屈折率層の厚さを有する場合であることが認識された。
さらに別の実施形態において表面層システムが少数である場合に層構成体で特に高い屈折率値を得ることが同様に可能なのは、基板から最も遠い表面層システムの周期が、基板から2番目に遠い表面層システムの周期の低屈折率層の厚さの80%未満、特に2/3未満の低屈折率層の厚さを有する場合である。
さらに別の実施形態では、EUV波長域用のミラーは、基板から2番目に遠い表面層システムに関して、その周期の低屈折率層の厚さが4nmを超え、特に5nmを超える。この結果として、反射率自体に関してだけでなく、目標の入射角間隔にわたるp偏光の反射率に対するs偏光の反射率に関しても、層設計を適合させることができる可能性がある。したがって、主に2つの表面層システムのみからなる層構成体の場合、限られた数の表面層システムの結果として自由度が限られるにもかかわらず、偏光適合を行うことが可能となる。
別の実施形態では、EUV波長域用のミラーは、基板から最も遠い表面層システムの周期の厚さが7.2nm〜7.7nmである。これにより、大きな入射角間隔で特に高い均一な反射率値を実現することが可能である。
さらに、さらに別の実施形態は、ミラーの層構成体と基板との間に追加中間層又は追加中間層構成体を有し、これは層構成体の応力補償の役割を果たす。このような応力補償により、層を施している間のミラーの変形を回避することが可能である。
本発明によるミラーの別の実施形態では、1周期を形成する2つの個別層は、材料としてモリブデン(Mo)及びケイ素(Si)、又は材料としてルテニウム(Ru)及びケイ素(Si)のいずれかからなる。これにより、ミラーの層構成体の表面層システムを製造するのに異なる材料を2つしか用いないため、特に高い反射率値を達成すると同時に生産工学的利点を実現することが可能である。
この場合、さらに別の実施形態では、上記個別層は、少なくとも1つのバリア層により分離され、バリア層は、BC、C、グラフェン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ホウ化ケイ素、窒化モリブデン、炭化モリブデン、ホウ化モリブデン、窒化ルテニウム、炭化ルテニウム、及びホウ化ルテニウムの材料群から選択される材料、又は化合物として当該材料群から構成される材料からなる。このようなバリア層は、1周期の2つの個別層間での相互拡散を抑制することにより、2つの個別層の移行部における光学的コントラストを高める。1周期の2つの個別層に材料としてモリブデン及びケイ素を用いた場合、基板から見てSi層の上に1つのバリア層があれば、十分なコントラストを提供するのに十分である。この場合、Mo層の上の第2のバリア層を省くことができる。これに関して、1周期の2つの個別層を分離するために少なくとも1つのバリア層を設けるべきであり、この少なくとも1つのバリア層は、上記材料又はそれらの化合物の種々のものから完璧に構成することができ、この場合も異なる材料又は化合物の層状構成を示し得る。
材料としてBCを含み、0.35nm〜0.8nm、好ましくは0.4nm〜0.6nmの厚さを有するバリア層で、実際には層構成体の高反射率値が得られる。特に、ルテニウム及びケイ素から構成される表面層システムの場合、BCから構成されるバリア層は、バリア層の厚さが0.4nm〜0.6nmの値である場合に最大反射率を示す。
さらに別の実施形態では、本発明によるミラーは、化学的に不活性な材料から構成される少なくとも1つの層を含む被覆層システムを備え、これはミラーの層構成体の終端となる。これにより、ミラーは周囲の影響から保護される。
別の実施形態では、本発明によるミラーは、0.9〜1.05の値、特に0.933〜1.018の値を有するミラー表面に沿った層構成体の厚さ係数を有する。これにより、ミラー表面の種々の箇所をそこに生じる種々の入射角に目標をより絞って適合させることが可能である。この場合、厚さ係数は、表面保護層SPL又は表面保護層システムSPLS、及び応力補償用の上記追加中間層又は上記追加中間層構成体も含み得る。
この場合、厚さ係数は、所与の層設計の層の厚さ全部が乗算的に(in multiplied fashion)基板上の1箇所で実現される際の係数である。したがって、厚さ係数1は、公称層設計に相当する。
さらなる自由度としての厚さ係数は、ミラー自体の層設計を変える必要なく、ミラーの種々の箇所をそこに生じる種々の入射角間隔に目標をより絞って適合させることを可能にし、その結果、ミラーは最終的に、ミラー上の種々の箇所における入射角間隔が大きいほど、固定の厚さ係数を1とした関連の層設計自体により許されるよりも高い反射率値をもたらす。したがって、厚さ係数の適合により、高入射角を確保するのに加えて、入射角にわたる本発明によるミラーの反射率の変動をさらに低減することも可能である。
さらに別の実施形態では、ミラー表面の各箇所における層構成体の厚さ係数は、そこに生じる最大入射角と相関するが、これは、最大入射角が大きいほど大きな厚さ係数が適合に有用であるからである。
別の実施形態では、ミラーの基板は、金属又は合金、特に、Si、Glidcop(登録商標)、又はElmedur(登録商標)からなる。Glidcop(登録商標)は、酸化アルミニウムセラミック粒子の種々の混合材を含む分散硬化Si合金に対する、SCM Metal Products, Inc.の登録商標名である。Elmedur(登録商標)は、約1%Co、1%Ni、及び0.5%Beの割合を含む銅合金に対する、DURO METALL GmbHの登録商標名である。こうした材料は、EUV波長域用のいわゆるファセットミラーの製造に特に用いられる。マイクロリソグラフィ用の投影露光装置の照明系で概して用いられる上記ファセットミラーの場合、上記ミラーが光源の間近で用いられ、したがってその光損失が投影露光装置の全透過率に大きな影響を及ぼすので、迷光損失を低減することが特に重要である。
さらに、本発明の目的は、本発明による少なくとも1つのミラーを備える投影対物レンズにより達成される。
さらに、本発明の目的は、上記投影対物レンズを備えるマイクロリソグラフィ用の本発明による投影露光装置により達成される。
さらに、本発明の目的は、表面粗さを0.1nm rms HSFR未満に減らすための光学素子上でのグラフェンの使用により、且つ/又はEUV波長域における光学素子を1%未満の放射線誘発不可逆変化から保護するためのグラフェンの使用により、且つ/又はEUV波長域におけるいわゆる多層膜ミラー(multilayer layer mirrors)の層間の相互拡散を防止するためのバリア層としてのグラフェンの使用により達成される。
本発明のさらに他の特徴及び利点は、本発明にとって重要な詳細を示す図面を参照して以下の本発明の例示的な実施形態の説明から、また特許請求の範囲から明らかとなるであろう。個々の特徴は、それぞれ個別に単独で、又は本発明の変形形態において任意の所望の組み合わせで複数として実現することができる。
本発明の例示的な実施形態を、図面を参照して以下でより詳細に説明する。
本発明による第1ミラーの概略図を示す。 表面保護層SPL及びグラフェンから構成される層Gを有する本発明による第1ミラーの概略図を示す。 本発明による第2ミラーの概略図を示す。 表面保護層システムSPLSを有する本発明による第2ミラーの概略図を示す。 本発明による第3ミラーの概略図を示す。 表面保護層システムSPLSを有する本発明による第3ミラーの概略図を示す。 マイクロリソグラフィ用の投影露光装置の、本発明による投影対物レンズの概略図を示す。 投影対物レンズの像視野の概略図を示す。 投影対物レンズ内の光軸に対する本発明によるミラーの各箇所の距離に対する、最大入射角及び入射角間隔の間隔長の例示的な図を示す。 本発明によるミラーの基板上の光学的利用領域の概略図を示す。 図1からの本発明による第1ミラーの入射角に対するいくつかの反射率値の概略図を示す。 図1からの本発明による第1ミラーの入射角に対するさらに他の反射率値の概略図を示す。 図2からの本発明による第2ミラーの入射角に対するいくつかの反射率値の概略図を示す。 図2からの本発明による第2ミラーの入射角に対するさらに他の反射率値の概略図を示す。 図3からの本発明による第3ミラーの入射角に対するいくつかの反射率値の概略図を示す。 図3からの本発明による第3ミラーの入射角に対するさらに他の反射率値の概略図を示す。 本発明による第4ミラーの入射角に対するいくつかの反射率値の概略図を示す。 本発明による第4ミラーの入射角に対するさらに他の反射率値の概略図を示す。 グラフェンから構成される単層の単位胞の表面プロファイルの概略図を示す。 形状(figure)/MSFR/HSFR及びVHSFRに従った空間波長又は空間周波数による表面収差の分類の概要を示す。 グラフェンから構成される層を有しない従来技術からのミラーと、グラフェンから構成される層を有する本発明によるミラーとの反射の概略図を示す。 グラフェンから構成される単層の複数の単位胞の表面プロファイルの概略図を示す。 X方向及びY方向の空間周波数に対するグラフェンから構成される単層の面積正規化(area-normalized)2次元PSD関数の概略図を示す。 半径方向の空間周波数に対するグラフェンから構成される単層の面積正規化半径方向PSD関数の概略図を示す。 図19と比較して縮小した、グラフェンから構成される単層の複数の単位胞の表面プロファイルの概略図を示す。 図21と比較して拡大した、半径方向の空間周波数に対するグラフェンから構成される面積正規化半径方向PSD関数の概略図を示す。
本発明による各ミラー1a、1a’、1b、1b’、1c、及び1c’を、図1、図1a、図2、図2a、図3、及び図3aを参照して以下で説明する。図中、ミラーの対応の特徴は同じ参照符号を有する。さらに、本発明によるこれらのミラーの対応の特徴又は特性を、図3aに関する説明に従って図1〜図3aについて要約して後述する。
図1は、基板S及び層構成体を備えるEUV波長域用の本発明によるミラー1aの概略図を示す。この場合、層構成体は、それぞれが個別層の少なくとも2つの周期P、P、及びPの周期的配列からなる複数の表面層システムP’、P’’、及びP’’’を備え、周期P、P、及びPは、高屈折率層H’、H’’、及びH’’’と低屈折率層L’、L’’、及びL’’’とに関して異なる材料から構成される2つの個別層を含み、各表面層システムP’、P’’、及びP’’’内で、隣接する表面層システムの周期の厚さから逸脱した一定の厚さd、d、及びdを有する。この場合、基板から最も遠い表面層システムP’’’は、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の周期Pの数Nよりも多い周期Pの数Nを有する。さらに、基板から2番目に遠い表面層システムP’’が有する周期Pの配列は、基板から最も遠い表面層システムP’’’の第1高屈折率層H’’’が基板から2番目に遠い表面層システムP’’の最終高屈折率層H’’の直後に続くようになっている。
結果として、図1において、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の周期P内における高屈折率層H’’及び低屈折率層L’’の順序は、他の表面層システムP’、P’’’の他の周期P、P内における高屈折率層H’、H’’’及び低屈折率層L’、L’’の順序に対して逆になっているため、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の第1低屈折率層L’’も、基板の最も近くに位置する表面層システムP’の最終低屈折率層L’の後に光学的に活性に続く。したがって、図1において基板から2番目に遠い表面層システムP’’は、後述する図2〜図3aにおける他の全ての表面層システムとも層の順序が異なる。
図1aは、本発明によるミラー1a’を示し、当該ミラーは、図1における本発明によるミラー1aに実質的に相当する。これらのミラーの違いは、ミラー1a’の場合には、厚さdを有する表面保護層SPL及びグラフェンから構成される層Gが、上部3つの表面システムP’、P’’、及びP’’’と基板Sとの間に位置することだけである。このような表面保護層SPLは、過剰に高い線量のEUV放射線から基板を保護する役割を果たすが、これは、例えばZerodur(登録商標)又はULE(登録商標)から構成されるミラー基板が高線量のEUV放射線で数容量パーセントオーダの不可逆的な緻密化を示すからである。グラフェンから構成される層Gは、表面保護層SPLの表面粗さを補償することで、迷光損失を回避するようになっている。この場合、厚さ約50nm〜100nmの例えばニッケル(Ni)等の金属から構成されるミラー表面保護層SPLが、十分な吸収性を有し、ごく僅かなEUV放射線しか下の基板Sまで透過しないようになっている。これにより、基板は、マイクロリソグラフィ装置の動作中に生じる高線量のEUV放射線でも長年にわたり十分に保護される。したがって、ミラーの光学結像特性が、基板の表面における不可逆変化に起因して僅か数か月又は数年後にマイクロリソグラフィ装置の動作に十分でなくなるという状況を防止することが可能である。
表面保護層SPLとしての2μm〜5μm厚の石英層も、基板を十分に保護するのに十分な吸収性を有する。このような石英層は、基板にCVD法、特にPICVD、PACVD、又はPECVD法により施すべきであり、これは、言及したこれらのコーティング法が、EUV放射線下でも安定しており不可逆的な緻密化を示さない非常に緻密な層をもたらすからである。言及した金属層、例えばニッケル等も、EUV放射線下で安定しており不可逆的な緻密化を示さない。
基板材料も同様に石英を基礎材料としているにもかかわらず、石英層が基板材料とは対照的に高線量のEUV放射線下で安定している理由に関する説明は、おそらく、高温で行われる基板材料を生成するプロセスにある。結果として、おそらく熱力学的中間状態が基板材料中で凍結され(intermediate thermodynamic state is frozen in the substrate material)、この状態が高線量のEUV放射線下で熱力学的基底状態に遷移する結果として、基板材料がより緻密になる。逆に、石英層は言及した方法により低温で施され、その結果としておそらく材料の熱力学的基底状態が最初から実現され、この状態は、高線量のEUV放射線の結果として熱力学的に低いレベルでさらなる基底状態に変換され得ない。
単一の表面保護層SPLの代替形態として、図1からのミラー1aの表面層システムP’を、その吸収性により下の層を十分に保護するよう設計することも可能である。この目的で、表面層システムは、対応の数の層を有するべきである。特に、EUVミラーの層構成体における表面層システムP’’及びP’’’の周期の数を超える周期の数を有する表面層システムP’が、この目的に適している。
この場合、層構成体の全体的な最適化それぞれの間に、全層の反射率特性、透過率特性、及び応力特性を同時に考慮に入れなければならない。
図2a及び図3aを参照して後述する具体的な表面保護層システムSPLSも同様に、EUV放射線から図1におけるミラー1aの基板を十分に保護するのに適している。この場合、グラフェンから構成される少なくとも1つの層G、Bが表面の平滑化に用いられる。さらに、グラフェンから構成される層G、Bを、図2a及び図3aにおける表面保護層システムSPLSと図1〜図3aにおける表面層システムとの両方で、隣接する層の相互拡散を防止するいわゆるバリア層として用いることが可能である。
この場合、グラフェンから構成される層G、Bは、グラフェンから構成される単層から少なくともなる。この場合、グラフェンから構成される単層又は二層を、それらの屈折率に関する層設計の実施において無視することができる。一方、層G、Bは、約4個のグラフェン単層の厚さから始めて層設計において考慮に入れるべきである。13.5nmにおけるグラフェンからなる数個の層の屈折率に関する値は分かっていないので、表2aで再現するようなグラファイトの値を層設計の実施に用いるべきである。
グラフェンから構成される層は、国際公開第2009/129194号明細書で特定されている方法に従って任意の所望のサイズで各領域に堆積させるか又は転写することができる。本発明によるSPL又はSPLSとしての石英層又はニッケル層の場合、国際公開第2009/129194号明細書からの直接CVD堆積が適当である。これにより、グラフェンから構成される単層及び多層の両方を含むグラフェンからなる層が得られる。これにより、グラフェンの直下に位置する層の凹凸を補償することが可能である。さらに、このような層は、「原子的に平滑」であり、図16〜図23を参照したグラフェンから構成される層G、Bの粗さの説明を参照されたい。代替的に、グラフェンから構成される多層は、国際公開第2009/129194号明細書に従ってSi、Cu、又はそれらの合金から構成されるミラー基板に直接堆積させることができ、SPLとして働くことができる。しかしながら、この目的で、層構成体のさらに他の表面層システムを透過に関してそれに従って設計しなければならない。これは、グラフェンがニッケルと同程度の吸収性を有していないからであり、表2aを参照されたい。代替的に、グラフェンから構成される多層は、国際公開第2009/129194号明細書に従って石英層に堆積させることもでき、石英層と共にSPLとして働くことができる。
図2は、基板S及び層構成体を備えるEUV波長域用の本発明によるミラー1bの概略図を示す。この場合、層構成体は、それぞれが個別層の少なくとも2つの周期P、P、及びPの周期的配列からなる複数の表面層システムP’、P’’、及びP’’’を備え、周期P、P、及びPは、高屈折率層H’、H’’、及びH’’’と低屈折率層L’、L’’、及びL’’’とに関して異なる材料から構成される2つの個別層を含み、各表面層システムP’、P’’、及びP’’’内で、隣接する表面層システムの周期の厚さから逸脱した一定の厚さd、d、及びdを有する。この場合、基板から最も遠い表面層システムP’’’は、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の周期Pの数Nよりも多い周期Pの数Nを有する。この場合、図1に関する例示的な実施形態の場合とは異なり、基板から2番目に遠い表面層システムP’’が有する周期Pの配列は、他の表面層システムP’及びP’’’の周期P及びPの配列に対応し、基板から最も遠い表面層システムP’’’の第1高屈折率層H’’’が基板から2番目に遠い表面層システムP’’の最終低屈折率層L’’の後に光学的に活性に続くようになっている。
図2aは、図2における本発明によるミラー1bに対応する本発明によるミラー1b’を示し、その第3表面層システムP’を表面保護層システムSPLSとして示す。この場合、表面保護層システムSPLSは、高屈折率層H、低屈折率層L、及び2つのバリア層Bを有する複数の周期を含む。この場合、低屈折率層は、例えばニッケル又はコバルト等の金属からなり、したがってEUV放射線に対して高い吸収性を有する。表2aを参照されたい。
この場合、表面保護層システムSPLSの層Lの総厚は、図1aからの本発明によるミラー1a’に従った表面保護層SPLの厚さに概ね相当する。言うまでもなく、図1aにおける例示的な実施形態1a’に従った表面保護層SPLを、ミラー1bの層構成体と基板との間で、又は図2aにおけるミラー1b’の表面保護層システムSPLSの代わりに用いることができる。
個別の表面保護層SPLに優る表面保護層システムSPLSの利点は、金属層で生じ得る結晶成長が高屈折率層により防止されることである。導入部ですでに述べたように、このような結晶成長は、金属層の表面を粗くし、これがさらに望ましくない迷光損失につながる。1周期内の高屈折率層の材料としてケイ素が金属ニッケルに対しては適しており、高屈折率層としてベリリウムが金属コバルトに対しては適している。
言及したこれらの層の相互拡散を防止するために、本願における他の高屈折率層及び低屈折率層とさらに関連して説明されるようなバリア層Bを用いることが可能である。特に、バリア層Bとしてグラフェンから構成される層は、第1に相互拡散を防止し、第2に「原子的に平滑な」表面をもたらす。図16〜図34に関する説明を参照されたい。
図3は、基板S及び層構成体を備えるEUV波長域用の本発明によるさらに別のミラー1cの概略図を示す。この場合、層構成体は、それぞれが個別層の少なくとも2つの周期P及びPの周期的配列からなる複数の表面層システムP’’及びP’’’を備え、周期P及びPは、高屈折率層H’’及びH’’’と低屈折率層L’’及びL’’’とに関して異なる材料から構成される2つの個別層を含み、各表面層システムP’’及びP’’’内で、隣接する表面層システムの周期の厚さから逸脱した一定の厚さd及びdを有する。この場合、図14及び図15に関する説明による例示的な第4実施形態において、基板から最も遠い表面層システムP’’’は、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の周期Pの数Nよりも多い周期Pの数Nを有する。この例示的な第4実施形態も、ミラー1aに対応する図3におけるミラー1cの図に関する変形形態として、基板Sから2番目に遠い表面層システムP’’の層を逆の順序で含むため、この例示的な第4実施形態は、基板から最も遠い表面層システムP’’’の第1高屈折率層H’’’が基板から2番目に遠い表面層システムP’’の最終低屈折率層L’’の後に光学的に活性に続くという特徴も有する。
特に表面層システムが少数、例えば表面層システムが2つだけの場合、基板から最も遠い表面層システムP’’’の周期Pが、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の周期Pの高屈折率層H’’の厚さの120%を超える、特にその厚さの2倍を超える高屈折率層H’’’の厚さを有する場合に、高反射率値が得られることが分かる。
図3aは、本発明によるさらに別のミラー1c’の概略図を示し、当該ミラーが図3におけるミラー1cと異なるのは、基板の最も近くに位置する表面層システムP’’が表面保護層システムSPLSとして具現される点である。図3aにおいて、上記表面保護層システムSPLSは、バリア層Bにより中断される層Lのみからなる。バリア層Bは、図2aに関してすでに上述したように、層Lの結晶成長を中断する役割を果たす。言うまでもなく、図3aに示す表面保護層システムSPLSは、図1a及び図2aに関連して説明したような他の表面保護層SPL又は表面保護層システムSPLSにより置き換えることができる。この場合、図3aに示す表面保護層システムSPLSは、図2aに示す表面保護層システムと比較して簡略化された表面保護層システムSPLSを表しているにすぎず、高屈折率層Hが省かれている。
結果として、図1aにおける表面保護層SPLに対応する図3aにおける表面保護層システムSPLSは、吸収による基板(S)の保護機能に純粋に制限され、したがって他の表面層システムの光学特性に対してごく僅かにしか相互作用しない。一方、図2aにおける表面保護層システムは、その吸収特性により基板の保護を提供すること、及びその反射特性によりミラーの反射に、したがって光学性能に寄与することにより、二重の機能を有する。層構成体の表面保護層システムSPLSから表面層システムP’、P’’又はP’’’への層システムの指定の移行は、ここでは流動的である。これは、図1aに関連してすでに上述したように、ミラー1aの表面層システムP’も、複数周期を有する対応の設計とした場合に、ミラーの反射率効果に寄与すると共に複数周期の吸収性増加による基板に対する保護効果を担うからである。反射率とは対照的に、層設計の層応力を考慮する場合、層構成体の全層を考慮に入れなければならない。
図1、図2、及び図3に関する本発明によるミラーの層構成体の表面層システムは、相互に直接連続し、さらに別の層システムにより分離されない。しかしながら、表面層システムの相互適合又は層構成体の光学特性の最適化のために、個別中間層により表面層システムを分離することが考えられる。しかしながら、光学特性の最適化は、図1に関する例示的な第1実施形態及び図3に関する変形形態としての例示的な第4実施形態の2つの表面層システムP’’及びP’’’には当てはまらない。これは、所望の光学効果がP’’における層の配列の逆転により阻止されるからである。
図1〜図3aにH、H、H’、H’’、及びH’’’で示した層は、EUV波長域において、L、L、L’、L’’、及びL’’’として示した同じ表面層システムの層と比較して高屈折率層として示すことができる材料から構成される層であり、表2及び表2aにおける材料の複素屈折率を参照されたい。これに対して、図1〜図3aにL、L、L’、L’’、及びL’’’で示した層は、EUV波長域において、H、H、H’、H’’、及びH’’’として示した同じ表面層システムの層と比較して低屈折率層として示すことができる材料から構成される層である。結果として、高屈折率及び低屈折率という用語は、表面層システムの1周期内の各相手層に関する相対的用語である。表面層システムは、概して高屈折率で光学的に作用する層をそれに対して低い屈折率を光学的に有する層と、表面層システムの1周期の主要構成要素として組み合わせた場合にのみ機能する。材料としてケイ素は、高屈折率層に概して用いられる。ケイ素と組み合わせて、材料としてモリブデン及びルテニウムは、低屈折率層として指定すべきであり、表2における材料の複素屈折率を参照されたい。
図1〜図3aにおいて、バリア層Bが、いずれの場合も1周期の個別層間に位置付けられ、上記バリア層は、BC、C、グラフェン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ホウ化ケイ素、窒化モリブデン、炭化モリブデン、ホウ化モリブデン、窒化ルテニウム、炭化ルテニウム、及びホウ化ルテニウムの材料群から選択される材料、又は化合物として当該材料群から構成される材料からなる。このようなバリア層は、1周期の2つの個別層間での相互拡散を抑制することにより、2つの個別層の移行部における光学的コントラストを高める。1周期の2つの個別層に材料としてモリブデン及びケイ素を用いた場合、基板から見てケイ素層の上に1つのバリア層があれば、十分なコントラストを提供するのに十分である。
この場合、モリブデン層の上の第2のバリア層を省くことができる。これに関して、1周期の2つの個別層を分離するために少なくとも1つのバリア層を設けるべきであり、この少なくとも1つのバリア層は、上記材料又はそれらの化合物の種々のものから完璧に構成することができ、この場合も異なる材料又は化合物の層状構成を示し得る。
材料としてBCを含み、0.35nm〜0.8nm、好ましくは0.4nm〜0.6nmの厚さを有するバリア層で、実際には層構成体の高反射率値が得られる。特に、ルテニウム及びケイ素から構成される表面層システムの場合、BCから構成されるバリア層は、バリア層の厚さが0.4nm〜0.6nmの値である場合に最大反射率を示す。
グラフェンから構成されるバリア層は、非常に平滑な表面をもたらし、したがって迷光損失を低減する。
本発明によるミラー1a、1a’、1b、1b’、1c、及び1c’の場合、表面層システムSPLS、P’、P’’、及びP’’’の周期P、P、P、及びPの数N、N、N、及びNは、図1〜図3aに示す個々の周期P、P、P、及びPを最大100周期までそれぞれ含むことができる。さらに、図1〜図3aに示す層構成体と基板Sとの間に追加中間層又は追加中間層構成体を設けることができ、これは、基板に対する層構成体の応力補償の役割を果たす。
層構成体自体と同じ配列で同じ材料を、応力補償用の追加中間層又は追加中間層構成体の材料として用いることができる。しかしながら、中間層構成体の場合、個別層間のバリア層を省くことが可能であり、これは、中間層又は中間層構成体が概してミラーの反射率にごく僅かしか寄与しないため、バリア層によるコントラストの増加の問題がこの場合に重要でないからである。交互のクロム層及びスカンジウム層又はアモルファスモリブデン層若しくはルテニウム層から構成される多層構成体も同様に、応力補償用の追加中間層又は中間層構成体として考えられる。
追加中間層又は中間層構成体は、その下にある基板がEUV放射線から十分に保護されるように、厚さに関して、例えば20nmを超えるようにも選択され得る。この場合、追加中間層又は追加中間層構成体も同様に、それぞれ表面保護層SPL又は表面保護層システムSPLSとして働き、EUV放射線から基板を保護する。
本発明によるミラー1a、1a’、1b、1b’、1c、及び1c’の層構成体は、図1〜図3aにおいて、終端層Mとして例えばRh、Pt、Ru、Pd、Au、SiO等の化学的に不活性な材料から構成される少なくとも1つの層を備える被覆層システムCにより終端する。したがって、上記終端層Mは、周囲の影響によるミラー表面の化学的変化を防止する。図1〜図3aにおける被覆層システムCは、終端層Mに加えて、高屈折率層H、低屈折率層L、及びバリア層Bからなる。
周期P、P、P、及びPの1つの厚さは、図1〜図3aから、対応周期の個別層の厚さの和として、すなわち、高屈折率層の厚さ、低屈折率層の厚さ、及び2つのバリア層の厚さから得られる。結果として、図1〜図3aにおける表面層システムSPLS、P’、P’’、及びP’’’は、同じ材料を選択したとすると、周期P、P、P、及びPが異なる厚さd、d、及びdを有することにより相互に区別することができる。結果として、本発明において、種々の表面層システムSPLS、P’、P’’、及びP’’’は、同じ材料を選択したとすると、生成された周期P、P、P、及びPの厚さd、d、及びdの差が0.1nmを超える表面層システムであると理解される。その理由は、高屈折率層と低屈折率層との間の周期の区分が他の点で同一であるとすると、0.1nm未満の差では表面層システムごとに異なる光学的効果を示すことができなくなるからである。さらに、本質的に同一の表面層システムは、種々の製造装置での製造時に、その周期の厚さがこの絶対値だけ変動し得る。モリブデン及びケイ素から構成される周期を有する表面層システムSPLS、P’、P’’、及びP’’’の場合、すでに上述したように、周期P、P、P、及びP内の第2バリア層を省くことで、この場合は周期P、P、P、及びPの厚さが高屈折率層の厚さ、低屈折率層の厚さ、及びバリア層の厚さから得られるようにすることが可能である。
図4は、図8〜図15に関する例示的な実施形態に従って本発明によるミラー1a、1a’、1b、1b’、1c、及び1c’に基づき構成される少なくとも1つのミラー1を含む6つのミラー1、11を有する、マイクロリソグラフィ用の投影露光装置用の本発明による投影対物レンズ2の概略図を示す。マイクロリソグラフィ用の投影露光装置のタスクは、レチクルとも称するマスクの構造を像平面内のいわゆるウェーハにリソグラフィで結像することである。この目的で、図4における本発明による投影対物レンズ2は、物体平面5内に配置された物体視野3を像平面7内の像視野に結像させる。明確にするために図示しない構造保持マスクは、物体平面5内の物体視野3の箇所に配置することができる。向きを示す目的で、図4は、x軸が図の平面を向いた直交座標系を示す。この場合、xy座標平面は、物体平面5と一致し、z軸は、物体平面5に対して垂直であり下向きである。投影対物レンズは、物体視野3を通らない光軸9を有する。投影対物レンズ2のミラー1、11は、光軸に対して回転対称である設計表面を有する。この場合、当該設計表面を完成したミラーの物理的表面と混同してはならない。その理由は、物理的表面が、ミラーに対する光の通過を確保するために設計表面に対してトリミングされるからである。この例示的な実施形態では、開口絞り13が、物体平面5から像平面7までの光路における第2ミラー11に配置される。投影対物レンズ2の効果は、主要光線15並びに2つの開口周縁光線17及び19という3つの光線を用いて図示されており、これらは全て物体視野3の中心に生じる。物体平面に対する垂線に対して6°の角度で進む主要光線15は、開口絞り13の平面内で光軸9と交差する。物体平面5から見て、主要光線15は、入射瞳平面21で光軸と交差するように見える。これを、図4において第1ミラー11を通る主要光線15の延長破線により示す。結果として、開口絞り13の仮想像である入射瞳は、入射瞳平面21内にある。投影対物レンズの射出瞳も同様に、像平面7から進む主要光線15を逆方向に延長して同じ構成を有することが分かり得る。しかしながら、像平面7では、主要光線15が光軸9と平行であり、このことから、これら2つの光線の逆投影は投影対物レンズ2の前方で無限遠点を作り、それゆえ投影対物レンズ2の射出瞳は無限遠にあるということになる。したがって、この投影対物レンズ2は、いわゆる像側テレセントリックな対物レンズである。物体視野から出る放射線の望ましくない口径食が投影対物レンズの反射構成の場合に生じることがないように、物体視野3の中心は光軸9から距離Rにあり、像視野7の中心は光軸9から距離rにある。
図5は、図4に示す投影対物レンズ2で生じるような弧状の像視野7aの平面図と、図4からの軸に対応する軸を有する直交座標系とを示す。像視野7aは、円環の一部であり、その中心は、光軸9と物体平面との交点により与えられる。平均半径rは、図示の場合は34mmである。y方向の視野の幅dは、ここでは2mmである。像視野7aの中心視野点を、像視野7a内に小円として表示する。代替形態として、湾曲した像視野を、同じ半径を有しy方向に相互に変位する2つの円弧により画定することもできる。投影露光装置をスキャナとして動作させる場合、走査方向は、物体視野の短寸方向に、すなわちy方向に延びる。
図6は、図4からの投影対物レンズ2の物体平面5から像平面7までの光路における最後から2番目のミラー(penultimate mirror)1の、単位[mm]で示すミラー表面の各箇所と光軸との間の種々の半径又は距離に対する、単位[°]での最大入射角(四角)及び入射角間隔の間隔長(丸)の例示的な図を示す。上記ミラー1は、EUV波長域用の6つのミラー1、11を有するマイクロリソグラフィ用の投影対物レンズ2の場合、概して、最大入射角及び最大入射角間隔又は最大入射角変動を確保しなければならないミラーである。本願において、入射角変動の測度としての入射角間隔の間隔長は、ミラーのコーティングが光学設計の要件により光軸からの所与の距離に関して確保しなければならない最大入射角と最小入射角との間の角度範囲の角度数であると理解される。入射角間隔は、略してAOI間隔ともいう。
表1による投影対物レンズの光学データは、図6の基礎をなすミラー1の場合に適用可能である。この場合、光学設計のミラー1、11の非球面は、以下の非球面式に従って、非球面頂点における法線に対する非球面点の垂直距離hの関数としての、非球面頂点における接平面に対する非球面点の垂直距離Z(h)により、回転対称表面として規定される。
Z(h)=(rho×h)/(1+[1−(1+k)×(rho×h)0.5)+
+c×h+c×h+c×h+c×h10+c×h12+c×h14
ここで、ミラーの半径R=1/rho及びパラメータk、c、c、c、c、c、及びcを単位[mm]とする。この場合、上記パラメータcは、同じく単位[mm]での距離hの関数として球面Z(h)が得られるように、[1/mm2n+2]に従って単位[mm]に関して正規化される。
最大入射角24°及び間隔長11°がミラー1の異なる箇所で生じることを、図6から認めることができる。結果として、ミラー1の層構成体は、異なる入射角及び異なる入射角間隔についてこれらの異なる箇所で高く均一な反射率値を示さなければならない。そうでなければ、投影対物レンズ2の高い全透過率及び許容可能な瞳アポダイゼーションが確保できないからである。
いわゆるPV値を、入射角にわたるミラーの反射率の変動の測度として用いる。この場合、PV値は、対象の入射角間隔における最大反射率Rmaxと最小反射率Rminとの間の差を対象の入射角間隔における平均反射率Raverageで割ったものとして定義される。結果として、PV=(Rmax−Rmin)/Raverageが成立する。
この場合、図4及び表1の設計に従った像平面7の前の最後から2番目のミラーとしての投影対物レンズ2のミラー1に関するPV値が大きいと、瞳アポダイゼーションに関する値が大きくなることを考慮に入れるべきである。この場合、0.25を超える大きなPV値では、ミラー1のPV値と投影対物レンズ2の瞳アポダイゼーションの結像収差との間に相関があり、これは、この値を超えるとPV値が他の収差原因よりも瞳アポダイゼーションに大きく影響するからである。
図6において、棒23を用いて、光軸に対して関連最大入射角約21°及び関連間隔長11°を有するミラー1の箇所の特定の半径又は特定の距離を例として表示する。上記表示の半径は、後述する図7において、ミラー1の光学的利用領域20を表す斜線領域20内の、破線で示す円23a上の箇所に対応する。
図7は、図4からの投影対物レンズ2の物体平面5から像平面7までの光路における最後から2番目のミラー1の基板Sを、光軸9を中心とした円として平面図で示す。この場合、投影対物レンズ2の光軸9は、基板の対称軸9に相当する。さらに、図7において、光軸に対してオフセットしているミラー1の光学的利用領域20は斜線で描かれ、円23aは破線で描かれている。
この場合、破線円23aのうち光学的利用領域内の部分は、図6に描かれた棒23で識別されるミラー1の箇所に対応する。結果として、破線円23aのうち光学的利用領域20内の部分的領域に沿ったミラー1の層構成体は、図6からのデータによれば、最大入射角21°及び最小入射角約10°の両方で高い反射率値を確保しなければならない。この場合、最小入射角約10°は、11°の間隔長により図6からの最大入射角21°から得られる。入射角の2つの上記極値が生じる破線円上の箇所は、図7において、入射角10°に関しては矢先26で、入射角21°に関しては矢先25で強調されている。
層構成体は、高額な技術費を伴わずには基板Sの複数箇所で局所的に変えることができず、概して基板の対称軸9に対して回転対称に施されるので、図7における破線円23aの箇所に沿った層構成体は、図1〜図3aに基本構成で示したような全く同一の層構成体となり、図8〜図15を参照して特定の例示的な実施形態の形態で説明される。この場合、考慮に入れるべきなのは、層構成体を有する基板Sの対称軸9に対して基板Sを回転対称にコーティングすることによる効果として、層構成体の表面層システムSPLS、P’、P’’、及びP'''の周期的配列がミラーの全箇所で維持され、対称軸9からの距離に応じた層構成体の周期の厚さが基板S全体で回転対称のプロファイルを得るだけであり、層構成体は、対称軸9における基板Sの中心よりも基板Sの縁部の方が薄いことである。
適当なコーティング技術により、例えば分配ダイヤフラム(distribution diaphragms)の使用により、基板にわたるコーティングの厚さの回転対称半径方向プロファイルを適合させることが可能であることを考慮に入れるべきである。結果として、コーティング自体の設計に加えて、基板にわたるコーティング設計のいわゆる厚さ係数の半径方向プロファイルにより、コーティング設計の最適化にさらなる自由度が利用可能である。
図8〜図15に示す反射率値を、波長13.5nmでの利用材料に関して表2に示す複素屈折率
を用いて計算した。この場合、特に実際の薄層の屈折率が表2で言及されている文献値から逸脱し得るので、実際のミラーの反射率値が図8〜図15に示す理論上の反射率値よりも小さくなることが分かり得ることを考慮に入れるべきである。
表面保護層SPL、L、及び表面保護層システムSPLSの材料と、グラフェンG、SPL、Bとに使用される屈折率を表2aに示す。
さらに、図1、図2、及び図3に関する層配列に従った下記の短縮表記は、図8〜図15に関連する層設計を表したものである。
基板/…/(P)×N/(P)×N/(P)×N/被覆層システムC
ここで、図2及び図3に関しては、
P1=H’BL’B;P2=H’’BL’’B;P3=H’’’BL’’’B;C=HBLM
であり、図1と、図3に関する変形形態としての例示的な第4実施形態とに関しては、
P1=BH’BL’;P2=BL’’BH’’;P3=H’’’BL’’’B;C=HBLM
である。
この場合、文字Hは高屈折率層の厚さを象徴的に表し、文字Lは低屈折率層の厚さを表し、文字Bはバリア層の厚さを表し、文字Mは表2並びに図1、図2、及び図3に関する説明に従った化学的に不活性な終端層の厚さを表す。
この場合、単位[nm]は、括弧内で指定した個別層の厚さに適用される。したがって、図8及び図9に関して用いた層設計は、短縮表記で以下のように指定することができる。
基板/…/(0.4BC2.921Si0.4BC4.931Mo)×8/(0.4BC4.145Mo0.4BC2.911Si)×5/(3.509Si0.4BC3.216Mo0.4BC)×16/2.975Si0.4BC2Mo1.5Ru
この例でのバリア層BCは、常に厚さ0.4nmであるから、層構成体の基本構成を示すために省くこともでき、図8及び図9に関する層設計は、以下のように短縮して指定することができる。
基板/…/(2.921Si4.931Mo)×8/(4.145Mo2.911Si)×5/(3.509Si3.216Mo)×16/2.975Si2Mo1.5Ru
図1に示す例示的な第1実施形態から認識すべきは、5周期を含む第2表面層システムにおける高屈折率層Si及び低屈折率層Moの順序を、他の表面層システムと逆にして、基板から最も遠い表面層システムの厚さ3.509nmの第1高屈折率層が基板から2番目に遠い表面層システムの厚さ2.911nmの最終高屈折率層の直後に続くようにしたことである。
これに対応して、図2に従った例示的な第2実施形態として図10及び図11に関して用いた層設計を短縮表記で指定することが可能である。
基板/…/(4.737Si0.4BC2.342Mo0.4BC)×28/(3.443Si0.4BC2.153Mo0.4BC)×5/(3.523Si0.4BC3.193Mo0.4BC)×15/2.918Si0.4BC2Mo1.5Ru
この例でのバリア層BCは、さらに常に厚さ0.4nmであるから、この層構成体を示すために省くことができ、図10及び図11に関する層設計は、以下のように短縮して指定することができる。
基板/…/(4.737Si2.342Mo)×28/(3.443Si2.153Mo)×5/(3.523Si3.193Mo)×15/2.918Si2Mo1.5Ru
したがって、図3に従った例示的な第3実施形態として図12及び図13に関して用いた層設計を短縮表記で、
基板/…/(1.678Si0.4BC5.665Mo0.4BC)×27/(3.798Si0.4BC2.855Mo0.4BC)×14/1.499Si0.4BC2Mo1.5Ru
として、また、説明のためにバリア層BCを無視して、
基板/…/(1.678Si5.665Mo)×27/(3.798Si2.855Mo)×14/1.499Si2Mo1.5Ru
として指定することが可能である。
同様に、図3に関する変形形態に従った例示的な第4実施形態として図14及び図15に関して用いた層設計を短縮表記で、
基板/…/(0.4BC4.132Mo0.4BC2.78Si)×6/(3.608Si0.4BC3.142Mo0.4BC)×16/2.027Si0.4BC2Mo1.5Ru
として、また、説明のためにバリア層BCを無視して、
基板/…/(4.132Mo2.78Si)×6/(3.609Si3.142Mo)×16/2.027Si2Mo1.5Ru
として指定することが可能である。
この例示的な第4実施形態から認識すべきは、6周期を含む表面層システムP’’における高屈折率層Si及び低屈折率層Moの順序を、16周期を含む他方の表面層システムP’’’と逆にして、基板から最も遠い表面層システムP’’’の厚さ3.609nmの第1高屈折率層が基板から2番目に遠い表面層システムP’’の厚さ2.78nmの最終高屈折率層の直後に続くようにしたことである。
したがって、この例示的な第4実施形態は、基板から2番目に遠い表面層システムP’’における高屈折率層及び低屈折率層の順序を図1に関する例示的な第1実施形態に従って逆にした、例示的な第3実施形態の変形形態である。
言うまでもなく、上記で指定した層設計には、表面保護層SPL又は表面保護層システムSPLSを設けることもでき、例えば、図1aに従った2μm厚の石英層及びグラフェンから構成される層Gを有する図8及び図9に関する第1層設計を、
基板/2000SiO/G(0.4BC2.921Si0.4BC4.931Mo)×8/(0.4BC4.145Mo0.4BC2.911Si)×5/(3.509Si0.4BC3.216Mo0.4BC)×16/2.975Si0.4BC2Mo1.5Ru
として指定することが可能である。
これに対応して、図1aに従った表面保護層SPLとしての100nm厚ニッケル層及びグラフェンからなる層Gを有するこの層設計を、
基板/100Ni/G(0.4BC2.921Si0.4BC4.931Mo)×8/(0.4BC4.145Mo0.4BC2.911Si)×5/(3.509Si0.4BC3.216Mo0.4BC)×16/2.975Si0.4BC2Mo1.5Ru
として指定することが可能である。
代替形態として、図3aに従ってグラフェンから構成される層G、Bにより分離された5nm厚ニッケル層の20周期からなる表面保護層システムSPLSを有するこの層設計を、
基板/(5Ni G)×20/(0.4BC2.921Si0.4BC4.931Mo)×8/(0.4BC4.145Mo0.4BC2.911Si)×5/(3.509Si0.4BC3.216Mo0.4BC)×16/2.975Si0.4BC2Mo1.5Ru
として指定することが可能である。
この場合、石英又はニッケルから構成される個々の表面保護層SPLが、図8〜図15に関する層設計の反射率曲線にごく僅かにしか影響を及ぼさないことを考慮に入れるべきである。反射率値の変化は、この場合は約1%である。数個の単層のみからなるグラフェンから構成される層は、この場合、反射率曲線に対してそれらが及ぼす影響に関して無視できる。しかしながら、グラフェンから構成される層は、薄いグラファイト層の光学定数を有する4個のグラフェン単層に相当する厚さから始めて層設計において考慮に入れるべきである。
グラフェンから構成される層により分離された5nm厚ニッケル層の20周期から構成される表面保護層システムSPLSによる効果として、図8〜図15に関する層設計の反射率曲線は入射角が約2°だけシフトし、所定の入射角間隔に固定されているとすると、層設計をその後最適化することがこの場合に必要となる。このような最適化が行われた後、図8〜図15に関する層設計と比較した表面保護層システムSPLSを有するこれらの層設計の反射率値の変化は、約2%である。この場合も、グラフェンから構成される比較的厚い層を最適化において無視できなくなる。
図8は、図1に従った本発明によるミラー1aの例示的な第1実施形態の単位[%]での非偏光放射線の反射率値を、単位[°]での入射角に対してプロットしたものを示す。この場合、ミラー1aの層構成体の第1表面層システムP’は、N=8の周期Pからなり、周期Pは、高屈折率層として2.921nmのSi及び低屈折率層として4.931nmのMoと、0.4nmのBCをそれぞれ含む2つのバリア層とからなる。結果として、周期Pの厚さdは8.652nmとなる。層Mo及びSiを逆の順序にしたミラー1aの層構成体の第2表面層システムP’’は、N=5の周期Pからなり、周期Pは、高屈折率層として2.911nmのSi及び低屈折率層として4.145nmのMoと、0.4nmのBCをそれぞれ含む2つのバリア層とからなる。結果として、周期Pの厚さdは7.856nmとなる。ミラー1aの層構成体の第3表面層システムP’’’は、N=16の周期Pからなり、周期Pは、高屈折率層として3.509nmのSi及び低屈折率層として3.216nmのMoと、0.4nmのBCをそれぞれ含む2つのバリア層とからなる。結果として、周期Pの厚さdは7.525nmとなる。ミラー1aの層構成体は、指定の順序で2.975nmのSi、0.4nmのBC、2nmのMo、及び1.5nmのRuからなる被覆層システムCにより終端する。結果として、基板から最も遠い表面層システムP’’’は、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の周期Pの数Nよりも多い周期Pの数Nを有し、基板から最も遠い表面層システムP’’’の第1高屈折率層H’’’は、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の最終高屈折率層H’’の直後に続く。
図8において、波長13.5nmで厚さ係数1を有するこの公称層設計の単位[%]での反射率値を、単位[°]での入射角に対して実線で示す。さらに、14.1°〜25.7°の入射角間隔に関するこの公称層設計の平均反射率を、実線水平棒で示す。さらに、図8はこれに対応して、波長13.5nmで厚さ係数を0.933とした場合の、2.5°〜7.3°の入射角間隔に関する上記で規定した層設計の入射角に対する反射率値を破線で、また平均反射率を破線棒で明記している。結果として、図8に破線で示す反射率値に対する層構成体の周期の厚さは、公称層設計における周期の対応の厚さの93.3%にしかならない。換言すれば、層構成体は、ミラー1aのミラー表面で2.5°〜7.3°の入射角を確保しなければならない箇所において公称層設計よりも6.7%薄い。
図9は、図8に対応する様式で、波長13.5nmで厚さ係数を1.018とした場合の、17.8°〜27.2°の入射角間隔に関する上記で規定した層設計の入射角に対する反射率値を細線で、また平均反射率を細棒で示し、さらに、これに対応して、厚さ係数を0.972とした場合の、8.7°〜21.4°の入射角間隔に関する上記で規定した層設計の入射角に対する反射率値を太線で、また平均反射率を太棒で示す。結果として、層構成体は、ミラー1aのミラー表面で17.8°〜27.2°の入射角を確保しなければならない箇所において公称層設計よりも1.8%厚く、これに対応して、8.7°〜21.4°の入射角を確保しなければならない箇所において公称層設計よりも2.8%薄い。
図8及び図9に関する層構成体により達成することができる平均反射率及びPV値を、表3において入射角間隔及び厚さ係数に対して集約する。上記で規定した層構成体を備えるミラー1aが、波長13.5nmで2.5°〜27.2°の入射角に関して、43%を超える平均反射率と0.21以下のPV値としての反射率変動とを有することが認識できる。
図10は、図2に従った本発明によるミラー1bの例示的な第2実施形態の単位[%]での非偏光放射線の反射率値を、単位[°]での入射角に対してプロットしたものを示す。この場合、ミラー1bの層構成体の第1表面層システムP’は、N=28の周期Pからなり、周期Pは、高屈折率層として4.737nmのSi及び低屈折率層として2.342nmのMoと、0.4nmのBCをそれぞれ含む2つのバリア層とからなる。結果として、周期Pの厚さdは7.879nmとなる。ミラー1bの層構成体の第2表面層システムP’’は、N=5の周期Pからなり、周期Pは、高屈折率層として3.443nmのSi及び低屈折率層として2.153nmのMoと、0.4nmのBCをそれぞれ含む2つのバリア層とからなる。結果として、周期Pの厚さdは6.396nmとなる。ミラー1bの層構成体の第3表面層システムP’’’は、N=15の周期Pからなり、周期Pは、高屈折率層として3.523nmのSi及び低屈折率層として3.193nmのMoと、0.4nmのBCをそれぞれ含む2つのバリア層とからなる。結果として、周期Pの厚さdは7.516nmとなる。ミラー1bの層構成体は、指定の順序で2.918nmのSi、0.4nmのBC、2nmのMo、及び1.5nmのRuからなる被覆層システムCにより終端する。結果として、基板から最も遠い表面層システムP’’’は、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の周期Pの数Nよりも多い周期Pの数Nを有する。
図10において、波長13.5nmで厚さ係数1を有するこの公称層設計の単位[%]での反射率値を、単位[°]での入射角に対して実線で示す。さらに、14.1°〜25.7°の入射角間隔に関するこの公称層設計の平均反射率を、実線水平棒で示す。さらに、図10はこれに対応して、波長13.5nmで厚さ係数を0.933とした場合の、2.5°〜7.3°の入射角間隔に関する上記で規定した層設計の入射角に対する反射率値を破線で、また平均反射率を破線棒で明記している。結果として、図10に破線で示す反射率値に対する層構成体の周期の厚さは、公称層設計における周期の対応の厚さの93.3%にしかならない。換言すれば、層構成体は、ミラー1bのミラー表面で2.5°〜7.3°の入射角を確保しなければならない箇所において公称層設計よりも6.7%薄い。
図11は、図10に対応する様式で、波長13.5nmで厚さ係数を1.018とした場合の、17.8°〜27.2°の入射角間隔に関する上記で規定した層設計の入射角に対する反射率値を細線で、また平均反射率を細棒で示し、さらに、これに対応して、厚さ係数を0.972とした場合の、8.7°〜21.4°の入射角間隔に関する上記で規定した層設計の入射角に対する反射率値を太線で、また平均反射率を太棒で示す。結果として、層構成体は、ミラー1bのミラー表面で17.8°〜27.2°の入射角を確保しなければならない箇所において公称層設計よりも1.8%厚く、これに対応して、8.7°〜21.4°の入射角を確保しなければならない箇所において公称設計よりも2.8%薄い。
図10及び図11に関する層構成体により達成することができる平均反射率及びPV値を、表4において入射角間隔及び厚さ係数に対して集約する。上記で規定した層構成体を備えるミラー1bが、波長13.5nmで2.5°〜27.2°の入射角に関して、45%を超える平均反射率と0.23以下のPV値としての反射率変動とを有することが認識できる。
図12は、図3に従った本発明によるミラー1cの例示的な第3実施形態の単位[%]での非偏光放射線の反射率値を、単位[°]での入射角に対してプロットしたものを示す。この場合、ミラー1cの層構成体の表面層システムP’’は、N=27の周期Pからなり、周期Pは、高屈折率層として1.678nmのSi及び低屈折率層として5.665nmのMoと、0.4nmのBCをそれぞれ含む2つのバリア層とからなる。結果として、周期Pの厚さdは8.143nmとなる。ミラー1cの層構成体の表面層システムP’’’は、N=14の周期Pからなり、周期Pは、高屈折率層として3.798nmのSi及び低屈折率層として2.855nmのMoと、0.4nmのBCをそれぞれ含む2つのバリア層とからなる。結果として、周期Pの厚さdは7.453nmとなる。ミラー1cの層構成体は、指定の順序で1.499nmのSi、0.4nmのBC、2nmのMo、及び1.5nmのRuからなる被覆層システムCにより終端する。結果として、基板から最も遠い表面層システムP’’’は、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の高屈折率層H’’の厚さの2倍を超える高屈折率層H’’’の厚さを有する。
図12において、波長13.5nmで厚さ係数1を有するこの公称層設計の単位[%]での反射率値を、単位[°]での入射角に対して実線で示す。さらに、14.1°〜25.7°の入射角間隔に関するこの公称層設計の平均反射率を、実線水平棒で示す。さらに、図12はこれに対応して、波長13.5nmで厚さ係数を0.933とした場合の、2.5°〜7.3°の入射角間隔に関する上記で規定した層設計の入射角に対する反射率値を破線で、また平均反射率を破線棒で明記している。結果として、図12に破線で示す反射率値に対する層構成体の周期の厚さは、公称層設計における周期の対応の厚さの93.3%にしかならない。換言すれば、層構成体は、ミラー1cのミラー表面で2.5°〜7.3°の入射角を確保しなければならない箇所において公称層設計よりも6.7%薄い。
図13は、図12に対応する様式で、波長13.5nmで厚さ係数を1.018とした場合の、17.8°〜27.2°の入射角間隔に関する上記で規定した層設計の入射角に対する反射率値を細線で、また平均反射率を細棒で示し、さらに、これに対応して、厚さ係数を0.972とした場合の、8.7°〜21.4°の入射角間隔に関する上記で規定した層設計の入射角に対する反射率値を太線で、また平均反射率を太棒で示す。結果として、層構成体は、ミラー1cのミラー表面で17.8°〜27.2°の入射角を確保しなければならない箇所において公称層設計よりも1.8%厚く、これに対応して、8.7°〜21.4°の入射角を確保しなければならない箇所において公称設計よりも2.8%薄い。
図12及び図13に関する層構成体により達成することができる平均反射率及びPV値を、表5において入射角間隔及び厚さ係数に対して集約する。上記で規定した層構成体を備えるミラー1cが、波長13.5nmで2.5°〜27.2°の入射角間隔に関して、39%を超える平均反射率と0.22以下のPV値としての反射率変動とを有することが認識できる。
図14は、表面層システムP’’における層の順序を逆にしたミラー1cの変形形態としての本発明によるミラーの例示的な第4実施形態の、単位[%]での非偏光放射線の反射率値を、単位[°]での入射角に対してプロットしたものを示す。この場合、ミラーの層構成体の表面層システムP’’は、N=6の周期Pからなり、周期Pは、高屈折率層として2.78nmのSi及び低屈折率層として4.132nmのMoと、0.4nmのBCをそれぞれ含む2つのバリア層とからなる。結果として、周期Pの厚さdは7.712nmとなる。ミラーの層構成体の表面層システムP’’’は、N=16の周期Pからなり、周期Pは、高屈折率層として3.608nmのSi及び低屈折率層として3.142nmのMoと、0.4nmのBCをそれぞれ含む2つのバリア層とからなる。結果として、周期Pの厚さdは7.55nmとなる。ミラーの層構成体は、指定の順序で2.027nmのSi、0.4nmのBC、2nmのMo、及び1.5nmのRuからなる被覆層システムCにより終端する。結果として、基板から最も遠い表面層システムP’’’は、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の高屈折率層H’’の厚さの120%を超える高屈折率層H’’’の厚さを有する。さらに、基板から最も遠い表面層システムP’’’は、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の周期Pの数Nよりも多い周期Pの数Nを有し、基板から最も遠い表面層システムP’’’の第1高屈折率層H’’’は、基板から2番目に遠い表面層システムP’’の最終高屈折率層H’’の直後に続く。
図14において、波長13.5nmで厚さ係数1を有するこの公称層設計の単位[%]での反射率値を、単位[°]での入射角に対して実線で示す。さらに、14.1°〜25.7°の入射角間隔に関するこの公称層設計の平均反射率を、実線水平棒で示す。さらに、図14はこれに対応して、波長13.5nmで厚さ係数を0.933とした場合の、2.5°〜7.3°の入射角間隔に関する上記で規定した層設計の入射角に対する反射率値を破線で、また平均反射率を破線棒で明記している。結果として、図14に破線で示す反射率値に対する層構成体の周期の厚さは、公称層設計における周期の対応の厚さの93.3%にしかならない。換言すれば、層構成体は、本発明によるミラーのミラー表面で2.5°〜7.3°の入射角を確保しなければならない箇所において公称層設計よりも6.7%薄い。
図15は、図14に対応する様式で、波長13.5nmで厚さ係数を1.018とした場合の、17.8°〜27.2°の入射角間隔に関する上記で規定した層設計の入射角に対する反射率値を細線で、また平均反射率を細棒で示し、さらに、これに対応して、厚さ係数を0.972とした場合の、8.7°〜21.4°の入射角間隔に関する上記で規定した層設計の入射角に対する反射率値を太線で、また平均反射率を太棒で示す。結果として、層構成体は、本発明によるこのミラーのミラー表面で17.8°〜27.2°の入射角を確保しなければならない箇所において公称層設計よりも1.8%厚く、これに対応して、8.7°〜21.4°の入射角を確保しなければならない箇所において公称設計よりも2.8%薄い。
図14及び図15に関する層構成体により達成することができる平均反射率及びPV値を、表6において入射角間隔及び厚さ係数に対して集約する。上記で規定した層構成体を備える本発明によるミラーが、波長13.5nmで2.5°〜27.2°の入射角間隔に関して、42%を超える平均反射率と0.24以下のPV値としての反射率変動とを有することが認識できる。
図示の4つの例示的な実施形態全てにおいて、基板の最も近くにそれぞれ位置する表面層システムの周期の数は、表面層システムを通るEUV放射線の透過率が10%未満、特に2%未満であるよう増加させることができる。
したがって、第1に、導入部ですでに述べたように、ミラーの光学特性に対する、この場合は特に反射率に対する層構成体の下にある層又は基板の摂動作用を回避することが可能であり、第2に、層構成体の下にある層又は基板がEUV放射線から十分に保護されることがこれにより可能である。
図16は、グラフェンから構成される単層の単位胞の表面プロファイルz(x,y)の概略図を示す。この場合、理想平面を上記単層のモデルであると想定し、この平面上にグラフェンの炭素原子が中実球として六方配列で位置付けられる。球の直径はこの場合は0.192nmであり、2つの隣接する球の球心は、それぞれ相互から0.334nmの距離に位置付けられる。このモデルから得られるグラフェンの表面プロファイルを、約0.6nmの面積にわたるグレースケールとして図16に示す。この表面プロファイルにより、ここから、次式に従って理想平面に対する表面プロファイルの1点の高さ偏差zを用いてR=0.065nm rms及びR=0.052nmが得られる。
しかしながら、このようなグラフェンの理論粗さは、サブナノメートル範囲の空間分解能を有する測定デバイスを用いてしか実験的に求めることができない。一方、HSFR周波数領域の粗さを求めるために用いられる現在のAFM顕微鏡は、直径約20nmの面積にわたる平均化を行う。したがって、このようなAFM顕微鏡による測定の場合、グラフェン単層の粗さは、正確に0nm HSFR又はAFM顕微鏡の測定精度内のHSFR値であり、これは、この顕微鏡が、グラフェンの平均化した平滑域しか認識せず、空間分解能の欠如によりHSFR領域を超える周波数領域を検出できないからである。したがって、グラフェンから構成される単層は、0nm HSFRのAFMにより測定した粗さ及びHSFR領域を超える0.065nm rmsの理論粗さを有する。グラフェンから構成される単層の表面粗さに関して図16を参照して行った記述は、多層からなるグラフェン層の最上層に対応して適用可能である。
10nm〜1μmの粗さの空間波長を有する高周波数領域(HSFR領域)、1μm〜1mmの粗さの空間波長を有する中空間周波数領域(MSFR領域)、及び1μm〜自由光学径の空間波長を有する形状領域(表面形態不良又は別称で形状)での、空間周波数領域に従った表面粗さの細分については、U. Dinger et al. "Mirror substrates for EUV-lithography: progress in metrology and optical fabrication technology," Proc. SPIE Vol. 4146, 2000を参照されたい。
さらに、明確化の目的で、図17は、関連の区間波長λと関連の空間周波数f=1/λとに基づく空間周波数領域である形状、MSFR、HSFR、及び超HSFR(VHSFR)を示す。U. Dinger他による上記刊行物と比較して、HSFR領域はその一方で50nm〜1μmの空間波長又は1μm−1〜0.02nm−1の空間周波数を有するHSFRと、10nm〜50nmの空間波長又は0.02nm−1〜0.1nm−1の空間周波数を有する超HSFR領域(VHSFR)とに細分される。
1mm〜光学素子の直径の空間波長領域での、光学素子の理想設計面積からの実際の面積の偏差は、表面形態不良又は形状不良と称する。これらの偏差は、成形加工機による光学素子の成形加工中に引き起こされ、非点収差、コマ、歪み等の光学系の結像収差につながる。理想表面形態からの実際の光学素子のこうした偏差は、光学素子の表面全体にわたって干渉計により測定することができ、例えばイオンビーム加工等の形態補正プロセスにより低減することができる。この場合、EUVミラーの仕様は約0.1nm rmsの表面形態不良である。
MSFR領域での光学素子の理想設計面積からの実際の面積の偏差は、点パターン拡大(point pattern widening)につながる。慣習的用法では、これをフレアと呼ぶ。単位nm rms MSFRで指定されるMSFR領域の高い粗さ値を有する光学素子を備える光学系において、結像対象の輝点の点パターンの周りにハローが生じ、このハローが点パターンを広げることで結像のコントラストを低下させる。MSFR領域における粗さは、例えばダイヤモンド切削による成形加工中の表面の損傷の結果として通常は生じる。これらの粗さは、光学素子の0.25mm×0.25mmの面積において顕微干渉計により測定され、表面研磨又はイオンビーム加工により低減することができる。この場合、EUVミラーの仕様は約0.1nm rms MSFRである。
一方、HSFR領域での光学素子の理想設計面積からの実際の面積の偏差は、光が高周波HSFR構造により回折されるので迷光損失につながる。HSFR領域のこれらの粗さは、光学素子の空間分解能0.3μm〜3μmで10μm×10μmの面積において、又は空間分解能10nm〜300nmで1μm×1μmの面積においてAFM顕微鏡により測定され、いわゆる超研磨法により低減することができる。この場合、EUVミラーの仕様は約0.1nm rms HSFRである。
光学素子の少なくとも約0.5μm×0.5μmの面積に延びるグラフェンから構成される単層は、図16に関してすでに述べたように、HSFR領域で、またVHSFR領域でも0nm rms HSFRの表面粗さを有する。グラフェンから構成される単層が実際に粗さを有するのは、1nm未満の空間波長でのVHSFRを超える空間周波数領域のみである。この空間周波数領域は、グラフェンについて実線矢印を用いて図17で特定されており、図21及び図23を参照してより詳細に説明する。したがって、グラフェンから構成されるこのような単層は、グラフェンの構造距離がEUV波長を有する光を回折させるには小さすぎるので迷光損失を回避する。
研磨したニッケル、ケイ素、又は酸化ケイ素へのグラフェン層の堆積は、国際公開第2009/129194号明細書から既知であり、当該明細書の全範囲が参照により本開示の一部となる(参照による援用)。国際公開第2009/129194号明細書では、グラフェンを単層、二層、又は多層で大面積領域に堆積させ、単結晶状態、すなわち純粋な単層、二層、又は多層を有する状態が約0.5μm×0.5μmの面積に延びる。例えば、国際公開第2009/129194号明細書の図15及び図31に関する説明を参照されたい。
グラフェンから構成されるこのような均一な層は、HSFR領域の粗さを0nm rms HSFRに低減してこのようなグラフェン層を備えるミラーにおける迷光損失を最小化することを可能にする。この場合、グラフェン層は、実際にはミラー表面に沿って異なる数のグラフェン層を有する領域を有し得る。これらの領域の移行部は、グラフェンについて破線両矢印を用いて図17に示すように、MSFR領域の粗さに寄与するが、特にグラフェン層上に堆積した層の場合に、例えばイオンビーム加工等の研磨法によりMSFR粗さを補正することが可能である。この点で、本発明によるミラー1a、1a’、1b、1b’、1c、及び1c’でのグラフェン層の使用により、少なくとも当該グラフェン層の粗さを0.1nm rms HSFR未満、特に0.04nm rms HSFR未満に低減することが可能となる。さらに、HSFRを超えるR=0.065nm rmsのグラフェン層の理論粗さは、欠陥がないことにより、グラフェン層上で成長する他の層の表面が同様にHSFR領域の低い粗さ値を有するようこれらの層が成長することに寄与する。
図18は、左側図に、基板S及び層構成体を備える従来技術からのミラーを示し、層構成体は、少なくとも0°〜30°の入射角でミラーに入射する250nm未満の波長を有する光32がその強度の20%よりも多く反射されるよう設計され、これを反射矢印34で示し、層構成体は、個別層の少なくとも2つの周期Pの周期的配列からなる少なくとも1つの表面層システムP’’’を含み、周期Pは、高屈折率層H’’’及び低屈折率層L’’’に関して異なる材料から構成される2つの個別層を含む。従来技術からのこのようなミラーの基板又は層の表面粗さは、図18に矢印36を用いて示す迷光につながる。一方、図18の右側図に簡略化して概略的に示すような、本発明によるミラー1a、1a’、1b、1b’、1c、及び1c’の少なくとも1つのグラフェン層は、図17に示すように、少なくとも1つのグラフェン層のHSFR領域の「周波数の穴(frequency hole)」による迷光の割合の低減につながる。この場合、ミラーにおける迷光を低減するためのグラフェン層の使用は、EUV波長域に制限されない。こうしたグラフェン層は、250nm未満の波長でのマイクロリソグラフィ用の投影露光装置で用いられるような他のミラーにも適している。グラフェン層G、SPL、及びBは、図18における本発明によるミラー1a、1a’、1b、1b’、1c、及び1c’の場合、表面保護層システムSPLS又は層構成体の他の表面層システム内のグラフェン層G、表面保護層SPL、又はバリア層Bとして形成され得る。
図19は、グラフェンから構成される単層の、図16に示す複数の単位胞の表面プロファイルの概略図を示す。この場合、図16に対応して、理想平面に対する本発明(innovation)の振幅に関して単位nmで同じ振幅スケールが、図19に当てはまる。離散フーリエ変換により得られる図19の表面プロファイルのフーリエスペクトルの絶対値の平方を、図20に示す。
図20は、X方向及びY方向の空間周波数に対するグラフェンから構成される単層の面積正規化2次元パワースペクトル密度(PSD)の概略図を示す。この場合、面積正規化PSDは、表面プロファイルのフーリエ変換の絶対値の平方に対応し、この面積正規化により、教科書で用いられているような古典的PSDからずれている。
この場合、L及びLは、X方向及びY方向で考えた表面領域の範囲を示し、f及びfは、空間周波数を示し、z(x,y)は、対象の表面領域における表面プロファイルの振幅を示す。
図19からのグラフェンのハニカム状構造の離散空間周波数スペクトルは、図20で明確に認識可能である。対応の離散スペクトルは、例えばグラフェンでの電子線回折により実験的に求めることができ、国際公開第2009/129194号明細書の図17を参照されたい。図20では、約3.3l/nmで白く表れる空間周波数が優勢であり、これは、グラフェンにおける第1原子間距離に従った空間周波数0.334nmに対応する。したがって、グラフェンの離散構造の結果として、図20におけるグラフェンの離散PSDは、統計的表面欠陥に基づく他の表面の連続PSDとは異なる。
図21は、半径方向の空間周波数に対するグラフェンから構成される単層の面積正規化半径方向PSD関数の振幅に関して、底10までの対数表現でのこのPSD関数を太線で示し、比較のために面積正規化半径方向PSD関数の10倍も細線で示した概略図を示す。この面積正規化半径方向PSDは、図20に示す2次元PSDから、方位角方向の積分(integration over the azimuth)により生成される。
10l/nm未満の低い空間周波数で、図20において白色として識別される空間周波数が優勢であることが、図21において明確に認識可能である。グラフェンが150l/nmの空間周波数まで高調波を有することも同様に認識できる。図21に示す空間周波数のいずれも、AFM顕微鏡により分解できないが、これは、AFM顕微鏡が約0.1l/nmの周波数までしか分解できない結果として、HSFR領域しか測定できないからである。
図22は、グラフェンから構成される単層の複数の単位胞の表面プロファイルの、図19と比較して縮小した概略図を示し、これは、横方向範囲に関してAFMの測定チップが平均化を行う面積に概ね対応する。これは、AFMが、図22に示す面積に関して、約0.5μm×0.5μmのグラフェンから構成される単層又は多層の領域内の隣接区域から逸脱しない、表面プロファイルの平均値のみを求めることを意味する。結果として、0nm rms HSFRのAFMにより求められる粗さは、グラフェン層についてのものとなるが、これは、AFMがグラフェンの構造を横方向に分解できない結果として、HSFRを超える周波数領域を検出できないからである。
図23は、半径方向の空間周波数に関するグラフェンから構成される単層の面積正規化半径方向PSD関数の概略図を示し、この図は、図21に対して拡大したものであり、図23における面積正規化半径方向PSD関数を求めるために、数値積分のための図20における周波数軸に、図21において面積正規化半径方向PSD関数を求める場合よりも細かく目盛りを付けた。0l/nm〜約1.6l/nmの空間周波数について、これは、形状、MSFR、HSFR〜VHSFRの範囲に関し、PSDの振幅はなく、結果として対象の周波数領域で粗さがないことが、明確に認識される。
1.6l/nmを超える空間周波数でも、PSDがなく、したがって粗さがない周波数領域がある。これは、グラフェンの六方晶構造に起因するものであり、その効果として、離散周波数又は周波数帯域が表面プロファイルのフーリエスペクトルに現れ、結果としてグラフェンの場合には、フーリエスペクトルがアモルファス又は統計的表面構造の場合のように不均一な分布を含まない。

Claims (16)

  1. 基板(S)及び層構成体を備えるミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)であって、前記層構成体を、少なくとも0°〜30°の入射角で前記ミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)に入射する250nm未満の波長を有する光(32)がその強度の20%よりも多く反射されるよう設計し、前記層構成体は、個別層の少なくとも2つの周期(P)の周期的配列からなる少なくとも1つの表面層システム(P’’’)を含み、前記周期(P)は、高屈折率層(H’’’)及び低屈折率層(L’’’)に関して異なる材料から構成される2つの個別層を含むミラーにおいて、
    ラフェンから構成される、前記基板(S)の表面を保護する表面保護層(SPL)、表面保護層(SPL)と前記層形成体との間に配置された層(G)、及び、前記高屈折率層と前記低屈折率層との間に配置されるバリア層(B)のうち少なくとも1つの層を含むことを特徴とするミラー。
  2. 請求項1に記載のミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)において、前記グラフェンから構成される少なくとも1つの層(G、SPL、B)は、0.04nm rms HSFR未満の表面粗さを有するミラー。
  3. 基板(S)及び層構成体を備えるミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)であって、前記層構成体を、少なくとも0°〜30°の入射角で前記ミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)に入射する250nm未満の波長を有する光(32)がその強度の20%よりも多く反射されるよう設計し、前記層構成体は、個別層の少なくとも2つの周期(P)の周期的配列からなる少なくとも1つの表面層システム(P’’’)を含み、前記周期(P)は、高屈折率層(H’’’)及び低屈折率層(L’’’)に関して異なる材料から構成される2つの個別層を含むミラーにおいて、
    前記層構成体は、0.04nm rms HSFR未満の表面粗さを有する少なくとも1つの層を含むことを特徴とするミラー。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)において、前記少なくとも1つの層は、HSFR領域を超える空間周波数で0.1nm rms未満、特に0.07nm rms未満の表面粗さを有するミラー。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)において、該ミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)は、ミラー表面に対する入射点における法線に対して少なくとも0°〜30°の入射角で前記ミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)に入射するEUV放射線をその強度の20%よりも多く反射する、EUV波長域用のミラーであるミラー。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)において、前記層構成体は、炭素、グラフェン、炭化ホウ素、酸化ケイ素の群からの材料から形成されるか又は化合物として当該材料から構成される少なくとも1つの層を含むミラー。
  7. 請求項5又は6に記載のEUV波長域用のミラー(1a;1a’;1b’;1c)において、前記層構成体は、個別層の少なくとも2つの周期(P)の周期的配列からなる前記基板(S)の表面を保護する少なくとも1つの表面保護層システム(SPLS)を含み、前記周期(P)は、高屈折率層(H)及び低屈折率層(L)に関して異なる材料から構成される2つの個別層を含み、前記周期(P)を形成する前記2つの個別層(L、H)の材料は、ニッケル及びケイ素又はコバルト及びベリリウムであるEUV波長域用のミラー。
  8. 請求項5又は6に記載のEUV波長域用のミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)において、前記周期(P、P)を形成する前記2つの個別層(L’’、H’’、L’’’、H’’’)の材料は、モリブデン及びケイ素又はルテニウム及びケイ素であり、被覆層システム(C)が、化学的に不活性な材料から構成される少なくとも1つの層(M)を含み、前記ミラーの前記層構成体の終端となるEUV波長域用のミラー。
  9. 請求項7又は8に記載のEUV波長域用のミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)において、前記個別層は、少なくとも1つのバリア層(B)により分離され、該バリア層(B)は、BC、C、グラフェン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ホウ化ケイ素、窒化モリブデン、炭化モリブデン、ホウ化モリブデン、窒化ルテニウム、炭化ルテニウム、及びホウ化ルテニウムの材料群から選択される材料、又は化合物として該材料群から構成される材料からなるEUV波長域用のミラー。
  10. 請求項5又は6に記載のEUV波長域用のミラー(1a;1b;1c;1c’)において、前記層構成体は、個別層の少なくとも2つの周期(P)の周期的配列からなる前記基板(S)の表面を保護する少なくとも1つの表面保護層システム(SPLS)を含み、前記周期(P)は、低屈折率層(L)及びバリア層(B)に関して異なる材料から構成される2つの個別層を含むEUV波長域用のミラー。
  11. 請求項10に記載のEUV波長域用のミラー(1a;1b;1c;1c’)において、前記低屈折率層(L)の材料は、ニッケルからなり、前記バリア層(B)の材料は、BC、C、グラフェン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ホウ化ケイ素、窒化モリブデン、炭化モリブデン、ホウ化モリブデン、窒化ルテニウム、炭化ルテニウム、及びホウ化ルテニウムの材料群から選択されるか、又は化合物として該材料群から構成されるEUV波長域用のミラー。
  12. 請求項10又は11に記載のEUV波長域用のミラー(1a;1b;1b’;1c;1c’)において、前記少なくとも1つの表面層保護システム(SPLS)は、0.5nm rms HSFR未満、特に0.2nm rms HSFR未満の表面粗さを有する層を有するEUV波長域用のミラー。
  13. 請求項5〜12のいずれか1項に記載のEUV波長域用のミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)において、前記基板(S)は、金属又は合金、特にSi、Glidcop(登録商標)、又はElmedur(登録商標)からなるEUV波長域用のミラー。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のミラー(1a;1a’;1b;1b’;1c;1c’)を備えるマイクロリソグラフィ用の投影対物レンズ。
  15. 請求項14に記載の投影対物レンズを備えるマイクロリソグラフィ用の投影露光装置。
  16. 表面粗さを0.1nm rms HSFR未満に減らすための、且つ/又はEUV波長域における光学素子を1%未満の放射線誘発不可逆変化から保護するための、且つ/又はEUV波長域におけるいわゆる多層膜ミラーの層間の相互拡散を防止するためのバリア層としての、前記光学素子上でのグラフェン(G、SPL、B)の使用。
JP2013529611A 2010-09-27 2011-09-13 ミラー、当該ミラーを備える投影対物レンズ、及び当該投影対物レンズを備えるマイクロリソグラフィ用投影露光装置 Active JP5926264B2 (ja)

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