JP5921175B2 - 記録装置及びキャリッジモータの制御方法 - Google Patents

記録装置及びキャリッジモータの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、記録装置及びキャリッジモータの制御方法に関し、特に、回転位置によるトルク変動を有するキャリッジモータの制御に関するものである。
近年記録装置の高画質化要求が高まっており、その対策として記録媒体の搬送精度、記録ヘッドの記録精度(例えばインクジェットプリンタの場合、インクの吐出量や吐出タイミング等)、記録ヘッドの搭載したキャリッジの動作精度を向上することなどがある。
これらの対策の中で、キャリッジの動作精度について着目する。インクジェットプリンタ等は通常、キャリッジを動作させながら記録ヘッドが記録を行うため、キャリッジの動作制御と記録ヘッドの記録制御を同時に行っている。したがって、コントローラからの制御信号に対するキャリッジの動作精度が記録精度に影響する。
一般にキャリッジは、駆動源としてモータが用いられていることが多い。モータは一般にその構造上、周期的なトルク変動、いわゆるトルクリップルやコギングトルク(以下、これらを総称してトルクリップルとも呼ぶ)が発生する。モータで発生したトルクリップルは、タイミングベルトを介しキャリッジへ伝達するので、キャリッジはトルクリップルと同じ周期の速度変動が生じ、これがキャリッジの動作精度の低下の要因となる。このようなトルク変動を抑制するため、例えば、特許文献1及び2のような技術が提案されている。
特許文献1は、モータ回転角度に応じて、トルクリップルと同周期、かつトルクリップルの逆位相となる制御信号をフィードバック(FB)制御出力に乗算してキャリッジを駆動する記録装置を提案している。
特許文献2は、キャリッジ駆動中のトルクリップルによる速度変動を計測する手段に基づき、トルクリップルを抑制する補正情報を生成し、この補正情報に基づいてFB制御出力を補正しながらキャリッジを駆動する記録装置を提案している。
特開2006−42525号公報 特開2006−247997号公報
マグネット配置や着磁力等の製造上生じる誤差により、トルクリップルの波形は複雑なものとなる。しかし、特許文献1及び2の技術では、何れも予め記憶された波形に基づいて信号を生成しており、トルクリップルがこれら記憶された波形の何れとも大きく異なる場合もあり、トルク変動を抑制できないことになる。
そこで、本発明は、記録装置において、キャリッジモータの駆動トルクの変動をより効率的に抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明により、キャリッジモータにより、記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させながら記録を行う記録装置であって、前記キャリッジモータの駆動を指令する指令手段と、前記キャリッジの速度を計測する計測手段と、前記キャリッジモータ1回転を周期とする正弦波の関数に対して正弦波の乗数を変えながら複数のテスト信号を生成するテスト信号生成手段と、前記指令と前記計測されたキャリッジの速度と前記複数のテスト信号とに基づいて前記キャリッジモータを複数回テスト駆動するテスト駆動手段と、前記複数のテスト信号の各々に対応して前記テスト駆動されたキャリッジモータの駆動トルク変動を取得する取得手段と、前記複数のテスト信号の各々に対応した前記駆動トルク変動に基づいて補正信号を生成する補正信号生成手段と、前記記録にあたっては、前記指令と前記計測されたキャリッジの速度と前記補正信号とに基づいて前記キャリッジモータを駆動するように制御する制御手段と、を備え、前記補正信号生成手段は、前記補正信号に基づいて前記キャリッジモータを駆動した場合の前記キャリッジモータの駆動トルク変動、前記複数回のテスト駆動における前記キャリッジモータの駆動トルク変動の何れよりも小さくなる正弦波の乗数を求めて、該求めた乗数を用いて前記補正信号を生成することを特徴とする記録装置が提供される。
また、本発明により、キャリッジモータにより、記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させながら記録を行う記録装置における前記キャリッジモータを制御する方法であって、前記キャリッジモータの駆動を指令する工程と、前記キャリッジの速度を計測する工程と、前記キャリッジモータ1回転を周期とする正弦波の関数に対して正弦波の乗数を変えながら複数のテスト信号を生成する工程と、前記指令と前記計測されたキャリッジの速度と前記複数のテスト信号とに基づいて前記キャリッジモータを複数回テスト駆動する工程と、前記複数のテスト信号の各々に対応して前記テスト駆動されたキャリッジモータの駆動トルク変動を取得する工程と、前記複数のテスト信号の各々に対応した前記駆動トルク変動に基づいて補正信号を生成する工程と、前記記録にあたっては、前記指令と前記計測されたキャリッジの速度と前記補正信号とに基づいて前記キャリッジモータを駆動するように制御する工程と、を含み、前記補正信号を生成する工程は、前記補正信号に基づいて前記キャリッジモータを駆動した場合の前記キャリッジモータの駆動トルク変動、前記複数回のテスト駆動における前記キャリッジモータの駆動トルク変動の何れよりも小さくなる正弦波の乗数を求めて、該求めた乗数を用いて前記補正信号を生成することを特徴とする方法が提供される。
上記構成では、複数のテスト信号に基づく複数回のテスト駆動により得られた駆動トルク変動に基づいて、上記テスト信号の何れよりもトルク変動が小さくなるような補正信号を生成する。したがって、本発明により、記録装置において、キャリッジモータの駆動トルクの変動をより効率的に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図。 本発明の一実施形態に係るキャリッジの斜視図。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドの斜視図。 本発明の一実施形態に係るキャリッジモータの断面図。 モータのトルクリップル、補正信号によるトルク出力、及びこれらのトルクを重ね合わせたトルク出力の一例を示す図。 本発明の一実施形態に係るキャリッジ制御部を示す図。 補正信号の生成方法を示すフローチャート。 本発明の一実施形態におけるモータのトルクリップル、テスト信号によるトルク、及びこれらのトルクを重ね合わせたトルク出力の一例を示す図。 検出された駆動トルクの振幅値をプロットした図。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態の一つとしてインクジェット記録方式を用いた記録装置を例に挙げて説明する。記録装置としては、例えば、記録機能のみを有するシングルファンクションプリンタであってもよいし、また、例えば、記録機能、FAX機能、スキャナ機能等の複数の機能を有するマルチファンクションプリンタであってもよい。また、例えば、カラーフィルタ、電子デバイス、光学デバイス、微小構造物等を所定の記録方式で製造するための製造装置であってもよい。
なお、以下の説明において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。更に人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かも問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン、構造物等を形成する、又は媒体の加工を行なう場合も表す。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、樹脂、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表す。
更に、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成又は記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば、記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表す。
以下の説明において、既に説明した部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
<インクジェット記録装置の全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置(以下、記録装置と呼ぶ)を示す斜視図である。
記録待機中において記録媒体である記録用紙115は、給紙ベース106にスタックされており、記録開始時には給紙ローラ(不図示)により記録用紙115が給紙される。給紙された記録用紙115は搬送ローラ110とピンチローラ111との間に挟まれる。ピンチローラ111はピンチローラばね(不図示)により記録用紙に押圧される。この状態でDCモータである搬送モータ107を駆動し、ギア列(モータギア108、搬送ローラギア109)を介して搬送ローラ110を回転(及びピンチローラ111を従動回転)させて記録用紙115を搬送(副走査)方向Bに所定の搬送量だけ搬送する。ここで、搬送量は搬送ローラギア109に圧入されたコードホイール116に設けられたパターン部とエンコーダセンサ117により、回転体である搬送ローラ110の回転量を検知することで管理する。記録用紙115上の記録しようとする部分がプラテン112上に達したら、搬送を停止し、記録ヘッド101により、この部分に記録が行われる。記録が行われた後、再び記録用紙115は搬送され、搬送と記録が交互に行われる(すなわち、間欠搬送しながら記録が行われる)。一連の記録が全て完了すると、排紙ローラ113によって排紙される。なお、本実施形態では記録媒体として記録用紙115を用いているが、構成・目的によっては、ロール紙を用いてもよい。
記録ヘッド101はキャリッジ102に搭載されている。キャリッジ102は、キャリッジ駆動方向(主走査方向A)に沿って往復移動が可能となるように、ガイドシャフト103a及びサブガイドシャフト103bにより支持されている。ガイドシャフト103a及びサブガイドシャフト103bは、両端がシャーシ114に固定されている。ベルト104は、キャリッジモータ105の回転軸と連結したプーリと、主走査方向Aにおいてキャリッジモータ105と反対側の位置に配置されている従動プーリに架張されている。キャリッジモータ105を駆動することにより、キャリッジ102と係合したベルト104を介してキャリッジ102が駆動される。この構成により、キャリッジ102を往復移動させながら記録ヘッド101は記録領域においてインクを吐出して記録を行う。
<キャリッジの構成>
図2は、本実施形態に係るキャリッジの斜視図である。図2において、キャリッジ102に取り付けられたエンコーダセンサ201により、キャリッジ102の走査方向Aに並行に設けられたエンコーダスケール202を読み取っている。エンコーダセンサ201により検出された位置検出信号は、フレキシブル基板203を通して本体制御部へ送られる。本体制御部では、エンコーダスケール202によるパルスカウントを行うことでキャリッジ102の走査方向Aにおける位置検出を行っている。また、エンコーダスケール202によるパルスを通過する時間間隔よりキャリッジ102の速度を検出している。
<記録ヘッドの構成>
図3は、本実施形態に係る記録ヘッドの斜視図である。記録ヘッド101の記録用紙と対面する部分には、インク色ごとにシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(Bk)のノズル列が配置されている。なお、インクジェット記録装置の用途によってはインク色や色数は異なる。ノズル列は複数の吐出口(不図示)から構成されおり、この吐出口からインクを噴射する。インクの吐出方式は、サーマル方式やピエゾ方式等がある。サーマル方式は加熱によりインクに気泡を発生させてインクを噴射する方式であり、ピエゾ方式は電圧を加えることで変形する圧電素子を用いてインクを噴射する方式である。これらのインク吐出方法を用いて、インクを記録媒体へ吐出して所望の画像記録を行っている。記録ヘッド101の電気接続部30は、キャリッジ102の電気接続部(不図示)と接続しており、フレキシブル基板203を介してキャリッジ102の電気接続部と本体制御部とを接続する。この構成により、記録ヘッド101の吐出を行う電気指令信号や、エンコーダセンサ201で検出したパルス信号等の送受信を行う。
<キャリッジモータの構成>
図4は、本実施形態に係るキャリッジモータの断面図である。本実施形態に係るキャリッジモータ105はブラシ付きDCモータで、マグネット401、ロータ402、ブラシ403、整流子404、モータハウジング405から構成されている。ロータ402は、ブラシ403と整流子404の働きにより磁界極性を変化させ、マグネット401との間で吸引/反発を繰り返して回転している。ここで、キャリッジモータ105の駆動トルクは一定であることが理想である。しかし、キャリッジモータ105はその構造上、いわゆるコギングトルクやトルクリップル(以下、総称してトルクリップルとも呼ぶ)と呼ばれているキャリッジモータ1回転を周期とする駆動トルク変動が発生する。コギングトルクはブラシ403の切り替え、マグネット401の磁力バラツキ等、回転位置φに依存して吸引力が脈動する現象である。なお、本実施形態はブラシ付きDCモータに関し説明しているが、ブラシ付きDCモータのみに限定するものではなく、実施条件によってはDCブラシレスモータ等を用いていもよい。
また、上記の駆動トルク変動は、上記のように回転位置によって異なる磁束によるものの他に、モータ及び駆動部品の摩擦力の変化等の機械的要因によるものも含まれる。機械的要因によるものも磁束等によるものと同様の周期で変動するものであるため、トルクリップルに含めて扱う。
<モータのトルクリップルについて>
図5は、モータのトルクリップル、トルクリップルを抑制するための補正信号によるトルク出力、及びこれらのトルクを重ね合わせたトルク出力の一例を示す図である。図中、横軸は回転位置θ、縦軸にモータのトルクNの変動を示す。トルクリップルTr(θ)は細線で表す。トルクリップルはモータの構造上の要因によって発生する駆動トルク変動であることから、モータの1回転分(2π)の周期を有する。そこで、本実施形態では、トルクリップルを抑制するための補正信号f(θ)(図5点線)を生成する。さらに、トルクリップルTr(θ)の波形と生成した補正信号f(θ)によるトルク出力の波形F(θ)を重ね合わせることで、駆動トルク変動を小さくする。重ね合わせた波形(Tr(θ)+F(θ))を図5の太実線で表す。以下、そのための本実施形態の構成について説明する。
<キャリッジ制御部の構成>
図6は、本実施形態のキャリッジ制御部を示す図である。なお、コントローラ600内の各構成は、CPUがROM610に格納されたプログラムを実行することにより実現されてもよく、あるいはASIC等の専用の回路により実現されてもよい。
駆動指令信号601は、キャリッジ102の駆動するための予めプログラムで決定された信号で、例えばキャリッジ102の速度の指令値が含まれる。なお、指令値生成はCPU等で行われる。位置算出部602及び速度算出部603は、エンコーダセンサ201で検出した信号からキャリッジ102の位置と速度を計測する。加算器604及びPI補償器605により、位置算出部602及び速度算出部603から出力された位置信号及び速度信号を用いて、キャリッジ102の動作が駆動指令信号601へ追従するようにフィードバック制御(FB制御)演算を行う。さらに、PI補償器605はFB制御演算によって得られたキャリッジモータ105の操作量をPWM値として出力する。なお、FB制御演算のアルゴリズムはキャリッジ102が駆動指令信号601に追従するように演算を行うものであればどの手法でもよい。
ROM610は、キャリッジモータ1回転を周期とする関数が記憶されており、信号生成部608は、関数の所定の変数に数値を代入してテスト信号生成を行う。例えば、ROM610に関数f(x、θ)(xは上記所定の変数)が記憶されており、信号生成部608がxに所定の数値n(nは実数)を代入し、テスト信号f(θ)が得られる。さらに、キャリッジモータ105の回転位置θが入力され、信号が出力される。なお、構成によっては、テスト信号生成のためのデータは、RAM、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されていてもよい。また、本実施形態の場合、キャリッジモータ105の回転位置はキャリッジ102の位置信号から算出されるが、キャリッジモータ105にロータリエンコーダ等を設けて回転位置を直接検出してもよい。さらに、所定の数値はROM610に記憶されていてもよく、また、プログラムよって逐次的に数値を代入(例えば、1、2、3・・・など)していってもよい。
波形推定部606は、複数回のテスト駆動に対して取得した複数のトルク変動を合成して補正信号を合成する。本実施形態では、テスト信号を用いてキャリッジをテスト駆動したときの駆動トルク変動を取得し、駆動トルクの変動が最小となるような、変数xに代入する数値xminを推定する(詳細は後述する)。なお、本実施形態では、波形推定部606において、速度算出部603から出力された速度信号から駆動トルクが求められるが、直接キャリッジ102の速度のデータを用いても良い。数値xminが推定されると、信号生成部608は、関数f(xmin、θ)(fmin(θ)とする)となる補正信号を生成する。したがって、信号生成部608は、テスト信号生成だけでなく、波形推定部606と合わせて補正信号生成も行う。)
PI補償器605の出力と信号生成部608の出力(テスト信号及び補正信号)とが加算され、駆動回路609への入力となる。この入力に対して、駆動回路609で、PWM演算部とモータドライバにより信号処理が行われた後、キャリッジモータ105へ制御出力(電流)が供給される。
<補正信号生成の方法>
本実施形態では上記構成を用いて、複数のテスト信号を用いてキャリッジモータを複数回テスト駆動し、複数回のテスト駆動により取得したトルク変動のデータからトルクリップルを抑制するための補正信号を生成する。生成した補正信号をPI補償器605の出力に加算することで、トルクリップルによる駆動トルク変動を小さくする。図7は、補正信号生成の方法を示すフローチャートである。
補正信号生成フローが開始(S701)すると、ROM610に記憶されたデータを参照し、関数f(x、θ)の変数xに所定の値を代入してテスト信号f(θ)を信号生成部608で生成しながらキャリッジ102を駆動する(S702)。次に、信号生成部608がキャリッジ102を駆動した場合の、キャリッジモータ1回転における駆動トルクの振幅値を検出する(S703)。ここで、振幅値の検出方法は、一般的に知られている周波数分析(FFT,狭帯域通過フィルタなど)を用いると検出精度が良いが、その他の手法を用いても良い。次に、キャリッジ102の駆動回数が1回目か否かを判断する(S704)。1回目の駆動であれば「YES」と判定され、S702へ戻り、再び信号の生成(2回目の信号生成)を行い、S703において振幅値を検出を行う。
一方、キャリッジ102の駆動回数が2回目以降であるとき、S705において、今回の振幅値と前回の振幅値とを比較する。すなわち、n回目(≧2)のキャリッジ駆動における振幅値をNとすると、NとNn−1とを比較する。ここで、Nn−1≧N(図中S705において「YES」)ならば、S702へ戻り、再び信号の生成(n+1回目の信号生成)を行い、S703において振幅値を検出を行う。
n−1<N(図中S705において「No」)ならば、S706において、これまでのキャリッジ駆動により取得した振幅値より、振幅値が最小となるようなxの値xminを推定し、波形fmin(θ)を導出する。次にS707において、導出された波形fmin(θ)がRAMに記憶され、補正信号生成フローが終了(S708)する。
<補正信号生成の実例>
図8は、本実施形態におけるテスト信号によるトルク出力(点線)、モータのトルクリップル(細実線)、及びこれらのトルクを重ね合わせたトルク出力(太実線)の一例を示す図である。本実施形態では、f(x、θ)、θ=0〜πにおいてA・(sinθ)、θ=π〜2πにおいてf(θ)=−A・|sinθ|となる信号をテスト信号として生成する。さらに、n回目のテスト信号生成においてxの値は0.5nとして表される。すなわち、n回目のテスト信号をθ=0〜πにおいてはf(θ)=A・(sinθ)0.5n、θ=π〜2πにおいてはf(θ)=−A・|sinθ|0.5n(Aは実数で以下同様)とする。すなわち、上記変数xに、0.5、1.0、1,5・・・と代入していく。なお、図8においてF(θ)は、テスト信号f(θ)によるトルク出力の波形である。
まず、1回目の信号生成(S702)で、テスト信号を生成し、S703でトルクリップルTr(θ)に加え、振幅値Nを検出する。このときの波形はθ=0〜πでf(θ)=A・(sinθ)0.5、θ=π〜2πでf(θ)=−A・|sinθ|0.5となる。テスト信号f(θ)によるトルク出力の波形F(θ)、Tr(θ)及び検出された波形F(θ)+Tr(θ)を図8(A)に示す。この段階で信号生成はまだ1回目であるので、S704において、「YES」となり、2回目の信号生成を行う。
次に、2回目の信号生成(S702)で、テスト信号を生成し、S703でトルクリップルTr(θ)に加え、振幅値Nを検出する。このときの波形はf(θ)=A・sinθとなる。テスト信号f(θ)によるトルク出力の波形F(θ)、Tr(θ)及び検出された波形F(θ)+Tr(θ)を図8(B)に示す。今回は2回目の信号生成であるため、S704において、「NO」となり、S705で、NとNを比較する。この例では、N≧Nであるため、3回目の信号生成を行い、Nを検出する。このときのテスト信号はθ=0〜πでf(θ)=A・(sinθ)1.5、θ=π〜2πでf(θ)=−A・|sinθ|1.5となる。図8(B)の波形と図8(C)の波形から、N≧Nであることが分かる。そのため、4回目の信号生成を行い、Nを検出する。このときのテスト信号はθ=0〜πでf(θ)=A・(sinθ)、θ=π〜2πでf(θ)=−A・(sinθ)となる。図8(C)の波形と図8(D)の波形から、N<Nであることが分かり、S706において、振幅値が最小となる変数xの値xminを推定する。
図9は、検出された駆動トルクの振幅値をプロットした図である。ここで、振幅値N〜Nを最小二乗法により近似した二次関数を導出する。導出された曲線は図9の通りで、この曲線から、正弦波の乗数が1.3のとき極小値をとる数値xminが推定される。したがって、θ=0〜πでfmin(θ)=A・(sinθ)1.3、θ=π〜2πでfmin(θ)=−A・|sinθ|1.3による補正信号を生成し、FB制御演算によって得られた信号に加えることで、振幅値を最小限に抑えることができる。
この例では、テスト信号をf(θ)=A・(sinθ)0.5n(θ=0〜π)としているが、f(θ)=A・(sinθ)0.1nと乗数の間隔を狭めれば効率的に補正信号を生成することが可能となる。また、トルクリップル波形が特定の乗数近傍に分布する傾向があれば、その乗数を基準として、テスト信号を微小に変更してプロットを行えばよい。
また、テスト信号は上記例に限定するものではなく、例えば、(sinθ)0.5≒1.09×sinθ+0.16×sin3θ+0.07×sin5θ+・・・と表すことも可能である。
さらに、本実施形態では、駆動トルク変動を振幅値としたが、例えば、検出される駆動トルクと基準となる駆動トルクの差の絶対値をモータ1回転分にわたって積分した値を駆動トルク変動としてもよい。
以上の説明において、トルクリップル、テスト信号及び補正信号等の各関数を回転位置θの関数としたが、時間によって回転位置θが決まるので、これらの関数を時間の関数としても本実施形態と同様、回転位置に対応した信号を生成したことになる。
<本実施形態の効果>
本実施形態では、複数のテスト波形を操作量に加算して得られた振幅値のデータから、振幅値を最小にするための信号の波形を推定し、推定された波形に基づいて駆動トルク変動を抑制するための信号を生成する。したがって、トルクリップルの波形が複雑なものである場合、及びモータ個々で異なる場合等であっても効果的にキャリッジモータの様々な波形の駆動トルク変動を抑制することができる。

Claims (5)

  1. キャリッジモータにより、記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させながら記録を行う記録装置であって、
    前記キャリッジモータの駆動を指令する指令手段と、
    前記キャリッジの速度を計測する計測手段と、
    前記キャリッジモータ1回転を周期とする正弦波の関数に対して正弦波の乗数を変えながら複数のテスト信号を生成するテスト信号生成手段と、
    前記指令と前記計測されたキャリッジの速度と前記複数のテスト信号とに基づいて前記キャリッジモータを複数回テスト駆動するテスト駆動手段と、
    前記複数のテスト信号の各々に対応して前記テスト駆動されたキャリッジモータの駆動トルク変動を取得する取得手段と、
    前記複数のテスト信号の各々に対応した前記駆動トルク変動に基づいて補正信号を生成する補正信号生成手段と、
    前記記録にあたっては、前記指令と前記計測されたキャリッジの速度と前記補正信号とに基づいて前記キャリッジモータを駆動するように制御する制御手段と、
    を備え、
    前記補正信号生成手段は、前記補正信号に基づいて前記キャリッジモータを駆動した場合の前記キャリッジモータの駆動トルク変動、前記複数回のテスト駆動における前記キャリッジモータの駆動トルク変動の何れよりも小さくなる正弦波の乗数を求めて、該求めた乗数を用いて前記補正信号を生成する
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 前記補正信号の波形を記憶した記憶手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記駆動トルク変動は、前記キャリッジモータ1回転における駆動トルクの振幅値であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記キャリッジモータの駆動トルクは、前記計測された前記キャリッジの速度から算出されることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の記録装置。
  5. キャリッジモータにより、記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させながら記録を行う記録装置における前記キャリッジモータを制御する方法であって、
    前記キャリッジモータの駆動を指令する工程と、
    前記キャリッジの速度を計測する工程と、
    前記キャリッジモータ1回転を周期とする正弦波の関数に対して正弦波の乗数を変えながら複数のテスト信号を生成する工程と、
    前記指令と前記計測されたキャリッジの速度と前記複数のテスト信号とに基づいて前記キャリッジモータを複数回テスト駆動する工程と、
    前記複数のテスト信号の各々に対応して前記テスト駆動されたキャリッジモータの駆動トルク変動を取得する工程と、
    前記複数のテスト信号の各々に対応した前記駆動トルク変動に基づいて補正信号を生成する工程と、
    前記記録にあたっては、前記指令と前記計測されたキャリッジの速度と前記補正信号とに基づいて前記キャリッジモータを駆動するように制御する工程と、
    を含み、
    前記補正信号を生成する工程は、前記補正信号に基づいて前記キャリッジモータを駆動した場合の前記キャリッジモータの駆動トルク変動、前記複数回のテスト駆動における前記キャリッジモータの駆動トルク変動の何れよりも小さくなる正弦波の乗数を求めて、該求めた乗数を用いて前記補正信号を生成する
    ことを特徴とする方法。
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