JP6534859B2 - 杭打ち装置およびこれを用いた杭打ち方法 - Google Patents
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Description
そして、先端に球体部を有するチゼルを油圧ブレーカに装着するとともに、球体部を囲繞する打撃ヘッドを装着し、打撃ヘッドの先端に「杭」の上端部を着脱可能に嵌合させて支持するように構成されている。これにより、同文献に開示される杭打ち装置を用いた杭打ち方法によれば、油圧ブレーカの傾動を球体部で許容しつつ、油圧ブレーカの自重、油圧ブレーカの打撃力および油圧ショベルの自重により「杭」を地中に圧入することができる。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、低騒音の杭打ち作業が可能な杭打ち装置およびこれを用いた杭打ち方法を提供することを課題とする。
また、N値の低い土質においては、油圧ブレーカのような金属打撃を用いた杭打ち工法よりも効率的な杭打ち作業を提供できる。特に、傾斜地での杭打ち作業が多い太陽電池パネルを設置するための支柱の圧入に好適である。さらに、掘削作業と杭打作業との換装時には、ツース部分を交換するのみで容易に対応可能である。
ここで、上記特許文献1記載の杭打ち方法では、油圧ブレーカの構造上、チゼルが最も引っ込んだ状態でしか杭を打撃できない。そのため、常に杭の打込みに従って油圧ブレーカの姿勢を調整しながら打撃を加えなければばらないため、N値の低い地盤では過剰速度となり傾斜施工するおそれがある。
本発明の一態様に係る杭打ち方法によれば、本発明の一態様に係る杭打ち装置を用い、圧入ヘッドの嵌合凹部で杭の上端部を支持しつつ、振動発生部で発生させた振動発生方向の振動を用いて杭を地中に圧入するので、油圧ブレーカのような金属打撃を用いないので、発生する騒音を著しく低減することができる。
アーム5の先端には、杭打ち装置19が装着されている。杭打ち装置19は、建設車両10への装着部を構成するブラケット21を有し、ブラケット21の基端側の二箇所が、アーム5の先端とアーム5の先端部のチルト機構8とに対して枢支されている。これにより、杭打ち装置19は、チルト機構8の駆動により、同図に示すように、所定の範囲で回動可能になっている。なお、チルト機構8による所定の範囲での回動構造については、一般的な油圧ショベルの機構をそのまま用いている。
そして、上下の上側リンク28bと下側リンク28aとがハウジング20に連結されることで、振動アーム27を振動発生方向に沿って直線運動させるように支持する四節リンク機構が構成され、これにより、振動アーム27がハウジング20に対して揺動可能に取り付けられて振動発生機構を構築している。
下方に向かって尖頭状に延びる振動アーム27の先端には、球体部26を有する圧入用ツース24がピン25により着脱可能に装着されている。圧入用ツース24は、偏芯質量歯車23による下方への振動、空気バネ29に蓄えられた下方への力、および建設車両10のアーム5による下方への押し付け力が、圧入用ツース24の先端の球体部26に伝達される振動伝達部になっている。
上記杭打ち装置19を使用して杭打作業を行う際は、まず、準備として、作業者は、建設車両10のアーム5の先端に、杭打ち装置19のブラケット21を装着する。圧入用ツース24は、アーム5へのブラケット21の装着前または装着後に、ピン25により振動アーム27の下部先端に装着する。なお、圧入用ツース24の球体部26には圧入ヘッド31を予め装着しておく。
この杭打ち装置19で杭Kを地中に圧入するときは、作業者は、杭Kを地中に圧入したい位置で杭Kを地面に直立姿勢で支持する。次いで、作業者は、建設車両10のアーム5を駆動して、図5(a)に示すように、直立姿勢の杭Kの上端部に圧入ヘッド31の嵌合凹部38を嵌合させる。
杭Kの圧入に伴い、振動アーム27のストッパ30部分での空隙が狭くなった際には、作業者は、油圧モータ22の作動を停止する。これ以降は、作業者は、振動アーム27のストッパ30部分に空隙ができるまで、アーム5による下方への押し付け力を上方から与え、ストッパ30部分に空隙ができるまで押し付ける押付作業とこれ以降の圧入作業とを繰り返して、所定の深さまで杭Kを地面に圧入する。
このように、この杭打ち装置19を用いた杭打ち方法によれば、特許文献1に開示されるような油圧ブレーカによる金属打撃を用いないので、金属打撃を用いる杭打ち方法に比べて、杭Kから拡散される騒音を著しく低減することができる。
これに対し、本実施形態の杭打ち装置19を用いた杭打ち方法によれば、同図(b)に示すように、振動アーム27を振動発生方向に沿って直線運動させるように支持する四節リンク機構による効果によって、同図に示す直線的な矢印Ms方向への揺動をしながら杭Kを圧入することができる。そのため、四節リンク機構の揺動の範囲においては、杭打ち装置19の姿勢を調整する必要がない。
2 旋回台
3 運転席
4 ブーム
5 アーム
6 ブームシリンダ(油圧機構)
7 アームシリンダ(油圧機構)
8 チルト機構(油圧機構)
10 建設車両
19 杭打ち装置
20 ハウジング(装着部)
21 ブラケット(装着部)
22 油圧モータ(振動発生機構)
23 偏芯質量歯車(振動発生機構)
24 圧入用ツース(振動伝達部)
25 ピン(ツース固定用)
26 球体部
27 振動アーム(振動発生部)
28 リンク(振動発生機構)
29 空気バネ(振動発生機構)
30 ストッパ(振動発生機構)
31 圧入ヘッド
32 上部ヘッド
33 テーパ穴
34 凹球面部(上部ヘッド側)
36 下部ヘッド
37 凹球面部(下部ヘッド側)
38 嵌合凹部
39 溶接部
K 杭
Claims (3)
- 建設車両のアーム先端に取付けられて圧入対象である杭を地中に圧入する杭打ち装置であって、
前記アームの先端に取付けられる装着部と、該装着部に連結される振動発生部と、該振動発生部に装着されて自身下方に球体部を有する振動伝達部と、該振動伝達部の前記球体部に装着される圧入ヘッドとを備え、
前記振動発生部は、偏心錘の回転によって前記杭の軸方向に沿った方向を振動発生方向とする振動を発生させる振動発生機構を有し、
前記圧入ヘッドは、前記振動発生方向に沿った軸を中心とする回転を許容するように前記球体部を囲繞する凹球面部と、当該圧入ヘッドの下部に設けられて前記杭の上端部をその軸方向に沿って着脱可能に嵌合させて支持する嵌合凹部と、を有し、
前記振動発生部は、当該振動発生部を前記振動発生方向に沿って直線運動させるように支持する四節リンク機構を介して前記装着部に連結されていることを特徴とする杭打ち装置。 - 前記圧入ヘッドは、前記凹球面部の上部にテーパ穴を有し、前記テーパ穴は、前記振動発生方向に対して前記杭の軸の所定角度の傾動を許容するように形成されている請求項1に記載の杭打ち装置。
- 建設車両のアーム先端に取付けられて圧入対象である杭を地中に圧入する杭打ち装置を用いた杭打ち方法であって、
前記杭打ち装置として、請求項1または2に記載の杭打ち装置を用い、
前記圧入ヘッドの前記嵌合凹部で前記杭の上端部を支持しつつ、前記振動発生部で発生させた前記振動発生方向の振動を用いて前記杭を地中に圧入することを特徴とする杭打ち方法。
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