JP5924616B2 - 冗長化無線制御システム - Google Patents
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Description
また、システム停止や縮退を予防する他の技術は、制御装置の定期点検と交換である。この制御装置の定期点検と交換の際に、システム停止時間をできる限り短くする技術も求められている。
このような背景から、制御装置の故障などが発生した場合でもシステムが停止・縮退することの無い冗長化制御システムや、システムを停止することなく制御装置の点検や交換が可能な冗長化制御システムが求められている。
特許文献2には、従来よりもシステム全体の制御装置の数を削減してコストダウンを図ると共に、高性能で信頼性の高いシステムを構築することが可能なプラント制御システムの発明が記載されている。
特許文献3には、制御対象プロセスへの制御性能を維持しつつ無線装置の電源寿命を延長する電源制御装置の発明が記載されている。
そこで、本発明は、システムが備える装置に故障などが発生した場合や、システムが備える装置を点検/交換した場合に、システムが停止した状態や縮退した状態となることを防止できる冗長化無線制御システムを提供することを課題とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
冗長化無線制御システム10は、例えばプラント制御システムであり、複数の主装置30−1〜30−nと、予備装置30−rと、上位装置である端末20とを備えている。
端末20は、この冗長化無線制御システム10を統括制御する上位装置であり、例えばコンピュータ装置である。端末20は、図示しない表示部と無線通信部とを有している。端末20は、当該表示部に情報を表示することができる。端末20は、図示しない無線通信部によって、複数の主装置30−1〜30−nおよび予備装置30−rと、無線通信を介して相互に通信可能である。
主装置30−1〜30−nは、各プラント設備の補機(AUX:auxiliary machine)40と検出器(SEN:Sensor)41と、無線通信を介して種々の通信を行い、当該プラントの制御を行うものである。以下、主装置30−1〜30−nを特に区別しないときには、単に「主装置30」と記載している場合がある。
予備装置30−rは、主装置30−1〜30−nの故障に備えた予備の装置である。
補機40は、例えば、調節弁、電動弁、電動モータなどに代表されるアクチュエータ、または、電源装置に代表される電力変換器などである。補機40は、無線通信機能を備え、予め決められたアドレスが設定されたPI/O32から無線通信を介して制御信号を受信可能である。
検出器41は、センサなどの入力機器であり、例えば温度、圧力、振動、回転速度などを測定するものである。検出器41は、無線通信機能を備え、予め決められたアドレスが設定されたPI/O32に、無線通信を介してセンサ信号を送信可能である。
これらの補機40や検出器41は、冗長化無線制御システム10の外部装置であり、かつ、冗長化無線制御システム10の制御対象である。
コントローラ31(通信制御手段)は、無線通信機能を備え、当該主装置30が備えているPI/O32と、予備装置30−rが備えている予備コントローラ31−rと、上位装置である端末20と、無線通信を介して相互に通信可能である。コントローラ31(通信制御手段)は、補機40の制御機能、または/および、検出器41による状態検知機能を備えている。コントローラ31は更に、上位装置である端末20に無線通信を介して通信し、この端末20の指示によって動作する。
複数のPI/O32(入出力手段)は、無線通信機能を備え、当該主装置30のコントローラ31と無線通信を介して相互に通信可能であると共に、アドレスが設定されることにより、当該アドレスに係る補機40または/および検出器41と、無線通信を介して通信可能である。
予備装置30−rは、予備コントローラ31−rと、複数の予備PI/O32−rとを備えている。
予備コントローラ31−r(予備通信制御手段)は、無線通信機能を備え、端末20と、各主装置30が備えるコントローラ31−1〜コントローラ31−nと、当該予備装置30−rが備えている予備PI/O32−rと、上位装置である端末20とに、無線通信を介して通信可能である。図1は予備装置30−rが稼働していない状態を示しているので、予備コントローラ31−r(予備通信制御手段)と予備PI/O32−rとの間に、破線は示されていない。
予備コントローラ31−r(予備通信制御手段)は、予備PI/O32−rにアドレスの設定を指示する機能と、設定したアドレスの解除を指示する機能とを備えている。予備コントローラ31−rは更に、上位装置である端末20に無線通信を介して通信し、この端末20の指示によって動作する。
ワークフローW1に於いて、主装置30−1のPI/O(11)で異常が発生する。
ワークフローW4に於いて、無線信号を受信した当該予備PI/O32−rは、アドレスを11に設定する。
ワークフローW6に於いて、主装置30−1のコントローラ31は、予備装置30−r内の当該予備PI/O32−rと、無線信号を再接続してセッションを確立する。なお、ワークフローW5,W6の順序は、逆であってもよい。
シーケンスQ10,Q11は、無線信号の接続のシーケンスを示している。
PI/O32にアドレス(識別子)(11)が設定されたとき、無線信号の接続が開始する。
シーケンスQ10に於いて、コントローラ31は、アドレス(11)が設定されたPI/O32と、無線通信を介して接続する。
シーケンスQ11に於いて、アドレス(11)が設定されたPI/O32は、補機40または/および検出器41と、無線通信を介して接続する。シーケンスQ10,Q11は、ほぼ同時に行われる。シーケンスQ10,Q11の順序は、逆であってもよい。このシーケンスQ10,Q11により、コントローラ31は、補機40または/および検出器41と、PI/O32を介して通信することができる。
シーケンスQ20に於いて、アドレス(11)が設定されたPI/O32で異常が発生する。
シーケンスQ21に於いて、当該PI/O32は、自らのアドレス(11)の設定を解除する。図3では、アドレス(*)によって、アドレス設定の解除を示している。
シーケンスQ24に於いて、端末20は、図示しない表示部に、アドレス(11)が設定されていたPI/O32で異常が発生した旨を表示する。
シーケンスQ25に於いて、コントローラ31は、予備コントローラ31−rに、アドレス(識別子)11の情報と異常通知とを行う。
シーケンスQ26に於いて、予備コントローラ31−rは、予備PI/O32−rに、アドレス(識別子)11の設定を行う。これにより、予備コントローラ31−rは、予備PI/O32−rに、異常が発生したPI/O32の代替処理を行わせることができる。
シーケンスQ27に於いて、予備PI/O32−rは、自らのアドレス(識別子)に11を設定する。
シーケンスQ29に於いて、予備コントローラ31−rは、端末20に、予備PI/O32−rを使用開始した旨を通知する。
シーケンスQ30に於いて、端末20は、図示しない表示部に、予備PI/O32−rを使用開始した旨を表示する。
シーケンスQ32に於いて、コントローラ31は、アドレス(11)が設定された予備PI/O32−rとを無線信号で接続する。シーケンスQ31,Q32の順序は、逆であってもよい。
これらシーケンスQ20〜Q32により、コントローラ31は、補機40または/および検出器41と、予備PI/O32−rを介して通信することができるようになる。よって、冗長化無線制御システム10は、PI/O32に故障などが発生した場合であっても、システムが停止した状態や縮退した状態となることを防止できる。
シーケンスQ10,Q11の処理と、シーケンスQ20〜Q25の処理は、図3に示すシーケンスと同様である。
シーケンスQ40に於いて、予備コントローラ31−rは、端末20に、予備PI/O32−rが存在しなかった旨を通知する。
これらシーケンスQ40,Q41により、予備コントローラ31−rは、予備PI/O32−rを全て使い尽くした場合に、迅速に端末20に警報を表示して対処を促すことができる。
ここで復旧とは、例えば主装置30−1が管轄するPI/O32が修理され、このPI/O32に動作を切り替えることである。復旧処理が開始する前に於いては、予備装置30−rが管轄する予備PI/O32−rが、コントローラ31と、補機40または/および検出器41との通信を中継している。
シーケンスQ51に於いて、端末20のオペレータは、主装置(1)の管轄で、アドレス(11)が設定されていたPI/O32を復旧する指示を入力する。
シーケンスQ54に於いて、予備コントローラ31−rは、アドレス(11)が設定されている予備PI/O32−rに対して、動作を停止するよう指示する。
シーケンスQ56に於いて、当該予備PI/O32−rは、予備コントローラ31−rに、肯定応答(Ack)を送信する。これにより、予備コントローラ31−rは、シーケンスQ54の指示が実行されたことを知ることができる。
シーケンスQ57に於いて、予備コントローラ31−rは、コントローラ31に、肯定応答(Ack)を送信する。コントローラ31は、シーケンスQ53の指示が実行されたことを知ることができる。
シーケンスQ58に於いて、コントローラ31は、修理したPI/O32に、アドレス(11)を設定するように指示する。
シーケンスQ59に於いて、修理したPI/O32は、自らのアドレスに(11)を設定する。
シーケンスQ61に於いて、アドレス(11)が設定されたPI/O32は、補機40または/および検出器41を無線信号で接続する。シーケンスQ60,Q61の順序は、逆であってもよい。
これらシーケンスQ50〜Q61により、コントローラ31は、当該主装置30が備えるPI/O32を修理したのち、補機40または/および検出器41と、無線通信を介して再び通信することができる。
更に、予備コントローラ31−rは、シーケンスQ55に於いて、予備PI/O32−rのアドレス設定を解除しているので、他のPI/O32の故障に備えて再び待機させることができる。
以上説明した本実施形態では、次の(A)〜(D)のような効果がある。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(c)のようなものがある。
20 端末 (上位装置)
30 主装置
30−r 予備装置
31 コントローラ (通信制御手段)
31−r 予備コントローラ (予備通信制御手段)
32 PI/O (入出力手段)
32−r 予備PI/O (予備入出力手段)
40 補機 (外部装置)
41 検出器 (外部装置)
Claims (5)
- 自らに設定された識別子を記憶し、当該識別子に基づいて外部装置と無線を介して通信する入出力手段と、
前記入出力手段の異常を検知して、前記入出力手段の識別子を外部に通知する機能を有する通信制御手段と、
前記入出力手段の予備であり、自らに設定された識別子を記憶する機能、および当該識別子に基づいて外部装置と無線を介して通信する機能を有する予備入出力手段と、
前記通信制御手段が前記入出力手段の異常を検知して前記入出力手段の識別子を外部に通知した際に、通知された前記入出力手段の識別子を前記予備入出力手段に設定することにより、前記入出力手段を前記予備入出力手段によって代替させる機能を有する予備通信制御手段と、
表示部を備えた上位装置とを備え、
前記予備通信制御手段は、前記予備入出力手段が存在しなかったとき、その旨を前記上位装置に送信し、
前記上位装置は、前記表示部に警報を表示する、
ことを特徴とする冗長化無線制御システム。 - 前記入出力手段は、自らの異常を検知した際に、自らの前記識別子の設定を解除すると共に、前記識別子を前記通信制御手段に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の冗長化無線制御システム。 - 前記通信制御手段は、前記入出力手段および前記予備入出力手段と無線を介して通信し、
前記予備通信制御手段は、前記入出力手段および前記予備入出力手段と無線を介して通信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の冗長化無線制御システム。 - 前記入出力手段は、自らの異常を検知した際に、前記上位装置に異常状態を送信し、
前記上位装置は、前記表示部に前記入出力手段の異常を表示する、
ことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の冗長化無線制御システム。 - 前記通信制御手段は、前記入出力手段が動作可能になったとき、前記予備入出力手段の前記識別子の設定を解除すると共に当該入出力手段に前記識別子を設定して復旧させる、
ことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の冗長化無線制御システム。
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