JP5921256B2 - 杭打ち装置 - Google Patents
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同文献の杭打ち装置は、油圧ショベルを改造した専用機とされている。つまり、油圧ショベルの車体下部からアームを車体前方に向けて設け、このアームと、上方を向くブームとによって長尺なリーダーマストを上下に向けて傾動可能に支持する構成としている。リーダーマストには、油圧ブレーカがリーダーマストに沿って滑動可能な架台を介して取付けられている。油圧ブレーカは、ワイヤロープによってリーダーマスト上端から吊り下げられている。そして、油圧ブレーカは、ワイヤロープの他端をウインチで巻上げ・巻下げすることによってリーダーマストに沿って滑動するようになっている。油圧ブレーカは打撃機構を内蔵しており、油圧ブレーカの先端に「杭」の上端部を装着し、その上端部を油圧ブレーカで打撃することにより、「杭」を地中に圧入可能になっている。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、設備コストを比較的に抑制しつつ、圧入可能な杭の長さの制限や圧入時の杭の姿勢の制限が比較的に緩やかであり、作業効率を比較的に向上させ得る杭打ち装置を提供することを目的としている。
そして、本発明の一態様に係る杭打ち装置によれば、油圧ブレーカの通常のチゼル(打撃用のロッド)に替えて上記圧入用チゼルを装着し、その圧入用チゼルの軸部先端の球体部に上部ヘッドと下部ヘッドを組み合わせた打撃ヘッドを装着するだけで杭打ち作業が可能となるので、例えば上述の特許文献1に記載されるように、専用機とされている杭打ち装置に比べ、設備コストを抑制することができ、また、段取り替えも容易である。
しかし、本発明の一態様に係る杭打ち装置によれば、圧入用チゼルは、自身の軸部先端に球体部を有し、打撃ヘッドは、圧入用チゼルの軸部が所定角度の傾動を許容するように挿通されるテーパ穴と、そのテーパ穴に連通するとともに圧入用チゼルの球体部の滑動を許容するように収容する凹球面部とを有してなるリンクモーション追従手段を備えるので、リンクモーション追従手段により、打撃ヘッド先端部の凹部に支持する杭を、所定角度の傾動範囲内で垂直方向に補正しつつ支持することができる。なお、杭が地中に圧入されていくうちに油圧ブレーカの圧入用チゼルの角度は上記リンクモーションの関係から垂直方向を容易に維持できるようになる。
図1に示すように、この建設車両10は、下部に走行台車1を備え、走行台車1上には旋回台2が旋回可能に設けられている。旋回台2上には、オペレータの操作室であるキャビン3と、油圧機構であるブームシリンダ6によって起伏可能とされているブーム4とが設けられている。ブーム4の先端にはアーム5が枢支されており、アーム5は、油圧機構であるアームシリンダ7によって起伏可能とされている。
上述の杭打ち装置を使用する際は、まず、準備として、圧入用チゼル24の軸部24a側から上部ヘッド32を挿通し、次いで、油圧ブレーカ20に圧入用チゼル24の軸部24aを装着する。次いで、圧入用チゼル24の球体部26側から下部ヘッド36を上部ヘッド32の下面に対向させるようにして組み合わせ、上部ヘッド32および下部ヘッド36を複数の結合ボルト39で結合して、油圧ブレーカ20が一体に結合された打撃ヘッド30を組み立てる。そして、建設車両10のアーム5の先端にその油圧ブレーカ20を取付けるだけでよい。
ここで、杭Kを地中に打ち込み始める状態では、圧入したい位置で杭Kを地面GL上に直立姿勢で支持したときに、建設車両10のブーム4およびアーム5のリンクモーションの関係から、図1に符号θで示すように、油圧ブレーカ20のチゼルの角度が垂直方向から若干傾く場合もある。
また、この杭打ち装置によれば、地盤が締まっていて杭Kが圧入し難い場合や圧入速度を高めたい場合には、油圧ブレーカ20の打撃力に加えて、建設車両10のブーム4およびアーム5を操作して、ブーム4およびアーム5自体によって油圧ブレーカ20を下方へと押し付けることができる(図5および図6参照)。そのため、上述の特許文献1記載の杭打ち装置に比べ、打撃の反力を押さえ込むことにより、杭Kの圧入速度を高め、作業効率を向上させることができる。
なお、本発明に係る杭打ち装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
2 旋回台
3 キャビン
4 ブーム
5 アーム
6 ブームシリンダ(油圧機構)
7 アームシリンダ(油圧機構)
8 チルト機構
10 建設車両
20 油圧ブレーカ
22 (油圧ブレーカの)ブラケット
23 ブレーカ本体
24 圧入用チゼル
26 球体部
30 打撃ヘッド
32 上部ヘッド
33 テーパ穴
34 (上部ヘッド側の)凹球面部
36 下部ヘッド
37 (下部ヘッド側の)凹球面部
38 凹部
39 結合ボルト
40 鎖(垂下された重錘)
K 杭(支柱)
Claims (2)
- 走行台車と、該走行台車上に旋回可能に設けられた旋回台と、該旋回台上に設けられたキャビンおよびブームと、該ブーム先端に枢支されたアームとを備え、前記ブームおよびアームが油圧機構によって起伏可能とされている建設車両を用いており、
前記アームの先端に取付けられる油圧ブレーカと、該油圧ブレーカに打撃可能に装着されるとともに自身の軸部先端に球体部を有する圧入用チゼルと、該圧入用チゼルの球体部に当該球体部を囲繞するように装着されて前記建設車両のブームおよびアームのリンクモーションに追従して自身の所定角度の傾動姿勢を修正するリンクモーション追従手段を有する打撃ヘッドとを備え、
前記打撃ヘッドは、上下に分割および組み合わせ可能な上部ヘッドと下部ヘッドとを有し、
上部ヘッドには、前記油圧ブレーカ側に拡径するとともに前記軸部が前記所定角度の傾動を許容するように挿通されるテーパ穴が形成され、上部ヘッドと下部ヘッドには、前記テーパ穴に連通するとともに前記球体部の滑動を許容するように収容する凹球面部が各ヘッドの内部に形成され、前記下部ヘッドには、圧入する杭の上端部を杭の軸方向に沿って着脱可能に嵌合させて支持する凹部が前記上部ヘッドとは反対側の面に形成されることで前記リンクモーション追従手段が構成されていることを特徴とする杭打ち装置。 - 前記キャビンから重力方向を視認可能なように前記油圧ブレーカまたは前記打撃ヘッドに垂下された重錘を有することを特徴とする請求項1に記載の杭打ち装置。
Priority Applications (1)
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JP2012042020A JP5921256B2 (ja) | 2012-02-28 | 2012-02-28 | 杭打ち装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012042020A JP5921256B2 (ja) | 2012-02-28 | 2012-02-28 | 杭打ち装置 |
Publications (2)
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JP5921256B2 true JP5921256B2 (ja) | 2016-05-24 |
Family
ID=49269635
Family Applications (1)
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JP2012042020A Active JP5921256B2 (ja) | 2012-02-28 | 2012-02-28 | 杭打ち装置 |
Country Status (1)
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- 2012-02-28 JP JP2012042020A patent/JP5921256B2/ja active Active
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