JP5916462B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
二軸延伸ポリエステルフィルムの接着性を改良する方法の一つとして、ポリエステルフィルムの表面に各種樹脂を塗布し、易接着性能を持つ塗布層を設ける方法が知られている(特許文献1〜2)。
例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。その目的に応じ、脂肪族ジカルボン酸を共重合しても構わない。
本発明の塗布層は、反応性乳化剤に由来する親水基を分子中に有するアクリル系樹脂と、オキサゾリン系化合物と、4級アンモニウム基を有する化合物とを含有する塗布液を、フィルム上に塗布・乾燥・硬化することで得ることができる。なお、塗布液中には、その他の成分を含有していても構わない。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則にもとづく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
塗布組成物の水分散体を適当な濃度に希釈し、日機装製マイクロトラックUPAにて、個数平均の50%平均径を測定した。
包埋樹脂でフィルムを固定し断面をミクロトームで切断し、2%オスミウム酸で60℃、2時間染色して試料を調整した。得られた試料を、透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM2010)で観察し、塗布層の厚みを測定した。フィルムの計15箇所を測定し、数値の大きい方から3点と、小さい方から3点を除いた9点の平均を塗布層厚みとする。
JIS−K−7136に準じ、村上色彩技術研究所製ヘーズメーター「HM−150」により、試料フィルムの内部ヘーズを測定した。なお、エタノールを粗面補償溶媒として石英セルにて測定した。
島津製作所社製 分光光度計UV3100により、スキャン速度を低速、サンプリングピッチを2nm、波長300〜700nm領域で連続的に光線透過率を測定し、380nm波長での光線透過率を検出した。
日本ヒューレット・パッカード製高抵抗測定器:HP4339Bおよび測定電極:HP16008Bを使用し、23℃,50%RHの測定雰囲気でサンプルを30分間調湿後、表面固有抵抗値を測定した。
サンプルの塗布層上に、下記に示すとおりの活性エネルギー線硬化樹脂組成物を、硬化後の厚さが7μmになるように塗布し、80℃に設定した熱風乾燥式オーブンにて1分間乾燥させた。次いで、120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて約7秒間照射し硬化を行って、フィルム上に活性エネルギー線硬化樹脂層を設けた積層フィルムを得た。この時の活性エネルギー線の積算光量を、紫外線積算光量計UIT−250および受光器UVD−C365(ウシオ電機製)を用いて測定したところ、約110mJ/cm2であった。得られた積層フィルムの活性エネルギー線硬化樹脂層に、1インチ幅に碁盤目が100個になるようクロスカットを入れ、その上に18mm幅のテープ(ニチバン製セロテープ(登録商標)CT−18)を貼り付け、急速剥離テストを実施し、剥離面積によりその密着性を評価した。判定基準は以下のとおりである。
◎:碁盤目剥離個数=0
○:1≦碁盤目剥離個数≦10
△:11≦碁盤目剥離個数≦20
×:21<碁盤目剥離個数
××:全面が剥離
硬化樹脂組成物:日本化薬製KAYARAD DPHAを80重量部、日本化薬製KAYARAD R−128Hを20重量部、チバスペシャルティケミカル製IRGACURE651を5重量部の混合物をトルエンで希釈し、濃度30重量%とした組成物
微粘着層を設けたフィルム面の反対面にUV光が当たるようサンプルをセットした後、キセノンランプで200時間照射した後、サンプルのエッジ部を指で擦りシリコーン層の剥がれ具合を下記の基準で評価した。評価結果は、表2の通りであった。
○:全く剥がれない
×:部分的に剥がれる
○:接着性、帯電防止性、粘着層の耐光性いずれも良好であり、
装飾フィルム用として好適である
×:接着性、帯電防止性、粘着層の耐光性のいずれかの特性が劣っており、保護フィルム用として不適当である
(ポリエステル1):実質的に粒子を含有しない、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレート
(ポリエステル2):平均粒径1.6μmの非晶質シリカを0.3重量部含有する、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレート
(ポリエステル3):(ポリエステル1)をベント付き二軸押出機に供して、紫外線吸収剤として2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン](CYTEC社製 CYASORB UV−3638 分子量 369 ベンゾオキサジン系)を10重量%濃度となるように供給して溶融混練りした極限粘度は、0.59のポリエチレンテレフタレート
(E1):下記式1−1の構成単位と、下記式1−2の構成単位とを重量比率で95/5の重量比率で共重合した、数平均分子量20000の高分子化合物
(C1):オキサゾリン基がアクリル系樹脂にブランチされたポリマー型架橋剤であるエポクロス WS−500(日本触媒製)
(C2):メトキシメチロールメラミンであるベッカミン J−101(日本資材製)。
(C3):ポリグリセロールポリグリシジルエーテルであるデナコールEX−521(ナガセケムテックス製)
(F1):平均粒径0.07μmのシリカゾル水分散体
(S1):界面活性剤サーフィノール465(エアープロダクツ製)
上記ポリエステル1とポリエステル2をそれぞれ88%、12%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル1とポリエステル3をそれぞれ95%、5%の割合で混合した混合原料をB層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層(ABA)で、厚み構成比がA:B:A=3:94:3になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.0倍延伸し、230℃で熱処理を行った後、フィルムをロール上に巻き上げ両面に塗布層を有する厚さ100μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。
下記表1に示したP1〜P9の塗布液を、縦延伸フィルムの両面に塗布した後、テンターに導き、横延伸した以外は比較例1と同様の方法により、実施例1〜5、比較例1〜6の積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表2に示す。
B層の原料を上記ポリエステル1 100%とした以外は、実施例1と同様の方法により、積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下表2に示す。
Claims (2)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に厚さ0.01〜0.05μmの塗布層を有する積層ポリエステルフィルムであり、当該塗布層が、ノニオン性の反応性乳化剤に由来する親水基を分子中に有するアクリル系樹脂と、オキサゾリン化合物と、4級アンモニウム基を有する化合物とを含有する塗布液から形成されてなり、積層ポリエステルフィルムの380nmの光線透過率が5%以下であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
- 請求項1記載の積層ポリエステルフィルムの少なくとも片面に微粘着層を有することを特徴とする装飾フィルム用ポリエステルフィルム。
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