JP5924689B2 - 電気二重層キャパシタモジュールの製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタモジュールの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、電解液が含浸された蓄電素子本体を密封する外装体に逆止弁が設けられた蓄電素子モジュールに関するものである。
電気二重層キャパシタは、正極と、負極と、正極及び負極間に挟まれたセパレータとを含む蓄電素子エレメントを電解液に含浸させた状態で外装体に収納した蓄電素子である。電気二重層キャパシタは、電気二重層コンデンサ、スーパーキャパシタ、ウルトラキャパシタ、電気化学キャパシタ等と称される場合があり、単に電気二重層キャパシタと称される場合も多い。リチウムイオン二次電池もキャパシタと同様に、正極と、負極と、正極及び負極間に挟まれたセパレータとを含む蓄電素子エレメントを電解液に含浸させた状態で外装体に収納した蓄電素子である。電気二重層キャパシタとリチウムイオン二次電池とのハイブリッドであるリチウムイオンキャパシタでは、活性炭等の電気二重層キャパシタの電極材料を正極に使用し、リチウムイオンを吸蔵放出可能なリチウムイオン二次電池の電極材料を負極に使用する場合が多いが、正極の一部にリチウムイオン電池の電極材料を使用するリチウムイオンキャパシタも存在している。また、炭素材料を正極に使用することにより、炭素材料表面の電気二重層容量と炭素内部への陽イオンの吸蔵放出による容量とを用いるハイブリッドキャパシタ等も存在している。
上記のような電気二重層キャパシタやリチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、ハイブリッドキャパシタのような蓄電素子では、電解液の溶媒に有機溶媒が使用されているので、アルミラミネートシート等のガスバリア性能を持つ外装材で蓄電素子エレメントを密閉封口することにより、電解液が外部に漏れないようにするとともに、水や酸素等のガスが外部から外装材内へ進入することを防いでいる。また、アルミニウム、ステンレス薄板を外装材として使用している場合もある。この場合、軽量化のため金属板厚さを薄くして用いるため、内部圧力が上昇した場合には筐体が膨らむ場合がある。
電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、リチウムイオン二次電池は水分の極端に少ない環境下で製造されるが、電解液もしくは電極活物質中の残存水分や不純物、活物質の官能基の反応による分解ガスが発生する。例えば電解液の分解や、電極材料に吸着された不純物の分解等により、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、エチレン等のガスが発生する。また、活物質に吸着していたガスの放出によりガスが発生する場合もある。従って、上記の蓄電素子では、外装材内部でのガスの発生により、外装材の変形や外装材内の圧力増加の問題が生じる。また、通常の使用環境ではガスの発生が問題にならない場合でも、大電流の充放電を繰り返すと蓄電素子の内部抵抗により発熱して蓄電素子が高温になる場合もある。さらに、高電圧環境下での蓄電素子の使用によっても、外装材内でのガスの発生が促進される。電極もしくはセパレータ内にガスが溜まると、蓄電素子の内部抵抗増加や、放電容量低下等の問題が生じる。
従来より、蓄電素子エレメントに電解液注入後、外装を封口前に充放電(電解精製、予備充電)を行うことでガス発生を事前に起こし以後のガス発生を押さえる対策がなされている。
例えば、特許文献1には、柔軟な素材を容器に用い、電解精製後もしくは予備充電後、容器内部を真空状態で密封するキャパシタの製造工程が開示されている。また、特許文献2では、柔軟な素材を容器に用い、定格電圧の1.03〜1.15倍の電圧で電解精製を行う製造工程が開示されている。
特開2003−272970号公報 特開平10−041199号公報
しかし、複数の電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等の蓄電素子を直列もしくは並列にして使用する場合には、蓄電素子を並べたり積層したりして使用する。このとき、接触抵抗の低減、変形防止、振動対策等の目的で、蓄電素子の平坦面に対し、外力を印加する。複数の蓄電素子を積層し、外力を加えるため、単体では電圧及び抵抗にバラツキはなかった蓄電素子でも、モジュール化により電圧、抵抗及び厚さバラツキが生じる場合がある。この原因として外力による面圧の不均一化や電極間距離の変化等が挙げられる。また、電解液や不純物、水の分解等により発生したガス(水素、二酸化炭素等)が外力により電極やセパレータに滞留することによって、静電容量の低下、内部抵抗上昇を想定しており、モジュール化時の電圧バラツキ低減が必要である。また、電解精製や予備充電は蓄電素子を封口前に行うため、極低湿度環境下で行う必要があり、完全に終了するには数十時間かかるため、極低湿度環境下での工程が長時間を占める問題があった。
ここで、電解精製とは電解液中や電極中に微量に存在する水分等の不純物を除去するための充放電処理のことをいう。また、予備充電とは正極活物質や負極活物質表面に安定な皮膜を形成するための充電を行う処理をいう。電解精製や予備充電では電解液や不純物や電極活物質の分解等によりガス発生等を伴う不可逆容量が生じる。また、エージングとは蓄電素子封口後に過熱や充電状態維持及び充放電サイクルにより蓄電素子の抵抗値、容量、電圧等を安定化させる処理をいう。
この発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、従来発生していたモジュール化後の電圧バラツキ、抵抗バラツキを低減することができる、蓄電素子モジュールの製造方法等を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明の蓄電素子モジュールの製造方法は、それぞれが、気液分離膜を有する逆止弁を備えている、複数の蓄電素子を用意し、前記複数の蓄電素子を並べた状態で一定の圧力を印加し、モジュール化し、モジュール化された前記複数の蓄電素子に対して、減圧環境下において、前記逆止弁を介して蓄電素子内部のガスを蓄電素子外部へと放出させる脱泡工程を行う。
本発明の蓄電素子モジュールの製造方法によれば、モジュール化後の電圧バラツキ、抵抗バラツキを低減することができる。
本発明の実施の形態1による蓄電素子の例1を示す正面図である。 図1のI-I線による断面図である。 実施の形態1による蓄電素子モジュールの例1を示す分解斜視図である。 実施の形態1による蓄電素子モジュールの例2を示す分解斜視図である。 実施の形態1による蓄電素子の例2を示す正面図である。 図5のII−II線による断面図である。 実施の形態1による蓄電素子モジュールの例3を示す分解斜視図である。 比較例1による蓄電素子モジュール製造工程を示すフローチャートである。 実施例1による蓄電素子モジュール製造工程を示すフローチャートである。 実施例2による蓄電素子モジュール製造工程を示すフローチャートである。 実施例3による蓄電素子モジュール製造工程を示すフローチャートである。 実施例4による蓄電素子モジュール製造工程を示すフローチャートである。 実施例1、2、3、4及び比較例1の内部抵抗をまとめた表である。 実施例1、2、3、4及び比較例1の静電容量をまとめた表である。
以下、本発明に係る蓄電素子モジュールおよび蓄電素子モジュールの実施の形態について添付図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による蓄電素子を示す断面図である。また、図2は、図1のI−I線による断面図である。蓄電素子1は、充電及び放電が行われる略平板状の蓄電素子本体(蓄電素子エレメント)2と、蓄電素子本体2を内包して密封する外装体3と、外装体3に設けられ、外装体3の内部圧力を調整する逆止機能を有するガス放出弁(逆止弁)4と、気液分離膜6とを有している。
蓄電素子本体2は、正極集電端子8が接続された正極(電極)と、負極集電端子7が接続された負極(電極)と、正極及び負極間に挟まれたセパレータとを有している(いずれも図示せず)。蓄電素子本体2は、正極と負極の間にセパレータを配置したものを、積層、巻回あるいは折りたたむことによって構成されている。
正極は、正極集電箔と正極活物質層とを有している。正極活物質層は、正極活物質及び導電助剤をバインダにより結着させた層である。負極は、負極集電箔と負極活物質層とを有している。負極活物質層は、負極活物質及び導電助剤をバインダにより結着させた層である。セパレータは、電子絶縁性を持つ多孔性の膜である。
蓄電素子1が電気二重層キャパシタである場合には、賦活処理した活性炭粉末が正極活物質及び負極活物質として用いられ、アセチレンブラック等の電子伝導性の高い炭素材料の微粉末が導電助剤として用いられる。また、バインダとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム系バインダやポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、等が用いられる。さらに、正極集電箔及び負極集電箔としては、例えばアルミニウム箔等が用いられる。セパレータとしては、例えばセルロースやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、テレフタレート、ガラス、無機粉体(アルミナやシリカ等)等で作られる多孔膜や不織布が単独又は混合で用いられる。
蓄電素子1がリチウムイオン二次電池である場合には、リチウムを含有する遷移金属の酸化物が正極活物質として用いられる。負極活物質には黒鉛、ハードカーボン等の炭素材料もしくはスズ、シリコン等のリチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料、リチウム含有チタン酸化物等が用いられる。導電助剤としてはアセチレンブラック等の電子伝導性の高い炭素材料の微粉末が用いられる。また、バインダとしては、例えばSBR等のゴム系バインダやポリフッ化ビニリデン、PTFE等が用いられる。さらに、正極集電箔としてアルミニウム箔が、負極集電箔としては銅箔、アルミニウム箔が用いられる。セパレータとしては、例えばセルロースやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、テレフタレート、ガラス、無機粉体等で作られる多孔膜や不織布が単独又は混合で用いられる。
蓄電素子1がリチウムイオンキャパシタの場合は正極活物質もしくは負極活物質のいずれかにリチウムイオン二次電池の材料が使用される。
蓄電素子本体2には、電解液が含浸されている。電気二重層キャパシタの場合は、電解液は第4級アンモニム塩を有機溶媒もしくはイオン性液体に溶解させたものが使用可能であり、ホスホニム塩、スルホニウム塩などの第4級オニウム塩でもよい。ここで第4級アンモニウム塩とは第4級アンモニウムイオンと対アニオンとを含むものをいう。特に使用可能な第4級アンモニウムイオンとしてはテトラエチルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモニウムイオン、ジエチルメチル−2−メトキシエチルアンモニウムイオン、スピロビピロリジウムイオンなどが好ましい。第4級オニウムイオンにおいてはテトラエチルホスホニウムイオンなどからなる1種以上が好ましい。また、対アニオンとしては、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、過塩素酸イオン(ClO )、ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン(TFSI)、ビスペンタフルオロエタンスルホンイミドイオン(BETI)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、から選ばれる1種以上が好ましい。
リチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタの場合、電解質にはリチウム塩が使用される。ここで、リチウム塩とはリチウムイオンと対アニオンとを含むものをいう。対アニオンとしては電気二重層キャパシタと同様の物が使用可能である。
本発明のキャパシタにおける電解液の溶媒としては、プロピレンカーボネート(以下、PCと略す)、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、ジメトキシエタン等が挙げられ、これらを単独で、または2種以上の混合溶媒として使用できる。また、イオン性液体を溶媒として使用してもよい。ここで、示した電解液の例は一例であり、これらに限定するものではない。
蓄電素子本体2の充電及び放電は、正極と負極との間で電解液中のイオンや電子が移動することにより行われる。蓄電素子本体2の充電及び放電が行われると、例えば水素、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、エチレン等のガスが蓄電素子本体2から発生する。外装体3の内部圧力は、蓄電素子本体2からのガスの発生により上昇する。
外装体3は、液体及び気体の透過を阻止する密閉容器となっている。即ち、外装体3は、電解液を外部に漏出させない耐漏液性能と、外部からの水分や酸素等のガスの通過を防ぐガスバリア性能とを有している。この例では、外装体3が変形可能な袋とされている。
外装体3としては、例えばアルミラミネートシート等が用いられる。外装体3に用いられるアルミラミネートシートは、アルミニウム金属箔の一方の面にナイロン層が重ねられ、他方の面にポリプロピレン層が重ねられたシートである。また、アルミラミネートシートのナイロン層が重ねられた側の面が外装体3の外面となり、アルミラミネートシートのポリプロピレン層が重ねられた側の面が外装体3の内面となる。さらに、外装体3は、互いに重ねられた2枚のアルミラミネートシートの外縁部を熱融着することにより作製されている。蓄電素子本体2は、アルミラミネートシートの熱融着により外装体3の内部に密封される。
アルミラミネートシートのアルミニウム金属箔からみて外装体3の外面側に重ねられる層としては、ナイロン層等のポリアミド層の代わりに、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類や、ポリプロピレン(PP)等の樹脂の層を用いてもよいし、互いに異なる樹脂の層を複数積層した積層部を用いてもよい。アルミラミネートシートのアルミニウム金属箔からみて外装体3の内面側に重ねられる層としては、ポリプロピレン層の代わりに、ポリエチレン(PE)やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等の熱可塑性樹脂の層を用いてもよい。また、フッ化水素保護層や水分トラップ層を中間層として含むアルミラミネートシートを外装体3に用いてもよい。
なお、この例では、外装体3を構成する部材としてアルミラミネートシートが用いられているが、電解液の漏出を防止し、かつガスバリア性能を持つ部材であればよく、例えばステンレス金属箔のラミネートシートや金属蒸着フィルム等により外装体3を構成してもよい。図5はアルミニウム金属缶を外装体に使用した例である。図6は図5のII-II’の線で切断した断面図である。図2と同様に外装体3に通気口5を有し、蓄電素子1の内部圧力を調整する逆止機能を有するガス放出弁4と、気液分離膜6を有している。図5はアルミニウム金属缶を外装体3として使用した例であるが、ステンレス等の金属単体で外装体3を構成してもよい。また、PPやPE、PET等の樹脂単体で外装体3を構成してもよい。さらに、金属と樹脂との複合層を持つ部材で外装体3を構成してもよい。
正極集電端子8及び負極集電端子7のそれぞれが導出される外装体3の外縁部では、正極集電端子8及び負極集電端子7のそれぞれと外装体3の内側の樹脂層とが熱融着等により接合されているが、金属と樹脂との接合強度が弱いので、酸等で変性させて金属との接合強度を向上させた金属融着性樹脂部材が、正極集電端子8及び負極集電端子7のそれぞれと外装体3の内側の樹脂層との間に介在している。金属融着性樹脂部材の材質としては、外装体3の内側の樹脂層に接合しやすい酸で変性された材質が選択されている。これにより、正極集電端子8及び負極集電端子7のそれぞれと外装体3との接合強度の向上が図られている。
外装体3には、貫通口である通気口5が設けられている。逆止弁4は、通気口5を覆った状態で外装体3に取り付けられ、蓄電素子本体2が存在する外装体3の内部空間と外装体3の外部空間との間に介在している。ここで、内部空間とは外装体3と逆止弁4で囲まれた密閉空間である。逆止弁4は、外装体3の内部空間から外装体3の外部空間へのガス(水素や二酸化炭素等)の放出を許容しながら、外装体3の外部空間から外装体3の内部空間へのガス(酸素や水分等)の進入を阻止することにより、外装体3の内部空間の圧力(外装体3の内部圧力)を調整する。
外装体3に取り付けられた逆止弁4は、内部空間の圧力が外部空間の圧力より高くなった場合に作動し、内部空間と外部空間との圧力差(逆止弁の開放圧力)が5kPa以上100kPa未満になった場合に作動するのが望ましい。これは、常圧(101.3kPa)封口した場合に、逆止弁4が100kPa未満で作動しなければ、大気圧以下に蓄電素子1の内部圧力を調整できないためである。また、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタで使用される電解液の蒸気圧は、使用範囲である40℃以下の環境では5kPaより低いため、差圧5kPaより低い圧力で逆止弁が作動すると、電解液の蒸気圧で逆止弁が作動し、気体となった電解液溶媒が外部空間に漏出する可能性があるためである。更に好ましくは、内部空間の圧力が外部空間に対し10kPa以上90kPa以下の範囲で逆止弁4が作動するのが好ましい。これは、大気圧の変化が最大10kPa程度であり、常圧(101.3kPa)で封口した蓄電素子1の逆止弁4が、大気圧の変動で動作しないためには、10kPa以上である必要があり、内部空間の圧力を大気圧より小さくするには90kPa以下である必要がある。
気液分離膜6は、逆止弁4の内部空間側に取り付けられている。気液分離膜6は微細空孔を通してガスの透過を許容するとともに、電解液等の液体の透過を阻止する。蓄電素子本体2から発生したガスにより外装体3の内部空間の圧力が上昇すると、発生ガスは気液分離膜6を透過して、逆止弁4を介して外部空間に排出される。
気液分離膜6としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やパーフルオロアルコキシエチレン(PFA)、PP等により構成される多孔膜が用いられる。気液分離膜6は、電解液に対して接触角90度以上を示す多孔膜である。安定した気液分離機能を維持するには気液分離膜6が撥油性を有するのが好ましい。気液分離膜6に設けられた微細空孔の平均径(平均孔径)としては、0.03μm以上〜5μm以下が好ましい。平均孔径が5μmよりも大きくなると、内部空間の圧力が上昇した場合に、内部空間2aの電解液が気液分離膜6を透過する可能性が生じてくる。また、平均孔径が0.03μmよりも小さくなると、ガスが気液分離膜6を透過するのに時間がかかりすぎ、内部空間の圧力が高くなりすぎるおそれがある。気液分離膜6の平均径としては、さらに好ましくは0.1μm以上〜1μm以下とするのがよい。気液分離膜6の平均径が1μm以下であれば、電解液を透過するのに圧力差が100kPa以上必要で有り、0.1μm以上であれば、ガス透過流量が1L/(min・cm)以上となり、真空環境下に置いたときに、十分なガス排出が可能となる。なお、かかる評価は、電解液の種類として、カーボネート系の電解液を使用し、且つ、PTFE製の気液分離膜を使用した場合であり、温度条件や材料が代わればこの限りではない。
気液分離膜6における電解液の透過に関する耐圧は、逆止弁4が外部空間へガスの放出を許容するときの内部空間の圧力よりも高く設定する必要がある。例えば、真空環境下に蓄電素子1が置かれる場合には、気液分離膜6の電解液を透過する耐圧(電解液透過圧力)が100kPa以上に設定するのが好ましい。
蓄電素子本体は外装体に封入され、注液口を除く部分を封止する。注液口はアルミラミネート注液口から電解液を注入する。電解液の注入は減圧環境下において行うことで、短時間で、蓄電素子本体に電解液を含浸することができる。ここで、真空に近づけると、電解液が、沸騰する場合があるので、減圧条件は電解液の溶媒に第3石油類を含む場合には、30torr以上、第2石油類を含む場合には、60torr以上、第1石油類を含む場合には100torr以上が好ましく、注液後はできるだけ短時間で、常圧に戻す事が好ましい。ここでは、注液を減圧環境下で行う例を示しているが、本発明ではモジュール化した後に、逆止弁を介して蓄電素子内部から外部へ排出するため、常圧で注液してもかまわない。また、従来は電解液を蓄電素子本体に含浸して、電解精製や予備充電終了後に蓄電素子を密閉封口するが、本発明では蓄電素子をモジュール化後に逆止弁を介して蓄電素子内部のガスを外部に放出するため、電解液を注液後すぐに蓄電素子を密閉封口してもかまわない。蓄電素子を封口後は蓄電素子内部への水分等の進入がないため、その後の製造工程を低露点の環境で行う必要が無いメリットを有する。ここでの充放電処理(電解精製や予備充電)では、電解液中や電極中に微量に存在する水分等の不純物の除去及び正極活物質や負極活物質表面に安定な皮膜の形成を行っている。このため、電解液や不純物や電極活物質の分解等によりガス発生等を伴い、蓄電素子は不可逆容量を示す。
蓄電素子への注液終了後、電解液中や電極中に微量に存在する水分等の不純物を除去するための充放電処理(電解精製)を実施する。電解精製は電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタの場合には、蓄電素子の定格電圧に対し200mV高い電圧を0.5時間〜50時間程度印加後、0Vまで放電させる。また、この充放電サイクルは複数繰り返す方が効果が高く、1サイクルよりも複数サイクル充放電を繰り返す方が好ましい。リチウムイオン電池の場合には、定格容量の20〜100%の充電を行う予備充電を実施する。ここでは、電解精製もしくは予備充電を行う例を示しているが、本発明ではモジュール化した後に、電解精製もしくは予備充電で発生したガスを逆止弁を介して蓄電素子内部から外部へ排出するため、蓄電素子単体での電解精製もしくは予備充電工程を省略してもかまわない。
次に、発生したガスを除去するとともに、さらに電解液を電極の内部まで含浸させるために、減圧脱泡処理を実施後、蓄電素子を密閉封口する。アルミラミネートフィルムを外装体として使用した場合には、熱融着により封口する。金属製の外装体を使用する場合にはレーザ溶接等の溶接により封口する。
また、注液、電解精製、封口等の工程においては、水分の侵入を防止するために、低露点環境下で実施する必要がある。そのため、これらの工程はドライルーム等(例えば露点−40℃以下)の低露点環境下や、窒素、アルゴン等の不活性な乾燥雰囲気下で実施する必要がある。
以下、本発明の蓄電素子モジュールを説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。また、本発明では蓄電素子封口までの工程はすべてドライルームやグローブボックス等の極低水分環境下、具体的には露点−40℃以下の環境下で行っているが、蓄電素子封口後の工程は−40℃より露点の高い水分環境下で実施している。図3及び図4は本発明の蓄電素子モジュールの一例を示す分解斜視図である。
まず、図4に示すように、複数個の蓄電素子1が、直列に接続され、両端の押さえ板11の間に並べている。一方の押さえ板11の外側には面圧調整用のバネ12を配置し、バネ押さえ用の支持板13がその外側に配置されている。他方(バネ12設置側と反対側)の押さえ板11と蓄電素子群との間には、緩衝材14が設けられている。バネ押さえ用支持板13と反対側の押さえ板11の外側を、ワイヤーバンド10で拘束し、並べられた蓄電素子群に対し、バネ12の弾性力に起因した一定の面圧を印加できるように調整している。
図3は押さえ板の機能とバネの機能とを兼ね備えた部材を用いた蓄電素子モジュール構成例である。図3に示すように複数個の蓄電素子1が直列に接続され、並べられた蓄電素子群の両端に、図4の上記押さえ板の機能と上記バネの機能とを兼ね備えた板バネ9を配置している。板バネ9はワイヤーバンドで拘束され、蓄電素子群に対し、拘束された板バネにより面圧が印加されるようになっている。
図7は金属製の外装体3を用いた蓄電素子を並べてモジュール化した例である。並べられた蓄電素子群を両側から一対の押さえ板11で挟み、それら一対の押さえ板11をボルト15及びナット17で連結する。ナット17は、片側の押さえ板11から突出したボルト15の端部に螺合されている。このとき、片側の押さえ板11の外面とナット17との間には、ワッシャ16及びバネ12(図示例ではコイルバネ)が配置されている。このような構成において、ナット17を締付けることでバネ12の弾性力に起因し複数個の蓄電素子1に一定の圧力が印加されるようにしている。
両端の押さえ板、バネ押さえ用支持板、バネ、ワイヤーバンドの材質については、蓄電素子群に面圧を印加できる強度があれば特に制限されない。また、面圧は蓄電素子1に取り付けられた逆止弁の開放圧力にもよるが、100kPa以上であるのが好ましい。これは、蓄電素子が真空封口された場合には蓄電素子本体に約100kPaの圧力が加わることになるが、蓄電素子の内部でガス発生して、蓄電素子1の内部圧力が常圧に戻った場合にも、100kPaの面圧が蓄電素子に加わるようにするためである。更に好ましくは、面圧を100kPa+逆止弁の開放圧力以上とするのが好ましい。面圧を100kPa+逆止弁の開放圧力とすることで、蓄電素子本体に必ず外部圧力が印加されるためである。具体的には、逆止弁の開放圧力を5kPa以上100kPa未満としているので、200kPa以上の面圧を印加するのが好ましい。
面圧が印加された後、蓄電素子の端子を溶接、ネジ止め、もしくはバスバーを介して直列又は並列に接続する。図3、4は蓄電素子を直列接続の例を示しているが、接続の一例であり、並列接続してもよい。蓄電素子間の接続は面圧印加前に行ってもかまわない。
蓄電素子モジュールに対して電解精製もしくは予備充電を実施する。この場合、複数の蓄電素子をモジュール化した後に電解精製等を実施しているので、蓄電素子単体で電解精製を行うよりも充放電装置のチャンネル数が少なく済むメリットを有する。また、蓄電素子単体で電解精製を実施していれば、蓄電素子モジュール化後の電解精製を省略してもかまわないが、電解精製が完全に終了して、蓄電素子の充放電効率(充電容量に対する放電容量の割合)が100%に近くなるには、数十時間の時間を要する。電圧と抵抗とのバラツキの程度を低くするためには、モジュール化後に充放電工程を実施するのが好ましい。通常、電解精製もしくは予備充電は極低水分環境下において蓄電素子封口前に実施するが、本発明ではモジュール化後に行っているため、極低水分環境下の工程が少なくなり、生産性の向上と、極低水分環境設備の低減が期待できる。
モジュール化後の電解精製、予備充電、エージング処理実施後に蓄電素子モジュールを減圧環境に置いて、逆止弁から蓄電素子内部のガスを外部に放出する。この工程は、減圧後常圧に戻すサイクルを繰り返すことで、効率的に蓄電素子内部のガスを外部に放出することができる。また、減圧環境下で蓄電素子モジュールの充放電を行うことで、電極内部に溜まったガスや、電極表面に吸着したガスを効率よく放出可能である。特に電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタにおいては、有効である。これは、充電状態で活物質表面に吸着していた気体分子が、放電時に放出されるためであり、減圧環境下のほうが、吸着していた分子が気体となりやすいためである。
以下、実施の形態に対応する実施例1〜4と、実施例1〜4と比較するための比較例1とについて説明する。なお、実施例1〜4及び比較例1の蓄電素子モジュールは、電気二重層キャパシタとしている。
実施例1.
実施の形態に対応する実施例1の製造工程フローチャートを図9に示す。図9の製造工程では、蓄電素子本体2を内包した外装体に電解液を注液した後に電解精製を行い、減圧封口した後に蓄電素子を積層してモジュール化している。モジュール化後にエージング処理を行い、蓄電素子1に取り付けた逆止弁4から蓄電素子内部で発生したガスを抜く脱泡処理を行い、放電状態で各セルを短絡して電圧を揃えて蓄電素子モジュールとした。従来はモジュール化後に、脱泡処理は行わないが、実施例1ではモジュール化後に減圧脱泡処理を行っている。モジュール化後に減圧脱泡処理を行うことで、モジュール化後に起きる電圧及び抵抗バラツキを抑え、抵抗を低減し使用後の静電容量低下を押さえることができる。
蓄電素子1について詳細に示す。蓄電素子1では、内層の材料にPP樹脂を用い、外層の材料にナイロンを用いたアルミラミネートフィルムにより外装体3を形成した。逆止弁4はPP樹脂製で、0.5kPaで作動して蓄電素子内部のガスを外部に放出する逆止弁を使用した。気液分離膜にはPTFE製で平均細孔径0.1μmの微多孔膜を使用し、逆止弁にインパルスウェルダーで熱溶着した。このときの電解液の透過圧力は150kPaとなり、真空下に蓄電素子を置いても電解液が外部に漏れないように設計した。蓄電素子本体2には、セルロース製のセパレータを使用した。アルミ集電箔両面に活性炭とバインダとアセチレンブラックと溶媒とを混練したペーストを塗布し、乾燥した電極を打ち抜き、正極及び負極とした。正極及び負極の端子部を除く電極面積は100mm×100mmとした。正極と負極はセパレータを介して対向させて交互に積層し、蓄電素子本体を作製した。積層した正極と負極の集電箔に集電端子超音波溶接で取り付け、外装体で端子部を含む3辺を熱融着し、注液用の一辺を除いて蓄電素子本体を外装体で内包した。電解液には第4級アンモニウム塩をプロピレンカーボネートに溶解して作製した電解液を30torrの減圧状態で蓄電素子本体2に含浸させその後常圧に戻した。電解液を含浸させた蓄電素子本体2を、3.2V迄充電した後1時間充電状態を維持し、0V迄放電する電解精製の充放電工程を2回繰り返した。その後、30torrまで減圧し、減圧環境下で外装体を封止し、内部を密閉して蓄電素子を作製した。その後大気圧に戻して実施例1の蓄電素子1を作製した。作製した蓄電素子は10セルであり、各セルの静電容量と内部抵抗を測定した。
蓄電素子の設計容量は1000F、1mΩ(交流1kHzのインピーダンス)であった。蓄電素子10個直列に並べ、図4のように固定用板で蓄電素子を挟みその外側にバネとばね押さえ用支持板を配置した。全圧で200kgfの荷重が加わるようにバネを圧縮し、ステンレス製のバンドで固定した。この時の蓄電素子に加わる面圧は約200kpaとなった。直列に並べられた蓄電素子の正極と負極とを溶接により接続し、単セル電圧2.7 V、10セルモジュール電圧27Vのキャパシタモジュールを作製した。
作製したキャパシタモジュールを48時間定格電圧範囲内である、0V〜27Vの範囲で充放電を行うエージング処理を実施し、その後に各セルの静電容量と、交流1kHzのインピーダンス測定を実施した。
更に、作製したキャパシタモジュール減圧ボックス内に入れて30torrまで減圧し、大気圧に戻した。その後に各セルの静電容量と交流1kHzのインピーダンス測定を実施した。
実施例2.
実施の形態に対応する実施例2の製造工程フローチャートを図10に示す。図10の製造工程では、蓄電素子本体2を内包した外装体に電解液を注液した後に電解精製を行い、減圧封口した後に蓄電素子を積層してモジュール化している。モジュール化後にエージング処理を行い、蓄電素子1に取り付けた逆止弁4から蓄電素子内部で発生したガスを充放電を行いながら減圧し、ガスを抜く脱泡処理を行い、放電状態で各セルを短絡して電圧を揃えて蓄電素子モジュールとした。従来はモジュール化後に、減圧脱泡処理は行わないが、実施例2ではモジュール化後に充放電を行いながら減圧脱泡処理を行っている。実施例2では充放電を行いながら減圧脱泡することで、実施例1と同様の効果が得られ、実施例1よりも早期に内部のガスを蓄電素子外部に放出することができる。
実施例2の蓄電素子1の作製は、実施例1と同様にして作製した。作製した蓄電素子は10セルであり、各セルの静電容量と内部抵抗を測定した。
蓄電素子の設計容量は1000F、1mΩ(交流1kHzのインピーダンス)であった。蓄電素子10個直列に並べ、固定用板で蓄電素子を挟みその外側にバネとばね押さえ用支持板を配置した。全圧で200kgfの荷重が加わるようにバネを圧縮し、ステンレス製のバンドで固定した。この時の蓄電素子に加わる面圧は約200kpaとなった。直列に並べられた蓄電素子の正極と負極を溶接により接続し、単セル電圧2.7V、10セルモジュール電圧27Vのキャパシタモジュールを作製した。
作製したキャパシタモジュールを48時間定格電圧範囲内である、0V〜27Vの範囲で充放電を行うエージング処理を実施し、その後に各セルの静電容量と、交流1kHzのインピーダンス測定を実施した。
更に、作製したキャパシタモジュール減圧ボックス内に入れて30torrまで減圧し、定格電圧の範囲である0V〜27Vの充放電を行い。充放電後を大気圧に戻した。その後に各セルの静電容量と交流1kHzのインピーダンス測定を実施した。
実施例3.
実施の形態に対応する実施例3の製造工程フローチャートを図11に示す。実施例3の蓄電素子1の作製は、減圧封口前の電解精製の工程を省略した以外は実施例1と同様にして作製している。作製した蓄電素子は10セルであり、各セルの静電容量と内部抵抗を測定した。
蓄電素子の設計容量は1000F、1mΩ(交流1kHzのインピーダンス)であった。蓄電素子10個直列に並べ、固定用板で蓄電素子を挟みその外側にバネとばね押さえ用支持板を配置した。全圧で200kgfの荷重が加わるようにバネを圧縮し、ステンレス製のバンドで固定した。この時の蓄電素子に加わる面圧は約200kpaとなった。直列に並べられた蓄電素子の正極と負極を溶接により接続し、単セル電圧2.7V、10セルモジュール電圧27Vのキャパシタモジュールを作製した。
作製したキャパシタモジュールを48時間定格電圧範囲内である、0V〜27Vの範囲で充放電を行うエージング処理を実施し、その後に各セルの静電容量と、交流1kHzのインピーダンス測定を実施した。
更に、作製したキャパシタモジュール減圧ボックス内に入れて30torrまで減圧し、大気圧に戻した。その後に各セルの静電容量と交流1kHzのインピーダンス測定を実施した。
実施例4.
実施の形態に対応する実施例4の製造工程フローチャートを図12に示す。実施例4の蓄電素子1の作製は、実施例1と同様に行い、減圧封口前の電解精製の工程を省略した以外は実施例2と同様にして作製した。作製した蓄電素子は10セルであり、各セルの静電容量と内部抵抗を測定した。
蓄電素子の設計容量は1000F、1mΩ(交流1kHzのインピーダンス)であった。蓄電素子10個直列に並べ、固定用板で蓄電素子を挟みその外側にバネとばね押さえ用支持板を配置した。全圧で200kgfの荷重が加わるようにバネを圧縮し、ステンレス製のバンドで固定した。この時の蓄電素子に加わる面圧は約200kpaとなった。直列に並べられた蓄電素子の正極と負極を溶接により接続し、単セル電圧2.7V、10セルモジュール電圧27Vのキャパシタモジュールを作製した。
作製したキャパシタモジュールを48時間定格電圧範囲内である、0V〜27Vの範囲で充放電を行うエージング処理を実施し、その後に各セルの静電容量と、交流1kHzのインピーダンス測定を実施した。
更に、作製したキャパシタモジュール減圧ボックス内に入れて30torrまで減圧し、定格電圧の範囲である0V〜27Vの充放電を行い。充放電後を大気圧に戻した。その後に各セルの静電容量と交流1kHzのインピーダンス測定を実施した。
比較例1.
比較例1の製造工程フローチャートを図8に示す。比較例1の蓄電素子では、内層の材料にPP樹脂を用い、外層の材料にナイロンを用いたアルミラミネートフィルムにより外装体を形成した。逆止弁はPP樹脂製で、0.5kPaで作動して蓄電素子内部のガスを外部に放出する逆止弁を使用した。気液分離膜にはPTFE製で平均細孔径0.1μmの微多孔膜を使用し、逆止弁にインパルスウェルダーで熱溶着した。このときの電解液の透過圧力は150kPaとなり、真空下に蓄電素子を置いても電解液が外部に漏れないように設計した。蓄電素子本体には、セルロース製のセパレータを使用した。アルミ集電箔両面に活性炭とバインダとアセチレンブラックと溶媒とを混練したペーストを塗布し、乾燥した電極を打ち抜き、正極及び負極とした。正極及び負極の端子部を除く電極面積は100mm×100mmとした。正極と負極はセパレータを介して対向させて交互に積層し、蓄電素子本体を作製した。積層した正極と負極の集電箔に集電端子超音波溶接で取り付け、外装体で端子部を含む3辺を熱融着し、注液用の一辺を除いて蓄電素子本体を外装体で内包した。電解液には四級アンモニウム塩をプロピレンカーボネートに溶解して作製した電解液を30torrの減圧状態で蓄電素子本体に含浸させその後常圧に戻した。電解液を含浸させた蓄電素子本体を、3.2V迄充電した後1時間充電状態を維持し、0V迄放電する電解精製の充放電工程を2回繰り返した。その後、30torrまで減圧し、減圧環境下で外装体を封止し、内部を密閉して蓄電素子を作製した。その後大気圧に戻して比較例1の蓄電素子1を作製した。作製した蓄電素子は10セルで有り、各セルの静電容量と内部抵抗を測定した。
蓄電素子の設計容量は1000F、1mΩ(交流1kHzのインピーダンス)であった。蓄電素子10個直列に並べ、固定用板で蓄電素子を挟みその外側にバネとばね押さえ用支持板を配置した。全圧で200kgfの荷重が加わるようにバネを圧縮し、ステンレス製のバンドで固定した。この時の蓄電素子に加わる面圧は約200kpaとなった。直列に並べられた蓄電素子の正極と負極を溶接により接続し、単セル電圧2.7V、10セルモジュール電圧27Vのキャパシタモジュールを作製した。
作製したキャパシタモジュールを48時間定格電圧範囲内である、0V〜27Vの範囲で充放電を行うエージング処理を実施し、その後に各セルの静電容量と、交流1kHzのインピーダンス測定を実施した。
実施例1〜4の蓄電素子モジュールと比較例1の蓄電素子モジュールを定格電圧の範囲で25℃で運転し続けた後、各セルの静電容量と、交流1kHzのインピーダンス測定を実施した。
測定した内部抵抗の結果を図13に、静電容量の結果を図14に示す。図13及び図43に示すように、実施例1〜4の蓄電素子モジュールのほうが比較例1の蓄電素子モジュールよりも1ヶ月後の各セルの内部抵抗が小さく、各セルの静電容量も大きくなっていることが分かる。また、内部抵抗と静電容量とのバラツキも実施例1〜4の蓄電素子モジュールのほうが比較例1の蓄電素子モジュールより小さい。比較例1の蓄電素子モジュールは、モジュール化後に脱泡工程を行っていないため、モジュール化時の面圧印加により、蓄電素子単体とは異なる面圧印加状態となるため、抵抗と静電容量がばらついた状態となったままである。一方、実施例1〜4ではモジュール化によりばらついた蓄電素子の抵抗と静電容量とが、モジュール化後の脱泡によって均等化させている。このため1ヶ月後の蓄電素子モジュールの抵抗及び電圧バラツキが小さく、各セルにおいては内部抵抗が小さく、静電容量も大きくなっている。即ち、逆止弁付の蓄電素子モジュールをモジュール化後に減圧環境下で脱泡工程を行ったため、面圧をモジュール化装置組み込みに後に生じる電圧バラツキが小さくなった。また、逆止弁付の蓄電素子をモジュール化後に脱泡工程を行ったため、1ヶ月後の内部抵抗低減と静電容量低下を抑制できることができ、安定な蓄電素子モジュールが製造できることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、従来発生していたモジュール化後の電圧バラツキ、抵抗バラツキを低減することができる。すなわち、本実施の形態では、電解液が含浸された蓄電素子本体と、蓄電素子本体を密封する外装体と、外装体に設けられて1気圧より小さい圧力でガスを放出する逆止弁とを有する蓄電素子に、1気圧以上の面圧を印加してモジュール化し、モジュール化後、減圧環境下に蓄電素子モジュールを置いて、蓄電素子内のガスを充放電により排出させる。これにより、キャパシタ個々の静電容量が高く、キャパシタ個々の内部抵抗が小さく、静電容量バラツキの小さなキャパシタモジュールが得られる。また、電解精製、予備充電、エージングで発生したガスが充電時には電極に吸着されるが、放電時に排出される現象を見つけたため、減圧環境下で充放電を行うことでより効果的にガス排出が行える。
また、逆止弁の開放圧力を、5kPa以上100kPa未満、面圧印加圧力を、100kPa以上としておけば、大気圧以下に蓄電素子の内部圧力を調整できる。また、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタで使用される電解液の蒸気圧は、使用範囲である40℃以下の環境では5kPaより低いため、差圧5kPa以上で逆止弁を作動するようにし電解液溶媒が外部空間に漏出することを防止することができる。また、蓄電素子モジュールの面圧印加圧力を、逆止弁の開放圧力よりも大きな100kPa以上としているため、必ず蓄電素子に面圧が印加され、蓄電素子個々の静電容量が高く、内部抵抗が小さくなる。また、静電容量及び抵抗のバラツキの小さなキャパシタモジュールが得られる。さらに、気液分離膜の電解液透過圧力を100kPa以上としておけば、電解液の漏洩も抑制することができる。
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
1 蓄電素子、2 蓄電素子本体、2a 蓄電素子内部空間、3 外装体、4 逆止弁、5 通気口、6 気液分離膜、7 負極集電端子、8 正極集電端子、9 板バネ、10 ワイヤーバンド、11 押さえ板、12 バネ、13 バネ押さえ用支持板、14 緩衝材、15 ボルト、16 ワッシャ、17 ナット。

Claims (4)

  1. それぞれが、気液分離膜を有する逆止弁を備えている、充放電処理後に減圧脱泡処理して密閉封口した複数の電気二重層キャパシタを用意し、
    前記複数の電気二重層キャパシタを並べた状態で一定の圧力を印加するモジュール化工程を有し
    モジュール化された前記複数の電気二重層キャパシタに対して、充放電サイクルによる電気二重層キャパシタのエージング処理を実施し、前記エージング処理後に減圧環境下において、前記逆止弁を介して前記電気二重層キャパシタ内部のガスを前記電気二重層キャパシタ外部へと放出させる脱泡工程を行う、
    電気二重層キャパシタモジュールの製造方法。
  2. 前記エージング処理の充放電サイクルの電圧範囲が0Vから定格電圧までである
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタモジュールの製造方法。
  3. 前記逆止弁の開放圧力は、5kPa以上100kPa未満であり、前記面圧は、100kPaと逆止弁の開放圧力の和以上である、
    請求項1または2に記載の電気二重層キャパシタモジュールの製造方法。
  4. 前記気液分離膜の電解液透過圧力は、100kPa以上である、
    請求項3に記載の電気二重層キャパシタモジュールの製造方法。
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