JP2004259965A - 電流駆動素子制御回路及びこの回路を用いた固体レーザ装置 - Google Patents

電流駆動素子制御回路及びこの回路を用いた固体レーザ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的簡単な回路構成によって複数の電流駆動素子に流れる電流を個別に制御でき、かつ消費電力の少ない電流駆動素子制御回路を提供する。
【解決手段】定電流電源(電源)D0には複数のレーザダイオードLD1〜LDnが直列接続されている。各レーザダイオードLD1〜LDnにはそれぞれバイパス回路BP1〜BPnが設けられ、例えば、バイパス回路BP1は、バイパス電流センサBS1、比較器A1、及び電流制御手段B1によって負帰還回路が形成されている。他のバイパス回路についても同様である。特性バラツキによりレーザダイオードLD1の駆動電流ID1が減少するとバイパス電流IB1が増加するので、負帰還制御によって駆動電流ID1は元の値に戻される。また、特性バラツキによりレーザダイオードLD1の発光量が減少すると、光センサ0S1が発光量を検出して駆動電流ID1を制御し、発光量を正常な値に戻す。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定電流電源に直列に接続された複数の電流駆動素子を電流制御する電流駆動素子制御回路及びこの回路を用いた固体レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、Nd3+:YAG(YAl12)をはじめ、Nd3+:YVOなどの固体レーザ媒質を光によって励起させる固体レーザ装置として、ランプに比べて固体レーザ媒質への光吸収効率が高いレーザダイオードによって励起する固体レーザ装置が提案されている。特に、レーザダイオードに特有な線状の発光分布を有するために、発光源と固体レーザ媒質との整合性が各々の形状からみて優れている励起方式として、多数個のレーザダイオードを長尺の固体レーザ媒質の側面に、そのレーザ発振光軸に沿って配列した側面励起方式固体レーザ装置と呼ばれる固体レーザ装置が多く提案され、かつこのような側面励起方式固体レーザ装置が好んで製作されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
前記のように固体レーザ媒質を励起するのにレーザダイオードを用いれば、発光源が小型化され、かつ効率が高くて寿命も長い固体レーザ装置を提供することができる。しかし、固体レーザ媒質の励起状態はレーザダイオードからの励起光量によって左右される。つまり、レーザダイオードの電気的特性のバラツキや経時変化などによって各レーザダイオードの励起光量に差異が生じるので、結果的に固体レーザ媒質の励起状態が左右されてしまう。従って、各レーザダイオードの励起光量を均一にするためには、差異が生じる各レーザダイオードの駆動電流を個々に制御する必要がある。
【0004】
しかしながら、従来より一般に利用されている固体レーザ装置では、複数個の励起用のレーザダイオードは単に直列に接続され、その直列状態の電流全体を監視・制御しているに過ぎないものである。図5は、複数のレーザダイオードが直列に接続された従来の電流駆動素子制御回路の一例を示す図である。つまり、図5に示すように、固体レーザ媒質励起用の複数のレーザダイオードLDl〜LDnは、定電流供給源である定電流電源(以下、単に電源という)D0’と接地間に直列に接続されている。また、レーザダイオードLDnと接地間には直列状態に接続されたレーザダイオードLDl〜LDnの駆動電流を検出する駆動電流センサCS0’が設けられ、この駆動電流センサCS0’に流れる電流を計測している。
【0005】
そして、駆動電流センサCS0’によって計測された電流値に比例するセンサ検出信号IS0’が比較器A0’の一方の入力端子2に供給される。また、比較器A0’の他方の入力端子1には規定電流値に対応する基準信号I0’が入力される。したがって、比較器A0’の出力端子3からは、センサ検出信号IS0’と基準信号I0’との誤差を補正するような制御信号IC0’が電源D0’へ供給される。これによって、電源D0’は、レーザダイオードLDl〜LDnに流れる電流を所定の駆動電流ID0’に制御する。従って、各レーザダイオードLDl〜LDnには常に同一の駆動電流ID0’が供給されることになる。
【0006】
また、励起用のレーザダイオードをそれぞれ個別の回路で並列に配置して、複数のレーザダイオードを動作させる励起回路を設けた固体レーザ装置も知られている。図6は、複数のレーザダイオードを個別に駆動する従来の電流駆動素子制御回路の一例を示す図である。
【0007】
図6に示すように、各レーザダイオードLDl〜LDnを個別の回路に配置した固体レーザ装置の場合は、各レーザダイオードLDl〜LDnには、夫々個別の電源Dl’〜Dn’、駆動電流センサCSl’〜CSn’、及び比較器A1’〜An’が夫々独立して配置されている。
【0008】
このような構成によれば、規定電流値に対応する基準信号Il’〜In’及び各駆動電流センサCSl’〜CSn’から出力されるセンサ検出信号IS1’〜ISn’も夫々個別の比較器A1’〜An’へ供給される。従って、それぞれ独立した比較器Al’〜An’の各出力端子3より個別の制御信号IC1’〜ICn’が各電源Dl’〜Dn’へ供給される。このため、各電源Dl’〜Dn’からは各々独立した駆動電流ID1’〜IDn’がそれぞれのレーザダイオードLDl〜LDnに流れることになる(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−106682号公報
【特許文献2】
特開平11−135860号公報(特許請求の範囲)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示すようなレーザダイオードを直列駆動する方式の電流駆動素子制御回路によれば、駆動電流センサCS0’のセンサ検出信号IS0’と基準電流値を示す基準信号I0’が比較器A0’に供給されると、比較器A0’の出力端子3より出力される制御信号IC0’によって電源D0’が一括制御されるので、全てのレーザダイオードLDl〜LDnには同一の駆動電流ID0’が流れる。つまり、それぞれのレーザダイオードLDl〜LDnの駆動電流を個別に制御することはできない。そのため、各レーザダイオードLDl〜LDnに電気的特性のバラツキがあると、図示しない固体レーザ媒質への励起光にバラツキが生じ、結果的に、固体レーザ媒質の励起が所望の特性を発揮できないなどの不具合が生じる。
【0011】
また、図6に示すようなレーザダイオードを駆動する方式の電流駆動素子制御回路によれば、電源や電流センサや比較器などの回路部品が駆動回路数に応じて増加するので、電流駆動素子制御回路が大型化してしまうと共にコストアップしてしまう。さらに、各電源D1’〜Dn’はそれぞれの電流駆動素子制御回路を正常に動作させる上で最低限必要な電圧が要求されるので、例えば、各レーザダイオードLDl〜LDnの駆動電流を30A〜50Aとし、各電源D1’〜Dn’が必要とする最小の電圧を0.7Vとすると、各電流駆動素子制御回路は21W〜35Wという電力が要求される。
【0012】
つまり、図6のように各レーザダイオードLDl〜LDnに独立して電力を供給する方式の場合は、図5のようにレーザダイオードを直列接続する方式に比べてn倍の電力が要求されることになる。さらに、電流供給源(つまり、電源)とレーザダイオードは一般的に離間しているので、それぞれの電源D1’〜Dn’とそれぞれのレーザダイオードLDl〜LDnとの間は大電流を供給できる電流容量のあるケーブルで接続する必要がある。つまり、ケーブルの容量も駆動方式の場合は直列駆動方式の場合のn倍になってしまう。このようなことが相俟って、図6のような駆動方式の電流駆動素子制御回路は大型化すると共に電流駆動素子制御回路を含む装置が益々コストアップしてしまう。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、比較的簡単な回路構成によって各電流駆動素子に流れる電流を個別に制御できるようにすると共に、消費電力の少ない電流駆動素子制御回路を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明の電流駆動素子制御回路は、定電流電源に直列接続された複数の電流駆動素子に流れる駆動電流を制御する電流駆動素子制御回路において、前記複数の電流駆動素子の各々に並列接続された複数のバイパス回路を備え、複数の前記バイパス回路の各々が、自己の回路に流れるバイパス電流を制御すると共に、バイパス電流の制御されたバイパス回路に対応する前記電流駆動素子の駆動電流を制御する構成とした(請求項1)。
【0015】
つまり、本発明の電流駆動素子制御回路によれば、定電流電源に複数の電流駆動素子が直列に接続されている場合、それぞれの電流駆動素子ごとに設けられたバイパス回路に流れる電流を制御すれば、対応する電流駆動素子に流れる駆動電流を可変制御することができる。これによって、各電流駆動素子に電気的特性のバラツキがあっても、バイパス回路に流れる電流を制御すれば各電流駆動素子のバラツキを補正することができる。
【0016】
また、本発明の電流駆動素子制御回路は、定電流電源に直列接続された複数の電流駆動素子に流れる駆動電流を制御する電流駆動素子制御回路において、複数の電流駆動素子の各々に並列接続された複数のバイパス回路を備え、複数のバイパス回路の各々に流れるバイパス電流、又は複数の電流駆動素子の各々が自己の回路に流れる駆動電流を検出する複数の電流検出手段と、複数の電流検出手段の各々が検出した電流に対応する検出信号と駆動電流の基準レベルを決定する基準信号とを比較して制御信号を生成する複数の比較制御手段と、複数の比較制御手段の各々が出力した制御信号のレベルに基づいて、複数のバイパス回路のうち対応するバイパス回路に流れるバイパス電流を制御する電流制御手段と、を備える構成とした(請求項2)。
【0017】
本発明の電流駆動素子制御回路を前記のような構成にすれば、各電流検出手段が対応するバイパス回路に流れるバイパス電流又は対応する電流駆動素子に流れる駆動電流を検出して電流制御手段へ制御信号を送出するので、その電流制御手段によってバイパス回路のバイパス電流を制御することができる。つまり、駆動電流とバイパス電流の合計電流は一定であるので、各電流駆動素子の電気的特性に応じて電流制御手段がバイパス回路のバイパス電流を増減させれば、それぞれの電流駆動素子に流れる駆動電流は相補的に増減されるので、駆動電流を所望の値に制御することができる。これによって、直列接続された全ての電流駆動素子の電気的特性のバラツキを補償することができる。
【0018】
また、本発明の電流駆動素子制御回路は、前記の構成に加えて、さらに、複数の電流駆動素子に流れる駆動電流と複数のバイパス回路に流れるバイパス電流の合成電流を検出する合成電流検出手段と、合成電流検出手段が検出した合成電流に対応する合成検出信号と合成電流の基準レベルを決定する合成基準信号とを比較して合成制御信号を生成する合成電流比較制御手段とを備え、定電流電源が、合成電流比較制御手段の出力した合成制御信号のレベルに基づいて、複数の電流駆動素子へ供給する電流量を制御することを特徴とする(請求項3)。
【0019】
つまり、本発明の電流駆動素子制御回路を前記のような構成にすれば、定電流電源に直列接続されている複数の電流駆動素子の合成電流を検出して定電流電源を制御することができる。これによって、定電流電源から複数の電流駆動素子へ供給される電流量を常に所望の値に制御して電流駆動素子制御回路全体の電流バランスを取ることができる。
【0020】
また、本発明の電流駆動素子制御回路は、前記の各発明で構成されている複数の電流駆動素子の各々はレーザダイオードであることを特徴とする(請求項4)。つまり、レーザダイオードは発光源として好んで用いられているが、レーザダイオードに電気的特性のバラツキがあると、それぞれのレーザダイオードの発光光量にバラツキが生じる。そこで、本発明の電流駆動素子制御回路により、各レーザダイオードのバラツキに応じて各バイパス回路のバイパス電流を制御すれば、各レーザダイオードの駆動電流を個別に制御することができる。
【0021】
また、本発明の電流駆動素子制御回路は、複数のレーザダイオードの各々が発光する光量を個別に検出する複数の光検出手段を備え、複数の光検出手段の各々が検出した光量のレベルに基づいて複数の電流制御手段のうち少なくとも一つの電流制御手段が制御され、電流制御手段が、対応するバイパス回路に流れるバイパス電流の電流量を可変させることを特徴とする(請求項5)。
【0022】
つまり、本発明の電流駆動素子制御回路によれば、各レーザダイオードの発光光量はそれぞれ対応する光検出手段によって検出されている。従って、レーザダイオードに電気的特性のバラツキなどがあって発光光量がバラついていた場合、光検出手段からの光検出信号によって電流制御手段を制御して該当するバイパス回路のバイパス電流を可変させることができる。これによって該当するレーザダイオードの駆動電流を所望の値に制御して発光光量のバラツキを補正することができる。
【0023】
また、本発明の電流駆動素子制御回路は、前記発明による複数の光検出手段を備えた構成において、複数の光検出手段の各々が検出した光量のレベルに基づいて定電流電源が制御され、定電流電源が複数のレーザダイオードへ供給する電流量を可変させることを特徴とする(請求項6)。つまり、本発明の電流駆動素子制御回路によれば、相互の光検出手段がそれぞれのレーザダイオードの発光光量を比較検出しながら定電流電源を制御している。これによって、定電流電源から複数のレーザダイオードへ供給する電流量を可変させてレーザダイオード全体の発光バランスをとることができる。
【0024】
また、本発明の電流駆動素子制御回路においては、複数の電流制御手段の各々はFETによって構成され、FETは、ドレインが複数のレーザダイオードのうち対応するレーザダイオードのアノードに接続され、ソースがレーザダイオードのカソードに接続され、かつゲートが複数の比較制御手段のうち対応する比較制御手段の出力端子に接続されていることを特徴とする(請求項7)。つまり、本発明の電流駆動素子制御回路によれば、電流制御手段をFET(電界効果トランジスタ:Field Effect Transistor)で構成することにより、バイパス電流又は駆動電流の検出信号をFETのゲートに供給することにより、極めて簡単な回路構成でバイパス電流の電流量の制御を行い、各レーザダイオードの駆動電流を所望の値に制御することができる。
【0025】
なお、前記電流駆動素子制御回路における複数のレーザダイオードは、固体レーザ媒質の周囲に配置され、固体レーザ媒質が複数のレーザダイオードからの励起光によって励起されるように構成された固体レーザ装置(請求項8)とすることや、また、前記電流駆動素子制御回路における複数のレーザダイオードは、直線状に整列された複数の固体レーザ媒質の周囲に配置され、複数の固体レーザ媒質が複数のレーザダイオードからの励起光によって励起されるように構成された固体レーザ装置(請求項9)としても良い。
【0026】
このように構成されることにより、固体レーザ装置は、電気的にバラツキがあってもバランスのとれた励起光を固体レーザ媒質の側面に照射することができる。また、直線状に整列された固体レーザ媒質の側面にバランスした励起光を均一に照射することができる。
なお、電流駆動素子とは、ダイオード、レーザダイオード、ランプ、コイルなどの電流駆動型の二端子素子を意味する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。ここでは、固体レーザ装置用の電流駆動素子として好適なレーザダイオードを用いた場合について、電流駆動素子制御回路を中心に詳細に説明する。
図1は、複数のレーザダイオードが直列に接続された本発明の実施の形態における電流駆動素子制御回路の構成図である。図1において、n個(nは2以上の整数)の電流駆動素子であるレーザダイオードLDl〜LDnが定電流電源(以下、電源という)D0と接地間に直列に接続され、各レーザダイオードLDl〜LDnには各々並列にバイパス回路BPl〜BPnが接続されている。これらのバイパス回路BPl〜BPnはそれぞれ電流制御手段Bl〜Bnを有している。なお、各電流制御手段Bl〜Bnは図2に示すようなFETによって構成されている。
【0028】
各電流制御手段Bl〜Bnは、それぞれのFETのドレイン(D)より端子6を介して各レーザダイオードLDl〜LDnのアノードに接続され、ソース(S)よりバイアス抵抗Rを通して端子7から各レーザダイオードLDl〜LDnのカソードに接続されている。なお、各FETのゲート(G)は端子8を介して各比較器(比較制御手段)Al〜Anの出力端子3に接続されている。
【0029】
また、各バイパス回路BPl〜BPnには、その回路に流れる電流量を検出するバイパス電流センサ(バイパス電流検出手段)BSl〜BSnが設けられている。つまり、それぞれのバイパス回路BPl〜BPnにおいて、各バイパス電流センサBSl〜BSnと各比較器Al〜Anと各電流制御手段Bl〜Bnとによって負帰還回路が構成されている。
【0030】
各比較器Al〜Anは、バイパス回路BPl〜BPnの数、つまり電流制御手段Bl〜Bnの数に応じて設けられ、それぞれ第1の入力端子1と第2の入力端子2及び一つの出力端子3を有している。それぞれの比較器Al〜Anの第1の入力端子1には該当するバイパス回路(BPl〜BPnの何れか)の電流基準値に対応した基準信号(I1〜Inの何れか)が入力され、第2の入力端子2には該当するバイパス電流センサ(BSl〜BSnの何れか)からバイパス電流に対応した検出信号(IS1〜ISnの何れか)が入力される。そして、それぞれの比較器Al〜Anの出力端子3から、各電流制御手段Bl〜Bnの端子8を介してそれぞれのFETのゲート(G)へ各制御信号(IC1〜ICnの何れか)が入力される。
【0031】
一方、電源D0と接地間には、各レーザダイオードLDl〜LDnに流れる駆動電流ID1〜IDnと各バイパス回路BPl〜BPnに流れるバイパス電流IB1〜IBnの合成値である合成電流ILを検出する合成電流センサ(合成電流検出手段)CS0が設けられ、さらに、この合成電流センサCS0の合成検出信号IS0に応じて合成電流ILを制御するための合成電流比較器(合成電流比較制御手段)A0が設けられて電源D0に接続されている。
【0032】
つまり、合成電流比較器A0は、第1の入力端子1と第2の入力端子2と一つの出力端子3を有し、第1の入力端子1には、各レーザダイオードLDl〜LDnと各バイパス回路BPl〜BPnに流れる電流値の合計である合成電流ILの基準値に対応する合成基準信号I0が入力される。また、第2の入力端子2には、各レーザダイオードLDl〜LDnと各バイパス回路BPl〜BPnに流れる合成電流ILを測定する合成電流センサCS0から、合成電流ILに対応する合成検出信号IS0が入力される。
【0033】
そして、合成電流比較器A0の出力端子3からは、合成基準信号I0と合成電流センサCS0からの合成検出信号IS0との誤差に比例した合成制御信号IC0が出力され、その合成制御信号IC0は電源D0に供給される。従って、電源D0からは、合成電流比較器A0から出力された合成制御信号IC0のレベルに応じた電流(つまり、合成電流IL)が各レーザダイオードLDl〜LDnと各バイパス回路BPl〜BPnに供給される。このようにして、合成電流センサCS0と合成電流比較器A0と電源D0とによって負帰還回路が構成されている。
【0034】
さらに、図1に示すように、各レーザダイオードLDl〜LDnからの出力光を検出するために、それぞれの光センサ(光検出手段)OSl〜OSnが各レーザダイオードLDl〜LDnに対応して設けられている。なお、各レーザダイオードLDl〜LDnと各光センサOSl〜OSnは近接して配置されているが電気的には接続されていない。また、各光センサOSl〜OSnの出力端子はそれぞれ制御回路CNTに接続されている。
【0035】
このような回路構成によって、制御回路CNTでは、光センサOSlと光センサOS2、光センサOSlと光センサOSn−1、あるいは光センサOSlと光センサOSnの如く、一つの光センサが検出した光信号を基準として、他の光センサが検出した光信号が比較され、比較結果による出力信号が制御回路CNTから各比較器Al〜Anへ供給されるような制御が行われる。
【0036】
また、制御回路CNTは、全てのレーザダイオードLDl〜LDnの全体の励起光が規定値以下となった場合に、低減した光と規定となる光との比較結果に基づいて合成電流ILを増加させるように、合成電流比較器A0に供給される合成基準信号I0を可変させる手段をも含んでいる。もちろん、制御回路CNTは、光センサOSlの検出した光出力信号を基準として、光センサOSlを除く他の光センサのそれぞれと対になったレーザダイオードに対応した光センサの検出した光出力信号との比較を行うことにより、全体の光量バランスをとることも必要に応じて行うものとする。
【0037】
次に、図1のように構成された電流駆動素子制御回路の動作について詳細に説明する。図1において、図示しない固体レーザ媒質を励起するために、例えば、レーザダイオードLDlに要求される駆動電流ID1を30Aとし、バイパス回路BPlに流すバイパス電流IB1を2Aとする。その場合、図1に示す電源D0からは供給電流として32Aの一定電流が出力される。このとき、定常状態においては、各レーザダイオードLD1〜LDnに流れる駆動電流IDl〜IDnは、規定の電流、すなわち30Aが供給され、また、各バイパス回路BPl〜BPnに流れるバイパス電流IB1〜IBnは2Aである。従って、各レーザダイオードLD1〜LDnからは所定の励起光が図示しない固体レーザ媒質に供給され、固体レーザ媒質は正常に励起される。
【0038】
この状態においては、各バイパス電流センサBSl〜BSnからは2Aのバイパス電流IB1〜IBnが検出され、バイパス電流2Aに対応する検出信号IS1〜ISnが各比較器Al〜Anの第2の入力端子2へ入力される。一方、各比較器Al〜Anの第1の入力端子1には、制御回路CNTからバイパス電流2Aに相当する基準信号I1〜Inが入力される。
【0039】
このため、各比較器A1〜Anにおいて、第1の入力端子1の基準信号I1〜Inと第2の入力端子2の検出信号IS1〜ISnとの間の誤差はないので、全ての比較器A1〜Anの出力端子3から出力される制御信号IC1〜ICnは同じレベルである。従って、各電流制御手段B1〜BnのFETは規定の導通状態を保持する。よって、各レーザダイオードLD1〜LDnに流れる駆動電流IDl〜IDnは30Aの状態に保持され、各バイパス回路BPl〜BPnに流れるバイパス電流IB1〜IBnは2Aの状態に保持される。
【0040】
一方、例えば、レーザダイオードLDlへの駆動電流ID1は30Aであるが、レーザダイオードLD2の順方向電圧降下にバラツキが生じるなど何らかの原因により、レーザダイオードLD2の駆動電流ID2が規定値の30Aより低い29Aになったとする。このような駆動電流の低下は図示しない固体レーザ媒質への励起光の不足となり、固体レーザ媒質が所望のレーザ光を得るには不都合な結果となる。このような状態においては、バイパス回路BP2のバイパス電流IB2は3Aとなっているため、規定電流2Aよりの増加分1Aが検出信号IS2としてバイパス電流センサBS2によって検出される。
【0041】
そして、バイパス電流センサBS2からの検出信号IS2は比較器A2の第2の入力端子2へ供給される。従って、比較器A2の出力端子3から電流制御手段B2の端子8を介して電流制御手段B2に構成されたFETのゲートへ誤差信号に相当する制御信号IC2が供給され、バイパス回路BP2に流れるバイパス電流IB2を2Aにするように負帰還がかけられる。その結果、バイパス回路BP2に流れるバイパス電流IB2は2Aとなり、レーザダイオードLD2に流れる駆動電流ID2は30Aに戻される。その他のレーザダイオードに駆動電流の変化が生じた場合も前記と同様の負帰還動作によって該当するレーザダイオードに流れる駆動電流は30Aに戻される。
【0042】
また、何らかの原因で相対的に各バイパス回路BP1〜BPnのバイパス電流IB1〜IBnが所定の値まで低減したとき、すなわち、該当するレーザダイオードが正常に動作しているにも拘わらず、そこに流れるレーザダイオードの駆動電流が増大したときには、該当するバイパス回路(BP1〜BPnの何れか)のバイパス電流センサ(BS1〜BSnの何れか)がそこに流れるバイパス電流の低減量を検出し、負帰還回路のフィードバック動作によって該当するレーザダイオード(LDl〜LDnの何れか)に流れる電流を正常状態に戻すように動作する。
【0043】
さらに、本実施の形態によれば、各レーザダイオードLDl〜LDnの光出力にアンバランスが生じた場合、そのアンバランスが補正される機能を有している。例えば、レーザダイオードLD2の光出力が低下したとする。その場合、他のレーザダイオードの光出力、例えばLDlの光出力とレーザダイオードLD2の光出力とが比較され、その比較結果に基づいて制御回路CNTからは比較器A2への基準信号I2を低減させる。
【0044】
これにより、バイパス回路BP2に流れるバイパス電流IB2は減少し、相対的にレーザダイオードLD2への駆動電流ID2が増大する。従って、このレーザダイオードLD2の励起光が増大し、他のレーザダイオードと光出力のバランスが保たれることになる。なお、レーザダイオードLD2の励起光量が他のレーザダイオードに比較して多い場合には前記と逆の動作によってレーザダイオードLD2の駆動電流ID2を減少させことにより他のレーザダイオードと光出力のバランスが保たれることは容易に理解されよう。
【0045】
また、固体レーザ装置の長期に亘る使用により、各レーザダイオードLDl〜LDnの特性が劣化した場合には、固体レーザ媒質への励起光が全体的に不足することになる。この様な状態では、各レーザダイオードLDl〜LDnへの駆動電流ID1〜IDnを初期の値より増大させることによって対応することが可能である。本発明の実施の形態によれば、各レーザダイオードLDl〜LDnの全体の光出力が規定光量と比較され、所定の光量が得られるように制御回路CNTから合成電流比較器A0へ帰還がかけられている。
【0046】
すなわち、レーザダイオードLDl〜LDnの全体の光出力が低減した場合には、それぞれの光センサOS1〜OSnによって基準の光量と比較され、所定の光量が得られるように制御回路CNTから合成電流比較器A0の第1の入力端子1へ合成基準信号I0の帰還がかけられている。一方、合成電流比較器A0の第2の入力端子2には、合成電流ILを検出する合成電流センサCS0から合成検出信号IS0が供給されている。そのため、制御回路CNTからの帰還による合成基準信号I0と合成検出信号IS0との間で誤差が生じ、その誤差分に応じて、合成電流比較器A0の出力端子3からの合成制御信号IC0により、合成電流ILを増大させるように電源D0に指令する。この結果、各レーザダイオードLDl〜LDnの全体の光出力が規定光量となって前記の帰還が安定するまで、このような帰還動作が継続される。従って、各レーザダイオードLDl〜LDnに流れる駆動電流が増大することにより不足分の励起光を補うように補正される。
【0047】
なお、図1の回路に示すような実施の形態では、各バイパス回路BP1〜BPnに流れるバイパス電流IB1〜IBnを検出し、その検出出力である検出信号IS1〜ISnを各バイパス回路BP1〜BPnの電流制御手段B1〜Bnに負帰還をかけるようにしたが、各レーザダイオードLDl〜LDnに流れる駆動電流ID1〜IDnを検出し、これらの検出信号IS1〜ISnをそれぞれの基準信号I1〜Inと比較して、各バイパス回路BP1〜BPnの電流制御手段B1〜Bnに負帰還をかけるようにしてもよい。各レーザダイオードLDl〜LDnに流れる駆動電流ID1〜IDnを検出することは、各バイパス回路BP1〜BPnの電流検出の場合と同様な回路構成にすることで実現できるので、その詳細な説明は省略する。なお、各バイパス電流IB1〜IBnを変化させれば、その変化分に応じて各レーザダイオードLDl〜LDnに流れる駆動電流ID1〜IDnが相補的に変化することは云うまでもない。
【0048】
図3は、図1に示す電流駆動素子制御回路を備えた本発明における固体レーザ装置の一例を示す概略図である。図3を図1と対比すると、図1における電流駆動素子制御回路のうち、各レーザダイオードLDl〜LDnを除いた回路部分が図3の電流駆動素子制御回路100である。つまり、図3の電流駆動素子制御回路100は、図1に示す電源D0、バイパス回路BP1〜BPn、電流制御手段B1〜Bn、合成電流センサCS0、バイパス電流センサBS1〜BSn、合成電流比較器A0、比較器A1〜An、光センサOS1〜OSn、及び制御回路CNTを含み、レーザダイオードLDl〜LDnのみが除外されている。
【0049】
図3の固体レーザ装置において、電流駆動素子制御回路100には、3個のレーザダイオード102、104,106が直列に接続され、これらのレーザダイオード102、104,106が、断面形状が円形であるロッド状の固体レーザ媒質108の側面周囲に等間隔で配列されている。そして、固体レーザ媒質108はレーザダイオード102、104,106からの励起光によって励起されるように構成されている。このように構成された固体レーザ装置によれば、図1の実施の形態で詳細に説明したように、各レーザダイオード102、104、106からの励起光は常にバランスして固体レーザ媒質108に供給されることになる。これによって、固体レーザ媒質108は高い品質レベルで励起動作を行うことができる。
【0050】
図4は、図1に示す電流駆動素子制御回路を備えた本発明における固体レーザ装置の他の例を示す概略図である。図4において、電流駆動素子制御回路110は、図1に示す電源D0、バイパス回路BP1〜BPn、電流制御手段B1〜Bn、合成電流センサCS0、バイパス電流センサBS1〜BSn、合成電流比較器A0、比較器A1〜An、光センサOS1〜OSn、及び制御回路CNTを含み、レーザダイオードLDl〜LDnのみが除外されている。電流駆動素子制御回路110には3個のレーザダイオード112、114、116が直列に接続される。
【0051】
また、3個のロッド状の固体レーザ媒質120、122、124がレーザ光軸LLに沿って直線状に配置され、これらの固体レーザ媒質120、122、124の周囲側面に対応してレーザダイオード112、114、116が配置されている。そして、各固体レーザ媒質120、122、124は対応する各レーザダイオード112、114,116からの励起光によって励起されるように構成されている。このように構成された固体レーザ装置によれば、図1の実施の形態で詳細に説明したように、各レーザダイオード112、114、116からの励起光は常にバランスして各固体レーザ媒質120、122、124に供給されることになる。よって、固体レーザ媒質120、122、124は高い品質レベルで励起動作を行うことができる。
【0052】
以上説明したように、本発明にかかる電流駆動素子制御回路は、一つの定電流電源に直列に接続された複数の電流駆動素子に各々並列にバイパス回路を設ける。そして、このバイパス回路に流れる電流を制御することにより、個々の電流駆動素子に流れる駆動電流を制御することができる。
【0053】
特に、電流駆動素子として複数のレーザダイオードを用い、各レーザダイオードの特性に応じてそれぞれのレーザダイオードの駆動電流を個別に制御することにより、各レーザダイオードから均一な励起光を発光して固体レーザ媒質を均等に励起するようにした。これによって、固体レーザ装置に用いて好適な電流駆動素子制御回路を提供することができる。
【0054】
前記した実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、前記の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。前記の実施の形態では、電流駆動素子としてレーザダイオードを用いた場合について説明したが、これに限らず、一般的なダイオードやランプなどを用いても同様な作用効果が得られることは云うまでもない。
【0055】
また、前記の実施の形態では、各レーザダイオードの光量の出力バランスをとるため、互いのレーザダイオードが出力する光量を比較してそのアンバランス分を検出して制御を行ったが、各レーザダイオードごとに基準値の光量と比較して、基準値の光量との誤差を光アンバランスの出力信号としてもよい。さらに、FETのソース側のバイアス抵抗Rを削除しても電流駆動素子制御回路の基本的な動作には問題はない。なお、FETに代えトランジスタ、IGBTまたはその複合回路で電流制御手段を構成してもその効果に差異はない。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる電流駆動素子制御回路によれば、以下に示すような優れた効果を奏するものである。
電流駆動素子制御回路によれば、直列に接続された複数のレーザダイオードの各々に並列にバイパス回路を設け、このバイパス回路の電流を制御することによって各レーザダイオードへの駆動電流を制御できるようにしたので、各レーザダイオードの駆動電流を個別に制御することができる。従って、各レーザダイオードに電気的特性のバラツキがあってもレーザダイオードごとに最適な駆動電流を流すことができるので、それぞれのレーザダイオードが発光する励起光の光量を均等にすることができる。
【0057】
また、複数のレーザダイオードを直列に接続するため、本発明によって追加される付属回路は、レーザダイオードとバイパス回路の合成電流を制御するためのバイパス回路のみでよい。つまり、バイパス回路の電流をON/OFF制御させるような制御回路を設ける必要はないので、少ない部品点数の追加のみでレーザダイオードの発光光量を個別に制御することができるので、部品点数の追加によるコストアップ分を上回る商品付加価値を持たせることができる。
【0058】
さらに、レーザダイオードの光量バランス補正に必要な電流の変化量は通常の動作電流の10〜20%であるが、基本的に直列接続でレーザダイオードを駆動しているので、電源で消費される電力消費量は単一のレーザダイオードの駆動電流分と補正電流分による電力のみである。特に、バイパス回路で消費される電力は、光量のバラツキを補正するための補正電流によって生じる電力分のみである。つまり、補正回路であるバイパス回路の電流は各レーザダイオードのバラツキを補正する電流最大値と最小値の差分でよい。
【0059】
従って、この値(つまり差分)はレーザダイオードの個数の増加には依存されず、必要な電力は従来の駆動による複数回路の駆動方式に比較して約1/n(nはレーザダイオードの個数)となるので、従来に比べて少ない部品点数の追加で省電力化を実現することができる。しかも、大電流を供給する配線を最小の本数で構成することができる。
【0060】
本発明によれば、レーザダイオードのバラツキに関係なく各レーザダイオードの発光光量を均一にすることができる。さらに、レーザダイオード全体の励起光が規定値以下となった場合でも、合成電流を検出して基準値と比較しながら定電流電源を制御することにより、レーザダイオードへの供給電流を増加させて励起光を規定値レベルに補正することができる。
【0061】
また、通常、レーザダイオードとその電流供給回路は異なる筐体に装着され、その間は大電流を供給できるケーブルで接続されるが、本発明による固体レーザ装置では、基本的に各レーザダイオードが直列接続であるから大電流供給用のケーブルとしては最小のケーブル本数(つまり、1系統のケーブル)のみでよい。しかも、バイパス回路を各レーザダイオードに並列に接続するための接続ケーブルは(n−1)本(但し、nはレーザダイオードの個数)でよいから、結果的に、負荷と電源を接続するという面からも配線を最小の本数で構成することができる。
【0062】
また、バイパス回路に流れる電流はレーザダイオードに流れる電流に対して10〜20%でよいので、バイパス電流センサ(バイパス電流検出手段)を小型化することができる。つまり、本発明によれば、常に安定した駆動状態のもとで、複数のレーザダイオードからバランスのとれた励起光が固体レーザ媒質に供給されるので、極めて品質レベルの高い固体レーザ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数のレーザダイオードが直列に接続された本発明の実施の形態における電流駆動素子制御回路の構成図である。
【図2】図1におけるバイパス回路の電流制御手段としてのFETを示す回路図である。
【図3】図1に示す電流駆動素子制御回路を備えた本発明における固体レーザ装置の一例を示す概略図である。
【図4】図1に示す電流駆動素子制御回路を備えた本発明における固体レーザ装置の他の例を示す概略図である。
【図5】複数のレーザダイオードが直列に接続された従来の電流駆動素子制御回路の一例を示す図である。
【図6】複数のレーザダイオードを個別に並列駆動する従来の電流駆動素子制御回路の一例を示す図である。
【符号の説明】
D0 定電流電源(電源)
LD1〜LDn レーザダイオード(電流駆動素子)
A0 合成電流比較器(合成電流比較制御手段)
A1〜An 比較器(比較制御手段)
BP1〜BPn バイパス回路
B1〜Bn 電流制御手段
BS1〜BSn バイパス電流センサ(電流検出手段)
CS0 合成電流センサ(合成電流検出手段)
CNT 制御回路
OS1〜OSn 光センサ(光検出手段)
100,110 電流駆動素子制御回路
102、104、106、112、114、116 レーザダイオード
108,120、122、124 固体レーザ媒質
LL レーザ光軸
IS0 合成検出力信号
IS1〜ISn 検出信号
I0 合成基準信号
I1〜In 基準信号
IC0 合成制御信号
IC1〜ICn 制御信号
ID1〜IDn 駆動電流
IB1〜IBn バイパス電流
IL 合成電流

Claims (9)

  1. 定電流電源に直列接続された複数の電流駆動素子に流れる駆動電流を制御する電流駆動素子制御回路において、
    前記複数の電流駆動素子の各々に並列接続された複数のバイパス回路を備え、
    複数の前記バイパス回路の各々が、自己の回路に流れるバイパス電流を制御すると共に、バイパス電流の制御されたバイパス回路に対応する前記電流駆動素子の駆動電流を制御することを特徴とする電流駆動素子制御回路。
  2. 定電流電源に直列接続された複数の電流駆動素子に流れる駆動電流を制御する電流駆動素子制御回路において、
    前記複数の電流駆動素子の各々に並列接続された複数のバイパス回路と備え、
    前記複数のバイパス回路の各々が自己の回路に流れるバイパス電流、又は前記複数の電流駆動素子の各々に流れる駆動電流を検出する複数の電流検出手段と、
    前記複数の電流検出手段の各々が検出した電流に対応する検出信号と前記駆動電流の基準レベルを決定する基準信号とを比較して制御信号を生成する複数の比較制御手段と、
    前記複数の比較制御手段の各々が出力した制御信号のレベルに基づいて、前記複数のバイパス回路のうち対応するバイパス回路に流れるバイパス電流を制御する電流制御手段と、
    を備えることを特徴とする電流駆動素子制御回路。
  3. 前記複数の電流駆動素子に流れる駆動電流と前記複数のバイパス回路に流れるバイパス電流の合成電流を検出する合成電流検出手段と、
    前記合成電流検出手段が検出した合成電流に対応する合成検出信号と前記合成電流の基準レベルを決定する合成基準信号とを比較して合成制御信号を生成する合成電流比較制御手段とを備え、
    前記定電流電源が、前記合成電流比較制御手段の出力した合成制御信号のレベルに基づいて、複数の電流駆動素子へ供給する電流量を制御することを特徴とする請求項2に記載の電流駆動素子制御回路。
  4. 前記複数の電流駆動素子の各々はレーザダイオードであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電流駆動素子制御回路。
  5. 前記複数のレーザダイオードの各々が発光する光量を個別に検出する複数の光検出手段を備え、
    前記複数の光検出手段の各々が検出した光量のレベルに基づいて前記複数の電流制御手段のうち少なくとも一つの電流制御手段が制御され、当該電流制御手段が、対応するバイパス回路に流れるバイパス電流の電流量を可変させることを特徴とする請求項4に記載の電流駆動素子制御回路。
  6. 前記複数の光検出手段の各々が検出した光量のレベルに基づいて前記定電流電源が制御され、当該定電流電源が、前記複数のレーザダイオードへ供給する電流量を可変させることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電流駆動素子制御回路。
  7. 前記複数の電流制御手段の各々はFETによって構成され、前記FETは、ドレインが前記複数のレーザダイオードのうち対応するレーザダイオードのアノードに接続され、ソースが当該レーザダイオードのカソードに接続され、かつゲートが前記複数の比較制御手段のうち対応する比較制御手段の出力端子に接続されていることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の電流駆動素子制御回路。
  8. 請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の電流駆動素子制御回路を備え、前記電流駆動素子制御回路における複数のレーザダイオードは、固体レーザ媒質の周囲に配置され、固体レーザ媒質が複数のレーザダイオードからの励起光によって励起されるように構成されたことを特徴とする固体レーザ装置。
  9. 請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の電流駆動素子制御回路を備え、前記電流駆動素子制御回路における複数のレーザダイオードは、直線状に整列された複数の固体レーザ媒質の周囲に配置され、複数の固体レーザ媒質が複数のレーザダイオードからの励起光によって励起されるように構成されたことを特徴とする固体レーザ装置。
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