JP3051585U - タオルキャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に製作できると共に、見栄えや肌触
りがよく、吸水性に富むタオルキャップを提供する。 【解決手段】 綿糸２とスパンデックス３を用いパイル
４を形成するようにして丸編み編成してなる筒状のパイ
ル生地５の編成開始端部５ａと編成終了端部５ｂを縫合
して表裏両側にパイル４を形成する筒状の二重パイル生
地６からなり、その縫合部分５ｃの位置を裏側でかつ二
重パイル生地６の両端６ａ，６ｂから離れた所に変位し
てなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、風呂上がりに髪を挿入して頭にかぶるパイル生地の帽子（以下、タ オルキャップという）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、入浴時に洗髪した場合、風呂上がりに体に付着した水分を拭き取る ときに髪の毛をタオルなどで巻き取って、髪の毛から雫が落ちないようにするこ とがあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、タオルに用いられる吸水性に富む繊維には一般的に弾力性がないの で、タオルによって髪の毛を安定的に巻き取ることは難しく、特に髪の毛が長い 人の場合には困難であった。そこで、髪の長い人はバスタオルなどを用いること もあるが、比較的大きなバスタオルを頭に巻き付けることも困難であるだけでな く、せっかく巻き付けたバスタオルが直ぐに解けてしまうこともあった。

【０００４】 また、タオルに用いられるパイル生地を弾性体と縫合して帽子状にし、これを 頭に取付けることも考えられるが、非伸縮性の生地に伸縮性の弾性体を取付ける 作業は容易ではなく制作コストが高くつくだけでなく、仕上がった状態では見栄 えが悪くならざるを得なかった。さらに、弾性体とパイル生地との縫合部分によ り肌触りが悪くなることは避けられなかった。

【０００５】 本考案はこれらの点を考慮に入れてなされたものであって、容易に製作でき ると共に、見栄えや肌触りがよく、吸水性に富むタオルキャップを提供すること を目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために本考案のタオルキャップは、吸水性に富み洗濯可 能な繊維と弾力性を有する繊維を用いパイルを形成するようにして丸編み編成し てなる筒状のパイル生地の編成開始端部と編成終了端部を縫合して表裏両側にパ イルを形成する筒状の二重パイル生地からなり、その縫合部分の位置を裏側でか つ二重パイル生地の両端から離れた所に変位してなることを特徴としている。

【０００７】 したがって、十分の吸水力を持ちながら伸縮自在の筒状のパイル生地を丸編み 編成と縫着により簡単に形成できるだけでなく、形成されたタオルキャップは、 容易に頭に装着できると共に、一旦取り付けたタオルキャップは容易に外れるこ とがないので使い勝手がよい。また、表裏両側にパイルが形成された二重パイル 生地は吸水力に優れているので、髪の水分を十分に吸い取ることができると共に 、表のパイル生地と裏のパイル生地との間に生じる空間が保温性を向上させる。

【０００８】 さらに、表裏の生地の縫合部分が表から見えない位置であると共に、普通触れ ることがない位置にあるので、見栄えや肌触りがよい。加えて見栄えが良いので 、これをかぶったままで外出することも可能である。

【０００９】 また、前記筒状の二重パイル生地の一端側が開放し他端側が閉じるように他端 部を縫着すると共に、前記縫合部分を縫着部または縫着部の近傍に設けた場合に は、短いタオルキャップであっても頭を覆うことができるので、外出時の帽子と しても使用可能であり、その汎用性を増すことができる。また、タオルキャップ を帽子として用いる場合には二重のパイル生地によって十分の空気層が形成され るので、ウィンタースポーツを行うときの防寒具としても有用であると共に、パ イル生地によって汗を吸い取ることもできる。

【００１０】 さらに、前記縫着部が二重パイル生地の端部の周囲４箇所を１箇所に集中させ るように縫着してなる場合には、縫着作業を簡略化できて製作コストをさらに引 き下げることができると共に、容易に小さく折り畳むことができるので、持ち運 びに便利である。

【００１１】 前記二重パイル生地の外側にパイルジャガードによる絵柄を設けた場合には、 極めて簡単にタオルキャップの見栄えをさらに良くすることができる。なお、本 考案は二重パイル生地の外側に付ける絵柄に限定するものではなく、無地やスト ライプやチェックであってもよい。

【００１２】 前記弾力性を有する繊維としてポリウレタン系弾性繊維またはウーリーナイロ ンを用いた場合には、二重パイル生地の伸縮性を向上することができる。また、 弾性体としてゴムを用いる場合に比べて熱や洗濯による劣化を抑えることができ る。

【００１３】 さらに、前記二重パイル生地に抗菌加工を施すことによって、より衛生的であ る。また、前記二重パイル生地に疲労回復や精神安定作用を有する放射繊維やミ ネラル鉱石を塗布した場合には風呂上がりの爽やかな気分を一層向上させること ができる。

【００１４】

【考案の実施の形態】

図１〜３は本考案に係るタオルキャップ１の第１実施例を示している。このタ オルキャップ１は、吸水性に富み洗濯可能な繊維の一例としての綿糸２を、弾力 性を有する繊維の一例としてのスパンデックス３（ポリウレタン系弾性繊維の通 称名）と編成して形成される。すなわち、吸水性を有すると共に伸縮自在となる ように編成される。

【００１５】 編成作業は全て機械によって行われ、前記綿糸２がパイル４を形成するように 環状に丸編み編成して筒状のパイル生地５を形成する。そして、このパイル生地 ５の編成開始端部５ａと編成終了端部５ｂとが縫合されて縫合部分５ｃを形成す ることにより、全体としてパイル４を外側に向けた状態で表裏の生地が環状に連 結された二重パイル生地６を形成する。

【００１６】 前記縫合部分５ｃは二重パイル生地６の裏側でかつ二重パイル生地６の両端６ ａ，６ｂから離れた位置に変位させて、パイル生地５の表側には縫合部分５ｃが 露出しないようにしている。また、本例では表側のパイル生地５の編成時に周期 的にパイル４の形成部Ａおよび非形成部Ｂを形成すると共に、両者Ａ，Ｂを構成 する綿糸２の色を変化させて、表側のパイル生地５にストライプ模様を形成して いる。なお、裏側のパイル生地５は全面にパイル４を形成して吸水力を高めてい る。

【００１７】 上記構成のタオルキャップ１を用いることにより、図３に示すように、風呂上 がりの人７が洗髪して濡れた髪８を覆うことができる。このようにすることによ り、髪８に付着した余分な水分をタオルキャップ１によって吸い取ることができ 、髪８から雫が落ちないようにできる。また、本考案のタオルキャップ１は表側 にもパイルの形成部Ａがあるので、表側のタオル生地５で顔などについた水分を 吸い取ることも可能である。

【００１８】 このとき、タオルキャップ１は縫合部分５ｃを二重パイル生地６の裏側に位置 しているので、この縫合部分５ｃによってタオルキャップ１の見栄えが悪くなる ことがない。また、二重パイル生地６の両端６ａ，６ｂは何れもパイル生地５の 折り返しによって形成されており、縫合部分５ｃに直接触れることがないので手 触りが良く、特に風呂上がりにおける敏感な肌にソフトに当たるので使い心地が 良い。

【００１９】 何よりも、二重パイル生地６の表面（裏側および表側）には吸水性に優れた綿 糸２からなるパイル４が形成されているので、肌触りを良くするだけでなく、よ り多くの水を吸い取ることができる。なお、本考案は吸水性に優れた繊維を綿糸 に限るものではないことはいうまでもない。さらに、パイル生地５を二重に重ね ているので、両者５，５の間により多くの空気層Ｃを形成できて保温性に優れ、 風呂上がりの頭髪が冷えるのを抑えることも可能である。

【００２０】 前記タオルキャップ１は伸縮性に富んでいるので、二重パイル生地６の一端側 ６ａの口を広げるだけの簡単な作業で頭にかぶることができる。また、本考案の タオルキャップ１はフリーサイズであり、頭の大きさや髪８の量に影響されるこ となく隙間やシワを作ることなく見栄え良くかぶることができる。また、一旦頭 にかぶったタオルキャップ１は、その取付け状態が保持されるので不本意に外れ てしまうことがない。また、これを外したいときは、タオルキャップ１の他端側 ６ｂを持って引っ張るだけで取り外すことができる。

【００２１】 なお、本例では裏側のパイル生地５の全面にパイル４を形成することにより、 吸水性および保温性を向上させているが、本考案はこれに限られるものではない 。すなわち、裏側に位置するパイル生地５にも表側のパイル生地５と同様のスト ライプの模様を形成して、前記縫合部分５ｃを二重パイル生地６の裏側でかつ両 端６ａ，６ｂから離れた位置であるならどこに位置させても良いようにすること も可能である。また、パイル生地５を構成する綿糸２の色を単色にしてもよい。 逆に、綿糸２の色を多色にしてストライプ模様に変化を付けてもよい。

【００２２】 さらに、本例では表側のパイル生地５の柄をストライプとしているが、本考案 はこれに限られるものではなく、図４に示すような絵柄Ｄにしてもよい。あるい は無地にしてもよい。

【００２３】 図４は本考案の第２実施例を示している。本例において、図１〜３と同一の符 号を付した部材は同一または同等の部材であるので、その詳細な説明を省略する 。また、図１〜３に示した第１実施例と同様に変形することも可能である。

【００２４】 図４において、（Ａ）に示すタオルキャップ１は表側のパイル生地５に絵柄Ｄ を形成している。この絵柄Ｄの形成方法は、（Ｂ）に示すようにパイル４，４’ の長さを変えるパイルジャガードであってもよい。また、（Ｃ）に示すようにパ イル４，４’を構成する綿糸２を着色することによって形成してもよい。さらに は、両方を組み合わせた方法で行ってもよい。

【００２５】 何れにしてもタオルキャップ１の表側に絵柄Ｄを形成することにより、タオル キャップ１の見栄えをより良くすることができる。そして、見栄えのよいタオル キャップ１は外出時の防寒具や装飾用具としても有用である。なお、図示した絵 柄Ｄは説明をするための単なる一例に過ぎず自由な絵柄を選択できることは言う までもないことである。

【００２６】 図５は本考案の第３実施例を示す図である。図５において図１〜４と同一の符 号が付された部材は同一または同等の部材であるので、その詳細な説明を省略す る。また、種々の変形も図１〜４と同様に可能であることは言うまでもない。

【００２７】 図５において、二重パイル生地６の他端側６ｂに、その周囲４箇所ａ，ｂ，ｃ ，ｄを１箇所に集中するように縫着する縫着部９を形成して他端側６ｂを閉じて いる。縫着方法は以下に示すとおりである。

【００２８】 すなわち、まず、図示するように、前記縫合部分５ｃが二重パイル生地６の他 端側６ｂの近傍の縫着部９を形成する部分に位置するように変位させる。次いで 、他端側６ｂの周囲２箇所ａ，ｂを１箇所に合わせるように二重パイル生地６の 長手方向に縫着９ａする。そして、さらに向きを変えて他端側６ｂの周囲２箇所 ｃ，ｄを前記２箇所ａ，ｂの縫着部に重ねるようにして縫着９ｂする。

【００２９】 上記のように二重パイル生地６の他端側６ｂを閉じたタオルキャップ１は袋状 になっているので、一端側６ａから頭髪８を挿入してもこれが他端部６ｂからは み出すことがない。したがって、これを帽子のようにして使用することも可能で ある。また、タオルキャップ１の長さＬを短くしてもこれを頭にかぶることが可 能であり、より小型で機能的なタオルキャップ１を二回縫着するだけの極めて簡 単な作業で形成することができる。なお、本考案は他端部６ｂの縫着方法に限定 されるものではない。

【００３０】 さらに、筒状の二重パイル生地６からなるタオルキャップ１はその他端部６ｂ の形状に合わせて幅Ｗで長さＬの大きさに小さく折り畳むことができ、携帯に便 利である。したがって、他端側６ｂを閉じたタオルキャップ１は外出時の防寒具 として有用であり、この場合二重パイル生地６からなるので断熱性に優れ、かつ 、汗を良く吸い取るのでウインタースポーツに最適である。

【００３１】 加えて、前記縫合部分５ｃを前記縫着部９に重ねる位置に形成しているので、 意識して触らないかぎり縫合部分５ｃが人の手に触れることがないので、タオル キャップ１の見栄えや肌触りを可及的に良い状態にすることができる。なお、本 考案は縫合部分５ｃの位置を縫着部９に重ねることに限定するものではなく、縫 合部分５ｃの位置を縫着部９の近傍に設けるなどの変更も可能である。

【００３２】 上述した各実施例に示したように、本考案のタオルキャップ１は極めて簡素化 された構成であるので製造コストが安く、タオルキャップ１の基本となる二重パ イル生地６の全ての部分を全自動で機械編みすることが可能であり、人手によっ て縫い合わせる必要がない。したがって、タオルキャップ１の生産コストを可及 的に引き下げることができる。

【００３３】 また、上述の各例においてパイル生地５を編成するための伸縮性の洗濯可能な 繊維の一例としてスパンデックスを用いているが、本考案はこれに限られるもの ではない。例えば、このスパンデックスの代わりにウーリーナイロンを用いても よい。

【００３４】 さらに、図示は省略するが、タオルキャップ１に抗生物質などによる抗菌加工 を施してもよい。この場合、汗や水などを吸い取ったタオルキャップ１に菌が繁 殖しないので、より衛生的なタオルキャップ１を形成することができる。さらに 、前記タオルキャップ１に疲労回復や精神安定作用を有する放射繊維やミネラル 鉱石を塗布してもよい。

【００３５】

【考案の効果】

以上詳述したように本考案によれば、十分の吸水力を持ちながら伸縮自在の筒 状のパイル生地を丸編み編成と縫着により簡単に形成できるだけでなく、形成さ れたタオルキャップは、容易に頭に装着できると共に、一旦取り付けたタオルキ ャップは容易に外れることがないので使い勝手がよい。また、表裏両側にパイル が形成された二重パイル生地は吸水力に優れているので、髪の水分を十分に吸い 取ることができると共に、表のパイル生地と裏のパイル生地との間に生じる空間 が保温性を向上する。さらに、表裏の生地の縫合部分が表から見えない位置であ ると共に、普通触れることがない位置にあるので、見栄えや肌触りがよい。

【００３６】 また、前記筒状の二重パイル生地の一端側が開放し他端側が閉じるように他端 部を縫着すると共に、前記縫合部分を縫着部または縫着部の近傍に設けた場合に は、本考案のタオルキャップを外出時の帽子としても使用可能であり、その汎用 性を増すことができる。さらに、前記縫着部が二重パイル生地の端部の周囲４箇 所を１箇所に集中させるように縫着してなる場合には、縫着作業を簡略化でき、 その製作コストをさらに引き下げることができる。

【００３７】 前記二重パイル生地の外側にパイルジャガードによる絵柄を設けた場合には、 極めて簡単にタオルキャップの見栄えをさらに良くすることができる。なお、本 考案は二重パイル生地の外側に付ける絵柄に限定するものではなく、無地にして 清潔感を向上してもよい。また、ストライプやチェックなどの柄であってもよい 。

【００３８】 前記弾力性を有する繊維としてポリウレタン系弾性繊維またはウーリーナイロ ンを用いた場合には、二重パイル生地の伸縮性を向上することができる。また、 弾性体としてゴムを用いる場合に比べて熱や洗濯による劣化を抑えることができ る。

【００３９】 さらに、前記二重パイル生地に抗菌加工を施すことによって、より衛生的であ る。また、前記二重パイル生地に疲労回復や精神安定作用を有する放射繊維やミ ネラル鉱石を塗布した場合には風呂上がりの爽やかな気分を一層向上させること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のタオルキャップの第１実施例の全体を
示す斜視図である。

【図２】前記タオルキャップの断面を示す図である。

【図３】前記タオルキャップを装着した状態を示す図で
ある。

【図４】前記タオルキャップの第２実施例を示す斜視図
である。

【図５】前記タオルキャップの第３実施例を示す説明図
である。

【符号の説明】

１…タオルキャップ、２…吸水性に富む繊維、３…弾力
性を有する繊維、４…パイル、５…パイル生地、５ａ…
編成開始端部、５ｂ…編成終了端部、５ｃ…縫合部分、
６…二重パイル生地、６ａ，６ｂ…両端、９…縫着部、
ａ，ｂ，ｃ，ｄ…周囲４箇所、Ｄ…絵柄。

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸水性に富み洗濯可能な繊維と弾力性を
   有する繊維を用いパイルを形成するようにして丸編み編
   成してなる筒状のパイル生地の編成開始端部と編成終了
   端部を縫合して表裏両側にパイルを形成する筒状の二重
   パイル生地からなり、その縫合部分の位置を裏側でかつ
   二重パイル生地の両端から離れた所に変位してなること
   を特徴とするタオルキャップ。
2. 【請求項２】 前記筒状の二重パイル生地の一端側が開
   放し他端側が閉じるように他端部を縫着すると共に、前
   記縫合部分を縫着部または縫着部の近傍に設けた請求項
   １に記載のタオルキャップ。
3. 【請求項３】 前記縫着部が二重パイル生地の端部の周
   囲４箇所を１箇所に集中させるように縫着してなる請求
   項２に記載のタオルキャップ。
4. 【請求項４】 前記二重パイル生地の外側にパイルジャ
   ガードによる絵柄を設けた請求項１〜３の何れかに記載
   のタオルキャップ。
5. 【請求項５】 前記弾力性を有する繊維としてポリウレ
   タン系弾性繊維またはウーリーナイロンを用いた請求項
   １〜請求項４の何れかに記載のタオルキャップ。
6. 【請求項６】 前記二重パイル生地に抗菌加工を施した
   請求項１〜５の何れかに記載のタオルキャップ。
7. 【請求項７】 前記二重パイル生地に疲労回復や精神安
   定作用を有する放射繊維やミネラル鉱石を塗布した請求
   項１〜６の何れかに記載のタオルキャップ。