JP5915476B2 - Pmセンサの異常検出装置および方法 - Google Patents
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Description
そして、上記目的を達成するために、本発明のPMセンサの異常検出装置は、PMセンサに堆積した粒子状物質を燃焼除去するためのヒータへの通電を制御する通電制御部と、PMセンサによって実施される粒子状物質の測定処理における、通電制御部によるヒータへの通電開始からPMセンサより出力される測定値が所定の値に達するまでの期間である感度時間の変化に基づいて、PMセンサが正常か否かを判定するセンサ判定部とを備えており、センサ判定部は、第1の通電量でヒータ通電されたPMセンサが測定処理を実施した結果、感度時間の変化が予め定めたしきい値を超えた場合、当該第1の通電量よりも大きな第2の通電量でヒータ通電されたPMセンサに測定処理を再度実施させ、第2の通電量がヒータ通電されたPMセンサが測定処理を実施した結果、感度時間の変化がしきい値を超えた場合、PMセンサが異常であると判定する。
上述したPMセンサの再生処理では、PMの燃焼量は、センサ素子の上昇温度、つまりヒータなどの加熱手段によるセンサ素子の加熱時間に比例する。本発明者の検討において、PMセンサの加熱が不十分であるとPMの燃焼除去が十分に行われず、センサ素子上には煤に混じって灰が残る可能性があることが判明した。そして、センサ素子上に灰が残った場合、センサ素子のPMに対する感度特性が変化し(PM堆積量に対するセンサ出力値が低下し)、PMセンサから出力される測定値が所定の値に達するまでの時間である感度時間が延びることがわかった(図4を参照)。
本発明者は、PMセンサから灰を除去すれば正常と判定できること、およびセンサ素子上に灰が残っている場合には上述したように感度時間が延びることから、センサ素子上に堆積したPMのヒータなどの加熱手段による燃焼開始(具体的にはヒータへの通電開始)から所定の感度時間までの期間の変化に基づいて、PMセンサの正常/異常を判定することに着目した。
この新たな着目に基づいた本発明の実施形態は、次の通りである。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るPMセンサの異常検出装置を適用する内燃機関システム1の概略構成を示す図である。図1に示した内燃機関システム1は、内燃機関10と、PMフィルタ20と、PMセンサ30と、本発明の主要な構成であるPMセンサの異常検出装置(ECU)40とを備えている。PMセンサの異常検出装置40は、センサ判定部41および通電制御部42を含んでいる。
内燃機関10は、燃料噴射装置や点火装置(共に図示せず)を備えたディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどである。この内燃機関10は、後述するセンサ判定部41の指示に従って排気通路内に燃料を直接噴射して排気ガスの温度を上昇させ、PMフィルタ20を再生処理する機能を有している。
図2および図3は、本発明の一実施形態に係るPMセンサの異常検出装置40が実行するPMセンサ異常検出方法の処理手順を説明するフローチャートである。図2は、本発明の基本的なPMセンサ異常検出方法であり、図3は、図2の方法をさらに発展させた本発明の発展的なPMセンサ異常検出方法である。
図2において、内燃機関システム1におけるPMセンサ30が正常であるか否かを判定する際、通電制御部42によってPMセンサ30のセンサ素子を加熱するヒータ31に通電がなされ(通常の電流値が供給され)、センサ判定部41によってPMセンサ30のチェックが開始される(ステップS21)。このPMセンサ30のチェックは、ヒータ31への通電が開始、すなわちセンサ素子上に堆積したPMの燃焼開始から、PMセンサ30より出力される測定値が所定の値に達するまでに要する実測の感度時間が、予め定めた基準感度時間に比べてどれだけ遅延しているかに基づいて行われる。
この状況は、ヒータ31で燃焼除去しきれなかった煤がセンサ素子上に残り、その煤の上に灰が付着し、その灰がセンサ感度を低下させて、電極間の抵抗値の上昇を遅延させているものと考えられる。
これにより、センサ素子上に煤や灰が残ることを効果的に回避できるので、PMセンサ30の正常/異常を適切に判定することができる。
上述した基本的なPMセンサ異常検出方法では、センサ素子上のヒータ31から離れた箇所に煤がついていた場合、ヒータ31から煤への温度伝達量は小さいため、確実に煤が焼却されて灰が除去されたかどうかはわからない。
そこで、図2のステップS24の判断において、PM感度遅延時間tが所定のしきい値を超えた場合に、さらに以下の処理を行うことが望ましい。
これにより、センサ素子上に煤や灰が残ることをさらに効果的に回避できるので、PMセンサ30の正常/異常を適切に判断することができる。
10 内燃機関
20 PMフィルタ
30 PMセンサ
31 ヒータ
40 PMセンサの異常検出装置
41 センサ判定部
42 通電制御部
50 排気通路
Claims (2)
- 内燃機関からPMフィルタを通して排出された排気ガス中の粒子状物質を測定するPMセンサの異常を検出する異常検出装置であって、
前記PMセンサのセンサ素子を挟んだ一対の電極間に堆積した粒子状物質を燃焼除去するためのヒータへの通電を制御する通電制御手段と、
前記PMセンサによって実施される粒子状物質の測定処理における、前記通電制御手段によるヒータへの通電開始から前記PMセンサより出力される前記一対の電極間の抵抗値が所定の値に達するまでの期間である感度時間の変化に基づいて、前記PMセンサが正常か否かを判定するセンサ判定手段とを備え、
前記センサ判定手段は、
第1の通電量でヒータ通電された前記PMセンサが測定処理を実施した結果、前記感度時間の変化が予め定めたしきい値を超えた場合、当該第1の通電量よりも大きな第2の通電量でヒータ通電された前記PMセンサに測定処理を再度実施させ、
前記第2の通電量がヒータ通電された前記PMセンサが測定処理を実施した結果、前記感度時間の変化が前記しきい値を超えた場合、前記PMセンサが異常であると判定する、PMセンサの異常検出装置。 - 前記センサ判定手段は、
前記第2の通電量でヒータ通電された前記PMセンサが測定処理を実施した結果、前記感度時間の変化が前記しきい値を超えた場合、前記PMフィルタの再生処理のタイミングおよび期間に前記第2の通電量によるヒータ通電を同期させた状態で前記PMセンサに測定処理をさらに実施させ、
前記PMフィルタの再生処理にヒータ通電を同期させた状態で前記PMセンサが測定処理を実施した結果、前記感度時間の変化が前記しきい値を超えた場合に、前記PMセンサが異常であると判定する、請求項1に記載のPMセンサの異常検出装置。
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