JP2016143008A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一次転写専用の電源を省いた構成において、中間転写体と接地電位との間に接続される定電圧素子の温度変化によって一次転写不良が発生することを抑制することが可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】中間転写体5と接地電位との間に接続された定電圧素子9を有し、電源210から転写部材7に電圧を印加することで、一次転写部N1に一次転写のための一次転写電界を形成すると共に、二次転写部N2に二次転写のための二次転写電界を形成する画像形成装置100は、定電圧素子9の温度に関する情報を取得する取得手段150と、取得手段150によって取得された情報に基づいて感光体1上に形成される静電像の電位を調整する調整手段150と、を有する構成とする。【選択図】図6

Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、多様な記録材に対応するために、感光体から中間転写体にトナー像を転写(一次転写)して、その後そのトナー像を中間転写体から記録材に転写(二次転写)する中間転写方式が知られている。一般に、中間転写方式の画像形成装置では、感光体からトナー像を中間転写体へ一次転写するために、中間転写体を介して感光体に当接する一次転写部材を設け、一次転写部材に一次転写専用の電源から電圧を印加して一次転写部に一次転写電界を形成する。また、中間転写体からトナー像を記録材に二次転写するために、中間転写体に当接する二次転写部材を設け、二次転写部材に二次転写専用の電源から電圧を印加して二次転写部に二次転写電界を形成する。この構成では、二次転写用の電源とは別に一次転写専用の電源を必要とする。
これに対して、二次転写部から中間転写体の周方向に電流を流して一次転写と二次転写の両方を行うものが提案されている(特許文献1)。つまり、中間転写体として周方向に電流を流すことが可能な導電性を有する無端状のベルト(中間転写ベルト)を用い、このベルトの張架ローラを受動素子としてのツェナーダイオードを介して接地し、二次転写部材に電圧を印加してベルトに電流を流す。張架ローラをツェナーダイオードを介して接地した場合、二次転写部材に一定値以上の電圧を印加することで、中間転写ベルトの電位が任意のツェナー電圧(降伏電圧)に保たれる。また、二次転写部材に電圧が印加されることで電流が中間転写ベルトを介して感光体に流れ込み、一次転写専用の電源を有する場合と同様に一次転写部に一次転写電界を形成することができる。
特開2012−98709号公報
しかしながら、中間転写体と接地電位との間に接続されるツェナーダイオードには、温度特性があるため、中間転写体の電位が画像形成装置内の雰囲気温度の影響を受けて変動するおそれがある。その結果、感光体と中間転写体との間の電位差である一次転写コントラストが適正値からずれてしまい、一次転写不良が発生する可能性がある。そして、例えば、ハーフトーンなどのハイライト側の画像の色味変動などが発生する可能性がある。
したがって、本発明の目的は、一次転写専用の電源を省いた構成において、中間転写体と接地電位との間に接続される定電圧素子の温度変化によって一次転写不良が発生することを抑制することが可能な画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記感光体を露光して前記感光体上に静電像を形成する露光手段と、前記感光体上の静電像をトナーで現像してトナー像とする現像手段と、前記感光体に接触して一次転写部を形成し前記一次転写部で前記感光体からトナー像が一次転写される中間転写体と、前記中間転写体に接触して二次転写部を形成し前記中間転写体から記録材にトナー像を二次転写させる転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する電源と、前記中間転写体と接地電位との間に接続された定電圧素子と、を有し、前記電源から前記転写部材に電圧を印加することで、前記一次転写部に前記一次転写のための一次転写電界を形成すると共に、前記二次転写部に前記二次転写のための二次転写電界を形成する画像形成装置において、前記定電圧素子の温度に関する情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された情報に基づいて前記感光体上に形成される静電像の電位を調整する調整手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、一次転写専用の電源を省いた構成において、中間転写体と接地電位との間に接続される定電圧素子の温度変化によって一次転写不良が発生することを抑制することが可能となる。
本発明の一実施例に係る画像形成装置の模式的な断面図である。 中間転写ベルトの電位と静電像の電位との関係を示す模式図である。 ツェナーダイオードのIV特性を示すグラフ図である。 本発明の一実施例に係る画像形成装置の要部の制御態様を示すブロック図である。 ツェナーダイオードの温度特性を示すグラフ図である。 実施例1の制御のフローチャート図である。 通紙積算時間とツェナーダイオードの温度との関係の一例を示すグラフ図である。 実施例2の制御のフローチャート図である。 通電積算時間とツェナーダイオードの温度との関係の一例を示すグラフ図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例に係る画像形成装置100の概略構成を示す模式的な断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式により各色のトナー像を形成する画像形成手段が独立に設けられるタンデム方式を採用している。また、本実施例の画像形成装置100は、複数の画像形成手段によって形成されたトナー像を中間転写体に一次転写した後、そのトナー像を中間転写体から記録材に二次転写する中間転写方式を採用している。
画像形成装置100は、複数の画像形成手段として、第1、第2、第3、第4の画像形成部(画像形成ユニット、ステーション)SY、SM、SC、SKを有する。第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成する。第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、中間転写体の移動方向において上流側からこの順に配置されている。本実施例では、各画像形成部SY、SM、SC、SKの構成及び動作は、現像工程で使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同一である。したがって、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表す符号の末尾のY、M、C、Kは省略して、当該要素について総括的に説明する。
画像形成部Sは、トナー像を担持する像担持体として、回転可能なドラム型(円筒形)の電子写真感光体(感光体)である感光ドラム1を有する。画像形成部Sにおいて、感光ドラム1の周囲には、次の各機器が配置されている。まず、帯電手段としての帯電器2が配置されている。また、露光手段としての露光装置3が配置されている。また、現像手段としての現像装置4が配置されている。また、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置6が配置されている。
感光ドラム1は、図中矢印R1方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。回転する感光ドラム1の表面は、帯電器2によって所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に帯電させられる。帯電時に、帯電器2には、帯電電圧印加手段としての帯電電源(帯電高圧電源)203(図4)から帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。帯電させられた感光ドラム1の表面は、露光装置3によって露光される。露光装置3は、レーザースキャナーを有しており、このレーザースキャナーの出力が画像情報に基づいてオン/オフされることによって、画像に対応した静電像(静電潜像)が感光ドラム1上に形成される。露光時に、レーザースキャナーには、露光電圧印加手段としての露光電源(露光高圧電源)202(図4)か駆動電圧が印加される。本実施例では、帯電器2と露光装置3とで、感光ドラム1上に静電像を形成する静電像形成手段が構成される。感光ドラム1上に形成された静電像は、現像装置4によって現像剤としてのトナーを用いてトナー像として現像(可視化)される。現像装置4は、トナーを収容する現像剤容器と、トナーを担持して感光ドラム1へ搬送する現像剤担持体としての現像ローラ41と、を有する。現像時に、現像ローラ41には、現像電圧印加手段としての現像電源(現像高圧電源)201(図4)から現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、イメージ部露光と反転現像とによってトナー像が形成される。すなわち、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部に、感光ドラム1の帯電極性と同極性に帯電したトナーが付着する。
各画像形成部SY、SM、SC、SKの感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに対向して、中間転写体としての無端状のベルトで構成された回転可能な中間転写ベルト5が配置されている。中間転写ベルト5は、張架部材としてのテンションローラ51、第1、第2のアイドラローラ52、53、駆動ローラ(二次転写内ローラ)54(これらを総称して「張架ローラ」ともいう。)によって張架されている。中間転写ベルト5は、図中矢印R2方向に、感光ドラム1の周速度と略同一の周速度で回転駆動される。中間転写ベルト5は、その外周面と各感光ドラム1Y、1M、1C、1Kとが接触する各一次転写部(一次転写ニップ)N1Y、N1M、N1C、N1Kを形成する。感光ドラム1に形成されたトナー像は、一次転写部N1において、中間転写ベルト5に静電的に転写(一次転写)される。例えば、フルカラー画像形成時には、各感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成された各色のトナー像が、各一次転写部N1Y、N1M、N1C、N1Kで、順次重ね合わせるようにして中間転写ベルト5上に転写される。このとき、一次転写部N1に、トナーを感光ドラム1から中間転写ベルト5に移動させる一次転写電界が形成される。一次転写については、後で更に詳しく説明する。一次転写後に感光ドラム1上に残留したトナー(一次転写残トナー)は、ドラムクリーニング装置6によって感光ドラム1上から除去されて回収される。
一方、中間転写ベルト5の外周面側において駆動ローラ54と対向する位置には、二次転写手段としてのローラ型の二次転写部材である二次転写ローラ(二次転写外ローラ)7が配置されている。二次転写ローラ7は、中間転写ベルト5を介して駆動ローラ54に向けて付勢(押圧)され、中間転写ベルト5と二次転写ローラ7とが接触する二次転写部(二次転写ニップ)N2を形成する。また、記録用紙などの記録材Pは、トレイ(図示せず)に収容されている。記録材Pは、このトレイから所定のタイミングでピックアップローラ(図示せず)によって取り出されて、搬送ローラ(図示せず)などによってレジストレーションローラ8へ搬送される。記録材Pは、レジストレーションローラ8によって、中間転写ベルト5上のトナー像と同期して二次転写部N2へ搬送される。二次転写ローラ7には、二次転写電圧印加手段としての二次転写電源(二次転写高圧電源)210が接続されている。中間転写ベルト5上のトナー像は、二次転写部N2において、中間転写ベルト5と二次転写ローラ7とで挟持されて搬送される記録材P上に静電的に転写(二次転写)される。このとき、二次転写ローラ7には、二次転写電源210から、現像時のトナーの帯電極性(正規の帯電極性)とは逆極性の直流電圧である二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。これにより、二次転写部N2に、トナーを中間転写ベルト5から記録材Pに移動させる二次転写電界が形成される。中間転写ベルト5の回転方向において二次転写部N2よりも下流側かつ最上流の一次転写部N1Yよりも上流側に、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置55が配置されている。本実施例では、ベルトクリーニング装置55は、中間転写ベルト5を介してテンションローラ51と対向する位置に配置されている。二次転写後に中間転写ベルト5上に残留したトナー(二次転写残トナー)や紙粉は、ベルトクリーニング装置55によって中間転写ベルト5上から除去されて回収される。
トナー像が転写された記録材Pは、定着装置(図示せず)へ搬送され、定着装置において加熱及び加圧されることでその上にトナー像が定着される。その後、記録材Pは機外に排出される。
なお、本実施例では、画像形成装置100は、通紙モード(画像形成モード)として、片面印字モードと、自動両面印字モードと、手差両面印字モードと、を実行可能とされている。片面印字モードでは、記録材Pの片面に画像が形成されて出力される。自動両面印字モードでは、記録材Pの表裏が両面機構(図示せず)によって自動で反転されて、記録材Pの両面に画像が形成されて出力される。手差両面印字モードでは、片面に画像が形成されて出力された記録材Pの表裏をユーザーなどの操作者が手動で反転させて手差トレイ(図示せず)に載置し、その記録材Pに再度画像が形成されて出力される。
2.中間転写ベルト
本実施例では、中間転写ベルト5は、多層構成であり、表層の電気抵抗が他の層の電気抵抗よりも高くなっている。より詳細には、本実施例の中間転写ベルト5は、基層と表層とからなる二層構成である。基層には、ポリイミド、ポリアミド、PEN、PEEKなどの樹脂、又は各種ゴムなどに、カーボンブラックなどの帯電防止剤を適当量含有させたものが用いられる。基層は、その体積抵抗率が10〜10Ω・cmとなるように形成される。本実施例では、基層として、ポリイミドを用いて形成された中心厚みが45〜150μm程度のフィルム状の無端ベルトを用いた。そして、基層上には、体積抵抗率が1013〜1016Ω・cmのコート層が設けられる。本実施例では、表層として、厚みが1〜10μm程度のアクリルコート層を用いた。このように、中間転写ベルト5は、表層の電気抵抗よりも、基層の電気抵抗の方が低い。
中間転写ベルト5は、上述のように、テンションローラ51、第1、第2のアイドラローラ52、53、駆動ローラ54によって張架されている。アイドラローラ52、53は、4個の感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの配列方向に沿って延びる中間転写ベルト5を張架する。テンションローラ51は、中間転写ベルト5に対して一定の張力を与える。また、テンションローラ51は、中間転写ベルト5の蛇行を補正する補正ローラとしても機能する。本実施例では、テンションローラ51に対する中間転写ベルト5のテンションは、5〜12kgf程度に設定されている。このベルトテンションがかけられることで、中間転写ベルト5と各感光ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間の接触部(ニップ部)である一次転写部N1Y、N1M、N1C、N1Kが形成される。駆動ローラ54は、駆動手段としての定速性に優れたモーター(図示せず)により駆動されて、中間転写ベルト5を循環駆動(回転)させる。
なお、本実施例では、駆動ローラ54は、芯金(芯材)の上に、EPDMゴムを用いて形成された導電性の弾性層(ゴム層)を有する。この駆動ローラ54の直径は20mm、弾性層の厚さは0.5mm、硬度は70°(Asker−C)である。また、本実施例では、二次転写ローラ7は、芯金(芯材)の上に、NBRゴムやEPDMゴムなどを用いて形成された導電性の弾性層(ゴム層)を有する。この二次転写ローラ7の直径は、24mmである。
3.一次転写電界の形成
本実施例の画像形成装置100は、コストダウンを図るなどのために、一次転写専用の電源を省いた構成とされている。そのため、本実施例では、感光ドラム1から中間転写ベルト5にトナー像を静電的に一次転写するために、二次転写電源210を用いる。
ここで、中間転写ベルト5の張架ローラ51〜54が直接的に接地電位に接続されていると、二次転写電源210が二次転写ローラ7に電圧を印加した際に、張架ローラ51〜54側へ過度に電流が流れてしまうおそれがある。つまり、二次転写電源210から二次転写ローラ7に電圧を印加しても、中間転写ベルト5を介して各画像形成部Sの各感光ドラム1へ十分に電流が流れないおそれがある。その結果、各感光ドラム1と中間転写ベルト5との間に、感光ドラム1から中間転写ベルト5にトナー像を転写するための一次転写電界が十分に働かないおそれがある。そこで、一次転写専用の電源を省いた構成において、一次転写電界を働かせるためには、すべての張架ローラ51〜54と接地電位との間に受動素子を接続して、張架ローラ51〜54へ過度に電流が流れるのを抑制することが望ましい。これにより、中間転写ベルト5の電位が高くなり、各感光ドラム1と中間転写ベルト5との間に一次転写電界が働くようになる。
なお、中間転写ベルト5自体の電気抵抗を過度に高くしてしまうと、中間転写ベルト5における電圧降下が大きくなる。その結果、中間転写ベルト5を介して各感光ドラム1へ電流が流れにくくなるおそれがある。そのため、中間転写ベルト5が低抵抗の層を有していることが望ましい。本実施例では、中間転写ベルト5における電圧降下を抑制するために、中間転写ベルト5は、その基層の表面抵抗率が10Ω/□以上、10Ω/□以下となるように形成される。
次に、図2を参照して、感光ドラム1の電位と中間転写ベルト5の電位との差である一次転写コントラストについて説明する。図2に示すように、感光ドラム1は、帯電器2によって帯電させられて、その表面電位が一様に所定の帯電電位(暗部電位)Vd(図2の例では−678V)とされる。また、帯電させられた感光ドラム1は、露光装置3によって露光されて、その表面電位が所定の露光部電位(明部電位)Vl(図2の例では−240V)とされる。帯電電位Vdは、トナーが付着されない非画像部の電位であり、露光部電位Vlは、感光ドラム上のトナーが付着される画像部の電位である。また、図2においてVitbは中間転写ベルト5の電位を示す。
感光ドラム1の表面電位は、感光ドラム1の回転方向において露光装置3による露光位置の下流側かつ現像装置4による現像位置の上流側の位置で、感光ドラム1に近接して配置された電位検出手段としての電位センサー206(図4)により検出される。そして、感光ドラム1の表面電位は、電位センサー206の検出結果に基づいて、後述する制御部150によって制御される。つまり、電位センサー206は、感光ドラム1の表面の非画像部電位と画像部電位とを検出する。制御部150は、非画像部電位の検出結果に基づいて帯電器2による感光ドラム1の帯電電位を制御し、また画像部電位の検出結果に基づいて露光装置3の露光光量を制御する。これにより、感光ドラム1の表面電位は、画像部電位と非画像部電位の両方とも適正値に制御される。
上述のように制御される感光ドラム1の表面電位に対して、現像装置4に所定の現像バイアスVdc(図2の例ではDC成分が−467V)が印加される。これにより、所定の極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが感光ドラム1側に移動させられる。感光ドラム1上の画像部電位Vlと現像バイアスVdcとの電位差である現像コントラストVcaは、−240(V)−(−467(V))=227(V)となる。また、感光ドラム1上の画像部電位Vlと非画像部電位Vdとの電位差である静電像コントラストVcbは、−240(V)−(−678(V))=438(V)となる。そして、感光ドラム1上の画像部電位Vlと中間転写ベルト5の電位Vitb(図2の例では300V)との電位差である一次転写コントラストVtrは、300(V)−(−240(V))=540(V)となる。
このように、本実施例では、一次転写時に、二次転写電源210により二次転写ローラ7に電圧が印加されると、電流が中間転写ベルト5を介して各感光ドラム1に流れ込む。そのため、各一次転写部N1に、一次転写専用の電源を有する構成と同様の電界の作用が働き、各感光ドラム1から中間転写ベルト5にトナー像を一次転写することができる。つまり、本実施例では、二次転写電源210によって中間転写ベルト5の周方向に電流が流されることによって、中間転写ベルト5が帯電し、一次転写部N1に電位が生成される。より詳細には、一次転写部N1において中間転写ベルト5に正極性(トナーの正規の帯電極性とは逆極性)の所定の電位が生成される。この所定の電位は、感光ドラム1の電位に対して正極性(トナーの正規の帯電極性とは逆極性)側に高い。これにより、一次転写部N1において、中間転写ベルト5と感光ドラム1との間の電位差(一次転写コントラスト)により形成される一次転写電界の作用で、感光ドラム1上の負極性に帯電したトナーが中間転写ベルト5上に移動して、一次転写が行われる。
また、本実施例では、二次転写時には、二次転写電源210から二次転写ローラ7に電圧が印加されることによって、二次転写部N2に電位が生成される。より詳細には、二次転写部N2において二次転写ローラ7に正極性(トナーの正規の帯電極性とは逆極性)の所定の電位が生成される。この所定の電位は、中間転写ベルト5の電位に対して正極性(トナーの正規の帯電極性とは逆極性)側に高い。これにより、二次転写部N2において、中間転写ベルト5と二次転写ローラ7との間の電位差(二次転写コントラスト)により形成される二次転写電界の作用で、中間転写ベルト5上の負極性に帯電したトナー像が記録材P上に移動して、二次転写が行われる。
4.ツェナーダイオードのVI特性
一次転写専用の電源を省いた構成では、一次転写の成否は、中間転写ベルト5の電位と感光ドラム1の電位との電位差である一次転写コントラストによって決まる。そのため、一次転写コントラストを安定的に形成するためには、中間転写ベルト5の電位を一定に維持することが望ましい。そこで、本実施例では、張架ローラ51〜54と接地電位との間に接続される受動素子として、定電圧素子であるツェナーダイオードを用いる。
図3は、ツェナーダイオードの電流電圧特性(IV特性)を示す。ツェナーダイオードは、ツェナー電圧(降伏電圧)Vbr以上の電圧が印加されるまでほとんど電流を流さないが、ツェナー電圧以上の電圧が印加されると急激に電流が流れるような特性を有する。すなわち、ツェナーダイオードにかかる電圧がツェナー電圧以上の場合には、ツェナーダイオードの電圧降下はツェナー電圧で一定に維持される。このようなツェナーダイオードの電流電圧特性を利用して、中間転写ベルト5の電位を一定に維持することができる。
本実施例では、すべての張架ローラ51〜54と接地電位との間に、共通のツェナーダイオード9が接続される。そして、一次転写中は、ツェナーダイオード9にかかる電圧がツェナー電圧以上の範囲になるように、二次転写電源210から二次転写ローラ7に電圧が印加される。これにより、一次転写中に、中間転写ベルト5の電位を一定に維持することができる。
なお、本実施例では、二次転写中は、二次転写電源210から、詳しくは後述するようにして制御される電圧が、二次転写ローラ7に印加される。この電圧は、上述のように中間転写ベルト5の電位を一定に維持(すなわち、ツェナーダイオードにかかる電圧をツェナー電圧以上に維持)するのに必要な電圧(以下「下限電圧」ともいう。)と同極性でかつ該下限電圧の絶対値よりも大きい絶対値の電圧となる。より詳細には、本実施例では、ジョブ(後述)が開始されると、一次転写部N1における一次転写が開始される前に、二次転写電源210から二次転写ローラ7への、上記下限電圧の印加が開始される。その後、一次転写と二次転写とが重ならない期間では、この下限電圧が継続して印加される。そして、二次転写部N2における二次転写が開始される前に、上記下限電圧に所望の電圧分を上乗せするようにして、二次転写に必要な電圧の印加が開始される。これにより、二次転写中も中間転写ベルト5の電位は一定に維持されるので、二次転写と同時に一次転写を行うことができる。その後、二次転写部N2における二次転写が終了した後に、二次転写電源210から二次転写ローラ7への電圧の印加は終了することができる。また、連続画形成中の二次転写部N2に記録材Pがない紙間(後述)では、上記二次転写に必要な電圧の印加を継続してもよいし、上記下限電圧に戻してもよい。典型的には、ジョブにおいて一次転写工程の開始時(より詳細には開始前の所定タイミング)から二次転写工程の終了時(より詳細には終了後の所定タイミング)までの間、二次転写ローラ7には下限電圧の絶対値以上の電圧が印加される。
本実施例では、中間転写ベルト5の電位Vitbは300Vに設定される。この場合、張架ローラ51〜54と接地電位との間に、例えばツェナー電圧Vbrが25Vのツェナーダイオード9を12個直列に接続することができる。この場合、ツェナーダイオード9にかかる電圧がツェナー電圧以上であると、中間転写ベルト5の電位Vitbは、各ツェナーダイオード9のツェナー電圧の合計である25×12=300Vで一定に維持される。なお、ツェナーダイオード9は、複数用いることに限定されるものではない。ツェナーダイオード9を1つだけ用いることもできる。また、中間転写ベルト5の表面電位は、300Vにすることに限定されるものではない。使用するトナーの種類や感光ドラム1の特性に応じて適宜設定することが望ましい。
5.ツェナーダイオードに流れる電流の検出
本実施例では、画像形成装置100は、ツェナーダイオード9を介して接地電位に流れ込む電流を検出するための電流検出手段として、張架ローラ流入電流検出回路(以下「流入電流計」ともいう。)205を有する。本実施例では、この流入電流計205を用いて、ツェナーダイオード9にかかる電圧がツェナー電圧以上の範囲内か範囲外か(すなわち、ツェナー電圧以上の電圧かツェナー電圧未満の電圧か)が判断される。つまり、流入電流計205によって電流が検出されない場合(より詳細には所定の閾値以上の電流が検出されない場合)は、ツェナーダイオード9にかかる電圧がツェナー電圧未満であると判断される。一方、流入電流計205によって電流が検出される場合(より詳細には所定の閾値以上の電流が検出される場合)は、ツェナーダイオード9にかかる電圧がツェナー電圧以上であると判断される。
6.コントローラ
図4は、本実施例の画像形成装置100の要部の制御態様を示すブロック図である。画像形成装置100は、画像形成装置100の全体の制御を行うコントローラ(制御部、CPU回路部)150を有する。コントローラ150は、演算処理部としてのCPU153、記憶部としてのROM151及びRAM152を内蔵する。コントローラ150には、二次転写部N2を流れる電流を検出するための電流検出手段として、転写電流検出回路(以下「転写電流計」ともいう。)204が接続されている。また、制御部150には、上述の流入電流計205が接続されている。また、制御部150には、上述の電位センサー206が接続されている。また、制御部150には、画像形成装置100の装置本体の内部の雰囲気環境を検出するための環境検出手段として、画像形成装置内の温湿度を検出するための温湿度センサー207が接続されている。
コントローラ150には、転写電流計204、流入電流計205、電位センサー206、温湿度センサー207から検出結果に係る情報が入力される。コントローラ150では、CPU153が、ROM151に格納されている制御プログラムに応じて、二次転写電源210、現像電源201、露光電源202、帯電電源203の制御を統括的に行う。後述する雰囲気環境や記録材Pの種類(本実施例では厚さ)に応じて一次転写電界や二次転写電界を制御するためのテーブルの情報は、ROM151に格納されている。CPU153は、このテーブルの情報を呼び出して制御に反映させる。RAM152は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
ここで、画像形成装置100は、一の開始指示により開始される、単一又は複数の記録材Pに画像を形成して出力する一連の画像出力動作(ジョブ)を行う。ジョブは、一般に、画像形成工程(印字工程)、前回転工程、複数の記録材Pに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に記録材Pに形成して出力する画像の静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の一次転写や二次転写を行う期間であり、画像形成時とはこの期間のことをいう。より詳細には、これら静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の一次転写や二次転写の各工程を行う位置で、画像形成時のタイミングは異なる。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程は、複数の記録材Pに対して画像形成工程を連続して行う際(連続画像形成)の記録材Pと記録材Pとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成時とは、画像形成時以外の期間であって、上記前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程時などが含まれる。
7.二次転写電界の制御
本実施例では、適正な二次転写電界を形成するために、二次転写電源210から二次転写ローラ7に印加される電圧がコントローラ150によって制御される。適正な二次転写電界は、雰囲気環境や記録材Pの種類(厚さ)によって変化する。そのため、本実施例では、ATVC(Active Transfer Voltage Control)とよばれる調整工程が、コントローラ150によって非画像形成時(より詳細には二次転写工程前の非二次転写時)に実行される。
ATVCは、概略、次のような制御である。二次転写部N2に記録材Pがないときに、二次転写電源210から二次転写ローラ7に電圧(調整電圧)を印加して、そのときの電圧値と電流値の情報を取得する。そして、その情報に基づいて二次転写時の二次転写電圧の目標値を求める。
ATVCは、ジョブごとに前回転工程においてそのジョブにおける二次転写電圧の目標電圧値を決定するために行うことができる。ただし、これに限定されるものではなく、ATVCは、複数回のジョブごとに、前回転工程において行うことができる。また、前回転工程に限らず、前多回転工程、紙間工程、後回転工程など、非画像形成時であれば、適宜のタイミングで行うことができる。
本実施例では、転写電流計204は、二次転写電源210が二次転写ローラ7に直流電圧を印加した際に二次転写ローラ7に流れる直流電流値を検知することができる。また、本実施例では、二次転写電源210は、コントローラ150の制御により設定される電圧値の定電圧を出力できるように構成されている。コントローラ150は、二次転写電源210の出力の設定値と、その設定値の電圧を出力している際の転写電流計204の検出結果とから、電圧値と電流値の情報を取得することができる。
具体的には、本実施例では、ATVCでは、二次転写電源210から二次転写ローラ7に定電圧制御された複数の調整電圧を印加する。そして、調整電圧が印加された際に二次転写部N2を流れる電流を、転写電流計204で測定する。これによって、電圧と電流との相関関係を算出することができる。また、算出した電流と電圧との相関関係に基づいて、二次転写に必要となる二次転写目標電流(以下、単に「目標電流」ともいう。)Itを流すための二次転写目標電圧(以下、単に「目標電圧」ともいう。)V1を算出することができる。目標電流Itは、表1のテーブルに基づいて設定される。
Figure 2016143008
表1は、コントローラ150内に設けられたROM151に記憶されたテーブルである。このテーブルは、画像形成装置100の装置本体の内部の雰囲気中の絶対水分量(g/m)に応じて、目標電流Itを設定し分けるものである。水分量が増大すると、目標電流Itが減少する。絶対水分量は、温湿度センサー207によって検出された温度と相対湿度とから、コントローラ150によって算出される。なお、本実施例では、絶対水分量を用いたが、これに限定されるものではない。絶対水分量の代わりに相対湿度を用いることもできる。
そして、本実施例では、上述の目標電圧V1に、記録材Pが分担する記録材分担電圧V2が加算された値の二次転写電圧が、二次転写時に二次転写電源210から二次転写ローラ7に印加される。記録材分担電圧V2は、表2のテーブルに基づいて設定される。
Figure 2016143008
表2は、コントローラ150内に設けられたROM151に記憶されたテーブルである。このテーブルは、画像形成装置100の装置本体の内部の雰囲気中の絶対水分量(g/m)と記録材Pの坪量(g/m)とに応じて、記録材分担電圧V2を設定し分けるものである。坪量が増えると、記録材分担電圧V2は増える。また、絶対水分量が増えると、記録材分担電圧V2は減る。また、片面印刷時よりも自動両面印刷時や手差両面印刷時の方が、記録材分担電圧V2は大きい。なお、坪量とは、単位面積あたりの重さ(g/m)を示す単位で、記録材Pの厚さを示す値として一般的に用いられる。坪量の情報は、画像形成装置100に設けられた操作部からユーザーなどの操作者によって入力されたり、記録材Pを収容する収容部に付帯された入力手段によって入力されたりする。これらの情報に基づいてコントローラ150は記録材Pの坪量を判断する。
調整工程(ATVC)で決定された目標電流Itを流すための目標電圧V1に、記録材分担電圧V2が加算された電圧(V1+V2)が、調整工程に続く二次転写工程で定電圧制御される二次転写設定電圧Vtとして設定される。これにより、雰囲気環境と記録材Pの種類(厚さ)に応じて、適正な二次転写電界を形成するための電圧値が設定される。また、二次転写中は二次転写電圧が定電圧制御された状態で印加されるので、記録材Pの幅が変わっても二次転写が安定した状態で行われる。
このように、本実施例では、適正な二次転写コントラストを形成するために、二次転写電源210から二次転写ローラ7に印加される電圧が変更される。例えば、絶対水分量が9(g/m)の場合に、坪量が64(g/m)の記録材Pに片面印刷してから、坪量が150(g/m)の記録材Pに片面印刷する場合には、記録材分担電圧V2は800Vから950Vへ変更される(表2)。あるいは、絶対水分量が9(g/m)の場合に、坪量が64(g/m)の記録材Pに片面印刷するという条件は同じであっても、ATVCで決定される目標電流It(30μA)を流すための目標電圧V1が変化する場合がある(表1)。二次転写ローラ7の電気抵抗が、雰囲気環境や使用状況(経時変化)などにより変化した場合などである。あるいは、坪量が64(g/m)の記録材Pに片面印刷するという条件は同じであっても、絶対水分量が9(g/m)の場合と、絶対水分量が0.8(g/m)の場合とでは、目標電流Itも、記録材分担電圧V2も変更される(表1、表2)。
ここで、一次転写専用の電源を省いた構成では、一次転写コントラストは、二次転写電源210を用いて形成される。そのため、適正な二次転写コントラストを形成するために二次転写電源210から二次転写ローラ7に印加される電圧が変更されると、二次転写と同時に一次転写を行う場合、一次転写コントラストが変わってしまうおそれがある。その結果、適正な一次転写コントラストを形成することができずに、一次転写不良を引き起こすおそれがある。しかし、本実施例では、二次転写と同時に一次転写を行う場合であってもツェナーダイオード9の電圧降下がツェナー電圧以上で維持される範囲で、適正な二次転写コントラストを形成するための二次転写設定電圧の変更が行われるようになっている。これにより、適正な二次転写コントラストを形成するために二次転写電源210から二次転写ローラ7に印加される電圧が変更されても、一次転写コントラストが変化してしまうことが抑制される。そのため、適正な一次転写コントラストを形成することができる。
8.一次転写電界の制御
本実施例では、一次転写コントラストを調整する場合には、中間転写ベルト5の表面電位Vitbではなく、感光ドラム1の表面電位Vd、Vlを変化させる。また、感光ドラム1の表面電位Vd、Vlの変更に応じて、所望の現像コントラストVcont、バックコントラストVbackが得られるように、適宜現像バイアスVdcを変化させる。つまり、例えば図2に示す電位関係において一次転写コントラストVtrを大きくするように画像部電位Vlをマイナス側に変更する場合を考える。この場合、概略、図2に示す電位関係を保持するようにして、Vd、Vdc、Vlをマイナス側へオフセットさせるような制御を行う。逆に、一次転写コントラストを小さくする場合は、Vd、Vdc、Vlをプラス側へオフセットさせる。このとき、上述のように、中間転写ベルト5の表面電位Vitbは、ツェナーダイオード9によって一定に維持される。
一次転写コントラストは、表3に示すようなテーブルに基づいて設定される。
Figure 2016143008
表3は、コントローラ150内に設けられたROM151に記憶されたテーブルであ。このテーブルは、一次転写コントラストを、画像形成部S(色)と画像形成装置100の装置本体の内部の雰囲気環境に応じて設定し分けるものである。
ここで、感光ドラム1の表面電位に応じて、感光ドラム1に流れ込む電流が変わる。しかし、本実施例では、ツェナーダイオード9の電圧降下がツェナー電圧以上で維持される範囲で、感光ドラム1の画像部電位Vlを制御するようになっている。
例えば、絶対水分量が9(g/m)の場合に、坪量が64(g/m)の記録材Pに片面印刷してから、坪量が150(g/m)の記録材Pに片面印刷した場合について説明する。この場合、記録材分担電圧V2は800Vから950Vへ変更されるので、二次転写設定電圧Vtが変わる(表2)。一方、記録材Pの種類(厚さ)は一次転写には関係しないので、適正な一次転写コントラストは変わらない。
この場合、適正な二次転写コントラストを形成するために、二次転写電源210から二次転写ローラ7に印加される電圧(二次転写設定電圧Vt)が変更される。しかし、この変更は、二次転写と同時に一次転写を行う場合であってもツェナーダイオード9にかかる電圧がツェナー電圧以上になる範囲で行われる。そのため、中間転写ベルト5の電位は300Vで一定に保持される。また、この場合、静電像形成手段の静電像形成条件を変更することなく、静電像形成手段の静電像形成条件は維持される。その結果、各画像形成部Sにおける一次転写コントラストは、適正な値580V、540V、540V、490Vで維持される。
このように、各画像形成部Sに対する一次転写コントラストの環境テーブルを設定しておき、各環境によって一次転写コントラストを切り替える制御をすることで、各環境及び各色ごとに必要な一次転写コントラストを得ることができる。また、例えば現像装置4内の現像剤や中間転写ベルト5の繰り返し使用による必要な一次転写コントラストの変化に対しては、使用量と相関する値として例えば画像出力枚数に応じて一次転写コントラストの環境テーブルを切り替える制御をすることができる。これにより、繰り返し使用による変化にも対応して、必要な一次転写コントラストを得ることができる。
なお、一次転写電界の制御については、ツェナーダイオードの温度特性に関連して、後で更に詳しく説明する。
9.ツェナーダイオードの温度特性
ツェナーダイオードは、流れ込む電流が一定に保たれていても、周囲の温度の変化などに伴ってその温度が変化すると、ツェナー電圧Vbrが変化する、という温度特性を有する。図5は、ツェナー電圧Vbrと温度係数γzとの関係を示す。図5に示すように、ツェナーダイオード1個あたりのツェナー電圧Vbrが大きくなるにつれて、温度係数γzの値が大きくなる特性を有する。
ツェナー電圧Vbrの温度変動を極力抑制する方法としては、温度補償型のツェナーダイオードの使用や、ツェナー電圧Vbrの温度変動の少ないツェナー電圧Vbrが5〜6Vのツェナーダイオードを選択する方法がある。しかしながら、これらの両者ともコストアップに繋がってしまう懸念がある。また、後者の場合は、直列に接続するツェナーダイオードの個数が増加するため、ツェナーダイオードを設置するために広いスペースを確保する必要が生じる。
そこで、本実施例では、画像形成装置100は、低コスト化、省スペース化を図るために、ツェナーダイオードのツェナー電圧Vbrがある程度温度変動する構成とされている。
10.一次転写コントラストVtrの変動
ツェナーダイオード9のツェナー電圧Vbrの温度変動による一次転写コントラストVtrの変動量について説明する。ここでは、ツェナー電圧Vbrが150Vのツェナーダイオードを2個直列接続することで中間転写ベルト5の電位Vitbを300Vに維持した場合と、3個直列接続することで中間転写ベルト5の電位Vitbを450Vに維持した場合について説明する。
本実施例では、ツェナーダイオードの温度変化を、通紙モード(片面、自動両面、手差両面)ごとの通紙積算時間とツェナーダイオード9の温度変化との関係から推測する。この関係の情報は、予め求められてコントローラ150のROM151に記憶される。本実施例では、通紙積算時間として、ジョブの画像形成工程の積算時間を代表する二次転写を行っている時間の積算値を用いる。画像形成装置100の装置本体内の雰囲気温度は、高温高湿環境下(30℃、80%RH)において自動両面で連続通紙した直後に最も高い状態に到達し、約50℃まで上昇する。一方、低温低湿環境下(15℃、10%RH)において画像形成装置100を立ち上げた直後を想定すると、画像形成装置100の装置本体内の雰囲気温度は約35℃の変動幅をもっていることになる。
ここで、図5より、ツェナー電圧Vbrと温度係数γzは、
γz=1.1×Vbr−5.0
の関係になっている。したがって、Vbr=150Vでの温度係数γzは160mV/℃となる。その結果、中間転写ベルト5の電位Vitbの変動量ΔVitbは、雰囲気温度の変動により、次のようになる。
まず、Vitb=300Vの場合は、
160(mV/℃)×35(℃)×2(個)=11.2(V)
となる。
また、Vitb=450Vの場合は、
160(mV/℃)×35(℃)×3(個)=16.8(V)
となる。
すなわち、中間転写ベルト5の電位Vitbが雰囲気温度によって変動するため、表3に基づいて設定していた一次転写コントラストVtrに対してΔVitbだけずれが発生することとなる。なお、本実施例では、雰囲気温度23℃での中間転写ベルト5の電位Vitbを基準値に設定する。
11.一次転写コントラストVtrの補正方法
本実施例では、ツェナーダイオードの温度特性によって中間転写ベルト5の電位Vitbが変化し、一次転写コントラストVtrが適正値からずれるのを補正する。
本実施例の画像形成装置100では、一次転写コントラストVtrが10V変動すると、適正な一次転写電界を作用させることができずに一次転写不良が発生し、ハーフトーンなどのハイライト側での色味変動が認識できるレベルとなることがある。そのため、本実施例では、ツェナー電圧Vbrの温度変動による中間転写ベルトの電位Vitbの変動量ΔVitbを、ΔVitb<10Vに補正する必要がある。
図6は、本実施例における一次転写コントラストVtrの補正動作に係るフローチャート図である。
まず、コントローラ150は、ユーザーなど操作者などの指示によりジョブが投入(S1)された直後に、温湿度センサー207に機内雰囲気温度Tstartを検出させ(S2)、画像形成動作を開始させる(S3)。なお、コントローラ150は、機内雰囲気温度Tstartを検出した後の通紙積算時間を計測する。
次に、コントローラ150は、Tstartの検出結果及び通紙積算時間の計測結果を取得し、ツェナーダイオード9の温度を推測して、中間転写ベルト5の電位Vitbの変動量ΔVitbを算出する(S4)。本実施例では、コントローラ150は、予めROM151に記憶されているTstartごとの通紙積算時間とツェナーダイオード9の温度変化との関係(図7)から、ツェナーダイオード9の温度を求める。また、コントローラ150は、求めたツェナーダイオードの温度の基準温度23℃からの温度変化と、予め求められてROM151に記憶されているツェナーダイオード9の温度係数γzとから、ツェナー電圧の変動量を算出する。このツェナー電圧の変動量が、中間転写ベルト5の電位Vitbの基準値(雰囲気温度23℃での中間転写ベルト5の電位Vitb)からの変動量ΔVitbである。ここでは、長期放置後に画像形成装置100の電源を投入した際の機内雰囲気温度23℃の状態(朝一電源投入時)から150分間連続片面印刷のジョブを実行する場合を例に説明する。図7は、予めの実験により得られた、機内雰囲気温度23℃の状態から150分間連続片面印刷のジョブを実行した場合の通紙積算時間とその時のツェナーダイオードの温度との関係である。なお、本実施例では、ROM151には、ジョブの開始時の機内雰囲気温度1℃〜60℃の1℃ごとに、予め求められた通紙積算時間とツェナーダイオードの温度との関係を示す複数のテーブルが記憶されている。コントローラ150は、機内雰囲気温度Tstartの検出結果に対応して、ROM151に記憶された複数のテーブルを選択して用いる。本実施例では、このTstartごとの複数のテーブルは、更に通紙モードごとに予め求められて複数セットがROM151に記憶されている。
次に、コントローラ150は、中間転写ベルト5の電位Vitbの変動量ΔVitbと色味変動の閾値α(=10V)とを比較して、一次転写コントラストVtrの補正の要否を判定する(S5)。本実施例では、より確実に一次転写コントラストの変動による一次転写不良を抑制するために、閾値αに対してΔVitbを十分に小さく抑えるようにする。具体的には、コントローラ150は、次の判別式、
−(2/5)α<ΔVitb<(2/5)α
を満たす場合は、一次転写コントラストVtrの補正をせずに画像形成動作を開始させる(S7)。また、本実施例では、コントローラ150は、次の判別式、
ΔVitb≦−(2/5)α
を満たす場合は、Vitbが適正値よりも低くなっているので、一次転写コントラストVtrを大きくする方向に補正してから、画像形成動作を開始させる(S6)。また、本実施例では、コントローラ150は、次の判別式、
(2/5)α≧ΔVitb
を満たす場合は、Vitbが適正値よりも高くなっているので、一次転写コントラストVtrを小さくする方向に補正してから、画像形成動作を開始させる(S6)。
次に、コントローラ150は、1ジョブ内での色味変動を抑えるため、所定時間毎に一次転写コントラストVtrの補正の要否を判定する(S9)。本実施例では、この所定時間は5分である。そして、コントローラ150は、ジョブの指定された画像出力枚数に達したら(S8)、画像形成動作を終了させる(S10)。
次に、本実施例における一次転写コントラストVtrの補正方法の一例について説明する。本実施例では、現像コントラストVcaと静電像コントラストVcbの値を維持した状態で、非画像部電位Vd、現像バイアスVdc、画像部電位Vlの設定値をそれぞれΔVitbだけシフトさせる。これにより、一次転写コントラストVtrを適正値に戻す。
一例として、表4〜表6を参照して、マゼンタ(M)色の初期状態、10K(1K=A4サイズで1000枚)耐久時、20K耐久時における、非画像部電位Vd、現像バイアスVdc、画像部電位Vl、一次転写コントラストVtrの設定について説明する。
表4〜表6の上側の表は、一次転写コントラストを補正しない場合における、雰囲気環境ごとの、非画像部電位Vd、現像バイアスVdc、画像部電位Vl及び一次転写コントラストVtrの設定値を示す。また、この上側の表には、Vitbの基準値、一例としての2つの異なるツェナーダイオード9の温度でのΔVitb、一次転写コントラストの補正の要否も併せて示す。また、表4〜表6の下側の表は、一次転写コントラストを補正した場合における、雰囲気環境ごとの、非画像部電位Vd、現像バイアスVdc、画像部電位Vl及び一次転写コントラストVtrの設定値を示す。
表4〜表6に示すように、本実施例では、画像形成装置100の使用状況として、画像形成装置100の新品時からの積算の通紙枚数(画像出力枚数)に応じて、各テーブルを選択的に用いてVd、Vdc、Vl、Vtrを変更する。これにより、通紙枚数の増加による現像性や一次転写性の変化に対応することができる。通紙枚数は、画像形成装置100の使用量と相関する情報の一例である。ただし、画像形成装置100の使用量と相関する情報はこれに限定されるものではなく、画像形成装置100(特に、現像装置4、中間転写ベルト5、又はこれらの両方)の使用量と相関する任意の指標を用いることができる。例えば、画像形成装置100の駆動時間、現像ローラの回転数(回転時間)、中間転写ベルトの回転数(回転時間)などが挙げられる。
なお、中間転写ベルト5の電位Vitbの変動量ΔVitbは、ツェナー電圧Vbrが150Vのツェナーダイオードを2個直列接続することで中間転写ベルト5の電位Vitbを300Vに維持した場合の値である。また、色味変動の閾値α=10(V)とする。
Figure 2016143008
Figure 2016143008
Figure 2016143008
例えば、雰囲気環境の絶対水分量が22(g/m)、画像形成装置100の使用状況が初期状態において、ツェナーダイオード9の温度が30℃と50℃の場合について説明する(表4)。ツェナーダイオード9の温度が30℃の場合は、中間転写ベルト5の電位Vitbの変動量ΔVitbが2.2(V)となり、4.0(V)以下であるので、Vitbを補正する必要はない。一方、ツェナーダイオード9の温度が50℃の場合は、中間転写ベルト5の電位Vitbの変動量ΔVitbが8.6(V)となり、4.0(V)以上であるので、Vitbを補正する必要が生じる。この場合、中間転写ベルト5の電位Vitbが300(V)から308.6(V)に変動しているため、一次転写コントラストVtrが補正前の設定値の440(V)から448.6(V)に増加していることになる。そこで、Vd、Vdc、Vlの補正前の設定値に、それぞれ8.6(V)加算した値が補正後の設定値となる。ここでは、Vdが−530(V)から−521(V)、Vdcが−330(V)から−321(V)、Vlが−140(V)から−131(V)に補正される。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、感光体1に接触して一次転写部N1を形成し一次転写部N1で感光体1からトナー像が一次転写される中間転写体5を有する。また、画像形成装置100は、中間転写体5に接触して二次転写部N2を形成し中間転写体から記録材Pにトナー像を二次転写させる転写部材7と、転写部材7に電圧を印加する電源210と、を有する。また、画像形成装置100は、中間転写体5と接地電位との間に接続された定電圧素子9を有する。この画像形成装置100は、電源210から転写部材7に電圧を印加することで、一次転写部N1に一次転写のための一次転写電界を形成すると共に、二次転写部N2に二次転写のための二次転写電界を形成するようになっている。そして、この画像形成装置100は、定電圧素子9の温度に関する情報を取得する取得手段と、取得手段によって取得された情報に基づいて感光体上に形成される静電像の電位を調整する調整手段と、を有する構成とされる。本実施例では、コントローラ150が、取得手段、調整手段の機能を有する。ここで、調整手段は、上記情報が示す定電圧素子9の温度が第1の温度(例えば基準温度23℃)の場合よりも、第1の温度よりも高い第2の温度の場合の方が、静電像の電位が中間転写体5の電位側の電位になるように調整を行う。逆に、上記情報が示す定電圧素子9の温度が第1の温度よりも低い第3の温度の場合には、第1の温度の場合よりも静電像の電位が中間転写体5の電位とは逆側の電位になるように調整を行う。このとき、第1の温度の場合と第2の温度の場合との両方において、また第1の温度の場合と第3の温度の場合との両方において、静電像の電位と中間転写体5の電位との電位差の絶対値が所定の範囲内になるように調整を行う。特に、本実施例では、調整手段は、帯電手段2による感光体1の帯電条件、露光手段3による露光条件を変更することで、感光体上に形成される静電像の画像部の電位及び非画像部の電位を調整する。
以上、本実施例によれば、ツェナーダイオード9の温度変化を推測することでツェナーダイオード9の温度特性によって生じる中間転写ベルト5の電位変動量を算出し、一次転写コントラストの適正値からのずれを補正することができる。これにより、一次転写不良によるハーフトーンなどのハイライト側の画像で発生する色味変動などを抑制することが可能となる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。したがって、実施例1の画像形成装置と同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1では、通紙積算時間に基づいてツェナーダイオードの温度を推測した。しかし、画像形成装置によっては、通紙時以外にも電流補正制御など、二次転写部に電圧を印加する制御を実行する場合がある。ツェナーダイオードは、通電によっても温度上昇することがあるため、本実施例では、二次転写部の通電積算時間に基づいてツェナーダイオードの温度を推測する。
図8は、本実施例における一次転写コントラストVtrの補正動作に係るフローチャート図である。
図8のS1〜S10における処理は、実施例1における図6のS1〜S10における処理と同様である。
ただし、本実施例では、コントローラ150は、S3において機内雰囲気温度Tstartを検出した後のツェナーダイオード9の通電積算時間を計測する。
また、本実施例では、S4において、コントローラ150は、Tstartの検出結果及び通電積算時間の計測結果を取得し、ツェナーダイオード9の温度を推測して、中間転写ベルト5の電位Vitbの変動量ΔVitbを算出する(S4)。本実施例では、コントローラ150は、予めROM151に記憶されているTstartごとの通電積算時間とツェナーダイオード9の温度変化との関係(図9)から、ツェナーダイオード9の温度を求める。また、コントローラ150は、求めたツェナーダイオードの温度の基準温度23℃からの温度変化と、予め求められてROM151に記憶されているツェナーダイオード9の温度係数γzとから、ツェナー電圧の変動量を算出する。このツェナー電圧の変動量が、中間転写ベルト5の電位Vitbの基準値(雰囲気温度23℃での中間転写ベルト5の電位Vitb)からの変動量ΔVitbである。ここでは、長期放置後に画像形成装置100の電源を投入した際の機内雰囲気温度20℃の状態(朝一電源投入時)から連続片面印刷のジョブを実行する場合を例に説明する。図9は、予めの実験により得られた、朝一機内雰囲気温度20℃の状態から連続片面印刷のジョブを実行した場合の通電積算時間とその時のツェナーダイオードの温度との関係である。なお、本実施例では、ROM151には、ジョブの開始時の機内雰囲気温度1℃〜60℃の1℃ごとに、予め求められた通電積算時間とツェナーダイオードの温度との関係を示す複数のテーブルが記憶されている。コントローラ150は、機内雰囲気温度Tstartの検出結果に対応して、ROM151に記憶された複数のテーブルを選択して用いる。本実施例では、このTstartごとの複数のテーブルは、更に通紙モードごとに予め求められて複数セットがROM151に記憶されている。
次に、本実施例における一次転写コントラストVtrの補正方法の一例について説明する。本実施例では、実施例1と同様に、VcaとVcbの値を維持した状態で、Vd、Vdc、Vlの設定値をそれぞれΔVitbだけシフトさせる。
一例として、表7〜表9を参照して、マゼンタ(M)色の初期状態、10K(1K=A4サイズで1000枚)耐久時、20K耐久時における、非画像部電位Vd、現像バイアスVdc、画像部電位Vl、一次転写コントラストVtrの設定について説明する。表7〜表9は、それぞれ実施例1における表4〜表6の同様のものを示す。なお、中間転写ベルト5の電位の変動量ΔVitbは、ツェナー電圧Vbrが150Vのツェナーダイオード9を2個直列接続することで中間転写ベルト5の電位Vitbを300Vに維持した場合の値である。また、色味変動の閾値α=10(V)とする。
Figure 2016143008
Figure 2016143008
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例えば、雰囲気環境の絶対水分量が18(g/m)、画像形成装置100の使用状況が初期状態において、ツェナーダイオード9の温度が25℃と45℃の場合について説明する(表7)。ツェナーダイオード9の温度が25℃の場合は、中間転写ベルト5の電位の変動量ΔVitbが0.6(V)となり、4.0(V)以下であるので、Vitbを補正する必要はない。一方、ツェナーダイオードの温度が45℃の場合は、中間転写ベルト5の電位の変動量ΔVitbが7.0(V)となり、4.0(V)以上であるので、Vitbを補正する必要が生じる。この場合、中間転写ベルト5の電位Vitbが300(V)から307(V)に変動しているため、一次転写コントラストVtrが補正前の設定値の485(V)から492(V)に増加していることになる。そこで、Vd、Vdc、Vlの補正前の設定値に、それぞれ7.0(V)加算した値が補正後の設定値となる。ここでは、Vdが−591(V)から−584(V)、Vdcが−391(V)から−384(V)、Vlが−185(V)から−178(V)に補正される。
以上、本実施例によれば、実施例1と同様の効果が得られると共に、通紙時以外にもツェナーダイオードに通電されることでツェナーダイオードの温度が変化することにも対応して、一次転写コントラストの適正値からのずれを補正することができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、上述の本実施例では色味変動の閾値α=10Vに設定したが、閾値αは10Vに限定されるものではない。また、上述の本実施例では、ΔVitbがこの閾値αの2/5の範囲を超える場合に一次転写コントラストの補正の必要ありと判定したが、これに限定されるものではなく、より大きい変動を許容したり、より小さい変動を補正するようにしたりしてもよい。
また、上述の実施例の表4〜表9の設定値Vd、Vdc、Vl、Vtrは、上述の本実施例の構成における値であり、使用するトナー母体、トナーの外添処方や、感光ドラム1、中間転写ベルト5などのキーパーツの処方によっても変化するものである。
また、上述の実施例では、ツェナーダイオードの温度を通紙積算時間や通電積算時間に基づいて推測したが、可能であればツェナーダイオードの温度を直接的に検出してもよい。
また、上述の実施例では、複数の画像形成部を有するタンデム型の画像形成装置を例に説明したが、これに限定されるものではない。従来、1個の感光体に順次複数色のトナー像を形成すると共に、そのトナー像を中間転写体に順次に一次転写した後に記録材に二次転写する、いわゆる、1ドラム型の画像形成装置が知られている。本発明は、このような構成の画像形成装置にも適用することができ、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
また、上述の実施例では、転写工程(一次転写工程、二次転写工程)時に二次転写電源は二次転写部材に定電圧制御された電圧を印加するものとして説明したが、これに限定されるものではない。中間転写体の電位を一定に維持するように所定の電流を供給するように定電流制御された電圧を印加してもよい。この場合、上述の実施例に即して言えば、転写電流計により検出された電流値が所定の電流値となるように二次転写電源の出力の設定値を変化させることで、二次転写電源から二次転写部材に所定の電流を供給する電圧を印加することができる。
1 感光ドラム
5 中間転写ベルト
7 二次転写ローラ
150 制御部150
210 二次転写電源

Claims (14)

  1. 感光体と、
    前記感光体を帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記感光体を露光して前記感光体上に静電像を形成する露光手段と、
    前記感光体上の静電像をトナーで現像してトナー像とする現像手段と、
    前記感光体に接触して一次転写部を形成し前記一次転写部で前記感光体からトナー像が一次転写される中間転写体と、
    前記中間転写体に接触して二次転写部を形成し前記中間転写体から記録材にトナー像を二次転写させる転写部材と、
    前記転写部材に電圧を印加する電源と、
    前記中間転写体と接地電位との間に接続された定電圧素子と、
    を有し、
    前記電源から前記転写部材に電圧を印加することで、前記一次転写部に前記一次転写のための一次転写電界を形成すると共に、前記二次転写部に前記二次転写のための二次転写電界を形成する画像形成装置において、
    前記定電圧素子の温度に関する情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された情報に基づいて前記感光体上に形成される静電像の電位を調整する調整手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記調整手段は、前記取得手段によって取得された情報が示す前記定電圧素子の温度が第1の温度の場合よりも、前記第1の温度よりも高い第2の温度の場合の方が、前記感光体上に形成される静電像の電位が前記中間転写体の電位側の電位になるように前記調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記調整手段は、前記取得手段によって取得された情報が示す前記定電圧素子の温度が前記第1の温度の場合と前記第2の温度の場合との両方において、前記感光体上に形成される静電像の電位と前記中間転写体の電位との電位差の絶対値が所定の範囲内になるように前記調整を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記調整手段は、前記取得手段によって取得された情報が示す前記定電圧素子の温度が第1の温度の場合よりも、前記第1の温度よりも低い第3の温度の場合の方が、前記感光体上に形成される静電像の電位が前記中間転写体の電位とは逆側の電位になるように前記調整を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記調整手段は、前記取得手段によって取得された情報が示す前記定電圧素子の温度が前記第1の温度の場合と前記第3の温度の場合との両方において、前記感光体上に形成される静電像の電位と前記中間転写体の電位との電位差の絶対値が所定の範囲内になるように前記調整を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記調整手段は、前記帯電手段による前記感光体の帯電条件、前記露光手段による露光条件を変更することで、前記感光体上に形成される静電像の画像部の電位及び非画像部の電位を調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記帯電手段は、前記感光体を所定の極性に帯電させ、
    前記露光手段は、前記感光体上に形成される静電像の画像部を露光し、
    前記現像手段は、前記所定の極性に帯電したトナーを前記感光体上の静電像の画像部に供給し、
    前記調整手段は、前記帯電手段による前記感光体の帯電条件を変更して前記感光体上に形成される静電像の非画像部の電位を調整すると共に、前記露光手段による露光条件を変更して前記感光体上に形成される静電像の画像部の電位を調整する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記現像手段は、トナーを担持して搬送する現像剤担持体を有し、前記調整手段は、前記感光体に形成される静電像の電位の調整に応じて、前記現像時に前記現像剤担持体に印加される電圧を調整することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記取得手段は、前記画像形成装置内の雰囲気温度に基づいて前記定電圧素子の温度に関する情報を取得することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記取得手段は、ジョブの開始時の前記画像形成装置内の雰囲気温度と、ジョブにおける画像形成工程の時間の積算値と、予め求められたジョブの開始時の前記画像形成装置内の雰囲気温度ごとの前記積算値と前記定電圧素子の温度との関係を示す情報と、に基づいて、前記定電圧素子の温度に関する情報を取得することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記取得手段は、ジョブの開始時の前記画像形成装置内の雰囲気温度と、ジョブを開始した後に前記定電圧素子に通電した時間の積算値と、予め求められたジョブの開始時の前記画像形成装置内の雰囲気温度ごとの前記積算値と前記定電圧素子の温度との関係を示す情報と、に基づいて、前記定電圧素子の温度に関する情報を取得することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  12. 前記中間転写体は無端状のベルトであり、前記画像形成装置は前記ベルトを張架する複数の張架部材を有しており、前記定電圧素子は、前記複数の張架部材のすべてと接地電位との間に接続されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  13. 前記定電圧素子は、ツェナーダイオードであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  14. 前記中間転写体は、多層構成であり、表層の電気抵抗が他の層の電気抵抗よりも高いことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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