JP5911356B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置では、多様な記録材に対応するために、感光体からトナー像を中間転写体に転写(一次転写)して、中間転写体から記録材に転写(二次転写)することで画像を形成する中間転写方式が知られている。
特許文献1には中間転写方式の従来構成が記載されている。すなわち特許文献1は、感光体からトナー像を中間転写体へ一次転写するために、一次転写ローラを設けた上で、一次転写ローラに一次転写専用の電源が接続された構成である。さらに特許文献1は、中間転写体からトナー像を記録材に二次転写するために、二次転写ローラを設けた上で、二次転写専用の電源が二次転写ローラに接続された構成である。
特許文献2には、二次転写内ローラに小さな電源が接続されるとともに、二次転写外ローラには別の大きな電源が接続された構成がある。特許文献2には、感光体からトナー像を中間転写体へ転写する一次転写を、小さな電源が二次転写内ローラに電圧を印加することによって行う旨が記載されている。
特開2003−35986 特開2006−259640
しかし一次転写専用の電源を配置すると、コストアップにつながるおそれがある。一次転写専用の電源を省いて、コストダウンを抑制する方法が望まれている。
上記課題を解決するために本願発明は、像担持体と、前記像担持体にトナー像を形成するため静電像を形成する静電像形成手段と、前記像担持体に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、記録材を前記中間転写体とともに挟持して前記中間転写体からトナー像を記録材に二次転写する転写部材と、前記中間転写体からトナー像を記録材に二次転写する二次転写電界と、前記像担持体からトナー像を前記中間転写体に一次転写する一次転写電界とを形成するために、前記転写部材に電圧を印加する電源と、前記中間転写体とアースとの間に接続されるツェナーダイオードと、前記ツェナーダイオードの温度に対応する情報に応じて、前記像担持体上のトナー像が形成される画像部の電位を変更する制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によって、コストダウンのために一次転写専用の電源を省く構成において、ツェナーダイオード自身の温度特性に起因して中間転写ベルトの電位が変わっても、一次転写不良に影響するのを抑制することができる。
実施形態1における基本構成を説明する図 実施形態1における転写電位と静電像電位の関係を示す図 ツェナーダイオードのIV特性 実施形態1におけるブロック図 ツェナーダイオードの温度特性 一次転写コントラストの補正方法を説明するフローチャート 実施形態2におけるツェナーダイオードと温度センサーの配置関係を説明する図
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
(実施形態1)
実施形態1においては、ツェナーダイオードの温度特性によって中間転写ベルトの電位Vitbが変化し、一次転写部の転写コントラストVtrが想定していた適正値からずれる場合の補正方法について説明する。
[画像形成装置]
図1は本実施の形態における画像形成装置を示す。画像形成装置は、各色の画像形成ユニットを独立かつタンデムに配置するタンデム方式を採用している。さらに画像形成装置、各色の画像形成ユニットからトナー像を中間転写体に転写してから、中間転写体からトナー像を記録材に転写する中間転写方式を採用している。
画像形成ユニット101a、101b、101c、101dは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)色のトナー像を形成する画像形成手段である。これらの画像形成ユニットは、中間転写ベルト56の移動方向において上流側から、画像形成ユニット101a、101b、101c、101dの順、すなわちイエロー、マゼンタ、シアン、黒の順に配置されている。
各画像形成ユニット101a、101b、101c、101dはそれぞれ、トナー像が形成される感光体(像担持体)としての感光体ドラム50a、50b、50c、50dを備える。一次帯電器51a、51b、51c、51dは、各感光体ドラム50a、50b、50c、50dの表面を帯電する帯電手段である。露光装置52a、52b、52c、52dはレーザスキャナーを備えて、一次帯電器によって帯電された感光体ドラム50a、50b、50c、50dを露光する。レーザスキャナーの出力が画像情報に基づいてオンオフされることによって、画像に対応した静電像が各感光体ドラム上に形成される。すなわち、一次帯電器と露光手段とが、静電像を感光体ドラムに形成する静電像形成手段として機能する。現像装置53a、53b、53c、53dは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナーを収容する収容器を備えて、感光体ドラム50a、50b、50c、50d上の静電像をトナーを用いて現像する現像手段である。
感光体ドラム50a、50b、50c、50dに形成されたトナー像は、中間転写ベルト56へ一次転写部N1a、N1b,N1c,N1dで一次転写される。こうして中間転写ベルト56上に4色のトナー像が重ねて転写される。一次転写については、後で詳しく説明する。
感光体ドラムクリーニング装置55a、55b、55c、55dは、一次転写部N1a、N1b,N1c,N1dで転写せず感光体ドラム50a、50b、50c、50dに残留した残留トナーを除去する。
中間転写ベルト56は、感光体ドラム50a、50b、50c、50dからトナー像が転写される、移動可能な中間転写体である。本実施形態では中間転写ベルト56は、基層と表層との2層構成である。基層は内面側(張架部材側)であり、張架部材に接触する。表層は外面側(像担持体側)であり、感光ドラムに接触する。基層はポリイミドあるいはポリアミド、PEN、PEEK等の樹脂または各種ゴム等にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものが用いられる。中間転写ベルト56の基層は、基層の体積抵抗率が10〜10Ω・cmとなるように形成される。本実施形態における基層としては、ポリイミドで、中心厚みが45〜150um程度のフィルム状の無端ベルトが用いられる。さらに表層として、体積抵抗率1013〜1016Ω・cmのアクリルコートが施される。すなわち表層の抵抗よりも、基層の抵抗の方が低い。表層の厚みは1〜10umである。もちろんこれらの数値に限定する意図ではない。
中間転写ベルト56の内周面は、張架部材としての各種ローラ60,61,62,63によって張架されている。アイドラローラ60、61は、各感光体ドラム50a、50b、50c、50dの配列方向に沿って延びる中間転写ベルト56を張架する。テンションローラ63は、中間転写ベルト56に対して一定の張力を与えるテンションローラである。さらにテンションローラ63は、中間転写ベルト56の蛇行を防止する補正ローラとしても機能する。なお、テンションローラ63に対するベルトテンションは5〜12kgf程度になるように構成される。このベルトテンションがかけられることで、一次転写部N1a、N1b,N1c,N1dとして、中間転写ベルト56と感光体ドラム50a〜dとの間にニップが形成される。二次転写内ローラ62は、定速性に優れたモーターにより駆動されて中間転写ベルト56を循環駆動させる駆動ローラとして機能する。
記録材は、記録材Pを収容する用紙トレイに収容されている。記録材Pは、この用紙トレイから所定のタイミングでピックアップローラによって取り出されて、レジストレーションローラ66へ導かれる。記録材Pは、中間転写ベルト上のトナー像が搬送されるのと同期して、中間転写ベルトからトナー像を記録材に転写する二次転写部N2へレジストレーションローラ66によって送り出される。
二次転写外ローラ64は、中間転写ベルト56を介して二次転写内ローラを押圧して、二次転写内ローラ62と共に二次転写部N2を形成する二次転写部材である。二次転写外ローラは、中間転写ベルトとともに記録材を二次転写部で挟持するように配置される。二次転写用電源210は、二次転写外ローラ64に接続されており、二次転写外ローラ64に電圧を印加する電圧印加手段としての電源である。
記録材Pが二次転写部N2へ搬送されると、二次転写外ローラにトナーと逆極性の二次転写電圧が印加されることによって、中間転写ベルト56からトナー像が記録材に転写する。
なお二次転写内ローラ62はEPDMゴムからなる。二次転写内ローラの直径は20mm、ゴム厚は0.5mm、硬度は70°(Asker−C)に設定される。二次転写外ローラ64はNBRゴムやEPDMゴム等からなる弾性層と芯金からなる。二次転写外ローラの直径は、24mmになるように形成される。
中間転写ベルト56が移動する方向において二次転写部N2よりも下流側には、記録材に二次転写部N2で転写せず中間転写ベルト56に残留した残留トナーや紙粉を除去するための中間転写ベルトクリーニング装置65が設けられている。
[1転高圧レスシステムにおける一次転写電界形成]
本実施形態は、コストダウンのために、一次転写専用の電源を省いた構成である。そこで本実施形態では、感光体ドラムからトナー像を中間転写ベルト56へ静電的に一次転写するために、二次転写用電源210を用いる。
しかし中間転写ベルトを張架するローラが直接的にアースに接続される構成では、二次転写用電源210が電圧を二次転写外ローラ64に印加しても、張架ローラ側へほとんど電流が流れ、感光ドラム側へ電流が流れないおそれがある。すなわち、二次転写用電源210が電圧を印加しても中間転写ベルト56を介して感光体ドラム50a、50b、50c、50dへ電流が流れず、感光体ドラムと中間転写ベルトとの間に、トナー像を転写するための一次転写電界が働かない。
そこで一転高圧レスシステムにおいて一次転写電界作用を働かせるためには、張架ローラ60、61、62、63のすべてとアースとの間に受動素子を配置して、感光体側へ電流が流れるようにするのが望ましい。
その結果、中間転写ベルトの電位が高くなり、感光体ドラムと中間転写ベルトとの間に一次転写電界が働くようになる。
なお、1転高圧レスシステムで一次転写電界を形成するためには、二次転写用電源210が電圧を印加することで、電流が中間転写ベルトの周方向に沿って流すことが必要である。しかし中間転写ベルト自体の抵抗が高ければ、中間転写ベルトが移動する移動方向(周方向)における中間転写ベルトにおける電圧降下が大きくなる。その結果、中間転写ベルトを周方向に伝って感光体ドラム50a、50b、50c、50dへ電流が流れにくくなるおそれもある。そのため、中間転写ベルトが低抵抗の層を持つのが望ましい。本実施形態では中間転写ベルトにおける電圧降下を抑制するために、中間転写ベルトの基層の表面抵抗率が10Ω/□以上で10Ω/□以下となるように形成される。また本実施形態では中間転写ベルトは2層構成である。これは、表層に高抵抗の層を配置することで、非画像部に流れる電流を抑制して転写性をさらに高めやすいからである。もちろんこの構成に限定する意図ではない。単層の構成にすることもできるし、3層以上の構成にすることもできる。
次に図2を用いて、感光体ドラムの電位と中間転写ベルトの電位の差である一次転写コントラストについて説明する。
図2は、感光体ドラム1表面が帯電手段2によって帯電されて、感光体ドラム表面の電位Vd(ここでは−678Vとする)となる場合である。その上で帯電された感光体ドラムの表面が露光手段3によって露光されて、感光体ドラムの表面がVl(ここでは−240Vとする)となる場合である。電位Vdは、トナーが付着されない非画像部の電位であり、電位Vlは、感光体ドラム上のトナーが付着される画像部の電位である。Vitbは中間転写ベルトの電位を示す。
ドラムの表面電位は帯電、露光手段の下流側、且つ現像手段の上流で感光体ドラムに近接配置された電位センサー206の検知結果に基づいて制御される。
電位センサーは感光体ドラム表面の非画像部電位と画像部電位を検知し、非画像部電位に基づいて帯電手段の帯電電位を制御して、画像部電位に基づいて露光手段の露光光量を制御する。
この制御により感光体ドラムの表面電位は画像部電位、非画像部電位の両電位とも適正な値にすることができる。
この感光体ドラム上の帯電電位に対して、現像装置4によって現像バイアスVdc(ここではDC成分は−467V)が印加されて、ネガ帯電したトナーが感光体ドラム側に現像される。
感光体ドラムのVlと現像バイアスVdcとの電位差である現像コントラストVcaは、
−240(V)−(−467(V))=227(V)
となる。画像部電位Vlと非画像部電位Vdとの電位差である静電像コントラストVcbは、
−240(V)−(−678(V))=438(V)
となる。感光ドラムの画像部電位Vlと中間転写ベルトの電位Vitb(ここでは300Vとする)との電位差である一次転写コントラストVtrは、
300(V)−(−240(V))=540(V)
となる。
なお本実施形態では、感光ドラムの電位を検知する正確性を重視して電位センサーが配置される構成であるが、この構成に限定する意図ではない。コストダウンを重視して、電位センサを配置せず、静電潜像形成条件と感光体ドラムの電位との関係性を予めROMに記憶させた上で、ROMに記憶された関係性に基づいて感光体ドラムの電位を制御する構成にすることもできる。
[ツェナーダイオードのVI特性]
一転高圧レスシステムでは、一次転写は、中間転写ベルトの電位と感光体ドラムの電位との電位差である一次転写コントラストによって決まる。そのため一次転写コントラストを安定的に形成するためには中間転写ベルトの電位を一定に維持するのが望ましい。
そこで本実施形態では、張架ローラとアースとの間に配置される受動素子として、ツェナーダイオードが用いられる。
図3は、ツェナーダイオードの電流電圧特性を示す。ツェナーダイオードは、ツェナー降伏電圧Vbr以上の電圧が印加されるまでほとんど電流を流さないが、ツェナー降伏電圧以上の電圧が印加されると急激に電流が流れるような特性を持つ。すなわち、ツェナーダイオード11にかかる電圧がツェナー降伏電圧以上の範囲では、ツェナーダイオード11の電圧降下はツェナー電圧を維持するように電流を流す。
このようなツェナーダイオードの電流電圧特性を利用して、中間転写ベルト56の電位を一定に維持する。
すなわち本実施形態では、アイドラローラ60、61、二次転写内ローラ62、テンションローラ63等、張架ローラとアースとの間に、受動素子として、ツェナーダイオード11が配置される。
その上で、一次転写中は、ツェナーダイオード11にかかる電圧がツェナー降伏電圧を維持するように、二次転写電源210が所定電圧以上の電圧を印加する。その結果、一次転写中に、中間転写ベルト56のベルト電位を一定に維持することができる。
具体的には、張架ローラとアースとの間に、ツェナー降伏電圧Vbrの規格電圧が150Vとなるツェナーダイオード11が2個直列に接続された状態で配置される。この場合、ツェナーダイオードにかかる電圧がツェナー降伏電圧を維持する範囲では、中間転写ベルトの電位中間転写ベルトの電位Vitbは、各ツェナーダイオードのツェナー降伏電圧の合計、すなわち150×2=300Vで一定に維持される。すなわち二次転写外ローラに所定電圧以上の電圧が印加されると、中間転写ベルトの電位は設定電圧300Vを維持する構成である。なお、この規格電圧は所定の基準温度における値である。
もちろんツェナーダイオードを複数用いる構成に限定する意図ではない。ツェナーダイオードを1つだけ用いる構成にすることもできる。
もちろん中間転写ベルトの表面電位は300Vになる構成に限定する意図ではない。使用するトナーの種類や感光体ドラムの特性に応じて適宜設定するのが望ましい。
このように、二次転写用電源210によって電圧が印加されると、ツェナーダイオードの電位が所定電位に維持され、感光体ドラムと中間転写ベルトとの間に一次転写電界が形成される。さらに従来の構成と同様に、2次転写高圧電源によって電圧が印加されると、中間転写ベルトと二次転写外ローラとの間に、二次転写電界が形成される。
[ツェナー降伏電圧検知]
本実施形態では、ツェナーダイオード11にかかる電圧がツェナー降伏電圧を維持する範囲内かどうかを判断するために、張架ローラ流入電流検出回路205が設けられている。張架ローラ流入電流検出回路205は、ツェナーダイオード11を介してアースに流れ込む電流を検知する電流検知手段である。張架ローラ流入電流検出回路205が電流を検知しない間、ツェナーダイオード11にかかる電圧がツェナー降伏電圧を維持していないと判断される。一方で張架ローラ流入電流検出回路205が電流を検知すると、ツェナーダイオード11にかかる電圧がツェナー降伏電圧を維持する範囲内であると判断される。なお本実施形態は、ツェナーダイオード11にかかる電圧がツェナー降伏電圧を維持する範囲にするために必要となる電圧値を判断する正確性を高めることを重視して、張架ローラ流入電流検出回路が電流を検知する構成である。もちろんこの構成に限定する意図ではない。ダウンタイムが長くなるのを抑制することを重視して、張架ローラ流入電流検出回路が電流を検知する判断機能を実行しない、次のような構成にすることもできる。すなわち、予めツェナーダイオード11にかかる電圧がツェナー降伏電圧を維持する範囲にするための電圧値を予めROMに記憶した構成にすることもできる。
[コントローラ]
本画像形成装置全体の制御を行うコントローラの構成について図4を参照して説明する。コントローラは、図4に示すように、CPU回路部150を有する。CPU回路部150は、CPU(図示せず)、ROM151およびRAM152を内蔵する。二次転写部電流検出回路204は二次転写外ローラを流れる電流を検出するための回路(二次転写電流検出手段)であり,張架ローラ流入電流検出回路205は(ツェナーダイオード電流検出手段)張架ローラに流入する電流を検出するための回路であり,電位センサー206は感光体ドラム表面の電位を検出するセンサーであり、温湿度センサー207、208は温湿度を検出するためのセンサーである。
CPU回路部150には、二次転写部電流検出回路204、張架ローラ流入電流検出回路205、電位センサー206、温湿度センサー207、208からの情報が入力される。そしてCPU回路部150は、ROM151に格納されている制御プログラムに応じて、二次転写用電源210,現像高圧電源201,露光手段高圧電源202,帯電手段高圧電源203を統括的に制御する。後述する環境テーブルや紙厚さ対応テーブルはROM151に格納されておりCPUが呼び出して反映される。RAM152は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
[二次転写電界適正化のための二次転写用電源の制御]
中間転写ベルトからトナー像を記録材に転写する二次転写電界を適正化するために、二次転写用電源210がCPU回路部150によって制御される。
適正な二次転写電界は、雰囲気環境や記録材の種類によって変化する。そこで本実施形態では、トナー像を記録材に転写する二次転写電界を適正化するために、調整電圧を印加するATVC(Active Transfer Voltage Control)とよばれる、二次転写のための調整工程を十国する。調整工程は、CPU回路部150によってトナー像を記録材に転写する二次転写工程前の非二次転写時に実行される。すなわちCPU回路部150は、二次転写のための調整工程を実行する実行部(調整部)として機能する。
調整工程としてのATVCは、二次転写用電源210が定電圧制御された複数の調整電圧を印加した上で、調整電圧が印加された時に電流検知手段220によって二次転写部を流れる電流が測定されることにより行われる。ATVCによって電圧と電流の相関関係を算出することができる。
さらに、算出された電流と電圧との相関関係に基づいて、二次転写に必要となる二次転写目標電流Itを流すための電圧V1が算出される。二次転写目標電流Itは、表1で示されるマトリクスに基づいて設定される。
表1は、CPU回路部150内に設けられた記憶部に記憶されたテーブルである。このテーブルは、雰囲気中の絶対水分量(g/m)に応じて、二次転写目標電流Itを設定し分けるものである。この理由について説明する。水分量が高くなるとトナーの帯電量が小さくなる。そこで、水分量が高くなると、二次転写ターゲット電流は小さくなるように設定される。
すなわち水分量が増大すると、二次転写目標電流Itが減少する。なお絶対水分量は、温湿度センサ207によって検出された温度と相対湿度とから、CPU回路部150によって算出される。なお本実施形態では絶対水分量を用いたがこれに限定する意図ではない。絶対水分量の代わりに相対湿度を用いることもできる。
ここで、Itを流すための電圧V1は、記録材が二次転写部に存在しない場合にItを流すための電圧である。しかし二次転写は、記録材が二次転写部に存在する時に行われる。そこで記録材分の抵抗を考慮するのが望ましい。そこで記録材が分担する記録材分担電圧V2が電圧V1に加算される。記録材分担電圧V2は、表2で示されるマトリクスに基づいて設定される。
表2は、CPU回路部150内に設けられた記憶部に記憶されたテーブルである。このテーブルは、雰囲気中の絶対水分量(g/m)と記録材の坪量(g/m)とに応じて、記録材分担電圧V2を設定し分けるものである。坪量が増えると、記録材分担電圧V2は増える。これは、坪量が増えると記録材が厚くなるので、記録材の電気的抵抗が増えるからである。また、絶対水分量が増えると、記録材分担電圧V2は減る。これは、絶対水分量が増えると、記録材が含有する水分量が増えるので、記録材の電気的抵抗が増えるからである。また、片面印刷時よりも自動両面印刷時や手差両面印刷時の方が、記録材分担電圧V2は大きい。なお坪量とは、単位面積辺りの重さ(g/m)を示す単位で、記録材の厚みを示す値として一般的に用いられる。坪量は、操作部でユーザーが入力する場合や、記録材を収容する収容部に記録材の坪量を入力する場合がある。これらの情報に基づいてCPU回路部150は坪量を判断する。
二次転写目標電流Itを流すためのV1に記録材分担電圧V2が加算された電圧(V1+V2)が、調整工程に続く二次転写工程中、定電圧制御された二次転写電圧の二次転写目標電圧VtとしてCPU回路部150によって設定される。すなわちCPU回路部150は、二次転写電圧を設定する設定手段として機能する。その結果、雰囲気環境と紙厚さに応じて、適正な電圧値が設定される。また二次転写中は二次転写電圧が定電圧制御された状態で印加されるので、記録材の幅が変わっても二次転写が安定した状態で行われる。
[一次転写適正化のための静電像形成手段の制御]
本実施形態では、適正な二次転写コントラストを形成するために、二次転写用電源210が印加する電圧を変更する。
例えば、絶対水分量が9(g/m)の場合に、坪量が64(g/m)の記録材を片面印刷してから、坪量が150(g/m)の記録材を片面印刷する場合には、記録材の分担電圧V2を800Vから950Vへ変更する。或いは、絶対水分量が9(g/m)の場合に、坪量が64(g/m)の記録材を片面印刷するという条件は同じであっても、二次転写外ローラの抵抗が経時変化すれば、二次転写目標電流It(30μA)を流すためのV1を変更する。或いは、坪量が64(g/m)の記録材を片面印刷するという条件は同じであっても、絶対水分量が9(g/m)の場合と、絶対水分量が0.8(g/m)の場合とでは、二次転写目標電流Itも、記録材分担電圧も変更する。
しかし一次転写専用の電源を省いた構成一転高圧レスシステムでは、一次転写コントラストは、二次転写用電源210を用いて形成される。そのため二次転写電界を適正化するために二次転写用電源210が印加する電圧を変更すると、二次転写と同時に一次転写を行う場合、感光体ドラムと中間転写ベルトとの間の一次転写コントラストを変えるおそれがある。その結果、適正な一次転写コントラストを形成することができずに、一次転写不良を引き起こすおそれがある。
そこで本実施形態では、二次転写適正化のために二次転写用電源210が印加する電圧を変更する場合には、ツェナーダイオードの電圧降下はツェナー降伏電圧を維持するように設定される。そのため、二次転写適正化のために二次転写用電源210が印加する電圧を変更する場合であっても、中間転写ベルトの電位が変わらない。その上で、必要な場合には感光体ドラム上の画像部電位を変更して、必要でない場合には感光体ドラムの画像部電位を変更しない。
そのため1転高圧レスシステムにおいて、二次転写コントラストを適正化するために二次転写用電源210が印加する電圧を変更しても、一次転写電界が変化するのが抑制される。その結果、適正な一次転写コントラストを形成することができる。
一次転写コントラストは、表3のテーブルに基づいて設定される。表3はCPU回路部150内に設けられた記憶部に記憶されたテーブルであって、一次転写コントラストと雰囲気環境との関係を示す。このテーブルは、一次転写コントラストを、色(Y,M,C,Bk)と雰囲気環境に応じて、設定し分ける。
例えば、絶対水分量が9(g/m)の雰囲気環境において、坪量が64(g/m)の記録材について片面印刷をユーザに選択されてから、坪量が150(g/m)の記録材について片面印刷をユーザに選択された場合について説明する。この場合、記録材の分担電圧V2が800Vから950Vへ変わるので、二次転写目標電圧Vtが変わる。一方で記録材の厚さは一次転写には関係しないので、適正な一次転写コントラストは変わらない。
そこで二次転写コントラスト適正化のために、二次転写用電源210が二次転写外ローラに印加する電圧が変更される。しかしツェナーダイオードにかかる電圧がツェナー降伏電圧を維持する範囲で行われることで、中間転写ベルトの電位は300Vで一定に保持される。さらに静電像形成手段の静電像形成条件を変更することなく、静電像形成手段の静電像形成条件は維持される。その結果、Y,M,C,K色それぞれについての一次転写コントラストが適正な値580V、540V,540V,490Vで維持される。
[ツェナーダイオードの温度特性]
本実施形態では、一次転写を安定させるために、中間転写体とアースとの間にツェナーダイオードを接続した上で、一次転写中は、ツェナーダイオードの電圧降下がツェナー降伏電圧を維持するように、電圧を印加する。
しかしツェナーダイオード自身が、ツェナー降伏電圧が温度に応じて変化するという温度特性を持つ。
すなわち、ツェナー降伏電圧の規格電圧とは所定の基準温度についての値であるので、所定の基準温度下ではツェナー降伏電圧は規格電圧である。すなわち所定の基準温度下ではツェナーダイオードの電圧降下は規格電圧を維持する。しかし温度が基準温度と異なる場合、実際のツェナー降伏電圧は規格電圧とは異なる値になる。すなわちツェナーダイオードの電圧降下は、規格電圧とは異なる電圧を維持する。そうすると中間転写体の電位は、規格電圧によって決まる電圧とは異なる値になる。その結果、中間転写体と像担持体との間の一次転写電界もずれるので、一次転写に影響するおそれがある。例えば、画像の色見が変わってしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、一次転写に影響するのを抑制するために、ツェナーダイオードの温度特性に起因する中間転写体の電位のずれを補正する。すなわち、ツェナーダイオードの温度特性に対応する情報に応じて、感光体ドラム上の画像部電位を変更する。
ツェナーダイオードは、流れ込む電流を一定に保っておいても、周囲の温度に伴ってツェナー降伏電圧Vbrが変化する、という温度特性をもっている。図5は、基準温度23℃におけるツェナー降伏電圧Vbrと温度係数γzの関係を示す。ツェナーダイオード1個あたりのツェナー降伏電圧Vbrが大きくなるに連れて、温度係数γzの値が大きくなる特性をもっている。
[中間転写体の電位の変動量ΔVitbの算出]
ここでは、ツェナー降伏電圧Vbrが150Vのツェナーダイオードを2個直列接続することで中間転写ベルトの電位Vitbを300Vに維持した場合について説明する。
まず、本実施形態ではツェナーダイオードは画像形成装置内の温湿度センサー207近傍に配置されており、リアルタイムにツェナーダイオード近傍の雰囲気温度を検知することができる。画像形成装置内の雰囲気温度は、高温高湿環境下(30℃、80%RH)において自動両面で連続通紙した直後に最も高い状態に到達し、約50℃まで上昇する。一方で、低温低湿環境下(15℃、10%RH)で画像形成装置を立ち上げた直後には15℃程度である。つまりこれらを比較すると、画像形成装置内の雰囲気温度は約35℃の変動幅をもっていることになる。ここで、図5より基準温度23℃におけるツェナー降伏電圧
Vbrと温度係数γzは、
γz=1.1×Vbr−5.0
の関係になっているので、Vbr=150Vでの温度係数γzは160mV/℃となる。その結果、雰囲気温度についての35℃の変動幅に対応する中間転写ベルト56の電位Vitbの変動量は次のようになる。Vitb=300Vの場合は、
160(mV/℃)×35(℃)×2(個)=11.2(V)
Vitb=450Vの場合は、
160(mV/℃)×35(℃)×3(個)=16.8(V)
また、規格電圧(基準温度におけるツェナー降伏電圧)と所定の温度における実際のツェナー降伏電圧とのずれを示すΔVitbは、
温度が50℃の場合には、
160(mV/℃)×(50−23)(℃)×2(個)=8.6(V)
温度が15℃の場合には、
160(mV/℃)×(15−23)(℃)×2(個)=2.5(V)
となる。すなわち、Vitbの値が雰囲気温度によって変動するため、表3の設定に基づいて設定していた転写コントラストVtrに対してΔVitbだけずれが発生することとなる。
[転写コントラストVtrの補正方法]
転写コントラストVtrが10V変動するとハーフトーン等のハイライト側での色味変動が目立つようになる。そのため、雰囲気温度の変動による中間転写ベルトの電位Vitbの変動量ΔVitbをΔVitb<10Vに補正する必要がある。
図6は本実施形態における転写コントラストVtrの補正方法についてのフローチャートを示す。以下のフローチャートは、CPU回路部150によって実行される。
まず、ユーザからジョブが投入された直後に、ツェナーダイオード11近傍の雰囲気温度T0を温湿度センサー207によって検知する。このとき、雰囲気温度の変動量ΔT=T0―Tsから、Vitbの変動量ΔVitbを算出する。ここで、Tsは雰囲気温度23℃とする(Step1)。次に、Vitbの変動量ΔVitbと色味変動の閾値αの判別式を用いて、転写コントラストVtrに対する補正が必要かどうかを判定する(Step2)。―(4/5)α<ΔVitb<(4/5)α/の場合は、変動量ΔVitbが小さくて、色見変動が生じないと判断する。そこで転写コントラストVtrの補正をせずに画像形成動作を開始させる(Step3)。ΔVitb≦―(4/5)αの場合は、変動量ΔVitbが大きいので色見を変動させるおそれがあると判断する。この場合、中間転写体の電位Vitbが規格電圧によって決まる設定電圧よりも低くなるので、転写コントラストが不足するおそれがある。そこで転写コントラストを広げる方向で画像部電位を補正するために、画像部電位の絶対値を大きくする。その後、画像形成動作を開始させる(Step3)。(4/5)α≧ΔVitbの場合は、変動量ΔVitbが大きいので色見を変動させるおそれがあると判断する。この場合、中間転写体の電位Vitbが規格電圧によって決まる設定電圧よりも高くなっているので、転写コントラストが過剰になっているおそれがある。そこで転写コントラストを狭める方向で補正するために画像部電位の絶対値を小さくする。その後、画像形成動作を開始させる(Step3)。
また1ジョブにおいて画像を形成する記録材の枚数が多いと、装置内の温度が次第に上昇する。その結果、ツェナーダイオードの温度特性に起因して、中間転写体の電位の変動が大きくなれば、一次転写に影響するおそれがある。その結果、同じジョブで形成する画像間で、色見の変動が生じるおそれがある。そこでStep3に続いて、1ジョブ内での色味変動を抑えるため、所定枚数毎に転写コントラストVtrに対する補正の有無を判定する(Step4)。―(4/5)α<ΔVitb<(4/5)αの場合は、転写コントラストVtrの補正をせずに画像形成動作を継続させる(Step5)。(4/5)α≧ΔVitbの場合は、Vitbが想定よりも高くなっているので転写コントラストを狭める方向で補正してから、画像形成動作を継続させる(Step5)。画像形成動作終了後、Step1へ戻る。
次に、転写コントラストVtrの補正方法について説明する。補正方法としては、現像コントラストVcaと静電像コントラストVcbの値を維持した状態で非画像部電位Vd、現像バイアスVdc、画像部電位Vlの設定値をそれぞれΔVitbだけシフトさせることで、転写コントラストVtrを適正値に戻す。
表4−1から表4−3は、M色の初期状態、10K(1K=A4サイズで1000枚)耐久時、20K耐久時における非画像部電位Vd、現像バイアスVdc、画像部電位Vl、1次転写コントラストVtrの設定テーブルである。表4−1から表4−3は、ある雰囲気環境での、非画像部電位Vd、現像バイアスVdc、画像部電位Vl、1次転写コントラストVtr、中間転写ベルト56の電位の変動量ΔVitbの関係を示す。また、中間転写ベルト56の電位の変動量ΔVitbは、ツェナー降伏電圧Vbrが150Vのツェナーダイオード11を2個直列接続することで中間転写ベルト56の電位Vitbを300Vに維持した場合の値である。そのため、色味変動の閾値α=10(V)とする。
例えば、絶対水分量が22(g/m)の雰囲気環境での初期状態において、
雰囲気温度が30℃と50℃の場合について説明する。
雰囲気温度30℃の場合は、
ΔVitb=160(mV/℃)×(30−23)(℃)×2(個)=2.2(V)となる。
中間転写ベルト56の電位の変動量ΔVitbが2.2(V)であり、8.0(V)以下である。変動量ΔVitbが小さいので、色見変動に影響するおそれがない。つまり、Vitbを補正する必要はない。
一方、雰囲気温度50℃の場合は、
ΔVitb=160(mV/℃)×(50−23)(℃)×2(個)=8.6(V)となる。
中間転写ベルト56の電位の変動量ΔVitbが8.6(V)となり、4.0(V)以上である。変動量ΔVitbが小さいので、色見変動に影響するおそれがある。そこでVitbを補正するのが望ましい。
中間転写ベルトの電位Vitbは、
Vitb=300+8.6=308.6V
となる。
中間転写ベルト56の電位Vitbが300(V)から308.6(V)に変動するので、画像部電位を変更しなければ、1次転写コントラストVtrが設定値の440(V)から448.6(V)に増加していることになる。そこで画像部電位の絶対値が小さくなるように補正する。すなわちVd、Vdc、Vlの設定値にそれぞれ変動量ΔVitb(8.6V)を加算する補正を行う。
補正後のVd=−530+8.6=−521(V)
補正後のVdc=―330+8.6=−321(V)
補正後のVl=−140+8.6=−131(V)
まとめると、Vdが−530(V)から−521(V)、Vdcが−330(V)から−321(V)、Vlが−140(V)から−131(V)に補正される。
このように、所定の水分量に対して、装置内の温度が高くなると、画像部の電位の絶対値が小さくなるように制御する。
なお、本実施形態では色味変動の閾値α=10Vに設定したが、閾値αは10Vに限定する必要はない。また、表4−1から表4−3の設定値Vd、Vdc、Vl、Vtrは本実施形態の構成における値である。これらの数値に限定する意図ではない。使用するトナー母体、トナーの外添処方や、感光体ドラム50a、50b、50c、50d、中間転写ベルト56等のキーパーツの処方によって適宜設定するのが望ましい。
以上により、ツェナーダイオード11の温度特性によって生じる中間転写体の電位変動量を導出し、一次転写コントラストの適正値からのずれを補正することができる。その結果、ハーフトーン等の画像で発生する色味変動を抑制することが可能となる。
なお、本実施形態は、ツェナーダイオードの温度特性に応じて画像部電位を変更する構成であるので、ツェナーダイオードの温度特性の大きいような安価のツェナーダイオードを用いる構成では、特に有効である。もちろんツェナーダイオードの温度特性の大きいような安価のツェナーダイオードを用いる構成に限定する意図ではない。ツェナー降伏電圧Vbrの温度変化が少ないツェナーダイオードを使用する構成にも適用することができる。
なお、本実施形態では、ツェナーダイオード11の温度に対応する情報を検知する検知手段として、温湿度センサー207を配置する構成である。もちろんこの構成に限定する意図でない。
ツェナーダイオード11の温度に対応する情報を、ひとつの画像形成ジョブで画像を形成する記録材の枚数をカウントすることで検知する構成にすることもできる。
また、ツェナーダイオード11の温度に対応する情報を、二次転写部を流れる電流と二次転写外ローラに印加される電圧との関係に基づいて検知する構成にすることもできる。
あるいは、ツェナーダイオード11の温度に対応する情報を、画像形成装置の通電期間に基づいて検知する構成にすることもできる。
なお、本実施形態では、ツェナーダイオード自身の温度特性に起因して中間転写ベルトの電位が変わっても、一次転写不良に影響するのを抑制するために、ツェナーダイオードの温度特性に応じて画像部電位を変更する。さらに、ツェナーダイオード自身の温度特性に起因してツェナーダイオードにかかる電圧がツェナー降伏電圧を下回るのを抑制することができるのが望ましい。そこでツェナーダイオードの温度特性に応じて印加電圧を変更する構成にすることもできる。すなわち、ツェナーダイオードの温度特性に応じて画像部電位を変更するとともに、印加電圧を変更する構成にすることもできる。
なお本実施形態は、電子写真方式で静電像を形成する画像形成装置について説明したが、この構成に限定する意図ではない。電子写真方式でなくて、静電気力方式で静電像を形成する画像形成装置にすることもできる。
(実施形態2)
実施形態1においては、ツェナーダイオード11の温度特性を検知するために二次転写部および定着器近傍の近傍に配置された温湿度センサー207を利用してツェナーダイオードの温度特性も検知していた。しかしながら、中間転写ベルトユニットの交換性を考慮すると、中間転写ベルトユニット内部にツェナーダイオード11を設置した構成が好ましい。また、ツェナーダイオード11の温度特性の検知精度も考慮すると、ツェナーダイオード11直近に温度センサーを追加することが好ましい。そこで、本実施形態2では、ツェナーダイオード11を配列した基板210を図7(a)、(b)に示すように中間転写ベルトユニットのベルト内面かつ、画像形成装置本体の背面側に配置する。ツェナーダイオード11のアースは、中間転写ベルトユニットを画像形成装置本体に入れた時に画像本体側のアースに接触できる構成とする。また、ツェナーダイオード11を設置した基板210の5cm以内の範囲に温湿度センサー207とは別の温度センサー208を配置した。
その結果、中間転写ベルトユニットの交換性が向上し、かつ、ツェナーダイオード11の温度特性をより高精度で検知可能となる。
以上により、ツェナーダイオード11の温度特性によって生じる中間転写体の電位変動量を導出し、一次転写コントラストの適正値からのずれを補正することができる。その結果、ハーフトーン等の画像で発生する色味変動を抑制することが可能となる。
50 感光ドラム
56 中間転写ベルト
210 二次転写用電源
64 二次転写外ローラ
150 CPU回路部

Claims (6)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体にトナー像を形成するため静電像を形成する静電像形成手段と、
    前記像担持体に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、
    記録材を前記中間転写体とともに挟持して前記中間転写体からトナー像を記録材に二次転写する転写部材と、
    前記中間転写体からトナー像を記録材に二次転写する二次転写電界と、前記像担持体からトナー像を前記中間転写体に一次転写する一次転写電界とを形成するために、前記転写部材に電圧を印加する電源と、
    前記中間転写体とアースとの間に接続されるツェナーダイオードと、
    前記ツェナーダイオードの温度に対応する情報に応じて、前記像担持体上のトナー像が形成される画像部の電位を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記ツェナーダイオードの温度を検知する検知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
  3. 前記検知手段はツェナーダイオードの近傍に配置されることを特徴とする請求項2に記載された画像形成装置。
  4. 前記中間転写体を張架する複数の部材を備えて、前記ツェナーダイオードは、前記複数の部材の全てとアースとの間に接続されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載された画像形成装置。
  5. 前記中間転写体は2層以上の構成であり、前記像担持体側の表層の抵抗が他の層の抵抗よりも高いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載された画像形成装置。
  6. 像担持体と、
    前記像担持体にトナー像を形成するため静電像を形成する静電像形成手段と、
    前記像担持体に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、
    記録材を前記中間転写体とともに挟持して前記中間転写体からトナー像を記録材に二次転写する転写部材と、
    前記中間転写体からトナー像を記録材に二次転写する二次転写電界と、前記像担持体からトナー像を前記中間転写体に一次転写する一次転写電界とを形成するために、前記転写部材に電圧を印加する電源と、
    前記中間転写体とアースとの間に接続されるツェナーダイオードと、
    所定の装置内の水分量に対して、装置内の温度が高くなると、画像部の電位の絶対値が小さくなるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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