JP5914715B1 - フックスパナ - Google Patents

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Abstract

【課題】工具ホルダの締め付け作業において作業負担を軽減するスパナを提供する。【解決手段】本発明のスパナは、工具ホルダのロックナット(101)の外周面(102)に接触してロックナットの締め付け方向または緩め方向に回される頭部(11)と、揺動可能に取り付けられて締め付け位置あるいは緩め位置にされるレバー部材(31)と、レバー部材の揺動を抑制するレバー部材安定機構(41)とを備える。そしてレバー部材の一方端部(34)はロックナットの外周面に形成された凹部(103)に嵌まり込む突起であって、凹部の締め付け側の側壁(103a)に当接して締め付け方向のトルクを付与し、凹部の緩め側の側壁(103b)に当接して緩め方向の力を受けることによりロックナットの外径方向に押し出され凹部から離脱する締め付けフック(36)を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、ミーリングチャックやテーパコレットチャックといった工具ホルダに係合し、ロックナット(回転部材)を締め付けて刃具のシャンク部をチャッキングしたり、あるいは緩めてチャッキングを解除したりするスパナに関する。
工具ホルダとして従来、特開平10−166207号公報の図6に記載のテーパコレットチャックや、特開平09−253966号公報の図3に記載のミーリングチャックが知られている。例えばミーリングチャックに刃具をチャックする場合、ミーリングチャック先端のチャック部の外周に設けられた締付用ナット、締付金具、回動筒、等の様々な呼び名があるロックナット(回転部材)を緩め、チャック部の先端中心に形成された工具保持孔に刃具のシャンク部を差し込み、再び回転部材を締め付ける。工具ホルダから刃具を取り外す場合は、上述した手順とは逆の手順を行うとよい。このように工具ホルダのロックナットを締め付けたり緩めたりする場合、例えば図10に示すCスパナ201(引掛スパナ、あるいはフックスパナとも呼ばれる)が用いられる。Cスパナ201は円弧状に延びる頭部202と、頭部202と結合して直線状に延びる柄部203を備える。頭部202の先端には内径方向に突出するフック204が形成される。作業者はCスパナ201の柄部203を握り、Cスパナ201の頭部202を回転部材211の外周面に接触させ、フック204を回転部材211の外周に形成された凹部212(係止溝、切欠ともいう)に引っ掛けて、回転部材211を手動で回転させる。
特開平10−166207号公報 図6 特開平09−253966号公報 図3
テーパコレットチャックの場合、ロックナットを締め付けてスリ割りの入ったテーパコレットチャックを押し縮めることによって刃具のシャンク部を把持するため、一般的に締め付けトルクは小さな値となる。これに対しミーリングチャックの場合にはロックナットを締め付けてニードルローラによりミーリングチャック本体を弾性変形させて刃具のシャンク部を把持するため、より強力な締め付けトルクで回転部材を締め付けなければならない。そうするとミーリングチャックにチャッキングされる刃具を取り換える作業に従事する作業者が1日に数十本ものロックナットを締め付ける場合、重労働となって疲労してしまう。
本発明は、上述の実情に鑑み、ミーリングチャックをはじめとして工具ホルダのロックナットの締め付け作業の効率を向上可能なスパナを提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるフックスパナは、工具ホルダのロックナットの外周面に接触してロックナットの締め付け方向または緩め方向に回される頭部と、頭部と結合する柄部と、中央部が頭部に揺動可能に取り付けられて一方端部および他方端部が頭部に近づいたり頭部から遠ざかったりするレバー部材と、レバー部材に付勢力を付与して当該レバー部材の揺動を抑制するレバー部材安定機構とを備える。そしてレバー部材の一方端部はロックナットの外周面に形成された凹部に嵌まり込む突起であって、凹部の締め付け側の側壁に当接して締め付け方向のトルクを付与し、凹部の緩め側の側壁に当接して緩め方向の力を受けることによりロックナットの外径方向に押し出されレバー部材安定機構の付勢力に抗して凹部から離脱する締め付けフックを含む。またレバー部材の他方端部はロックナットの外周面に形成された凹部に嵌まり込む突起であって、凹部の緩め側の側壁に当接して緩め方向のトルクを付与し、凹部の締め付け側の側壁に当接して締め付け方向の力を受けることによりロックナットの外径方向に押し出されレバー部材安定機構の付勢力に抗して凹部から離脱する緩めフックを含み、頭部には締め付けフックおよび緩めフックのいずれか一方を選択的に収容する窪み空間が形成され、締め付けフックが窪み空間に収容されて締め付け方向のトルクを付与する間に緩めフックは窪み空間から退出して頭部から遠ざかり、反対に緩めフックが窪み空間に収容されて緩め方向のトルクを付与する間に締め付けフックは窪み空間から退出して頭部から遠ざかる
かかる本発明によれば、ラチェット機構を実現し得て、フックスパナの頭部をロックナットに当てたまま締め付け方向および逆方向に交互にフックスパナを回転させて、ロックナットを効率よく締め付けることができる。したがって締め付け作業および緩め作業が軽減される。またレバー部材の両端部のいずれかが頭部から遠ざかることから、レバー部材が締め付け位置および緩め位置のどちらにセットされているのか視認し易く、作業効率が向上する。
本発明のフックスパナは、正方向に回されるとロックナットと係合してロックナットにトルクを付与し、逆方向に回されるとロックナットとの係合が解除されて空回りする。レバー部材の端部に設けられる突起の形状は、ロックナットと係合するものであれば特に限定されない。本発明の一実施形態として突起はロックナットの内径方向に向かって先細となる三角形状である。かかる実施形態によれば、フックスパナが逆方向に回されるとロックナットの外周面に沿って空回りすることができ、ラチェット機構が実現する。突起は例えば直角三角形である。
レバー部材の配置箇所は特に限定されない。本発明の好ましい実施形態としてレバー部材は柄部の軸線と交差して延びる。かかる実施形態によればレバー部材の位置を極めて容易に視認し得て、作業効率が益々向上する。柄部の軸線とは柄部の断面中心を通り柄部の長手方向に延びる仮想線をいう。他の実施形態としてレバー部材は頭部に設けられ、柄部の軸線から離れていてもよい。
頭部の形状は特に限定されない。本発明の好ましい実施形態として頭部は環状であって頭部の中心開口にロックナットを受け入れ、柄部は環状の頭部を中心として、周方向に異なる2箇所に設けられる。かかる実施形態によれば、2本の柄部を備えることから作業者は柄部を握り易くなり、締め付け作業および緩め作業を効率よく行うことができる。本発明の他の実施形態として柄部は1本のみであってもよい。またロックナットが環状の頭部に受け入れられることから、作業者はロックナットに締め付け方向ないし緩め方向のトルクを付与し易くなる。
本発明のさらに好ましい実施形態として柄部は周方向に180度異なる2箇所に設けられて、これら2本の柄部は頭部を挟んで直線状に延びる。本発明の他の実施形態として、柄部は180度以外の角度をなすよう周方向に異なる2箇所に設けられる。
本発明の一実施形態として柄部の両端のうち頭部とは反対側に位置する末端には球部が設けられる。かかる実施形態によれば工具ホルダを作業台の上面に設置されたツールクランパでクランプし、ツールクランパによって作業台の上面と平行に保持される工具ホルダに本発明のフックスパナを係合し、フックスパナの2本の柄部のうちの片方を握って締め付ける作業をする際、残りの柄部の末端に設けられた球部が作業台の上面に接触し、ストッパの役目をする。
本発明の他の実施形態として柄部の両端領域のうち頭部とは反対側に位置する末端領域は、摩擦係数が大きくなるよう表面処理が施される。かかる実施形態によれば柄部を握る際に柄部が滑り難くなり作業効率が向上する。摩擦係数が大きくなるよう表面処理としては例えば凹凸形状を設けることである。凹凸形状は例えばローレット、梨地が挙げられる。あるいは本発明の他の実施形態として柄部の両端領域のうち頭部とは反対側に位置する末端領域は、ラバーで被覆される。かかる実施形態によれば柄部を握り易くなり作業負担が少なくなる。また柄部を握る際に柄部が滑り難くなり作業効率が向上する。
本発明の好ましい実施形態として柄部は頭部と着脱可能に連結する。かかる実施形態によれば、長さの異なる柄部や形状の異なる柄部を複数準備しておくことで柄部が交換可能となり、様々な型式の工具ホルダに対して効率良く作業することができる。
このように本発明によれば、ミーリングチャックのロックナットを締め付けたり緩めたりする作業において作業負担が軽減される。したがって従来よりも効率良く作業することができ、作業者が1日に多くのロックナットを締め付けたり解除したりして刃具を交換しても、疲労が緩和される。
本発明の一実施形態になるフックスパナを示す平面図である。 同実施形態のフックスパナを示す側面図である。 頭部および中立位置にされたレバー部材を拡大して示す断面図である。 頭部および締め付け位置にされたレバー部材を拡大して示す断面図である。 頭部および緩め位置にされたレバー部材を拡大して示す断面図である。 レバー部材の締め付けフックが中央開口から一時的に退出する状態を示す断面図である。 レバー部材の緩めフックが中央開口から一時的に退出する状態を示す断面図である。 同実施形態のフックスパナを分解平面図であり、頭部に着脱可能な柄部を列挙して表す。 ツールクランパおよび同実施形態を用いてロックナットを締め付ける作業を示す説明図である。 従来のCスパナを用いて回転部材を回す操作を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態になるフックスパナを示す平面図であり、図2は同実施形態を示す側面図であり、図3は頭部を拡大して示す断面図であり、いずれの図面も中立位置にされたレバー部材を表す。図4は頭部および締め付け位置にされたレバー部材を拡大して示す断面図である。図5は頭部および緩め位置にされたレバー部材を拡大して示す断面図である。フックスパナ10は、頭部11と、柄部21,22と、レバー部材31と、レバー部材安定機構41を備える。頭部11はリング状であり、円形の中心開口12を有する。この中心開口12には図2〜図5に仮想線で示すようにミーリングチャックのロックナット101が差し込まれる。頭部11は、図3〜図5に仮想線で示すようにロックナット101の外周面102に接触する。そしてロックナット101を中心として図4に細い矢で示すようにロックナット101の締め付け方向に回されたり、図5に細い矢で示すようにロックナット101の緩め方向に回されたりする。ロックナット101は例えば図2に示すように、ミーリングチャック本体100の外周に相対回動可能に取り付けられた回動筒である。ロックナット101に包囲されるミーリングチャック本体100の先端中心にはエンドミル等の刃具110が差し込まれてチャッキングされる。
柄部21,22はそれぞれ、互いに異なる位置で頭部11と結合して、直線状に延びる円柱体である。本実施形態では長さの異なる2本の柄部を有する。これらの柄部21,22は頭部11の周方向に180度離れて配置され、頭部11を挟んでストレートに連続して延びる。柄部21,22の両端のうち頭部11から遠い側に位置する末端は、平坦な円形端面とされる。
レバー部材31は、長い方の柄部22と頭部11との結合部に設けられて、少なくともレバー部材31の中央部32が頭部11に形成された空間13(図2)に収容される。空間13は中心開口12の内周壁面に沿って形成された窪みであって図3〜図5に示すように周方向に延びる。空間13の周方向両端部は、頭部11を径方向に貫通する。空間13の周方向中央部にはシャフト33が設けられる。シャフト33は中心開口12の中心軸と平行に延び、シャフト33の両端部が頭部11に支持され、シャフト33の中央部が空間13を横断するとともにレバー部材31の中央部32を貫通する。レバー部材31はシャフト33に回動可能に枢支されて、図3〜図5に示すように揺動することができる。図3に示すレバー部材31の中立位置で、レバー部材31の両端部(一方端部34,他方端部35)は頭部11から遠ざかる。図4に示すレバー部材31の締め付け位置で、一方端部34は太い矢で示すように頭部11に近づくとともに他方端部35は頭部11から遠ざかる。図5に示すレバー部材31の緩め位置で、一方端部34は頭部11から遠ざかるとともに他方端部35は太い矢で示すように頭部11に近づく。このようにレバー部材31は揺動することによって締め付け位置と、中立位置と、緩め位置に選択的にされる。つまりレバー部材31は柄部22に沿って長手方向に延びる軸線を横切るように設けられ、柄部22から突出するレバー部材31の両端部が柄部22から離れる。
レバー部材安定機構41は、ボール42、スプリング43、および被係合部44t,44n,44s、および調整ねじ45を有し、レバー部材31が不用意に揺動しないよう、レバー部材31を締め付け位置、中立位置、および緩め位置の各位置に保持する。
頭部11には、一端が空間13と接続し他端が開口端をなして中心開口12の半径方向に延びる小孔14が形成される。ボール42は、小孔14の内部に収容され、小孔14内を移動することができる。これによりボール42はレバー部材31の中央部32に向かって進退動可能に案内される。スプリング43は、小孔14の内部に収容され、ボール42を中央部32に向かって付勢する。被係合部44t,44n,44sは、例えば円弧状の窪みであり、中央部32に形成されて、ボール42をそれぞれ受け入れる。これら3つの被係合部44t,44n,44sはシャフト33を中心として周方向に互いに隣り合うように配列される。
調整ねじ45は、小孔14の開口端に螺合して、小孔14を閉塞し、スプリング43の一端を支持する。調整ねじ45を中心開口12から遠ざかる方向に緩め回転させると、スプリング43の付勢力が弱められる。反対に調整ねじ45を中心開口12に近づく方向に締め付け回転させると、スプリング43の付勢力が強められる。
被係合部44nは中立位置に対応し、ボール42がスプリング43の付勢力を受けて被係合部44nに係合することによって、レバー部材31は中立位置に保持される。被係合部44tは締め付け位置に対応し、ボール42がスプリング43の付勢力を受けて被係合部44tに係合することによって、レバー部材31は締め付け位置に保持される。被係合部44sは緩め位置に対応し、ボール42がスプリング43の付勢力を受けて被係合部44sに係合することによって、レバー部材31は緩め位置に保持される。
ただしレバー部材31がシャフト33回りの外力を受け、この外力が所定値以上である場合、ボール42は外力に抗しきれずに被係合部44t,44n,44sから滑り出るように退出する。これによりレバー部材31は揺動することができ、レバー部材31の位置が変化する。このようにしてレバー部材31の位置は、締め付け位置と、中立位置と、緩め位置の間を段階的に変化する。
レバー部材安定機構41のスプリング43がボール42に付与する付勢力は、締め付け位置と、中立位置と、緩め位置の間を変化するような大きな揺動を抑制する。しかし後述する締め付けフック36および緩めフック37が中心開口12から退出する程度の小さな揺動を妨げない。
レバー部材31の一方端部34は爪状の締め付けフック36を含み、他方端部35は爪状の緩めフック37を含む。レバー部材31の中央部32に関し、一方端部34および他方端部35は対称形状とされる。同様に締め付けフック36および緩めフック37も対称形状とされる。
まず締め付けフック36について詳細に説明する。
締め付けフック36は一方端部34に形成されて頭部11に指向する突起であり、図4に示すように中心開口12に進出して、ロックナット101に形成された凹部103に嵌まり込む。締め付けフック36は具体的にはロックナット101の内径方向に向かって先細の三角形状であり、中心開口12の内周壁面と直交する直角縁36aおよび中心開口12の内周壁面と斜めに交差する傾斜縁36bを含む。直角縁36aは締め付け方向側に、傾斜縁36bは緩め方向側にそれぞれ配置される。締め付けフック46の根元から先端に向かう傾斜縁36bの傾斜方向は締め付け方向と鋭角をなす。
中心開口12の内径はロックナット101の外径よりも僅かに大きく、中心開口12内周壁面と外周面102の間に殆ど隙間がない。凹部103は外周面102に周方向等間隔に複数形成されている。各凹部103は、締め付け側の側壁103aおよび緩め側の側壁103bを有する。側壁103aおよび側壁103bは外周面102の周方向に対面する。
レバー部材31が図4に示す締め付け位置にされるとき、締め付けフック36は凹部103に嵌まり込む。そして頭部11が細い矢で示す締め付け方向に回転するとき、締め付けフック36の直角縁36aが締め付け側の側壁103aに当接して締め付け方向のトルクをロックナット101に付与する。
これに対し締め付け位置で頭部11が逆方向(緩め方向)に回転するとき、締め付けフック36の傾斜縁36bが締め付け側の側壁103aに当接して周方向力を受けて、締め付けフック36はロックナット101の外径方向に押し出され、図6に示すようにレバー部材安定機構41の付勢力に抗して凹部103から離脱する。これにより頭部11はロックナット101の外周面102を緩め方向に空回りし、締め付けフック36が他の凹部103と対面する位置まで相対回転すると、締め付けフック37は他の凹部103に嵌まり込む。
かくしてロックナット101を締め付ける作業において、作業者は作業台の上面に設置されるツールクランパにミーリングチャック本体をクランプし、中心開口にロックナット101を通し、レバー部材31を締め付け位置にしてレバー部材31を凹部103に係合させ、長い方の柄部22を握り、フックスパナ10を締め付け方向および緩め方向に交互に回動させるとき、短い方の柄部21が作業台に当たりストッパの役目をすることにより、ロックナット101を従来よりも効率よく締め付けることができる。
またレバー部材31の締め付け位置でフックスパナ10が締め付け方向に回されると、締め付けフック36は中心開口12へ進出したまま締め付け方向のトルクをロックナット101に与えることができ(図4)、反対にフックスパナ10が緩め方向に回されると(図6)、締め付けフック36は中心開口12から退出する。このようにフックスパナ10はラチェットのように双方向に交互に回動し得ることから、作業者はフックスパナ10をいちいちロックナット101から外す必要がなく、作業者の工数が軽減される。
次に緩めフック37について詳細に説明する。
緩めフック37は他方端部35に形成されて頭部11に指向する突起であり、図5に示すように中心開口12に進出して凹部103に嵌まり込む。緩めフック37はロックナット101の内径方向に向かって先細の三角形状であり、中心開口12の内周壁面と直交する直角縁37aおよび中心開口12の内周壁面と斜めに交差する傾斜縁37bを含む。直角縁37aは緩め方向側に、傾斜縁37bは締め付け方向側にそれぞれ配置される。緩めフック37の根元から先端に向かう傾斜縁37bの傾斜方向は緩め方向と鋭角をなす。
レバー部材31が図5に示す緩め位置にされるとき、緩めフック37は凹部103に嵌まり込む。そして頭部11が細い矢で示す緩め方向に回転するとき、緩めフック37の直角縁37aが凹部103の緩め側の側壁103bに当接して緩め方向のトルクをロックナット101に付与する。
これに対し緩め位置で頭部11が逆方向(締め付け方向)に回転するとき、緩めフック37の傾斜縁37bが締め付け側の側壁103aに当接して周方向力を受けることにより、緩めフック37はロックナット101の外径方向に押し出され、図7に示すようにレバー部材安定機構41の付勢力に抗して凹部103から離脱する。これにより頭部11はロックナット101の外周面102を締め付け方向に空回りし、緩めフック37が他の凹部103と対面する位置まで相対回転すると、緩めフック37は他の凹部103に嵌まり込む。
かくしてロックナット101を緩める作業において、作業者は長い方の柄部22を握り、レバー部材31を緩め位置にして、フックスパナ10を締め付け方向および緩め方向に交互に回動させるとき、短い方の柄部21が作業台に当たってストッパの役目をすることにより、ロックナット101を効率よく緩めることができる。
またレバー部材31の緩め位置でフックスパナ10が緩め方向に回されると、緩めフック37は中心開口12へ進出したまま緩め方向のトルクをロックナット101に与えることができ、反対にフックスパナ10が締め付け方向に回されると、緩めフック37は中心開口12から退出する。このようにフックスパナ10はラチェット機構を具備し、トルクを付与する方向とは逆方向に空回りすることから、作業者はフックスパナ10をいちいちロックナット101から外す必要がなく、作業者の工数が軽減される。
柄部21,22は頭部11に分離不能に結合してもよいが、本実施形態では図8に分解して示すように柄部21,22の双方が頭部11に着脱可能と連結する。頭部11には180度離れた周方向に異なる位置に、連結凸部15がそれぞれ形成される。各連結凸部15は中心開口12の外径方向に突出し、各連結凸部15の外周には雄ねじが形成される。また連結凸部15の中心には前述したレバー部材安定機構41の小孔14(図3〜図5)が同軸に形成される。柄部21,22の端面には、連結凸部15を受け入れる連結凹部16が形成される。連結凹部16は各柄部の長手方向に窪んだ雌ねじ孔である。連結凸部15を連結凹部16に螺合させることによって柄部21,22は頭部11と連結する。そして短い柄部21と長い柄部22は互いに入れ替わるよう配置可能である。
図8は、頭部11と連結可能な柄部23,25,27をさらに列挙して示す。柄部23,25,27は柄部22よりも短く、柄部23,25,27の一端面には連結凹部16がそれぞれ設けられる。柄部23,25,27はいずれも、頭部11の連結凸部15と着脱可能に連結され、長い方の柄部22と共に連続して直線状に延びる。
柄部23の両端のうち頭部11とは反対側に位置する末端には、球部24が設けられる。球部24は柄部23の円形の断面よりも大きい。ロックナット101を締め付ける作業において、作業者は図9に示すように作業台の上面120に設置されるツールクランパ121にミーリングチャック本体100をクランプし、柄部22を握りフックスパナ10を矢印方向に回すと、球部24が作業台の上面120に当たり、球部24はストッパの役目をする。したがって作業者はフックスパナ10を楽に回して締め付け作業ないし緩め作業をすることができる。
柄部25の両端領域のうち頭部11とは反対側に位置する末端領域は、ラバー26で被覆される。作業者が片手で柄部22を握り片手で柄部25を握りフックスパナ10を回す際、柄部25のラバー26を握るとよい。ラバー26は柔らかい握り心地と滑り止め効果を発揮する。これにより作業者はフックスパナ10を楽に回して締め付け作業ないし緩め作業をすることができる。
柄部27の両端領域のうち頭部11とは反対側に位置する末端領域は、摩擦係数が大きくなるよう表面処理が施される。表面処理は例えば図8に示すローレットや、図示はしなかったがその他の凹凸模様が形成される。作業者が片手で柄部22を握り片手で柄部27を握りフックスパナ10を回す際、柄部27のローレット28を握るとよい。ローレット28は滑り止め効果を発揮する。これにより作業者はフックスパナ10を楽に回して締め付け作業ないし緩め作業をすることができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるフックスパナは、工作機械において有利に利用される。
10 フックスパナ、 11,202 頭部、 12 中心開口、
13 空間、 14 小孔、 15 連結凸部、
16 連結凹部、 21,22,23,25,27 柄部、
24 球部、 26 ラバー、 28 ローレット、
31 レバー部材、 32 中央部、 33 シャフト、
34 一方端部、 35 他方端部、 36 締め付けフック、
37 緩めフック、 36a,37a 直角縁、
36b,37b 傾斜縁、 41 レバー部材安定機構、
42 ボール、 43 スプリング、
44n,44s,44t 被係合部、 45 調整ねじ、
100 ミーリングチャック本体、 101 ロックナット、
102 外周面、 103 凹部、 103a,103b 側壁、
110 刃具。

Claims (9)

  1. 工具ホルダのロックナットの外周面に接触して前記ロックナットの締め付け方向または緩め方向に回される頭部と、
    前記頭部と結合する柄部と、
    中央部が前記頭部に揺動可能に取り付けられて、一方端部および他方端部が前記頭部に近づいたり前記頭部から遠ざかったりするレバー部材と、
    前記レバー部材に付勢力を付与して当該レバー部材の揺動を抑制するレバー部材安定機構とを備え、
    前記レバー部材の前記一方端部は、前記ロックナットの外周面に形成された凹部に嵌まり込む突起であって、前記凹部の締め付け側の側壁に当接して前記締め付け方向のトルクを付与し、前記凹部の緩め側の側壁に当接して前記緩め方向の力を受けることにより前記ロックナットの外径方向に押し出され前記付勢力に抗して前記凹部から離脱する締め付けフックを含み、
    前記レバー部材の前記他方端部は、前記ロックナットの外周面に形成された凹部に嵌まり込む突起であって、前記凹部の緩め側の側壁に当接して前記緩め方向のトルクを付与し、前記凹部の締め付け側の側壁に当接して前記締め付け方向の力を受けることにより前記ロックナットの外径方向に押し出され前記付勢力に抗して前記凹部から離脱する緩めフックを含み、
    前記頭部には前記締め付けフックおよび前記緩めフックのいずれか一方を選択的に収容する窪み空間が形成され、
    前記締め付けフックが前記窪み空間に収容されて前記締め付け方向のトルクを付与する間、前記緩めフックは前記窪み空間から退出して前記頭部から遠ざかり、
    前記緩めフックが前記窪み空間に収容されて前記緩め方向のトルクを付与する間、前記締め付けフックは前記窪み空間から退出して前記頭部から遠ざかる、フックスパナ。
  2. 前記突起は、前記ロックナットの内径方向に向かって先細となる三角形状である、請求項1に記載のフックスパナ。
  3. 前記レバー部材は前記柄部の軸線と交差して延びる、請求項1または2に記載のフックスパナ。
  4. 前記頭部は環状であって前記頭部の中心開口に前記ロックナットを受け入れ、
    前記柄部は環状の前記頭部を中心として、周方向に異なる2箇所に設けられる、請求項1〜3のいずれかに記載のフックスパナ。
  5. 前記柄部は周方向に180度異なる2箇所に設けられて、これら2本の柄部は頭部を挟んで直線状に延びる、請求項4に記載のフックスパナ。
  6. 前記柄部の両端のうち前記頭部とは反対側に位置する末端には、球部が設けられる、請求項4または5に記載のフックスパナ。
  7. 前記柄部の両端領域のうち前記頭部とは反対側に位置する末端領域は、他の領域よりも摩擦係数が大きな表面を有する、請求項1〜6のいずれかに記載のフックスパナ。
  8. 前記柄部の両端領域のうち前記頭部とは反対側に位置する末端領域は、ラバーからなる被覆層で覆われる、請求項1〜6のいずれかに記載のフックスパナ。
  9. 前記柄部前記頭部の結合箇所は、着脱可能連結部である、請求項1〜8のいずれかに記載のフックスパナ。
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