JP5924444B1 - りん酸形燃料電池及びりん酸形燃料電池の製造方法 - Google Patents

りん酸形燃料電池及びりん酸形燃料電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工数を低減できると共にガス漏れ等の不具合の発生を抑制することができるりん酸形燃料電池及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】りん酸形燃料電池10は、リン酸を保持した平板状のマトリックス14を燃料電極16と空気電極17とで挟持し、その両外面にガス流路30,31を有する多孔質カーボン板18,19をそれぞれ配置して構成した単セル20と、単セル20の両外面にそれぞれ配置されたガス不透過性のセパレータ22とを備え、多孔質カーボン板18,19のガス流路30,31の開口部30a,31aが形成されていない側面18b,19bに端部シール部24,25を配置した構成において、端部シール部24,25及びセパレータ22が同一材料で一体成形された構造である。【選択図】図1

Description

本発明は、単セルの外面にセパレータ及び端部シール部を設けたりん酸形燃料電池及びその製造方法に関する。
りん酸形燃料電池は、電解質となるリン酸を保持した平板状のマトリックスを燃料電極と空気電極とで挟持すると共に、その両外面にガス流路を有する多孔質カーボン板を配置することで単セルを構成し、さらにガス不透過性のセパレータを挟んで単セルを積層したスタック構造とされている。セパレータはガス不透過性と共に電解質であるリン酸に対する耐食性が求められるため、従来は例えばセルロース繊維からなる紙に熱硬化性樹脂を含浸し、乾燥後積層してプレスした後、さらに焼成することで製造していた。
このようなりん酸形燃料電池に関し、特許文献1には、多孔質カーボン板のガス流路を設けた開口部を有する側面とは異なる側面に端部シール部を設けた構成が開示されている。端部シール部は、多孔質カーボン板の側面からのガスや蒸発したリン酸の漏れを防止するためのものである。
特開昭63−318075号公報
ところで、上記した端部シール部についてもセパレータと同様にガス不透過性と共にリン酸に対する耐食性が必要となる。さらに特許文献1の構成のように端部シール部をセパレータと別体構造とした場合は、端部シール部とセパレータとの間の端面からのガス漏れも防止する必要がある。そこで、特許文献1の構成では、端部シール部を緻密なカーボン材で形成し、さらにこれとセパレータとの間にフッ素樹脂層を挟んで両者を圧着接合することで、ガス不透過性やリン酸に対する耐食性、さらにはガス漏れを防止しようとしている。
ところが、特許文献1の構成では、端部シール部とセパレータとをそれぞれ別部材として製造し、さらに両者をフッ素樹脂層を挟んで熱融着する必要があって製造工数が多い。しかも、端部シール部とセパレータとの間の接合状態によってはガスやリン酸の漏れを十分に防止することができない懸念もある。
本発明は、上記従来の課題を考慮してなされたものであり、製造工数を低減できると共にガス漏れ等の不具合の発生を抑制することができるりん酸形燃料電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るりん酸形燃料電池は、リン酸を保持した平板状のマトリックスを燃料電極と空気電極とで挟持し、その両外面にガス流路を有する多孔質カーボン板をそれぞれ配置して構成した単セルと、前記単セルの両外面にそれぞれ配置されたガス不透過性のセパレータとを備え、前記多孔質カーボン板の前記ガス流路の開口部が形成されていない側面に端部シール部を配置したりん酸形燃料電池であって、前記端部シール部及び前記セパレータが同一材料で一体成形された構造であることを特徴とする。
このような構成によれば、いずれもガス不透過性とリン酸に対する耐食性が求められる端部シール部及びセパレータを一体成形した構造とすることで、所望の性質を持った端部シール部及びセパレータを少ない製造工数で形成できる。しかも、端部シール部及びセパレータが一体成形されているため、特別なシール構造等を設けることなく両者の端面間でのガス漏れ等の不具合の発生を抑制することができる。
前記端部シール部及び前記セパレータは、黒鉛粉末と樹脂粉末の混合材料を圧縮成形した構造であってもよい。そうすると、高いガス不透過性及び電気伝導性とリン酸に対する耐食性とが得られ、しかも両者を容易に一体成形することができる。
この場合、樹脂粉末は、フッ素系樹脂であると、より高いガス不透過性とリン酸に対する耐食性とを確保できる。
前記端部シール部は、前記多孔質カーボン板側とは反対側の側面である外面の角部に面取り部を有した構成であってもよい。すなわち、面取り部を形成することで端部シール部の成形時に生じる角部でのバリが除去され、同時に対極間の端部シール部同士の距離が確保されるため、該対極間の端部シール部同士が直接的に接触し、短絡することが防止される。
前記端部シール部及び前記セパレータと、前記多孔質カーボン板とが一体に接合された構造であってもよい。そうすると、当該りん酸形燃料電池のスタックを形成する際、セパレータと多孔質カーボン板とを積層する工程が不要となり、製造工数が一層低減される。
本実施形態に係るりん酸形燃料電池の製造方法は、リン酸を保持した平板状のマトリックスを燃料電極と空気電極とで挟持し、その両外面にガス流路を有する多孔質カーボン板をそれぞれ配置して構成した単セルと、前記単セルの両外面にそれぞれ配置されたガス不透過性のセパレータとを備え、前記多孔質カーボン板の前記ガス流路の開口部が形成されていない側面に端部シール部を配置したりん酸形燃料電池の製造方法であって、前記端部シール部及び前記セパレータを同一材料で圧縮成形により一体成形することを特徴とする。
黒鉛粉末と樹脂粉末の混合材料を金型内で圧縮力に加えて加熱することで、前記端部シール部及び前記セパレータを一体成形してもよい。
黒鉛粉末と樹脂粉末の混合材料を金型内で圧縮力に加えて加熱成形する場合、前記樹脂粉末が溶融する温度で加熱してもよい。
本発明によれば、いずれもガス不透過性とリン酸に対する耐食性が求められる端部シール部及びセパレータを一体成形した構造とすることで、所望の性質を持った端部シール部及びセパレータを少ない製造工数で形成できる。しかも、端部シール部及びセパレータが一体成形されているため、特別なシール構造等を設けることなく両者の端面間でのガス漏れ等の不具合の発生を抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るりん酸形燃料電池の構成を模式的に示した分解斜視図である。 図2は、図1に示すりん酸形燃料電池の電池本体の断面図である。 図3は、図1に示すりん酸形燃料電池の一部を拡大した側面図である。 図4は、端部シール部に設けた面取り部の設置例を示す説明図である。 図5は、セパレータ及び端部シール部の製造方法の一手順を示す工程フロー図である。 図6は、セパレータ及び端部シール部を金型を用いて製造している状態を示す説明図である。
以下、本発明に係るりん酸形燃料電池について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るりん酸形燃料電池10の構成を模式的に示した分解斜視図である。また、図2は、図1に示すりん酸形燃料電池10の電池本体12の断面図であり、図3は、図1に示すりん酸形燃料電池10の一部を拡大した側面図である。
図1〜図3に示すように、りん酸形燃料電池10は、平板状のマトリックス14を燃料電極16と空気電極17で挟持した電池本体12の両外面に多孔質カーボン板18,19を配置して構成した単セル20と、単セル20の両外面に配置されたセパレータ22,22と、セパレータ22の両面縁部に配置された端部シール部24,25とを備える。
本実施形態では、図1に示すように単セル20をセパレータ22を挟んで3層積層し、両端側の単セル20の外面にそれぞれ終端となるセパレータ26,27を配置したスタック構造のりん酸形燃料電池10を例示して説明する。なお、単セル20の積層数は適宜変更可能である。
図2に示すように、マトリックス14は、基材となる多孔質板に電解質となるリン酸を含む水溶液を含浸保持させたものである。燃料電極16は、白金等の電極触媒で形成された触媒層16aと、ガス透過性を有する多孔質板の電極基材16bとの積層体である。空気電極17は、白金等の電極触媒で形成された触媒層17aと、ガス透過性を有する多孔質板の電極基材17bとの積層体である。
これらマトリックス14、燃料電極16及び空気電極17を積層した電池本体12には、その外周縁部を囲む絶縁シート28が設けられている(図1及び図2参照)。絶縁シート28は、例えばPTFE等の樹脂素材を矩形環状に形成したシートであり、電池本体12の外周縁部を囲むことで積層される単セル20間での電池本体12同士が短絡することを防止するものである。
一方の多孔質カーボン板18は、燃料電極16の外面に配置されるものであり、燃料電極16に当接する面に燃料ガスが流通するガス流路30が複数形成されている。各ガス流路30は並列して一方向に向かって形成された溝部であり、互いに対向する側面18a,18aに設けられた開口部30aで外部に開口している。
他方の多孔質カーボン板19は、空気電極17の外面に配置されるものであり、空気電極17に当接する面に空気(酸化剤ガス)が流通するガス流路31が複数形成されている。各ガス流路31は並列して一方向に向かって形成された溝部であり、互いに対向する側面19a,19aに設けられた開口部31aで外部に開口している。この多孔質カーボン板19は、燃料電極16側の多孔質カーボン板18と比べ、同形状であって積層方向で裏表が逆に配置されると共に、ガス流路31がガス流路30に対して直交する方向に配置される。
多孔質カーボン板18,19は、ガス流路30,31を備えることで燃料ガスや空気のガス通路板として機能し、さらに多孔質であることでリン酸のリザーバ板としても機能する。すなわち、りん酸形燃料電池10の運転中はマトリックス14に保持されたリン酸が蒸発して外部に排出され、その保持量が次第に減少する。そこで、多孔質カーボン板18,19にリン酸を貯留させておくことで、リン酸が減少したマトリックス14に対してリン酸を補充することができる。なお、燃料電極16側の多孔質カーボン板18にリン酸を貯留しておけば、空気電極17側の多孔質カーボン板19にはリン酸を貯留していなくてもよい。多孔質カーボン板18,19は後述するセパレータ22及び端部シール部24,25を一体成形する際、これと一体に接合される。
セパレータ22は、その一面側に燃料電極16側の多孔質カーボン板18が配置される一方、その他面側に空気電極17側の多孔質カーボン板19が配置され、これにより積層されて隣接する単セル20,20間での燃料ガスと空気の混合を防止し、同時に隣接する単セル20,20間を電気的に接続するものである。従って、セパレータ22は、ガス不透過性と電気伝導性に優れた材質で形成される必要があり、さらにリン酸の透過を防止するため、リン酸に対する耐食性も求められる。そこで、本実施形態の場合、セパレータ22を黒鉛粉末とフッ素系樹脂粉末の混合材料を圧縮成形して形成することで、高いガス不透過性と電気伝導性、さらにリン酸に対する高い耐食性を確保している。さらにセパレータ22は端部シール部24,25と一体に成形されるが、その製造方法の具体例は後述する。
一方の端部シール部24は、セパレータ22の燃料電極16側の面の互いに対向する縁部に一対設けられ、多孔質カーボン板18におけるガス流路30の開口部30aが形成されていない側面18b,18bに当接するように設けられている。つまり端部シール部24は、多孔質カーボン板18の開口部30aが形成された各側面18aと直交した各側面18bに配置されることでガス流路30と平行配置される。これにより端部シール部24は、ガス流路30から多孔質カーボン板18の側面18bの外側へと透過した燃料ガスが電池本体12の側部を回り込み、対極となる空気電極17側に漏洩することを防止する。
他方の端部シール部25は、セパレータ22の空気電極17側の面の互いに対向する縁部に一対設けられ、多孔質カーボン板19におけるガス流路31の開口部31aが形成されていない側面19b,19bに当接するように設けられている。つまり端部シール部25は、多孔質カーボン板19の開口部31aが形成された各側面19aと直交した各側面19bに配置されることでガス流路31と平行配置され、端部シール部24に対しては直交するように配置される。これにより端部シール部25は、ガス流路31から多孔質カーボン板19の側面19bの外側へと透過した空気ガスが電池本体12の側部を回り込み、対極となる燃料電極16側に漏洩することを防止する。
従って、端部シール部24,25は、セパレータ22と同様にガス不透過性と電気伝導性に優れ、且つリン酸に対する耐食性も有する必要がある。そこで、本実施形態の場合、端部シール部24,25をセパレータ22と同一材料で一体成形することで、高いガス不透過性と電気伝導性、さらにリン酸に対する高い耐食性を確保している。また、端部シール部24,25は、多孔質カーボン板18,19でのガス流路30,31の高さを十分に確保する必要があるため、例えば1〜3mm程度、好ましくは2mm程度の厚みに設定される。
図3に示すように、端部シール部24,25は、それぞれが当接配置される多孔質カーボン板18,19側とは反対側の側面である外面24a,25aの角部に面取り部24b,25bを有する(図4中に破線で示す面取り部24b,25bも参照)。面取り部24b,25bを形成することで端部シール部24,25の成形時に生じる角部でのバリが除去され、同時に電池本体12を挟んだ対極間の端部シール部24,25同士の距離が確保されるため、該対極間の端部シール部24,25同士が電池本体12の側部で直接的に接触し、短絡することが防止される。
図1に示すように、りん酸形燃料電池10のスタックの両端に設けられるセパレータ26,27は、それぞれセパレータ22に端部シール部24のみを設けた構成、セパレータ22に端部シール部25のみを設けた構成とされている。
次に、本実施形態に係るりん酸形燃料電池10の製造方法の一例として、特にセパレータ22と端部シール部24,25の製造方法を具体的に例示して説明する。
図5は、セパレータ22及び端部シール部24,25の製造方法の一手順を示す工程フロー図であり、図6は、セパレータ22及び端部シール部24,25を金型32を用いて製造している状態を示す説明図である。上記したように本実施形態ではセパレータ22と端部シール部24,25を一体成形する際、合わせて多孔質カーボン板18,19を接合するため、図5及び図6はその方法を例示している。
図5中のステップS1に示すように、先ず、黒鉛粉末とフッ素系樹脂粉末を所定の混合比で混ぜた混合粉末を形成する。この混合比は、例えば黒鉛粉末とフッ素系樹脂粉末の体積比が7:3〜9:1程度となるように混合する。好ましくは黒鉛粉末とフッ素系樹脂粉末の体積比が8:2となるように混合することで、後工程の圧縮成形時に溶融したフッ素系樹脂粉末を黒鉛粉末の粒子間の隙間に行き渡らせることができる。フッ素系樹脂粉末としては、PTFE、PFA等を使用できる。
次いで図6に示すように、予め製造した多孔質カーボン板18,19を金型32のキャビティ内の所定位置に配置し(ステップS2)、続いて金型32のキャビティ内にステップS1で形成した混合粉末Pを充填する(ステップS3)。この際、金型32内には、ガス流路30,31を形成前の平板状の多孔質カーボン板18,19がセットされる。
パンチ34を押し下げることで、金型32内に充填した混合粉末Pを圧縮成形する(ステップS4)。この圧縮成形はパンチ34を所定圧力で押圧することで、混合粉末Pが所定密度、例えば1〜3g/cm、好ましくは2g/cmとなるように行われる。この際、パンチ34による圧縮力に加えて金型32内を加熱することにより、混合粉末Pに含まれるフッ素系樹脂粉末が溶融する温度、例えば300〜400℃に維持する。これにより、溶融したフッ素系樹脂粉末が黒鉛粉末の粒子間の隙間に浸入して緻密な材質が形成され、端部シール部24,25が一体成形されたセパレータ22が形成される。同時に、圧縮成形されたセパレータ22及び端部シール部24,25の内側に多孔質カーボン板18,19が一体化され、さらに溶融したフッ素系樹脂粉末がバインダーとなってセパレータ22と多孔質カーボン板18,19が一体に接合される。その結果、端部シール部24,25を一体型としたセパレータ22と多孔質カーボン板18,19の接合体が形成される(ステップS5)。
その後は金型32を開いて形成した接合体を取り出して所定の板厚に平面加工し、端部シール部24,25の外面24a,25aの角部を所定値、例えばC0.5で面取りを実施することで面取り部24b,25bを形成し、さらに多孔質カーボン板18,19にガス流路30,31を切削加工等によって形成する。これにより、端部シール部24,25を一体に形成したセパレータ22と多孔質カーボン板18,19の接合体の製造が完了するため、この接合体と電池本体12とを適宜積層することで、図1に示すりん酸形燃料電池10が製造される。
なお、多孔質カーボン板18,19は必ずしもセパレータ22と一体的に接合する必要はない。この場合は、図5中のステップS2を省略して混合粉末Pを金型32内で圧縮成形することで端部シール部24,25を一体型としたセパレータ22を形成し、その後、図1に示すりん酸形燃料電池10の製造時に多孔質カーボン板18,19を積層すればよい。
またスタックの両端に設けられるセパレータ26,27についても、それぞれ端部シール部24,25のみを設けた状態とし、セパレータ22と同様に成形すればよい。
以上のように、本実施形態に係るりん酸形燃料電池10は、リン酸を保持した平板状のマトリックス14を燃料電極16と空気電極17とで挟持し、その両外面にガス流路30,31を有する多孔質カーボン板18,19をそれぞれ配置して構成した単セル20と、単セル20の両外面にそれぞれ配置されたガス不透過性のセパレータ22とを備え、多孔質カーボン板18,19のガス流路30,31の開口部30a,31aが形成されていない側面18b,19bに端部シール部24,25を配置した構成において、端部シール部24,25及びセパレータ22が同一材料で一体成形された構造である。
すなわち、端部シール部24,25及びセパレータ22は、いずれもガス不透過性とリン酸に対する耐食性が求められる。そこで、当該りん酸形燃料電池10では、これら端部シール部24,25及びセパレータ22を一体成形することで、所望の性質を持った端部シール部24,25及びセパレータ22を少ない製造工数で形成できる。しかも、端部シール部24,25及びセパレータ22が一体成形されているため、特別なシール構造等を設けることなく両者の端面間でのガス漏れ等の不具合の発生を抑制することができる。
当該りん酸形燃料電池10では、さらに端部シール部24,25及びセパレータ22と、多孔質カーボン板18,19とが一体に接合された構造としている。具体的には、金型32内に多孔質カーボン板18,19を配置して端部シール部24,25及びセパレータ22を圧縮成形することで、端部シール部24,25及びセパレータ22と多孔質カーボン板18,19とを一体に接合している。これにより、りん酸形燃料電池10のスタックを形成する際、セパレータ22と多孔質カーボン板18,19とを積層する工程が不要となり、製造工数が一層低減される。
本実施形態の場合、端部シール部24,25及びセパレータ22は、黒鉛粉末と樹脂粉末の混合材料を圧縮成形した構造であるため、高いガス不透過性及び電気伝導性と、リン酸に対する耐食性とが得られ、しかも両者を容易に一体成形することができる。特に、樹脂粉末としてフッ素系樹脂を用いているため、より高いガス不透過性とリン酸に対する耐食性とを確保できる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
10 りん酸形燃料電池
12 電池本体
14 マトリックス
16 燃料電極
16a,17a 触媒層
16b,17b 電極基材
17 空気電極
18,19 多孔質カーボン板
18a,18b,19a,19b 側面
20 単セル
22,26,27 セパレータ
24,25 端部シール部
24a,25a 外面
24b,25b 面取り部
28 絶縁シート
30,31 ガス流路
30a,31a 開口部
32 金型

Claims (8)

  1. リン酸を保持した平板状のマトリックスを燃料電極と空気電極とで挟持し、その両外面にガス流路を有する多孔質カーボン板をそれぞれ配置して構成した単セルと、
    前記単セルの両外面にそれぞれ配置されたガス不透過性のセパレータと、
    を備え、前記多孔質カーボン板の前記ガス流路の開口部が形成されていない側面に端部シール部を配置したりん酸形燃料電池であって、
    前記端部シール部及び前記セパレータが同一材料で一体成形され、前記端部シール部は、前記多孔質カーボン板側とは反対側の側面である外面の角部に面取り部を有する構造であることを特徴とするりん酸形燃料電池。
  2. リン酸を保持した平板状のマトリックスを燃料電極と空気電極とで挟持し、その両外面にガス流路を有する多孔質カーボン板をそれぞれ配置して構成した単セルと、
    前記単セルの両外面にそれぞれ配置されたガス不透過性のセパレータと、
    を備え、前記多孔質カーボン板の前記ガス流路の開口部が形成されていない側面に端部シール部を配置したりん酸形燃料電池であって、
    前記端部シール部及び前記セパレータが同一材料で一体成形され、前記端部シール部及び前記セパレータは、黒鉛粉末と樹脂粉末の混合材料を成形した構造であることを特徴とするりん酸形燃料電池。
  3. 請求項1記載のりん酸形燃料電池において、
    前記端部シール部及び前記セパレータは、黒鉛粉末と樹脂粉末の混合材料を成形した構造であることを特徴とするりん酸形燃料電池。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のりん酸形燃料電池において、
    前記端部シール部及び前記セパレータと、前記多孔質カーボン板とが一体に接合された構造であることを特徴とするりん酸形燃料電池。
  5. リン酸を保持した平板状のマトリックスを燃料電極と空気電極とで挟持し、その両外面にガス流路を有する多孔質カーボン板をそれぞれ配置して構成した単セルと、
    前記単セルの両外面にそれぞれ配置されたガス不透過性のセパレータと、
    を備え、前記多孔質カーボン板の前記ガス流路の開口部が形成されていない側面に端部シール部を配置したりん酸形燃料電池の製造方法であって、
    前記端部シール部及び前記セパレータを同一材料で圧縮成形により一体成形することを特徴とするりん酸形燃料電池の製造方法。
  6. 請求項記載のりん酸形燃料電池の製造方法において、
    黒鉛粉末と樹脂粉末の混合材料を金型内で圧縮力に加えて加熱することで、前記端部シール部及び前記セパレータを一体成形することを特徴とするりん酸形燃料電池の製造方法。
  7. 請求項記載のりん酸形燃料電池の製造方法において、
    前記樹脂粉末が溶融する温度で加熱することを特徴とするりん酸形燃料電池の製造方法。
  8. リン酸を保持した平板状のマトリックスを燃料電極と空気電極とで挟持し、その両外面にガス流路を有する多孔質カーボン板をそれぞれ配置して構成した単セルと、
    前記単セルの両外面にそれぞれ配置されたガス不透過性のセパレータと、
    を備え、前記多孔質カーボン板の前記ガス流路の開口部が形成されていない側面に端部シール部を配置したりん酸形燃料電池の製造方法であって、
    前記端部シール部及び前記セパレータを同一材料で一体成形し、前記端部シール部の前記多孔質カーボン板側とは反対側の側面である外面の角部に面取り部を形成することを特徴とするりん酸形燃料電池の製造方法。
JP2015212469A 2015-10-29 2015-10-29 りん酸形燃料電池及びりん酸形燃料電池の製造方法 Expired - Fee Related JP5924444B1 (ja)

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