JP5912515B2 - 作業靴および甲プロテクター - Google Patents

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Description

本発明は、靴の甲部に甲プロテクターを取り付けた作業靴および当該作業靴に装着する甲プロテクターに関するものである。
従来、作業靴の足甲部分(甲部)に装着し、当該甲部を落下物や衝撃から保護する甲プロテクターが知られている。特許文献1記載の甲プロテクターは、概ね靴の甲部表面の形状に沿って湾曲した板状体として形成されたものであり、主として落下物などから甲部を保護するものとなっている。また、特許文献2記載の甲プロテクターも、概ね靴の甲部表面の形状に沿って湾曲した板状体として形成されたものであり、落下物などから甲部を保護するものとなっている。
特開平9−289902号公報 特開2010−148818号公報
上記従来の甲プロテクターは、靴の甲部の保護を目的としたものであり、歩行や作業の邪魔にならないように甲部に近接するとともに、当該甲部の表面形状に沿った湾曲した板状に形成されたものである。そして、甲被に対して局部的に強い荷重や衝撃を与えるような角部や尖頭部を有する落下物等から足を保護するものであった。しかしながら、上記従来の甲プロテクターは、局所的な荷重を分散させる作用を有するものの、甲プロテクターで受け止めた衝撃や荷重は靴の甲被を介して着用者の足に伝わるようになっていた。すなわち、衝撃や荷重によってアッパー体が変形し、収容した足に強い圧迫力が生じる場合があった。
本発明は、甲プロテクターで受け止めた衝撃や荷重に伴うアッパー体の変形防止若しくは変形量の軽減により、アッパー体に収容した足が圧迫されるのを防止若しくは軽減することができる作業靴の提供および当該作業靴に用いる甲プロテクターの提供を課題とするものである。
上記課題を解決するために、本願発明は以下の構成を有する。すなわち、
足入部を構成するアッパー体と、当該アッパー体の下方に設けた靴底および当該アッパー体の足甲部を覆う甲プロテクターを有する作業靴であって、
前記靴底は、少なくとも靴の前半部分外周または左右側部においてアッパー体の下端外周よりも外側に突出した縁部を有し、
前記甲プロテクターは、前記アッパー体の足甲部を覆った状態で前記靴底の縁部に当接する下端縁を有した左右両側壁を有するとともに、前記甲プロテクターが受けた荷重を前記当接した靴底の縁部によって支持できるように構成したことを特徴とする作業靴。
また、本発明は上記作業靴であって、
前記甲プロテクターの内面には、左右方向への開きを防止する補強リブが設けられていることを特徴とする。
また、本発明は上記作業靴であって、
前記アッパー体の靴先内部に硬質の先芯を内蔵するとともに、
当該先芯の後端の上方に、前記甲プロテクターの先端を配置したことを特徴とする。
また、本発明は靴の甲部を覆う甲プロテクターであって、
前記甲部の側面を覆う左右の側壁を設けるとともに、
当該左右の側壁の境界を成す部位を、前部から後方に向って次第に高さを増すように形成し、
前記側壁下端の一部または全部を、靴底との境界を成す前記甲部の下端外周に沿うように形成したことを特徴とする。
また、本発明は上記甲プロテクターであって、
前記側壁の下端を下方に向かって湾曲するように形成し、当該湾曲した下端の一部を靴底の縁部または靴底が接触する床面に当接できるように形成したことを特徴とする。
本発明に係る作業靴には硬質の甲プロテクターが装着されている。当該甲プロテクターは、足甲部を跨ぐように設けられており先端部を除く足甲部の表面全体をほぼ覆うようになっている。当該甲プロテクターによって、本発明に係る作業靴は落下物等から足甲部を保護することができるようになっている。
また、甲プロテクターはアッパー体側面の下方部分までを覆う両側壁を有しており、当該両側壁の下端縁がアッパー体よりも外側に突出した靴底縁部の上面に当接して支えられるようになっている。これにより、甲プロテクターに下向きの荷重が作用した場合であっても、靴底の縁部で甲プロテクターを支持するので甲プロテクターの降下を一定限度に制限することができ、アッパー体内部の空間が潰れて足を圧迫するのを防止若しくは軽減するようになっている。
また、甲プロテクターに上部から荷重が作用すると、甲プロテクターの両側壁を広げようとする力が発生するが、甲プロテクター内面のリブによって両側壁の拡張を防ぎ、両側壁の下端縁が靴底上部の縁部から外れるのを防止するようになっている。当該機能により、足先保護の確実性を高めている。
また、甲プロテクターは、その前部を靴先に内蔵した先芯の後端縁と、上下方向において重なるように配置しているので、甲プロテクターに作用した荷重の一部を先芯によって受け止めることができるようになっている。これにより、甲プロテクターに作用した荷重を両側壁の下端縁のみならず先端部でも支持することができるので、足先保護の確実性を高めている。
甲プロテクターを装着した作業靴の説明図である。 甲プロテクターの説明図である。 甲プロテクターの断面図である。 甲プロテクターと作業靴の関係を表した部分断面図である。 甲プロテクターを装着した靴の屈曲時の説明図である。 荷重を受けた甲プロテクターの動作説明図である。 甲プロテクターが有する作用の一例を示した説明図である。
以下本発明を実施するための形態について、図を用いて説明する。
図1は本発明に係る作業靴1の説明図であって、靴先に先芯2を内蔵するとともに甲被表面を覆う甲プロテクター3を装着した状態を表したものである。図1(a)は作業靴1の側面図、図1(b)は平面図を表している。以下、作業靴1を構成する各部位の構造について説明する。
作業靴1は、一例として日本工業規格(JIS)の「JIS-T-8101」のH種(重作業用)を満たす靴として形成されたものである。日本工業規格(JIS)の「JIS-T-8101」には、その作業区分に基づきH種:重作業用、S種:普通作業用、L種:軽作業用の3種類の定義が設けられており、先端に先芯を内蔵することが規定されている。当該先芯については、形状が「先しんは、表面を全て平滑に仕上げ、へり及び角に丸みをつけ、鋼製のものは、全面にわたってさび止めを施したものとし、寸法は次による。」とした上で、「(a)アーチ後端中央部と最先端部との水平距離aは、H種およびS種は40〜60mm、L種は30〜50mmとする。(b)高さbは、後端最後部において、H種およびS種は33mm以上、L種は28mm以上とする。(c)下辺折り曲げ部分は、ほぼ水平に折り曲げ、水平な底辺の幅cは3mm以上とする。」との定義が行われている。
なお、本願発明に係る作業靴および当該作業靴を構成する各部材は、上記JIS規格を満たす安全靴だけでなく、運動靴タイプの安全スニーカーや、一般作業靴、長靴などにも適用することができるものである。
本実施の形態に係る作業靴1は、皮革素材で形成した足入れ部を有するアッパー体4の底部に、クッション層となるミッドソール5と接地面を構成するアウトソール6を設けた安全靴である。ミッドソール5とアウトソール6は、主として硬度が異なるゴム、ウレタン等の各種素材によって形成されるものであり、金型内で先に射出成型したアウトソール6と当該アウトソール6とアッパー体4との間に主として発泡性の樹脂素材を注入して固化させることによって、アッパー体4の底部および底部周縁に密着するミッドソール5を形成したものである。そして、当該ミッドソール5およびアウトソール6を形成する際に、靴底との境界であるアッパー体4の下端に外周側へ向かって張り出すように突出させた段部7が形成される。ミッドソール5は、発泡ゴムまたは発泡ポリウレタン等の素材によってクッション性を有するように構成されており、アウトソール6には耐摩耗性に優れた素材が用いられる。
なお、本実施の形態における作業靴1はミッドソール5およびアウトソール6からなる靴底を射出成型によって形成しているが、別途単体で形成した靴底をアッパー体の底部に貼り付け、当該靴底の周囲とアッパー体の下縁とを接着剤や逢着等によって結合するセメント方式と呼ばれる靴底を有する靴であっても差し支えないものである。当該セメント方式による靴であっても、前記逢着等のために靴底の外周囲にはアッパー体の下縁よりも側方に突出した段部が形成される。
前記ミッドソールによって形成される段部7および上記セメント方式により形成した靴底周囲の段部も、後述するように甲プロテクター3の両側壁17,18の下端縁19、20が当接する部位として用いられるものである。
上記靴底を有するアッパー体4の靴先部には先芯2が内蔵されている。先芯2は、一定限度までの荷重、衝撃によって変形しない強固な鋼その他の金属、硬質樹脂等の硬質素材によって形成されているものであり一例として前記日本工業規格を満たすように形成されたものである。アッパー体4は、足入れ部を構成するものであって、靴先に内蔵した前記先芯2を覆う甲被を有し、足の甲と接する舌片体8、当該舌片体8を左右から覆う羽状片9、踵周囲を覆う皮革部材等によって形成されている。羽状片9は、対向する縁部の距離を靴紐によって調節することで舌片体8を介して足に対する締め付け量を調節する部位である。
甲プロテクター3は、所定の肉厚を有する外殻体を備えている。図2は甲プロテクター3の外観図であり、図2(a)は側面図、図2(b)は正面図、図2(c)は平面図、図2(d)は背面図を表している。また、図3(a)は側面側から見た甲プロテクター3の中央断面図であり、図3(b)は図3(a)に示した甲プロテクター3のA−A’線における断面図、図3(c)はB−B’線における断面図、図3(d)はC−C’線における断面図を表している。
甲プロテクター3の前端部は、図3(b)に示した前述のA−A’線における断面形状を有しており、内面および外面ともに左右方向に亘って靴先付近の上部外周囲に沿ったアーチ状の周壁を有するように形成されている。また、当該A−A’線で示した部分は、甲被10を介して靴先に内蔵した先芯2の後端上部と重なるように配置される部分である。
甲プロテクター3の先端部分には、表裏貫通した細長い孔(スリット)12が2本設けられており、当該孔12に挿通させた前記ベルト11の端部を靴先付近の甲被10の表面に固定することによって甲プロテクター3を作業靴1の甲部に取り付けている(図4(a)参照)。
前記A−A’線で表した甲プロテクター3の中央先部付近は、作業靴1に取り付けた状態で靴先付近の甲被10上面と略平行を成すようになっている。そして、当該中央先部付近から後方の部分は、後方に向かって上昇する角度で傾斜した稜線部16を有するように形成されている。
稜線部16は、図3(b)、図3(c)、図3(d)に示した各断面の頂部15を結ぶ前後にわたる部位であり、当該稜線部16を頂点として甲被の左右を覆う左側壁17および右側壁18を有している。
なお、上記図示して説明した甲プロテクター3は、左足用の靴に適用するように形成したものであり、右足用の靴に適用する甲プロテクターは、上記甲プロテクター3とは左右対称の形状に形成されるものである。以下、本実施の形態では、一例として左足用の甲プロテクターのみについて説明を行う。
一般的に人間の足は足の甲の一番高い部分が足の中心よりも内側(親指側)に有るので、靴のアッパー体もそのような足の形状に合わせて形成されている。甲プロテクター3も、このような靴の形状に合わせて、一番高い部分(頂部15)を結んだ稜線部16が作業靴1の中央よりも内側に偏って配置されるように形成されている。
また、左足用の靴に適合させた甲プロテクター3の場合、外側である左側壁17が内側である右側壁18よりも張り出したような形状になっており、一番高い稜線部16は中央よりも内側(右側)に寄った位置に設けられている。
甲プロテクター3表面の稜線部16を中心とした左側壁17および右側壁18の成す角度は、従来一般の甲プロテクターと異なっている。具体的には左側壁17および右側壁18の成す角度が先部から後方に向かうに従って次第に鋭角を成すように形成されている。すなわち、図3(b)、図3(c)、図3(d)に示したように、稜線部16の高さが、後方に向かうに従って次第に高くなるように形成されている。
左側壁17および右側壁18は、作業靴1が無負荷により静止した状態で甲被として露出しているアッパー体4の上面および左右の側面を覆う形状と大きさに形成されており、その下端縁19は、前後方向に亘ってゆるやかに湾曲した縁部として形成されている。
左側壁17と右側壁18の間に設けられた空間は、作業靴1の甲部分をほぼ覆う大きさを有しており、作業靴の形状や大きさにあわせて定められる。前述した図1(a)は、作業靴1が変形することなく床面に載置された状態を表している。甲プロテクター3は、上記作業靴1が変形していない状態のときに、左側壁17の下端縁19と右側壁18の下端縁20を、それぞれ靴底とアッパー体4との境界である靴底(ミッドソール5)の段部7上面に当接させるようになっている(図4(b)参照)。
甲プロテクター3は、当該図1(a)に示すように作業靴1が変形しておらず、左側壁17の下端縁19と右側壁18の下端縁20が靴底左右の段部7それぞれに当接している状態において、内面に設けたリブ(21,22,23、24)とアッパー体4表面との間に多少の隙間25が形成されるようになっている(図4参照)。すなわち、甲プロテクター3は、上記の隙間25が形成されるように、前後に亘る中央付近の稜線部16がやや突出するような形状に形成されている。
甲プロテクター3の肉厚は、荷重や衝撃に耐えうる剛性を備えた肉厚で全体に亘ってほぼ均一に形成されている。また、前記隙間25は稜線部16を中心とした左側壁17と右側壁18の成す角度を鋭角に形成するほど大きくすることができ、稜線部16の位置も高くなる。隙間25が無いもしくは少ないと、甲プロテクター3に作用した荷重や衝撃が、リブ(21,22,23、24)を介して足の甲に伝達される。したがって、荷重を受けた場合に生じる甲プロテクター3や作業靴1の変形量を考慮して隙間25を設定し、荷重や衝撃が足に被害を及ぼさないように甲プロテクター3の強度や形状が設定される。
前記リブ(21,22,23、24)について説明する。甲プロテクター3の前記稜線部16に相当する部位の内面には、前後方向に亘る1本の凸条(リブ)21と、当該凸条21と直交するように設けた3個の板状のリブ22,23、24が設けられている。
各リブ(21,22,23、24)は甲プロテクター3の裏面から靴側に突出した板状の突出部であり、肉厚と同一程度の幅を有するとともに、それぞれの端面の高さが同一になるように形成したものである。中央に位置する凸条21の高さ(裏面からの突出量)は、ほぼ左側壁17と右側壁18の成す角度に比例しており、角度が狭くなるのに応じて凸条21の高さも増えるようになっている。
凸条21は甲プロテクター3の内面に稜線部16に沿って直線状に設けられており、その下端26は先部中央付近から僅かに後方寄りの部分に設けられている。下端26から上方に亘って設けられた凸条21は、甲プロテクター3の上端縁27から数センチメートル下方の位置に設けたリブ24の位置まで設けられている。また、次第に高くなる凸条21に合わせて、リブ22、リブ23、リブ24の高さも次第に高くなっている。
前述したように最上部に配置されるリブ24と甲プロテクター3の上端縁27との間には数センチメートル(2〜3cm)の距離を設けており、リブ24と上端縁27の間の空間は、作業靴1との間に少なくともリブ24の高さに相当する空間30が設けられている。
図3は、側方から見た甲プロテクター3の稜線部16における断面図(a)と、当該図3(a)に示したA−A’線、B−B’線、C−C’線における各断面(図3(b)、図3(c)、図3(d))を表したものであるが、図示しているように靴先方向から足甲に向かって表面の稜線部分の角度が次第に狭くなっている。
A−A’線で示した先端部分は、靴先に収容した先芯2の後端29と上下方向において見かけ上重なる部分であり、当該部位に危険物が落下した場合には主として先芯2が荷重を支え、これに加えて甲プロテクター3も荷重に耐えることになる。先芯2は、剛性の高い鋼その他の金属若しくは樹脂によって荷重や衝撃に対して高い強度を発揮するように形成されている。このように、当該部位は、甲プロテクター3に作用した荷重をほぼ先芯2によって支えるようになっており、落下物に対する強度が高い部位となっている。
本実施の形態における甲プロテクターは、先芯から最も遠い後端部における左側壁17と右側壁18の成す角度が約50°前後の角度となるように形成しており、この部分における左側壁17と右側壁18が交わる稜線部分を15〜20mm程度の半径を成すような湾曲した凸部として形成している。
甲プロテクター3は、後方に向かうほど先芯2から遠ざかるため、甲プロテクター3単体の強度によって落下物等の荷重に耐える必要がある。このために前述したリブ(21,22,23、24)を下方に向かって広がるような形状をした甲プロテクター3の裏面に設けて、破壊や極端な変形を起こさないよう補強している。
図4は、作業靴1に取り付けた甲プロテクター3の状態を表した説明図である。図4(a)は甲プロテクター3と作業靴1の関係を表した甲プロテクター3を側面側から見た部分断面図、甲プロテクター3と作業靴1の関係を表した甲プロテクター3を正面側から見た部分断面図である。
本実施の形態では、作業靴1に対する甲プロテクター3の取付を、作業靴1の靴先に取り付けた細幅のベルト11によって行っている。甲プロテクター3の先端付近には前述したスリット12が設けられており、当該スリット12にベルト11を挿通し固定するようになっており、ベルト11の可撓性によって甲プロテクター3を回動可能としている。なお、スリット12に加えて、甲プロテクター3の動作を妨げない程度に他の部位と作業靴1を結合しても差し支えがない。
歩行時や作業時に生じる甲プロテクター3の前傾(回動)は、作業靴1の甲被部分による押圧(押し上げ)によって行われるものである。前記靴紐を有する靴の場合、甲プロテクター3を持ち上げるのは主として甲プロテクター3の裏面に設けた凸条21およびリブ22,23,24に当接する甲被の靴紐部分である。
本願発明に係る甲プロテクター3は、表面上に隆起させた稜線部16を設けることによって生じた裏面の空間に、前後方向に亘る1本の凸条21およびこれと直交する複数のリブ22,23,24を設けている。この凸条21およびリブ22,23,24は、靴の甲被部分と接触することで寸法管理された空間を形成するスペーサーとして機能し、靴の甲被との間に空間を形成した甲プロテクター3の姿勢を維持するようになっている。
歩行や作業によって靴先が屈曲すると、作業靴1と足Lは図5に示すような状態になる。羽根と呼ばれる左右の覆い(9)を靴紐で編み上げるタイプの靴の場合、甲プロテクター3の裏面に設けた凸条21およびリブ22,23,24は、図5に示しているように交差する靴ひもと当接するような状態になる。すなわち、拇指球付近の靴底を中心として踵が持ち上がり、甲被部分が前傾するように起立して、甲プロテクター3も甲被部分に押し上げられて前傾する。
この際、前記凸条21およびリブ22,23,24と靴紐部分の当接位置は、甲被部分の前傾に伴って擦れあいながら移動する。したがって、接触位置の移動がスムーズに行われないと甲プロテクター3の回動にも支障が生じ靴の屈曲動作も妨げられることになる。
しかしながら、甲プロテクター3の裏面に設けた凸条21は、擦れ合い方向(前後方向)に沿った当接面を有するレールのような当接部位を構成するため、靴紐部分が不規則な凹凸形状を成していても、沈み込んだり食い込んだりすることがない。その結果、甲プロテクター3は靴紐上をスムーズに移動し、靴の屈曲動作に応じて抵抗無く回動することができるようになっている。
また、甲プロテクター3の上端縁部分と靴の甲被部分には空間30が設けられている。すなわち、前記凸条21を上端縁27まで延長せずに、数センチメートル(2〜3cm)の距離を設けている。この空間30は、足Lの運動を妨げないようにするために、足Lを甲プロテクター3に接触させないために設けた空間である。この空間30によって、足甲部を保護しつつ、足Lの前方への傾動を阻害しないようになっている。
図4(b)に示すように、段部7の幅(突出量)は大凡甲プロテクター3の下端縁19および下端縁20の肉厚と同程度の寸法に形成されている。また甲プロテクター3の下端縁19と下端縁20の幅方向の内寸法は、これら下端縁19,20が近接して接するアッパー体4の下端部分の幅と略同一に形成されるとともに、下端縁19,20の双方が靴底左右の段部7それぞれに対して同時に接触するようになっている。甲プロテクター3は、上記の構成によりアッパー体4に対して左右方向への移動が阻止され、靴底(段部7)との当接によって下方への移動が阻止される。
このため、図6に示すように甲プロテクター3に対して上方から下方へ向かう荷重や衝撃が生じると、その荷重や衝撃は剛体である甲プロテクター3の下端縁19および下端縁20を介して、靴底の段部7によって受け止められる。この際、甲プロテクター3はアッパー体4との接触によって左右方向には大きく移動しないので、下端縁19および下端縁20が靴底の段部7から外れて脱落することがなく、足を入れるアッパー体4の潰れを防止して内部の空間を一定以上の容積に保つようになっている。
また、下端縁19,20は、下方に突出したゆるやかな円弧状の湾曲縁として形成されているので、アッパー体4が揺動して前後方向に傾いたとしても、靴底に対して安定した接触面積を確保することで荷重が局部的に集中するのを防止している。
また、荷重や衝撃が作用する位置によっては、甲プロテクター3に加えられた荷重や衝撃が靴先に内蔵した先芯2の後端29付近によって支持される場合がある。すなわち、甲プロテクター3に対する垂直方向の荷重点が、図6に示した甲プロテクター3と段部7との接触部Gよりも前方位置にある場合、その荷重は甲プロテクター3の左右(下端縁19および下端縁20)と先芯2と重なる前部の3点で支えられることになる。この場合には、上記2点(下端縁19および下端縁20)で支持する場合よりも、より大きな荷重を支持することができるものである。
上記のように、本実施の形態に係る作業靴および甲プロテクターは、一定程度の荷重や衝撃を受けた場合であって、アッパー体を変形させることがないように形成されている。しかし、強い荷重や衝撃によって甲プロテクターもしくは靴底が変形すると、下端縁19および下端縁20が靴底から外れてしまう場合も想定される。
これに対して、作業靴には無負荷の状態で甲プロテクター3とアッパー体4表面との間に隙間25が形成されている。したがって、仮に荷重を受けて甲プロテクター3の下端縁19あるいは20の一方または双方が靴底の段部7から外れて床面まで降下した場合であっても、直ちにアッパー体4が圧迫されるのではなく、甲プロテクター3がアッパー体4表面に接して変形させるまでの距離に猶予がある。
そして、甲プロテクター3が隙間25の間隔を超えて降下しアッパー体4表面を押圧したとしても、靴底の肉厚分降下したところで甲プロテクター3の下端縁19あるいは20が床面に接触する。甲プロテクター3が床面に接すると、甲プロテクター3の降下を確実に停止させることができるので、アッパー体4の押圧による変形を一定限度にとどめて、足を入れる空間を確保することができるようになっている。前記隙間25の間隔と甲プロテクター3が接する部位の靴底の肉厚は、当該数値に限定されるものではないが概ね1.5cm程度である。
また、前述したように、甲プロテクター3の表面形状は、作業靴甲被の表面形状に近似した形状を成すのではなく、先部から足甲に向かって表面の稜線部分の角度が次第に狭く高くなる形状を成している。
このような形状により、甲プロテクター3は図7に示した例のように、甲プロテクター3の表面に落下した落下物Fを稜線部分の左右の側壁面に沿って滑らせる作用を有している。本実施の形態に係る甲プロテクター3は、落下物を左右に逃しやすい形状を有しているので、落下物の衝撃や荷重を足の甲部で受け止めにくい性質も有している。
本発明は、落下物や衝撃から甲部を保護することができる安全靴や安全スニーカー、これらの靴に用いる甲プロテクターに利用可能である。
1 作業靴
2 先芯
3 甲プロテクター
4 アッパー体
5 ミッドソール
6 アウトソール
7 段部
8 舌片体
9 羽状片
10 甲被
11 ベルト
12 孔(スリット)
15 頂部
16 稜線部
17 左側壁
18 右側壁
19 下端縁
20 下端縁
21、22、23、24 リブ
25 隙間
26 下端
27 上端縁
L 足
G 接触部

Claims (4)

  1. 足入部を構成するアッパー体と、当該アッパー体の下方に設けた靴底および当該アッパー体の足甲部を覆う甲プロテクターを有する作業靴であって、
    前記靴底は、少なくとも靴の前半部分外周または左右側部においてアッパー体の下端外周よりも外側に突出した縁部を有し、
    前記甲プロテクターは、前記アッパー体の足甲部を覆った状態で前記靴底の縁部に当接する下端縁を有した左右両側壁を有するとともに、前記甲プロテクターが受けた荷重を前記当接した靴底の縁部によって支持できるように構成し、左右両側壁の成す稜線部の角度を先部から後方に向かうに従って次第に鋭角を成すように形成するとともに、当該稜線部裏面の空間に前後方向に亘る凸条およびこれと直交する複数のリブを設けたことを特徴とする作業靴。
  2. 前記アッパー体の靴先内部に硬質の先芯を内蔵するとともに、
    当該先芯の後端の上方に、前記甲プロテクターの先端を配置したことを特徴とする請求項1記載の作業靴。
  3. 靴の甲部を覆う甲プロテクターであって、
    前記甲部の側面を覆う左右の側壁を設けるとともに、
    当該左右の側壁の境界を成す稜線部を、前部から後方に向って次第に高さを増すように形成し、
    前記側壁下端の一部または全部を、靴底との境界を成す前記甲部の下端外周に沿うように形成し、
    前記稜線部の角度を先部から後方に向かうに従って次第に鋭角を成すように形成するとともに、当該稜線部裏面の空間に前後方向に亘る凸条およびこれと直交する複数のリブを設けたことを特徴とする甲プロテクター。
  4. 前記側壁の下端を下方に向かって湾曲するように形成し、当該湾曲した下端の一部を靴底の縁部または靴底が接触する床面に当接できるように形成したことを特徴とする請求項3記載の甲プロテクター。
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