JP5919493B2 - パレット、トレイフィーダ及び部品実装装置 - Google Patents

Description

本発明は、部品が収容されたトレイを保持するパレット、このパレットを用いて部品の供給を行うトレイフィーダ及びこのトレイフィーダが供給する部品を基板に装着する部品実装装置に関するものである。

部品実装装置において、大型部品や異形部品等を供給する方法として、トレイフィーダを用いる方法が知られている。トレイフィーダは、複数の部品を水平方向に並べて収容したトレイをパレットに保持してこれをパレット格納部（マガジン）に格納しておき、必要なトレイをパレットごとパレット格納部から取り出して部品実装装置に供給するものである。このようなトレイフィーダにおいてトレイをパレット上に固定するときは、パレットに設けられたクランパと呼ばれる付勢部材によってトレイの対向する一方の側面を水平方向に付勢し、トレイの他方の側面をパレット上の位置規制部に押し付けて挟持するようになっている（例えば、特許文献１参照）。

特許第３２７９０１３号公報

しかしながら、近年、トレイフィーダでは、コストダウンを目的として、樹脂製の薄型のトレイを採用するケースが増加してきている。この樹脂製の薄型のトレイは強度が弱いことから、上記のようにクランパでトレイを押し付けて挟持するとトレイが変形して反りが発生してしまい、部品実装装置における部品のピックアップ精度が低下するおそれがあった。この場合、作業者はトレイが変形しないようにクランパの位置を変更してパレットへのトレイの押し付け力が適度なものとなるように調整する必要があるが、クランパの位置変更によるトレイの押付け力の調整作業は難しく操作も煩雑であるうえ、トレイの押し付け力が弱いとトレイをパレットに確実に取り付けることができなくなることから、作業者はパレットへのトレイの取り付けに多大な時間を要していた。

そこで本発明は、樹脂製の薄型のトレイなど強度の弱いトレイであっても、確実かつ容易にパレットに取り付けることができ、ピックアップ精度の低下を防止することができるパレット、トレイフィーダ及び部品実装装置を提供することを目的とする。

請求項１に記載のパレットは、部品実装装置に供給される部品を収容するキャビティ部が複数凹設された矩形の上面部、前記上面部の外周から下方に延出した側面部及び前記側面部の下端から外方に延出した鍔部を備えたトレイを保持するパレットであって、前記トレイの対向する一対の前記側面部を一対のガイド部によりガイドして前記トレイをスライド自在に受容するトレイ受容部を有し、前記一対のガイド部の少なくとも一方に、前記トレイ受容部に受容された前記トレイの前記側面部を前記トレイのスライド方向と直交する水平方向に付勢する側面部付勢手段と、前記トレイ受容部に受容された前記トレイの前記鍔部を上方から付勢する鍔部付勢手段とを備えた。

請求項２に記載のパレットは、請求項１に記載のパレットであって、前記一対のガイド部のうちの一方は他方に対して相対移動可能である。

請求項３に記載のパレットは、請求項１又は２に記載のパレットであって、前記側面部付勢手段は前記ガイド部の前記トレイの側面部と対向する垂直部に設けられて水平面内で弾性変形が自在な板ばね部材から成り、前記鍔部付勢手段は前記垂直部の上端から水平に延出した水平部に設けられて垂直面内で弾性変形が自在な板ばね部材から成る。

請求項４に記載のトレイフィーダは、請求項１乃至３の何れかに記載のパレットを格納するパレット格納部と、前記パレット格納部から前記パレットを引き出して部品供給位置に移動させるパレット移動機構とを備えた。

請求項５に記載の部品実装装置は、請求項４に記載のトレイフィーダにより供給された部品をピックアップして基板に装着する装着ヘッドを備えた。

本発明では、パレットが、トレイの対向する一対の側面部を一対のガイド部によりガイドしてトレイをスライド自在に受容するトレイ受容部を有し、トレイ受容部に受容したトレイの側面部を側面付勢手段によってトレイのスライド方向と直交する水平方向に付勢し、かつ、受容したトレイの鍔部を鍔部付勢手段によって上方から付勢する構成となっている。このため、樹脂製の薄型のトレイなど強度の弱いトレイであっても確実かつ容易にパレットに取り付けることができ、部品実装装置のピックアップ精度の低下を防止することができる。

本発明の一実施の形態における部品実装装置の側面図 本発明の一実施の形態における部品実装装置に部品を供給するトレイフィーダの側面図 本発明の一実施の形態におけるトレイフィーダのパレットに保持されるトレイの一部断面部分拡大図 （ａ）（ｂ）本発明の一実施の形態におけるパレットの斜視図 本発明の一実施の形態におけるパレットの平面図 本発明の一実施の形態におけるパレットが備える（ａ）移動ガイドの部分断面背面図（ｂ）移動ガイド及び第１ガイド部材の部分断面側面図（ｃ）第１ガイド部材の背面図 本発明の一実施の形態におけるパレットが備える第２ガイド部材の（ａ）正面図（ｂ）側面図 （ａ）（ｂ）本発明の一実施の形態におけるパレットをトレイとともに示す斜視図 （ａ）（ｂ）本発明の一実施の形態におけるパレット及びトレイの部分平面図 （ａ）（ｂ）本発明の一実施の形態における第１ガイド部材及びトレイの部分断面側面図 本発明の一実施の形態におけるパレットをトレイとともに示す平面図

以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図１は本発明の一実施の形態における部品実装装置１であり、基板搬送コンベア１ａと装着ヘッド１ｂを備えている。基板搬送コンベア１ａは、外部から送られてきた基板２を図１の紙面の垂直な方向に搬送して位置決めし、装着ヘッド１ｂは、部品供給手段であるトレイフィーダ１０により所定の部品供給位置に供給された部品Ｐをピックアップして、基板搬送コンベア１ａにより位置決めされた基板２に装着する。ここでは作業者ＯＰから見た左右方向（図１の紙面垂直方向）をＸ軸方向とし、作業者ＯＰから見た前後方向（図１の紙面左右方向。作業者ＯＰ側を前方とする）をＹ軸方向とし、上下方向（図１の紙面上方方向）をＺ軸方向とする。

図１及び図２において、トレイフィーダ１０は、複数の車輪１１によって移動自在な台車１２上にマガジン１３とパレット移動機構１４を備えている。マガジン１３はパレット３０を上下方向に複数並んで格納するパレット格納部となっている。パレット３０は、複数の部品Ｐを水平方向に並べて収容したトレイ２０を保持する。図３において、トレイ２０は薄肉の樹脂製の板材をプレス成型して成り、部品Ｐを個々に収容する複数のキャビティ部２１ａが凹設された上面部２１と、上面部２１の外周から下方に延出した側面部２２と、側面部２２の下端から外方に延出した鍔部２３を備えている。

図２において、パレット移動機構１４は、台車１２から上方に延びて設けられた垂直支柱３１及び垂直支柱３１に沿って上下方向に延びたボール螺子３２を有しており、ボール螺子３２に螺合したブロックナット３３にパレット支持テーブル３４が結合されている。ボール螺子３２が昇降モータ３５によって駆動されると、パレット支持テーブル３４がブロックナット３３とともに昇降する（図２中に示す矢印Ａ）。パレット支持テーブル３４の上面にはパレット３０の端部に設けられた係止部３０ａに係止して引き寄せる係止具３６がパレット支持テーブル３４上をＹ軸方向に移動自在に設けられている。

パレット移動機構１４は、部品実装装置１が基板２に装着しようとしている部品Ｐを収容したトレイ２０をマガジン１３から取り出す場合、昇降モータ３５を作動させてパレット支持テーブル３４を昇降させ、取り出そうとしているトレイ２０（パレット３０）と対向する位置にパレット支持テーブル３４を位置させる。そして、係止具３６を前方に移動させてパレット３０の係止部３０ａに係止させた後、係止具３６を後方に引き寄せてパレット３０をパレット支持テーブル３４上に載せる。パレット支持テーブル３４上にパレット３０が載ったら、昇降モータ３５を作動させて、パレット支持テーブル３４を所定の部品供給位置（部品供給高さ）まで上昇させる。

上記のようにしてトレイフィーダ１０によってパレット３０が部品供給位置に移動されたら、部品実装装置１は、装着ヘッド１ｂを移動させて部品供給位置に位置されたパレット３０上のトレイ２０から部品Ｐをピックアップし、その部品Ｐを基板搬送コンベア１ａによって位置決めされた基板２上に装着する（図１中に示す矢印Ｂ）。

このような部品実装装置１において、本実施の形態ではパレット３０の構成に特徴があり、図４〜図７を用いてその説明を行う。図６（ａ）は図５における矢視Ｖ６ａ−Ｖ６ａから見た断面図であり、図６（ｂ）は図５における矢視Ｖ６ｂ−Ｖ６ｂから見た断面図であり、図６（ｃ）は図５における矢視Ｖ６ｃから見た図である。また、図７（ａ）は図５における矢視Ｖ７ａから見た図であり、図７（ｂ）は図５における矢視Ｖ７ｂから見た図である。

図４（ａ），（ｂ）及び図５において、パレット３０は、矩形平板状のベース部４１を有しており、ベース部４１上には、Ｙ軸方向に延びて設けられた一対のＹ軸ガイド溝４２に沿ってＹ軸方向に移動自在に設けられた移動ガイド４３と、移動ガイド４３上をＸ軸方向に移動自在に設けられた第１ガイド部材４４が設けられている。ベース部４１の後方の端部を上方に折り曲げて形成した第２ガイド部材取り付け部４１ａの前面には、Ｘ軸方向に延びた第２ガイド部材４５が設けられている。ベース部４１上の第１ガイド部材４４と第２ガイド部材４５の間の領域のうち、作業者ＯＰから見た右側の端部には、２つのストッパ４６がＹ軸方向に並んで設けられている。

図４（ａ），（ｂ）及び図５において、移動ガイド４３には、Ｘ軸方向に延びたガイド溝４３Ｍが設けられており、前方に延出した延出部４３ａには、２つのＹ軸方向位置決め螺子４３ＳがＸ軸方向に並んで取り付けられている。これら２つのＹ軸方向位置決め螺子４３ＳはそれぞれＹ軸ガイド溝４２をベース部４１の厚さ方向（Ｚ軸方向）に貫通しており、ベース部４１の下面側に配置されたナット４３Ｎに螺入している（図６（ａ），（ｂ））。このため移動ガイド４３は、２つのＹ軸方向位置決め螺子４３Ｓに対してナット４３Ｎをそれぞれ弛めた状態でＹ軸方向への移動と位置決めを行うことができ、２つのＹ軸方向位置決め螺子４３Ｓに対してナット４３Ｎをそれぞれ締め付けることで、ベース部４１に対する固定が可能である。

図４（ａ），（ｂ）、図５及び図６（ｂ）において、第１ガイド部材４４は、平板状の平板部４４ａと、平板部４４ａの後縁から斜め後下方に延びた後、水平に延び、そこから垂直上方に延びた第１ガイド垂直部４４Ｖと、第１ガイド垂直部４４Ｖの上縁から延びた第１ガイド水平部４４Ｈを有している。平板部４４ａには２つのＸ軸方向位置決め螺子４４ＳがＸ軸方向に並んで取り付けられており、各Ｘ軸方向位置決め螺子４４Ｓは、移動ガイド４３のガイド溝４３Ｍ内に設けられてＺ軸回りの回転が規制された２つのナット部４４Ｎにそれぞれ上方から螺入している（図６（ｂ））。

第１ガイド部材４４は、２つのＸ軸方向位置決め螺子４４Ｓを捻じってナット部４４Ｎに対して弛めた状態でＸ軸方向への移動と位置決めを行うことができ、２つのＸ軸方向位置決め螺子４４Ｓをナット部４４Ｎに対して締め付けることで、移動ガイド４３に対する固定が可能である。したがって本実施の形態におけるパレット３０では、移動ガイド４３のＹ軸ガイド溝４２に沿ったＹ軸方向への移動と、第１ガイド部材４４のガイド溝４３Ｍに沿ったＸ軸方向への移動との組合せによって、ベース部４１に対して第１ガイド部材４４を水平面内で移動させることができる。図４（ａ）は、移動ガイド４３を比較的前方に位置させた場合の例を示しており、図４（ｂ）は、移動ガイド４３を比較的後方に位置させた場合の例を示している。

図５及び図６（ｂ），（ｃ）に示すように、第１ガイド垂直部４４Ｖの後面側の複数箇所（ここでは２箇所）には、水平面内で（すなわち前後方向に）弾性変形が自在な板ばね部材から成る側面部付勢手段（側面部付勢ばね４７）が設けられている。各側面部付勢ばね４７は、全体として斜め後方に延びる形状を有しており、Ｖ字状の端部にトレイ２０との接触部を備えている。また、第１ガイド水平部４４Ｈの下面側の複数箇所（ここでは３箇所）には、垂直面内で（すなわち上下方向に）弾性変形が自在な板ばね部材から成る鍔部付勢手段（前方鍔部付勢ばね４８）が設けられている。各前方鍔部付勢ばね４８は、全体として斜め下方に延びる形状を有しており、Ｖ字状の端部にトレイ２０との接触部を備えている。

図４（ａ），（ｂ）、図５及び図７（ａ），（ｂ）において、第２ガイド部材４５はベース部４１の第２ガイド部材取り付け部４１ａに取り付けられた第２ガイド垂直部４５Ｖと、第２ガイド垂直部４５Ｖの上端から前方へ水平に延びた第２ガイド水平部４５Ｈを有している。そして、第２ガイド水平部４５Ｈの下面側の複数箇所（ここでは３箇所）には、垂直面内で（すなわち上下方向に）弾性変形が自在な板ばね部材から成る鍔部付勢手段（後方鍔部付勢ばね４９）が設けられている。各後方鍔部付勢ばね４９は、上述の前方鍔部付勢ばね４８と同様に、全体として斜め下方に延びる形状を有しており、Ｖ字状の端部にトレイ２０との接触部を備えている。

次に、図８〜図１１を用いて、パレット３０にトレイ２０を取り付ける（保持させる）手順を説明する。図１０（ａ）は図９（ｂ）における矢視Ｖ１０ａ−Ｖ１０ａから見た断面図であり、図１０（ｂ）は図９（ｂ）における矢視Ｖ１０ｂ−Ｖ１０ｂから見た断面図である。

パレット３０にトレイ２０を取り付けるには、作業者ＯＰは先ず、前述の要領で第１ガイド部材４４をベース部４１上でＹ軸方向及びＸ軸方向に移動させて、これから取り付けようとするトレイ２０の寸法に合わせた位置決めを行う。具体的には、第１ガイド部材４４の第１ガイド垂直部４４Ｖと第２ガイド部材４５の第２ガイド垂直部４５Ｖとの間のＹ軸方向の間隔Ｗ０がトレイ２０のＹ軸方向の幅寸法Ｗ１よりもやや大きくなるように、第１ガイド部材４４の位置決めを行う（図８（ａ））。これによりパレット３０上には、第１ガイド部材４４及び第２ガイド部材４５から成る一対のガイド部によって（トレイ２０のＹ軸方向に対向する一対の側面部２２をガイドして）トレイ２０をスライド自在に受容するトレイ受容部５０が形成された状態となる。

作業者ＯＰは、上記のようにして第１ガイド部材４４の位置決めを行ったら、第１ガイド部材４４と第２ガイド部材４５を一対のガイド部とし、トレイ２０のＸ軸方向の一端側（ここでは作業者ＯＰから見た右側）を先頭にしてトレイ２０をトレイ受容部５０内に挿入し、トレイ受容部５０内でＸ軸方向にスライドさせて（図８（ｂ）及び図９（ａ）。これらの図中に示す矢印Ｃ）、トレイ２０の先頭部を２つのストッパ４６に当接させるようにする（図９（ａ）→図９（ｂ））。トレイ２０は、トレイ受容部５０内でＸ軸方向にスライドされる間、そのスライド方向と直交する水平方向（Ｙ軸方向）に対向する一対の側面部２２のうち前方側の側面部２２によって、第１ガイド部材４４に設けられた側面部付勢ばね４７の接触部を前方に押しのけてこれを弾性変形させながら進む。このためトレイ２０は、その反力として、側面部付勢ばね４７から後方への付勢力を受け（図１０（ａ）中に示す矢印Ｐ１）、第２ガイド部材４５の側へ押し付けられる。

また、トレイ２０は、トレイ受容部５０内をＸ軸方向にスライドされる間、鍔部２３のうち、そのスライド方向と直交する水平方向（Ｙ軸方向）に対向する一対の側面部２２の前方側の側面部２２から前方に延びる部分（鍔部２３の前方部分）によって、第１ガイド部材４４に設けられた前方鍔部付勢ばね４８の接触部を上方に押しのけてこれを弾性変形させながら進む。このためトレイ２０は、その反力として、各前方鍔部付勢ばね４８から下方への付勢力を受け（図１０（ｂ）中に示す矢印Ｐ２）、ベース部４１上に押し付けられる。

またトレイ２０は、トレイ受容部５０内をＸ軸方向にスライドされる間、鍔部２３のうち、そのスライド方向と直交する水平方向（Ｙ軸方向）に対向する一対の側面部２２の後方側の側面部２２から後方に延びる部分（鍔部２３の後方部分）によって、第２ガイド部材４５に設けられた後方鍔部付勢ばね４９の接触部を上方に押しのけてこれを弾性変形させながら進む。このためトレイ２０は、その反力として、各後方鍔部付勢ばね４９から下方への付勢力を受け、ベース部４１上に押し付けられる。

このようにトレイ２０は、トレイ受容部５０に受容された状態において、第１ガイド部材４４に設けられた側面部付勢ばね４７によって第２ガイド部材４５の側へ付勢され、かつ、第１ガイド部材４４に設けられた前方鍔部付勢ばね４８及び第２ガイド部材４５に設けられた後方鍔部付勢ばね４９によってベース部４１上に押し付けられるので、トレイ２０はパレット３０上に確実に保持された状態となる（図１１）。なお、板ばね部材による付勢力は極めて微弱なものでよく、樹脂製で薄型のトレイ２０であっても変形を与えることなくパレット３０上に確実に保持することが可能である。

このように本実施の形態において、パレット３０は、トレイ２０の対向する一対の側面部２２を第１ガイド部材４４及び第２ガイド部材４５から成る一対のガイド部によりガイドしてトレイ２０をスライド自在に受容するトレイ受容部５０を有し、トレイ受容部５０に受容したトレイ２０の側面部２２を側面部付勢手段としての側面部付勢ばね４７によってトレイ２０のスライド方向（ここではＸ軸方向）と直交する水平方向（Ｙ軸方向）に付勢し、かつ、受容したトレイ２０の鍔部２３を鍔部付勢手段としての前方鍔部付勢ばね４８によって上方から付勢する構成となっている。このため、樹脂製の薄型で強度の弱いトレイ２０であっても確実かつ容易にパレット３０に取り付けることができ、部品実装装置１のピックアップ精度の低下を防止することができる。

また、本実施の形態におけるパレット３０は、一対のガイド部のうち一方（第１ガイド部材４４）は他方（第２ガイド部材４５）に対して相対移動可能な構成となっているので、トレイ２０の幅寸法Ｗ１が変わってもパレット３０側の調整が容易である。但し、一定の幅寸法のトレイ２０を取り扱う場合に使用形態が限定されるのであれば、第１ガイド部材４４は第２ガイド部材４５に対して相対移動自在な構成となっていなくてもよい。

また、本実施の形態におけるパレット３０では、側面部付勢手段である側面部付勢ばね４７は第１ガイド部材４４のトレイ２０の側面部２２と対向する垂直部（第１ガイド垂直部４４Ｖ）に設けられて水平面内で弾性変形が可能な板ばね部材から成り、鍔部付勢手段である前方鍔部付勢ばね４８はその垂直部（第１ガイド垂直部４４Ｖ）の上端から水平に延出した水平部（第１ガイド水平部４４Ｈ）に設けられて垂直面内で弾性変形が自在な板ばね部材からなっているので、簡易な構成で確実かつ容易にトレイ２０をパレット３０の取り付けることが可能である。但し、側面部付勢手段及び鍔部付勢手段はそれぞれ板ばね部材でなくてもよく、上記垂直部や水平部に固定されて端部にトレイ２０との接触部を有するＶ字形状のゴム部材など、板ばね部材に代わる他の部材を用いても構わない。

なお、上述の実施の形態では、第２ガイド部材４５にトレイ２０の鍔部２３を上方から付勢する後方鍔部付勢ばね４９が設けられていたが、これによってトレイ受容部５０内でのトレイ２０の保持力が増大するものの、第１ガイド部材４４に側面部付勢ばね４７と前方鍔部付勢ばね４８が設けられており、これらによって最低限のパレット３０上への保持はできるので、その保持力如何によっては後方鍔部付勢ばね４９を省くこともできる。他方、上述の実施の形態では、トレイ受容部５０に受容されたトレイ２０の側面部２２をトレイ２０のスライド方向（Ｘ軸方向）と直交する水平方向（Ｙ軸方向）に付勢する側面部付勢手段は第１ガイド部材４４にしか取り付けられていなかったが、これを第２ガイド部材４５に設けるようにしてもよい。すなわち、一対のガイド部の少なくとも一方に、トレイ受容部５０に受容されたトレイ２０の側面部２２をトレイ２０のスライド方向と直交する水平方向に付勢する側面部付勢手段と、トレイ受容部５０に受容されたトレイ２０の鍔部２３を上方から付勢する鍔部付勢手段とを備えていればよい。

本実施の形態におけるトレイフィーダ１０は、上記パレット３０を格納するパレット格納部としてのマガジン１３と、マガジン１３からパレット３０を引き出して部品供給位置に移動させるパレット移動機構１４を備えており、部品実装装置１は、このトレイフィーダ１０により供給された部品Ｐをピックアップして基板２に装着するものとなっている。このため、トレイフィーダ１０は部品Ｐを部品実装装置１に対する正確な位置に供給することができ、部品実装装置１は精度の高い部品Ｐのピックアップを行って良品確率の高い基板２を製造することができる。

樹脂製の薄型のトレイなど強度の弱いトレイであっても、確実かつ容易にパレットに取り付けることができ、ピックアップ精度の低下を防止することができるパレット、トレイフィーダ及び部品実装装置を提供する。

１ 部品実装装置
１ｂ 装着ヘッド
２ 基板
１０ トレイフィーダ
１３ マガジン（パレット格納部）
１４ パレット移動機構
２０ トレイ
２１ 上面部
２１ａ キャビティ部
２２ 側面部
２３ 鍔部
３０ パレット
４４ 第１ガイド部材（ガイド部）
４４Ｖ 第１ガイド垂直部（垂直部）
４４Ｈ 第１ガイド水平部（水平部）
４５ 第２ガイド部材（ガイド部）
４７ 側面部付勢ばね（側面部付勢手段）
４８ 前方鍔部付勢ばね（鍔部付勢手段）
４９ 後方鍔部付勢ばね（鍔部付勢手段）
５０ トレイ受容部
Ｐ 部品

Claims (5)

1. 部品実装装置に供給される部品を収容するキャビティ部が複数凹設された矩形の上面部、前記上面部の外周から下方に延出した側面部及び前記側面部の下端から外方に延出した鍔部を備えたトレイを保持するパレットであって、
   前記トレイの対向する一対の前記側面部を一対のガイド部によりガイドして前記トレイをスライド自在に受容するトレイ受容部を有し、
   前記一対のガイド部の少なくとも一方に、
   前記トレイ受容部に受容された前記トレイの前記側面部を前記トレイのスライド方向と直交する水平方向に付勢する側面部付勢手段と、
   前記トレイ受容部に受容された前記トレイの前記鍔部を上方から付勢する鍔部付勢手段とを備えたことを特徴とするパレット。
2. 前記一対のガイド部のうちの一方は他方に対して相対移動可能であることを特徴とする請求項１に記載のパレット。
3. 前記側面部付勢手段は前記ガイド部の前記トレイの側面部と対向する垂直部に設けられて水平面内で弾性変形が自在な板ばね部材から成り、
   前記鍔部付勢手段は前記垂直部の上端から水平に延出した水平部に設けられて垂直面内で弾性変形が自在な板ばね部材から成ることを特徴とする請求項１又は２に記載のパレット。
4. 請求項１乃至３の何れかに記載のパレットを格納するパレット格納部と、前記パレット格納部から前記パレットを引き出して部品供給位置に移動させるパレット移動機構とを備えたことを特徴とするトレイフィーダ。
5. 請求項４に記載のトレイフィーダにより供給された部品をピックアップして基板に装着する装着ヘッドを備えたことを特徴とする部品実装装置。

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