JP2006324284A - 電気化学キャパシタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生産効率のよい電気化学キャパシタの製造方法を提供する。
【解決手段】 集電体上に分極性電極層を形成してキャパシタ用電極の原反ロールを作製する第1の工程(S11)と、原反の裁断及び打ち抜きによりキャパシタ用電極を作製した後、これを積層化する第2の工程(S12)と、キャパシタ用電極をケース内に収容する第3の工程(S13)と、ケース内に電解質溶液を注入する第4の工程(S14)と、ケース内のキャパシタ用電極を電解質溶液に含浸させ、さらに脱泡・再注液等を行ってケース内の状態を最適化する第5の工程(S15)と、ケースを気密封止する第6の工程(S16)と、性能検査を行う第7の工程(S17)を少なくとも含み、第2の工程から第6の工程までを乾燥室による所定の乾燥環境下で行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気化学キャパシタの製造方法に関し、特に、活性炭等の多孔体粒子をキャパシタ用電極の材料として用いる電気化学キャパシタの製造方法に関するものである。
近年、小型・軽量で比較的大容量が得られるバッテリとして、電気二重層キャパシタなどの電気化学キャパシタが注目されている。電気二重層キャパシタは、通常の2次電池のように化学反応を利用するのではなく、電極に電荷を直接蓄積するタイプのバッテリであることから、極めて高速な充放電が可能であるという特徴を有している。このような特徴を活かして、例えば、携帯機器(小型電子機器)等のバックアップ用電源、電気自動車やハイブリッド車向けの補助電源等としての利用が期待されており、その性能向上のための様々な検討がなされている(特許文献1乃至5参照)。
電気二重層キャパシタは、通常、集電体とその上に形成された分極性電極層を含むキャパシタ用電極によってセパレータを挟み込んだ積層構造を有しており、電気自動車用電源のように大容量が要求される場合には、セパレータを介してこれらの電極を多数積層した構造を採用することが一般的である。電気二重層キャパシタの構造としては、円筒型ケース内に分極性電極とセパレータとを渦巻き状に巻回して収容する巻回型と、角型のケース内に平板状の分極性電極とセパレータとを積層して形成する積層型とがある。特に、積層型の電気二重層キャパシタは、一枚のセパレータとこのセパレータを挟み込む二枚の分極性電極及びこれをさらに両側から挟みこむ集電体とからなるセルを積層することにより、バイポーラ構造とすることができるため、高電圧用途に適している。
特開2004−200229号公報 特開2001−274043号公報 特開平9−36005号公報 特開2001−345095号公報 特開2001−307716号公報
従来、電気二重層キャパシタを製造する場合には、まず、集電体上に分極性電極層を塗布により形成してキャパシタ用電極の原反ロールを作製し、この原反ロールを所定の形状に打ち抜くことによりキャパシタ用電極を形成し、セパレータを介してこのキャパシタ用電極を多段に積層し、或いは多層に巻回してキャパシタ用電極を積層化する。次いで、このキャパシタ用電極をケースに収容し、ケース内に電解質溶液を注入する。ここで、キャパシタ用電極の材料としては非常に吸水力の強い活性炭等の多孔体粒子が用いられており、空気中の水分を吸収したまま電極をケース内に収容すると、実際の使用時やその前の検査工程においてケース内の水分が電気分解によってガス化し、ケースの変形や電極性能の劣化を生じさせるそれがあることから、ケース内に電解質溶液を注入する前にケース内の水分除去が行われる。次いで、ケース内の前記電極積層体を電解質溶液に含浸させ、エージングや脱泡等を行い、ケースを気密封止し、最後に性能検査を行って、電気二重層キャパシタを完成させる。
しかしながら、上述した従来の製造方法においては、電解質溶液を注入する前のケース内の水分除去工程として、真空オーブンを用いたバッチ処理を行っており、水の沸点温度(100℃)以上の高温環境下で72時間程度の長時間にわたって乾燥させていたため、非常に生産効率の悪いプロセスとなっていた。
したがって、本発明の目的は、生産効率のよい電気化学キャパシタの製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、集電体上に分極性電極層を形成してキャパシタ用電極の原反を作製する第1の工程と、前記原反の加工によりキャパシタ用電極を作製する第2の工程と、前記キャパシタ用電極をケース内に収容する第3の工程と、前記ケース内に電解質溶液を注入する第4の工程とを含み、前記第2の工程から前記第4の工程までを所定の乾燥環境下で行うことを特徴とする電気化学キャパシタの製造方法によって達成される。
本発明においては、前記第4の工程の後、前記ケース内の状態を最適化する第5の工程と、前記ケースを気密封止する第6の工程とをさらに含み、前記第2の工程から第6の工程までを前記乾燥環境下で行うことが好ましい。これによれば、キャパシタ用電極の作製からケースを最終的に気密封止するまでの一連の工程を乾燥環境下で行うことで、より高品質な電気二重層キャパシタを製造することが可能となる。
また、本発明においては、第1の工程の後であって第2の工程に移るまでの間、キャパシタ用電極の原反を所定の乾燥環境下に保管することが好ましい。キャパシタ用電極の作製工程に移るまでのしばらくの間、キャパシタ用電極の原反の保管を乾燥環境下で行うことにより、原反の吸水を確実に防止することができ、キャパシタ用電極の特性劣化を防ぐことができる。
また、本発明において、前記乾燥環境は、露点が−35℃以下あることが好ましい。これによれば、電気化学キャパシタの製造にとってより好ましい乾燥環境を実現することができる。
本発明によれば、キャパシタ用電極の原反の状態から、キャパシタ用電極の作製、キャパシタ用電極の積層化、キャパシタ用電極のケーシング、電解質溶液の注入、ケース内の状態の最適化、及びケースの気密封止に至るまでの一連の工程を乾燥環境下で行うことにより、ケース内に残留する水分量を大幅に減少させることができると共に、ケースにキャパシタ用電極が収容された状態での長時間の乾燥工程を省略することができるため、生産効率を大幅に向上させることができる。また特に、キャパシタ用電極の作製工程に移るまでのしばらくの間、原反ロールの保管を乾燥環境下で行うことで、保管によるキャパシタ用電極の特性劣化を防ぐことができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る電気化学キャパシタの好ましい実施形態に係る電気二重層キャパシタの製造工程を示すフローチャートである。
図1に示すように、この製造工程は、集電体上に分極性電極層を形成してキャパシタ用電極の原反ロールを作製する第1の工程(ステップS11)と、原反の裁断及び打ち抜きによりキャパシタ用電極を作製した後、これを積層化する第2の工程(ステップS12)と、キャパシタ用電極をケース内に収容する第3の工程(ステップS13)と、ケース内に電解質溶液を注入する第4の工程(ステップS14)と、ケース内のキャパシタ用電極を電解質溶液に含浸させ、さらに脱泡・再注液等を行ってケース内の状態を最適化する第5の工程(ステップS15)と、ケースを気密封止する第6の工程(ステップS16)と、性能検査を行う第7の工程(ステップS17)を少なくとも含み、第2の工程から第6の工程までを乾燥室による所定の乾燥環境下で行うものである。以下、このフローチャートを参照しながら各工程について詳細に説明する。
まず、最初の工程はキャパシタ用電極の原反ロールの作製である(ステップS11)。キャパシタ用電極の原反ロールは、分極性電極の材料となる塗布液を調整した後、塗布液をシート状の集電体の表面に塗布し、乾燥し、圧延することによって作製される。
塗布液の調整は次のようにして行う。まず、図2に示すように、撹拌部SB1を備える混合装置C1中に、多孔体粒子P1、バインダーP2、導電助剤P3及び溶剤S1を投入する。そして、撹拌部SB1を用いてこれらを撹拌することにより、分極性電極層用塗布液を調整することができる。ここで、塗布液の調製は、混練操作及び/又は希釈混合操作を含むことが好ましい。ここで「混練」とは、液が比較的高粘度の状態で撹拌することにより材料を練り合わせることを意味し、「希釈混合」とは混練された液にさらに溶剤等を添加して比較的低粘度の状態で混ぜ合わせることを意味する。これら操作の時間や操作時の温度としては特に制限されないが、均一な分散状態とする点で、混練時間は30分〜2時間程度、混練時の温度は30〜80℃程度とすることが好ましく、希釈混合時間は1〜5時間程度、希釈混合時の温度は20〜50℃程度とすることが好ましい。
多孔体粒子P1は、電荷の蓄電と放電に寄与する電子伝導性を有する多孔体粒子であれば特に制限はないが、例えば、粒状又は繊維状に賦活処理済みの活性炭等を挙げることができる。バインダーP2は、多孔体粒子を結着可能なものであれば特に制限されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、フッ素ゴム等を用いることができる。導電助剤P3は必須ではないが、集電体と分極性電極層との間での電荷の移動を十分に進行させるためには導電助剤を添加することが好ましい。導電助剤P3としては、そのような役割を果たすことが可能な電子伝導性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、カーボンブラック等を挙げることができる。溶剤S1としては、バインダーP2を溶解又は分散可能なものであれば特に制限されないが、例えば、メチルエチルケトン(MEK)やメチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン系溶剤等を用いることができる。
図3は、上述の塗布液を用いたキャパシタ用電極の原反ロールの作製工程を概略的に示す模式図である。
原反ロールの作製では、塗布部110において、所定の速度で回転する供給ロール101から送り出されたシート状の集電体16の表面に、塗布液L1を塗布することによって塗膜L2を形成する。
集電体16は、分極性電極層への電荷の移動を十分に行うことができる良導体であればその材料としては特に制限されず、公知の電気二重層キャパシタ用電極に用いられる集電体材料、例えばアルミニウム(Al)を用いることができる。本発明においては、集電体16の表面は粗面化されており、これによって、分極性電極層18との密着性が高められている。集電体16の表面を粗面化する方法としては、特に限定されないが、酸などの薬品による化学的なエッチングによって粗面化することができる。エッチングの深さについては、3〜7μm程度に設定することが好ましい。尚、集電体16の裏面については、特に粗面化されている必要はないが、後述するように、集電体16の両面に分極性電極層18を形成する場合には、集電体16の両面を粗面化する必要がある。
集電体16の厚さについても特に限定されないが、製造される電気二重層キャパシタをより小型化するためには、機械的強度が十分に確保される限度においてできる限り薄く設定することが好ましい。具体的には、集電体16の材料としてアルミニウム(Al)を用いた場合、その厚さを10μm以上、100μm以下に設定することが好ましく、15μm以上、50μm以下に設定することがより好ましい。アルミニウム(Al)からなる集電体16の厚さをこの範囲に設定すれば、十分な機械的強度を確保しつつ、最終的に作製される電気二重層キャパシタの小型化を達成することが可能となる。
これにより、未圧縮の分極性電極層18が集電体16上に形成された状態となる。塗布液L1を集電体16の面上に塗布する方法としては、公知である種々の塗布方法を特に制限なく使用することができる。例えば、エクストルージョンラミネーション法、ドクターブレード法、グラビアコート法、リバースコート法、アプリケーターコート法、スクリーン印刷法等の方法を採用することができる。
次に、集電体16を挟むように配置された2つの乾燥機121,122からなる乾燥部120において、塗膜L2を乾燥させて、塗膜L2に含まれる溶剤S1を除去する。塗膜の乾燥は所定時間の加熱によって行うことができる。具体的には、70〜130℃、0.1〜10分間の条件で乾燥を行うことが好ましい。この乾燥処理によって、塗膜L2のみならず集電体16も水分も十分に除去された状態となる。
次に、ローラ141、142からなる第1のロールプレス部130において、集電体16上に形成された未圧縮の分極性電極層18に対して1回目の圧延処理を施し、さらに、ローラ141、142からなる第2のロールプレス部において、分極性電極層18に対して2回目の圧延処理を施す。ここで、分極性電極層18を多段に圧延するのは、分極性電極層18及び集電体16に変形や歪みを生じさせることなく分極性電極層18を効果的に圧縮し、これによって体積容量を高めるためである。以上により、効果的に圧縮された分極性電極層18が集電体16上に形成される。こうして圧延が完了した集電体は巻き取りロール102に巻回され、これによりキャパシタ用電極の原反ロールが完成する。
こうして作製された原反ロールは、次の工程に移るまでのしばらくの間、乾燥室による所定の乾燥環境下に保管される(ステップS11X)。乾燥室内は−35℃以下の露点維持されていることが好ましい。完成直後の原反ロールは塗膜の乾燥工程を経て十分に乾燥しているため、吸水力が非常に強く、自然環境下に曝した場合にはたとえ短時間であっても空気中の水分を一気に吸収してしまう。しかし、原反ロールを乾燥室内に保管することで、キャパシタ用電極の水分吸収を防止することができ、原反ロールの乾燥状態を維持することができる。なお、原反ロールを作製後直ちに次の工程に移る場合にはこの保管工程は必要ない。
次に、図4(a)に示すように、キャパシタ用電極の原反ロール20を規定幅に裁断した後、図4(b)に示すように、プレス加工で所定の形状に打ち抜いて、図4(c)に示すようなキャパシタ用電極10を作製する(ステップS12)。このとき、分極性電極層18に覆われていない集電体16の一部を同時に取り出せば、この部分を引き出し電極12として利用することが可能となる。さらに、図5に示すように、このキャパシタ用電極10を2枚用意し、分極性電極層18が向き合うよう、セパレータ40を介してこれら一対のキャパシタ用電極10を挟み込んで積層し、さらにリベット及び溶接によって層間を固定する。セパレータ40は、分極性電極層18,18間における電解質溶液の移動を可能としつつ、これら分極性電極層18,18とを物理的に分離するための膜である。セパレータ40は絶縁性の多孔体から形成されていることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの積層体や、上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布等を用いることができる。セパレータ40の厚さは、特に限定されるものではないが、10μm以上、200μm以下とすることが好ましく、15μm以上、50μm以下とすることがより好ましい。
以上のキャパシタ用電極の作製工程も、原反ロールの保管に引き続き乾燥環境下で行なわれる。乾燥条件は保管の場合と同様、−35℃以下の露点環境下であることが好ましい。乾燥状態のキャパシタ用電極は吸水力が非常に強いため、自然環境下に曝した場合にはたとえ短時間であっても空気中の水分を一気に吸収してしまうが、乾燥環境下で行うことでキャパシタ用電極の水分吸収を防止することができる。
次に、図6に示すように、積層化されたキャパシタ用電極30をケース50内に収容する(ステップS13)。ケース50としては、例えば変性ポリプロピレンからなる内層、アルミニウム箔からなる金属層、ポリアミドからなる外層が順次積層された可撓性を有する複合包装フィルムのケースを用いることができ、ケース50の開口50aからキャパシタ用電極10を挿入し、上蓋50bを被せて、上蓋50bを巻き締めて固定する。このとき併せてコネクタ50c等も取り付けられる。この工程も前工程に引き続き乾燥環境下で行なわれる。乾燥条件は上記各工程の場合と同様、−35℃以下の露点環境下であることが好ましい。
次に、ケース50内に電解質溶液を注入する(ステップS14)。電解質溶液としては、公知の電気二重層キャパシタに用いられている電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電気二重層キャパシタに用いられる電解質溶液は、電気化学的に分解電圧が低いためキャパシタの耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。具体的な電解質溶液の種類は特に限定されないが、溶質の溶解度、解離度、液の粘性を考慮して選択することが好ましく、高導電率でかつ高電位窓(分解開始電圧が高い)の電解質溶液であることが特に望ましい。代表的な例としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレイトのような4級アンモニウム塩を、プロピレンカーボネート、ジエチレンカーボネート、アセトニトリル等の有機溶媒に溶解したものが使用される。なお、この場合、混入水分を厳重に管理する必要がある。
電解質溶液の注入では、ケース50の上蓋(又はケース底面)に設けられた注液口に注液機をセットして、電解質溶液を注入した後、注液栓で蓋をして封止する。この工程も前工程に引き続き乾燥環境下で行なわれる。乾燥条件は上記各工程の場合と同様、−35℃以下の露点環境下、あるいは40%以下の湿度環境下であることが好ましい。なお、従来の製造方法では、電解質溶液を注入する前に真空オーブンを用いて72時間程度の長時間にわたってケース内の水分を除去する工程が必要であったが、本実施形態では各工程を乾燥環境下で行っているため、そのような水分除去工程が不要となる。
次の工程は、注液されたケース50内のキャパシタ用電極10を所定の温度で一定時間加熱して電解質溶液に含浸させ、さらにエージング、脱泡・再注液等を行って、ケース内の状態を最適化する後処理工程である(ステップS15)。含浸工程は、恒温槽内の一定温度条件下で十数時間行われる。恒温槽内の温度は例えば60〜90℃の範囲で一定に維持されていることが好ましい。エージング工程では、充放電装置を用いて、恒温槽内の一定温度条件下で所定の電圧を一定時間印加することにより行う。これにより、ケース内の不要なガスを除去することができる。また脱泡・再注液工程では、ケース内の減圧及び加圧を数回繰り返した後、液抜き及び電解質溶液の再注入を行うことによりケース内の脱泡を行う。その後、注液栓でケースに蓋をして気密封止する(ステップS16)。この後処理工程(ステップS15)及びケースの封止工程(ステップS16)も前工程に引き続き乾燥環境下で行なわれる。乾燥条件は上記各工程の場合と同様、−35℃以下の露点環境下であることが好ましい。
その後、キャパシタの性能検査を行って(ステップS17)、一連の製造工程が完了となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、キャパシタ用電極の原反ロールの状態から所定の乾燥環境下で保管し、さらにその後のキャパシタ用電極の積層化、電極積層体のケーシング、電解質溶液の注入、電極積層体の含浸、ケース内状態の最適化、ケースの気密封止までの一連の工程を乾燥環境下で行うことにより、ケース内に残留する水分量を減少させることができると共に、その後のケースに電極積層体が収容された状態での乾燥工程を省略することができるため、生産効率を向上させることができる。また特に、原反ロールの保管を乾燥環境下で行うことで、保管によるキャパシタ用電極の特性劣化を防ぐことができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加えることが可能であり、これらも本発明の範囲に包含されるものであることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態においては、キャパシタ用電極の加工、積層化、ケーシング、電解質溶液の注入、電解質溶液への含浸、ケース内状態の最適化、ケースの気密封止までの一連の工程を乾燥室による乾燥環境下で行っているが、電解質溶液を注入した後は、電解質溶液の存在によってキャパシタ用電極が空気中の水分を吸収しにくいため、電解質溶液をケース内に注入した後の工程を一般環境下で行ってもよい。但し、より高品質な電気二重層キャパシタを製造するためには、ケースを最終的に気密封止するまで乾燥環境下で行うことが好ましい。
また、上記実施形態においては、積層型の電気二重層キャパシタの製造方法について説明したが、本発明は巻回型の電気二重層キャパシタに対しても適用可能である。
さらに、本発明による製造方法は、電気二重層キャパシタの製造方法として利用することができる他、擬似容量キャパシタ、シュードキャパシタ、レドックスキャパシタ等、種々の電気化学キャパシタの製造方法として利用することが可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
粒状の活性炭(クラレケミカル社製、商品名:RP−20)及びアセチレンブラック(電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)を、プラネタリーミキサーを用いて15分間混合したものと、フッ素ゴム(デュポン社製、商品名:Viton−GF)とをMIBK150質量部に投入し、プラネタリーミキサーを用いて45分間混練した。このとき、活性炭、アセチレンブラック及びフッ素ゴムの配合量は、それぞれ90.0質量部、1.0質量部及び9.0質量部とした。得られた混練物にMIBKを更に150質量部加えて1時間撹拌することにより、塗布液を調製した。
上記塗布液を、アプリケーターコート法により集電体である粗面化されたアルミニウム箔(厚さ:20μm)の一方の面上に均一に塗布し、100℃の乾燥炉内でMIBKを除去した後、図3に示した第1のロールプレス部130及び第2のロールプレス部140をこの順で通過させ、これによって厚さ150μmのキャパシタ用電極シートを作製した。さらに、この電極シートを20mm×40mmのサイズに打ち抜き、さらに180℃に維持された真空オーブン内に12時間放置して十分に真空乾燥させた後、多孔体に吸着した水分を除去して、キャパシタ用電極サンプル#1乃至#5を作製した。
そして、サンプル#1については露点が−75℃に設定された乾燥室内に一定時間放置し、サンプル#2については露点が−55℃に設定された乾燥室内に一定時間放置し、サンプル#3については露点が−35℃に設定された乾燥室内に一定時間放置した。また、サンプル#4については湿度が10〜14%の一般環境下に一定時間放置し、サンプル#5については湿度が18%の一般環境下に一定時間放置した。その後、各サンプル#1乃至#5の水分量の変化を測定した。
図7は、キャパシタ用電極の経時水分量の変化を示す表である。また、図8は図7の表をグラフ化したものである。
図7及び図8に示すように、まず真空オーブンから取り出した直後のサンプル#1乃至#5の水分量はすべて186ppmであった。そして、サンプル#1を露点が−75℃に設定された乾燥室内に24時間放置した後の水分量は34ppm、72時間放置した後の水分量は57ppmであった。また、真空オーブンから取り出した直後のサンプル#2を露点が−55℃に設定されたドライルーム内に24時間放置した後の電極の水分量は70ppm、72時間放置した後の電極の水分量は169ppmであった。さらにまた、空オーブンから取り出した直後のサンプル#3を露点が−35℃に設定されたドライルーム内に24時間放置した後の電極の水分量は171ppm、72時間放置した後の電極の水分量は182ppmであった。
一方、真空オーブンから取り出した直後のサンプル#4を湿度が10〜14%の一般環境下に5分間放置した後の水分量は358ppm、20分間放置した後の水分量は463ppm、35分間放置した後の水分量は537ppm、50分間放置した場合の水分量は522ppmであった。また、空オーブンから取り出した直後のサンプル#5を湿度が18%の一般環境下に5分間放置した後の水分量は588ppmであった。
以上の結果から、十分に乾燥したキャパシタ用電極が10〜14%程度の湿度である一般環境下に置かれた場合には、たとえ5分程度の短時間であっても短時間で水分を吸収し、乾燥状態を維持できないのに対し、少なくとも露点が−35℃以下の乾燥環境下に置かれていれば、キャパシタ用電極は完成直後の乾燥状態を維持できることが分かった。
本発明に係る電気化学キャパシタの好ましい実施形態に係る電気二重層キャパシタの製造工程を示すフローチャートである。 分極性電極用塗布液の調整について説明するための模式図である。 塗布液L1を用いたキャパシタ用電極の原反ロールの作製工程を概略的に示す模式図である。 キャパシタ用電極の作製工程を説明するための模式図である。 キャパシタ用電極10の積層化について説明するための模式図である。 積層化されたキャパシタ用電極をケース内に収容する皇帝について説明するための模式図である。 キャパシタ用電極の経時水分量の変化を示す表である。 キャパシタ用電極の経時水分量の変化を示すグラフである。
符号の説明
12 引き出し電極
16 集電体
18 分極性電極層
20 キャパシタ用電極の原反ロール
30 積層化されたキャパシタ用電極
50 ケース
50a ケースの開口
50b ケースの蓋
50c コネクタ
101 供給ロール
102 巻き取りロール
110 塗布部
120 乾燥部
121 乾燥機
122 乾燥機
130 第1のロールプレス部
131,132 ローラ
140 第2のロールプレス部
141,142 ローラ
C1 混合装置
SB1 撹拌部
P1 多孔性粒子
P2 バインダー
導電助剤 P3
溶剤 S1
L1 塗布液
L2 塗膜

Claims (4)

  1. 集電体上に分極性電極層を形成してキャパシタ用電極の原反を作製する第1の工程と、
    前記原反の加工によりキャパシタ用電極を作製する第2の工程と、
    前記キャパシタ用電極をケース内に収容する第3の工程と、
    前記ケース内に電解質溶液を注入する第4の工程とを含み、
    前記第2の工程から前記第4の工程までを所定の乾燥環境下で行うことを特徴とする電気化学キャパシタの製造方法。
  2. 前記第4の工程の後に前記ケース内の状態を最適化する第5の工程と、
    前記ケースを気密封止する第6の工程とをさらに含み、
    前記第2の工程から前記第6の工程までを前記所定の乾燥環境下で行うことを特徴とする請求項1に記載の電気化学キャパシタの製造方法。
  3. 前記第1の工程の後であって第2の工程に移るまでの間、前記キャパシタ用電極の原反を所定の乾燥環境下に保管することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気化学キャパシタの製造方法。
  4. 前記乾燥環境は、露点が−35℃以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタの製造方法。

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