JP5920050B2 - 電動機制御装置、および、これを用いた電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動機制御装置、および、これを用いた電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、電動機制御装置、および、これを用いた電動パワーステアリング装置に関する。
従来、電動機の駆動の制御に係るセンサに異常が生じた場合、異常が生じたセンサにより検出された検出値を用いずに電動機を駆動し、操舵のアシストを継続する電動パワーステアリング装置が知られている。例えば特許文献1では、電動機の位置センサに異常が生じた場合においても、操舵のアシストを継続している。
特開2003−26020号公報
ところで近年、制御技術が向上しており、異常が生じたセンサを用いないセンサレス制御により電動機を駆動した場合でも、センサに異常が生じていない場合と略同様に制御することが可能になっている。そのため、センサに異常が生じていることに気づかずに電動機の駆動を継続する虞がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置に異常が生じていることを適切に感知させることができる電動機制御装置、および、これを用いた電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明の電動機制御装置は、ステータ、ステータに対し相対回転可能に設けられるロータ、および、ステータに巻回される巻線組を有し、操舵に関するアシストトルクを出力する電動機の駆動を制御するものである。電動機制御装置は、検出値取得手段と、異常判断手段と、正常時駆動制御手段と、バックアップ制御手段と、を備える。
検出値取得手段は、電動機の駆動に係る検出値として、少なくとも、トルクセンサにより検出される操舵トルクに係るトルク検出し、回転角センサにより検出される電動機の回転角に係る回転角検出値、および、電流センサにより検出される巻線組の各相電流に係る電流検出値を取得する。異常判断手段は、検出値に異常が生じているか否かを判断する。異常判断手段により検出値に異常が生じていないと判断された場合、正常時駆動制御手段は、検出値取得手段により取得される検出値を用い、第1の出力トルクを出力するように電動機の駆動を制御する。また、異常判断手段により検出値の1種類に異常が生じていると判断された場合、バックアップ制御手段は、異常が生じているを除く他のを用い、第1の出力トルクとは異なる第2の出力トルクを出力するように電動機の駆動を制御するバックアップ制御とするまた、検出値の2種類以上に異常が生じていると判断された場合、バックアップ制御または電動機の駆動を停止する。
バックアップ制御手段は、異常が生じている検出値を用いずに電動機の駆動を制御するので、センサ等の故障により検出値に異常が生じても、電動機の駆動を継続することができる。また、バックアップ制御手段は、正常時に出力される第1の出力トルクとは異なる第2の出力トルクを出力するように電動機の駆動を制御するので、装置に異常が生じていることを適切に感知させることができる。
また、例えば、電動機制御装置を電動パワーステアリング装置に適用した場合、センサ等の故障により検出値に異常が生じても、異常が生じている検出値を用いずに電動機の駆動が継続され、操舵のアシストを継続することができる。また、運転者に故障発生を適切に感知させることができるので、装置の故障に気づかずに使用を継続している間に、他の箇所も故障し、電動機の駆動ができなくなることによって操舵のアシストができなくなるという状況を回避することができる。
本発明の第1実施形態による電動パワーステアリング装置の全体構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態による電動パワーステアリング装置の回路構成を示す回路図である。 本発明の第1実施形態によるモータ駆動処理を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態によるモータ駆動処理を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態による電動パワーステアリング装置において、トルクセンサが故障した場合を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態による電動パワーステアリング装置において、回転角センサが故障した場合を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態による電動パワーステアリング装置において、電流センサが故障した場合を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態によるアシストトルクを説明する図であって、(a)はセンサに故障が生じていない正常時駆動制御時であり、(b)はセンサに故障が生じているバックアップ制御時である。 本発明の第2実施形態によるアシストトルクを説明する図であって、(a)はセンサに故障が生じていない正常時駆動制御時であり、(b)はセンサに故障が生じているバックアップ制御時である。
以下、本発明による電動機制御装置を図面に基づいて説明する。なお、以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による電動機制御装置、および、これを用いた電動パワーステアリング装置を図1および図2に示す。
電動機制御装置としてのモータ制御装置1は、電動機としてのモータ10の駆動を制御するものである。モータ制御装置1は、モータ10とともに、車両のステアリング操作(操舵)をアシスト(補助)するための電動パワーステアリング装置2に適用される。
図1は、モータ制御装置1を採用する電動パワーステアリング装置2を備えたステアリングシステム90の全体構成を示す図である。
運転者により操舵されるステアリングホイール91は、ステアリングシャフト92に接続される。ステアリングシャフト92の先端には、ピニオンギア96が設けられており、ピニオンギア96はラック軸97に噛み合っている。ラック軸97の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪98が連結されている。これにより、運転者がステアリングホイール91を回転させると、ステアリングホイール91に接続されたステアリングシャフト92が回転し、ステアリングシャフト92の回転運動がピニオンギア96によりラック軸97の直線運動に変換され、ラック軸97の直線運動変位に応じた角度となるように一対の車輪98が操舵される。
電動パワーステアリング装置2は、出力トルクとしてのアシストトルクを出力するモータ10、モータ10の回転を減速してステアリングシャフト92に伝える減速ギア94、および、モータ制御装置1を備える。
モータ10は、本実施形態では、三相ブラシレスモータであり、いずれも図示しないステータ、ロータ、および、シャフトを有する。ロータは、シャフトとともに回転する部材であり、その表面に永久磁石が貼り付けられ、磁極を有している。ステータは、ロータを内部に収容しており、ロータはステータ内部で回転可能に支持されている。ステータは、径内方向へ所定角度毎に突出する突出部を有し、この突出部にU1コイル111、V1コイル112、W1コイル113、U2コイル121、V2コイル122、および、W2コイル123が巻回されている。U1コイル111、V1コイル112、および、W1コイル113は、Δ結線されて第1巻線組11を構成している。同様に、U2コイル121、V2コイル122、および、W2コイル123は、Δ結線されて第2巻線組12を構成している(図2参照)。なお、第1巻線組11および第2巻線組12が「巻線組」に対応している。
モータ制御装置1は、図示しないECUにより構成される。ECUは、第1インバータ部21、第2インバータ部22、および、制御部30等を備える。
図2に示すように、第1インバータ部21は、バッテリ50と第1巻線組11との間に設けられ、第1巻線組11への通電を切り替えるべく、スイッチング素子211〜216がブリッジ接続されている。第1インバータ部21とバッテリ50との間には、電源リレー51が設けられる。
第2インバータ部22は、バッテリ50と第2巻線組12との間に設けられ、第2巻線組12への通電を切り替えるべく、スイッチング素子221〜226がブリッジ接続されている。第2インバータ部22とバッテリ50との間には、電源リレー52が設けられる。
本実施形態では、モータ10の第1巻線組11の通電を制御すべく第1インバータ部21が対応して設けられ、第2巻線組12の通電を制御すべく第2インバータ部22が対応して設けられている。換言すると、モータ10は、2系統で駆動される、といえる。以下適宜、第1巻線組11と第1インバータ部21との組み合わせを第1系統100、第2巻線組12と第2インバータ部22との組み合わせを第2系統200、という。
スイッチング素子211〜216、221〜226、および、電源リレー51、52には、例えば電界効果トランジスタの一種であるMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)が用いられる。もちろん、MOSFET以外のIGBT等を用いてもよい。以下、スイッチング素子211〜216、221〜226を、MOS211〜216、221〜226という。
第1インバータ部21のMOS211は、ドレインがバッテリ50の高電位側に接続され、ソースがMOS214のドレインに接続される。MOS214のソースは、シャント抵抗751を介して接地される。MOS211とMOS214との接続点は、U1コイル111の一端に接続される。また、MOS211とMOS214との接続点には、U1端子電圧Vu1を検出する端子電圧検出部761が接続される。
MOS212は、ドレインがバッテリ50の高電位側に接続され、ソースがMOS215のドレインに接続される。MOS215のソースは、シャント抵抗752を介して接地される。MOS212とMOS215との接続点は、V1コイル112の一端に接続される。また、MOS212とMOS215との接続点には、V1端子電圧Vv1を検出する端子電圧検出部762が接続される。
MOS213は、ドレインがバッテリ50の高電位側に接続され、ソースがMOS216のドレインに接続される。MOS216のソースは、シャント抵抗753を介して接地される。MOS213とMOS216との接続点は、W1コイル113の一端に接続される。また、MOS213とMOS216との接続点には、W1端子電圧Vw1を検出する端子電圧検出部763が接続される。
第2インバータ部22のMOS221は、ドレインがバッテリ50の高電位側に接続され、ソースがMOS224のドレインに接続される。MOS224のソースは、シャント抵抗754を介して接地される。MOS221とMOS224との接続点は、U2コイル121の一端に接続される。また、MOS221とMOS224との接続点には、U2端子電圧Vu2を検出する端子電圧検出部764が接続される。
MOS222は、ドレインがバッテリ50の高電位側に接続され、ソースがMOS225のドレインに接続される。MOS225のソースは、シャント抵抗755を介して接地される。MOS222とMOS225との接続点は、V2コイル122の一端に接続される。また、MOS222とMOS225との接続点には、V2端子電圧Vv2を検出する端子電圧検出部765が接続される。
MOS223は、ドレインがバッテリ50の高電位側に接続され、ソースがMOS226のドレインに接続される。MOS226のソースは、シャント抵抗756を介して接地される。MOS223とMOS226との接続点は、W2コイル123の一端に接続される。また、MOS223とMOS226との接続点には、W2端子電圧Vw2を検出する端子電圧検出部766が接続される。
制御部30は、通常のコンピュータとして構成されており、内部にはCPU、ROM、I/O、および、これらの構成を接続するバスライン等が備えられている。本実施形態では、制御部30には、電流センサ75、電圧センサ76、トルクセンサ82、回転角センサ83、および、図示しない車速センサ等が接続されている。なお、各センサと制御部30との間の制御線は、煩雑になることを避けるため省略した。
電流センサ75は、シャント抵抗751〜756から構成される。制御部30では、シャント抵抗751〜756にて検出される両端電圧を取得し、U1電流Iu1、V1電流Iv1、W1電流Iw1、U2電流Iu2、V2電流Iv2、および、W2電流Iw2を算出する。具体的には、シャント抵抗751〜753の両端電圧に基づき、U1電流Iu1、V1電流Iv1、および、W1電流Iw1を算出する。また、シャント抵抗754〜756の両端電圧に基づき、U2電流Iu2、V2電流Iv2、および、W2電流Iw2を算出する。
なお、U1電流Iu1、V1電流Iv1、W1電流Iw1、U2電流Iu2、V2電流Iv2、および、W2電流Iw2が「各相電流」に対応し、以下適宜「各相電流」という。
また、シャント抵抗751〜756により検出される「検出値」である両端電圧が「各相電流に係る電流検出値」に対応する。さらにまた、制御部30では、「電流センサから巻線組毎に電流検出値を取得している」と言える。
電圧センサ76は、端子電圧検出部761〜766から構成される。制御部30では、端子電圧検出部761〜766にて検出される各相の端子電圧を取得する。なお、端子電圧検出部761〜766により検出される「検出値」である端子電圧が「巻線組の各相の端子電圧に係る電圧検出値」に対応する。
図1に示すように、トルクセンサ82は、ステアリングシャフト92のうち、ステアリングホイール91側の部分と、ピニオンギア96側の部分と、を接続するトーションバー93に設けられ、トーションバー93の捩れ角に相当する検出値を出力する。トーションバー93の捩れ角は、ステアリングシャフト92のステアリングホイール91側の部分に加えられた力による角度と、ステアリングシャフト92のピニオンギア96側の部分に加えられた力による角度との差である。この角度差に相当する磁束密度を複数のホール素子により検出する。本実施形態では、2つのホール素子により角度差に相当する磁束密度を検出する。制御部30では、一方のホール素子により検出される磁束密度をメイン信号Tm、他方のホール素子により検出される磁束密度をサブ信号Tsとして取得し、メイン信号Tmおよびサブ信号Tsに基づき、操舵トルクTqを算出する。なお、トルクセンサ82により検出される「検出値」であるメイン信号Tmおよびサブ信号Tsが「操舵トルクに係るトルク検出値」に対応する。ここでは便宜上2つの検出値をメイン信号Tmおよびサブ信号Tsと呼んでいるが、2つの検出値に優劣はあってもなくてもよい。
回転角センサ83は、一般的なレゾルバであって、モータ10のロータ近傍に設けられている。制御部30は、回転角センサ83により検出されるsin信号およびcos信号に基づき、モータ10の電気角θを算出する。なお、電気角θが「回転角」に対応し、回転角センサ83により検出される「検出値」であるsin信号およびcos信号が「回転角に係る回転角検出値」に対応する。
制御部30は、操舵トルクTq、モータ10の電気角θ、各相電流Iu1、Iv1、Iw1、Iu2、Iv2、Iw2、および、車速センサ95により検出される車両の走行速度SP等に基づき、第1インバータ部21および第2インバータ部22のMOS211〜216、221〜226のオン/オフを制御することによりモータ10の駆動を制御している。
具体的には、制御部30では、モータ10の電気角θに基づき、U1電流Iu1、V1電流Iv1、および、W1電流Iw1を、d軸電流検出値Id1およびq軸電流検出値Iq1にdq変換する。また、操舵トルクTqおよび車両の走行速度SPに基づいてアシスト量決定部31にてアシストトルクを決定する。また、アシストトルクに基づいて電流指令値を演算し、電流指令値および電気角θからd軸電流指令値Id1*、および、q軸電流指令値Iq1*を求める。そして、d軸電流指令値Id1*およびq軸電流指令値Iq1*と、d軸電流検出値Id1およびq軸電流検出値Iq1とから、電流フィードバック演算を行い、d軸電圧指令値Vd1*およびq軸電圧指令値Vq1*を算出する。詳細には、d軸電流指令値Id1*とd軸電流検出値Id1との電流偏差ΔId1、および、q軸電流指令値Iq1*とq軸電流検出値Iq1との電流偏差ΔIq1を算出し、電流指令値Id1*、Iq1*に追従させるべく、電流偏差ΔId1、ΔIq1が0に収束するように電圧指令値Vd1*、Vq1*を算出する。そして、モータ10の電気角θに基づき、算出された電圧指令値Vd1*、Vq1*を三相電圧指令値Vu1*、Vv1*、Vw1*に変換し、三相電圧指令値Vu1*、Vv1*、Vw1*に基づき、第1インバータ部21を構成するMOS211〜216のオン/オフを制御する。これにより、第1インバータ部21にて交流電力が生成され、この交流電力が第1巻線組11に供給されることにより、モータ10が駆動される。
また、第2インバータ部22においても、U2電流Iu2、V2電流Iv2、および、W2電流Iw2等を用い、同様の制御がなされる。これにより、第2インバータ部22にて交流電力が生成され、この交流電力が第2巻線組12に供給されることにより、モータ10が駆動される。
また、本実施形態では、上記センサ類の故障等により検出値に異常が生じた場合、異常が生じた検出値を用いずにモータ10の駆動を制御するバックアップ制御を行っている。
そこで、本実施形態において、制御部30にて実行されるモータ10の駆動制御を図3および図4に基づいて説明する。なお、この処理は、電動パワーステアリング装置2による操舵のアシストが実行されているときに、所定の間隔で実行されるものとする。
図3に示すように、最初のステップS100(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、モータ10の駆動に係る各種検出値を取得する。本実施形態では、電流センサ75を構成するシャント抵抗751〜756の両端電圧、電圧センサ76を構成する端子電圧検出部761〜766により検出される端子電圧、トルクセンサ82により検出されるメイン信号Tmおよびサブ信号Ts、および、回転角センサ83により検出されるsin信号およびcos信号を取得する。
S101では、通常制御中か否かを判断する。通常制御中ではないと判断された場合(S101:NO)、すなわち、検出値のいずれか1つに異常が生じており、バックアップ制御中である場合、図4中のS202へ移行する。通常制御中であると判断された場合(S101:YES)、S102へ移行する。
S102では、トルク検出値であるメイン信号Tmおよびサブ信号Tsが正常か否かを判断する。メイン信号Tmおよびサブ信号Tsが正常である場合(S102:YES)、すなわちメイン信号Tmおよびサブ信号Tsに異常が生じていない場合、S103へ移行する。メイン信号Tmまたはサブ信号Tsが正常でない場合(S102:NO)、すなわちメイン信号Tmまたはサブ信号Tsに異常が生じている場合、S104へ移行する。
メイン信号Tmおよびサブ信号Tsに異常が生じていない場合(S102:YES)に移行するS103では、メイン信号Tmおよびサブ信号Tsの両方を用いて操舵トルクTqを算出する。本実施形態では、メイン信号Tmおよびサブ信号Tsが正常である場合、メイン信号Tmおよびサブ信号Tsは、図5(a)に示す如くであって、このメイン信号Tmおよびサブ信号Tsを用い、式(1)に基づいて操舵トルクTqを算出する。
Tq=(Tm−Ts)×K1 ・・・(1)
メイン信号Tmまたはサブ信号Tsに異常が生じている場合(S102:NO)に移行するS104では、異常フラグをセットするとともに、異常が生じていない方の信号を用いて操舵トルクTqを算出する。例えばサブ信号Tsに異常が生じていればメイン信号Tmを用い、メイン信号Tmに異常が生じていればサブ信号Tsを用いて操舵トルクTqを算出する。図5(b)に示すように、サブ信号Tsに異常が生じているとすると、メイン信号Tmのみを用い、式(2)に基づいて操舵トルクTqを算出する。
Tq=Tm×K2 ・・・(2)
また、メイン信号Tmに異常が生じている場合、サブ信号Tsのみを用い、式(3)に基づいて操舵トルクTqを算出する。
Tq=Ts×K3 ・・・(3)
なお、上記式(1)中のK1は、電圧信号として取得されるメイン信号Tmとサブ信号Tsとの差分値を操舵トルクTqに変換するための変換係数である。また、上記式(2)中のK2は、メイン信号Tmを操舵トルクTqに変換するための変換係数であり、上記式(3)中のK3は、サブ信号Tsを操舵トルクTqに変換するための変換係数である。変換係数K1、K2、K3は、それぞれ異なる値であって、あらかじめ制御部30に格納されている。
続くS105では、回転角検出値であるsin信号およびcos信号が正常か否かを判断する。sin信号およびcos信号が正常である場合(S105:YES)、すなわちsin信号およびcos信号に異常が生じていない場合、S106へ移行する。sin信号およびcos信号の少なくとも一方が正常でない場合(S105:NO)、すなわちsin信号およびcos信号の少なくとも一方に異常が生じている場合、S107へ移行する。
sin信号およびcos信号に異常が生じていない場合(S105:YES)に移行するS106では、sin信号およびcos信号は、図6(a)に示す如くであって、sin信号およびcos信号を用い、式(4)に基づいてモータ10の電気角θを演算する。
θ=tan-1(sin信号/cos信号) ・・・(4)
sin信号およびcos信号の少なくとも一方に異常が生じている場合(S105:NO)に移行するS107では、異常フラグをセットするとともに、電圧センサ76により検出される端子電圧を用いて電気角θを推定する。ここでは一例として、図6(b)に示す如くである第1インバータ部21の端子電圧検出部761〜763により検出されるU1端子電圧Vu1、V1端子電圧Vv1、および、W1端子電圧Vw1を用いて電気角θを推定する。まず、端子電圧Vu1、Vv1、Vw1を3相2相変換により、d軸電圧Vdおよびq軸電圧Vqを算出する。算出されたd軸電圧Vdおよびq軸電圧Vqを用い、式(5)に基づいてモータ電圧Vmを算出する。
Figure 0005920050
また、式(5)にて算出されたモータ電圧Vmを用い、式(6)に基づいて前回演算からの角度差分値Δθを算出する。
Δθ={Vm−RIm−L(di/dt)}/Ke ・・・(6)
なお、上記式(6)中のRはモータ抵抗、Imはモータ電流、Lはインダクタンス、di/dtはモータ電流Imの時間微分、Keは逆起電圧定数である。モータ電流Imは、例えば後述の式(8)または式(9)等に基づいて算出される。
そして、モータ10の電気角θについて、今回演算値をθn、前回演算値をθn-1とすると、今回演算値θnは、前回演算値θn-1に角度差分値Δθを加算して算出される。
すなわち、今回演算値θnは式(7)により算出される。
θn=θn-1+Δθ ・・・(7)
式(7)により算出されたθnは、sin信号およびcos信号に基づいて算出された電気角θに替えて、各種演算に用いられる。
なお、ここでは端子電圧として、第1系統100のU1端子電圧Vu1、V1端子電圧Vv1、および、W1端子電圧Vw1を用いたθnの演算について説明したが、これに替えて第2系統200のU2端子電圧Vu2、V2端子電圧Vv2、および、W2端子電圧Vw2を用いてもよいし、第1系統100および第2系統200の端子電圧を用いてもよい。
続くS108では、電流検出値であるシャント抵抗751〜756の両端電圧が正常か否かを判断する。電流検出値が正常である場合(S108:YES)、すなわち電流検出値に異常が生じていない場合、S109へ移行する。電流検出値が正常でない場合(S108:NO)、すなわち電流検出値に異常が生じている場合、S110へ移行する。なお、ここでは2重故障はないものとし、一方の系統の電流検出値に異常が生じていた場合、他方の系統は正常であるものとする。
電流検出値に異常が生じていない場合(S108:YES)に移行するS109では、電流検出値であるシャント抵抗751〜756の両端電圧から算出される2系統の各相電流Iu1、Iv1、Iw1、Iu2、Iv2、Iw2を用いて各種演算を行う。なお本実施形態では、電流検出値に異常が生じていない場合、各相電流Iu1、Iv1、Iw1、Iu2、Iv2、Iw2は、図7(a)、(b)に示す如くであって、図7(a)に示す第1系統100の各相電流Iu1、Iv1、Iw1と、図7(b)に示す第2系統200の各相電流Iu2、Iv2、Iw2とは等しい。
電流検出値に異常が生じている場合(S108:NO)に移行するS110では、異常フラグをセットするとともに、異常が生じていない系統の電流検出値を用いて算出される一方の各相電流を用いて各種演算を行う。すなわち、第1系統100の電流検出値であるシャント抵抗751〜753の両端電圧に異常が生じている場合、第2系統200の電流検出値であるシャント抵抗754〜756の両端電圧から算出される第2系統200の各相電流Iu2、Iv2、Iw2を用いて各種演算を行う。また、図8(d)に示すように、第2系統200の電流検出値であるシャント抵抗754〜756の両端電圧に異常が生じている場合、図8(c)に示す第1系統100の電流検出値であるシャント抵抗751〜753の両端電圧から算出される第1系統100の各相電流Iu1、Iv1、Iw1を用いて各種演算を行う。
ここで、2系統の各相電流Iu1、Iv1、Iw1、Iu2、Iv2、Iw2に基づいて算出されるモータ電流Imについて説明しておく。まず、第1系統100の各相電流であるU1電流Iu1、V1電流Iv1、および、W1電流Iw1に基づき、3相2相変換により、d軸電流Id1およびq軸電流Iq1を算出する。また、第2系統200の各相電流であるU2電流Iu2、V2電流Iv2、および、W2電流Iw2に基づき、3相2相変換により、d軸電流Id2およびq軸電流Iq2を算出する。このとき、モータ電流Imは、式(8)に基づいて算出される。
Figure 0005920050
また、一方の系統である第1系統100の各相電流Iu1、Iv1、Iw1に基づいて算出されるモータ電流Imについて説明しておく。まず第1系統100の各相電流Iu1、Iv1、Iw1に基づき、3相2相変換により、d軸電流Id1およびq軸電流Iq1を算出する。このとき、モータ電流Imは、式(9)に基づいて算出される。
Figure 0005920050
ここで式(8)と式(9)とを比べてみると、各相電流Iu1、Iv1、Iw1と、Iu2、Iv2、Iw2が等しい場合、d軸電流Id1とId2、q軸電流Iq1とIq2が等しいので、式(9)により算出されるモータ電流Imは、式(8)により算出されるモータ電流Imの1/2となっている。
続くS111では、トルクセンサ82、回転角センサ83、または、電流センサ75により検出される検出値に異常が生じているか否かを判断する。ここでは、例えば異常フラグがセットされているか否かに基づいて判断する。トルクセンサ82、回転角センサ83、および、電流センサ75により検出される検出値に異常が生じていない場合(以下、単に「センサ異常が生じていない場合」という。)(S111:NO)、すなわち異常フラグがセットされていない場合、S112に移行する。トルクセンサ82、回転角センサ83、または、電流センサ75により検出される検出値に異常が生じている場合(以下、単に「センサ異常が生じている場合」という。)(S111:YES)、S113へ移行する。
センサ異常が生じていない場合(S111:NO)に移行するS112では、トルクセンサ82から取得されるトルク検出値であるメイン信号Tmおよびサブ信号Tsに基づいて算出される操舵トルクTq、回転角センサ83から取得される回転角検出値であるsin信号およびcos信号に基づいて算出される電気角θ、および、電流センサ75から取得される電流検出値であるシャント抵抗751〜756の両端電圧に基づいて算出される各相電流Iu1、Iv1、Iw1、Iu2、Iv2、Iw2を用い、正常時駆動制御にてモータ10の駆動を制御する。正常時駆動制御においては、図8(a)に示すように、アシスト量決定部31にて、アシストトルクがL1となるように操舵トルクTqに応じた電流指令値を決定し、当該電流指令値に基づいてモータ10の駆動を制御する。
センサ異常が生じている場合(S111:YES)に移行するS113では、異常が生じている検出値が1つか否かを判断する。異常が生じている検出値が1つではないと判断された場合(S113:NO)、すなわち異常が生じている検出値が2つ以上ある場合、S115へ移行する。異常が生じている検出値が1つであると判断された場合(S113:YES)、S114へ移行する。
S114では、異常が生じている検出値を用いないバックアップ制御にてモータ10の駆動を制御する。バックアップ制御においては、異常箇所に応じ、S104、S107、S110にて異常が生じている検出値を用いずに算出された各種演算値を用いてモータ10の駆動制御を行う。
また、バックアップ制御では、図8(b)に示すように、アシスト量決定部31にて、アシストトルクがL1より小さいL2となるように操舵トルクTqに応じた電流指令値を決定し、当該電流指令値に基づいてモータ10の駆動を制御する。本実施形態のバックアップ制御では、第1系統100および第2系統200を用い、全体として正常時駆動制御よりもアシストトルクが小さくなるように制御する。
これにより、センサ異常が生じている場合、センサ異常が生じていない場合よりもアシストトルクが小さくなり、運転者がステアリングホイール91の操舵に要するトルクが大きくなる、すなわちステアリングホイール91が重く感じられるので、運転者が装置に故障が生じていることを感知しやすくなる。運転者が装置に故障が生じていることを感知すれば、早期に車両を修理工場等へ持ち込む動機づけとなりえるので、故障発生に気づかずに使用を継続することにより、他の箇所も故障し、操舵のアシストができなくなるという状況を回避することができる。
なお、アシストトルクL1が「第1の出力トルク」に対応し、アシストトルクL2が「第2の出力トルク」に対応する。
異常が生じている検出値が2つ以上あると判断された場合(S113:NO)に移行するS115では、モータ10の駆動を停止し、電動パワーステアリング装置2による操舵のアシストを停止する。
図4に示すように、バックアップ制御中である場合(S101:NO)に移行するS202〜S210における処理は、図3中のS102〜S110の処理と同様であるので、説明を省略する。
S211では、異常が生じている検出値が1つか否かを判断する。異常が生じている検出値が1つではないと判断された場合(S211:NO)、すなわち異常が生じている検出値が2つ以上であると判断された場合、S213へ移行する。異常が生じている検出値が1つであると判断された場合(S211:NO)、S212へ移行する。
S212では、同じ箇所のセンサ異常が継続しており、他のセンサ異常が生じていないので、S114と同様のバックアップ制御を継続する。
異常が生じている検出値が2つ以上あると判断された場合(S213:YES)に移行するS213では、S115と同様、モータ10の駆動を停止し、電動パワーステアリング装置2による操舵のアシストを停止する。
また、S102、S105、S108、S202、S205、S208における各センサの検出値の異常判定については、どのような方法で行ってもよい。例えば、所定の下限値を出力しつづけたり、所定の下限値を下回ったり、所定の上限値を出力し続けたり、所定の上限値を上回ったり等により、異常が生じていると判定することができる。
以上詳述したように、モータ制御装置1は、ステータ、ステータに対し相対回転可能に設けられるロータ、および、ステータに巻回される第1巻線組11および第2巻線組12を有するモータ10の駆動を制御する。
制御部30では、以下の処理が実行される。モータ10の駆動に係る検出値を取得し(S100)、検出値に異常が生じているか否かを判断する(S102、S105、S108、S202、S205、S208)。検出値に異常が生じていないと判断された場合(S111:NO)、取得した検出値であるトルク検出値、回転角検出値、および、電流検出値を用い、アシストトルクL1を出力するようにモータ10の駆動を制御する(S112)。また、検出値の少なくとも1つに異常が生じていると判断された場合(S111:YESかつS113:YES、S211:YES)、異常が生じている検出値を除く他の検出値を用い、アシストトルクL1とは異なるアシストトルクL2を出力するようにモータ10の駆動を制御する(S114、S212)。
本実施形態では、検出値の少なくとも1つに異常が生じている場合、異常が生じている検出値を用いずにモータ10の駆動をバックアップ制御にて制御するので、モータ10の駆動を継続することができる。また、検出値に異常が生じていない場合に出力されるアシストトルクL1とは異なるアシストトルクL2を出力するようにモータ10の駆動を制御するので、装置に異常が生じていることを適切に感知させることができる。
本実施形態のモータ制御装置1は、電動パワーステアリング装置2に適用されている。本実施形態では、上記バックアップ制御を行うことにより、センサ等の故障により検出値に異常が生じていても、モータ10の駆動が継続され、ステアリングホイール91の操舵のアシストを継続することができる。また、検出値に異常が生じていない場合に出力されるアシストトルクL1とは異なるアシストトルクL2が出力されるので、装置に異常が生じていることを運転者に適切に感知させることができる。これにより、センサ等の故障に気づかずに使用を継続している間に、他の箇所も故障し、電動機の駆動ができなくなることによって操舵のアシストができなくなるという状況を回避することができる。
また、本実施形態では、検出値に異常が生じている場合のアシストトルクL2が、検出値に異常が生じていない場合のアシストトルクL1よりも小さくなるようにモータ10の駆動を制御する。これにより、運転者がステアリングホイール91の操舵に要するトルクが大きくなり、ステアリングホイール91が重く感じられるので、検出値に異常が生じていることを運転者に適切に感知させることができる。
モータ10は、操舵に関するアシストトルクを出力するものである。また、制御部30は、トルクセンサ82により検出される操舵トルクTqに係るトルク検出値であるメイン信号Tmおよびサブ信号Ts、回転角センサ83により検出されるモータ10の電気角θに係る回転角検出値であるsin信号およびcos信号、および、電流センサ75により検出される巻線組11、12の各相電流に係る電流検出値であるシャント抵抗751〜756の両端電圧を取得し、これらを用いてモータ10の駆動を制御する。これにより、モータ10の駆動を適切に制御することができる。
制御部30は、トルクセンサ82から2つのトルク検出値であるメイン信号Tmおよびサブ信号Tsを取得する。そして、トルク検出値の一部に異常が生じていると判断された場合(S102:NO、S202:NO)、異常が生じていないトルク検出値を用い(S104、S204)、モータ10の駆動を制御する。これにより、トルク検出値の一部に異常が生じていても、モータ10の駆動を適切に制御することができる。
また、制御部30は、電圧センサ76により検出される巻線組11、12の各相の端子電圧に係る電圧検出値を取得し(S100)、回転角検出値に異常が生じていると判断された場合(S105:NO、S205:NO)、電圧検出値に基づいて推定される電気角θを用い(S107、S207)、モータ10の駆動を制御する。これにより、回転角検出値の異常が生じても、モータ10の駆動を適切に制御することができる。
さらに本実施形態のモータ10は、第1巻線組11および第2巻線組12を有しており、電流センサ75は、巻線組11、12毎に設けられている。制御部30は、巻線組11、12毎に電流検出値を取得している。そして、一部の巻線組の電流検出値に異常が生じていると判断された場合(S108:NO、S208:NO)、異常が生じている電流検出値を含まない巻線組の電流検出値を用い(S110、S210)、モータ10の駆動を制御する。これにより、電流検出値の一部に異常が生じても、モータ10の駆動を適切に制御することができる。
本実施形態では、制御部30が「検出値取得手段」、「異常判断手段」、「正常時駆動制御手段」、「バックアップ制御手段」を構成する。また、図3中のS100が「検出値取得手段」の機能としての処理に相当し、S102、S105、S108、S202、S205、S208が「異常判断手段」の機能としての処理に相当し、S112が「正常時駆動制御手段」の機能としての処理に相当し、S114、S212が「バックアップ制御手段」の機能としての処理に相当する。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるモータ制御装置を図9に基づいて説明する。なお、本実施形態は、バックアップ制御のみが第1実施形態と異なるので、バックアップ制御についてのみを説明し、他の構成や制御等の詳細については説明を省略する。また、図9(a)は、図8(a)と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態のバックアップ制御では、図9(b)に示すように、アシスト量決定部31にて、アシストトルクが脈動するように、アシストトルクL1にパルス指令値Lpを加算したトルクを出力するように、操舵トルクTqに応じた電流指令値を決定し、当該電流指令値に基づいてモータ10の駆動を制御する。本実施形態では、アシストトルクL1にパルス指令値Lpを加算したトルクが「第2の出力トルク」に対応する。
これにより、上記実施形態と同様の効果を奏する他、検出値に異常が生じている場合、アシストトルクが脈動するので、装置に異常が生じていることを運転者に適切に感知させることができる。
(他の実施形態)
(ア)他の実施形態では、上記実施形態の如く、電動機が複数系統で駆動されている場合であって、検出値に異常が生じていると判断された場合、一部の巻線組への電力供給を遮断してもよい。第1実施形態の例でいえば、検出値に異常が生じていると判断された場合、電源リレー52を遮断し、第2系統200を用いず、第1系統100のみでモータ10を駆動するようにしてもよいし、電源リレー51を遮断し、第1系統100を用いず、第2系統200のみでモータ10を駆動するようにしてもよい。この場合、上記式(8)、(9)に示すように、モータ10の駆動に係る電力は、2系統で駆動した場合の約半分となる。
換言すると、「一部の巻線組への電力供給を遮断することにより、第2の出力トルクを第1の出力トルクよりも小さくする」ということである。これにより、上記実施形態と同様の効果を奏する。また、電動機の駆動制御に係る系統数を減らすことにより、検出値に異常が生じた場合の制御を簡素化することができる。
(イ)第1実施形態では、検出値に異常が生じた場合のアシストトルクが、検出値に異常が生じていない場合のアシストトルクよりも小さくなるように制御した。また、第2実施形態では、検出値に異常が生じた場合のアシストトルクに脈動が生じるように、パルス指令値を加算した。他の実施形態では、これらを組み合わせ、異常が生じていない場合のアシストトルクよりも小さいアシストトルクに、パルス指令値を加算して脈動させてもよい。アシストトルクを低減させる手段としては、電動機の駆動に係る全ての系統を用いてもよいし、上記(ア)のように一部の系統のみを用いてもよい。
(ウ)上記実施形態では、電動機は2系統で駆動されていたが、他の実施形態では、1系統でもよいし、3系統以上であってもよい。
(エ)上記実施形態では、一方の系統の電流検出値に異常が生じた場合、他方の系統の電流検出値を用いて電動機の駆動を制御した。他の実施形態では、電流検出値に異常が生じた場合、所謂電流センサレス制御としてもよい。
(オ)上記実施形態では、トルクセンサ、回転角センサ、電流センサ、および、電圧センサが設けられ、これらのセンサからの検出値を取得した。他の実施形態では、例えば回転角センサを省略して各相電流や端子電圧等から電気角θを推定する、といった具合に、一部のセンサを省略してもよい。また、例えばステアリングホイールの操舵角を検出する舵角センサ等、他のセンサを設け、当該センサからの検出値を取得して電動機の駆動を制御するようにし、当該センサからの検出値に異常が生じた場合には、上記実施形態と同様のバックアップ制御をするようにしてもよい。
(カ)上記実施形態では、トルク検出値、回転角検出値、電流検出値の異常判定を一連の処理として実行した。他の実施形態では、異常判定の順序を入れ替えてもよいし、検出値毎に個別に異常判定を行ってもよい。
(キ)上記実施形態では、2以上の検出値に異常が生じた場合、電動機の駆動を停止するようにしていたが、他の実施形態では、複数の検出値に異常が生じていても電動機の駆動が継続可能であれば、バックアップ制御にて電動機の駆動を継続するようにしてもよい。
(ク)上記実施形態では、電動機制御装置は、電動パワーステアリング装置に適用されたが、他の装置に適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
1・・・モータ制御装置(電動機制御装置)
2・・・電動パワーステアリング装置
10・・・モータ(電動機)
11、12・・・巻線組
30・・・制御部(検出値取得手段、異常判断手段、正常時駆動制御手段、バックアップ制御手段)
75・・・電流センサ
76・・・電圧センサ
82・・・トルクセンサ
83・・・回転角センサ

Claims (8)

  1. ステータ、前記ステータに対し相対回転可能に設けられるロータ、および、前記ステータに巻回される巻線組(11、12)を有し、操舵に関するアシストトルクを出力する電動機(10)の駆動を制御する電動機制御装置(1)であって、
    前記電動機の駆動に係る検出値として、少なくとも、トルクセンサ(82)により検出される操舵トルクに係るトルク検出値、回転角センサ(83)により検出される前記電動機の回転角に係る回転角検出値、および、電流センサ(75)により検出される前記巻線組の各相電流に係る電流検出値を取得する検出値取得手段(S101)と、
    前記検出値に異常が生じているか否かを判断する異常判断手段(S102、S105、S108、S202、S205、S208)と、
    前記異常判断手段により前記検出値に異常が生じていないと判断された場合、前記検出値取得手段により取得される前記トルク検出値、前記回転角検出値、および、前記電流検出値を用い、第1の出力トルクを出力するように前記電動機の駆動を制御する正常時駆動制御手段(S112)と、
    前記異常判断手段により前記検出値の1種類に異常が生じていると判断された場合、異常が生じているを除く他のを用い、前記第1の出力トルクとは異なる第2の出力トルクを出力するように前記電動機の駆動を制御するバックアップ制御とするバックアップ制御手段と
    を備え
    前記検出値の2種類以上に異常が生じていると判断された場合、前記バックアップ制御または前記電動機の駆動を停止することを特徴とする電動機制御装置。
  2. 前記バックアップ制御手段は、前記電動機の駆動の制御に係るトルク指令値にパルス指令値を加算することにより前記第2の出力トルクを脈動させることを特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置。
  3. 前記バックアップ制御手段は、前記第2の出力トルクが前記第1の出力トルクよりも小さくなるように前記電動機の駆動を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電動機制御装置。
  4. 前記巻線組は、複数であり、
    前記バックアップ制御手段は、一部の前記巻線組への電力供給を遮断することにより前記第2の出力トルクを前記第1の出力トルクよりも小さくすることを特徴とする請求項3に記載の電動機制御装置。
  5. 前記検出値取得手段は、前記トルクセンサから少なくとも2つの前記トルク検出値を取得し、
    前記異常判断手段により、前記トルク検出値の一部に異常が生じていると判断された場合、
    前記バックアップ制御手段は、異常が生じていない前記トルク検出値を用い、前記電動機の駆動を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  6. 前記検出値取得手段は、電圧センサ(76)により検出される前記巻線組の各相の端子電圧に係る電圧検出値を取得し、
    前記異常判断手段により、前記回転角検出値に異常が生じていると判断された場合、
    前記バックアップ制御手段は、前記電圧検出値に基づいて推定される前記回転角を用い、前記電動機の駆動を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  7. 前記巻線組は、複数であり、
    前記電流センサは、前記巻線組毎に設けられ、
    前記検出値取得手段は、前記電流センサから前記巻線組毎に前記電流検出値を取得し、
    前記異常判断手段により、一部の前記巻線組の前記電流検出値に異常が生じていると判断された場合、
    前記バックアップ制御手段は、異常が生じている前記電流検出値を含まない前記巻線組の前記電流検出値を用い、前記電動機の駆動を制御することを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の電動機制御装置と、
    操舵に関するアシストトルクを出力する前記電動機と、
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置(2)。
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