JP5917980B2 - 情報記録媒体処理装置および信号処理方法 - Google Patents
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Description
本発明はさらに情報記録媒体処理装置における信号処理方法に関する。
たとえば、特許文献1(特開2009−31890号公報)は、銀行カードの認証処理、課金処理などの信号処理などに利用されているカードリーダを開示している。
特許文献1に開示されているカードリーダには、信号処理用のコンピュータ、銀行カードの搬送位置を検出する搬送路センサを構成する発光素子と受光素子などの各種の電子回路、銀行カードを搬送するローラを駆動するモータなどが内蔵されている。
電源系統は、この例示においては、各種の電子回路に所望の電圧を給電するための電源電圧変換回路と、モータ給電回路と設けられている。モータ給電回路は、外部電源が停電になったときでもカードリーダに装荷されているカードをカードリーダ外に排出するためにモータを駆動するため、バックアップコンデンサと、このバックアップコンデンサの電圧の低下を補いモータを駆動可能とする電圧昇圧回路とで構成されている。
(1)安定した所望の電圧を給電するための電源電圧変換回路としては、通常、DC−DCコンバータなどの高価格のスイッチング電源を用いる場合が多く、多数の電源電圧変換回路を設けるとカードリーダの価格が高騰する。
(2)カードリーダ内に多数の電源電圧変換回路を収容することはスペースおよび/または電源電圧変換回路の放熱対策などの観点から困難になる場合が多い。あるいは、カードリーダの小型化が困難になる。
(3)スイッチング電源は、高周波のスイッチングノイズを発生するから、カードリーダ内に多数のスイッチング電源を設けると、それらのスイッチング電源の近傍のコンピュータ、電子回路などの動作に影響を及ぼす可能性が大きくなる。そのため、ノイズ対策などを厄介な対策を講ずる必要がでてくる。
しかしながら、電源の安定性が低下すると、カードリーダ内の各種の電子回路の動作が不安定になる。そこで、さらに、上述した電源系統の簡素化、低価格化を図りながら、電源の不安定であっても、支障なく、カードリーダを動作を遂行することが求められる。
上記要望を達成するため、本願発明者は、カードリーダなどの情報記録媒体処理装置内には、安定した電圧を必要とする第1の電子回路と、上記安定した電圧を要求しない第2の電子回路とが存在することを見出し、そのような電子回路の電源電圧の安定度に応じた電源を選択して配設するという構想を得た。
安定した電圧を必要とする第1の電子回路には、安定した電圧を供給する第1の電源を使用する。第1の電源としては、たとえば、高周波で高精度のスイッチング動作を行うスイッチング電源、たとえば、安定度の高いDC−DCコンバータを用いる。
他方、上記安定した電圧を要求しない第2の電子回路に給電する第2の電源は、たとえば、第1の電源より低周波のスイッチング動作を行うスイッチング電源、たとえば、DC−DCコンバータ、あるいは、外部電源そのものを使用することができる。その結果、価格的に有利となる。高周波ノイズも少ない。
他方、情報記録媒体処理装置において、上記安定した電圧を要求しない第2の電子回路としては、たとえば、搬送路センサを構成する発光素子(たとえば、発光ダイオード(LED))を複数直列に接続したLED直列回路がある。
すなわち、情報記録媒体処理装置には、情報記録媒体処理装置内の情報記録媒体(カード)の搬送位置を検出するため、情報記録媒体の搬送路に沿って複数の搬送路センサが設けられている。各搬送路センサは、搬送路を挟んで対向して配設された1対の発光素子(たとえば、LED)と受光素子(たとえば、フォトダイオード(PD))とで構成されている。
前記第1の電子回路と前記第2の電子回路への給電系統を分離して構成され、
前記安定した電源電圧を要求する第1の電子回路には、安定した電圧を供給する第1の電源から給電され、
前記安定した電源電圧を要求しない第2の電子回路には、前記第2の電子回路が動作可能な電圧を給電する第2の電源から給電される、
ことを特徴とする、情報記録媒体処理装置が提供される。
前記第1の電子回路と前記第2の電子回路との給電系統は分離して構成され、
前記安定した電源電圧を要求する第1の電子回路には、安定した電圧を供給する第1の電源から給電され、前記安定した電源電圧を要求しない第2の電子回路には、前記第2の電子回路が動作可能な電圧を給電する第2の電源から給電される、
ことを特徴とする、情報記録媒体処理装置が提供される。
たとえば、後述するように、その電圧変動が、非線形特性を示す発光素子(たとえば、LED)の安定な駆動電圧の範囲を逸脱する可能性がある。それに伴い、対応する受光素子(たとえば、フォトダイオード(PD))の検出値も大きく変動する可能がある。
そこで、本発明においては、制御処理手段により、発光素子の回路(たとえば、LED直列回路)への印加電圧に応じて、LEDに対応する受光素子(たとえば、フォトダイオード)の検出信号を修正することとした。修正係数は事前に求めておき、記憶手段に記憶しておく。
上記安定した電圧を要求しない第2の電子回路に含まれる、搬送センサを構成する発光素子を外部電源によって駆動することとし、
前記制御処理手段は、
前記外部電源の電圧を検出し、
事前に得られた、前記外部電源の電圧変化に応じて変化する前記発光素子の特性変化に応じて対応する受光素子の検出信号を修正する修正係数を用いて、当該発光素子に対応する受光素子の検出信号を修正し、
当該修正した値を用いて前記発光素子と対応する受光素子の光学的結合状態を識別する、ことを特徴とする、情報記録媒体処理装置が提供される。
事前に求めた、前記外部電源の変化に応じて変化する前記発光素子の特性変化に応じて対応する受光素子の検出信号を修正する修正係数を用いて受光素子の検出信号を修正し、 当該修正した値を用いて前記発光素子と前記受光素子の光学的結合状態を識別する、
ことを特徴とする情報記録媒体処理装置における信号処理方法が提供される。
図1および図2を参照して、本発明の第1実施の形態について述べる。
カードリーダの機構部
図1は、カードリーダの機構部の1例を示す図である。図1(A)はカードリーダの内部平面図であり、図1(B)は断面図であり、図1(C)はゲート口から見たカードリーダの正面図である。
カードリーダ100は、図1(B)の中央に破線で図解した搬送路110に沿って配設され、銀行カード200の搬送位置を検出するために用いる、搬送路センサ111〜114を有する。搬送路センサ111〜114が本発明の位置検出手段に該当する。
カードリーダ100はまた、搬送路110に沿って銀行カード200を搬送するためのローラ103、104と、これらのローラを駆動する駆動モータ102を有する。ローラ103、104が本発明の搬送手段に該当し、駆動モータ102が本発明の駆動モータに該当する。
カードリーダ100はさらに、磁気ヘッド108、エンコーダ、接点位置確認用センサなどを有する。
銀行カード200がカードリーダ100内の所定の位置に搬送されたことを検出するため、搬送路110に沿って複数の搬送路センサ111〜114が設けられている。各搬送路センサは、搬送路110を挟んで光学的結合(フォトカップリング)をするように、上下に対向して配設された、発光素子、たとえば、発光ダイオード(LED)と、受光素子、たとえば、フォトダイオード(PD)との対(組)として構成されている。対応するLEDとPDとの間に銀行カード200が位置するとLEDからPDへの光が遮光され、対応するLEDとPDとの間に銀行カード200が存在しないとLEDからPDへの光が遮光されずに受光される。これにより、PDの検出信号をチェックすると、LEDとPDとの間の光学的結合状態を判断することができ、ひいては、銀行カード200の有無または位置を検出することができる。
搬送路センサ111〜114の回路構成は図2を参照して述べる。
上記信号処理装置500と磁気ヘッド108とが、本発明の情報記録媒体に記録・再生処理を行う記録再生手段に該当している。
図2は、カードリーダに内蔵された信号処理装置500、搬送路センサの回路、他の電子回路510、および、電源系統を示す図である。
第1電圧調整回路700が、本発明の第1の電源に相当しており、第2電圧調整回路710が本発明の第2の電源に相当している。
演算処理ユニット(CPU)501が本発明の制御処理手段、および、上述した記録再生手段の一部と、に該当する。
このような、定電流型LEDを直列に接続した回路構成は、駆動用印加電圧が変動した場合でも対応でき、電流が少なくても済むという利点がある。
LEDを4個直列に接続したこの例では、〔(LEDの順方向の電圧)×4)/R〕で規定される電流が流れる。Rは直列抵抗器Rの抵抗値を示す。
なお、4個のフォトダイオード(PD)には、第1電圧調整回路700から給電され、4個のフォトダイオード(PD)の検出信号がそれぞれADC502に入力されて、それぞれデジタル信号に変換される。
他方、搬送路センサ回路600を構成しているLED直列回路が本発明の「上記安定した電圧を要求しない第2の電子回路(上記安定した電圧をさほど要求しない第2の電子回路)」として、本発明の第2の電源としての第2電圧調整回路710から給電される。
第1電圧調整回路700は、たとえば、高周波で動作する高精度のスイッチング電源、たとえば、許容電圧変動率が±5%以内のDC−DCコンバータである。
第1電圧調整回路700は、たとえば、1.8〜5V程度に調整した安定した電圧を上記回路に供給する。
第2電圧調整回路710は、第1電圧調整回路700ほど安定した電圧を出力しないでもよく、外部電源を調整して、通常、図3に図解した、動作電圧VNの電圧を搬送路センサ回路600のLED直列回路に供給可能に設計されている。しかしながら、図3に図解した下限動作電圧VLと上限動作電圧との範囲内で変動してもよい。
第2電圧調整回路710は、たとえば、低周波で動作する低価格のスイッチング電源、たとえば、許容電圧変動率が±10%以内のDC−DCコンバータである。
第2電圧調整回路710は、たとえば、8Vの電圧を4個のLED直列回路に供給する。
また、特許文献1に記載された駆動モータの給電のための給電回路は図示していないが、特許文献1に記載された給電回路と同等のモータ給電回路を設けることができる。
A/D変換器502は、CPU501の制御のもとで、搬送路センサ111〜114のフォトダイオード(PD)から出力されるアナログ形式の検出信号を順次、サンプリングしてデジタル信号の形態に変換する。
すなわち、第2電圧調整回路710でLED直列回路を駆動して各LEDから発光させている状態において、CPU501は、搬送路センサ111〜114を構成するあるフォトダイオード(PD)の検出信号の値が所定レベル未満のとき、そのPDと対応するLEDとの間に銀行カード200が位置しており遮光されていると判断する。他方、CPU501は、搬送路センサ111〜114を構成するあるPDの検出信号の値が所定レベル以上のときは、そのPDと対応するLEDとの間が銀行カード200によって遮光されず、そのPDと対応するLEDとの間に銀行カード200が位置していないと判断する。
図示しないメモリには搬送路センサ111〜114のカードリーダ100の搬送路110に沿った位置が記憶されている。
CPU501は、複数のフォトダイオード(PD)の検出信号の結果と、図示しないメモリには記憶された搬送路センサ111〜114の位置データを参照して、銀行カード200がカードリーダ100内の搬送路110のどの位置に位置しているかを識別することができる。
信号処理された銀行カード200は、CPU501で制御された駆動モータ102の動作に応じて回転するローラ103、104により、カードリーダ100の外部に排出される。
図4〜図6を参照して本発明の第2実施の形態について述べる。
第2実施の形態においてカードリーダの機構部は、図1を参照して例示したものと同様である。
図4に図解したカードリーダ100Aの回路は、信号処理装置500Aと、搬送路センサ回路600と、電圧調整回路700とを有する。
信号処理装置500Aは、CPU501Aと、ADC変換器502と、不揮発性メモリ503とを有する。
信号処理装置500Aは、演算制御ユニット(CPU)501A、A/D変換器(ADC)502、および、後述するパラメータを記憶している不揮発性メモリ503を有する。演算制御ユニット(CPU)501Aが本発明の制御処理手段の1例であり、A/D変換器502が本発明の信号入力手段の1例であり、不揮発性メモリ503が本発明の記憶手段の1例である。CPU501AおよびA/D変換器502の動作は、第1実施の形態として述べたCPU501およびAD変換器502の動作と基本的に同じである。
以下、搬送路センサ111〜114の処理に関する第2実施の形態について述べる。
電圧調整回路700は、図2に図解した第1実施の形態における第1の電圧調整回路(REG1)700と同じである。
第2実施の形態においては、第1実施の形態における第2電圧調整回路710は設けられていない。
第1電圧調整回路700が、本発明の第1の電源に対応しており、外部電源が本発明の第2の電源に対応している。
すなわち、LED直列回路はカードリーダ100Aの外部から供給される外部電源により駆動される。外部電源としては、たとえば、カードリーダ100Aが搭載されるATMから供給される電圧である。
上述したように、定電流型LEDを直列に接続した回路構成は、駆動用電圧が変動した場合でも対応できるという利点があるので、第2実施の形態においては、第2電圧調整回路710を設けずに、LED直列回路を外部電源で駆動する。
このように構成することにより、図2に図解した第2電圧調整回路710を外部電源にしても、カードリーダ100Aは、第1実施の形態と同様、銀行カード200に関する処理を行うことができる。
カードリーダ100Aにおける銀行カード200の処理を正確に行うため、下記の処理を行うことが望ましい。
LED直列回路が電源電圧の変動に強いとしても、図3に図解したように、LEDの非線形特性および急峻な特性変化により、電圧の変動に応じてLEDの発光強度は大きく変動する。したがって、対応するフォトダイオード(PD)で受光する光の強さも大きく変動し、検出信号は変動する。したがって、PDの検出信号を固定の閾値で判断すると、正確な判断ができない可能性がある。
そこで、下記の処理を行う。
電源系統に、外部電源の電圧を、A/D変換器502で入力可能な電圧に変換する分圧回路800を付加する。
分圧回路800は、抵抗器R1と抵抗回路R2との抵抗分圧により、外部電源の電圧を、A/D変換器502で入力可能な電圧に変換する抵抗分圧回路である。抵抗回路R2は、抵抗器R21とR22との並列抵抗値を示す抵抗回路である。
分圧回路800における電力損失を小さくするため、好ましくは、抵抗器R1と抵抗回路R2の抵抗値は、ある程度、大きな値にすることが望ましい。
A/D変換器502は、第1実施の形態と同様、搬送路センサ回路600内の複数のフォトダイオード(PD)の検出信号を入力してデジタル信号に変換する他、分圧回路800の電圧を入力してデジタル信号に変換し、CPU501Aにおいて推定外部電源電圧VPWR−E’が検出可能となっている。
ただし、外部電源の電圧が、直接、A/D変換器502に入力可能ならば、分圧回路800は不要である。ただし、以下、分圧回路800を設けた場合について述べる。
R2は、抵抗回路R2の抵抗値を示す。
すなわち、推定外部電源電圧VPWR−E’は、CPU501Aにおいて式2により求めることができる。なお、〔(R1+R2)÷R2〕は、既知の変換係数として、たとえば、不揮発性メモリ503に、事前に、記憶しておく。
カードリーダ100Aには、必要に応じて、試験電源900を電源系統に組み込む/切り離すためのスイッチ回路850とを設けることができる。
試験電源900は、LED直列回路を動作させるため、外部電源と同様、4個直列に接続したLED直列回路の、下限動作電圧VL、上限動作電圧VU、通常動作電圧VNをLED直列回路に出力可能に構成されている。
スイッチ回路850は、通常は、図示の接点aの位置にあり、カードリーダの製造時または試験調整のとき接点bを選択することにより、外部電源に代えて、試験電源900から試験電圧を搬送路センサ回路600のLED回路に印加することを可能とする回路である。同様に、カードリーダ100Aの製造時または試験調整時は、手動で、スイッチ回路850の部分で搬送路センサ部600への給電線を試験電源900側に、切り換えるならば、スイッチ回路850は不要となる。ただし、以下、スイッチ回路850を設けた場合について述べる。
カードリーダの製造時または試験調整時に、外部電源に代えて、試験電源900から上述した、4個直列接続したLED直列回路への下限動作電圧VL、上限動作電圧VU、通常動作電圧VNの試験電圧をLED直列回路に印加して下記のパラメータを求める。
なお、この処理は、オフラインの処理であるから、カードリーダ100A内の演算制御ユニット501A、A/D変換器502を用いずに、代替の装置を用いて上述した方法で上記パラメータを求めて不揮発性メモリ503に記憶させることもできる。
a.下限動作電圧VL印加試験
試験電源900から、図5に図解したように、LED直列回路の下限動作電圧VLを搬送路センサ回路600のLED直列回路に印加する。
図5は、図3に図解した特性図に対応する図であり、各LEDへの電圧の印加に伴う、対応する各フォトダイオードの検出信号を示す図である。
CPU501Aは、そのときの各フォトダイオードの検出信号をA/D変換器502においてデジタル信号に変換した値を、各LEDにその下限動作電圧VLが印加されたときの対応する各フォトダイオードの検出値PDVL(n)として、不揮発性メモリ503に記憶する。nはフォトダイオードの番号を示す。
試験電源900から、図5に図解したように、LED直列回路の上限動作電圧VUを搬送路センサ回路600のLED直列回路に印加する。CPU501Aは、そのときの各フォトダイオードの検出信号をA/D変換器502を介して入力して、デジタル信号に変換した値を、各LEDに上限動作電圧VUが印加されたときの対応する各フォトダイオードの検出値をPDVU(n)として不揮発性メモリ503に記憶する。
試験電源900から、図5に図解したように、LED直列回路の通常動作電圧VNを搬送路センサ回路600のLED直列回路に印加する。CPU501Aは、そのときの各フォトダイオードの検出信号をA/D変換器502においてデジタル信号に変換した値を、各LEDに通常動作電圧VNが印加されたときの対応する各フォトダイオードの検出値をPDVN(n)として、不揮発性メモリ503に記憶する。
これらの測定値は、次に述べる修正係数の算出およびフォトダイオードの検出信号の修正に使用する。
(1)CPU501Aは、下記式(3)に基づいて下限動作電圧〜通常動作電圧領域における第1の修正係数α1を求めて、不揮発性メモリ503に記憶する。
…(3)
ただし、PDVN(n)は、LED回路に通常動作電圧VNを印加したときの各フォトダイオードの検出値であり、
PDVL(n)は、LED回路に下限動作電圧VLを印加したときのフォトダイオードの検出値であり、
VNは通常動作電圧であり、
VLは下限動作電圧である。
…(4)
ただし、PDVU(n)は、LED回路に上限動作電圧VUを印加したときのフォトダイオードの検出値PDVU(n)であり、
PDVNは、LED回路に通常動作電圧VNを印加したときのフォトダイオードの検出値であり、
VUは上限動作電圧であり、
VNは通常動作電圧である。
図6はカードリーダのCPU501Aの搬送路センサ111〜114の検出信号に係る信号処理フローチャートを示す。
以下、図6を参照してCPU501Aの処理を述べる。
搬送路センサ回路600を構成するLED直列回路に外部電源の電圧を印加して、LED直列回路の各LEDを点灯(発光)させているとき、CPU501Aは、A/D変換器502を介して分圧回路800の出力電圧V800を入力する。
CPU501Aは、式2を適用して推定外部電源電圧VPWR−E’を算出する。
CPU501Aは、推定外部電源電圧VPWR−E’が、LED直列回路の下限動作電圧VL 以上で、かつ、LED直列回路の上限動作電圧VU以下であることを判断する。
推定外部電源電圧VPWR−E’が上記範囲になければ、外部電源が異常であり、搬送
路センサ回路600のLED直列回路が正常に動作することが保証されない。この場合、
CPU501Aは、たとえば、警報を出力する。
なお、下限動作電圧VLの近傍とは、下限動作電圧VLの、たとえば、5%の範囲を言う。上限動作電圧VU、通常動作電圧VNも同様である。
(1)PDi≧(PDVL×TH1L)のとき、CPU501Aは、搬送路センサを構成する対応するLEDとPDとの間の光学的結合が正常である、すなわち、LEDとPDとの間に銀行カード200が存在しないと判断する。
(2)PDi<(PDVL×TH2L)のとき、CPU501Aは、搬送路センサを構成する対応するLEDとPDとの間の光学的結合が正常でない、すなわち、LEDとPDとの間に銀行カード200が存在すると判断する。
図5に図解したように、TH1Lは第1の閾値であり、たとえば、LEDに下限動作電圧VLが印加されたときのフォトダイオードの検出信号PDVLの60%である。TH2Lは第2の閾値であり、たとえば、LEDに下限動作電圧VLが印加されたときのフォトダイオードの検出信号PDVLの40%である。
この「ヒステリシス効果」を適用することにより、判断結果が安定する。
(1)PDi≧(PDVN×TH1N)のとき、CPU501Aは搬送路センサを構成するLEDとPDとの間の光学的結合が正常である、すなわち、LEDとPDとの間に銀行カード200が存在しないと判断する。
(2)PDi<(PDVN×TH2N)のとき、CPU501Aは搬送路センサを構成するLEDとPDとの間の光学的結合が正常でない、すなわち、LEDとPDとの間の銀行カード200が存在すると判断する。
TH1Nは、図5に図解した第1の閾値であり、たとえば、たとえば、LEDに通常動作電圧VNが印加されたときのフォトダイオードの検出信号PDVNの60%である。他方、TH2Lは、図5に図解した第2の閾値であり、たとえば、LEDに通常動作電圧VNが印加されたときのフォトダイオードの検出信号PDVNの40%である。
(1)PDi≧(PDVU×TH1U)のとき、CPU501Aは搬送路センサを構成するLEDとPDとの間の光学的結合が正常である、すなわち、LEDとPDとの間に銀行カード200が存在しないと判断する。
(2)PDi<(PDVU×TH2U)のとき、CPU501Aは搬送路センサを構成するLEDとPDとの間の光学的結合が正常でない、すなわち、LEDとPDとの間に銀行カード200が存在すると判断する。
TH1Uは第1の閾値であり、たとえば、LEDに上限動作電圧VUが印加されたときのフォトダイオードの検出信号PDVUの60%である。TH2Uは第2の閾値であり、たとえば、LEDに上限動作電圧VUが印加されたときのフォトダイオードの検出信号PDVUの40%である。
(a)CPU501Aは下記の修正処理を行う。
A=(VPWR−E’−VL)×α1+PDVL
ただし、VPWR−E’は推定外部電源電圧であり、
VLは、下限動作電圧であり、
α1は、不揮発性メモリ503に記憶している第1の修正係数であり、
PDVLは、LEDに下限動作電圧VLを印加したときのフォトダイオードの検出値である。
PDi≧(A×TH1LU)のとき、CPU501Aは搬送センサを構成するLEDとPDとの間の光学的結合が正常である、すなわち、LEDとPDとの間に銀行カード200が存在しないと判定する。
PDi<(A×TH2LU)のとき、CPU501Aは搬送センサを構成するLEDとPDとの間の光学的結合が正常でない、すなわち、LEDとPDとの間に銀行カード200が存在すると判定する。
(a)CPU501Aは下記の修正処理を行う。
B=(VPWR−E’−VN)×α2+DVN
ただし、VPWR−E’は推定外部電源電圧であり、
VNは、通常動作電圧あり、
α2は、不揮発性メモリ503に記憶している第2の修正係数であり、
PDVNは、LEDに通常動作電圧VNを印加したときのフォトダイオードの検出値である。
(b)判定処理
PDi≧(B×TH1LU)のとき、CPU501Aは搬送センサを構成するLEDとPDとの間の光学的結合が正常である、すなわち、LEDとPDとの間に銀行カード200が存在しないと判定する。
PDi<(B×TH2LU)のとき、CPU501Aは搬送センサを構成するLEDとPDとの間の光学的結合が正常でない、すなわち、LEDとPDとの間に銀行カード200が存在すると判定する。
さらに、第1の閾値TH1Lと第2の閾値TH2Lとを異ならせてヒステリシス効果を持たせたため、判断結果が頻繁に変動することを防止することができる。
他の閾値についても同様である。
上記第2実施の形態は、下限動作電圧VL〜上限動作電圧VUの範囲を、通常動作電圧VNを境にして2つの領域に分けて、第1の修正係数と第2の修正係数を求め、その修正係数を用いてフォトダイオードの検出信号を修正し、判断処理をした場合について述べた。
本実施の形態における、より簡易な方法としては、下限動作電圧VL〜上限動作電圧VUの範囲を1つの修正係数αを用いて、フォトダイオードの検出信号を修正し、その信号レベルに応じた判断をして、正常に搬送センサを構成するLEDとPDとの間の光学的結合状態を判断することができる。
上記第1の変形例は、簡易な方法を述べたが、逆に、本実施の形態において、下限動作電圧VL〜上限動作電圧VUの範囲を複数の領域に分割して、それぞれの領域における、それぞれの修正係数αを用いて、CPU501Aにおいてフォトダイオードの検出信号を修正し、その信号レベルに応じた判断をして、正常に搬送センサを構成するLEDとPDとの間の光学的結合状態を判断することができる。
図7を参照して本発明の第3実施の形態を述べる。
図7に図解した回路は、外部電源から搬送路センサ回路600内のLED直列回路への給電経路に、分圧回路800の他に、第2の分圧回路810を設けている。
カードリーダは、それ自体単体で利用されることもあるし、ATMなどより大型の信号処理装置の一部に組み込まれて利用されることもある。そのような場合、提供される外部電源の電圧が搬送センサを構成するLEDの駆動電圧に適合しているとは限らない。また、LED直列回路を構成するLEDの個数によっても、搬送路センサ回路600内のLEDを駆動する電圧は変化する。
そのような場合に適合させるため、第3実施の形態のカードリーダ100Bにおいては、回路構成が簡単で、消費電力も少ない、第2の分圧回路810を設けて、外部電源の電圧を第2の分圧回路810で電圧を降下して搬送路センサ回路600のLED直列回路に給電する。
LED直列回路に流す電流容量を確保しつつ、抵抗器Ra、Rbを大きくとることにより、消費電力は低くなる。また、発熱も少ない。さらに、簡単な回路構成であるから、安価である。
Claims (12)
- 情報記録媒体に記録・再生処理を行う記録再生手段と、
前記情報記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を駆動する駆動モータと、
受光素子、および、前記受光素子の検出信号に基づいて前記情報記録媒体の位置を検出し、前記駆動モータを制御して前記搬送手段を制御して前記情報記録媒体の搬送処理および前記情報記録媒体へ信号処理を行う制御処理手段を含む、安定した電源電圧を必要とする第1の電子回路と、
前記受光素子と光学的結合された発光素子を含む、前記安定した電源電圧を要求しない第2の電子回路と、
を有し、
前記第1の電子回路と前記第2の電子回路への給電系統を分離して構成され、
前記安定した電源電圧を要求する第1の電子回路には、安定した電圧を供給する第1の電源から給電され、
前記安定した電源電圧を要求しない第2の電子回路には、前記第2の電子回路が動作可能な電圧を給電する第2の電源から給電される、
ことを特徴とする、情報記録媒体処理装置。 - 前記発光素子および受光素子として、複数の光学的結合された発光素子と受光素子との対を有し、
前記第2の電子回路は、前記複数の光学素子を直列に接続した回路を有する、
請求項1に記載の情報記録媒体処理装置。 - 前記第2の電源は当該情報記録媒体処理装置の外部から供給される外部電源であり、
前記制御処理手段は、
前記外部電源の電圧を測定し、
前記測定した外部電源の電圧と、事前に得られた前記外部電源の電圧変化に応じて変化する前記発光素子の特性変化に応じて対応する受光素子の検出信号を修正する修正係数を用いて前記受光素子の検出信号を修正し、
当該修正した受光素子の検出信号の値を用いて前記発光素子と受光素子の間の光学的結合状態を判断する、
ことを特徴とする、
請求項2に記載の情報記録媒体処理装置。 - 前記制御処理手段は、前記光学的結合状態の判断として、
前記修正した受光素子の検出信号の値が第1の閾値以上のとき前記受光素子が正常に受光していると判断し、
前記修正した受光素子の検出信号の値が第2の閾値以下のとき、前記受光素子が正常に受光していないと判断する、
請求項3に記載の情報記録媒体処理装置。 - 前記第1の閾値は前記第2の閾値より大きい、
請求項4に記載の情報記録媒体処理装置。 - 前記修正係数は、前記各発光素子について、前記外部電源の電圧が前記発光素子の下限動作電圧〜通常動作電圧の範囲にあるときの第1の修正係数と、前記外部電源の電圧が前記発光素子の通常動作電圧〜上限動作電圧の範囲にあるときの第2の修正係数を含み、
前記制御処理手段は、
前記外部電源の電圧を測定し、
前記測定した外部電源の電圧が前記発光素子の下限動作電圧〜通常動作電圧の範囲にあるとき、前記各受光素子の検出値を前記第の1の修正係数を用いて修正し、
前記測定した外部電源の電圧が前記発光素子の通常動作電圧〜上限動作電圧の範囲にあるとき、前記各受光素子の検出値を前記第の2の修正係数を用いて修正し、
当該修正した値が第1の閾値以上のとき、前記各受光素子が正常に受光していると判断し、
当該修正した値が第2の閾値以下のとき、前記各受光素子が正常に受光していないと判断する、
請求項3〜5のいずれかに記載の情報記録媒体処理装置。 - 前記発光素子は発光ダイオードであり、
前記受光素子はフォトダイオードである、
請求項1〜6のいずれかに記載の情報記録媒体処理装置。 - 情報記録媒体の搬送位置検出に使用する発光素子が外部電源によって駆動される情報記録媒体処理装置における信号処理方法であって、
前記外部電源の電圧を測定し、
事前に求めた、前記外部電源の電圧変化に応じて変化する前記発光素子の特性変化を示す対応する受光素子の検出信号を修正するための修正係数と、前記測定した外部電圧の電圧を用いて前記対応する受光素子の検出信号を修正し、
当該修正した値を用いて前記発光素子と前記受光素子の光学的結合状態を判断する、
ことを特徴とする、情報記録媒体処理装置における信号処理方法。 - 前記結合状態の判断として、
前記修正した値が第1の閾値以上のとき、前記受光素子が正常に受光していると判断し、
前記修正した値が第2の閾値以下のとき、前記受光素子に正常に受光していないと判断する、
請求項8に記載の信号処理方法。 - 前記第1の閾値は前記第2の閾値より大きい、
請求項9に記載の信号処理方法。 - 前記発光素子として、複数の発光素子を有し、
前記受光素子として、前記複数の発光素子に対応して配設された複数の受光素子を有し、
前記複数の発光素子は直列に接続され、さらに抵抗器が接続されており、
前記修正係数は、各発光素子について、前記外部電源の電圧が前記発光素子の下限動作電圧〜通常動作電圧の範囲にあるときの第1の修正係数と、前記外部電源の電圧が前記発光素子の通常動作電圧〜上限動作電圧の範囲にあるときの第2の修正係数を含み、
前記外部電源の電圧を測定し、
前記測定した外部電源の電圧が前記発光素子の下限動作電圧〜通常動作電圧の範囲にあるとき、前記各受光素子の検出値を前記第の1の修正係数を用いて修正し、
前記測定した外部電源の電圧が前記発光素子の通常動作電圧〜上限動作電圧の範囲にあるとき、前記各受光素子の検出値を前記第の2の修正係数を用いて修正し、
当該修正した値が第1の閾値以上のとき、前記各受光素子が正常に受光していると判断し、
当該修正した値が第2の閾値以下のとき、前記各受光素子が正常に受光していないと判断する、
請求項10に記載の信号処理方法。 - 情報記録媒体に記録・再生処理を行う記録再生手段と、
前記情報記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を駆動する駆動モータと、
前記情報記録媒体の搬送位置を検知するため、前記情報記録媒体の搬送経路を挟んで対向して配設され、光学的結合された発光素子と受光素子を有する、位置検出手段と、
前記駆動モータを制御し、前記受光素子の検出信号に基づいて前記情報記録媒体の位置を検出し、前記情報記録媒体について信号処理を行う、制御処理手段と
を備え、
前記発光素子は外部電源によって駆動され、
前記制御処理手段は、
前記外部電源の電圧を測定し、
前記測定した外部電源と、事前に得られた前記外部電源の変化に応じて変化する前記発光素子の特性変化に応じて対応する受光素子の検出信号を修正する修正係数を用いて、前記受光素子の検出信号を修正し、
当該修正した受光素子の検出信号の値を用いて前記発光素子と受光素子の間の光学的結合状態を判断する、
ことを特徴とする、情報記録媒体処理装置。
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