JP5925032B2 - 工作機械およびその熱変位補正方法 - Google Patents

工作機械およびその熱変位補正方法 Download PDF

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Description

本発明は、工作機械およびその熱変位補正方法に関するもので、より詳細には、加工条件の変化に対応可能な工作機械および加工条件が変化した時の工作機械の熱変位補正方法に関するものである。
一般に、工作機械は各部に熱源を持っており、さらに機械が置かれる部屋の温度が変化することで、機械各部の温度分布が時間的に変化し、構成要素の熱変位(熱変形)を引き起こす。熱変位は加工精度に大きく影響するため、その防止対策として、従来から機械の温度を計測し、その温度情報に基づき、熱変位を推定して補正する方法が広く採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許第3136464号公報 特許第3079510号公報
このような工作機械においては、加工中に加工条件を変えることが一般的である。例えば、被加工物に対して始めに荒加工を行ない、その後に加工精度を得るための仕上げ加工を行う。
荒加工と仕上げ加工は、工作機械に加える電力の相違によって発熱量が異なる。これによって、装置各部の温度分布も時間に伴って変化する。そのため、熱変位量は荒加工から仕上げ加工、または仕上げ加工から荒加工への切り替え時に最も大きく変動する。
しかしながら、荒加工や仕上げ加工中に熱変位補正を行うと、例えば切削面に凸凹が発生するなどの問題があり、かえって加工精度を悪化させる場合があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、高い精度で加工を行うことができる工作機械およびその熱変位補正方法を得ることを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、少なくとも、荒加工と、当該荒加工での使用電力よりも使用電力が小さく加工精度が高い仕上げ加工と、を被加工物への加工状態として有する工作機械であって、前記工作機械の少なくとも2箇所の温度を計測可能な温度センサと、前記温度センサの少なくとも2つの異なる時刻での計測値に基づき、熱による前記工作機械の熱変位量を算出する演算回路と、前記被加工物を加工していない非加工時に、前記熱変位量に基づいて前記被加工物と前記工作機械の相対位置を補正する制御手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、加工条件の変化によって発熱量が変化する場合においても、十分な加工精度を得ることができるという従来にない顕著な技術的効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる工作機械(ワイヤ放電加工機)の構成を示す断面図である。 図2は、実施の形態1による熱変位量を補正するタイミングの例を説明するための図である。 図3は、実施の形態1における熱変位量補正のフローチャートである。 図4は、実施の形態1における熱変位量を補正するタイミングの別の例を説明するための図である。 図5は、実施の形態1における熱変位量補正の別のフローチャートである。 図6は、実施の形態1における熱変位量を補正するタイミングのさらに別の例を説明するための図である。 図7は、実施の形態2における熱変位補正法の別の例を説明するための図である。 図8は、実施の形態3における熱変位補正法のさらに別の例を説明するための図である。
以下に、本発明にかかる工作機械およびその熱変位補正方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による工作機械100の構成を示す断面図である。ここでは、工作機械100の例としてワイヤ放電加工機について説明する。
ベース1の上に架台としてのコラム2が立てられ、コラム2の側面にアーム3が取り付けられている。アーム3は図1において左右方向に伸び縮みし、さらに上下にスライドする構造となっている。さらにアーム3の先端には上ガイド4が配置されている。一方、ベース1の上には水や油などの加工液が溜められた加工槽5が配置され、加工槽5の中には下ガイド6が配置される。上ガイド4および下ガイド6の間にはワイヤ7(ワイヤ電極)が張られ、通電により、ワイヤ7近傍に配置された被加工物10とワイヤ7との間に放電が生じ、被加工物10が加工される。
なお、工作機械100(ワイヤ放電加工機)の上部構造物と下部構造物、例えば、上ガイド4とベース1には温度を計測するための第一の温度センサ8および第二の温度センサ9が取り付けられている。この2つの温度センサによる温度計測値の時間変化に基づいて、熱変位量を予測する。ここでは、熱変位量として上ガイド4とベース1の位置ずれとしているが、熱変位量は、上ガイド4と下ガイド6、あるいは上ガイド4と被加工物10の位置ずれとしてもよい。すなわち、熱変位量は加工精度に影響する部分の位置ずれ量である。例えば、熱変位量として、上ガイド4と下ガイド6の位置ずれ量とする場合には、第二の温度センサ9はベース1ではなく、加工槽5内の水や油中に配置してもよい。このように、温度センサの位置は任意の位置であってよい。
加工機には、第一の温度センサ8および第二の温度センサ9によって、温度を計測するための温度計測装置11、熱変位量を予測するための演算回路12、熱変位を補正するための制御装置13が接続されている。
熱変位量の予測は、第一の温度センサ8および第二の温度センサ9による計測温度と熱変位量の関係を表す式(熱変位量予測式)によって行う。この式の算出は、工作機械100(ワイヤ放電加工機)に、別途変位計を取り付け、ワイヤ放電加工機が置かれた環境温度を変えるなどによってワイヤ放電加工機の温度分布を変えて、事前に求めておく。
例えば、熱変位量予測式は、時間tでの熱変位量をδ(t)、第一の温度センサ8の時間tにおける温度をT1(t)、第二の温度センサ9の時間tにおける温度をT2(t)とすれば、以下の式(1)のようなものとする。
δ(t)=A×(B×(T1(t)−T1(0))−(T2(t)−T2(0))) (1)
ここで、A、Bは係数であり、T1(0)、T2(0)は各々、基準時間(t=0)における第一の温度センサ8および第二の温度センサ9の温度(基準温度)である。すなわち、熱変位量δ(t)は、温度の変化量の関数としている。なお、ここでは説明を容易とするため、熱変位量予測式は式(1)としたが、当然ながら、熱変位量予測式はワイヤ放電加工機の形態などによって変わる。例えば、式(1)に温度の絶対値の項を加えてもよい。さらに時間遅れを考慮するために時間tとして数分から数十分前の時間を用いてもよい。すなわち、熱変位量予測式の形態は熱変位量を精度よく予測できればどのようなものであってもよい。
図2は、実施の形態1における熱変位量を補正するタイミングの例を説明するための図である。加工においては、一般に始めに荒加工を行った後に加工精度を得るために加工精度が高い仕上げ加工を行う。荒加工と仕上げ加工では、機械に加える電力の相違によって発熱量が異なる。使用電力の変化により加工精度は変化し、一般に、荒加工での使用電力は仕上げ加工での使用電力よりも大きい。さらに加工時間の増加に伴って加工機内に熱がこもるため、加工開始直後では加工機自体の温度も時間の経過に対して徐々に高くなる。これらによって、加工機各部の温度分布も時間に伴って変化する。そのため、図2の実線の補正無しの場合(従来の工作機械の場合)の熱変位量の時間変化が示すように、熱変位量も変動(蛇行)しながら徐々に大きくなっていく。なお、荒加工の後にさらに加えて荒加工を行った場合や、仕上げ加工の後にさらに仕上げ加工を行った場合では、発熱量は大きく変わらないため、図2の実線で示したような熱変位量の大きな変動(蛇行)は生じない。
図3は、実施の形態1における熱変位量補正のフローチャートである。まず、基準時間(t=0)における温度T1(0)、T2(0)を計測し(ステップS11)、次に荒加工を行う(ステップS12)。荒加工終了後に第一の温度センサ8および第二の温度センサ9および温度計測装置11によって温度を計測し(ステップS13)、演算回路12中に組み込まれた熱変位量予測式、例えば式(1)によって、熱変位量を予測する(ステップS14)。その予測値に基づいて制御装置13から制御信号を出力することでアーム3を伸び縮みさせるなどにより、位置を補正する(ステップS15)。これにより、熱変位によりずれた被加工物10とワイヤ7の相対位置を補正する。位置補正後に仕上げ加工を行う(ステップS16)。仕上げ加工後に加工終了か否かの判断をし(ステップS17)、加工終了ならば(ステップS17:Yes)、終了する。加工終了でなければ(ステップS17:No)、荒加工の有無が判定され(ステップS18)、荒加工有りの場合は(ステップS18:Yes)、ステップS12に戻り、再度荒加工を行う。荒加工無しの場合は(ステップS18:No)、ステップS16に戻り、仕上げ加工の繰り返しを行う。このように、熱変位量を予測および補正するタイミングは荒加工(ステップS12)の加工状態から仕上げ加工(ステップS16)の加工状態への切り替え時のみとする。
このタイミングでの補正操作によって、図2の破線で示すように、1回目補正後の変位、2回目補正後の変位、3回目補正後の変位のように基準状態からの熱変位量を低減することができる。このような構成の工作機械100(ワイヤ放電加工機)およびその熱変位補正方法によれば、加工中に熱変位補正を行わないため、加工精度を悪化させることはない。また、加工条件の変化によって発熱量が変化した場合においても、熱変位に基づく被加工物10とワイヤ7の相対位置のずれを低減することができるため、高精度の加工を実現することができる。
図4は、実施の形態1における熱変位量を補正するタイミングの別の例を説明するための図である。さらに、図5は、実施の形態1における熱変位量補正の別のフローチャートである。
前述した図2および図3の熱変位補正法においては、荒加工の加工状態から仕上げ加工の加工状態への切り替え時に熱変位補正を行ったが、仕上げ加工の加工状態から荒加工の加工状態への切り替え時に熱変位補正を行ってもよい。
図5において、まず、第一の温度センサ8および第二の温度センサ9および温度計測装置11によって温度センサによって温度T1、T2を計測し(ステップS21)、その値を基準時間(t=0)における温度T1(0)、T2(0)とする。ここで熱変位量を演算する(ステップS22)が、これに基づいた初回の位置の補正量(ステップS23)はゼロである。次に荒加工(ステップS24)を行った後に仕上げ加工を行う(ステップS25)。仕上げ加工後に、加工終了か否かの判断をし(ステップS26)、加工終了ならば(ステップS26:Yes)、終了する。加工終了でなければ(ステップS26:No)、荒加工の有無が判定され(ステップS27)、荒加工有りの場合は(ステップS27:Yes)、ステップS21に戻って再度荒加工を行う。荒加工無しの場合は(ステップS27:No)、ステップS25に戻り、仕上げ加工の繰り返しを行う。ステップS21に戻って荒加工を行う場合には、再度、温度T1(t)、T2(t)を計測し(ステップS21)、その温度と基準時間における温度T1(0)、T2(0)から、演算回路12中に組み込まれた熱変位量予測式、例えば上記した式(1)によって、熱変位量を予測する(ステップS22)。その予測値に基づいて制御装置13から制御信号を出力することでアーム3を伸び縮みさせるなどにより、位置を補正する(ステップS23)。これにより、熱変位によりずれた被加工物10とワイヤ7の相対位置を補正する。
図6は、実施の形態1における熱変位量を補正するタイミングのさらに別の例を説明するための図である。即ち、熱変位補正は、仕上げ加工から荒加工への切り替え時、および荒加工から仕上げ加工への切り替え時の両方のタイミングで行っても良い。これら図4および図6のようなタイミングでの熱変位補正方法の構成をとっても、図2の場合と同様に加工中に熱変位補正を行わないため、高精度の加工を実現するという効果が得られる。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2における熱変位補正法の別の例を説明するための図である。実施の形態1においては、熱変位量は仕上げ加工から荒加工への切り替え時や荒加工から仕上げ加工への切り替え時のような加工条件変化時において、第一の温度センサ8および第二の温度センサ9の温度に基づいて算出するとした。しかし、温度計測を加工中にも実施し、得られた複数の温度データの平均値によって、熱変位量を求めてもよい。例えば、図7における○印の変位平均値算出点のように、加工中にも一定時間間隔Δtごとに温度を計測する。温度計測の時間間隔Δtは、各加工条件時の温度を数点以上計測できる周期とする。
この時、加工条件変化時(時間t)までの値を計測しておき、それらの値から現在の加工条件における平均温度を算出する。
例えば、ある同一の加工条件の開始時間をt’とした時、第一の温度センサ8の温度計測値を、T1(t’+Δt)、T1(t’+2×Δt)、T1(t’+3×Δt)、・・・・、T1(t’+n×Δt)とし、第二の温度センサ9の温度計測値をT2(t’+Δt)、T2(t’+2×Δt)、T2(t’+3×Δt)、・・・・、T2(t’+n×Δt)とすれば、
第一の温度センサ8の温度平均値
T1mean(t)=(T1(t’+Δt)+T1(t’+2×Δt)+T1(t’+3×Δt)+・・・・+T1(t’+n×Δt))/n
第二の温度センサ9の温度平均値
T2mean(t)=(T2(t’+Δt)+T2(t’+2×Δt)+T2(t’+3×Δt)+・・・・+T2(t’+n×Δt))/n
となる。
ここで例えば、実施の形態1で用いた式(1)を用いると、加工条件変化時(時間t)における熱変位補正量予測式は、以下の式(2)のようになる。
δ(t)=A×(B×(T1mean(t)−T1(0))−(T2mean(t)−T2(0))) (2)
本実施の形態においては、このように、得られた平均温度に基づいて、例えば式(2)によって、変位量評価点(加工条件変化時)において熱変位補正量を算出し、熱変位補正をおこなう。
実施の形態1においては、1点のみの熱変位量に基づいて熱変位補正を行ったが、本実施の形態2のような構成をとると、仕上げ加工や荒加工中の平均的な温度変化も考慮することが可能となるため、加工条件の変化によって発熱量が変化した場合においても、熱変位補正量をさらに的確に求めることができる。従って、さらに高精度の加工が可能となる。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3における熱変位補正法のさらに別の例を説明するための図である。上記した熱変位補正法においては、第一の温度センサ8および第二の温度センサ9による温度計測精度、ノイズの影響や熱変位量の予測誤差によって、本来熱変位補正する必要が無い場合でも、熱変位補正してしまう場合が生じる。このような動作を行った場合、かえって加工精度を悪化させる可能性がある。
例えば、実施の形態1における図2においては、荒加工から仕上げ加工への切り替え時に熱変位補正を行うとしたが、仕上げ加工への切り替え時に常に熱変位補正を行う必要はない。
例えば、図8のように事前に温度計測誤差や熱変位予測精度等に基づいて、予め定めた量のしきい値を決め、熱変位量の予測値がこのしきい値を超えた場合のみ熱変位補正を行なうようにしてもよい。
加工条件切り替え時においては、実施の形態1で用いた式(1)あるいは実施の形態2で用いた式(2)に基づいて熱変位量の予測を行うが、熱変位量の予測値が点線に示すしきい値を超えた場合のみ熱変位補正を行う。このしきい値は基準に対してプラスとマイナスの両側に設けられる。図8においては、熱変位予測量が左端の●(黒丸)印の場合には、しきい値を超えない範囲内であるため、熱変位補正は行わない。一方、他の2つの●(黒丸)印の場合には、熱変位予測量がしきい値を超える値となるため、熱変位補正を行う。なお、しきい値は温度計測誤差や熱変位予測精度等によって大きさに最適値があるため、汎用的な値ではないが、ワイヤ放電加工機の場合には一般には例えば±1μm〜3μm程度が最適である。
このような構成の工作機械100(ワイヤ放電加工機)およびその熱変位補正方法によれば、温度計測精度やノイズ、熱変位量の予測精度の影響を受けにくくなり、さらに安定した熱変位補正と加工精度の確保が可能となる。すなわち、温度計測誤差や熱変位量の予測誤差がある場合においても、高い加工精度を得ることができる。さらに、上述した熱変位補正におけるしきい値の設定は、実施の形態1の図4や図6における仕上げ加工から荒加工への切り替え時における熱変位補正や、実施の形態2の場合においても同様に設定可能であり、高精度の加工を実現するという上述した効果に加えて、温度計測精度やノイズ、熱変位量の予測精度の影響を低減する効果が得られる。
さらに、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、上記実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上のように、本発明にかかる工作機械およびその熱変位補正方法は、機械各部の温度分布が時間的に変化し、構成要素の熱変位(熱変形)を引き起こす工作機械に有用であり、特に、熱変位補正により高い精度で加工を行うことが求められるワイヤ放電加工機などの工作機械に適している。
1 ベース
2 コラム
3 アーム
4 上ガイド
5 加工槽
6 下ガイド
7 ワイヤ
8 第一の温度センサ
9 第二の温度センサ
10 被加工物
11 温度計測装置
12 演算回路
13 制御装置
100 工作機械(ワイヤ放電加工機)

Claims (14)

  1. 少なくとも、荒加工と、当該荒加工での使用電力よりも使用電力が小さく加工精度が高い仕上げ加工と、を被加工物への加工状態として有する工作機械であって、
    前記工作機械の少なくとも2箇所の温度を計測可能な温度センサと、
    前記温度センサの少なくとも2つの異なる時刻での計測値に基づき、熱による前記工作機械の熱変位量を算出する演算回路と、
    前記被加工物を加工していない非加工時に、前記熱変位量に基づいて前記被加工物と前記工作機械の相対位置を補正する制御手段と、
    を備える
    ことを特徴とする工作機械。
  2. 前記工作機械は、ワイヤ電極を備えたワイヤ放電加工機であって、
    前記制御手段は、前記被加工物と前記ワイヤ電極の相対位置を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記温度センサは、前記ワイヤ電極の両端を保持して張架する前記工作機械の2つの部位にそれぞれ設置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の工作機械。
  4. 前記制御手段は、前記荒加工から前記仕上げ加工への切り替え時、前記仕上げ加工から前記荒加工への切り替え時、或いは前記荒加工から前記仕上げ加工への切り替え時と前記仕上げ加工から前記荒加工への切り替え時の両方、のいずれかのタイミングで前記相対位置を補正する
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の工作機械。
  5. 前記時刻は前記非加工時である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の工作機械。
  6. 前記演算回路は、前記加工状態の前記計測値の平均値に基づいて、前記熱変位量を算出する
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の工作機械。
  7. 前記制御手段は、前記熱変位量が所定のしきい値を超えた場合に前記相対位置を補正する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の工作機械。
  8. 少なくとも、荒加工と、当該荒加工での使用電力よりも使用電力が小さく加工精度が高い仕上げ加工と、を被加工物への加工状態として有し、少なくとも2箇所の温度を計測可能な温度センサを備えた工作機械の熱変位補正方法であって、
    前記温度センサの少なくとも2つの異なる時刻での計測値に基づき、熱による前記工作機械の熱変位量を算出する工程と、
    前記被加工物を加工していない非加工時に、前記熱変位量に基づいて前記被加工物と前記工作機械の相対位置を補正する工程と、
    を備える
    ことを特徴とする工作機械の熱変位補正方法。
  9. 前記工作機械は、ワイヤ電極を備えたワイヤ放電加工機であって、
    前記補正は、前記被加工物と前記ワイヤ電極の相対位置の補正である
    ことを特徴とする請求項8に記載の工作機械の熱変位補正方法。
  10. 前記温度センサは、前記ワイヤ電極の両端を保持して張架する前記工作機械の2つの部位にそれぞれ設置されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の工作機械の熱変位補正方法。
  11. 前記補正する工程は、前記荒加工から前記仕上げ加工への切り替え時、前記仕上げ加工から前記荒加工への切り替え時、或いは前記荒加工から前記仕上げ加工への切り替え時と前記仕上げ加工から前記荒加工への切り替え時の両方、のいずれかのタイミングで前記相対位置を補正する
    ことを特徴とする請求項8、9または10に記載の工作機械の熱変位補正方法。
  12. 前記時刻は前記非加工時である
    ことを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の工作機械の熱変位補正方法。
  13. 前記算出する工程は、前記加工状態の前記計測値の平均値に基づいて、前記熱変位量を算出する
    ことを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の工作機械の熱変位補正方法。
  14. 前記補正する工程は、前記熱変位量が所定のしきい値を超えた場合に前記相対位置を補正する
    ことを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の工作機械の熱変位補正方法。
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