JP5915482B2 - エアバッグ装置の中間組付け体及びエアバッグ装置の組付け方法 - Google Patents
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Description
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、インフレータ及びリテーナを簡単な作業で、乗物に強固に固定することのできるエアバッグ装置及びその組付け方法を提供することにある。
上記の構成によれば、エアバッグに係止されたリテーナへのインフレータの装着に際しては、インフレータ固定部がリテーナの係合部に係合される。この係合により、インフレータがリテーナに対し位置決めされる。
上記の構成によれば、インフレータがリテーナに装着される前に、挿入口の近傍に配置された保持部により、同挿入口が開口された状態に保持される。そのため、エアバッグの外部のインフレータを挿入口に挿入しやすくなる。
上記の構成によれば、インフレータ固定部をリテーナの係合部に係合させる作業は、エアバッグの外部の広く、かつ視認性の良好な箇所で行なわれる。そのため、係合部がエアバッグの内部に位置しているものよりも、インフレータ固定部を係合部に係合させる作業がしやすくなる。
準備工程では、エアバッグ装置の中間組付け体が準備される。この準備に際しては、リテーナの少なくとも一部がエアバッグの内部に配置される。リテーナ固定部が、エアバッグを形成する基布に対し、同エアバッグの内側から外側へ挿通されることで、リテーナが同リテーナ固定部を通じエアバッグに係止される。この状態では、リテーナにより、インフレータを挿入して配置するための空間が確保され、同空間の型崩れが抑制される。
装着工程では、少なくともインフレータ固定部がリテーナの係合部に係合されることで、インフレータがリテーナに装着される。
装着工程において、少なくともインフレータ固定部がリテーナの係合部に係合されることで、インフレータがリテーナに装着される。この際、係合部が、リテーナ固定部よりも挿入口側へ離れた箇所に位置することから上記エアバッグ装置では、インフレータ固定部の係合部に対する係合が、リテーナ固定部よりも挿入口側へ離れた箇所で行なわれる。そのため、リテーナの係合部が、リテーナ固定部よりもエアバッグの内方へ遠ざかった箇所に位置しているものよりも、インフレータ固定部を係合部に係合させる作業がしやすくなる。
前記係合部は、前記係合基部と前記作用部とが前記軸線方向に相対向して構成されており、前記装着工程では、前記インフレータの一部が前記保持部に挿入され、この状態で、前記インフレータが前記軸線の周りで回転されることにより、前記インフレータ固定部が前記係合部に係合されることが好ましい。
上記組付け方法によれば、準備工程において、保持部が挿入口の近傍に配置されてなる中間組付け体が準備される。この中間組付け体では、挿入口が保持部により開口された状態に保持される。そのため、挿入工程において、エアバッグの外部のインフレータを、挿入口に挿入しやすくなる。
上記組付け方法によれば、準備工程において、係合部がエアバッグの外部に配置されてなる中間組付け体が準備される。
ここでのエアバッグ装置は、乗物としての車両に固定されることにより装備されるものである。
図11に示すように、インフレータ20は長尺状としての円柱状をなしており、その内部には、膨張用のガスを発生するガス発生剤(図示略)が収容されている。インフレータ20の軸線L1に沿う方向についての一部、ここでは一方(図11の右方)の端部には、他の箇所よりも小径のガス噴出部21が形成されている。ガス噴出部21の外周面には、複数のガス噴出孔22が設けられている。また、インフレータ20の軸線L1に沿う方向についての他方(図11の左方)の端部には、同インフレータ20への作動信号の入力配線となるハーネス23が接続されている。
図14に示すように、リテーナ30は、上記インフレータ20が装着される部材である。リテーナ30の主な機能としては、次に挙げるものがある。
・エアバッグ50が折り畳まれることにより、後述するコンパクトな中間組付け体61(図7参照)にされたエアバッグ装置60において、インフレータ20を挿入して配置するための空間(収納部51)を輸送時等にも確保し、収納部51の型崩れを抑制する機能。
次に、上記ガス発生装置10とともにエアバッグ装置60(図13参照)を構成するエアバッグ50について説明する。
エアバッグ50は、基布55(パネル布とも呼ばれる)を袋状に縫合することによって形成されている。基布55としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸やポリアミド糸等を用いて形成した織布等が適している。
図7及び図11に示すように、準備工程では、エアバッグ装置60の中間組付け体61が準備される。この中間組付け体61では、リテーナ30の一部(取付け板部32の全体と、保持部31の大部分)がエアバッグ50の内部(収納部51)に配置されている。第1係合部35及び第2係合部39は、取付け突起33よりも挿入口54側へ離れた箇所、ここでは、挿入口54よりも取付け突起33から遠ざかった箇所(エアバッグ50の外部)に配置されている。保持部31の多くの部分は、収納部51内における挿入口54の近傍に配置されている。
挿入工程では、エアバッグ50外部のインフレータ20一部が、図8において矢印で示すように、軸線L1に沿う方向の一端部(ガス噴出部21)から上記挿入口54を通じて、中間組付け体61におけるエアバッグ50の内部(収納部51)に挿入される。この際、上述したように、挿入口54が、その近くに位置する保持部31により、開口された様態に保持されているため、インフレータ20を挿入口54に挿入しやすい。上記インフレータ20の挿入は、取付け突起24(ボルト)が、取付け突起33(ボルト)に対し略直交する方向(図8の略左方)へ突出する姿勢で行なわれる。
装着工程は、インフレータ20をリテーナ30に装着する工程である。この装着工程では、挿入口54に挿入された上記インフレータ20の一部が、リテーナ30の保持部31に挿入される。保持部31が挿入口54の近傍に配置された本実施形態では、挿入口54への挿入と略同時にインフレータ20の一部が保持部31に挿入される。この挿入は、図9に示すように、インフレータ20における取付け突起24が収納部51に近づくまで行なわれる。
(1)リテーナ30には、インフレータ20の軸線L1に交差(直交)する方向へ突出し、かつ同リテーナ30をエアバッグ50とともに車両(車両構成部材11)に固定するための取付け突起33(ボルト)を設ける。また、インフレータ20には、上記軸線L1に交差(直交)する方向へ突出し、かつ同インフレータ20をリテーナ30とともに車両構成部材11に固定するための取付け突起24を設けている(図14)。
そのため、取付け突起24をリテーナ30の両係合部35,39に係合させることで、インフレータ20を、エアバッグ50に係止されたリテーナ30に対し位置決めした状態で装着することができる。
(4)エアバッグ50を形成する基布55に対し、取付け突起33を、同エアバッグ50の内側から外側へ挿通させる。エアバッグ50において、取付け突起33から軸線L1に沿う方向へ離れた箇所にインフレータ20の挿入口54を形成する(図11)。リテーナ30の両係合部35,39を、取付け突起33よりも挿入口54側へ離れた箇所に配置している(図7)。
そのため、保持部31により、挿入口54を開口された状態に保持することができ、エアバッグ50の外部のインフレータ20を、挿入口54に挿入しやすくすることができる。
そのため、両係合部35,39がエアバッグ50の内部(収納部51)に位置しているものよりも、広く、かつ視認性の良好な箇所で、取付け突起24を両係合部35,39に係合させることができ、作業性を向上させることができる。
そのため、挿入口54を開口された状態に保持することができ、挿入工程において、エアバッグ50の外部のインフレータ20を、挿入口54に挿入しやすくすることができる。
そのため、両係合部35,39がエアバッグ50の内部に位置しているものよりも、装着工程において、取付け突起24を両係合部35,39に係合させる作業をしやすくすることができる。
<インフレータ20について>
・位置決め突起は、インフレータ20の取付け突起24(ボルト)とは別に設けられてもよい。その場合、位置決め突起としては、第1係合部35及び第2係合部39によって挟み込めることを条件に、取付け突起24(ボルト)よりも短いものが用いられてもよい。
・インフレータ固定部としては、インフレータ20を少なくともリテーナ30とともに乗物(乗物構成部材)に固定することのできるものであることを条件に、取付け突起24(ボルト)とは異なる部材が採用されてもよい。同様に、リテーナ固定部としては、リテーナ30をエアバッグ50とともに乗物(乗物構成部材)に固定することのできるものであることを条件に、取付け突起33(ボルト)とは異なる部材が採用されてもよい。
・インフレータ固定部については、リテーナ30、エアバッグ50及び車両構成部材11に挿通され、ナット12により同車両構成部材11に締結されてもよい。この場合には、インフレータ20がリテーナ30及びエアバッグ50とともに、乗物(乗物構成部材)に固定される。
・インフレータ固定部及びリテーナ固定部は、インフレータ20の軸線L1に対し交差することを条件に、互いに異なる方向へ突出するものであってもよい。
・リテーナ固定部は、インフレータ20の軸線L1に沿う方向について、リテーナ30の複数箇所に設けられてもよい。
・保持部31は、インフレータ20の軸線L1に沿う方向についての一部を覆うものであることを条件として、上記実施形態とは異なる形状(非筒状)に形成されてもよい。
・保持部31は、インフレータ20の軸線L1に沿う方向の複数箇所に設けられてもよい。
・係合基部34は、リテーナ30において保持部31とは異なる箇所からインフレータ20の軸線L1に沿う方向へ延出されてもよい。
・舌片36は、リテーナ30において保持部31とは異なる箇所からインフレータ20の軸線L1に沿う方向へ延出されてもよい。この場合であっても、舌片36は、第2係合部39の設けられていない側の端部を支点として弾性変形するように構成される。
・第2係合部39(突部)において、取付け突起24(ボルト)に弾性的に当接する箇所は、同取付け突起24(ボルト)の断面形状に合わせて円弧状に凹む形状に形成されてもよい。このようにすると、取付け突起24(ボルト)が保持部31の周方向に移動するのをより抑制することができる。
・第2係合部39(突部)は、舌片36において、端部とは異なる箇所(中間部分)に設けられてもよい。
<係合空間41について>
・係合空間41の入口部42は、幅狭の箇所がある程度の長さをもって続くものであってもよい。
・第1係合部35及び第2係合部39が収納部51内に位置するように、リテーナ30がエアバッグ50に配置されたものが中間組付け体61とされてもよい。
<その他>
・上記エアバッグ装置60は、中間組付け体61という中間の形態を採らず、リテーナ30及びインフレータ20が略同時にエアバッグ50に組付けられるタイプのエアバッグ装置にも適用可能である。この場合には、エアバッグ50の挿入口54を省略することができる。
・上記エアバッグ装置が適用される車両には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
Claims (11)
- エアバッグと、前記エアバッグに係止されてインフレータを装着可能なリテーナとを備えるエアバッグ装置の中間組付け体であって、
前記リテーナには、前記インフレータを装着するための保持部が設けられるとともに、装着された際のインフレータの軸線に交差する方向へ突出し、かつ同リテーナを前記エアバッグとともに乗物に固定するためのリテーナ固定部が設けられ、
前記リテーナは、前記インフレータに設けられて前記軸線に交差する方向に突出するインフレータ固定部を係合して、前記インフレータを少なくとも自身とともに前記乗物に固定可能に構成されており、
前記保持部は、前記インフレータを前記軸線の周りで回転可能に構成され、
前記保持部の一端部からは、取付け板部が前記軸線に沿う方向に延びて、同取付け板部には前記リテーナ固定部が設けられ、
前記保持部の他端部からは、係合基部及び舌片が前記軸線に沿う方向に延びて、同舌片には、前記係合基部よりも弾性変形しやすい弾性変形予定部が設けられ、
前記弾性変形予定部は、装着される前記インフレータから離間する方向に弾性変形することにより、前記係合基部及び舌片との間で前記インフレータ固定部を係合可能としていることを特徴とするエアバッグ装置の中間組付け体。 - 前記リテーナには、前記インフレータが装着される際に、前記インフレータ固定部が係合される係合部が設けられ、
前記舌片には、作用部がさらに設けられ、
前記係合部は、前記係合基部と前記作用部とが前記軸線方向に相対向して構成されている請求項1に記載のエアバッグ装置の中間組付け体。 - 前記リテーナには、前記インフレータの前記軸線に沿う方向についての一部を覆う前記保持部が設けられており、
前記インフレータ固定部は、一部が前記保持部により覆われた前記インフレータが前記軸線の周りで回転されることにより前記係合部に係合されるものである請求項2に記載のエアバッグ装置の中間組付け体。 - 前記リテーナ固定部は、前記エアバッグを形成する基布に対し、前記エアバッグの内側から外側へ挿通され、
前記エアバッグにおいて、前記リテーナ固定部から前記軸線に沿う方向へ離れた箇所には、前記エアバッグの外部から前記インフレータを前記リテーナに装着する際に同インフレータが挿入される挿入口が形成されており、
前記リテーナの前記係合部は、前記リテーナ固定部よりも前記挿入口側へ離れた箇所に配置されている請求項3に記載のエアバッグ装置の中間組付け体。 - 前記リテーナの前記保持部は前記挿入口の近傍に配置されている請求項4に記載のエアバッグ装置の中間組付け体。
- 前記リテーナは、前記係合部を前記エアバッグの外部に位置させた状態で同エアバッグに係止される請求項2〜5のいずれか1つに記載のエアバッグ装置の中間組付け体。
- エアバッグと、前記エアバッグに係止されるリテーナと、前記リテーナに装着され、かつ前記エアバッグを膨張させるためのガスを噴出する長尺状のインフレータとを備え、
前記リテーナには、前記インフレータの軸線に交差する方向へ突出し、かつ前記エアバッグとともに乗物に固定されるリテーナ固定部が設けられ、
前記インフレータには、前記軸線に交差する方向へ突出し、かつ前記リテーナに設けられた係合部に少なくとも係合された状態で前記乗物に固定されるインフレータ固定部が設けられ、
前記エアバッグにおいて、前記リテーナ固定部から前記軸線に沿う方向へ離れた箇所に挿入口が形成されてなるエアバッグ装置を組付ける方法であって、
前記リテーナの少なくとも一部が前記エアバッグの内部に配置され、かつ前記リテーナ固定部が、前記エアバッグを構成する基布に対し、前記エアバッグの内側から外側へ挿通されることにより、前記リテーナが前記エアバッグに係止されてなる中間組付け体を準備する準備工程と、
前記挿入口を通じて前記インフレータの少なくとも一部を前記中間組付け体における前記エアバッグの内部に挿入する挿入工程と、
少なくとも前記インフレータ固定部を前記リテーナの前記係合部に係合させることで、前記インフレータを前記リテーナに装着する装着工程と
を備え、
前記リテーナには、前記インフレータの前記軸線に沿う方向についての一部を覆う保持部が設けられており、
前記保持部の一端部からは、取付け板部が前記軸線に沿う方向に延びて、同取付け板部には前記リテーナ固定部が設けられ、前記保持部の他端部からは、係合基部及び舌片が前記軸線に沿う方向に延びて、同舌片には、前記係合基部よりも弾性変形しやすい弾性変形予定部が設けられており、
前記係合部は、前記係合基部及び舌片との間で構成されており、
前記装着工程では、前記インフレータの一部が前記保持部に挿入されて前記軸線の周りで回転されるとともに、前記弾性変形予定部が、前記インフレータから離間する方向に弾性変形することで前記インフレータを前記リテーナに装着することを特徴とするエアバッグ装置の組付け方法。 - 前記準備工程では、前記係合部が前記リテーナ固定部よりも前記挿入口側へ離れた箇所に配置されてなる前記中間組付け体が準備される請求項7に記載のエアバッグ装置の組付け方法。
- 前記舌片には、作用部がさらに設けられ、
前記係合部は、前記係合基部と前記作用部とが前記軸線方向に相対向して構成されており、
前記装着工程では、前記インフレータの一部が前記保持部に挿入され、この状態で、前記インフレータが前記軸線の周りで回転されることにより、前記インフレータ固定部が前記係合部に係合される請求項7又は8に記載のエアバッグ装置の組付け方法。 - 前記準備工程では、前記保持部が前記挿入口の近傍に配置されてなる前記中間組付け体が準備される請求項9に記載のエアバッグ装置の組付け方法。
- 前記準備工程では、前記係合部が前記エアバッグの外部に配置されてなる前記中間組付け体が準備される請求項7〜10のいずれか1つに記載のエアバッグ装置の組付け方法。
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