JP5915810B2 - 外囲器回転型x線管装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ターゲットと共に外囲器が回転する外囲器回転型X線管装置に関する。
従来のX線管装置は、図4に示すように、電子(熱電子または電子ビームともいう)を放出する陰極(カソード)105と、陰極105から放出された電子を偏向させる偏向コイル106と、偏向コイル106で偏向された電子を円盤状の周辺部に衝突させてX線(図4中の符号xr)を発生するターゲット107とを備えている(例えば、特許文献1参照)。外囲器回転型X線管101は、ターゲット107と共に外囲器102が回転中心線R周りで回転するようになっている。ターゲット107は陽極(アノード)である。
陰極105と陽極であるターゲット107との間には、管電圧が加えられる。管電圧は、陰極105から放出された電子を加速するための電圧である。偏向コイル106で偏向される電子の偏向量は、その管電圧に依存する。そのため、ターゲット107の予め設定された位置に電子を衝突させてX線を発生する焦点位置を一定に保つためには、管電圧の変化に応じて、偏向コイル106に流す電流量を制御する。
なお、特許文献2には、回転陽極ターゲットに衝突した電子のうち、熱やX線に変換されずに散乱を繰り返す反跳電子を補足する構造が開示されている。
図4に示す従来装置101において、例えば、偏向コイル106に流している電流を一定にした後に、管電圧を加えるように制御する。このとき、管電圧が低いと電子の偏向量が大きくなる。電子の偏向量が大きいと、電子がターゲット107の焦点軌道よりも外側の外周部に当たったり、外囲器102に当たったりすることになる。管電圧の立ち上がり時・立ち下がり時は、図5に示すように、時間的には短いが、管電圧が低い期間が必ず存在する。その期間では、電子の偏向量が大きくなり、電子が外囲器102に当たることになる。
また、通常、管電圧は所定の値に制御されているが、陰極105と陽極であるターゲット107との間で放電した場合に制御しきれないことがあり、管電圧が一時的に低下する場合もある。また、高電圧電源の誤作動により管電圧が設定値よりも低い場合もあり得る。そのような場合も電子が外囲器102に当たることになる。
電子が外囲器102に当たると外囲器102が損傷する可能性がある。外囲器102は通常、ステンレス鋼やTi(チタン)合金でできており、短時間の電子ビームの照射でも溶融する可能性がある。特に、外囲器102のX線照射窓102bは、X線透過の必要性から厚みが薄く設定されている。そのため、X線照射窓102bが損傷した場合は、真空リークのおそれがある。また、電子が外囲器102に当たると外囲器102が溶融し、外囲器102の成分がターゲット107に飛び散ってしまうおそれもある。
また、管電圧が低いときに加速された電子がターゲット107に衝突して発生するX線には、軟X線が多く含まれている。軟X線は、人体の透過度が低く人体に吸収されるので、診断に寄与しないX線を患者に照射させることになり、患者の被曝量を増やしてしまう等のデメリットがある。そのため、軟X線を低減することが望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電子衝突による外囲器の損傷を防止する外囲器回転型X線管装置を提供することを目的とする。また、軟X線を低減させる外囲器回転型X線管装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る外囲器回転型X線管装置は、電子を放出する陰極と、前記陰極から放出された電子を偏向させる電子偏向部と、前記電子偏向部で偏向された電子を衝突させてX線を発生させるターゲットと、前記電子偏向部で偏向された電子のうち、前記ターゲットの予め設定された領域へ向かう電子をリング内に通過させると共に、前記領域よりも外側へ向かう電子を遮蔽する遮蔽リングと、前記陰極、前記ターゲットおよび前記遮蔽リングを内部に有すると共に、前記ターゲットと一体となって回転する外囲器と、を備えていることを特徴とするものである。
すなわち、本発明に係る外囲器回転型X線管装置は、電子を放出する陰極と、前記陰極から放出された電子を偏向させる電子偏向部と、前記電子偏向部で偏向された電子を衝突させてX線を発生させるターゲットと、前記電子偏向部で偏向された電子のうち、前記ターゲットの予め設定された領域へ向かう電子をリング内に通過させると共に、前記領域よりも外側へ向かう電子を遮蔽する遮蔽リングと、前記陰極、前記ターゲットおよび前記遮蔽リングを内部に有すると共に、前記ターゲットと一体となって回転する外囲器と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る外囲器回転型X線管装置によれば、陰極は電子を放出し、陰極から放出された電子は電子偏向部により偏向される。ターゲットは、電子偏向部で偏向された電子を衝突させてX線を発生させる。ここで、遮蔽リングは、電子偏向部で偏向された電子のうち、ターゲットの予め設定された領域へ向かう電子をリング内に通過させると共に、その領域よりも外側へ向かう電子を遮蔽する。これにより、ターゲットの予め設定された領域よりも外側領域や外囲器に電子が衝突することを抑えることができる。そのため、外囲器の損傷を防止することができる。
また、本発明に係る外囲器回転型X線管装置において、前記遮蔽リングは、前記外囲器および前記ターゲットと一体となって回転することが好ましい。これにより、遮蔽リングで電子を遮蔽する際に、頻繁に電子衝突を受けたとしても、電子衝突が分散されるので、遮蔽リングが溶融することを抑えることができる。
また、本発明に係る外囲器回転型X線管装置において、前記電子偏向部により予め設定された電子の偏向力を与えた状態で、前記陰極と前記ターゲットとの間に予め設定された管電圧を加えること、および加えた管電圧を取り除くことのいずれかを行うように制御する制御部を備えていることが好ましい。これにより、管電圧が低い状態のときの電子を遮蔽リングで遮蔽させて、ターゲットに衝突させないようにできるので、発生するX線に含まれる軟X線を低減させることができる。また、制御部により管電圧に応じて電子偏向部に与える偏向力を制御せずにすみ、電子偏向部の制御を簡単にすることができる。
また、本発明に係る外囲器回転型X線管装置において、前記遮蔽リングは、タングステン、モリブデン、タンタル、およびこれらのいずれかを主成分とする合金のいずれかで構成されていることが好ましい。すなわち、遮蔽リングは、高融点金属で構成されている。そのため、遮蔽リングで電子を遮蔽する際に、頻繁に電子衝突を受けたとしても、遮蔽リングが溶融することを抑えることができる。
また、本発明に係る外囲器回転型X線管装置において、前記遮蔽リングは、前記外囲器の径が最も小さい部分に設けられていることが好ましい。これにより、遮蔽リングを小型に形成することができる。
また、本発明に係る外囲器回転型X線管装置において、前記遮蔽リングは、前記外囲器の径が最も小さい部分よりも前記ターゲット側に設けられていることが好ましい。これにより、遮蔽リングで遮蔽する部分の円周の長さが長くなり、より大きな面積で電子を受けることができる。
本発明に係る外囲器回転型X線管装置によれば、陰極は電子を放出し、陰極から放出された電子は電子偏向部により偏向される。ターゲットは、電子偏向部で偏向された電子を衝突させてX線を発生させる。ここで、遮蔽リングは、電子偏向部で偏向された電子のうち、ターゲットの予め設定された領域へ向かう電子をリング内に通過させると共に、その領域よりも外側へ向かう電子を遮蔽する。これにより、ターゲットの予め設定された領域よりも外側領域や外囲器に電子が衝突することを抑えることができる。そのため、外囲器の損傷を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は、実施例に係る外囲器回転型X線管装置の概略構成図である。図2は、図1を一部拡大した図である。
図1を参照する。外囲器回転型X線管装置1は、中央部分にくびれた形状を有する外囲器2を備えている。外囲器2の両端には、回転軸3a,3bが設けられており、回転軸3a,3bは、軸受4により回転可能に支持されている。外囲器2は、外囲器本体2a、X線照射窓2bおよび絶縁壁2cを備えている。外囲器本体2aは、ステンレス鋼やTi等で構成され、X線照射窓2bは、Ti等で構成されている。絶縁壁2cは、セラミック等の絶縁材料で構成されている。X線照射窓2bは、上述のように、X線透過の必要性から厚みが薄く設定されている。
また、外囲器回転型X線管装置1は、電子を放出する陰極5と、陰極5から放出された電子を偏向する偏向コイル6と、偏向コイル6で偏向された電子を衝突させてX線を発生させるターゲット7とを備えている。陰極5とターゲット7は、回転中心線R上に対向して配置され、陰極5は、回転中心線Rに沿ってターゲット7側に電子を放出する。陰極5は、円板状の電子放出源(エミッタ)と収束電極とを備えている(共に図示しない)。
偏向コイル6は、外囲器2の外側のくびれ形状付近に配置される。また、図1では、回転中心線Rを挟んで2つの偏向コイル6が対向して設けられているが、例えば、四重極コイルのように、4つの偏向コイル6が設けられている。4つの偏向コイル6により、電子を上下および紙面奥行き方向に偏向させることができる。なお、偏向コイル6は、本発明の電子偏向部に相当する。
ターゲット7は、タングステンやモリブデン等の高融点金属で構成されている。ターゲット7は、図1に示すように、外囲器2の外壁を兼ねており、回転軸3bは、ターゲット7に設けられている。なおこの点、ターゲット7は、外壁を兼ねず、外囲器2は、ターゲット7側の外壁を囲うように設け、その外壁にターゲット7を取り付けるようにしてもよい。陰極5も同様である。
陰極5と偏向コイル6との間には、陰極5から放出された電子を加速および収束させる電子加速収束部(アノードともいう)8が設けられている。電子加速収束部8は、陽極であり、電子加速収束部8だけでなく、外囲器本体2a、X線照射窓2bおよびターゲット7も陽極である。すなわち、電子加速収束部8は、外囲器本体2a、X線照射窓2bおよびターゲット7と同電位になっている。
次に、本発明の特徴部分である遮蔽リング11について説明する。遮蔽リング11は、リング状(筒状)部材であり、外囲器本体2aに取り付けられている。遮蔽リング11は、タングステン、モリブデン、タンタル等、およびこれらのいずれかを主成分とする合金のいずれかで構成されている。すなわち、遮蔽リング11は、高融点金属で構成されている。そのため、遮蔽リング11で電子を遮蔽する際に、頻繁に電子衝突を受けたとしても、遮蔽リング11の溶融を抑えることができる。
また、遮蔽リング11は、偏向コイル6で偏向された電子のうち、ターゲット7の予め設定された焦点軌道となる領域F(図2参照)へ向かう電子をリング内に通過させると共に、その領域Fよりも外側へ向かう電子を遮蔽するようになっている。すなわち、偏向コイル6によって偏向された電子は、遮蔽リング11のリング内を通過し、ターゲット7の予め設定された焦点軌道となる領域Fに到達する。偏向コイル6により、電子の偏向量が大きくなると、電子は遮蔽リング11の内壁に当たり捉えられる。そのため、電子は、ターゲット7の予め設定された焦点軌道となる領域Fよりも外側のターゲット7の外周部や、外囲器2、X線照射窓2aへ飛んで行くことを防ぐことができる。なお、焦点軌道は、電子が衝突してX線が発生する焦点位置の軌道であり、ターゲット7上に円を描くように形成される。
遮蔽リング11のターゲット7側は、焦点軌道となる領域Fの外側が境界となるように設定されている。一方、遮蔽リング11の陰極5側は、偏向コイル6により大きく偏向して外囲器2に衝突すると想定される範囲を覆うように設定されている。
ところで、外囲器回転型X線管装置1は、外囲器2全体を回転させて用いられる。すなわち、外囲器2、回転軸3a,3b、陰極5、ターゲット7、電子加速収束部8、遮蔽リング11は一体となっており、それら一体となった外囲器2等が図示しないモータ等の駆動部により回転中心線R周りに回転されるようになっている。そのため、遮蔽リング11は、外囲器2およびターゲット7等と共に回転するように構成されている。これにより、遮蔽リング11で電子を遮蔽する際に、頻繁に電子衝突を受けたとしても、電子衝突が分散されるので、遮蔽リング11の溶融を抑えることができる。
なお、外囲器2とターゲット7で囲まれた空間は、真空状態になっている。また、外囲器2等は、ハウジング13内に収容されており、外囲器2等とハウジング13との空間には、絶縁性のオイルが充填されている。
図1に戻る。外囲器回転型X線管装置1は、この装置1の各構成を統括的に制御する制御部15と、外囲器回転型X線管装置1を操作する操作部17と、X線発生に必要な管電圧・管電流を供給する高電圧発生部(高電圧電源)19とを備えている。操作部17は、スイッチやタッチパネル入力部等で構成される。
制御部15は、中央演算処理装置(CPU)などで構成される。制御部15は、外囲器2等の回転を制御したり、図示しない電源を制御して偏向コイル6に予め設定された電流を供給したり、高電圧発生部19を制御して陰極5と電子加速収束部8等の陽極との間への管電圧および管電流の供給を行ったりする。制御部15は、偏向コイル6に予め設定された電流量を加えて、偏向コイル6により予め設定された電子の偏向力を与えた状態で、陰極5と、ターゲット7および電子加速収束部8等との間に予め設定された管電圧を加える。また、制御部15は、偏向コイル6により予め設定された電子の偏向力を与えた状態で、加えた管電圧を取り除く。
次に、外囲器回転型X線管装置1の動作について説明する。陰極5は、電子を放出し、電子加速収束部8は、陰極5から放出された電子を加速および収束させる。偏向コイル6は、加速および収束された電子を偏向し、偏向された電子は、遮蔽リング11のリング内を通過してターゲット7の円盤の周辺部の予め設定された焦点位置に衝突する。ターゲット7の電子が衝突した焦点位置からX線が発生し、X線照射窓2bを透過して外囲器回転型X線管装置1の外部に照射される。
ここで、遮蔽リング11は、偏向コイル6で偏向された電子のうち、ターゲット7の予め設定された焦点軌道となる領域Fへ向かう電子をリング内に通過させ、また、その領域Fよりも外側へ向かう電子を遮蔽する。これにより、領域Fよりも外側のターゲット7の領域や、X線照射窓2b等の外囲器2に電子を当てないようにすることができる。また、遮蔽リング11は、高融点金属で構成しているので、電子が頻繁に衝突しても遮蔽リング11の溶融を抑えることができる。さらに、遮蔽リング11は、外囲器2およびターゲット7と一体となって回転するので、電子が頻繁に衝突しても、電子衝突を分散させることができるので、遮蔽リング11が溶融することを抑えることができる。
また、制御部15は、図5に示すように、偏向コイル6に予め設定された電流量を加えて、偏向コイル6により予め設定された電子の偏向力を与えた状態で、陰極5と、ターゲット7および電子加速収束部8等との間に予め設定された管電圧を加えてX線を発生させている。また、制御部15は、偏向コイル6により予め設定された電子の偏向力を与えた状態で、加えた管電圧を取り除いてX線の発生を停止させている。
上述のように、図5に示す管電圧波形の立ち上がりおよび立ち下がりにおいて、管電圧が低い期間があり、このとき、偏向コイル6による電子の偏向量が大きくなって、電子が外囲器2等に向かってしまう。外囲器2等に向かってしまう電子は、遮蔽リング11により遮蔽される。また、次のような手法がある。すなわち、電子の偏向量が大きくなった場合に、偏向コイル6に加える電流量を制御して、偏向された電子を焦点軌道となる領域Fへ向かわせるようにする手法がある。この手法では、低い管電圧の加速により衝突して発生したX線に、診断に寄与しない軟X線が多く含まれてしまうという別の問題が生じてしまう。
しかしながら、本実施例のように、制御部15は、偏向コイル6に予め設定された電流量を加えた状態で、予め設定された管電圧を加えること、および加えた管電圧を取り除くことのいずれかを選択的に行う。このとき、偏向コイル6で偏向された電子のうち、ターゲット7の予め設定された領域へ向かう電子を遮蔽リング11のリング内に通過させ、また、その領域よりも外側へ向かう電子を遮蔽リング11で遮蔽する。これにより、外囲器2等は向かう電子を遮蔽すると共に、管電圧が低い状態のときの電子を遮蔽リング11で遮蔽させて、ターゲット7に衝突させないようにできるので、発生するX線に含まれる軟X線を低減させることができる。また、制御部15により管電圧に応じて偏向コイル6に流れる電流量を制御せずにすみ、偏向コイル6の制御を簡単にすることができる。
本実施例によれば、陰極5は電子を放出し、陰極5から放出された電子は偏向コイル6により偏向される。ターゲット7は、偏向コイル6で偏向された電子を衝突させてX線を発生させる。ここで、遮蔽リング11は、偏向コイル6で偏向された電子のうち、ターゲット7の予め設定された領域Fへ向かう電子をリング内に通過させると共に、その領域Fよりも外側へ向かう電子を遮蔽する。これにより、ターゲット7の予め設定された領域Fよりも外側領域や外囲器2に電子が衝突することを抑えることができる。そのため、外囲器2の損傷を防止することができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、遮蔽リング11は、図1に示すように、外囲器2のくびれ形状の最も細い部分に設けられていた。すなわち、遮蔽リング11は、回転中心線R周りの外囲器2の径が最も小さい偏向コイル6側の部分に設けられていた。しかしながら、これに限定されない。
例えば、図3に示すように、遮蔽リング31は、回転中心線R周りの外囲器2の径が最も小さい偏向コイル6側の部分よりも、外囲器2の径が大きいターゲット7側に設けられていてもよい。これにより、遮蔽リング31は、偏向コイル6側に設ける場合よりも回転中心線Rから離れた位置で電子を遮蔽することになるので、遮蔽リング31で遮蔽する部分の円周の長さが偏向コイル6側の遮蔽リング11よりも長くなり、より大きな面積で電子を受けることになる。そのため、遮蔽リング31で電子を遮蔽する際に、頻繁に電子衝突を受けたとしても、電子衝突がより分散されるので、遮蔽リング31の溶解を抑えることができ、溶融の懸念を低減させることができる。
一方、図1に示す偏向コイル6側の遮蔽リング11は、図3に示すターゲット7側の遮蔽リング31に比べて、小型に形成することができる。なお、遮蔽リング11,31は、電子加速収束部8とターゲット7との間であれば、どの位置に配置してもよい。具体的には、偏向コイル6により電子は偏向されるので、偏向コイル6の陰極5側の端(図1中の符号P)からターゲット7までの間であれば、どの位置に配置してもよい。
(2)上述した実施例および変形例(1)では、図1に示す遮蔽リング11や、図3に示す遮蔽リング31は、1つで構成されていたが、複数個で構成されていてもよい。例えば、図1に示す遮蔽リング11と図3に示す遮蔽リング31を組み合わせて構成してもよい。すなわち、遮蔽リング11,31は、外囲器2の径が最も小さい部分に設けられていると共に、外囲器2の径が最も小さい部分よりもターゲット7側に設けられている。
(3)上述した実施例および各変形例では、図1に示すように電子加速収束部8が設けられているが、図4のように、電子加速収束部8を設けない構成としてもよい。
(4)上述した実施例および各変形例では、陰極5から放出された電子を偏向する電子偏向部として、磁界で電子を偏向する偏向コイル6が設けられていたが、例えば、電界で電子を偏向する電子偏向部であってもよい。
1 … 外囲器回転型X線管装置
2 … 外囲器
2a … 外囲器本体
2b … X線照射窓
5 … 陰極
6 … 偏向コイル
7 … ターゲット
11,31 … 遮蔽リング
15 … 制御部
F … 領域
R … 回転中心線
2 … 外囲器
2a … 外囲器本体
2b … X線照射窓
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6 … 偏向コイル
7 … ターゲット
11,31 … 遮蔽リング
15 … 制御部
F … 領域
R … 回転中心線
Claims (6)
- 電子を放出する陰極と、
前記陰極から放出された電子を偏向させる電子偏向部と、
前記電子偏向部で偏向された電子を衝突させてX線を発生させるターゲットと、
前記電子偏向部で偏向された電子のうち、前記ターゲットの予め設定された領域へ向かう電子をリング内に通過させると共に、前記領域よりも外側へ向かう電子を遮蔽する遮蔽リングと、
前記陰極、前記ターゲットおよび前記遮蔽リングを内部に有すると共に、前記ターゲットと一体となって回転する外囲器と、
を備えていることを特徴とする外囲器回転型X線管装置。 - 請求項1に記載の外囲器回転型X線管装置において、
前記遮蔽リングは、前記外囲器および前記ターゲットと一体となって回転することを特徴とする外囲器回転型X線管装置。 - 請求項1または2に記載の外囲器回転型X線管装置において、
前記電子偏向部により予め設定された電子の偏向力を与えた状態で、前記陰極と前記ターゲットとの間に予め設定された管電圧を加えること、および加えた管電圧を取り除くことのいずれかを行うように制御する制御部を備えていることを特徴とする外囲器回転型X線管装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の外囲器回転型X線管装置において、
前記遮蔽リングは、タングステン、モリブデン、タンタル、およびこれらのいずれかを主成分とする合金のいずれかで構成されていることを特徴とする外囲器回転型X線管装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の外囲器回転型X線管装置において、
前記遮蔽リングは、前記外囲器の径が最も小さい部分に設けられていることを特徴とする外囲器回転型X線管装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載の外囲器回転型X線管装置において、
前記遮蔽リングは、前記外囲器の径が最も小さい部分よりも前記ターゲット側に設けられていることを特徴とする外囲器回転型X線管装置。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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