JP5925651B2 - チオエステラーゼ改変体を用いた脂質の製造方法 - Google Patents

チオエステラーゼ改変体を用いた脂質の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5925651B2
JP5925651B2 JP2012206972A JP2012206972A JP5925651B2 JP 5925651 B2 JP5925651 B2 JP 5925651B2 JP 2012206972 A JP2012206972 A JP 2012206972A JP 2012206972 A JP2012206972 A JP 2012206972A JP 5925651 B2 JP5925651 B2 JP 5925651B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amino acid
seq
protein
thioesterase
transformant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012206972A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014060943A (ja
Inventor
彰人 川原
彰人 川原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2012206972A priority Critical patent/JP5925651B2/ja
Priority to MYPI2015000702A priority patent/MY164821A/en
Priority to CN201380049117.2A priority patent/CN104662154B/zh
Priority to US14/426,801 priority patent/US9334510B2/en
Priority to PCT/JP2013/072418 priority patent/WO2014045793A1/ja
Publication of JP2014060943A publication Critical patent/JP2014060943A/ja
Priority to IN2589DEN2015 priority patent/IN2015DN02589A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5925651B2 publication Critical patent/JP5925651B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/64Fats; Fatty oils; Ester-type waxes; Higher fatty acids, i.e. having at least seven carbon atoms in an unbroken chain bound to a carboxyl group; Oxidised oils or fats
    • C12P7/6409Fatty acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/16Hydrolases (3) acting on ester bonds (3.1)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y301/00Hydrolases acting on ester bonds (3.1)
    • C12Y301/02Thioester hydrolases (3.1.2)
    • C12Y301/02014Oleoyl-[acyl-carrier-protein] hydrolase (3.1.2.14), i.e. ACP-thioesterase
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Description

本発明は、チオエステラーゼ改変体及びこれを用いた脂質の製造方法に関する。
脂肪酸は脂質の主要構成成分の1つであり、生体内においてグリセリンとエステル結合をしてトリアシルグリセロール等の脂質を構成し、多くの動植物においてエネルギー源として貯蔵され利用される物質である。動植物内に蓄えられた脂肪酸や脂質は、食用又は工業用として広く利用されており、例えば、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール等の食品の中間原料や、その他各種の工業製品の添加剤、中間原料として利用されている。また、炭素数12〜18前後の高級脂肪酸を還元して得られる高級アルコールの誘導体は、界面活性剤として用いられている。例えば、アルキル硫酸エステル塩やアルキルベンゼンスルホン酸塩等は陰イオン性界面活性剤として、また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルやアルキルポリグリコシド等は非イオン性界面活性剤として、いずれも洗浄剤又は殺菌剤として利用されている。同じく高級アルコールの誘導体としてアルキルアミン塩やモノ又はジアルキル4級アミン塩は、繊維処理剤や毛髪リンス剤又は殺菌剤として、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩は殺菌剤や防腐剤として日常的に利用されている。さらに、炭素数18前後の高級アルコールは植物の成長促進剤としても有用である。
このように脂肪酸類の利用は多岐にわたり、そのため動植物等において生体内での脂肪酸や脂質の生産性を向上させる試みがおこなわれている。例えば、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCase)の導入により種子中の脂質量を向上させる方法(特許文献1、非特許文献1、特許文献5)、酵母sn-2アシルトランスフェラーゼ(SLC1-1)の導入により種子中の脂質量を向上させる方法(特許文献2、特許文献3及び非特許文献2)、ジアシルグリセロールアシル基転移酵素遺伝子(DGAT)の導入により種子中の脂質量を向上させる方法(特許文献4及び非特許文献3)等が提案されている。
特開2002-335786号公報 特表平11-506323号公報 国際公開第2008/076377号パンフレット 国際公開第2000/036114号パンフレット 米国特許第5,925,805号明細書
Madoka Y,Tomizawa K,Mizoi J,Nishida I,Nagano Y,Sasaki Y.,"Chloroplast transformation with modified accD operon increases acetyl-CoA carboxylase and causes extension of leaf longevity and increase in seed yield in tobacco",Plant Cell Physiol.,2002 Dec,43(12),p.1518-1525 Zou J,Katavic V,Giblin EM,Barton DL,MacKenzie SL,Keller WA,Hu X,Taylor DC.,"Modification of seed oil content and acyl composition in the brassicaceae by expression of a yeast sn-2 acyltransferase gene",Plant Cell,1997 Jun,9(6),p.909-923 Jako C,Kumar A,Wei Y,Zou J,Barton DL,Giblin EM,Covello PS,Taylor DC.,"Seed-specific over-expression of an Arabidopsis cDNA encoding a diacylglycerol acyltransferase enhances seed oil content and seed weight",Plant Physiol.,2001,126(2),p.861-874
本発明は、野生型チオエステラーゼのアミノ酸配列を改変したチオエステラーゼ改変体、及びこれを用いた脂質の製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、チオエステラーゼ改変体を導入し脂質生産能が向上した形質転換体を提供することを課題とする。
本発明者らは、動植物等における脂質生産性を向上させるべく、鋭意検討をおこなった。その結果、ココヤシ(Cocos nucifera)由来のチオエステラーゼのアミノ酸配列を一部改変したところ、このチオエステラーゼ改変体を導入した形質転換体において、野生型のチオエステラーゼを導入した形質転換体と比較して、脂質の生産性が有意に向上することを見出した。本発明はこの知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち本発明は、宿主に下記(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子を導入して形質転換体を得る工程と、得られた形質転換体から脂質を採取する工程とを含む、脂質の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)に関する。
(a)配列番号1の112番〜414番までのアミノ酸配列であって、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸がトリプトファンからトレオニン、グルタミン酸、又はアラニンに置換されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
(b)(a)のタンパク質のアミノ酸配列において、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸以外の1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
また、本発明は、宿主に前記(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子を導入して形質転換体を得る工程を含む、脂質の生産性を向上させる方法に関する。
また、本発明は、宿主に前記(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子を導入して得られる形質転換体(以下、「本発明の形質転換体」ともいう。)に関する。
さらに、本発明は、前記(a)又は(b)のタンパク質(以下、「本発明のチオエステラーゼ改変体」ともいう。)に関する。
本発明の形質転換体は、野生型チオエステラーゼを導入した形質転換体に比べ、優れた脂質生産能を有する。そのため、当該形質転換体を用いた本発明の製造方法は、脂質の生産性に優れる。本発明のチオエステラーゼ改変体、形質転換体、及び製造方法は、脂肪酸及び脂質の工業的生産に好適に用いることができる。
以下、本発明のチオエステラーゼ改変体、これを用いた形質転換体及び脂質の製造方法について順に説明する。
本発明において、脂質には、中性脂肪、ろう、セラミド等の単純脂質、リン脂質、糖脂質、スルホ脂質等の複合脂質、脂肪酸、アルコール類、炭化水素類等の誘導脂質が含まれる。
1.チオエステラーゼ改変体
本発明のチオエステラーゼ改変体は、配列番号1に示すココヤシ(Cocos nucifera)由来の野生型チオエステラーゼ(以下、単に野生型チオエステラーゼともいい、CTEとも略記する)のアミノ酸配列を一部改変したアミノ酸配列を有し、チオエステラーゼ活性を有するタンパク質である。
チオエステラーゼは、トリグリセリドの生合成系に関与する酵素であるアシル‐アシルキャリヤープロテイン(Acyl-ACP)チオエステラーゼであって、葉緑体内や色素体内において脂肪酸生合成過程の中間体であるアシル‐アシルキャリヤープロテイン(脂肪酸残基であるアシル基とアシルキャリヤープロテインとからなる複合体)のチオエステル結合を加水分解し、遊離の脂肪酸を生成する酵素である。チオエステラーゼの作用によって、アシルキャリヤープロテイン上での脂肪酸合成が終了し、遊離した脂肪酸は色素体から輸送されトリグリセリド合成に供される。チオエステラーゼは、基質であるアシル‐アシルキャリヤープロテインを構成する脂肪酸残基の種類によって異なる反応特異性を示すものがあることがわかっており、生体内での脂肪酸組成を決める重要なファクターであると考えられている。
本発明のチオエステラーゼ改変体として、具体的には下記(a)又は(b)のタンパク質が挙げられる。
(a)配列番号1の112番〜414番までのアミノ酸配列であって、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸がトリプトファンからトレオニン、グルタミン酸、又はアラニンに置換されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
(b)(a)のタンパク質のアミノ酸配列において、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸以外の1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
前記(a)のタンパク質は、配列番号1に示す野生型チオエステラーゼのアミノ酸配列の112番〜414番までのアミノ酸配列を少なくとも有する。配列番号1に示す野生型チオエステラーゼのアミノ酸配列において、112番目から415番目までの領域は、チオエステラーゼとして機能するために特に重要で、チオエステラーゼ活性を示すために必要十分な領域である(Voelker,T.A.,A.C.Worrell,L.Anderson,J.Bleibaum,C.Fan,D.H.Hawkins,S.E.Radke,and H.M.Davies,“Fatty acid biosynthesis redirected to medium chains in transgenic oilseed plants”,Science,1992,257,p.72-74参照)。前記(a)のタンパク質は、このチオエステラーゼ活性にとって必要十分な領域を有し、後述の実施例でも実証されているように、チオエステラーゼとして機能する。
さらに、前記(a)のタンパク質のアミノ酸配列では、配列番号1の112番〜414番までのアミノ酸配列中の、配列番号1の209番目に相当するトリプトファン(Trp;W)が、トレオニン(Thr;T)、グルタミン酸(Glu;E)、及びアラニン(Ala;A)から選ばれるいずれかのアミノ酸で置換されている。
以下、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸が、トレオニンに置換されたチオエステラーゼ改変体をCTE(W209T)、グルタミン酸に置換されたチオエステラーゼ改変体をCTE(W209E)、アラニンに置換されたチオエステラーゼ改変体をCTE(W209A)、とそれぞれ略記する。
前記(b)のタンパク質は、前記(a)のタンパク質のアミノ酸配列の一部に欠失、置換、挿入、又は付加の変異を有するアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質である。ただし、欠失、置換、挿入、又は付加の変異を有するのは、前記(a)において置換が施された配列番号1の209番目に相当するアミノ酸以外の領域である。すなわち、(b)のタンパク質が有するアミノ酸配列は、配列番号1の112番〜414番までのアミノ酸配列を基本とし、当該配列中の配列番号1の209番目に相当するアミノ酸がトリプトファンから、トレオニン、グルタミン酸、及びアラニンから選ばれるいずれかのアミノ酸で置換され、さらに、当該配列中の該置換が施された209番目に相当するアミノ酸以外の1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列である。
一般に、酵素タンパク質をコードしているアミノ酸配列は、必ずしも全領域の配列が保存されていなければ酵素活性を示さないというものではなく、アミノ酸配列が変化しても酵素活性に影響を与えない領域も存在することが知られている。このような酵素活性に必須でない領域においては、アミノ酸の欠失、置換、挿入又は付加といった変異が導入されても酵素本来の活性を維持することができる。本発明においても、このようにチオエステラーゼ活性が保持され、かつアミノ酸配列が一部欠失等により変化した改変体を用いることができる。
なお、改変タンパク質がチオエステラーゼ活性を有することは、基質としてAcyl‐ACPを用いたin vitro活性測定法、例えば、Robert M et al. Plant Cell Physiol.40(2): 155-163 (1999)に記載の方法により確認することができる。
前記(b)のタンパク質において、「1又は数個のアミノ酸」は、脂質生産能向上の観点から、1〜10個であることが好ましく、1〜5個であることがより好ましく、1〜2個であること特に好ましい。
前記(a)及び(b)のタンパク質は、配列番号1の112番〜414番までのアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列の他に、他のアミノ酸配列を有していてもよい。他のアミノ酸配列としては、脂質生産能向上の観点から、配列番号1の1番〜111番までのアミノ酸配列若しくはその一部の配列が好ましい。
脂質生産能向上の観点から、前記(a)及び(b)のタンパク質として好ましくは、下記(c)及び(d)のタンパク質である。
(c)配列番号1に示すアミノ酸配列において209番目のアミノ酸がトリプトファンからトレオニン、グルタミン酸、又はアラニンに置換されたアミノ酸配列からなり、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
(d)(c)のアミノ酸配列において、209番目以外の1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
前記(c)のタンパク質は、配列番号1に示す野生型チオエステラーゼのアミノ酸配列において209番目に相当するトリプトファンが、トレオニン、グルタミン酸、及びアラニンから選ばれるいずれかのアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を有する。209番目のアミノ酸が、トレオニンに置換されたチオエステラーゼ改変体のアミノ酸配列を配列番号3に、グルタミン酸に置換されたチオエステラーゼ改変体のアミノ酸配列を配列番号5に、アラニンに置換されたチオエステラーゼ改変体のアミノ酸配列を配列番号7に、それぞれ示す。
前記(d)のタンパク質は、配列番号1に示す野生型チオエステラーゼのアミノ酸配列において209番目に相当するトリプトファンが、トレオニン、グルタミン酸、及びアラニンから選ばれるいずれかのアミノ酸で置換され、さらに209番目以外の1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質である。
前記(d)のタンパク質において、「1又は数個のアミノ酸」は、脂質生産能向上の観点から、1〜10個であることが好ましく、1〜5個であることがより好ましく、1〜2個であることがさらに好ましい。
2.チオエステラーゼ改変体をコードする遺伝子
前記(a)〜(d)のタンパク質をコードする遺伝子として、下記(e)〜(h)の遺伝子が例示できるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(e)配列番号2の334番〜1245番までの塩基配列であって、配列番号2の625番〜627番に相当する塩基がトリプトファンをコードする塩基からトレオニン、グルタミン酸、又はアラニンをコードする塩基に置換された塩基配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(f)(e)の遺伝子の塩基配列において、配列番号2の625番〜627番に相当する塩基以外の1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入、又は付加された塩基配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(g)配列番号2に示す塩基配列において、625番〜627番のトリプトファンをコードする塩基がトレオニン、グルタミン酸、又はアラニンをコードする塩基に置換された塩基配列からなり、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(h)(g)の遺伝子の塩基配列において、625番〜627番以外の1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入、又は付加された塩基配列からなり、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
配列番号2に示す塩基配列は、ココヤシ由来の野生型チオエステラーゼをコードする遺伝子の塩基配列の一例である。
前記(f)又は(h)の遺伝子の塩基配列において、「1又は数個の塩基」は、脂質生産能向上の観点から、1〜10個であることが好ましく、1〜5個であることがより好ましく、1〜2個であること特に好ましい。
前記(g)の遺伝子の塩基配列として、トリプトファンをコードする塩基がトレオニンに置換された塩基配列の一例を配列番号4に、グルタミン酸に置換された塩基配列の一例を配列番号6に、アラニンに置換された塩基配列の一例を配列番号8に、それぞれ示す。
チオエステラーゼ改変体及びこれをコードする遺伝子は、通常の遺伝子工学的手法により得ることができる。例えば、野生型チオエステラーゼのアミノ酸配列情報又は塩基配列情報を取得し、これに基づいて部位特定変異導入法等の手法により所望の位置のアミノ酸配列又は塩基配列に置換(変異)を施すことができる。
野生型チオエステラーゼのアミノ酸配列(配列番号1)及びそれをコードする塩基配列(例えば、配列番号2)は、GenBank等のデータベースから得ることができる(例えばGenBankでは、タンパク質配列;AEM72521.1,mRNA配列:JF338905.1)。得られた配列をもとに、野生型チオエステラーゼをコードする遺伝子を人工合成により取得することができる。遺伝子の人工合成はインビトロジェン社等のサービスを利用することができる。また、ココヤシから野生型チオエステラーゼをコードする遺伝子をクローニングによって取得することもでき、例えば、Molecular Cloning−A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION[Joseph Sambrook,David W. Russell,Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)]記載の方法等により行うことができる。
部位特異的変異の導入方法としては、例えば、後述する実施例で用いたSplicing overlap extension(SOE)PCR反応(Horton et al.,Gene 77,61−68,1989)を利用した方法、ODA法(Hashimoto-Gotoh et al.,Gene,152,271-276,1995))、又はKunkel法(Kunkel,T. A.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1985,82,488)等が挙げられる。また、Site-Directed Mutagenesis System Mutan-SuperExpress Kmキット(タカラバイオ社)、Transformer TM Site-Directed Mutagenesisキット(Clonetech社)、又はKOD-Plus-Mutagenesis Kit(東洋紡社)等の市販のキットを利用することもできる。なかでも、本発明においては、部位特異的変異導入が高効率である観点から、Kunkel法によって行うことが好ましい。
本発明で用いるチオエステラーゼ改変体をコードする遺伝子を調製する具体的な手法としては、まず、ココヤシよりクローニングした野生型チオエステラーゼ遺伝子の塩基配列(例えば、配列番号2で示される塩基配列)を、In-Fusion(登録商標) HD Cloning Kit(Clonthech, Mountain View, California)を用いてベクターに組み込む。次いで、得られたベクターDNAを鋳型にして、配列番号1で示されるアミノ酸配列における209番目のアミノ酸がトリプトファンからトレオニン、グルタミン酸、又はアラニンに置換されたアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むオリゴヌクレオチド(例えば、配列番号13又は14で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド)をプライマーとして用い、PCR法によってDNA断片を増幅する。ここで、PCRの反応条件の好ましい一例としては、2本鎖DNAを1本鎖にする熱変性反応を94℃で30秒間行い、プライマー対を1本鎖DNAにハイブリダイズさせるアニーリング反応を55℃で約30秒間行い、DNAポリメラーゼを作用させる伸長反応を72℃で約70秒間行い、これらを1サイクルとしたものを30サイクル行うことが挙げられる。
PCR反応で増幅したDNAを、メチル化DNAを特異的に切断するDpnI酵素で処理し、これを用いて大腸菌を形質転換し、抗生物質含有プレート培地で選択する。形質転換された大腸菌よりプラスミド抽出することで、目的のアミノ酸変異が導入されたチオエステラーゼ改変体をコードする遺伝子を取得することができる。
3.形質転換体(組換え体)
本発明の形質転換体は、宿主に前記(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子を導入して得られる。当該形質転換体では、野生型チオエステラーゼ遺伝子を導入した形質転換体に比べ、脂質の生産能が有意に向上する。なお、野生型チオエステラーゼ及びチオエステラーゼ改変体の脂肪酸及び脂質の生産能については、実施例で用いた方法により測定することができる。
本発明の形質転換体は、チオエステラーゼ改変体をコードする遺伝子を、通常の遺伝子工学的方法によって宿主に導入することで得られる。具体的には、チオエステラーゼ改変体をコードする遺伝子を宿主細胞中で発現させることのできる発現ベクターを調製し、これを宿主細胞に導入して宿主細胞を形質転換させることにより作製できる。
形質転換体の宿主としては特に限定されず、微生物、藻類、植物体、又は動物体を用いることができる。製造効率及び得られた脂質の利用性の点から、宿主としては、微生物、藻類、又は植物が好ましく、微生物又は藻類がより好ましく、微生物がさらに好ましい。
宿主として用いる微生物は原核生物、真核生物のいずれであってもよい。原核生物としては、エシェリキア(Escherichia)属に属する微生物やバシラス(Bacillus)属に属する微生物が挙げられる。真核生物としては、酵母や糸状菌等が挙げられる。なかでも、有用物質の生産性の観点から、大腸菌(Escherichia coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、赤色酵母(Rhodosporidium toruloides)、又はモルチエレラ エスピー(Mortierella sp.)が好ましく、大腸菌又は枯草菌がより好ましく、大腸菌がさらに好ましい。
植物としては、種子に脂質を高含有する観点から、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、ナタネ、ココヤシ、パーム、クフェア、又はヤトロファが好ましく、シロイヌナズナがより好ましい。
藻類としては、遺伝子組換え手法が確立している観点から、シアノバクテリア(Synechocystis sp.)、クラミドモナス、又はフェオダクチラムが好ましく、シアノバクテリアがより好ましい。
発現ベクターの母体となるベクターとしては、チオエステラーゼ改変体をコードする遺伝子を宿主に導入することができ、宿主細胞内で当該遺伝子を発現可能なベクターであればよい。例えば、導入する宿主の種類に応じたプロモーターやターミネーター等の発現調節領域を有するベクターであって、複製開始点や選択マーカー等を有するベクターを用いることができる。また、プラスミド等の染色体外で自立増殖・複製するベクターであってもよいし、染色体内に組み込まれるベクターであってもよい。
具体的なベクターとしては、微生物を宿主とする場合には、例えば、pBluescript II SK(-)(Stratagene社製)、pUC系ベクター(宝酒造社製)、pET系ベクター(タカラバイオ社製)、pGEX系ベクター(GEヘルスケア社製)、pCold系ベクター(タカラバイオ社製)、pHY300PLK(タカラバイオ社製)、pUB110(Mckenzie,T. et al.,(1986),Plasmid 15(2);p.93-103)、pBR322(タカラバイオ社製)、pRS403(ストラタジーン社製)、又はpMW218/219(ニッポンジーン社製)等を挙げることができる。植物細胞を宿主とする場合には、例えば、pRI系ベクター(タカラバイオ社製)、pBI系ベクター(クロンテック社製)、又はIN3系ベクター(インプランタイノベーションズ社製)等を挙げることができる。藻類を宿主とする場合には、例えば、pUC系ベクター(宝酒造社製)、pET系ベクター(タカラバイオ社製)、又はpBluescript II SK(-)(Stratagene社製)等を挙げることができる。
特に、大腸菌を宿主とする場合には、pBluescript II SK(-)、又はpMW218/219が好ましく用いられ、シロイヌナズナを宿主とする場合には、pRI系ベクター、又はpBI系ベクターが好ましく用いられ、シアノバクテリアを宿主とする場合には、pUC系ベクターが好ましく用いられる。
プロモーターやターミネーター等の発現調節領域や選択マーカーの種類も特に限定されず、通常使用されるプロモーターやマーカー等を導入する宿主の種類に応じて適宜選択して用いることができる。
具体的なプロモーターとしては、lacプロモーター、trpプロモーター、tacプロモーター、trcプロモーター、T7プロモーター、SpoVGプロモーター、カリフラワーモザイルウイルス35SRNAプロモーター、アクチンやユビキチン等ハウスキーピング遺伝子のプロモーター、ナタネ由来Napin遺伝子プロモーター、又は植物由来Rubiscoプロモーター等が挙げられる。
また、選択マーカーとしては、抗生物質耐性遺伝子(アンピシリン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、スペクチノマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、ブラストサイジンS耐性遺伝子、ビアラホス耐性遺伝子、及びハイグロマイシン耐性遺伝子)等の薬剤耐性遺伝子が挙げられる。さらに、栄養要求性に関連する遺伝子の欠損等を選択マーカー遺伝子として使用することも可能である。
上記ベクターにチオエステラーゼ改変体をコードする遺伝子を、制限酵素処理やライゲーション等の通常の手法によって組み込むことにより形質転換に用いる発現ベクターを構築することができる。なお、チオエステラーゼ改変体をコードする遺伝子の取得方法については上述した。
形質転換方法としては、宿主に目的遺伝子を導入しうる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、カルシウムイオンを用いる方法、一般的なコンピテントセル形質転換方法(J.Bacterial.93,1925(1967))、プロトプラスト形質転換法(Mol.Gen.Genet.168,111(1979))、エレクトロポレーション法(FEMS Microbiol.Lett.55,135(1990))又はLP形質転換方法(T.Akamatsu及びJ.Sekiguchi,Archives of Microbiology,1987,146,p.353-357;T.Akamatsu及びH.Taguchi,Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry,2001,65,4,p.823-829)等を用いることができる。
また、目的遺伝子断片が導入された形質転換体の選択は、選択マーカー等を利用することで行うことができる。例えば、ベクター由来の薬剤耐性遺伝子が、形質転換時に目的DNA断片とともに宿主細胞中に導入された結果、形質転換体が獲得する薬剤耐性を指標に行うことができる。また、ゲノムを鋳型としたPCR法等によって、目的DNA断片の導入を確認することもできる。
4.脂質の製造方法
次いで、上記で得られた形質転換体を用いて脂質を生産する。
本発明の製造方法は、チオエステラーゼ改変体をコードする遺伝子を導入した形質転換体から脂質を採取する工程を含む。当該工程は、脂質の生産性向上の観点から、チオエステラーゼ改変体をコードする遺伝子を導入した形質転換体を適切な条件にて培養又は生育して培養物又は生育物を得る工程、及び得られた培養物又は生育物から脂質を採取する工程を含むことが好ましい。ここで、培養物とは、培養した後の培養液及び形質転換体をいい、生育物とは、生育した後の形質転換体をいう。
形質転換体の培養又は生育条件は、遺伝子が導入された宿主の種類に応じて選択することができ、適宜好ましい条件を採用することができる。例えば、大腸菌を宿主として用いた形質転換体の場合、LB培地で30〜37℃、0.5〜1日間培養することが好ましい。シロイヌナズナを宿主として用いた形質転換体の場合、温度条件20〜25℃、白色光を連続照射又は明期16時間・暗期8時間等の光条件下で1〜2か月間育成することが好ましい。シアノバクテリアを宿主として用いた形質転換体の場合、温度条件25〜32℃、白色光を連続照射又は明期12時間・暗期12時間等の光条件下で1週間〜1か月間培養することが好ましい。
また、脂肪酸及び脂質の生産効率の点から、培地中に、例えばチオエステラーゼの基質或いは脂肪酸生合成系に関与する前駆物質としてグリセロール、酢酸、又はマロン酸等を添加してもよい。
形質転換体において産生された脂質を採取する方法としては、通常生体内の脂質成分等を単離する際に用いられる方法、例えば、前述の培養物、生育物又は形質転換体から、ろ過、遠心分離、細胞の破砕、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、クロロホルム/メタノール抽出法、ヘキサン抽出法、又はエタノール抽出法等により脂質成分を単離、回収する方法が挙げられる。より大規模な場合は、培養物、生育物又は形質転換体より油分を圧搾又は抽出により回収後、脱ガム、脱酸、脱色、脱蝋、脱臭等の一般的な精製を行い、脂質を得ることができる。このように脂質成分を単離した後、単離した脂質を加水分解することで脂肪酸を得ることができる。脂質成分から脂肪酸を単離する方法としては、例えば、アルカリ溶液中で70℃程度の高温で処理をする方法、リパーゼ処理をする方法、又は高圧熱水を用いて分解する方法等が挙げられる。
本発明の製造方法は、本発明のチオエステラーゼ改変体を用いることで、野生型チオエステラーゼを用いた場合と比べ、脂質の生産性を有意に向上させることができる。
本発明の製造方法において製造される脂質は、その利用性の点から、単純脂質及び誘導脂質から選ばれる1種以上を含んでいることが好ましく、誘導脂質を含んでいることがより好ましく、脂肪酸又はそのエステルを含んでいることがさらに好ましい。脂質中に含まれる脂肪酸又はそのエステルは、界面活性剤等への利用性から、炭素原子数12〜16の脂肪酸又はそのエステルが好ましく、炭素原子数12〜14の脂肪酸又はそのエステルがより好ましく、ラウリン酸又はそのエステルがさらに好ましい。これらの高級脂肪酸を還元して得られる高級アルコールの誘導体は、界面活性剤として利用できる。
採取された総脂質成分中の炭素原子数12〜16の脂肪酸の含有量は、界面活性剤として利用する観点から、好ましくは65質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上である。また、採取された総脂質成分中の炭素原子数12〜14の脂肪酸の含有量は、界面活性剤として利用する観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。さらに、採取された総脂質成分中に含まれるラウリン酸の含有量は、界面活性剤として利用する観点から、好ましくは27質量%以上、より好ましくは28質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。ここで、「採取された総脂質成分」とは、実施例で用いられた方法により算出された総脂質成分をいう。
本発明の製造方法、形質転換体により得られる脂肪酸や脂質は、食用として用いる他、乳化剤として化粧品等に配合したり、石鹸や洗剤等の洗浄剤、繊維処理剤、毛髪リンス剤、又は殺菌剤や防腐剤として利用することができる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の方法、形質転換体、タンパク質を開示する。
<1> 宿主に下記(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子を導入して形質転換体を得る工程と、得られた形質転換体から脂質を採取する工程とを含む、脂質の製造方法。
(a)配列番号1の112番〜414番までのアミノ酸配列であって、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸がトリプトファンからトレオニン、グルタミン酸、又はアラニンに置換されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
(b)(a)のタンパク質のアミノ酸配列において、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸以外の1又は数個(好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜2個)のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
<2> 前記宿主が、植物、藻類及び微生物から選択される、<1>項記載の製造方法。
<3> 前記宿主が、シロイヌナズナ、シアノバクテリア及び大腸菌から選択される、<1>又は<2>項記載の製造方法。
<4> 前記脂質がラウリン酸を含む、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の製造方法。
<5> 前記脂質中に、ラウリン酸が27質量%以上(好ましくは28質量%以上、より好ましくは30質量%以上)含有される、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の製造方法。
<6> 前記宿主が微生物である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の製造方法。
<7> 前記宿主が大腸菌である、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の製造方法。
<8> 宿主に前記(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子を導入して形質転換体を得る工程を含む、脂質の生産性を向上させる方法。
<9> 宿主に前記(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子を導入して得られる形質転換体。
<10> 前記宿主が、植物、藻類及び微生物から選択される、<9>項記載の形質転換体。
<11> 前記宿主が、シロイヌナズナ、シアノバクテリア及び大腸菌から選択される、<9>又は<10>項記載の形質転換体。
<12> 前記宿主が微生物である、<9>〜<11>のいずれか1項に記載の質転換体。
<13> 前記宿主が大腸菌である、<9>〜<12>のいずれか1項に記載の質転換体。
<14> 前記(a)又は(b)のタンパク質。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例
1.野生型チオエステラーゼ(CTE)遺伝子発現プラスミドの構築
配列番号2に示す塩基配列からなる野生型チオエステラーゼをコードする遺伝子を鋳型として、下記表1に示すCTE FW(配列番号9)及びCTE RV(配列番号10)のプライマー対を用いたPCR反応により、野生型チオエステラーゼ遺伝子のDNA断片を取得した。また、プラスミドベクターpMW219(ニッポンジーン社製)を鋳型とし、pMW219 FW(配列番号11)及びpMW219 RV(配列番号12)のプライマー対を用いたPCR反応により、直鎖状にしたpMW219を取得した後、これをDpnI処理した。これら2つのDNA断片をIn-Fusion(登録商標) HD Cloning Kit(Clonthech, Mountain View, California)を用いて連結し、ベクター由来のLacZタンパク質のN末端27アミノ酸と野生型チオエステラーゼ遺伝子断片(配列番号2に示す塩基配列において、334番目から1245番目の塩基配列)が融合する形で野生型チオエステラーゼ遺伝子が発現するプラスミドを構築した。得られたプラスミドは、DNAシークエンス法によって、野生型チオエステラーゼをコードする遺伝子が挿入されていることを確認した。
2.チオエステラーゼ改変体発現プラスミドの構築
前記1.で構築した野生型チオエステラーゼ発現プラスミドを鋳型として、下記表1に示すCTE_W209T FW(配列番号13)及びCTE_W209T RV(配列番号14)のプライマー対、CTE_W209E FW(配列番号15)及びCTE_W209E RV(配列番号16)のプライマー対、CTE_W209A FW(配列番号17)及びCTE_W209A RV(配列番号18)、又はCTE_W209D FW(配列番号19)及びCTE_W209D RV(配列番号20)のプライマー対を用いたPCR反応により、配列番号2に示した野生型チオエステラーゼ遺伝子の塩基配列の625〜627番目の塩基TGG(トリプトファン;W)が、ACC(トレオニン;T)、GAG(グルタミン酸;E)、GCC(アラニン;A)、又はGAC(アスパラギン酸;D)へとそれぞれ置換されたチオエステラーゼ改変体CTE(W209T)、CTE(W209E)、CTE(W209A)、CTE(W209D)をコードする遺伝子を含むDNA断片を増幅した。得られたPCR反応溶液をDpnIで処理し、鋳型DNAを消化した後、大腸菌を形質転換して、チオエステラーゼ改変体が発現するプラスミドを構築した。得られたプラスミドは、DNAシークエンス法によって、チオエステラーゼ改変体をコードする遺伝子が挿入されていることを確認した。
Figure 0005925651
3.形質転換体の構築
前記で構築した野生型チオエステラーゼ発現プラスミド、チオエステラーゼ改変体発現プラスミドを用いて、大腸菌突然変異株であるK27株(fadD88)(Overath et al, Eur.J.Biochem.7,559-574,1969)をコンピテントセル形質転換法により形質転換した。形質転換処理をしたK27株を30℃で一晩静置して得られたコロニーをLBKm液体培地(Bacto Trypton 1%,Yeast Extract 0.5%,NaCl 1%,カナマイシン50μg/mL)1mLに接種し、30℃で12時間振とう培養した。12時間後の培養液を別のLBKm液体培地2.0mLに20μL添加し、30℃で振とう培養し、培養開始から36時間経過した培養液中に含まれている脂質成分を後述の方法にて解析した。また36時間後の培養液の600nmにおける吸光度(OD600)を計測し、培養液に含まれる大腸菌の量を測定した。なお、陰性対照として、プラスミドベクターpMW219にて形質転換した大腸菌K27株についても同様に実験を行った。
4.大腸菌培養液中の脂質の抽出および脂肪酸分析
培養開始後36時間経過した培養液1mLに、2N塩酸10μL、および内部標準としてメタノールに溶解した7−ペンタデカノン(5mg/mL)を30μL添加した。この液に対してクロロホルム0.5mLとメタノール1mLを添加し、十分に攪拌した後に15分間静置した。さらに、1.5%塩化カリウム水溶液0.5mLとクロロホルム0.5mLを添加し、十分に攪拌した後に15分間静置した。室温、1500rpmで5分間遠心分離を行った後、下層部分を採取し、窒素ガスで乾燥した。乾燥したサンプルに3−フッ化ホウ素メタノール錯体溶液を1mL添加し、80℃で10分間恒温することにより脂肪酸のメチルエステル化処理を行った。その後、飽和食塩水1mLとヘキサン1mLを添加し、十分に攪拌した後に30分間静置した。上層部分を採取し、ガスクロマトグラフィー(Agilent 6890)解析に供した。使用したガスクロマトグラフィーは[キャピラリーカラム:DB−1 MS 30m×200μm×0.25μm(J&W Scientific)、移動相:高純度ヘリウム、カラム内流量:1.0mL/分、昇温プログラム:100℃(1分間)→10℃/分→300℃(5分間)、平衡化時間:1分間、注入口:スプリット注入(スプリット比:100:1),圧力14.49psi,104mL/分,注入量1μL、洗浄バイアル:メタノール・クロロホルム、検出器温度:300℃]の条件で行った。
5.大腸菌培養液中の脂質及び脂肪酸量の解析
ガスクロマトグラフィー解析により得られた波形データのピーク面積より、各脂肪酸のメチルエステル量を定量した。なお、各ピーク面積を内部標準である7−ペンタデカノンのピーク面積と比較することで試料間の補正を行い、培養液1リットルあたりの各脂肪酸量を算出した。さらに、算出した各脂肪酸量を、事前に計測した培養液中に含まれる大腸菌量(OD600)で標準化した。また、上記で算出された各脂肪酸生産量を合計して得総脂肪酸生産量(脂質量)算出した。結果を表2に示す。さらに、総脂肪酸生産量に占める各脂肪酸生産量の割合を表3に示した。なお、表2において、各脂肪酸生産量及び総脂肪酸生産量(脂質量)は、野生型チオエステラーゼ遺伝子を導入した形質転換体での生産量を1とした相対値で示した。
Figure 0005925651
Figure 0005925651
表2から明らかなように、チオエステラーゼ改変体CTE(W209T)、CTE(W209E)、CTE(W209A)を導入した形質転換体では、野生型チオエステラーゼ遺伝子を導入した形質転換体と比較して、各脂肪酸の生産量及び総脂肪酸量が大きく増加していた。
これに対し、チオエステラーゼ改変体CTE(W209D)を導入した形質転換体では、野生型チオエステラーゼ遺伝子を導入した形質転換体と同程度の脂肪酸生産量に留まった。

Claims (10)

  1. 宿主に下記(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子を導入して形質転換体を得る工程と、得られた形質転換体から脂質を採取する工程とを含む、脂質の製造方法。
    (a)配列番号1の112番〜414番までのアミノ酸配列であって、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸がトリプトファンからトレオニン、グルタミン酸、又はアラニンに置換されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
    (b)(a)のタンパク質のアミノ酸配列において、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸以外の1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
  2. 前記宿主が、植物、藻類及び微生物から選択される、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記宿主が、シロイヌナズナ、シアノバクテリア及び大腸菌から選択される、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記脂質がラウリン酸を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記脂質中に、ラウリン酸が27質量%以上含有される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 宿主に下記(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子を導入して形質転換体を得る工程を含む、脂質の生産性を向上させる方法。
    (a)配列番号1の112番〜414番までのアミノ酸配列であって、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸がトリプトファンからトレオニン、グルタミン酸、又はアラニンに置換されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
    (b)(a)のタンパク質のアミノ酸配列において、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸以外の1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
  7. 宿主に下記(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子を導入して得られる形質転換体。
    (a)配列番号1の112番〜414番までのアミノ酸配列であって、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸がトリプトファンからトレオニン、グルタミン酸、又はアラニンに置換されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
    (b)(a)のタンパク質のアミノ酸配列において、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸以外の1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
  8. 前記宿主が、植物、藻類及び微生物から選択される、請求項7記載の形質転換体。
  9. 前記宿主が、シロイヌナズナ、シアノバクテリア及び大腸菌から選択される、請求項7又は8記載の形質転換体。
  10. 下記(a)又は(b)のタンパク質。
    (a)配列番号1の112番〜414番までのアミノ酸配列であって、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸がトリプトファンからトレオニン、グルタミン酸、又はアラニンに置換されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
    (b)(a)のタンパク質のアミノ酸配列において、配列番号1の209番目に相当するアミノ酸以外の1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつチオエステラーゼ活性を有するタンパク質
JP2012206972A 2012-09-20 2012-09-20 チオエステラーゼ改変体を用いた脂質の製造方法 Active JP5925651B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012206972A JP5925651B2 (ja) 2012-09-20 2012-09-20 チオエステラーゼ改変体を用いた脂質の製造方法
MYPI2015000702A MY164821A (en) 2012-09-20 2013-08-22 A method of producing lipids using a thioesterase variant
CN201380049117.2A CN104662154B (zh) 2012-09-20 2013-08-22 使用硫酯酶变异体的脂质的制造方法
US14/426,801 US9334510B2 (en) 2012-09-20 2013-08-22 Method of producing lipids using a thioesterase variant
PCT/JP2013/072418 WO2014045793A1 (ja) 2012-09-20 2013-08-22 チオエステラーゼ改変体を用いた脂質の製造方法
IN2589DEN2015 IN2015DN02589A (ja) 2012-09-20 2015-03-30

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012206972A JP5925651B2 (ja) 2012-09-20 2012-09-20 チオエステラーゼ改変体を用いた脂質の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014060943A JP2014060943A (ja) 2014-04-10
JP5925651B2 true JP5925651B2 (ja) 2016-05-25

Family

ID=50341117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012206972A Active JP5925651B2 (ja) 2012-09-20 2012-09-20 チオエステラーゼ改変体を用いた脂質の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9334510B2 (ja)
JP (1) JP5925651B2 (ja)
CN (1) CN104662154B (ja)
IN (1) IN2015DN02589A (ja)
MY (1) MY164821A (ja)
WO (1) WO2014045793A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015194628A1 (ja) 2014-06-20 2015-12-23 花王株式会社 脂質の製造方法
JP6332855B2 (ja) * 2014-06-23 2018-05-30 花王株式会社 アシル−acpチオエステラーゼを用いた脂質の製造方法
JP7022556B2 (ja) 2017-10-06 2022-02-18 花王株式会社 脂質の製造方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5925805A (en) 1994-05-24 1999-07-20 Board Of Trustees Operating Michigan State University Methods of increasing oil content of seeds
JPH08205863A (ja) 1994-12-09 1996-08-13 Mitsubishi Chem Corp アシル−アシルキャリヤープロテイン チオエステラーゼおよびそれをコードするdna
US6150512A (en) * 1995-05-15 2000-11-21 Yuan; Ling Engineering plant thioesterases and disclosure of plant thioesterases having novel substrate specificity
GB9510927D0 (en) 1995-05-31 1995-07-26 Ca Nat Research Council Plant and seed oil modification
CA2355845C (en) 1998-12-17 2008-08-05 National Research Council Of Canada Diacylglycerol acyltransferase gene from plants
US20040005559A1 (en) * 2000-07-24 2004-01-08 Loring Jeanne F. Markers of neuronal differentiation and morphogenesis
US20030134283A1 (en) * 2000-10-03 2003-07-17 Peterson David P. Genes regulated in dendritic cell differentiation
JP3656104B2 (ja) 2001-03-13 2005-06-08 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 植物において脂肪酸合成を促進させる方法
USH2213H1 (en) * 2003-04-09 2008-04-01 Monsanto Technology Llc Enhanced proteins and methods for their use
US7732155B2 (en) 2006-12-13 2010-06-08 National Research Council Of Canada Methods for identifying lysophosphatidylcholine acyltransferases
BRPI0813359A2 (pt) * 2007-05-22 2014-10-14 Ls9 Inc Ácidos nucleicos isolados, vetor, células, métodos para produzir um hidrocarboneto, para produzir uma cetona alifática, para produzir um polipeptídeo purificado, para produzir um hidrocarboneto, para produzir biocombustíveis, hidrocarboneto, biocombustível, polipeptídeo isolado, ácido nucleico isolado, organismos geneticamente engenheirados, método para identificar uma enzima útil para a produção de hidrocarbonetos
WO2010075483A2 (en) * 2008-12-23 2010-07-01 Ls9, Inc. Methods and compositions related to thioesterase enzymes
JP5798729B2 (ja) 2009-12-25 2015-10-21 花王株式会社 チオエステラーゼ改変体を用いた脂肪酸含有脂質の製造方法
JP5764339B2 (ja) * 2010-05-06 2015-08-19 花王株式会社 チオエステラーゼ及びそれを用いた脂肪酸又は脂質の製造方法
US8951762B2 (en) * 2011-07-27 2015-02-10 Iowa State University Research Foundation, Inc. Materials and methods for using an acyl—acyl carrier protein thioesterase and mutants and chimeras thereof in fatty acid synthesis

Also Published As

Publication number Publication date
IN2015DN02589A (ja) 2015-09-11
MY164821A (en) 2018-01-30
CN104662154A (zh) 2015-05-27
CN104662154B (zh) 2017-09-01
US9334510B2 (en) 2016-05-10
WO2014045793A1 (ja) 2014-03-27
US20150247173A1 (en) 2015-09-03
JP2014060943A (ja) 2014-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5798729B2 (ja) チオエステラーゼ改変体を用いた脂肪酸含有脂質の製造方法
JP6310544B2 (ja) β−ケトアシル−ACPシンターゼを用いた脂質の製造方法
JP6491881B2 (ja) アシル−acpチオエステラーゼ
JP5764339B2 (ja) チオエステラーゼ及びそれを用いた脂肪酸又は脂質の製造方法
JP6646580B2 (ja) β−ケトアシル−ACPシンターゼを用いた中鎖脂肪酸の製造方法
JP6319889B2 (ja) アシル−acpチオエステラーゼ改変体を用いた脂質の製造方法
JP2017192342A (ja) 脂質の製造方法
JP6381139B2 (ja) アシル−acpチオエステラーゼ
JP6779664B2 (ja) 脂質の製造方法
JP5925651B2 (ja) チオエステラーゼ改変体を用いた脂質の製造方法
JP6969941B2 (ja) 脂質の製造方法
JP2017201905A (ja) 脂質の製造方法
WO2019069969A1 (ja) 脂質の製造方法
JP6226464B2 (ja) チオエステラーゼ改変体を用いた脂質の製造方法
JP6332855B2 (ja) アシル−acpチオエステラーゼを用いた脂質の製造方法
JP6520008B2 (ja) ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼを用いた脂質の製造方法
WO2017022587A1 (ja) 脂質の製造方法
JP7025154B2 (ja) 脂質の製造方法
WO2016190239A1 (ja) 脂質の製造方法
JP2018099107A (ja) 脂質の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160420

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5925651

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250