JP2012086425A - インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トルクリップルを抑制可能とするFF制御の振幅値、位相値がずれた場合、FF制御に必要な値を短時間で算出することができるインクジェット記録装置を提案することを目的とする。
【解決手段】キャリッジを駆動するための駆動源と、上記駆動源の駆動力を上記キャリッジに伝達する駆動力伝達部材とを具備するインクジェット記録装置であって、駆動指令信号に基づいて、上記キャリッジを駆動させるキャリッジ駆動手段と、上記キャリッジで生じる周期変動を抑制するための周期信号を生成する周期信号生成手段と、上記生成された周期信号の位相を調整する位相調整手段と、上記生成された周期信号の振幅を調整する振幅調整手段と、所定の条件に応じて、上記位相調整手段、または、上記位相調整手段及び上記振幅調整手段の双方を動作させる調整制御手段とを有する。
【選択図】図5
【解決手段】キャリッジを駆動するための駆動源と、上記駆動源の駆動力を上記キャリッジに伝達する駆動力伝達部材とを具備するインクジェット記録装置であって、駆動指令信号に基づいて、上記キャリッジを駆動させるキャリッジ駆動手段と、上記キャリッジで生じる周期変動を抑制するための周期信号を生成する周期信号生成手段と、上記生成された周期信号の位相を調整する位相調整手段と、上記生成された周期信号の振幅を調整する振幅調整手段と、所定の条件に応じて、上記位相調整手段、または、上記位相調整手段及び上記振幅調整手段の双方を動作させる調整制御手段とを有する。
【選択図】図5
Description
本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置の制御方法に関する。
従来のインクジェット記録装置は、紙、OHP用シートなどの記録媒体(以下、記録用紙または紙と呼ぶ)の搬送方向に対し、交差する方向に往復運動する記録ヘッドを搭載した稼動部(以下、キャリッジと呼ぶ)が走査することによって記録する装置である。記録ヘッドは、サーマル方式やピエゾ方式等があり、記録ヘッドと非接触の記録用紙にインクを噴射して印刷する。
サーマル方式は、加熱によってインクに気泡を発生させてインクを噴射する方式であり、ピエゾ方式は、電圧を加えることで変形する圧電素子を用いてインクを噴射する方式である。近年では、記録媒体の材質に対する要求が多様化し、通常の記録用紙である紙や樹脂薄板(OHPシート等)などの他に、布、皮、さらには金属などを記録媒体として用いる業務用の記録装置が知られている。
また、幅の広い記録用紙に印刷する大判対応のインクジェット記録装置も普及している。その他、低騒音、低ランニングコスト、装置の小型化が容易であり、カラー化も容易であるので、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の様々な記録装置へ応用されている。
このようなインクジェット記録装置では、記録ヘッドに、インクを吐出するための吐出口(通常は複数個)が形成されている。記録ヘッドは、記録用紙に対して一定の間隔があり、記録ヘッドから吐出されたインクは、記録ヘッドと記録用紙との間の空間を飛び、記録用紙へ到達することによって記録する。複数の吐出口は、記録用紙の搬送方向と同じ方向、または交差する方向へ並んで配置されている(以下、これを、ノズル列と呼ぶ)。また、カラー印刷を行う場合、それぞれのインク色ごとにノズル列を有する。
記録ヘッドを搭載したキャリッジは、記録用紙の搬送方向と交差する方向へ移動可能であり、記録用紙と記録ヘッドとの間隔がほぼ一定となるように、ガイドに支持されている。キャリッジの駆動源としてモータを用いる。タイミングベルトやギア等を介して、モータの動力がキャリッジへ伝達される。これによって、キャリッジは動作が可能となる。キャリッジの駆動に用いるモータは、騒音・コスト・制御性能等の理由から、DCモータを用いることが多い。キャリッジが駆動する領域には、エンコーダスケールが設けられ、キャリッジに設けられているエンコーダセンサで、スリットのパルスカウントを行うことによって、現在のキャリッジ位置を検出する。又、エンコーダスケールの通過間隔時間をタイマで計測することによって、キャリッジの現在速度を検出している。
エンコーダセンサで検出した信号は、キャリッジと本体制御部とを連結するフレキシブル基板を介して、本体制御部へ送られる。本体制御部では、エンコーダセンサで検出した信号を用いて、キャリッジが駆動指令信号に基づいて動作するように、フィードバック制御(以下、FB制御と記載する)を演算し、モータ出力を制御する。キャリッジは、このような構成によって駆動される。
このように、インクジェット記録装置は、簡単な構成から成る極めて優れた記録装置であるが、一方では、十分に配慮されるべき技術上の問題も存在する。
キャリッジは、モータの動力によって駆動するが、モータの動力には、いわゆるトルクリップルやコギングトルク(以下、これらを総称してトルクリップルとも呼ぶ)が含まれている。トルクリップルは、モータの構造によって発生する周期が決まる。また、トルクリップルには、複数の成分がある。モータで発生したトルクリップルは、タイミングベルトを介して、キャリッジへ伝達するので、キャリッジは、トルクリップルと同じ周期の速度変動が生じる。
ところで、キャリッジは、FB制御で駆動しているので、トルクリップルによる速度変動の抑制を期待したい。しかし、一般的なインクジェット記録装置において、FB制御でトルクリップルを抑制する場合、制御帯域を広げ、かつFB制御ゲインを高く設定する必要がある。このために、制御系が不安定になり易く、余計な振動や騒音が発生する。したがって、モータで発生するトルクリップルをFB制御で抑制することは難しい。
このトルクリップルによってキャリッジに速度変動が発生した状態で印刷を行うと、記録ヘッドから吐出されたインクは、周期的な着弾誤差を持ち、この結果として、画像ムラ等の印刷品位の低下を招くことがある。
キャリッジ駆動中のトルクリップルによる速度変動を計測する場合、トルクリップルを抑制する補正情報を算出し、この算出された補正情報に基づいて、FB制御出力を補正しながらキャリッジを駆動する記録装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
この従来例は、トルクリップルを抑制する制御信号を、演算処理によって予め算出し、キャリッジ駆動中は、この制御信号に基づいて制御する。いわゆるフィードフォワード制御(以下、FF制御と記載する)を行う。このFF制御は、既知の外乱等に対し、予め決定した制御量を入力する制御方法である。モータで発生するトルクリップルに対して、FF制御を実行する場合、FF制御信号によるモータの出力が、トルクリップルと同周期、同振幅、逆位相となればよい。ここで、トルクリップルの周期は、モータの構造から決定できるので既知であるが、振幅値と位相値は,未知である。この振幅値と位相値とを算出し、FF制御を行うことによって、モータで発生するトルクリップルを抑制し、印刷品位の低下を防いでいる。
このように、トルクリップルを抑制可能とする振幅値、位相値を算出できれば、FF制御を実行することによって一定の効果はある。しかし、トルクリップルを抑制可能とする振幅値、位相値を適切に算出できなければ、トルクリップルを十分に抑制することができず、場合によってはトルクリップルを増大させる。したがって、振幅値、位相値は、常に適切である必要がある。
従来のインクジェット記録装置において、何らかの原因で、振幅値、位相値がずれた場合、振幅と位相との2つの値を算出する必要があり、多くの時間を要し、スループットが低下するという問題がある。
そこで、本発明は、トルクリップルを抑制可能とするFF制御の振幅値、位相値がずれた場合、FF制御に必要な値を短時間で算出することができるインクジェット記録装置を提案することを目的とする。
本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッドを搭載するキャリッジと、上記キャリッジを駆動するための駆動源と、上記駆動源の駆動力を上記キャリッジに伝達する駆動力伝達部材とを具備するインクジェット記録装置であって、駆動指令信号に基づいて、上記キャリッジを駆動させるキャリッジ駆動手段と、上記キャリッジで生じる周期変動を抑制するための周期信号を生成する周期信号生成手段と、上記生成された周期信号の位相を調整する位相調整手段と、上記生成された周期信号の振幅を調整する振幅調整手段と、所定の条件に応じて、上記位相調整手段、または、上記位相調整手段及び上記振幅調整手段の双方を動作させる調整制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、モータのトルクリップルを抑制する場合、キャリッジの速度が変動した原因に応じて、位相値のみの調整、または、振幅値及び位相値の調整を行い、位相値のみを調整する場合、その調整時間が短い。したがって、常に振幅値及び位相値を調整する従来例と比較すると、本発明は、全体の調整時間を短くすることができるという効果を奏する。
発明を実施するための形態は、次の実施例である。
図1は、本発明の実施例1であるインクジェット記録装置PR1を示す斜視図である。
インクジェット記録装置PR1において、キャリッジ2は、記録ヘッド1を搭載する機構である。キャリッジ2は、メインガイドレール3、サブガイドレール4に案内支持されている。メインガイドレール3、サブガイドレール4は、キャリッジ2を記録媒体15の搬送方向に対して交差する方向へ、記録ヘッド1が記録媒体15に対してほぼ一定間隔となるように取り付けられているガイド部材である。
また、メインガイドレール3、サブガイドレール4は、筐体12に支持されている。タイミングベルト6は、DCモータ7と連結したモータプーリ8と、DCモータ7と対向する位置に配置されている従動プーリ9とに架張されている。タイミングベルト6は、キャリッジ2に固定され、DCモータ7の動力は、タイミングベルト6を介してキャリッジ2に伝達され、キャリッジ2は、記録媒体上を駆動する。DCモータ7は、キャリッジ2を駆動するための駆動源であり、タイミングベルト6は、駆動源の駆動力をキャリッジ2に伝達する駆動力伝達部材である。搬送ローラ10は、搬送モータ(不図示)によって駆動され、記録媒体15を搬送する。排出ローラ11は、画像記録された記録媒体を装置外へ排出する。
図2は、実施例1におけるキャリッジ2を示す斜視図である。
エンコーダセンサ13が、キャリッジ2に取り付けられ、エンコーダスケール14が、キャリッジ2の走査方向に平行して設けられている。そして、エンコーダセンサ13が、エンコーダスケール14を読み取る。エンコーダセンサ13によって検出された位置検出信号は、フレキシブル基板5を通して、本体制御部へ送られる。本体制御部は、エンコーダスケール14に対応するパルスをカウントすることによって、キャリッジ2の走査方向の位置を検出する。また、エンコーダスケール14に対応するパルスの時間間隔に基づいて、キャリッジ2の速度を検出する。
図3は、実施例1のブラシ付きDCモータ7を示す断面図である。
騒音、コスト、制御性能等の種々の理由からDCモータ7を用いることが多い。ブラシ付きDCモータ7は、マグネット16、ロータ17、ブラシ18、整流子19、モータハウジング20を含む。回転構造を有するロータ17は、ブラシ18と整流子19との働きによって、磁界極性を変化させ、マグネット16と吸引/反発を繰り返して駆動する。
DCモータ7は、その構造上、いわゆるコギングトルクやトルクリップルと呼ばれる周期的なトルクの脈動が発生する。コギングトルクは、ブラシ18の切り替え、マグネット16の磁力バラツキ等、DCモータ7の回転角度φに依存して、吸引力が脈動する現象である。なお、上記説明は、ブラシ付きDCモータ7に関するが、ブラシ付きDCモータ7に限定する必要はない。
図4は、実施例1が有する本体制御部を示す概略図である。
本体制御部は、インクジェット記録装置PR1に設けられている基板部(図示せず)に設置され、ROM22に記憶されているプログラムを、CPU21が読み込み、プログラムを実行するための演算処理を行う。CPU21で行う演算処理は、画像処理、I/F24を介したホストコンピュータとの通信、記録ヘッド1の吐出制御、エンコーダセンサ13の信号処理、モータドライバ108への制御出力演算等である。
インクジェット記録装置PR1の特有機能を、ASIC(不図示)としてハードウェア化し、CPU21の演算処理を軽減するようにしてもよい。ROM22には、インクジェット記録装置PR1を制御するための制御プログラムや実行に必要なデータ等が記憶されている。RAM23は、CPU21で実行中のプログラム、ホストコンピュータから送信された記録データ、記録用データを保存するために用いられる。モータドライバ108は、CPU21で演算処理された結果から、パルス電圧幅を変調することによって、モータへ印加される電圧を調整し、DCモータ7を駆動するドライブ回路である。
図5は、インクジェット記録装置PR1に設けられているキャリッジ制御部を示すブロック図であり、キャリッジ2を示す模式図である。
このキャリッジ制御部は、ソフトウェアで構成され、ROM22に格納されているプログラムで実現されている。駆動指令信号は、プログラムで予め決定されたキャリッジ2の駆動プロファイルである。位置算出手段106と速度算出手段107とは、エンコーダセンサ13が検出した信号から、キャリッジ2の位置と速度とを算出する。制御部104、105は、エンコーダセンサ13が検出したキャリッジ2の位置信号及び速度信号から、駆動指令信号へ追従するようにFB制御演算を行う。
なお、図5では、制御部105において、FB制御演算方法として、比例項109と積分項110とからなるPI補償制御を行っているが、キャリッジ2が駆動指令信号に追従するように演算を行うものであればどの手法でもよい。
周期信号生成手段100は、トルクリップルを打ち消すための制御信号生成部である。上記のように、トルクリップルは、DCモータ7の回転角度θに依存して発生する。周期信号生成手段100が生成する周期信号は、モータ回転角度θに応じて、コギングトルクと同周期且つ同振幅且つ逆位相となるモータトルク出力が生成される信号であればよい。
通常、モータプーリ8とタイミングベルト6とで歯飛びは起きないので、モータ回転角度θとキャリッジ2の位置とは一定の関係となる。特に、モータプーリ8の歯ピッチや半径、エンコーダスケール14等に製造誤差が無い理想状態では、次のようになる。つまり、モータ回転量を直動換算した値(以下、モータ直動換算量とも呼ぶ)とエンコーダセンサ13で検出した位置(以下、センサ検出位置とも呼ぶ)とは同じになる。ここで、上記モータ直動換算量は、次の式(1)で定義されるとする。
モータ直動換算量=モータ回転量/(2×π)×モータプーリ歯数×歯ピッチ=モータ回転量×モータプーリ半径 ……式(1)
したがって、上記理想状態では、モータ回転角度θを検出しなくても、センサ検出位置に応じて、周期信号生成手段100が信号を生成すればよい。周期信号生成手段100が生成した信号は、制御部105の出力に加算される。周期信号生成手段100が生成する信号は、次の式(2)に示す通りである。
したがって、上記理想状態では、モータ回転角度θを検出しなくても、センサ検出位置に応じて、周期信号生成手段100が信号を生成すればよい。周期信号生成手段100が生成した信号は、制御部105の出力に加算される。周期信号生成手段100が生成する信号は、次の式(2)に示す通りである。
周期信号生成手段100が生成する周期信号=振幅値×sin(2×π×センサ検出位置/トルクリップルピッチ+位相値) ……式(2)
上記周期信号は、センサ検出位置に応じたトルクリップルピッチの信号である。上記振幅値は、周期信号によるモータトルク出力の振幅値であり、トルクリップルの振幅値と同振幅値になるように設定される。
上記周期信号は、センサ検出位置に応じたトルクリップルピッチの信号である。上記振幅値は、周期信号によるモータトルク出力の振幅値であり、トルクリップルの振幅値と同振幅値になるように設定される。
モータ1回転でN回の脈動を持つトルクリップルであれば、モータプーリ歯数×歯ピッチ/Nで、トルクリップルピッチを算出する。上記振幅値は、周期信号生成手段100が出力する周期信号の振幅値である。上記位相値は、周期信号生成手段100が出力する周期信号の位相値である。位置信号の原点は、DCモータ7に取り付けられている回転角度原点センサ(図示せず)を用いてもよく、キャリッジ2の原点位置検出時を用いてもよい。
なお、上記振幅値の変動と上記位相値の変動とは、キャリッジ2で生じる周期変動であり、また、上記周期信号は、キャリッジ2で生じる周期変動を抑制するための周期信号である。
周期信号生成手段100が出力した周期信号は、振幅調整手段101と位相調整手段102とによって、上記式(2)に示す振幅値と位相値とが、公知の調整方法によって調整される。振幅値と位相値とは、DCモータ7の製造誤差、記録装置の部品誤差や組立によって異なるので、各記録装置で算出する必要がある。調整制御手段103は、必要に応じて、位相調整手段102、または、振幅調整手段101及び位相調整手段102の双方を動作させる。つまり、調整制御手段103は、所定の条件に応じて、上記位相調整手段、または、上記位相調整手段及び上記振幅調整手段の双方を動作させる。
制御部105の出力と周期信号生成手段100の出力とが加算され、モータドライバ108へ出力される。モータドライバ108は、電流増幅し、DCモータ7を駆動する。DCモータ7は、駆動指令信号に基づいて、キャリッジ2を駆動させるキャリッジ駆動手段である。
上記のように、周期信号の出力を、トルクリップルと同振幅値、逆位相と設定するので、キャリッジ2の周期振動を打ち消すことができる。
図6は、調整制御手段103の構成を示す図である。調整制御手段103は、3つの格納領域A、B、Cと、信号処理手段114と、判断手段115とを含む。格納領域Aには、振幅値、位相値が調整された直後のキャリッジ2の振動データ(振幅値)が格納される。格納領域Cには、キャリッジ2の現在の振動データ(振幅値)が格納される。また、格納領域Bには、キャリッジ2の直近の振動データ(振幅値)が格納される。格納領域Bに格納されるキャリッジ2の振動データ(振幅値)は、たとえば現在の1日前や印字10枚前等、比較的短時間前(直近)のキャリッジ2の振動データ(振幅値)である。
判断手段115は、格納領域A、B、Cの振幅値を比較し、次のように動作させる。
格納領域Aに格納されている振幅値≧格納領域Bに格納されている振幅値≧格納領域Cに格納されている振幅値(条件1)であれば、振幅調整手段101、位相調整手段102ともに動作させない。なお、格納領域Aに格納されている振幅値は、上記周期信号の調整直後の振幅値であり、格納領域Bに格納されている振幅値は、上記周期信号の直近の振幅値であり、格納領域Cに格納されている振幅値は、上記周期信号の現在の振幅値である。よって、上記条件1は、上記周期信号の調整直後の振幅値が、直近の振幅値以上であり、かつ、上記直近の振幅値が現在の振幅値以上であるという条件である。換言すれば、上記条件1は、現在の振幅値が直近の振幅値以下であり、しかも、直近の振幅値が調整直後の振幅値以下であるという条件である。上記条件1を満たす場合、現在の振幅値が、調整時における振幅値、直近の振幅値以下であるので、振幅調整手段101、位相調整手段102ともに調整する必要がなく、したがって、振幅調整手段101、位相調整手段102ともに動作させない。
格納領域Aに格納されている振幅値≧格納領域Bに格納されている振幅値<格納領域Cに格納されている振幅値(条件2)であれば、位相調整手段102のみを動作させる。つまり、上記条件2は、上記周期信号の調整時の振幅値が直近の振幅値以上であり、かつ、上記直近の振幅値が現在の振幅値よりも小さいという条件である。換言すれば、条件2は、直近の振幅値が調整時の振幅値以下になったにもかかわらず、現在の振幅値が直近の振幅値よりも大きいという条件である。条件2を満たす場合、比較的短時間の間に振動状態が変化したと判断し、すなわち歯飛びが生じたと判断し、位相調整手段102のみを動作させる。
格納領域Aに格納されている振幅値<格納領域Bに格納されている振幅値=格納領域Cに格納されている振幅値(条件3)であれば、位相調整手段102、振幅調整手段101の双方を動作させる。条件3を満たす場合、調整時の振幅値よりも直近の振幅値が大きく、しかも、現在の振幅値が直近の振幅値と同じである。したがって、条件3を満たす場合、比較的長時間の間に振動状態が変化した現象(経時変化による特性変動)であると判断し、位相調整手段102、振幅調整手段101の双方を動作させる。
上記のように、上記条件に応じて、動作させる調整手段を決定する。なお、格納される振幅値は、バンドパスフィルタである信号処理手段114を使用して、トルクリップルの周波数帯域でのみ抽出された振動データ(振幅値)を用いる。また、信号処理手段114が、キャリッジ2の速度変動について、FFTと呼ばれる周波数解析を行い、トルクリップルの周波数での振幅値を格納するようにしてもよい。
実施例1では、煩雑な説明を避けるために、トルクリップルは1つの周期成分のみであると説明したが、トルクリップルの周期成分が複数存在する場合にも、実施例1を適用することができる。
実施例1によれば、モータのトルクリップルを抑制する場合、キャリッジの速度が変動した原因に応じて、位相値のみの調整、または、振幅値及び位相値の調整を行い、位相値のみを調整する場合、その調整時間が短い。したがって、常に振幅値及び位相値を調整する従来例と比較すると、実施例1は、全体の調整時間を短くすることができる。
調整制御手段103を、以下のように変形するようにしてもよい。つまり、キャリッジ2の位置及び速度情報と駆動指令信号とを比較し、キャリッジが記録媒体15を巻き込み、キャリッジが停止する現象(紙ジャム)や、キャリッジ2と筐体12との衝突を検知する。上記紙ジャムや上記衝突が起こると、モータプーリ8とタイミングベルト6とに歯飛びが生じる可能性が高い。歯飛びが発生すると、モータ回転角度θとセンサ検出位置とにズレが生じる。このズレは、上記式(2)の位相値が変化したことに等しい。
よって、調整制御手段103が歯飛びを検知した場合、位相調整手段102のみを動作させ、公知の調整方法によって、最適な位相値を求める。
また、製造直後やプリンタ使用者が必要であると判断した場合、調整制御手段103は、振幅調整手段101と位相調整手段102との双方を動作させることもできる。
PR1…インクジェット記録装置、
100…周期信号生成手段、
101…振幅調整手段、
102…位相調整手段、
103…調整制御手段。
100…周期信号生成手段、
101…振幅調整手段、
102…位相調整手段、
103…調整制御手段。
Claims (5)
- 記録ヘッドを搭載するキャリッジと、上記キャリッジを駆動するための駆動源と、上記駆動源の駆動力を上記キャリッジに伝達する駆動力伝達部材とを具備するインクジェット記録装置であって、
駆動指令信号に基づいて、上記キャリッジを駆動させるキャリッジ駆動手段と;
上記キャリッジで生じる周期変動を抑制するための周期信号を生成する周期信号生成手段と;
上記生成された周期信号の位相を調整する位相調整手段と;
上記生成された周期信号の振幅を調整する振幅調整手段と;
所定の条件に応じて、上記位相調整手段、または、上記位相調整手段及び上記振幅調整手段の双方を動作させる調整制御手段と;
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1であって、
上記調整制御手段は、上記キャリッジの状態に応じて、上記位相調整手段、または上記位相調整手段及び上記振幅調整手段の双方を動作させる手段であることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1であって、
上記調整制御手段は、上記周期信号の現在の振幅値が直近の振幅値以下であり、しかも、上記直近の振幅値が調整直後の振幅値以下であれば、上記位相調整手段のみを動作させる手段であることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1であって、
上記調整制御手段は、上記周期信号の調整時の振幅値よりも直近の振幅値が大きく、しかも、現在の振幅値が直近の振幅値と同じであれば、上記位相調整手段と上記振幅調整手段とを動作させる手段であることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 記録ヘッドを搭載するキャリッジと、上記キャリッジを駆動するための駆動源と、上記駆動源の駆動力を上記キャリッジに伝達する駆動力伝達部材とを具備するインクジェット記録装置の制御方法であって、
駆動指令信号に基づいて、上記キャリッジを駆動させるキャリッジ駆動工程と;
上記キャリッジで生じる周期変動を抑制するための周期信号を生成する周期信号生成工程と;
上記生成された周期信号の位相を位相調整手段が調整する位相調整工程と;
上記生成された周期信号の振幅を振幅調整手段が調整する振幅調整工程と;
所定の条件に応じて、上記位相調整工程、または、上記位相調整工程及び上記振幅調整工程の双方を動作させる調整制御工程と;
を有することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
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