JP5912601B2 - アルミニウム複合粒子の製造方法及びアルミニウム複合粒子 - Google Patents
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Description
再生粒子に酸化アルミニウムを複合する複合工程を有するアルミニウム複合粒子の製造方法である。
再生粒子とこれに複合される酸化アルミニウムとを有し、
アルミニウム含有率が15質量%以上40質量%以下であるアルミニウム複合粒子である。
以下、当該アルミニウム複合粒子の製造方法の一実施形態を説明する。当該アルミニウム複合粒子の製造方法は、再生粒子に酸化アルミニウムを複合する複合工程を有する。
本発明のアルミニウム複合粒子は、上記製造方法によって得ることが好ましいが、上記製造方法以外の再生粒子に酸化アルミニウムを複合させる方法で得てもよい。
ここで、本発明の製造方法に好適に用いることができる再生粒子の製造方法について、原料並びに脱水、熱処理及び粉砕の各工程の順に詳説する。なお、熱処理工程と粉砕工程との間に、配合・スラリー調製工程を有することが好ましく、さらに必要に応じてその他の工程を設けることができる。
再生粒子の原料としては、主原料として製紙スラッジが用いられ、製紙スラッジの中でも、脱墨フロスが好適に用いられる。脱墨フロスとは、古紙パルプを製造する古紙処理工程において、主に、古紙に付着したインクを取り除く脱墨工程でパルプ繊維から分離されるものをいう。製紙における古紙パルプ製造工程では、安定した品質の古紙パルプを連続的に生産する目的から、使用する古紙の選定、選別を行い、一定品質の古紙を使用する。そのため古紙パルプ製造工程に持ち込まれる無機物の種類やその比率、量が基本的に一定になる。しかも古紙中に未燃物の変動要因となるビニールやフィルムなどのプラスチック類が含まれていた場合も、これらの異物は脱墨フロスを得る脱墨工程に至る前段階で除去される。したがって、脱墨フロスは、工場排水工程や製紙原料調成工程等の、他の工程で発生する製紙スラッジと比べて、極めて安定した品質の再生粒子を製造するための原料となる。
脱水工程は、脱墨フロス等の原料の水分を所定割合まで除去する工程である。例えば、古紙パルプを製造する脱墨工程においてパルプ繊維から分離された脱墨フロスは、種々の操作を経て、公知の脱水設備により脱水される。
熱処理工程は、脱水された原料の更なる水分除去のための乾燥と、比較的低温の第1の燃焼とを一連で行う第1熱処理工程、及び第1熱処理工程で得られた熱処理物を再度、第1熱処理工程より高温で熱処理(燃焼)する第2熱処理工程を含む。このように順に温度を上げていく2段階の熱処理工程を経ることで、原料の過燃焼を抑え、得られる再生粒子をスラリー化した際の増粘を抑制することができる。また、熱処理温度としては、比較的低温で行うことで、同様に原料の過燃焼を抑え、得られる再生粒子をスラリー化した際の増粘を抑制することができる。熱処理温度の上限としては、具体的には780℃が好ましく、750℃がさらに好ましい。
脱水工程を経た原料は、第1熱処理工程として、例えば本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉を用いて、熱処理される。
第1熱処理工程を経た原料は、第2熱処理工程として、例えば本体が横置きで中心軸周りに回転する外熱ジャケットを有する外熱キルン炉を用いて、熱処理される。このように、第1及び第2熱処理工程を経ることで、原料中の有機分が燃焼除去され、無機物を熱処理物として排出することができる。
配合・スラリー調製工程は、上記第2熱処理工程から排出される熱処理物に酸及び/又は塩を配合し、その熱処理物を水中に懸濁させてスラリー化させる工程である。
粉砕工程は、上記工程にて得られたスラリーを粉砕し、微粒子化することで再生粒子を得る工程である。この粉砕工程においては、公知の粉砕装置等を用いることができる。この粉砕工程を経て、スラリーを適宜必要な粒子径に微細粒化することで、得られる再生粒子を塗工用の顔料、内添用の填料等として好適に使用することができる。
再生粒子の製造方法においては、原料の凝集工程、造粒工程や、各工程間における分級工程、スラリーを炭酸化する炭酸化工程等を設けてもよい。
得られた再生粒子のスラリーは、そのままではpHが12以上とアルカリ性を呈し、例えば、塗工用顔料用途における塗工液調整工程で他の薬品と反応して品質低下を招くおそれがある。従って、熱処理物又は再生粒子中の酸化カルシウムを炭酸カルシウムに戻してpHを低減させるために、第1熱処理燃焼工程や第2熱処理工程において排出された排ガス中の二酸化炭素を利用して、例えばpHを7〜9に調整すると好適である。
アルミニウム複合粒子サンプル10mgを超音波分散機(出力:80W)で3分間分散させた。この溶液を用いて、レーザー粒径分布測定装置(株式会社島津製作所製、型番:SA−LD−2200)により平均粒子径を測定した。
X線粉末回折装置(理学電機株式会社製、型番:RAD2)を用いたX線回析法によって測定した。計測条件は、Cu−Kα−湾曲モノクロメーターを40KV−40mA、発散スリットを1mm、散乱スリットを1mm、受光スリットを0.3mm、走査速度を0.8度/分、走査範囲を2θ=7〜85度、サンプリングを0.02度とした。
1.0%濃度に希釈したLBKPからなるパルプスラリーに30%の灰分となるようにアルミニウム複合粒子スラリーを添加した後、パルプ濃度が0.75%となるよう希釈した。このパルプスラリーを歩留試験機(BTG社製、型番:DFR−05)へ700cc投入し、50秒攪拌した後に、60meshのワイヤーで濾過し、濾液を100cc採取した。このパルプスラリー及び濾液についてそれぞれ灰分濃度を測定し、下記式(1)により灰分(填料)歩留りを算出した。
灰分歩留り=100×(A−B)/A ・・・ (1)
A:パルプスラリーの灰分濃度(g/l)
B:濾液の灰分濃度(g/l)
JIS−K5101−13−1に記載の「顔料試験方法−第13部:吸油量−第1節:精製あまに油法」に準拠し、以下の方法で測定した。105〜110℃で2時間乾燥したアルミニウム複合粒子のサンプル2〜5gをガラス板にとり、精製あまに油(酸価4以下のもの)をビュレットから少量ずつ複合粒子サンプルの中央に滴下するとともに都度ヘラで練り合わせ、この作業を繰り返してサンプル全体が滑らかな硬さを有する1本の棒状体に成形された時点の精製あまに油の滴下量を求め、下記式(2)によって吸油量を算出した。
吸油量=(あまに油滴下量(ml)×100)/複合粒子質量(g) (2)
原料として脱墨フロスを用い、水分率が55質量%、平均粒径が10mm、また、50mm以下の粒子の割合が90質量%となるように脱水工程を行った。この脱水物にシャワー水による洗浄を経て、第1熱処理工程、その後、第2熱処理工程を以下の条件で行い熱処理物を得た。
燃焼形式:内熱キルン
燃焼温度:420℃
酸素濃度:12%
滞留時間:50分
第1熱処理工程後の未燃率:3%
第2熱処理工程条件
燃焼形式:外熱キルンと内熱キルンの併用
入口の平均粒子径:5mm
燃焼温度:700℃
酸素濃度:8%
滞留時間:140分
出口の平均粒子径:5mm
上記方法にて得られた再生粒子を水に分散させ、固形分濃度が20質量%の再生粒子スラリーを得た。この再生粒子スラリーに、第一添加薬品として再生粒子100質量部に対して15質量部のアルミン酸ソーダを添加し、さらに第二添加薬品として濃度が0.2〜4.0mol/Lの希硫酸をpHが9となる量を添加して加熱攪拌し、アルミニウム複合粒子を得た。攪拌時の温度は80℃とした。
上記実施例1と同様の方法を用い、表1に示した反応条件等によって複合粒子を製造した。表1に記載されていない条件は、実施例1と同様である。ただし、実施例4は、再生粒子スラリーに希硫酸を添加した後にアルミン酸ソーダを添加して加熱攪拌を行った。
実施例1と同じ条件で得た再生粒子をそのまま用いた。
2 第二薬品添加槽
3 貯槽
X1 再生粒子
X2 アルミニウム複合粒子
A アルミン酸ソーダ
N 鉱酸
Claims (3)
- 再生粒子に酸化アルミニウムを複合する複合工程を有し、
上記複合工程で、第一槽に連続的に再生粒子及びアルミニウム塩を供給し、第一槽で得られたスラリーを第二槽に連続的に移送し鉱酸を添加することでアルミニウム複合粒子を連続的に製造するアルミニウム複合粒子の製造方法。 - 上記アルミニウム塩がアルミン酸ソーダである請求項1に記載のアルミニウム複合粒子の製造方法。
- 再生粒子とこれに複合される酸化アルミニウムとを有し、
アルミニウム含有率が15質量%以上40質量%以下であり、
吸油量が50ml/100g以上150ml/100g以下であるアルミニウム複合粒子。
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