JP3176280U - 涼感装着具 - Google Patents
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Abstract
【課題】取り扱いが簡単で、風合いが良好で且つ着け心地が良く、夏季などの高温多湿時において、頭部付近から発汗した汗を速やかに吸収し、清涼感および爽快感を長く保持し得る涼感装着具を提供する。
【解決手段】涼感糸を一部に織り込んだベース布地10と、当該ベース布地10における一方の表面の全部あるいは一部に縫い付けた吸水性冷感布地2とを備え、該吸水性冷感布地2は、上記ベース布地10側からその反対側に向かう順において、蒸発層3、保水層4、および吸収層9の3層構造を有する。
【選択図】図2
【解決手段】涼感糸を一部に織り込んだベース布地10と、当該ベース布地10における一方の表面の全部あるいは一部に縫い付けた吸水性冷感布地2とを備え、該吸水性冷感布地2は、上記ベース布地10側からその反対側に向かう順において、蒸発層3、保水層4、および吸収層9の3層構造を有する。
【選択図】図2
Description
本考案は、取り扱いが簡単で、風合いが良好で且つ着け心地が良く、夏季などの高温多湿時において、頭部付近から発汗した汗を速やかに吸収し、清涼感および爽快感を長く保持し得る涼感装着具に関する。
夏季などの炎天下や高温多湿の環境下では、額を含む頭部や首周りの日焼けを防ぐため、タオルやネッカーフなどを鉢巻き状または襟巻き状に巻き付けることが多々行われている。しかし、タオルを頭部に鉢巻き状に巻いたり、ネッカーフ首周りに巻き付けるだけでは、額や首筋からの持続的な発汗によって、却って頭部や首付近が蒸れてしまう。そのため、時々タオルなどを取り外して、額や首筋を外気に露出させることが必要となり、且つ使用者にとって不衛生でもあった。
上記着用時の発汗による蒸れを解消し、風合いが良好で清涼感のある着心地が得られると共に、洗濯時の耐久性に優れた涼感糸および該涼感糸を使用した涼感織編物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記涼感糸を使用した涼感織編物では、炎天下などにおける額や首筋からの発汗による汗を十分に吸収できないと共に、この汗を順次蒸発させることもできない、という問題があった。
上記着用時の発汗による蒸れを解消し、風合いが良好で清涼感のある着心地が得られると共に、洗濯時の耐久性に優れた涼感糸および該涼感糸を使用した涼感織編物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記涼感糸を使用した涼感織編物では、炎天下などにおける額や首筋からの発汗による汗を十分に吸収できないと共に、この汗を順次蒸発させることもできない、という問題があった。
一方、着用時に額付近に接する前頭部などにガーゼ生地を一枚または二枚以上重ね合わせた吸汗パッドを縫い合わせたバンダナキャップも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、帯状布の長手方向において、着用時に額付近に接する中間位置に設けた袋状部分に吸水樹脂ポリマーを挿入し、3〜5分水に浸して水分を吸水確保し、この水分の蒸発潜熱を利用して冷却効果を得るようにしたネックスカーフも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、特許文献2の前記バンダナキャップのように、前頭部などにガーゼ生地からなる吸汗パッドを縫い合わせたものでは、汗を吸収しても蒸発しにくいため、使用者が蒸れ感を催し、引いては不快感に至る、という問題があった。
加えて、特許文献3の前記ネックスカーフでは、予め、帯状布の中間に袋状部分を形成しておき、該袋状部分に吸水樹脂ポリマーを挿入した後、水に浸す必要があるため、袋状部分の縫製や使用時の取り扱いが煩雑であると共に、上記吸水樹脂ポリマーの劣化や袋状部分からの脱落が生じ得る、という問題があった。
更に、帯状布の長手方向において、着用時に額付近に接する中間位置に設けた袋状部分に吸水樹脂ポリマーを挿入し、3〜5分水に浸して水分を吸水確保し、この水分の蒸発潜熱を利用して冷却効果を得るようにしたネックスカーフも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、特許文献2の前記バンダナキャップのように、前頭部などにガーゼ生地からなる吸汗パッドを縫い合わせたものでは、汗を吸収しても蒸発しにくいため、使用者が蒸れ感を催し、引いては不快感に至る、という問題があった。
加えて、特許文献3の前記ネックスカーフでは、予め、帯状布の中間に袋状部分を形成しておき、該袋状部分に吸水樹脂ポリマーを挿入した後、水に浸す必要があるため、袋状部分の縫製や使用時の取り扱いが煩雑であると共に、上記吸水樹脂ポリマーの劣化や袋状部分からの脱落が生じ得る、という問題があった。
本考案は、背景技術において説明した問題点を解決し、取り扱いが簡単で、風合いが良好で且つ着け心地が良く、夏季などの高温多湿時において、頭部付近から発汗した汗を速やかに吸収し、清涼感および爽快感を長く保持し得る涼感装着具を提供する、ことを課題とする。
本考案は、前記課題を解決するため、涼感糸を用いたベース布地と、該ベース布地における一方の表面の全部または一部に吸水性冷感布地を縫い付ける、ことに着想して成されたものである。
即ち、本考案の涼感装着具(請求項1)は、涼感糸を少なくとも一部に織り込むか、あるいは、編み込んだベース布地と、該ベース布地における一方の表面の全部あるいは一部に縫い付けた吸水性冷感布地とを備えた、ことを特徴とする。
即ち、本考案の涼感装着具(請求項1)は、涼感糸を少なくとも一部に織り込むか、あるいは、編み込んだベース布地と、該ベース布地における一方の表面の全部あるいは一部に縫い付けた吸水性冷感布地とを備えた、ことを特徴とする。
これによれば、涼感糸を含むベース布地と、その一方の表面に縫い付けた吸水性冷感布地とを備えているので、夏季などの高温多湿時において、予め水に漬けてから絞って展開して、頭部に鉢巻き状に装着したり、首筋に巻き付けるだけの感棚操作によって、頭部付近から発汗した汗を上記吸水性冷感布地によって速やかに吸収し且つ順次蒸発させ得ると共に、ベース布地に含まれる涼感糸によって良好な風合いを伴いつつ、清涼感や爽快感を長く保持することができる。
従って、炎天下で行われる各種の作業や行為を行う者の健康と良好な衛生状態を保てると共に、おしゃれなファッションの一部に流用することも可能である。
従って、炎天下で行われる各種の作業や行為を行う者の健康と良好な衛生状態を保てると共に、おしゃれなファッションの一部に流用することも可能である。
尚、前記涼感糸を少なくとも一部に織り込んだベース布地、あるいは、涼感糸を少なくとも一部に編み込んだ前記ベース布地には、涼感糸同士のみを織り込んだり、編み込んだ涼感糸100%の布地であるほか、縦糸あるいは横糸の一方のみに上記涼感糸を用い、他方に通常の天然繊維または合成繊維を用いて織り込むなどした布地や、更には、縦糸および横糸の一部にのみ上記涼感糸を用いて織り込むなどした布地も含まれる。
また、前記ベース布地における一方の表面の全部に縫い付けた前記吸水性冷感布地とは、物理的に該表面の100%を占めるだけでなく、上記表面のほぼ全体を占める(例えば、該表面の90%以上)ように縫い付けられた形態も含まれる。
また、前記ベース布地における一方の表面の全部に縫い付けた前記吸水性冷感布地とは、物理的に該表面の100%を占めるだけでなく、上記表面のほぼ全体を占める(例えば、該表面の90%以上)ように縫い付けられた形態も含まれる。
また、本考案には、前記吸水性冷感布地は、前記ベース布地側からその反対側に向かう順において、蒸発層、保水層、および吸収層の3層構造を有する、涼感装着具(請求項2)も含まれる。
これによれば、前記吸水性冷感布地が、前記ベース布地側からその反対側に向かう順(断面方向)において、蒸発層、保水層、および吸収層の3層の繊維層によって構成され、予め、浸水時に進入した水は主に上記保水層に貯水されているので、使用者の額や首筋などの地肌から発汗した汗は、地肌に隣接する吸収層に速やかに吸収されると共に、上記保水層に順次移行する。係る保水層に貯留された汗を含む水分は、隣接する蒸発層から直に外気側へ順次蒸発するか、前記ベース布地を貫通してから外気側へ順次蒸発していく。従って、発汗した汗を速やかに吸収層で吸収して保水層に取り込み、更に該保水層から順次蒸発層を通じて外部に蒸発させられるので、汗が額や首筋に溜まらず、所要の作業などを快適な状態下で正確且つ支障なく遂行することが容易となる。
これによれば、前記吸水性冷感布地が、前記ベース布地側からその反対側に向かう順(断面方向)において、蒸発層、保水層、および吸収層の3層の繊維層によって構成され、予め、浸水時に進入した水は主に上記保水層に貯水されているので、使用者の額や首筋などの地肌から発汗した汗は、地肌に隣接する吸収層に速やかに吸収されると共に、上記保水層に順次移行する。係る保水層に貯留された汗を含む水分は、隣接する蒸発層から直に外気側へ順次蒸発するか、前記ベース布地を貫通してから外気側へ順次蒸発していく。従って、発汗した汗を速やかに吸収層で吸収して保水層に取り込み、更に該保水層から順次蒸発層を通じて外部に蒸発させられるので、汗が額や首筋に溜まらず、所要の作業などを快適な状態下で正確且つ支障なく遂行することが容易となる。
更に、本考案には、前記吸水性冷感布地を構成する前記蒸発層、保水層、および吸収層は、ポリエステルおよびポリイミドからなり、且つ少なくとも上記保水層には中空部を有するポリエステル繊維が用いられている、涼感装着具(請求項3)も含まれる。
これによれば、互いに織り込まれる縦糸および横糸に、所要量ずつのポリエステルとポリイミドとを用いることで、吸水性冷感布地を構成する前記蒸発層、保水層、および吸収層をそれぞれ確実に形成することができる。
尚、前記ポリイミドには、ナイロン(通称)も含まれる。
また、前記ポリエステルには、不飽和ポリエステルやアルキド樹脂などが含まれ、前記ポリエステル繊維には、テトロン(登録商標)も含まれる。
更に、ポリエステルとポリイミドとを織り込む際の比率は、例えば、ポリエステル:65〜85%とポリイミド:35〜15%、ポリエステル:80%とポリイミド:20%、あるいはポリエステル:77%とポリイミド:23%が例示される。これらの割合は、前記吸水性冷感布地を構成する前記蒸発層、保水層、および吸収層ごとの機能に応じて適宜選択される。
加えて、ポリエステルは、比較的疎水性の繊維であるが、予め、親水性を奏する処理を施したものとしても良い。
これによれば、互いに織り込まれる縦糸および横糸に、所要量ずつのポリエステルとポリイミドとを用いることで、吸水性冷感布地を構成する前記蒸発層、保水層、および吸収層をそれぞれ確実に形成することができる。
尚、前記ポリイミドには、ナイロン(通称)も含まれる。
また、前記ポリエステルには、不飽和ポリエステルやアルキド樹脂などが含まれ、前記ポリエステル繊維には、テトロン(登録商標)も含まれる。
更に、ポリエステルとポリイミドとを織り込む際の比率は、例えば、ポリエステル:65〜85%とポリイミド:35〜15%、ポリエステル:80%とポリイミド:20%、あるいはポリエステル:77%とポリイミド:23%が例示される。これらの割合は、前記吸水性冷感布地を構成する前記蒸発層、保水層、および吸収層ごとの機能に応じて適宜選択される。
加えて、ポリエステルは、比較的疎水性の繊維であるが、予め、親水性を奏する処理を施したものとしても良い。
また、本考案には、前記ベース布地を構成する涼感糸は、セルロール系繊維含有糸と、該繊維含有糸の表面に固着した涼感機能剤とからなり、該涼感機能剤は、2分子膜多層構造の小胞体であり、該小胞体の親水層には、糖アルコールが内包され、且つ該小胞体の親油層には、スキンケア成分が内包されている、涼感装着具(請求項4)も含まれる。
これによれば、前記ベース布地を構成する涼感糸が、表面に涼感機能剤を固着したセルロール系繊維含有糸であり、該涼感機能剤を構成する上記小胞体の親水層には、糖アルコールが内包され、且つ該小胞体の親油層には、スキンケア成分が内包されている。そして、上記小胞体が、セルロール系繊維含有糸との親和性が高く、且つ糖アルコールが該小胞体の親水層に内包されているので、洗濯により脱落することがない。しかも、上記小胞体の親油層には、スキンケア成分が内包されているので、地肌に優しい風合いが得られる。
尚、前記糖アルコールには、例えば、キシトールが挙げられ、前記スキンケア成分には、スクワランが挙げられる。但し、これらに限られるものではない。
これによれば、前記ベース布地を構成する涼感糸が、表面に涼感機能剤を固着したセルロール系繊維含有糸であり、該涼感機能剤を構成する上記小胞体の親水層には、糖アルコールが内包され、且つ該小胞体の親油層には、スキンケア成分が内包されている。そして、上記小胞体が、セルロール系繊維含有糸との親和性が高く、且つ糖アルコールが該小胞体の親水層に内包されているので、洗濯により脱落することがない。しかも、上記小胞体の親油層には、スキンケア成分が内包されているので、地肌に優しい風合いが得られる。
尚、前記糖アルコールには、例えば、キシトールが挙げられ、前記スキンケア成分には、スクワランが挙げられる。但し、これらに限られるものではない。
更に、本考案には、前記ベース布地を首巻き用の帯状体における一方の表面とし、該帯状体の他方の表面における一部または全部に前記吸水性冷感布地を縫い付けると共に、上記帯状体の両端部における異なる上記表面あるいは同じ上記表面に面状係止テープを取り付けてなる、涼感装着具(請求項5)も含まれる。
これによれば、予め、水に浸した前記帯状体の両端部に取り付けた面状係止テープ同士を係止することで、該涼感装着具を首筋に沿って巻き付けたり、頭に鉢巻き状に巻き付けて装着することで、額付近からの発汗や、首筋、特に後ろ首付近から発汗を速やかに吸収し且つ順次蒸発させる作用が持続的に得られる。従って、簡単な操作で、炎天下などにおける作業を正確且つ快適に行うことができる。
これによれば、予め、水に浸した前記帯状体の両端部に取り付けた面状係止テープ同士を係止することで、該涼感装着具を首筋に沿って巻き付けたり、頭に鉢巻き状に巻き付けて装着することで、額付近からの発汗や、首筋、特に後ろ首付近から発汗を速やかに吸収し且つ順次蒸発させる作用が持続的に得られる。従って、簡単な操作で、炎天下などにおける作業を正確且つ快適に行うことができる。
加えて、本考案には、前記ベース布地を用いて、頭部装着用で四角形状の頭覆部と前頭部に隣接する辺の両端から突出する一対の凸部とを有するバンダナ本体を形成し、該バンダナ本体における上記前頭部に隣接する辺とこれに対向し且つ後頭部に隣接する辺との少なくとも一方に帯状にした前記吸水性冷感布地を縫い付けると共に、上記バンダナ本体における一対の凸部ごとの異なる表面または同じ表面に面状係止テープを取り付けてなる、涼感装着具(請求項6)も含まれる。
これによれば、予め、水に浸したバンダナ本体における一対の凸部に取り付けた面状係止テープ同士を係止することで、該涼感装着具をバンタナ状にして頭部に装着することで、前頭部に隣接する辺および後頭部に隣接する辺との少なくとも一方に帯状に縫い付けた吸水性冷感布地が、額付近あるいは後ろ首付近に接触する。その結果、額付近からの発汗や、首筋付近から発汗を速やかに吸収し且つ順次蒸発させる作用が持続的に得られるので、簡単な操作で、炎天下などにおける作業を正確且つ快適に行うことができる。
尚、本考案の涼感装着具は、前記首や頭に巻き付けたり、バンダナ状に装着する形態に限らず、ベース布地のデザインを適宜変更して、腕輪やスパッツなどに適用することも可能である。
これによれば、予め、水に浸したバンダナ本体における一対の凸部に取り付けた面状係止テープ同士を係止することで、該涼感装着具をバンタナ状にして頭部に装着することで、前頭部に隣接する辺および後頭部に隣接する辺との少なくとも一方に帯状に縫い付けた吸水性冷感布地が、額付近あるいは後ろ首付近に接触する。その結果、額付近からの発汗や、首筋付近から発汗を速やかに吸収し且つ順次蒸発させる作用が持続的に得られるので、簡単な操作で、炎天下などにおける作業を正確且つ快適に行うことができる。
尚、本考案の涼感装着具は、前記首や頭に巻き付けたり、バンダナ状に装着する形態に限らず、ベース布地のデザインを適宜変更して、腕輪やスパッツなどに適用することも可能である。
以下において、本考案を実施するための形態について説明する。
図1は、本考案の一形態である首巻き(またはネッカチーフ)タイプの涼感装着具1の概略を示す正面図、図2は、該涼感装着具1の部分垂直断面図である。
涼感装着具1は、図1に示すように、左右方向に沿って細長い帯状体(1)を呈し且つ図1で奥側の表面を形成するベース布地10と、該ベース布地10とほぼ相似形で且つ図1で手前側の表面を形成するようにベース布地10に縫い付けられた吸水性冷感布地2とを備えている。吸水性冷感布地2とベース布地10との長手方向に沿った中央部には、極く緩いV字形状の窪み2a,10aが形成され、両端には、ほぼ半楕円形の端部2b,2c,10b,10cが位置している。尚、吸水性冷感布地2は、図1において、ベース布地10の約90%以上の面積率であるが、ベース布地10の面積と殆ど同じ約100%の面積率としても良い。
また、図1に示すように、涼感装着具1の両端における一方(手前側)の表面と他方(奥側)の表面とには、使用者の首筋に巻き付けた際に、互いに係り合う面状係止テープ(登録商標:マジックテープ)T1,T2が取り付けられている。
図1は、本考案の一形態である首巻き(またはネッカチーフ)タイプの涼感装着具1の概略を示す正面図、図2は、該涼感装着具1の部分垂直断面図である。
涼感装着具1は、図1に示すように、左右方向に沿って細長い帯状体(1)を呈し且つ図1で奥側の表面を形成するベース布地10と、該ベース布地10とほぼ相似形で且つ図1で手前側の表面を形成するようにベース布地10に縫い付けられた吸水性冷感布地2とを備えている。吸水性冷感布地2とベース布地10との長手方向に沿った中央部には、極く緩いV字形状の窪み2a,10aが形成され、両端には、ほぼ半楕円形の端部2b,2c,10b,10cが位置している。尚、吸水性冷感布地2は、図1において、ベース布地10の約90%以上の面積率であるが、ベース布地10の面積と殆ど同じ約100%の面積率としても良い。
また、図1に示すように、涼感装着具1の両端における一方(手前側)の表面と他方(奥側)の表面とには、使用者の首筋に巻き付けた際に、互いに係り合う面状係止テープ(登録商標:マジックテープ)T1,T2が取り付けられている。
図2に示すように、吸水性冷感布地2は、外側となるベース布地10側からその反対(首筋または額)側に向かう順において、蒸発層3、保水層4、および吸収層9の3層構造からなる。このうち、最内側の吸収層9は、使用者の首筋などに隣接して、発汗に伴う汗を迅速に吸収し、中間の保水層4は、吸収層9に取り込まれた汗などの水分を貯留し、最外側の蒸発層3は、保水層4に貯留された前記水分をベース布2内の隙間を貫通して順次外部に蒸発・発散するものである。尚、吸水性冷感布地2とベース布地10との間の隙間は、あっても無くても良い。
以上のような蒸発層3、保水層4、および吸収層9は、ポリエステルとポリイミド(通称:ナイロン)とからなり、少なくとも上記保水層4には、図2中で模試的的に示すように、中空部6,8を有するポリエステル繊維5,7が用いられている。内径が交互に大小となる中空部8を有し且つ軸方向に沿って異形のポリエステル繊維7は、水分の貯留を容易とし、且つ直交して織り込まれる縦糸または横糸となる同種または異種の繊維との織り上げ性を高めることも可能となる。
以上のような蒸発層3、保水層4、および吸収層9は、ポリエステルとポリイミド(通称:ナイロン)とからなり、少なくとも上記保水層4には、図2中で模試的的に示すように、中空部6,8を有するポリエステル繊維5,7が用いられている。内径が交互に大小となる中空部8を有し且つ軸方向に沿って異形のポリエステル繊維7は、水分の貯留を容易とし、且つ直交して織り込まれる縦糸または横糸となる同種または異種の繊維との織り上げ性を高めることも可能となる。
前記ポリエステルとポリイミドは、繊維径(太さ)が約100〜200デニールであり、例えば、ポリエステル:65〜85%とポリイミド:35〜15%、ポリエステル:80%とポリイミド:20%、あるいはポリエステル:77%とポリイミド:23%が例示され、これらの割合は、吸水性冷感布地2を構成する前記蒸発層3、保水層4、および吸収層9ごとの機能に応じて適宜選択される。
一方、前記ベース布地10は、例えば、図3に示すように、縦糸に天然繊維または合成繊維からなる公知の通常の繊維11を用い、横糸に涼感糸12を用いて平織りしたものである。尚、涼感糸12は横糸の一部に用いたり、縦糸と横糸との一部ずつに用いても良い。また、上記平織りでなく、綾織りなどにしても良い。
上記涼感糸12は、図4(a)に示すように、セルロース系繊維含有糸13と、該セルロース系繊維含有糸13の表面にイオン結合により固着した複数(無数)の涼感機能剤14とからなる。係る涼感機能剤14は、図4(b)の模式的な断面図で示すように、2分子多層構造の小胞体であり、該小胞体(14)の親水層15a,15bには、糖アルコールからなる涼感成分(例えば、キシトール)が内包され、上記小胞体(14)の親油層16a〜16cには、スキンケア成分(例えば、スクワラン)が内包されている。
上記涼感糸12は、図4(a)に示すように、セルロース系繊維含有糸13と、該セルロース系繊維含有糸13の表面にイオン結合により固着した複数(無数)の涼感機能剤14とからなる。係る涼感機能剤14は、図4(b)の模式的な断面図で示すように、2分子多層構造の小胞体であり、該小胞体(14)の親水層15a,15bには、糖アルコールからなる涼感成分(例えば、キシトール)が内包され、上記小胞体(14)の親油層16a〜16cには、スキンケア成分(例えば、スクワラン)が内包されている。
以上のように、前記涼感糸12は、セルロース系繊維含有糸13と、その表面に涼感成分およびスキンケア成分を内包する2分子多層構造の小胞体からなる複数の涼感機能剤14とからなるので、洗濯の繰り返しによっても涼感機能剤14が脱落しにくい。更に、首筋などに巻き付けた際において、風合いが良好であり、且つ心地良い装着感と清涼感とを使用者に与えることが可能である。
図5(a)は、前記帯状体を呈する涼感装着具1を一点鎖線で示す首筋Nに巻き付け、図示しない顎の真下付近において、ベース布地10の端部10b,10cの互いに対向する表面に取り付けた前記面状係止テープT1,T2を係け止めし、V字形に緩く下側に凹んだ中央部2a,10aを首の後ろ付近に配置した状態を示す。
また、図5(b)は、涼感装着具1を一点鎖線で示す首筋Nに巻き付ける際に、ベース布地10の端部10b,10c付近の同じ表面に取り付けた前記面状係止テープT1,T2を係け止めすることで、図示しない顎の真下付近において、端部10b,10cを斜めで且つほぼ対称に交差し、且つ中央部2a,10aを首の後ろ付近に配置した状態を示す。
また、図5(b)は、涼感装着具1を一点鎖線で示す首筋Nに巻き付ける際に、ベース布地10の端部10b,10c付近の同じ表面に取り付けた前記面状係止テープT1,T2を係け止めすることで、図示しない顎の真下付近において、端部10b,10cを斜めで且つほぼ対称に交差し、且つ中央部2a,10aを首の後ろ付近に配置した状態を示す。
以上のような帯条体の涼感装着具1は、予め水に浸した後、図5(a)(b)で例示したように、首筋Nに巻き付けることで、例えば、炎天下の屋外における重労働や各種の作業に従事する使用者に対し、額や首筋から発汗した汗を前記3層構造の吸水性冷感布地2によって、迅速に吸収して内部に貯留すると共に、順次ベース布地10を貫通して外部に蒸発させて放出する機能を長時間にわたって保証することができる。しかも、吸水性冷感布地2の外側には、ベース布地10が位置しているので、使用時において風合いが良好であり、且つ心地良い装着感と清涼感とを使用者に与えることも可能となる。
図6は、前記涼感装着具1と異なる形態の涼感装着具20の概略を示す正面図である。係る涼感装着具20は、図6に示すように、前記ベース布地10からなるバンダナ本体24と、該バンダナ本体24において使用者の前頭部付近と後ろ首付近とに隣接する予定の位置に、前記吸水性冷感布地2を短冊状に縫い付けた吸水性冷感布地21,22とを備えている。上記バンダナ本体24は、正面視がほぼ四角形状(矩形または台形)の頭覆部25と、使用者の前頭部付近に隣接する上辺(辺)26の両端から左右に突出する一対の凸部27,28とからなる。
図6に示すように、前記バンダナ本体24における上辺26の中央付近には、着用時に使用者の額付近に隣接するように、短冊状の吸水性冷感布地21が縫い付けられ、頭覆部25の上辺26に対向する下辺(辺)29の中央付近には、着用時に使用者の後ろ首付近に隣接する短冊状の吸水性冷感布地22が縫い付けられている。
更に、バンダナ本体24における一対の凸部27,28の異なる表面には、前途同様の面状係止テープT1,T2が取り付けられている。
更に、バンダナ本体24における一対の凸部27,28の異なる表面には、前途同様の面状係止テープT1,T2が取り付けられている。
図7(a)は、前記涼感装着具20の頭部に着用する際の状態を示し、図7(b)は、涼感装着具20の使用状態を示す概略図である。
図7(a)に示すように、予め、水に浸しておいた涼感装着具20の上辺26を使用者の顔Fの上部に沿って鉢巻き状となるように額とその両側に沿って接触させた状態で、一対の凸部27,28の面状係止テープT1,T2を係け止めする。次いで、上辺26の上方に両手で持ち上げた頭覆部25の下辺29を、図7(a)中の一点鎖線の矢印で示すように、頭部Hから首Nの後ろ側に向かって覆うように垂れ降ろす。
図7(a)に示すように、予め、水に浸しておいた涼感装着具20の上辺26を使用者の顔Fの上部に沿って鉢巻き状となるように額とその両側に沿って接触させた状態で、一対の凸部27,28の面状係止テープT1,T2を係け止めする。次いで、上辺26の上方に両手で持ち上げた頭覆部25の下辺29を、図7(a)中の一点鎖線の矢印で示すように、頭部Hから首Nの後ろ側に向かって覆うように垂れ降ろす。
その結果、図7(b)に示すように、涼感装着具20は、バンダナ(24)として使用者の頭部Hに装着され、上辺26側の吸水性冷感布地21は、使用者の額付近に隣接し、且つ下辺29側の吸水性冷感布地22は、使用者の首Nの後ろ付近に隣接した状態となる。
図7(b)に状態で、例えば、使用者が炎天下の屋外における重労働や各種の作業に従事した際に、額や首筋から発汗した汗を前記3層構造の吸水性冷感布地21,22によって、迅速に吸収して内部に貯留すると共に、順次これらの外側に隣接し且つベース布地10からなるバンダナ本体24を貫通して外部に蒸発させて放出する機能を長時間にわたり保持することができる。しかも、吸水性冷感布地21,22以外の位置は、ベース布地10からなるバンダナ本体24が位置しているので、風合いが良好であり、且つ心地良い装着感および清涼感を使用者に与えることも可能となる。
図7(b)に状態で、例えば、使用者が炎天下の屋外における重労働や各種の作業に従事した際に、額や首筋から発汗した汗を前記3層構造の吸水性冷感布地21,22によって、迅速に吸収して内部に貯留すると共に、順次これらの外側に隣接し且つベース布地10からなるバンダナ本体24を貫通して外部に蒸発させて放出する機能を長時間にわたり保持することができる。しかも、吸水性冷感布地21,22以外の位置は、ベース布地10からなるバンダナ本体24が位置しているので、風合いが良好であり、且つ心地良い装着感および清涼感を使用者に与えることも可能となる。
本考案は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記吸水性冷感布地2を構成する蒸発層3や吸収層5にも、前記中空部6,8を有するポリエステル繊維5,7を用いても良い。
また、全体が帯状の前記涼感装着具1は、ベース布地10と吸水性冷感布地2とをそれぞれ幅広として、腕や脚に巻き付けることにより、例えば、ウォームクーラーやレッグクーラーとして活用するようにしても良い。
更に、前記涼感装着具20において、額側に隣接する位置に設ける吸水性冷感布地21と、後頭部側に隣接する位置に設ける吸水性冷感布地22との何れか一方を省略した形態とし、主に額から発汗に対応したバンダナとするか、あるいは主に後ろ首付近からの発汗に対応したバンダナとしても良い。
また、前記涼感装着具20は、ヘルメットの下側において頭部の防護を兼ねて被るためのバンダナとして活用しても良い。
加えて、前記ベース布2と吸水性冷感布地2とを併有し、例えば、ほぼ生保異形状としたベース布2の中央部付近に短冊状の吸水性冷感布地2を斜めに縫い付けて、該吸水性冷感布地2の一辺に沿ってほぼ二等片直角三角形に折り畳んで、前頭部あるいは頭頂部付近を冷却する涼感スカーフとして用いても良い。
例えば、前記吸水性冷感布地2を構成する蒸発層3や吸収層5にも、前記中空部6,8を有するポリエステル繊維5,7を用いても良い。
また、全体が帯状の前記涼感装着具1は、ベース布地10と吸水性冷感布地2とをそれぞれ幅広として、腕や脚に巻き付けることにより、例えば、ウォームクーラーやレッグクーラーとして活用するようにしても良い。
更に、前記涼感装着具20において、額側に隣接する位置に設ける吸水性冷感布地21と、後頭部側に隣接する位置に設ける吸水性冷感布地22との何れか一方を省略した形態とし、主に額から発汗に対応したバンダナとするか、あるいは主に後ろ首付近からの発汗に対応したバンダナとしても良い。
また、前記涼感装着具20は、ヘルメットの下側において頭部の防護を兼ねて被るためのバンダナとして活用しても良い。
加えて、前記ベース布2と吸水性冷感布地2とを併有し、例えば、ほぼ生保異形状としたベース布2の中央部付近に短冊状の吸水性冷感布地2を斜めに縫い付けて、該吸水性冷感布地2の一辺に沿ってほぼ二等片直角三角形に折り畳んで、前頭部あるいは頭頂部付近を冷却する涼感スカーフとして用いても良い。
本考案によれば、取り扱いが簡単で、風合いが良好で着け心地が良く、夏季などの高温多湿時において、頭部付近から発汗した汗を速やかに吸収し、清涼感および爽快感を長く保持し得る涼感装着具を提供できる。
1,20…………涼感装着具
2,21,22…吸水性冷感布地
3…………………蒸発層
4…………………保水層
5,7……………ポリエステル繊維
6,8……………中空部
9…………………吸吸層
10………………ベース布地
10b,10c…端部
12………………涼感糸
13………………セルロース系繊維含有糸
14………………涼感機能剤/小胞体
15a,15b…親水層
16a〜16c…親油層
24………………バンダス本体
25………………頭覆部
26………………上辺(辺)
27,28………凸部
29………………下辺(辺)
T1,T2………面状係止テープ
2,21,22…吸水性冷感布地
3…………………蒸発層
4…………………保水層
5,7……………ポリエステル繊維
6,8……………中空部
9…………………吸吸層
10………………ベース布地
10b,10c…端部
12………………涼感糸
13………………セルロース系繊維含有糸
14………………涼感機能剤/小胞体
15a,15b…親水層
16a〜16c…親油層
24………………バンダス本体
25………………頭覆部
26………………上辺(辺)
27,28………凸部
29………………下辺(辺)
T1,T2………面状係止テープ
Claims (6)
- 涼感糸12を少なくとも一部に織り込むか、あるいは、編み込んだベース布地10と、
上記ベース布地10における一方の表面の全部あるいは一部に縫い付けた吸水性冷感布地2(21,22)とを備えた、
ことを特徴とする涼感装着具1,20。 - 前記吸水性冷感布地2は、前記ベース布地10側からその反対側に向かう順において、蒸発層3、保水層4、および吸収層9の3層構造を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の涼感装着具1,20。 - 前記吸水性冷感布地2を構成する前記蒸発層3、保水層4、および吸収層9は、ポリエステルおよびポリイミドからなり、且つ少なくとも上記保水層4には中空部6,8を有するポリエステル繊維5,7が用いられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の涼感装着具1,20。 - 前記ベース布地10を構成する涼感糸12は、セルロール系繊維含有糸13と、該繊維含有糸13の表面に固着した涼感機能剤14とからなり、該涼感機能剤14は、2分子膜多層構造の小胞体14であり、該小胞体14の親水層15a,15bには、糖アルコールが内包され、且つ該小胞体14の親油層16a〜16cには、スキンケア成分が内包されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の涼感装着具1,20。 - 前記ベース布地10を首巻き用の帯状体1における一方の表面とし、該帯状体1の他方の表面における一部または全部に前記吸水性冷感布地2を縫い付けると共に、上記帯状体1の両端部10b,10cにおける異なる上記表面あるいは同じ上記表面に面状係止テープT1,T2を取り付けてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の涼感装着具1。 - 前記ベース布地10を用いて、頭部装着用で四角形状の頭覆部25と、前頭部に隣接する辺26の両端から突出する一対の凸部27,28とを有するバンダナ本体24を形成し、該バンダナ本体24における上記前頭部に隣接する辺26とこれに対向し且つ後頭部に隣接する辺29との少なくとも一方に帯状にした前記吸水性冷感布地21,22を縫い付けると共に、上記バンダナ本体24における一対の凸部28,29ごとの異なる表面または同じ表面に面状係止テープT1,T2を取り付けてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の涼感装着具20。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012001877U JP3176280U (ja) | 2012-04-02 | 2012-04-02 | 涼感装着具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012001877U JP3176280U (ja) | 2012-04-02 | 2012-04-02 | 涼感装着具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3176280U true JP3176280U (ja) | 2012-06-14 |
Family
ID=48003235
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012001877U Expired - Lifetime JP3176280U (ja) | 2012-04-02 | 2012-04-02 | 涼感装着具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3176280U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5913742B1 (ja) * | 2014-06-06 | 2016-04-27 | 株式会社無有 | 体温調節シート |
-
2012
- 2012-04-02 JP JP2012001877U patent/JP3176280U/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5913742B1 (ja) * | 2014-06-06 | 2016-04-27 | 株式会社無有 | 体温調節シート |
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