JP5925018B2 - 筐体 - Google Patents

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この発明は、例えば樹脂成形されたカバーと容器において、特にカバーを容器に取り付けるためのネジ止め用圧入金具を容器に嵌合させ、ネジ止めによりカバーと容器を固定した筐体に関するものである。
従来、他部品をネジ止めする目的で取り付けられるネジ止め用の金具を樹脂製容器に取り付ける場合、雌ネジ付きインサート金具を樹脂インサート成形により固定する方法や、雌ネジ部を設けた金属プレートを圧入用の凹部を有した樹脂製容器に圧入し固定する方法が用いられていた。
すなわち、絶縁カバーに取付け板が設けられ、この取付け板に嵌合穴が形成され、この嵌合穴に絶縁ケースの凸部が嵌合している。嵌合穴を備えた取付け板は、絶縁カバーと一体で熱可塑性樹脂により成型される。一方、凸部も絶縁ケースと一体で熱可塑性樹脂により成型される。熱可塑性樹脂に可撓性があるので、取付け板を上から絶縁ケースに押しつけると、取付け板が一時的に僅かに変形して凸部を越え、凸部が嵌合穴に嵌合するようになる。(例えば、特許文献1参照)
特開平11−224585号公報
上述した従来の筐体は、樹脂インサート成形により雌ネジ付きインサート金具を樹脂製容器に固定する方法は、容器側のインサート部位に一定の肉厚の確保が必要であり、形状の制約が大きい。加えて、インサート部位はネジ締め付けの繰り返しにより締め付け応力がかかり、成形後に割れが発生し易いという問題があった。
また、雌ネジ部を設けた金属プレートを樹脂製容器に圧入する従来の圧入構造は、樹脂製容器の金型成形時に必要な抜き勾配の影響を受け、金属プレートに傾きが発生する場合がある。この傾きにより、金属プレートに設けられた雌ネジ部も挿入する雄ネジに対し傾きを生じるため、ネジ部の固着が発生しネジの着脱作業が困難になるという問題点があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構成により圧入金具の傾きを抑制することができる筐体を提供するものである。
この発明に係わる筐体は、取り付けネジによりカバーが取り付けられる容器と、前記容器の側部に前記側部に沿って形成された第1取付面と、前記容器の側部に前記側部に沿って形成され前記第1取付面より高い面に位置する第2取付面と、前記第1取付面と前記第2取付面との間に位置する第3取付面と、前記第1取付面に設けられた第1係合体と、前記第3取付面の側端部側に設けられた第2係合体と、前記第1取付面に配置される第1金具部、前記第2取付面に配置され前記取り付けネジが螺入される雌ネジ穴が形成された第2金具部、及び前記第3取付面に配置される第3金具部を有する圧入金具と、前記圧入金具の前記第1金具部に設けられ前記第1係合体に圧入されている第3係合体と、前記圧入金具の前記第3金具部の一部が折曲され、前記第2係合体に圧入されている第4係合体とを備えたものである。
この発明に係わる筐体によれば、簡単な構成により圧入金具の傾きを抑制することができる筐体を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係わる筐体を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態1に係わる筐体における容器を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係わる筐体における圧入金具を示す拡大斜視図である。 この発明の実施の形態1に係わる筐体における容器へ圧入金具の圧入前を示す要部拡大図である。 この発明の実施の形態1に係わる筐体における容器へ圧入金具の圧入の開始時を示す要部拡大図である。 この発明の実施の形態1に係わる筐体における容器へ圧入金具の圧入途中を示す要部拡大図である。 この発明の実施の形態1に係わる筐体における容器へ圧入金具の圧入完了時を示す要部拡大図である。 この発明の実施の形態1に係わる筐体における容器へのカバーの取り付けを示す説明図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1から図8に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係わる筐体を示す分解斜視図である。図2はこの発明の実施の形態1に係わる筐体における容器を示す斜視図である。図3はこの発明の実施の形態1に係わる筐体における圧入金具を示す拡大斜視図である。図4はこの発明の実施の形態1に係わる筐体に
おける容器へ圧入金具の圧入前を示す要部拡大図である。図5はこの発明の実施の形態1
に係わる筐体における容器へ圧入金具の圧入の開始時を示す要部拡大図である。図6はこの発明の実施の形態1に係わる筐体における容器へ圧入金具の圧入途中を示す要部拡大図
である。図7はこの発明の実施の形態1に係わる筐体における容器へ圧入金具の圧入完了
時を示す要部拡大図である。図8はこの発明の実施の形態1に係わる筐体における容器へ
のカバーの取り付けを示す説明図である。
これら各図において、100は筐体であり、次のような構成部材により構成されている。1は樹脂で形成された容器であり、後述する樹脂で形成されたカバー14が後述する取り付けネジ15により取り付けられる。2は容器1の側部1aに形成された第1取付面、3は容器1の側部1aに形成され第1取付面2より高い面に位置する第2取付面であり、この第2取付面3の幅は例えば後述する雌ネジ穴13の径の略2倍以下としている。4は第1取付面2と第2取付面3との間に位置する第3取付面である。すなわち、第1取付面2と第2取付面3は平行面であり、第3取付面4は第1取付面2と第2取付面3の平行面と直交する面となっている。特に、第2取付面3の幅は雌ネジ穴13の径の略2倍以下しか取れない場合には有効となる。
5は第1取付面2に設けられた第1係合体であり、例えば凸部として構成され、第2取付面3の幅の略1/2以下としている。また、凸部として構成された第1係合体5は後述する第3係合体11と所定の圧力を持って当接する当接面5aと例えばR状の先端部5bを有している。
6は第3取付面4の側端部側に設けられた第2係合体であり、例えば凹部として構成され、第2取付面3の幅の略1/2以下としている。また、凹部として構成された第2係合体6は後述する第4係合体12と所定の圧力を持って当接する当接面6aを有している。
7は第1取付面2に配置される第1金具部8を有し、第2取付面3に配置され後述する取り付けネジ15が螺入される雌ネジ穴13が形成された第2金具部9を有し、第3取付面4に配置される第3金具部10を有する圧入金具である。この圧入金具7は1枚の金属プレートを2箇所で折り曲げて形成している。
11は第1金具部8に設けられ、第1係合体5に圧入されて係合される第3係合体であり、凸部で構成された第1係合体5に係合されるように切り欠き部として構成されており、凸部で構成された第1係合体5の当接面5aと所定の圧力を持って当接する当接面11aと第1係合体5のR状の先端部5bと係合するR状の端部11bを有している。また、第3係合体11は位置決め機能及び圧入機能を備えている。
12は第3金具部10の一部を折曲して設けられ、凹部で構成された第2係合体6の凹部に圧入されて係合される第4係合体であり、凹部で構成された第2係合体6の当接面6aと所定の圧力を持って当接する当接面12aを有している。また、第4係合体12は位置決め機能及び圧入機能を備えている。
14は容器1を覆うように容器1に取り付ける樹脂で形成されたカバーであり、ネジ取付部14aとネジ通し穴14bとを有している。15は容器1にカバー14を固定するための雄ネジである取り付けネジであり、カバー14のネジ通し穴14bに通されて圧入金具7の第2金具部9に形成された雌ネジ部13に螺着される。なお、圧入金具7は容器1の側部1aに圧入した際に接触するエッジ部16を備えている。
次に、容器1の側部1aに設けられた第1取付面2、第2取付面3、第3取付面4への圧入金具7の圧入手順について説明する。まず、図4の状態から図5の状態まで、圧入金具7を容器1の側部1a設けられた第1取付面2、第2取付面3、第3取付面4に装着する。この状態では、圧入金具7の第3金具部10の一部を折曲して設けられた第3係合体12は第3取付面4の側端部側に設けられた凹部として構成された第2係合体6にまだ挿入されていない。また、同様に、第1取付面2に凸部として構成された第1係合体5も圧入金具7の第1金具部8に切り欠き部として構成された第3係合体11に挿入はされていない。
次に、図5の状態から図6の状態を介して図7の状態まで、圧入金具7を容器1の側部1aに設けられた第1取付面2、第2取付面3、第3取付面4に圧入する。このとき、圧入金具7と容器1の側部1aは、圧入金具7の第3金具部10に設けた第4係合体12が容器1の側部1aの第3取付面4に設けた凹部として構成された第2係合体6に挿入されるように位置を合わせ、同時に圧入金具7の第1金具部8に切り欠き部として構成された第3係合体11が容器1の側部1aに設けられた第1取付面2に凸部として構成された第1係合体5に挿入されるよう位置を合わせた状態で、圧入金具7を容器1の側部1aの第1取付面2、第2取付面3、第3取付面4に所定の圧力を持って圧入する。このとき、第4係合体12の当接面12aと第2係合体6の接触面6aとが所定の圧力を持って当接すると共に、第3係合体11の接触面11aと第1係合体5の接触面5aとが所定の圧力を持って当接する。
この圧入金具7の第3係合体11および第4係合体12を容器1の側部1aの第1取付面2、第2取付面3、第3取付面4に所定の圧力を持って圧入することにより、圧入金具
7は容器1の側部1aに固着されると共に、第4係合体12の当接面12aと第2係合体6の接触面6aとの接触部、第3係合体11の接触面11aと第1係合体5の接触面5aとの接触部、および圧入金具7と容器1の側部1aが接触するエッジ部16の3点により位置決めされ、圧入金具7における雌ネジ穴13が設けられた面の傾きが防止される。
また、図8に示すように、カバー14には左右対称にネジ取付部14aにネジ通し穴14bが設けられている。圧入金具7が圧入結合された容器1に対し、上方からカバー14をかぶせ、カバー14のネジ通し穴14bに取り付けネジ15を貫通させ、圧入金具7の第2金具部9に形成された雌ネジ穴13へ取り付けネジ15を螺着する。なお、容器1の第2取付面3には、ネジ逃がし穴3aが設けられているので、取り付けネジ15と容器1とが干渉することはない。これにより、容器1にカバー14を固定することができる。
この実施の形態によれば、圧入金具7は、第4係合体12の当接面12aと第2係合体6の接触面6aとの接触部、第3係合体11の接触面11aと第1係合体5の接触面5aとの接触部、および圧入金具7と容器1の側部1aが接触するエッジ部16の3点により支持され、かつ第2係合体6を抜き勾配を必要としない最小の奥行寸法とすることで、金型離型時に必要な容器1の抜き勾配の影響を受けず、雌ネジ穴13の平行を保持し、圧入金具7を容器1の側部1aの第1取付面2、第2取付面3、第3取付面4に圧入できる。また、雌ネジ穴13の平行を保持することで、取り付けネジ15と雌ネジ穴13の固着を防ぎ、取り付けネジ15の容易な着脱作業が可能となる。
また、雌ネジ穴13は圧入金具7の第2金具部9に設けられており、雌ネジ穴13が直接容器1に固定されない構造であるため、ネジ締め作業時に樹脂で構成された容器1へストレスを与えることなく、くり返しのネジ締め作業が可能となる。
また、圧入金具7は、1枚の金属プレートに、圧入の保持力が維持できるだけの第4係合体12、第3係合体11と、および圧入金具7の第2金具部9に設けられた雌ネジ穴13が設けられることで実現され、形状の制約が少ない。加えて、上述した従来のインサート方式ではインサート部位の周囲に4mm以上の肉厚確保が必要であるが、圧入金具7はインサート方式のような肉厚確保の制約はなく、上述した従来の構造では適用できない狭小部にも適用可能である。
また、容器1は、圧入金具7との嵌合部である第4係合体12と第2係合体6、第3係合体11と第1係合体5を、容器1の側部1aに設けており、圧入金具7を側面一方向の圧入のみで圧入結合させることが可能である。加えて、圧入金具7の中心軸を対称に両側に圧入部を設けており、第4係合体12と第2係合体6、第3係合体11と第1係合体5との両方が同時に接触する位置から圧入が開始されるため、圧入開始時の位置合わせが容易であり、圧入金具7の圧入時のずれを防止できるため、作業性向上が図れる。
また、圧入金具7は、強度や経年劣化による錆を考慮し、例えばステンレス鋼を材料として選定しているが、アルミニウムや普通鋼などを適用することも可能であり、材料や板厚に影響を受けることなく構成することができる。
加えて、容器1は、柔軟性が高く圧入作業に適する熱可塑性樹脂の選定が望ましいが、耐候性や耐トラッキング性を考慮し、熱可塑性樹脂を適用することも可能である。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
この発明は、簡単な構成により圧入金具の傾きを抑制することができる筐体の実現に好適である。
1 容器
1a 側部
2 第1取付面
3 第2取付面
4 第3取付面
5 第1係合体
6 第2係合体
7 圧入金具
8 第1金具部
9 第2金具部
10 第3金具部
11 第3係合体
12 第4係合体
14 カバー
15 取り付けネジ

Claims (4)

  1. 取り付けネジによりカバーが取り付けられる容器と、前記容器の側部に前記側部に沿って形成された第1取付面と、前記容器の側部に前記側部に沿って形成され前記第1取付面より高い面に位置する第2取付面と、前記第1取付面と前記第2取付面との間に位置する第3取付面と、前記第1取付面に設けられた第1係合体と、前記第3取付面の側端部側に設けられた第2係合体と、前記第1取付面に配置される第1金具部、前記第2取付面に配置され前記取り付けネジが螺入される雌ネジ穴が形成された第2金具部、及び前記第3取付面に配置される第3金具部を有する圧入金具と、前記圧入金具の前記第1金具部に設けられ前記第1係合体に圧入されている第3係合体と、前記圧入金具の前記第3金具部の一部が折曲され、前記第2係合体に圧入されている第4係合体とを備えたことを特徴とする筐体。
  2. 前記第1係合体は凸部として構成され、前記第3係合体は前記凸部に圧入されて係合する切り欠き部として構成されたことを特徴とする請求項1に記載の筐体。
  3. 前記第2係合体は凹部として構成され、前記第4係合体は前記凹部に圧入されて係合する折曲片として構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の筐体。
  4. 前記圧入金具は1枚の金属板が折曲され、前記第1金具部、前記第2金具部、前記第3金具部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の筐体。
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