JP5913742B1 - 体温調節シート - Google Patents

Abstract

腋下を冷却又は加温するのに適した構造の体温調節シートを提供する。体温調節シート１は、人の腋下を冷却する冷却シートである。体温調節シート１は、開口部１０を有しており、環状をしている。開口部１０は、人の腕を通すためのものである。体温調節シート１は、開口部１０に腕を通した状態で腋下に固定され、当該腋下を冷却する。

Description

本発明は、人の身体を冷却又は加温する体温調節シートに関する。

特許文献１には、体温調節シートの一種である冷却シートが記載されている。同文献に記載の冷却シートは、含水ゲル層を備えており、発熱等の際に人の身体に貼付されて使用される。この冷却シートは、含水ゲル層に含まれる水分の蒸発潜熱によって身体を冷却するものである。

特開２００６−９５２００号公報

ところで、人の腋下には、リンパ節が集中している。それゆえ、腋下を冷却又は加温することにより、効率良く体温調節をすることができる。しかしながら、腋下は、発汗が多く、かつ皮膚の動きが活発な部位である。そのため、上述の冷却シートは、腋下に貼付しても剥がれ落ちやすく、長時間にわたって腋下に固定することが難しい。このように、従来の体温調節シートは、腋下を冷却又は加温するのに適していなかった。

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、腋下を冷却又は加温するのに適した構造の体温調節シートを提供することを目的とする。

本発明による体温調節シートは、人の腕を通す開口部を有する環状の体温調節シートであって、上記開口部に上記腕を通した状態で腋下に固定され、当該腋下を冷却又は加温することを特徴とする。

この体温調節シートは、人の腋下を冷却又は加温するものであるため、効率良く体温調節をすることができる。さらに、この体温調節シートは、開口部を有しており、当該開口部に腕を通した状態で腋下に固定される。このため、体温調節シートを長時間にわたって腋下に固定しやすい。

本発明によれば、腋下を冷却又は加温するのに適した構造の体温調節シートが実現される。

本発明による体温調節シートの第１実施形態を示す平面図である。 図１の体温調節シートが腋下に固定された状態を説明するための図である。 図１の体温調節シートのIII−III線に沿った断面図である。 図１の体温調節シートの効果を説明するための図である。 本発明による体温調節シートの第２実施形態を示す平面図である。 本発明による体温調節シートの第３実施形態を示す平面図である。 図６の体温調節シートのVII−VII線に沿った断面図である。 変形例に係る体温調節シートを示す断面図である。

以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
（第１実施形態）

図１は、本発明による体温調節シートの第１実施形態を示す平面図である。体温調節シート１は、人の腋下を冷却する冷却シートである。体温調節シート１は、開口部１０を有しており、環状をしている。開口部１０は、人の腕を通すためのものであり、体温調節シート１の面内に存在している。体温調節シート１は、図２に示すように、開口部１０に腕を通した状態で腋下に固定され、当該腋下を冷却する。

本実施形態において体温調節シート１の内周（開口部１０の縁）１ａ及び外周１ｂは、何れも円形である。また、内周１ａの中心と外周１ｂの中心とは、一致している。すなわち、内周１ａを構成する円と外周１ｂを構成する円とは、同心円である。したがって、体温調節シート１は、周方向に沿って一定の幅ｗ１を有する。幅ｗ１は、例えば４ｃｍ〜８ｃｍ程度である。また、開口部１０の直径は、例えば８ｃｍ〜１２ｃｍ程度である。

体温調節シート１には、切込部１２（第１の切込部）及び切込部１４（第２の切込部）が形成されている。切込部１２は、内周１ａから外側に延びている。本実施形態においては、複数（具体的には８本）の切込部１２が形成されている。これらの切込部１２は、開口部１０から放射状に延びている。また、切込部１４は、外周１ｂから内側に延びている。本実施形態においては、複数（具体的には８本）の切込部１４が形成されている。これらの切込部１４は、開口部１０を中心として放射状に延びている。各切込部１２，１４の長さは、例えば０．５ｃｍ〜１．５ｃｍ程度である。

図３は、図１のIII−III線に沿った断面図である。体温調節シート１は、支持シート１６及び含水ゲル層１８からなる積層構造を有している。支持シート１６は、透湿性及び通気性を有している。支持シート１６の材料としては、例えば不織布を用いることができる。

本実施形態においては、支持シート１６の裏面の略全体に含水ゲル層１８が設けられている。この含水ゲル層１８は、腋下に接触した状態で当該腋下を冷却する。すなわち、含水ゲル層１８に含まれる水分の蒸発潜熱によって、腋下が冷却される。含水ゲル層１８の材料としては、例えば、デキストリン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、マンナン、ゼラチン、ペクチン等の天然高分子、又はポリビニルアルコール（ＰＶＡ）、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース（ＣＭＣ）等の合成高分子を用いることができる。

体温調節シート１には、抗菌成分及び／又は芳香成分が含有されていてもよい。抗菌成分としては、例えば、カテキンその他のタンニンが挙げられる。タンニンとしては、お茶やコーヒーに含有されているものを用いることができる。また、芳香成分としては、例えば、ユーカリ、ローズマリーその他のハーブの香りを発するものが挙げられる。これらの成分は、支持シート１６及び含水ゲル層１８の双方に含有されてもよいし、何れか一方にのみ含有されてもよい。

体温調節シート１の効果を説明する。体温調節シート１は、人の腋下を冷却するものであるため、効率良く体温調節をすることができる。さらに、体温調節シート１は、開口部１０を有しており、当該開口部１０に腕を通した状態で腋下に固定される。このため、体温調節シート１を長時間にわたって腋下に固定しやすい。したがって、腋下を冷却するのに適した構造の体温調節シート１が実現されている。

ところで、体温調節シートを腋下に固定する手段としては、図４に示すように、帯状の体温調節シート９０を上腕部に巻きつけることも考えられる。しかし、その場合、体温調節シート９０の面は、腕の延在方向に対して平行となる。それゆえ、体温調節シート９０のうち腋下に接触するのは、その上端９０ａ付近の僅かな部分に限られてしまう。

これに対して、本実施形態の場合、体温調節シート１の面内に開口部１０が存在しており、体温調節シート１の面は、腕の延在方向（開口部１０の中心軸方向）に対して垂直となる（図２参照）。すなわち、体温調節シート１の面が腋下に対向する位置関係となる。このため、体温調節シート１（含水ゲル層１８）の広範囲を腋下に接触させることができる。このように体温調節シート１と腋下との接触面積を大きくすることにより、冷却効果が高まることは言うまでもない。

体温調節シート１には、切込部１２が形成されている。これにより、体温調節シート１を装着する際に、開口部１０に腕を通しやすくなる。本実施形態においては複数の切込部１２が放射状に形成されているため、腕を通しやすくするのに特に有利である。

体温調節シート１には、切込部１４も形成されている。これにより、体温調節シート１が変形しやすくなるので、体温調節シート１の腋下に対する密着度を高めることができる。本実施形態においては複数の切込部１４が放射状に形成されているため、腋下に対する密着度を高めるのに特に有利である。

体温調節シート１は、支持シート１６及び含水ゲル層１８からなる積層構造を有している。このように支持シート１６を設けることにより、体温調節シート１全体の形状を保持しやすくなるとともに、体温調節シート１の表面（腋下に接触する面と反対側の面）のべたつきを抑えることができる。また、含水ゲル層１８を設けることにより、簡易な構成で、腋下の冷却を行うことができる。さらに、含水ゲル層１８の粘着力により、開口部１０による固定と相俟って、体温調節シート１を腋下に対して一層確実に固定することができる。

体温調節シート１が抗菌成分を含有する場合、腋汗等に含まれる雑菌が繁殖するのを抑制することができる。また、体温調節シート１が芳香成分を含有する場合、腋汗等の臭いをマスキングすることができる。
（第２実施形態）

図５は、本発明による体温調節シートの第２実施形態を示す平面図である。体温調節シート２は、人の腋下を冷却する冷却シートである。体温調節シート２は、開口部２０を有しており、環状をしている。開口部２０は、人の腕を通すためのものであり、体温調節シート２の面内に存在している。体温調節シート２は、開口部２０に腕を通した状態で腋下に固定され、当該腋下を冷却する。

体温調節シート２の内周２ａ及び外周２ｂは、何れも円形である。また、内周２ａの中心と外周２ｂの中心とは、一致している。体温調節シート２においては、切目部２２が形成されている。切目部２２は、体温調節シート２の内周２ａから外周２ｂまで延びており、体温調節シート２の一部を分断している。なお、体温調節シート２は、体温調節シート１と同様の積層構造を有している（図３参照）。

体温調節シート２の効果を説明する。体温調節シート２は、人の腋下を冷却するものであるため、効率良く体温調節をすることができる。さらに、体温調節シート２は、開口部２０を有しており、当該開口部２０に腕を通した状態で腋下に固定される。このため、体温調節シート２を長時間にわたって腋下に固定しやすい。したがって、腋下を冷却するのに適した構造の体温調節シート２が実現されている。

体温調節シート２には、切目部２２が形成されている。これにより、体温調節シート２の一部が分断されるため、体温調節シート２の装着を一層容易に行うことができる。すなわち、切目部２２が設けられていない場合、体温調節シート２を装着するには、手先、前腕部、上腕部を順に開口部２０に通す必要があるのに対し、切目部２２が設けられている場合、切目部２２から上腕部を開口部２０に直接通すことが可能となる。体温調節シート２のその他の効果は、体温調節シート１について説明したとおりである。
（第３実施形態）

図６は、本発明による体温調節シートの第３実施形態を示す平面図である。体温調節シート３は、人の腋下を冷却する冷却シートである。体温調節シート３は、開口部３０を有しており、環状をしている。開口部３０は、人の腕を通すためのものであり、体温調節シート３の面内に存在している。体温調節シート３は、開口部３０に腕を通した状態で腋下に固定され、当該腋下を冷却する。

体温調節シート３の内周３ａ及び外周３ｂは、何れも円形である。ただし、内周３ａの中心と外周３ｂの中心とは、一致していない。これにより、開口部３０の一方の側（図６の下側）における体温調節シート３の幅は、開口部３０の他方の側（図６の上側）における体温調節シート３の幅よりも広くなっている。

図７は、図６のVII−VII線に沿った断面図である。体温調節シート３は、支持シート３６及び含水ゲル層３８からなる積層構造を有している。支持シート３６は、支持シート１６と同様、透湿性及び通気性を有している。本実施形態においては、支持シート３６の裏面の一部分（図６において点線Ｌ１で囲まれた部分）にのみ含水ゲル層３８が設けられている。具体的には、含水ゲル層３８は、開口部３０の一方の側（体温調節シート３の幅が広い側）にのみ設けられている。この含水ゲル層３８は、含水ゲル層１８と同様、腋下に接触した状態で当該腋下を冷却する。

体温調節シート３の効果を説明する。体温調節シート３は、人の腋下を冷却するものであるため、効率良く体温調節をすることができる。さらに、体温調節シート３は、開口部３０を有しており、当該開口部３０に腕を通した状態で腋下に固定される。このため、体温調節シート３を長時間にわたって腋下に固定しやすい。したがって、腋下を冷却するのに適した構造の体温調節シート３が実現されている。

体温調節シート３においては、内周３ａの中心と外周３ｂの中心とが一致しておらず、開口部３０の一方の側における体温調節シート３の幅は、開口部３０の他方の側における体温調節シート３の幅よりも広くなっている。したがって、体温調節シート３における幅が広い部分を腋下に接触させることにより、幅が狭い部分が上腕部の外側に位置することになる。このため、体温調節シート３を装着したまま袖のある衣服を着用しても、体温調節シート３が邪魔になりにくい。

含水ゲル層３８は、支持シート３６の一部分にのみ設けられている。このように含水ゲル層３８を部分的に設けることにより、体温調節シート３の製造コストを削減することができる。体温調節シート３のその他の効果は、体温調節シート１について説明したとおりである。

本発明による体温調節シートは、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。上記実施形態においては、体温調節シートの内周及び外周が円形である場合を例示した。しかし、体温調節シートの内周及び外周は、楕円形であってもよいし、その他の形状であってもよい。

上記実施形態においては、体温調節シートが冷却シートである場合を示した。しかし、体温調節シートは、人の腋下を加温する温熱シートであってもよい。図８は、かかる体温調節シートの一例を示す断面図である。体温調節シート４は、表面シート４２、裏面シート４４及び発熱部４６を有する。表面シート４２と裏面シート４４とは、周縁部において互いに接着されており、袋体を形成している。表面シート４２及び裏面シート４４は、透湿性及び通気性を有している。表面シート４２及び裏面シート４４の材料としては、例えば不織布を用いることができる。

表面シート４２及び裏面シート４４によって形成された袋体の中に、発熱部４６が設けられている。発熱部４６は、水蒸気の発生を伴って発熱するものであってもよいし、使い捨てカイロのように水蒸気の発生を伴わずに発熱するものであってもよい。発熱部４６は、例えば、被酸化性金属、活性炭及び水を含む発熱体からなる。被酸化性金属は、酸化反応熱を発生させる金属である。被酸化性金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム又はカルシウムを用いることができる。

体温調節シート４の平面形状は、体温調節シート１（図１）、体温調節シート２（図５）又は体温調節シート３（図６）の平面形状と同様である。すなわち、体温調節シート４もまた、開口部を有し、その開口部に腕を通した状態で腋下に固定される。このとき、体温調節シート４は、裏面シート４４が腋下に接触した状態で当該腋下を加温する。すなわち、発熱部４６における酸化反応熱によって、腋下が加温される。なお、発熱部４６は、含水ゲル層１８と同様に体温調節シート４の略全体に設けられていてもよいし、含水ゲル層３８と同様に体温調節シート４の一部分にのみ設けられていてもよい。

１ 体温調節シート
２ 体温調節シート
３ 体温調節シート
４ 体温調節シート
１０ 開口部
１２ 切込部（第１の切込部）
１４ 切込部（第２の切込部）
１６ 支持シート
１８ 含水ゲル層
２０ 開口部
２２ 切目部
３０ 開口部
３６ 支持シート
３８ 含水ゲル層
４２ 表面シート
４４ 裏面シート
４６ 発熱部

Claims (16)

1. 人の腕を通す開口部を有する環状の体温調節シートであって、
   前記開口部には、当該体温調節シートの内周から外周まで延びる切目部が設けられておらず、
   当該体温調節シートは、前記開口部に前記腕を通した状態で腋下に固定され、当該腋下を冷却又は加温することを特徴とする体温調節シート。
2. 請求項１に記載の体温調節シートにおいて、
   当該体温調節シートの内周から外側に延びる第１の切込部を有する体温調節シート。
3. 請求項２に記載の体温調節シートにおいて、
   複数の前記第１の切込部が形成されており、
   前記複数の第１の切込部は、前記開口部から放射状に延びている体温調節シート。
4. 請求項１乃至３の何れかに記載の体温調節シートにおいて、
   当該体温調節シートの外周から内側に延びる第２の切込部を有する体温調節シート。
5. 請求項４に記載の体温調節シートにおいて、
   複数の前記第２の切込部が形成されており、
   前記複数の第２の切込部は、前記開口部を中心として放射状に延びている体温調節シート。
6. 請求項１乃至５の何れかに記載の体温調節シートにおいて、
   前記開口部の一方の側における当該体温調節シートの幅は、前記開口部の他方の側における当該体温調節シートの幅よりも広い体温調節シート。
7. 請求項１乃至６の何れかに記載の体温調節シートにおいて、
   当該体温調節シートの内周及び外周は、何れも円形又は楕円形である体温調節シート。
8. 請求項７に記載の体温調節シートにおいて、
   前記内周の中心と前記外周の中心とは、互いに一致しない体温調節シート。
9. 請求項１乃至８の何れかに記載の体温調節シートにおいて、
   当該体温調節シートは、抗菌成分を含有する体温調節シート。
10. 請求項９に記載の体温調節シートにおいて、
    前記抗菌成分は、タンニンである体温調節シート。
11. 請求項１乃至１０の何れかに記載の体温調節シートにおいて、
    当該体温調節シートは、芳香成分を含有する体温調節シート。
12. 請求項１１に記載の体温調節シートにおいて、
    前記芳香成分は、ハーブの香りを発するものである体温調節シート。
13. 請求項１乃至１２の何れかに記載の体温調節シートにおいて、
    当該体温調節シートは、前記腋下を冷却するものである体温調節シート。
14. 請求項１３に記載の体温調節シートにおいて、
    支持シート及び含水ゲル層からなる積層構造を有する体温調節シート。
15. 請求項１乃至１２の何れかに記載の体温調節シートにおいて、
    当該体温調節シートは、前記腋下を加温するものである体温調節シート。
16. 請求項１５に記載の体温調節シートにおいて、
    表面シートと、
    前記表面シートと共に袋体を形成する裏面シートと、
    前記袋体の中に設けられた発熱部と、を有する体温調節シート。

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