JP2007160764A - 表面保護粘着フィルムまたはシート - Google Patents

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Abstract

【課題】 一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層(2)を含む表面保護粘着フィルムまたはシートであって、この表面保護粘着フィルムまたはシートを光学用途フィルムの表面に貼合することにより、これらのフィルムの断裁時及び運搬時の重ね合わせにより発生する粘着性を持つ付着異物の付着や、作業時の取り扱いによる指紋の付着を防止し、たとえこれらが付着したとしても容易に除去できる、表面保護粘着フィルムまたはシートを提供。
【解決手段】 プラスチックフィルムからなる基材フィルム(1)に、界面活性剤(イオン導電性)系帯電防止剤とフッ素系汚れ防止剤とを含む塗布液を塗布し、塗布後に多湿環境下にて放置(多湿処理)することにより、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層(2)を含む表面保護粘着フィルムまたはシートを作製することにより達成。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面保護粘着フィルムまたはシートに関し、さらに詳しくは、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層(2)を含む表面保護粘着フィルムまたはシートであって、この表面保護粘着フィルムまたはシートを光学用途フィルムの表面に貼合することにより、これらのフィルムの断裁時及び運搬時の重ね合わせにより発生する粘着性を持つ付着異物の付着や、作業時の取り扱いによる指紋の付着を防止し、たとえこれらが付着したとしても、メタノールや酢酸エチル等の溶剤で表面を拭い取らなくても容易に除去できる、表面保護粘着フィルムまたはシートに関する。
偏光板、位相差板、AR(anti reflection;反射防止)フィルム等の光学用途フィルムは、粘着加工等の製造、シートの断裁工程等の加工及び運搬等の工程等において、光学フィルムの表面の傷付き、異物付着等の防止のために表面保護粘着フィルムが貼合わされている。
上記の表面保護粘着フィルムは、典型的には、基材フィルムの片面に帯電防止層を設け、反対面に粘着層を設けた構成、すなわち、帯電防止層/基材フィルム/粘着層の構成を有する。尚、粘着層には、通常、離型フィルムが被覆される。
ここで、前記の表面保護粘着フィルムの粘着層は、光学フィルムの表面に貼り付けるための層であり、表面保護の目的を達成した後剥離除去するものなので、容易に剥がせ、しかも光学フィルムの表面汚染等が発生しないようにされている。
上記の構成の表面保護粘着フィルムは、通常の埃の付着や傷防止には、表面保護粘着フィルムとして十分に有効であるが、例えば、
(1)断裁時及び運搬時の重ね合わせにより発生する、粘着性を持つ付着異物
(2)作業時の取り扱いによる、指紋の付着
等の、汚れによるトラブルが発生し易い。これらの表面保護粘着フィルム表面に付着した粘着性を持つ付着異物や指紋等の汚れは、メタノールや酢酸エチル等の溶剤で、表面を拭い取っているのが現状であるが、この作業は煩わしいものである。
さらに、(1)の重ね合わせ時には、これらの光学フィルムが静電気により互いにくっついて取り扱いにくくなったりするというトラブルや、表面保護フィルムが剥離によって除去された場合、この剥離時に静電気が発生しやすく、周囲の異物を巻き込んでしまうという、静電気によるトラブルも発生し易い。
従って、このような静電気発生と汚れ付着とによるトラブル発生といった問題点を、すべて解決することが要望されている。
上記課題に対し、例えば、特許文献1には、ポリエステルフィルムの片面に帯電防止層を設け、その層の上に汚れ防止層を設け、そしてその反対面に微粘着層を設けてなる表面保護フィルムが示されている。その構成を模式的に図2に示す。また、ポリエステルフィルムの片面に帯電防止層を設け、その層の上に微粘着層を設け、そしてその反対面に汚れ防止層を設けてなる表面保護フィルムが示されている。その構成を模式的に図3に示す。
また、例えば、特許文献2には、基材フィルムの少なくとも片面に帯電防止層が設けられ、その帯電防止層と同じ面または反対面には汚れ防止性成分を含む防汚層が設けられ、さらにその防汚層設置側とは反対面に微粘着剤層が設けられた層構成を有する表面保護フィルムが開示されている。
前記特許文献1及び特許文献2において開示されている表面保護フィルムは、帯電防止層と汚れ防止層とが別個に設けられており、製造工程の工数の増加が発生する。
また帯電防止層を汚れ防止層の反対面に設けた場合は、保護フィルムを剥がす工程においては有効であるが、重ね合わせ等にて発生する静電気については必ずしも有効ではない。
また、例えば特許文献3では、偏光板または位相差板の表面に貼着するための保護フィルムの外面が、帯電防止性を有しかつセロハン粘着テープによる剥離強度が50〜400g/24mmの弱剥離面に形成されていることを特徴とする偏光板または位相差板の表面保護フィルムが開示されている。また、前記帯電防止性を有する弱剥離面の形成が、剥離処理剤と帯電防止剤との混合物からなる処理剤のコーティング、または、帯電防止剤によるコーティング層の上からの剥離処理剤によるコーティングによりなされたものである表面保護フィルムが開示されている。
前記特許文献3において開示されている表面保護フィルムは、その外面に帯電防止機能を有してはいるが、汚れ防止機能は有していないため、付着した汚れを除去するためには、メタノールや酢酸エチル等の溶剤で表面を拭い取る必要があり、工数の増加が発生する。
こうした状況下、光学用途フィルムの表面保護粘着フィルムにおいて、帯電防止機能を有し、表面保護フィルムを貼着した光学フィルムに粘着性異物が付着するのを防止し、たとえ付着したとしても、容易に除去できる表面保護フィルムの提供が求められていた。
特開平11−256115号公報 特開2003−320631号公報 特開平9−113726号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層(2)を含む表面保護粘着フィルムまたはシートであって、この表面保護粘着フィルムまたはシートを光学用途フィルムの表面に貼合することにより、これらのフィルムの断裁時及び運搬時の重ね合わせにより発生する粘着性を持つ付着異物の付着や、作業時の取り扱いによる指紋の付着を防止し、たとえこれらが付着したとしても、メタノールや酢酸エチル等の溶剤で表面を拭い取らなくても容易に除去できる、表面保護粘着フィルムまたはシートを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、プラスチックフィルムからなる基材フィルム(1)に、界面活性剤(イオン導電性)系帯電防止剤とフッ素系汚れ防止剤とを含む塗布液を塗布し、塗布後に多湿環境下にて放置(多湿処理)することにより、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層(2)を形成して、表面保護粘着フィルムまたはシートを作製したところ、上記課題が達成されることを見出した。そして本発明は、こうした知見に基いて完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、プラスチックフィルムからなる基材フィルム(1)と、基材フィルム(1)の一方の面に敷設された機能層(2)と、基材フィルム(1)の機能層(2)が敷設された面の反対面に敷設された微粘着層(3)とから構成され、かつ、機能層(2)は、界面活性剤系帯電防止剤とフッ素系防汚剤とを含む塗布液を塗布し、これを多湿環境下で処理することにより形成される、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ層であることを特徴とする、表面保護粘着フィルムまたはシートが提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記塗布液は、界面活性剤系帯電防止剤固形分100重量%に対し、フッ素系防汚剤固形分を0.001〜10重量%の割合で含有することを特徴とする、表面保護粘着フィルムまたはシートが提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明において、前記多湿環境下での処理は、湿度70〜99RH%、温度15℃〜45℃の環境下で、2分以上60分以下放置するものであることを特徴とする、表面保護粘着フィルムまたはシートが提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1から第3のいずれか一項の発明において、前記機能層(2)が、乾燥重量で0.01〜2g/mの厚みであることを特徴とする、表面保護粘着フィルムまたはシートが提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1から第4の発明のいずれか一項の発明において、光学用途フィルムの表面に貼合されるものであることを特徴とする、表面保護粘着フィルムまたはシートが提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、前記光学用途フィルムが、偏光板、位相差板及び反射防止フィルムから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、表面保護粘着フィルムまたはシートが提供される。
本発明の第1から第4の表面保護粘着フィルムまたはシートによれば、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層を有し、光学用途フィルムの表面に貼合した際に、粘着性異物が付着するのを防止し、たとえ付着したとしても容易に除去できる、表面保護粘着フィルムまたはシートが得られる。
また、本発明の第5および第6の表面保護粘着フィルムまたはシートによれば、これを偏光板、位相差板及び反射防止フィルム等の光学用途フィルムに貼合することにより、この光学用途フィルムを断裁した際及び運搬時の重ね合わせの際等に、粘着性異物が付着するのを防止し、たとえ付着したとしても容易に除去でき、さらに、作業時の取り扱いによる指紋の付着等のトラブルを回避できる、表面保護粘着フィルムまたはシートが得られる。
本発明は、基材フィルム(1)の片面に帯電防止機能と汚れ防止機能とを持つ機能層(2)と反対面に微粘着層(3)とを持つ。すなわち「(2)機能層(帯電防止+汚れ防止)/(1)基材フィルム/(3)微粘着層」の構成を有する、表面保護粘着フィルムまたシートである。その構成を模式的に図1に示す。
尚、通常は微粘着層(3)の上から離型フィルム(4)を被覆しておく。
本発明の特徴である、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層(2)は、基材フィルム(1)の片面に、界面活性剤(イオン導電性)系帯電防止剤とフッ素系汚れ防止剤とを含む塗布液を塗布し、塗布後に多湿環境下にて放置(多湿処理)することにより形成することができる。
以下、各層及び多湿処理について順に説明する。
1.基材フィルム(1)
基材フィルム(1)は、本発明の目的を達成し得るものであれば、特に限定はない。フィルム形態であり、光学用途の表面保護粘着フィルムとしての強度を有しかつ光学適性を有することが好ましいことから、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)が用いられる。
ポリエステルフィルムのほか、他のプラスチックフィルム、例えばポリカーボネート系、ポリサルフォン系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、液晶ポリマー系等各種ポリマー系フィルムが使用可能である。
これらのうち、光学用途フィルムの表面保護粘着フィルムとしての強度および光学適性を有し、比較的安価であり入手し易いといった理由から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられる。
基材フィルム(1)の厚みは特に限定はないが、好ましくは6〜125μm程度、より好ましくは20〜50μmである。厚みが6μm未満であると、表面保護粘着フィルムとしての強度を満たさないため好ましくなく、反対に125μmより厚いと取り扱い性が悪くなるため好ましくない。
また、基材フィルム(1)には、各種安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、酸化防止剤および可塑剤等の添加剤が添加されていてもよい。
さらに、基材フィルム(1)は必要に応じ、化学処理や放電処理、例えば、コロナ処理、アンカーコーティング等、接着性改善および塗布性改善等の処理を施しても良い。
2.機能層(2)
機能層(2)は、界面活性剤(イオン導電性)系帯電防止剤とフッ素系添加剤(防汚剤)とを混合した塗布液を、基材フィルム(1)に塗布し、その後多湿環境下にて放置(多湿処理)する方法にて形成される。
A.界面活性剤系帯電防止剤
界面活性剤系帯電防止剤としては、フッ素系防汚剤あるいは塗布液溶剤に溶解するものであれば公知のもののいずれでも使用できる。例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜3級アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン系帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性の帯電防止剤等の各種界面活性剤系帯電防止剤、更には上記の如き帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤等が挙げられ、また、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有し、電離放射線により重合可能なモノマーやオリゴノマー、例えば、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマー、それらの第4級化合物等の重合性帯電防止剤も使用できる。また、ポリオキシエチレンアルキルアミン、多価アルコール系誘導体等も使用できる。いずれにおいても、市場で入手できる帯電防止剤が使用できる。
本発明においては、帯電防止剤とフッ素系防汚剤との適合性や、多湿環境下での放置処理後に、表面保護粘着フィルムとして必要な帯電防止機能が発現でき、しかも、汚れ防止機能を妨げることがないといった点等から、カチオン活性剤が好ましく、特に、第4級アンモニウム塩型カチオン性高分子化合物が好ましい。
界面活性剤系帯電防止剤の使用量は、特に制限はないが、塗布液とした際に、界面活性剤系帯電防止剤固形分100重量%に対し、フッ素系防汚剤固形分を0.001〜10重量%の割合で含有する塗布液とすることが好ましく、0.2〜2.0重量%の割合で含有する塗布液とすることがさらに好ましい。
前記の界面活性剤系帯電防止剤を含有した塗布液を、基材フィルム(1)の片面に塗布し、塗布後に多湿環境下にて放置(多湿処理)することにより、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層(2)が形成される。こうして形成された機能層(2)の帯電防止性能は、表面固有抵抗値で1012Ω/□以下が好ましい。
なお、表面固有抵抗値は、JIS K 6911に準拠して測定した値である。これは、製膜したものを、24時間養生後、超絶縁抵抗測定器にて測定した値であり、測定した数値が大きいほど、静電気が発生しやすい。
表面固有抵抗値で1012Ω/□より大きい値であると、表面保護粘着フィルム表面が帯電しやすいため、汚れが付着しやすく、光学用途フィルムに貼合したものを重ね合わせた際に、表面保護粘着フィルムの帯電により、これらがくっつきやすくなるというトラブルが発生しやすくなるため、好ましくない。
B.フッ素系防汚剤
フッ素系防汚剤は、界面活性剤系帯電防止剤あるいは塗布液溶剤に溶解するものであれば公知のもののいずれも使用できる。例えば、アルキルフッ素オリゴマー、グラフト型及びブロック型フッ素含有オリゴマー及び樹脂等が利用できる。いずれにおいても、市場で入手できるフッ素系防汚剤等が使用できる。
本発明においては、光学用途フィルムの表面に貼合した際に、粘着性異物が付着したとしても、例えば、メタノールや酢酸エチル等の溶剤で表面を拭い取る必要は無く、粘着テープ等で容易に除去できるといった、表面保護粘着フィルムとして好ましい汚れ防止性能を発揮できること、および、前記界面活性剤系帯電防止剤あるいは塗布液溶剤への溶解しやすさおよび入手しやすさといった点等から、アルキルフッ素オリゴマー、グラフト型及びブロック型フッ素含有オリゴマー及び樹脂等のフッ素系防汚剤が好ましく使用できる。これらのうちでも、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩等のフッ素系防汚剤が好ましく使用できる。
フッ素系防汚剤の使用量は、特に制限はないが、塗布液とした際に、界面活性剤系帯電防止剤固形分100重量%に対し、フッ素系防汚剤固形分を0.001〜10重量%の割合で含有する塗布液とすることが好ましく、0.2〜2.0重量%の割合で含有する塗布液とすることがさらに好ましい。フッ素系防汚剤が0.001重量%より少ない場合は、表面粘着保護フィルムの防汚性が不十分となることがあるため、好ましくない。同様に、10重量%より多い場合は、塗布液の塗工性の低下、帯電防止能の著しい低下等が発生することがあるため、好ましくない。
前記の界面活性剤系帯電防止剤とフッ素系防汚剤とを含有した塗布液を、基材フィルム(1)の片面に塗布し、塗布後に多湿環境下にて放置(多湿処理)することにより、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層(2)が形成される。こうして形成された機能層(2)の汚れ防止機能は、表面保護粘着フィルムの表面における、水との接触角が83°以上、特に90°以上であることが好ましい。83°より接触角が小さいと、汚れ防止機能が不十分であり、汚れが付着しやすく、また、汚れが付着した場合にも容易に除去できず、汚れを除去するためにメタノールや酢酸エチル等の溶剤で、表面を拭い取る作業が必要となるので、好ましくない。
なお、汚れ防止機能は、表面保護粘着フィルムの機能層(2)の面の静的接触角を、静的接触角計(「CA―A」、協和界面科学(株)製)で測定したものである。
C.塗布液
一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層(2)は、基材フィルム(1)の片面に、界面活性剤(イオン導電性)系帯電防止剤とフッ素系汚れ防止剤とを含む塗布液を塗布し、塗布後に多湿環境下にて放置(多湿処理)することにより形成することができる。
この界面活性剤系帯電防止剤とフッ素系防汚剤とを含んだ塗布液を作製する方法としては、溶液の状態である界面活性剤系帯電防止剤に粉末等の固形物であるフッ素系防汚剤を分散させる方法、溶液の状態であるフッ素系防汚剤に粉末等の固形物である界面活性剤系帯電防止剤を分散させる方法、どちらも溶液の状態である界面活性剤系帯電防止剤溶液とフッ素系防汚剤溶液とを混合する方法および溶剤にどちらも粉末等の固形物である界面活性剤系帯電防止剤とフッ素系防汚剤とを分散させる方法等、基材フィルム(1)に塗布可能な塗布液が作製できる方法ならば制限は無いが、本発明においては、原料の入手のし易さ等から、溶液の状態である界面活性剤系帯電防止剤と粉末の状態であるフッ素系防汚剤とを混合して、塗布液とする方法が好ましい。
前記の界面活性剤系帯電防止剤溶液およびフッ素系防汚剤溶液、または、粉末等の固形物である界面活性剤系帯電防止剤およびフッ素系防汚剤を分散して塗布液を作製するための溶剤としては、有機溶剤が用いられる。また、水性塗液(水を媒体とするもの)として塗布液を作製し、機能層(2)を形成することも可能である。
この有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等を用いることができる。これらは単独、もしくは複数を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、基材フィルム(1)その他への影響が少ないこと、溶剤を乾燥させやすいことおよびコストが低いこと等の理由から、酢酸エチルが好ましい。なお、水性塗液を用いる場合には、塗液の安定性を助ける目的で、若干量の有機溶剤を含有させてもよい。
フッ素系防汚剤の使用量は、特に制限はないが、塗布液とした際に、界面活性剤系帯電防止剤固形分100重量%に対し、フッ素系防汚剤固形分を0.001〜10重量%の割合で含有する塗布液とすることが好ましく、0.2〜2.0重量%の割合で含有する塗布液とすることがさらに好ましい。
フッ素系防汚剤が、下限値より少ないと、塗布により形成された機能層(2)の汚れ防止機能が不十分になることがあるため好ましくない。また、上限値より多いと、塗布により形成された機能層(2)の透明性、塗膜の均一性が損なわれ、且つ帯電防止能が著しく低下する等の問題が発生することがあるため、好ましくない。
塗布液の全固形分濃度は、好ましくは、塗布液を100重量%とした場合に、30重量%以下、さらに0.5〜30重量%であることが好ましい。この濃度が30重量%を超えると塗布外観が悪化することがあり、好ましくない。また、0.5%より少ないと、帯電防止機能および汚れ防止機能が不十分であるため、好ましくない。
塗布液には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、界面活性剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等を含有していても良い。
D.塗布方法
塗布液を調整後、基材フィルム(1)の片方の面に塗布(コーティング)および乾燥して機能層(2)を形成する。
塗布(コーティング)の方法としては、フィルム製造工程外で塗布液を塗布する方法、または、フィルム製造工程内で塗布液を塗布する方法等が挙げられる。
フィルム製造工程外で塗布液を塗布する方法としては、例えば、グラビア、マイクログラビア、メイヤーバー、エアーナイフ、ドクターナイフ、ロールコーター、ワイヤーバー等の通常の方法が採用される。
フィルム製造工程内で塗布する方法としては、例えば、ポリエステル未延伸フィルムに塗布液を塗布し、逐次あるいは、同時に二軸延伸する方法や、一軸延伸されたポリエステルフィルムに塗布し、さらに先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あるいは二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布し、さらに横および/または縦方向に延伸する方法等が挙げられる。
本発明においては、工程の容易さから、フィルム製造工程外で塗布液を塗布する方法が好ましく用いられる。
コーティングの回数は、前記塗布液を基材フィルム(1)上に、1回塗布すれば良いが、必要に応じて、複数回塗布しても良い。
塗布量については、特に制限されず、塗布液の種類や必要とする性能を考慮して決めれば良い。
また、塗布液を塗布後、溶剤を乾燥させることが好ましい。乾燥の方法は、特に制限は無く、塗布後、放置する方法等が用いられる。
乾燥後、機能層(2)の厚みが、乾燥重量で0.01〜2g/m程度、好ましくは0.03〜1g/mとなるように乾燥させることが好ましい。厚みが0.01g/m未満の場合は、機能層(2)が層としての物理的強度を保持しにくくなり好ましくなく、また、2g/mより厚いと、塗布外観が悪化することがあり、好ましくない。
このように、塗布液を基材フィルム(1)に塗布し、乾燥して形成された塗膜は、そのままでは、特に帯電防止機能が不十分であるが、以下で説明する多湿処理を行うことにより、光学用途フィルムの表面に貼合した際に、断裁時及び運搬時の重ね合わせにより発生する、粘着性を持つ付着異物の付着や、作業時の取り扱いによる指紋の付着を防止し、たとえこれらが付着したとしても、メタノールや酢酸エチル等の溶剤で表面を拭い取らなくても容易に除去できる、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層(2)を形成することができる。
3.微粘着層(3)
本発明は、「(2)機能層(帯電防止+汚れ防止)/(1)基材フィルム/(3)微粘着層/離型フィルム(4)」の構成を有する表面保護粘着フィルムまたシートであるが、光学用途フィルムを保護するために本発明の表面保護粘着フィルムを使用する時には、離型フィルム(4)を剥離して、対象の光学用途フィルムに微粘着層(3)を貼付して使用する。そして、表面保護の目的を達成した後、この表面保護粘着フィルムは剥離除去されるものであるため、この微粘着層(3)は、容易に剥がせ、しかも剥離後糊残り、表面汚染性がないことが必須である。そのため、本発明においては、以下のような微粘着層(3)とすることにより、光学用途フィルムの表面保護粘着フィルムとして好適な微粘着層(3)とすることができる。
微粘着層(3)に使用する粘着剤は、公知の粘着剤から要求特性に合わせて選択すればよい。特に粘着剤の種類は制限されず、種々の粘着剤を使用することができる。
微粘着層(3)を構成する粘着剤としては、例えば、アクリル系(一液型または二液型)の粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系の粘着剤およびシリコーン系粘着剤をはじめとする種々の粘着剤を使用することができる。これらの中では、アクリル二液型で溶剤型のアクリル系粘着剤が使用されることが多く、具体的には、ソフトセグメントとなるモノマー(エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等)と、ハードセグメントとなるモノマー(メチルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等)とを共重合したもの、あるいはこれらにさらにアクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート等の官能基含有モノマーも共重合したアクリル系の粘着剤が好適に用いられる。イソシアネート系硬化剤等を配合した二液型とし、塗布後に乾燥、キュアして架橋反応させることもできる。
形態は公知の形態から要求特性に合わせて選択すれば良く、無溶剤タイプ、溶剤タイプ、エマルジョンタイプ等が挙げられる。また、熱硬化タイプ、UV硬化タイプ、EB硬化タイプ、ホットメルトタイプ等が挙げられる。
また、この粘着剤は、光学用途に使用するものであるため、経時により黄変等、色合いの変化しないものがよい。さらに耐久性や粘着剤の移行を抑えるために、イソシアネート系や、エポキシ系の架橋剤を適宜使用できる。
本発明においては、微粘着層(3)の耐久性の点で、アクリル系の粘着剤が好ましく、特に、黄変が少ないことから、イソシアネート系硬化剤で架橋をするアクリル系の粘着剤が好ましい。
微粘着層(3)の塗布方法は、機能層(2)の形成と同様、グラビア、コンマ、エアーナイフ、ドクターナイフ、ダイコート法、ドクターブレード法等の通常のコーティング法によりなすことができる。この層の設置は、次に述べる離型フィルム(4)上に粘着剤を加工し、必要に応じて加熱乾燥後に貼着する方法を採用してもよいし、機能層(2)を設けた基材フィルム(1)の、機能層(2)を設けていない側に粘着剤を加工し、必要に応じて加熱及び乾燥後に離型フィルム(4)を被覆する方法を採用してもよい。
微粘着層(3)の粘着力は、光学フィルムに対しては、粘着力が0.03〜0.50N/25mmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.30Nである。粘着力が0.03N/25mm未満であると、光学用途フィルムへの粘着力が不足することによる剥がれや浮き等が発生することがあるため好ましくなく、0.50N/25mmより大きいと、光学用途フィルムから剥離しにくくなることや、剥離後糊残りが発生したり、表面汚染性が高くなることがある等により、好ましくない。
なお、上記の微粘着層(3)の粘着力は、ステンレス板(SUS304)に微粘着層(3)を貼り合わせ、23℃で20分、及び1日放置後に、300mm/分の速度で180度の角度で剥離するときの力で表したものである。
本発明において、微粘着層(3)の粘着厚みは特に限定はないものの、1〜100μm程度が好ましく、特に好ましくは10〜40μm程度である。1μm未満であると、フィルムの収縮等への追随性が弱く、剥がれたり、貼合したフィルムがカールしたりすることがあり好ましくなく、100μmより厚いと、不経済であり、かつ貼合したフイルムの厚みが厚いため取り扱い等に不具合が生じ易く、好ましくない。
微粘着層(3)の粘着力は、上記のように、粘着剤を選定したり、微粘着層(3)の形成条件等を調整することによって行われる。この微粘着層(3)表面には、微粘着層(3)の保護等のために、離型フィルムを貼り合せることができる。
4.離型フィルム(4)
上記の微粘着層(3)には、通常は離型フィルム(4)が被覆され、使用前まで微粘着層(3)を保護する。そして、表面保護粘着フィルムの使用時に、この離型フィルム(4)を剥がして、表面保護粘着フィルムを工学用途フィルムに貼合する。
離型フィルム(4)としては、ポリエステルフィルムの表面にシリコン系離型剤等を用いて剥離処理したものが、剥がしやすさ等の点から、好ましい。具体的には、微粘着層(3)への貼付しやすさや剥がしやすさや、微粘着層(3)に悪影響を与えないといったことから、シリコン処理をしたポリエステルフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
5.多湿処理
上記のように、塗布液を基材フィルム(1)に塗布し、乾燥して形成された機能層(2)は、そのままでは、特に帯電防止機能が不十分であるため、以下で説明する多湿処理を行うことが必要である。この多湿処理を行った機能層(2)を持つ表面保護粘着フィルムを、機能層(2)を外側にして光学用途フィルムの表面に貼合すると、断裁時及び運搬時の重ね合わせにより発生する粘着性を持つ付着異物の付着や、作業時の取り扱いによる指紋の付着を防止し、たとえこれらが機能層(2)に付着したとしても、メタノールや酢酸エチル等の溶剤で表面を拭い取らなくても容易に除去できるようになる。つまり、表面保護粘着フィルムに、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層(2)を形成することができる。
塗布し乾燥しただけの機能層(2)では不十分だった帯電防止機能が、多湿の環境にさらすこと(多湿処理)により充分に発現するようになる理由は、定かではないが、本発明の塗布液により形成される機能層(2)において、特定の多湿処理により、この機能層(2)の表面に存在する界面活性剤の分子が順序良く並ぶようになり、これにより導電性が発現され、帯電防止機能が向上するためであると考えられる。
多湿処理の時期は、機能層(2)形成後であればいつでもよく、そのつど製造工程の要求に応じて選択することができる。具体的には、例えば、基材フィルム(1)に機能層(2)を形成し、その後微粘着層(3)、離型フィルム(4)を貼合してから、多湿処理を行う、または、基材フィルム(1)に微粘着層(3)と離型フィルム(4)とを形成した後に機能層(2)を形成し、その後離型フィルム(4)を貼合してから多湿処理を行う、等の方法が挙げられる。
多湿処理の条件は、湿度は70〜99RH%、好ましくは85〜95RH%、温度15℃〜45℃、好ましくは25℃〜40℃である。湿度が70RH%未満であると帯電防止機能の発現が不十分となることがあるため好ましくなく、99RH%より大きくても帯電防止機能の発現が不十分となることがあるため好ましくない。また、温度が15℃未満であると帯電防止機能の発現に時間がかかることがあるため好ましくなく、45℃より大きいと表面保護粘着フィルムの収縮によるセパレーターの浮き、粘着力の低下等の、悪影響を与えることがあるため好ましくない。
処理時間は、2分以上であり、好ましくは2分以上60分以下であり、より好ましくは3分以上30分である。2分未満であると、帯電防止機能の発現が不十分となることがあるため好ましくなく、60分より長いと表面保護粘着フィルムの収縮によるセパレーターの浮き、粘着力の低下等、悪影響を与えることがあるため好ましくない。
上記の多湿の環境を提供する手段としては、前記処理条件を満たすことができるものであればどのような方法であってもよいが、通常用いられる方法でよい。具体的には、例えば、恒温恒湿槽やオーブンを用いることができる。
また、多湿処理は、通常は開始から終了まで同じ条件で行うが、途中で条件を変えて行うこともできる。例えば、オーブンの条件について、多湿処理の初期に、比較的湿度の高い条件に放置し、一定の時間の経過後、初期よりも湿度の低い条件で放置する等の方法を、選択して行うことができる。多湿処理の回数についても、一度だけでなく、複数回行っても良い。その際、複数の処理が同じ条件であっても、違う条件であっても良い。
6.光学用途フィルムへの適用
前記により得られた表面保護粘着フィルムまたはシートを、偏光板、位相差板、ARフィルム等の光学用途フィルムに貼合する。これにより、光学用途フィルムの粘着加工等の製造、シートの断裁工程等の加工及び運搬等の工程等において、光学フィルムの表面の傷付き、異物付着等の防止を図ることができ、光学用途フィルムにおけるトラブルの発生を防ぐことができる。
光学用途フィルムとしては、特に制限はないが、偏光板、位相差板、ARフィルム等が挙げられる。
貼合方法としては、表面保護粘着フィルムまたはシートが、異物の巻き込み等の問題なく光学用途フィルムに貼合できる方法ならば特に制限は無く、具体的には、例えば、手作業で、光学用途フィルムの種類に応じた大きさに加工した表面保護粘着フィルムの離型フィルムを剥離しながら、前記光学用途フィルムに貼合する等の方法が用いられる。
本発明を以下の実施例により具体的に記すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、評価方法は以下のとおりである。
(1)表面抵抗:表面固有抵抗値は、JIS K 6911に準拠して、製膜したものを、24時間養生後、超絶縁抵抗測定器にて測定した。測定した数値が大きいほど、静電気が発生しやすい。
(2)接触角:表面保護粘着フィルムの離型フィルム(4)を剥がしたサンプルの機能層(2)の面の静的接触角を、静的接触角計(「CA―A」、協和界面科学社製)で測定した。接触角が大きいほど、汚れが付着しにくい。
[実施例1]
SKC社製帯電防止剤(SEKISUI−A、固形分3%、酢酸エチル溶液)1000部に対し、大日本インキ化学社製フッ素添加剤(メガファックF428)0.3部を添加、撹拌し、機能層(2)の塗液を作製した。
この塗液を、基材フィルム(1)として、三菱ポリエステル社製PETフィルム(T−100、38μm品)の片面に、乾燥後の重量が0.6g/mに成るように塗布乾燥し、機能層(2)を形成した。
続いて、機能層(2)の反対面に、積水化学工業社製アクリル粘着剤(PPA―1、固形分30%、酢酸エチル溶液)1000重量部に対し、日本ポリウレタン社製イソシアネート(HXR)16重量部を添加した塗液を、乾燥後の重量が22g/mに成るように塗布乾燥し、微粘着層(3)を形成し、微粘着層(3)の粘着面を、剥離フィルム(4)として、帝人社製Si―PETセパレーター(S31)で覆い、表面保護粘着フィルムを得た。
この表面保護粘着フィルムを、湿度92%、温度36℃のオーブンに、5分放置した。
放置後、表面抵抗値を測定するために、JIS K 6911に準拠して、20℃×50HR%に24h条件下放置し、機能層(2)の表面抵抗を測定し、また、水との接触角を測定した。
多湿処理後の表面保護粘着フィルムの機能層(2)の表面抵抗は2.1×1011Ω/□、接触角は93°であった。
このフィルムの機能層(2)を23℃×60%の条件下でPETフィルムとこすり、たばこの灰を近づけたが、機能層(2)面への灰の付着は確認できなかった。
また、機能層(2)面に粘着剤のカス(糊玉)を押しつけ、セロテープ(登録商標)にて糊玉の掃除を実施したところ、1〜3回程度で糊玉が取れ、汚れが確認出来なかった。
[比較例1]
多湿処理を行わない以外は、実施例1と同様にして、表面保護粘着フィルムを作製した。
このサンプルを実施例1と同様に評価した。
表面抵抗は4.5×1014Ω/□、接触角は94°であった。
実施例1と同様にして、このフィルムの機能層(2)を23℃×60%の条件下でPETフィルムとこすり、たばこの灰を付着させたところ、灰の付着が確認された。
また、実施例1と同様にして、機能層(2)面に粘着剤のカス(糊玉)を押しつけ、セロテープ(登録商標)にて糊玉の掃除を実施したところ、1〜3回程度で糊玉が取れ、汚れが確認出来なかった。
[比較例2]
フッ素添加剤を混合しない以外は、実施例1と同様にして、表面保護粘着フィルムを作製した。
このサンプルを実施例1と同様に評価した。
表面抵抗は9.2×1010Ω/□、接触角は32°であった。
実施例1と同様にして、このフィルムの機能層(2)を23℃×60%の条件下でPETフィルムとこすり、たばこの灰を近づけたが、機能層(2)面への灰の付着は確認できなかった。
また、実施例1と同様にして、機能層(2)面に粘着剤のカス(糊玉)を押しつけ、セロテープ(登録商標)にて糊玉の掃除を実施したところ、糊玉部が綺麗に取れず汚れが確認できた。
本発明の表面保護粘着フィルムまたはシートは、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ機能層(2)を含み、この表面保護粘着フィルムまたはシートを光学用途フィルムの表面に貼合することにより、これらのフィルムの断裁時及び運搬時の重ね合わせにより発生する粘着性を持つ付着異物の付着や、作業時の取り扱いによる指紋の付着を防止し、たとえこれらが付着したとしてもメタノールや酢酸エチル等の溶剤で表面を拭い取らなくても、容易に除去できるので、光学用途フィルム用の表面保護粘着フィルムまたはシートとして好適である。
図1は、本発明の表面保護粘着フィルムまたはシートの一態様を模式的に示したものである。 図2は、従来技術の表面保護粘着フィルムまたはシートの一態様を模式的に示したものである。 図3は、従来技術の表面保護粘着フィルムまたはシートの一態様を模式的に示したものである。
符号の説明
(1) 基材フィルム
(2) 機能層(汚れ防止機能(2−1)+帯電防止機能(2−2))
(2−1) 帯電防止層
(2−2) 汚れ防止層
(3) 微粘着層または粘着層
(4) 離型フィルム

Claims (6)

  1. プラスチックフィルムからなる基材フィルム(1)と、基材フィルム(1)の一方の面に敷設された機能層(2)と、基材フィルム(1)の機能層(2)が敷設された面の反対面に敷設された微粘着層(3)とから構成され、かつ、機能層(2)は、界面活性剤系帯電防止剤とフッ素系防汚剤とを含む塗布液を塗布し、これを多湿環境下で処理することにより形成される、一層で帯電防止機能と汚れ防止機能との二つの機能を併せ持つ層であることを特徴とする、表面保護粘着フィルムまたはシート。
  2. 前記塗布液は、界面活性剤系帯電防止剤固形分100重量%に対し、フッ素系防汚剤固形分を0.001〜10重量%の割合で含有することを特徴とする、請求項1に記載の表面保護粘着フィルムまたはシート。
  3. 前記多湿環境下での処理は、湿度70〜99RH%、温度15℃〜45℃の環境下で、2分以上60分以下放置するものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の表面保護粘着フィルムまたはシート。
  4. 前記機能層(2)が、乾燥重量で0.01〜2g/mの厚みであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の表面保護粘着フィルムまたはシート。
  5. 光学用途フィルムの表面に貼合されるものであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の表面保護粘着フィルムまたはシート。
  6. 前記光学用途フィルムが、偏光板、位相差板及び反射防止フィルムから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、請求項5に記載の表面保護粘着フィルムまたはシート。


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