JP2009262884A - 冗長系を有した設備運用システムおよび設備運用方法 - Google Patents

冗長系を有した設備運用システムおよび設備運用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自動的に故障診断やシステム再構築手順の設定が行える冗長系を有した設備運用システムを提供する。
【解決手段】常用系設備の動作を監視して故障を検知する共に、常用系設備の動作を制御する故障監視・制御手段101と、該故障監視・制御手段が検知する検知情報に基づいて常用系設備の故障状態を診断し、システム再構築の要否を判定すると共に、システム再構築が必要な場合、故障状態に応じて予め設定されている再構築手順を選択・決定する故障診断手段501と、再構築手順開始に際して、故障診断手段501が決定した再構築手順情報を運用卓画面104に報知して表示する故障報知手段503と、決定された再構築手順に基づいて、常用系の故障設備に対応する冗長系の設備に切り替え制御すると共に、再構築実施結果を運用卓画面104に報知する再構築制御手段502とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は冗長系を有した設備運用システムおよび設備運用方法に係わり、例えば、運用対象設備である人工衛星を管制運用する地上システムにおいて、地上システムの設備故障が発生した場合に、設備の異常箇所を診断・特定し、自動的に冗長系の設備に切り替えて運用対象設備の運用を継続する設備運用システムに関するものである。
以下、運用対象設備が、例えば人工衛星である場合を例にして説明する。
現状の設備運用システム(人工衛星運用システム)のシステム想定では、人工衛星運用のための地上設備が故障状態となって、人工衛星の運用が停止した際は、以下のシステム運用操作を運用者が判断し、必要に応じて冗長系設備への切り替え、決められた手順に基づく運用走査再開作業の実施を必要とする。
(a)地上設備に異常が発生した場合に備えて、運用処置マニュアルに従ってシステム情報および運用者の経験によって故障設備を特定する。
(b)その後、予備系装置への切り替え手順に従って、予備系システムあるいは予備系の装置への切り替えを運用者が実施し、
(c)更に、人工衛星にアップリンク可能となる地上系システム上の設備の再構築(再構成とも称す)が必要となる。
従来では、運用者(システム操作者)が運用対象設備を運用再開させるための運用手順を特定して再登録し、更に、運用途中で故障が発生した場合は、該当の運用手順まで手順をスキップさせて、運用再開可能な構成に復旧させる。
また、特許文献1(特開2003−182697号公報)には、衛星管制システムから送信される制御コマンドにより、人工衛星の監視制御を行う衛星管制方式において、それぞれ制御コマンドを送信するよう構成された複数の衛星管制システムを備え、複数の衛星管制システムのいずれか一つにコマンド制御権が与えられ、コマンド制御権が与えられた衛星管制システムから人工衛星に成魚コマンドを送信することによって、複数の衛星管制システムから同時に人工衛星に制御コマンドが送信されるのを防止することが記載されている。
特開2003−182697号公報
従来では、運用対象設備である人工衛星を運用するための地上設備(例えば、故障監視あるいは管制制御を行うための設備など)に故障が発生した場合、システムの運用継続を最優先させるという方針に沿って、予め設定された故障診断フローに従って運用者が故障診断を実施する。
故障状況によっては診断のための複数ステップの見極めと、設備状態を把握するための基本的な技術が必要となる。
また、人工衛星管制局の地上設備は、通常冗長系を有したシステムとして構築されるが、衛星制御競合(即ち、複数の衛星管制システムから同時に人工衛星に制御コマンドが送信されること)による矛盾回避のために、衛星コマンド送信設備は1系統に限定した運用が必要である。
そのため、コマンド送信運用中の(衛星コマンド送信)地上設備が故障した場合には、冗長系として稼動している別系統の衛星コマンド送信設備に切り替えた運用となる。
従って、従来では、運用者による故障診断プロセス(手順)の実施に時間を要し、故障診断に要する時間は、運用者の経験やスキルに依存してバラツキが大きい。
また、システムの運用再開に際しては、故障と診断された設備を冗長系の対応する設備に切り替えるために、地上系システム構成の再確立と運用手順の再登録処理が必要であり、運用手順の再開プロセスを実施するには時間を要するため、連続した運用の継続が困難である。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、運用者の経験やスキルに依存することなく故障診断が行え、また、運用再開までの時間を短縮することができる「冗長系を有した設備運用システム」を提供することを目的とする。
本発明に係る冗長系を有した設備運用システムは、運用対象設備を監視・制御する冗長系を有した設備運用システムであって、
常用系設備の動作を監視して故障を検知する共に、上記常用系設備の動作を制御する故障監視・制御手段と、上記故障監視・制御手段が検知する検知情報に基づいて上記常用系設備の故障状態を診断し、システム再構築の要否を判定すると共に、システム再構築が必要な場合、上記故障状態に応じて予め設定されている再構築手順と再構築実施設備を選択・決定する故障診断手段と、再構築手順開始に際して、上記故障診断手段が選択・決定した再構築手順情報を運用卓画面に報知して表示する故障報知手段と、決定された再構築手順に基づいて、常用系の故障設備に対応する冗長系の設備に切り替え制御すると共に、再構築実施結果を上記運用卓画面に報知する再構築制御手段とを備えている。
また、本発明に係る冗長系を有した設備運用方法は、運用対象設備を監視・制御する冗長系を有した設備運用方法であって、
常用系設備の動作を監視して故障を検知する共に、上記常用系設備の動作を制御する故障監視・制御ステップと、上記故障監視・制御ステップにおいて検知する検知情報に基づいて上記常用系設備の故障状態を診断し、システム再構築の要否を判定すると共に、システム再構築が必要な場合、上記故障状態に応じて予め設定されている再構築手順と再構築実施設備を選択・決定する故障診断ステップと、再構築手順開始に際して、上記故障診断ステップにおいて選択・決定した再構築手順情報を運用卓画面に報知して表示する故障報知ステップと、決定された再構築手順に基づいて、常用系の故障設備に対応する冗長系の設備に切り替え制御すると共に、再構築実施結果を上記運用卓画面に報知する再構築制御ステップとを備えている。
本発明によれば、故障監視・制御手段が検知する検知情報に基づいて常用系設備の故障状態を診断し、システム再構築の要否を判定すると共に、システム再構築が必要な場合、故障状態に応じて予め設定されている再構築手順と再構築実施設備を選択・決定する故障診断手段を有しているので、実際に故障が発生した場合、故障状態の診断、システム再構築要否の判定、再構築手順の設定などがシステムによって自動的に行われる。
従って、運用者の経験やスキルに依存することなく故障の診断が自動的に行われ、また、運用者によるシステム再構築要否の判定や再構築手順の設定などの作業が排除され、故障状態に応じたシステム再構築手順が自動的に運用卓画面に表示されるので、システム運用再開までの時間を短縮することができる。
実施の形態1.
以下、図面に基づいて、本発明の一実施の形態例について説明する。
図1は、実施の形態1による冗長系を有した設備運用システムの構成を概念的に示す図
である。
本実施の形態では、運用対象設備(即ち、監視や制御の対象となる設備)が、例えば、人工衛星である場合の「冗長系を有した設備運用システム」について説明する。
図1において、400は運用対象設備である人工衛星、201は人工衛星400との間で人工衛星の運用に必要な各種データを送受信するA系統(常用系)のアンテナA(ANT−A)、211は人工衛星400との間で人工衛星の運用に必要な各種データを送受信するB系統(冗長系)のアンテナB(ANT−B)である。
202はアンテナA(ANT−A)201が送受信するデータを処理するA系統の送受信設備−Aである。
301はA系統の計算機設備であり、衛星制御計算機−A302および送受信設備制御計算機−A303で構成されている。
同様に、311はB系統の計算機設備であり、衛星制御計算機−B312および送受信設備制御計算機−B313で構成されている。
また、100は故障診断システムであって、この故障診断システム100は、故障監視/制御システム101、送受信設備監視システム102、計算機設備監視システム103などで構成されている。
送受信設備監視システム102は、通常時(常用時)は、A系統の送受信設備−A202の動作を監視し、計算機設備監視システム103は、A系統の計算機設備301およびB系統の計算機設備311の動作を監視する。
故障監視/制御システム101は、送受信設備監視システム102および計算機設備監視システム103からの監視情報を受けており、A系統の計算機設備301およびB系統の計算機設備311を監視/制御する。
また、104は運用卓画面であって、これによって、運用者は故障監視/制御システム101を監視/制御する。
運用卓画面104は、各監視システムに常時接続されていると共に、故障監視/制御システム101と通信する。
なお、A系統の設備は、通常時(異常がない場合)使用されるメインの設備(即ち、常用系の設備)であり、B系統の設備は、異常が発生した場合に切り替えられる冗長系の設備である。
図2は、本実施の形態による冗長系を有した設備運用システムにおいて、各種プロセスと設備との関係を説明するための図である。
図1および図2を参照しながら、A系統の送受信設備の一部である設備A1(図示なし)が故障した場合を例として、本実施の形態における故障検知・故障診断・報知・システム再構築(再構成)のプロセス(プログラム/手段)を以下に説明する。
(1)送受信設備監視システム102上において動作する送受信設備故障監視プロセス601は、A系統の送受信設備−A202の一部である設備A1が故障したとの故障情報801を検知する。
(2)送受信設備故障監視プロセス601は、故障診断システム100上において動作する故障診断プロセス501に、故障設備と故障状態の情報を通知(報知)する。
(3)故障診断プロセス501は、故障情報を受領し、予め定義(設定)されたルールに従って、故障内容と故障状態を診断し、設備構成の再構築処置(即ち、冗長系の設備への切り替え)の要否を判定し、故障報知プロセス503および再構築制御プロセス502に通知する。
本実施の形態では、設備の再構築処置が必要であった場合とする。
(4)故障診断プロセス501は、予め定義されたルールに基づいて、再構築運用手順
を決定し、故障報知プロセス503および再構築制御プロ502に通知する。
(5)故障報知プロセス503は、通知を受けた再構築処置の要否および故障状態に応じて予め制御計算機に設定されている再構築運用手順の情報を運用卓画面701(図1の運用卓画面104に相当)に通知する。
(6)再構築制御プロセス502は、故障診断プロセス501から通知を受けた再構築運用手順の情報に従って、送受信設備制御計算機901(図1の送受信設備制御計算機−A302に相当)および衛星制御計算機902(図1の衛星制御計算機−A303に相当)に対して、逐次的に再構築手順の実行を命令する。
本実施の形態では、常用系であるA系統の設備A1が故障したことにより、設備A1の冗長系としてスタンバイ状態であるB系統の設備B1を使用させるための設備構成変更の制御手順を実行するように、送受信設備制御計算機901に命令する。
(7)送受信設備制御計算機901は、実行命令に従って予め設定されている設備構成変更の制御運用手順を実行し、実行結果を再構築制御プロセス502に通知する。
(8)再構築制御プロセス502は、実行結果通知を受領し、故障報知プロセス503に通知する。
(9)実行結果通知を受領した故障報知プロセス503は、通知を受けた再構築処置の実施結果情報を運用卓画面701に通知する。
(10)再構築処置の実施結果情報の通知を受けた運用卓画面701で、システム運用者が結果を識別し、システムを再構築して(即ち、故障設備を対応する冗長系の設備に切り替えて)、システムの運用を再開する。
図3は、上述した一連のプロセスを示すフローチャートである。
図において、S101は故障検知ステップであって、送受信設備故障監視プロセス601あるいは計算機設備故障監視プロセス602によって、A系統の送受信設備―A202あるいはA系統の計算機設備301の故障を検知する。
次に、ステップS102において、故障診断プロセス501は、送受信設備故障監視プロセス601あるいは計算機設備故障監視プロセス602から受領する検知情報(即ち、故障設備および故障状態の情報)に基づいて、故障状態を診断し、システム再構築の要否(即ち、冗長系設備への切り替えの要否)を判定する。
次に、ステップS103において、故障診断プロセス501は、システム再構築が必要な場合、必要な再構築手順(即ち、予め設定されている故障状態に応じた再構築手順)と再構築実施設備を選択・決定する。
次に、ステップS104において、システムの再構築手順開始に際して、故障報知プロセス503は故障診断プロセス501が選択・決定した再構築手順情報を運用卓画面701(即ち、運用卓画面104)に報知し、表示する。
そして、ステップS105において、再構築制御プロセス502は、決定された再構築手順に基づいて、設備制御プロセス(図示なし)に実行を命令し、該設備制御プロセスは冗長系設備への切り替えを制御する。
次に、再構築が完了すると、ステップ106において、再構築が完了した情報を再構築制御プロセス502が受領し、再構築実施結果(再構築完了通知)を運用卓画面701に報知する。
これで、本実施の形態における一連のプロセスは終了する。
なお、図3におけるステップ107は、後述する実施の形態2に関連するものであって実施の形態2では、運用対象設備である人工衛星異常時の緊急制御コマンド運用実施中に、同時に運用中の衛星制御計算機が故障した発生場合を想定し、予め衛星制御処理を冗長系制御計算機においてトレース(シャドーコマンド)している。
このような場合に、ステップ106が終了すると、ステップ107において、トレースされていた運用対象設備(人工衛星)の運用手順を再開する。
本実施の形態では、上述した一連の運用再開手順(即ち、ステップS101〜ステップS106)を通すことによって、運用者の経験や操作等に頼ることなく、システムによる運用系ルートの再構築処置を短時間で確実に行うことができる。
システム運用者は、故障発生情報の検知から運用再開までの運用手順を、運用再開可能状態となる状態(即ち、システムが確立している状態)まで故障診断システムが自動実行するため、運用者は再構築操作を実施する必要はない。
このように、本実施の形態によれば、例えば、地上局設備を対象として故障発生ケースに応じた故障診断手順と設備切り替え運用手順を予め定義(設定)すると共に、故障監視/制御システム101を通じて常に監視する。
なお、予め設定された「故障発生ケースに応じた故障診断手順および設備切り替え運用手順」は、例えば、送受信設備計算機−A303などに保存されている。
故障発生時には、故障監視/制御システム101が故障診断手順を実行し、診断結果に対応した設備切り替え運用手順を実行するように、故障監視/制御システム101に通知する。
故障診断プロセス501から設備切り替え指示を受けた故障監視/制御システム101は、予め設定された運用手順に従って、必要な切り替え制御を実行することにより、運用可能なシステムを再構築する。
故障監視/制御システム101が再構築完了通知を受け取ると、運用画面に故障診断結果・自動復旧処置結果を通知する。
これにより、システム構成再構築後に、自動復旧通知を受けて即時に運用再開が可能である。
即ち、従来のような運用者の判断よる再構築を実行する場合と比べて、冗長系設備への切り替え完了までの時間を大幅に短縮できる。
また、運用者は通知内容を確認することにより設備故障部位を確認し故障修理等の処置を速やかに進めることができる。
なお、上記した本実施の形態では、運用対象設備が人工衛星である場合について述べているが、運用対象設備は人工衛星に限られるものではなく、電力プラントシステムや工業プラントシステムなどにおいて、システム運用のために故障監視装置や制御装置が冗長系を有している設備運用システムに適用されてもよいことは言うまでもない。
以上説明したように、本実施の形態による冗長系を有した設備運用システムは、運用対象設備(例えば、人工衛星400)を監視・制御する冗長系を有した設備運用システムであって、常用系設備(例えば、送受信設備−A202、衛星制御計算機−A302、送受信設備制御計算機303など)の動作を監視して故障を検知する共に、これら常用系設備の動作を制御する故障監視・制御手段101と、故障監視・制御手段101が検知する検知情報に基づいて常用系設備の故障状態を診断し、システム再構築の要否を判定すると共に、システム再構築が必要な場合、故障状態に応じて予め設定されている再構築手順と再構築実施設備を選択・決定する故障診断手段501と、再構築手順開始に際して、故障診断手段501が選択・決定した再構築手順情報を運用卓画面104に報知して表示する故障報知手段503と、決定された再構築手順に基づいて、常用系の故障設備に対応する冗長系の設備に切り替え制御すると共に、再構築実施結果を運用卓画面104に報知する再構築制御手段502とを備えている。
本実施の形態によれば、故障監視・制御手段が検知する検知情報に基づいて常用系設備
の故障状態を診断し、システム再構築の要否を判定すると共に、システム再構築が必要な場合、故障状態に応じて予め設定されている再構築手順と再構築実施設備を選択・決定する故障診断手段を有しているので、実際に故障が発生した場合、故障状態の診断、システム再構築要否の判定、再構築手順の設定などがシステムによって自動的に行われる。
従って、運用者の経験やスキルに依存することなく故障の診断が自動的に行われ、また、運用者によるシステム再構築要否の判定や再構築手順の設定などの作業が排除され、故障状態に応じたシステム再構築手順が自動的に運用卓画面に表示されるので、システム運用再開までの時間を短縮することができる。
実施の形態2.
図1および図2を参照しながら、A系統の計算機設備301の一部である設備A2(図示なし)が故障した場合を例として、本実施の形態における故障検知・故障診断・報知・システム再構築のプロセス(プログラム/手段)を以下に説明する。
(1)計算機設備監視システム103上において動作する計算機設備故障監視プロセス602は、計算機設備の一部である衛星制御計算機−A302が故障した故障情報802を検知する。
(2)故障診断システム100上において動作する故障診断プロセス501に、計算機設備監視システム103から故障設備と故障状態の情報を通知(報知)する。
(3)故障診断プロセス501は、故障情報を受領し、予め定義されたルールに従って、故障内容と故障状態を診断し、設備構成の再構築処置の要否を判定し、故障報知プロセス503および再構築制御プロセス502に通知する。
本実施の形態でも、設備の再構築処置が必要であった場合とする。
(4)故障診断プロセス501は、予め定義されたルールに基づいて、再構築運用手順を決定し、故障報知プロセス503および再構築制御プロセス502に通知する。
(5)故障報知プロセス503は、通知を受けた再構築処置の要否および再構築運用手順の情報を運用卓画面701(図1の運用卓画面104に相当)に通知する。
(6)再構築制御プロセス502は、故障診断プロセス501から通知を受けた再構築運用手順の情報に従って、計算機設備制御計算機(図示なし)および衛星制御計算機902に対して、逐次的に再構築手順の実行を命令する。
本実施の形態では、A系統の計算機設備301の一部である設備A2が故障したことにより、設備A2の冗長系としてスタンバイ状態であるB系統の計算機設備311の一部である設備B2を使用させるための設備構成変更の制御手順を実行するように、計算機設備制御計算機に命令する。
(7)計算機設備制御計算機901は、実行命令に従って予め設定されている設備構成変更の制御運用手順を実行し、実行結果を再構築制御プロセス502に通知する。
(8)再構築制御プロセス502は、実行結果通知を受領し、故障報知プロセス503に通知する。
(9)実行結果通知を受領した故障報知プロセス503は、通知を受けた再構築処置の実施結果情報を運用卓画面701に通知する。
(10)再構築処置の実施結果情報の通知を受けた運用卓画面701では、設備故障発生の時点で実行を停止した衛星運用手順を予め冗長系制御計算機にトレース(シャドー)しておく。
(11)再構築処置の実施結果情報の通知を受けた運用卓画面701で、システム運用者が結果を識別し、運用を再開する。
なお、本実施の形態においては、設備故障発生の時点で実行を停止した衛星運用手順を、予め冗長系制御計算機にトレース(シャドー)してするので、実行していた冗長系設備
を使用して、速やかに運用対象設備の運用を再開させることができる。
また、運用再開にあたっては、運用者に再開手順を判断させることなく、迅速な運用再開を実現することが可能である。
以上説明したように、本実施の形態による冗長系を有した設備運用システムおいては、運用対象設備の運用手順は、予め冗長系の制御計算機にトレースされている。
従って、本実施の形態では、前述の実施の形態1と同様に、再構築処置を短時間で確実な運用を実現するとともに、設備故障発生の時点で停止した運用手順の再開プロセスにおいて、運用者が停止ポイントを判断せずに、一連の連続したプロセスで運用再開することが可能である。
実施の形態3.
前述の実施の形態1あるいは実施の形態2では、常用系(A系統)の設備に発生した故障の状況を判断し、冗長系の設備に切り替える場合(即ち、システムを再構築する場合)について説明した。
本実施の形態では、システム再構築の処置は不要な場合について述べる。
本実施の形態は、以下の3つのステップを備えている。
(1)地上局設備を対象として、故障発生ケースに応じた故障診断手順と設備切り替え運用手順を予め定義するとともに、故障監視/制御システムを通じて常に監視する。
つまり、図3のステップS101に示すように、送受信設備故障監視プロセス601あるいは計算機設備故障監視プロセス602によって、A系統の送受信設備―A202あるいはA系統の計算機設備301の故障を検知する。
(2)次に、故障発生時には、故障監視/制御システム101が故障診断手順を実行し、故障監視/制御システム101がシステムの再構築処置は不要であると診断した場合は、システムの再構築処置は不要であることを運用卓画面104に報知する。
即ち、このステップは、図3に示したステップS102においてシステム再構築が不要であると判定された場合に、ステップS102からステップS106にスキップするステップである。
(3)運用者は運用卓画面104に報知された内容(故障設備と故障状態の診断・判定結果)を確認することにより、設備故障部位を確認し、システム再構築は行わず、運用を継続しながら故障修理等の処置を速やかに進めることができる。
以上説明したように、本実施の形態による冗長系を有した設備運用システムおいては、故障診断手段501がシステム再構築不要であると判定し場合は、システム再構築は行わず、システム再構築処置が不要であることを運用卓画面104に報知する。
従って、システムの再構築は行わず、運用を継続しながら故障修理等の処置を速やかに行うことができる。
運用者の経験やスキルに依存することなく、自動的な故障診断やシステム再構築が可能な冗長系を有した設備運用システムの実現に有用である。
本発明による設備運用システムの構成を概念的に示す図である。 本発明による設備運用システムにおける各種プロセスと設備との関係を説明するための図である。 本発明による設備運用システムにおけるプロセスを説明するためのフローチャートである。
符号の説明
100 故障診断システム
101 故障監視/制御システム(故障監視/制御手段)
102 送受信設備監視システム 103 計算機設備監視システム
104、701 運用卓画面
201 アンテナA(ANT−A) 202 送受信設備−A
211 アンテナB(ANT−B) 212 送受信設備−B
301 A系統の計算機設備 302 衛星制御計算機−A
303 送受信設備制御計算機−A 311 B系統の計算機設備
312 衛星制御計算機−B 313 送受信設備制御計算機−B
400 運用対象設備(人工衛星)
501 故障診断プロセス(故障診断手段)
502 再構築制御プロセス(再構築制御手段)
503 故障報知プロセス(故障報知手段)
601 送受信設備故障監視プロセス
602 計算機設備故障監視プロセス
801、802 故障情報
901 送受信設備制御計算機 902 衛星制御計算機

Claims (5)

  1. 運用対象設備を監視・制御する冗長系を有した設備運用システムであって、
    常用系設備の動作を監視して故障を検知する共に、上記常用系設備の動作を制御する故障監視・制御手段と、
    上記故障監視・制御手段が検知する検知情報に基づいて上記常用系設備の故障状態を診断し、システム再構築の要否を判定すると共に、システム再構築が必要な場合、上記故障状態に応じて予め設定されている再構築手順と再構築実施設備を選択・決定する故障診断手段と、
    再構築手順開始に際して、上記故障診断手段が選択・決定した再構築手順情報を運用卓画面に報知して表示する故障報知手段と、
    決定された再構築手順に基づいて、常用系の故障設備に対応する冗長系の設備に切り替え制御すると共に、再構築実施結果を上記運用卓画面に報知する再構築制御手段とを備えたことを特徴とする冗長系を有した設備運用システム。
  2. 上記運用対象設備の運用手順は、予め冗長系の制御計算機にトレースされていることを特徴とする請求項1に記載の冗長系を有した設備運用システム。
  3. 上記故障診断手段がシステム再構築不要であると判定し場合は、システム再構築は行わず、システム再構築処置が不要であることを上記運用卓画面に報知することを特徴とする請求項1に記載の冗長系を有した設備運用システム。
  4. 上記運用対象設備は人工衛星であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冗長系を有した設備運用システム。
  5. 運用対象設備を監視・制御する冗長系を有した設備運用方法であって、
    常用系設備の動作を監視して故障を検知する共に、上記常用系設備の動作を制御する故障監視・制御ステップと、
    上記故障監視・制御ステップにおいて検知する検知情報に基づいて上記常用系設備の故障状態を診断し、システム再構築の要否を判定すると共に、システム再構築が必要な場合、上記故障状態に応じて予め設定されている再構築手順と再構築実施設備を選択・決定する故障診断ステップと、
    再構築手順開始に際して、上記故障診断ステップにおいて選択・決定した再構築手順情報を運用卓画面に報知して表示する故障報知ステップと、
    決定された再構築手順に基づいて、常用系の故障設備に対応する冗長系の設備に切り替え制御すると共に、再構築実施結果を上記運用卓画面に報知する再構築制御ステップとを備えたことを特徴とする冗長系を有した設備運用方法。
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