JP6053976B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置では、多様な記録材に対応するために、感光体からトナー像を中間転写体に転写(一次転写)して、中間転写体から記録材に転写(二次転写)することで画像を形成する中間転写方式が知られている。
特許文献1には中間転写方式の従来構成が記載されている。すなわち特許文献1は、感光体からトナー像を中間転写体へ一次転写するために、一次転写ローラを設けた上で、一次転写ローラに一次転写専用の電源が接続された構成である。さらに特許文献1は、中間転写体からトナー像を記録材に二次転写するために、二次転写ローラを設けた上で、二次転写専用の電源が二次転写ローラに接続された構成である。
特許文献2には、二次転写内ローラに小さな電源が接続されるとともに、二次転写外ローラには別の大きな電源が接続された構成がある。特許文献2には、感光体からトナー像を中間転写体へ転写する一次転写を、小さな電源が二次転写内ローラに電圧を印加することによって行う旨が記載されている。
しかし一次転写専用の電源を配置すると、コストアップにつながるおそれがある。一次転写専用の電源を省いて、コストダウンを抑制する方法が望まれている。
上記課題を解決するために本願発明は、像担持体と、前記像担持体からトナー像が一次転写される中間転写体と、記録材を前記中間転写体とともに挟持して前記中間転写体からトナー像を記録材に二次転写する転写部材と、前記中間転写体からトナー像を記録材に二次転写する二次転写電界と、前記像担持体からトナー像を前記中間転写体に一次転写する一次転写電界とを形成するために、前記転写部材に電圧を印加する電源と、前記中間転写体とアースとの間に接続されるツェナーダイオードと、記録材を搬送する方向に対して直交する幅方向において予め決められたサイズの記録材が搬送された場合に、記録材のサイズによらず、前記中間転写体からトナー像を記録材に二次転写する時に前記転写部材に印加する電圧を、前記ツェナーダイオードの電圧降下がツェナー降伏電圧を維持するように設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
本発明によって、コストダウンのために一次転写専用の電源を省いて中間転写体をツェナーダイオードに接続した構成において、予め決められたサイズの記録材が搬送された場合、記録材のサイズによらず、一次転写と二次転写とを両立することができる。
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
(実施形態1)
[画像形成装置]
図1は本実施の形態における画像形成装置を示す。画像形成装置は、各色の画像形成ユニットを独立かつタンデムに配置するタンデム方式を採用している。さらに画像形成装置、各色の画像形成ユニットからトナー像を中間転写体に転写してから、中間転写体からトナー像を記録材に転写する中間転写方式を採用している。
[画像形成装置]
図1は本実施の形態における画像形成装置を示す。画像形成装置は、各色の画像形成ユニットを独立かつタンデムに配置するタンデム方式を採用している。さらに画像形成装置、各色の画像形成ユニットからトナー像を中間転写体に転写してから、中間転写体からトナー像を記録材に転写する中間転写方式を採用している。
画像形成部101a、101b、101c、101dは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)色のトナー像を形成する画像形成手段である。これらの画像形成ユニットは、中間転写ベルト7の移動方向において上流側から、画像形成ユニット101a、101b、101c、101dの順、すなわちイエロー、マゼンタ、シアン、黒の順に配置されている。
各画像形成ユニット101a、101b、101c、101dはそれぞれ、トナー像が形成される感光体(像担持体)としての感光体ドラム1a、1b、1c、1dを備える。一次帯電器2a、2b、2c、2dは、各感光体ドラム1a、1b、1c、1dの表面を帯電する帯電手段である。露光装置3a、3b、3c、3sdはレーザスキャナーを備えて、一次帯電器によって帯電された感光体ドラム1a、1b、1c、1dを露光する。レーザスキャナーの出力が画像情報に基づいてオンオフされることによって、画像に対応した静電像が各感光体ドラム上に形成される。すなわち、一次帯電器と露光手段とが、静電像を感光体ドラムに形成する静電像形成手段として機能する。現像装置4a、4b、4c、4dは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナーを収容する収容器を備えて、感光体ドラム1a、1b、1c、1d上の静電像をトナーを用いて現像する現像手段である。
感光体ドラム1a、1b、1c、1dに形成されたトナー像は、中間転写ベルト7へ一次転写部N1a、N1b,N1c,N1dで一次転写される。こうして中間転写ベルト7上に4色のトナー像が重ねて転写される。一次転写については、後で詳しく説明する。
感光体ドラムクリーニング装置6a、6b、6c、6dは、一次転写部N1a、N1b,N1c,N1dで転写せず感光体ドラム1a、1b、1c、1dに残留した残留トナーを除去する。
中間転写ベルト7は、感光体ドラム1a、1b、1c、1dからトナー像が転写される、移動可能な中間転写体である。本実施形態では中間転写ベルト7は、基層と表層との2層構成である。基層は内面側(張架部材側)であり、張架部材に接触する。表層は外面側(像担持体側)であり、感光ドラムに接触する。基層はポリイミドあるいはポリアミド、PEN、PEEK等の樹脂または各種ゴム等にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものが用いられる。中間転写ベルト7の基層は、基層の体積抵抗率が102〜107Ω・cmとなるように形成される。本実施形態における基層としては、ポリイミドで、中心厚みが45〜150um程度のフィルム状の無端ベルトが用いられる。さらに表層として、厚み方向の体積抵抗率1013〜1016Ω・cmのアクリルコートが施される。すなわち表層の抵抗よりも、基層の抵抗の方が低い。表層の厚みは0.5〜10umである。もちろんこれらの数値に限定する意図ではない。
中間転写ベルト7の内周面は、張架部材としてのローラ10,11,12によって張架されている。ローラ10は、駆動源としてのモータによって駆動されて、中間転写ベルト7を駆動する駆動ローラとして機能する。またローラ10は、二次転写外ローラ13に中間転写ベルトを介して圧する二次転写内ローラでもある。中間転写ベルト7に対して一定の張力を与えるテンションローラとして機能する。さらにローラ11は、中間転写ベルト7の蛇行を防止する補正ローラとしても機能する。なお、テンションローラ11に対するベルトテンションは5〜12kgf程度になるように構成される。このベルトテンションがかけられることで、一次転写部N1a、N1b,N1c,N1dとして、中間転写ベルト7と感光体ドラム1a〜dとの間にニップが形成される。二次転写内ローラ62は、定速性に優れたモーターにより駆動されて中間転写ベルト7を循環駆動させる駆動ローラとして機能する。
記録材は、記録材Pを収容する用紙トレイに収容されている。記録材Pは、この用紙トレイから所定のタイミングでピックアップローラによって取り出されて、レジストレーションローラへ導かれる。記録材Pは、中間転写ベルト上のトナー像が搬送されるのと同期して、中間転写ベルトからトナー像を記録材に転写する二次転写部N2へレジストレーションローラによって送り出される。
二次転写外ローラ13は、中間転写ベルト7を介して二次転写内ローラ10を押圧して、二次転写内ローラ13と共に二次転写部N2を形成する二次転写部材である。二次転写外ローラ13は、二次転写部で、記録材を中間転写ベルトと共に挟持する。二次転写用電源としての二次転写部高圧電源22は、二次転写外ローラ13に接続されており、二次転写外ローラ13に電圧を印加することができる電源である。
記録材Pが二次転写部N2へ搬送されると、二次転写外ローラ13にトナーと逆極性の二次転写電圧が印加されることによって、中間転写ベルト7からトナー像が記録材に転写する。
なお二次転写内ローラ10はEPDMゴムからなる。二次転写内ローラの直径は20mm、ゴム厚は0.5mm、硬度は70°(Asker−C)に設定される。二次転写外ローラ13はNBRゴムやEPDMゴム等からなる弾性層と芯金からなる。二次転写外ローラ13の直径は、24mmになるように形成される。
中間転写ベルト7が移動する方向において二次転写部N2よりも下流側には、記録材に二次転写部N2で転写せず中間転写ベルト7に残留した残留トナーや紙粉を除去するための中間転写ベルトクリーニング装置14が設けられている。
[1転高圧レスシステムにおける一次転写電界形成]
本実施形態は、コストダウンのために、一次転写専用の電源を省いた構成である。そこで本実施形態では、感光体ドラムからトナー像を中間転写ベルト7へ静電的に一次転写するために、二次転写用電源22を用いる。(以下、本構成を一転高圧レスシステムと記載する。)
しかし中間転写ベルトを張架するローラが直接的にアースに接続される構成では、二次転写用電源210が電圧を二次転写外ローラ64に印加しても、張架ローラ側へほとんど電流が流れ、感光ドラム側へ電流が流れないおそれがある。すなわち、二次転写用電源210が電圧を印加しても中間転写ベルト56を介して感光体ドラム50a、50b、50c、50dへ電流が流れず、感光体ドラムと中間転写ベルトとの間に、トナー像を転写するための一次転写電界が働かない。
本実施形態は、コストダウンのために、一次転写専用の電源を省いた構成である。そこで本実施形態では、感光体ドラムからトナー像を中間転写ベルト7へ静電的に一次転写するために、二次転写用電源22を用いる。(以下、本構成を一転高圧レスシステムと記載する。)
しかし中間転写ベルトを張架するローラが直接的にアースに接続される構成では、二次転写用電源210が電圧を二次転写外ローラ64に印加しても、張架ローラ側へほとんど電流が流れ、感光ドラム側へ電流が流れないおそれがある。すなわち、二次転写用電源210が電圧を印加しても中間転写ベルト56を介して感光体ドラム50a、50b、50c、50dへ電流が流れず、感光体ドラムと中間転写ベルトとの間に、トナー像を転写するための一次転写電界が働かない。
そこで一転高圧レスシステムにおいて一次転写電界作用を働かせるためには、張架ローラ60、61、62、63のすべてとアースとの間に受動素子を配置して、感光体側へ電流が流れるようにするのが望ましい。
その結果、中間転写ベルトの電位が高くなり、感光体ドラムと中間転写ベルトとの間に一次転写電界が働くようになる。
なお、1転高圧レスシステムで一次転写電界を形成するためには、二次転写用電源210が電圧を印加することで、電流が中間転写ベルトの周方向に沿って流すことが必要である。しかし中間転写ベルト自体の抵抗が高ければ、中間転写ベルトが移動する移動方向(周方向)における中間転写ベルトにおける電圧降下が大きくなる。その結果、中間転写ベルトを周方向に伝って感光体ドラム1a、1b、1c、1dへ電流が流れにくくなるおそれもある。そのため、中間転写ベルトが低抵抗の層を持つのが望ましい。本実施形態では中間転写ベルトにおける電圧降下を抑制するために、中間転写ベルトの基層の表面抵抗率が102Ω/□以上で108Ω/□以下となるように形成される。また本実施形態では中間転写ベルトは2層構成である。これは、表層に高抵抗の層を配置することで、非画像部に流れる電流を抑制して転写性をさらに高めやすいからである。もちろんこの構成に限定する意図ではない。単層の構成にすることもできるし、3層以上の構成にすることもできる。
次に図2を用いて、感光体ドラムの電位と中間転写ベルトの電位の差である一次転写コントラストについて説明する。
図2は、感光体ドラム1表面が帯電手段2によって帯電されて、感光体ドラム表面の電位Vd(ここでは−450Vとする)となる場合である。さらに図2は、帯電された感光体ドラムの表面が露光手段3によって露光されて、感光体ドラムの表面がVl(ここでは−150Vとする)となる場合である。電位Vdは、トナーが付着されない非画像部の電位であり、電位Vlは、感光体ドラム上のトナーが付着される画像部の電位である。Vitbは中間転写ベルトの電位を示す。
ドラムの表面電位は帯電、露光手段の下流側、且つ現像手段の上流で感光体ドラムに近接配置された電位センサーの検知結果に基づいて制御される。
電位センサーは感光体ドラム表面の非画像部電位と画像部電位を検知し、非画像部電位に基づいて帯電手段の帯電電位を制御して、画像部電位に基づいて露光手段の露光光量を制御する。
この制御により感光体ドラムの表面電位は画像部電位、非画像部電位の両電位とも適正な値にすることができる。
この感光体ドラム上の帯電電位に対して、現像装置4によって現像バイアスVdc(ここではDC成分は−250V)が印加されて、ネガ帯電したトナーが感光体ドラム側に現像される。
感光体ドラムのVlと現像バイアスVdcとの電位差である現像コントラストVcaは、
−150(V)−(−250(V))=100(V)
となる。画像部電位Vlと非画像部電位Vdとの電位差である静電像コントラストVcbは、
−150(V)−(−450(V))=300(V)
となる。感光ドラムの画像部電位Vlと中間転写ベルトの電位Vitb(ここでは300Vとする)との電位差である一次転写コントラストVtrは、
300(V)−(−150(V))=450(V)
となる。
−150(V)−(−250(V))=100(V)
となる。画像部電位Vlと非画像部電位Vdとの電位差である静電像コントラストVcbは、
−150(V)−(−450(V))=300(V)
となる。感光ドラムの画像部電位Vlと中間転写ベルトの電位Vitb(ここでは300Vとする)との電位差である一次転写コントラストVtrは、
300(V)−(−150(V))=450(V)
となる。
なお本実施形態では、感光ドラムの電位を検知する正確性を重視して電位センサーが配置される構成であるが、この構成に限定する意図ではない。コストダウンを重視して、電位センサを配置せず、静電潜像形成条件と感光体ドラムの電位との関係性を予めROMに記憶させた上で、ROMに記憶された関係性に基づいて感光体ドラムの電位を制御する構成にすることもできる。
[ツェナーダイオード]
一転高圧レスシステムでは、一次転写は、中間転写ベルトの電位と感光体ドラムの電位との電位差である一次転写コントラストによって決まる。そのため一次転写コントラストを安定的に形成するためには中間転写ベルトの電位を一定に維持するのが望ましい。
一転高圧レスシステムでは、一次転写は、中間転写ベルトの電位と感光体ドラムの電位との電位差である一次転写コントラストによって決まる。そのため一次転写コントラストを安定的に形成するためには中間転写ベルトの電位を一定に維持するのが望ましい。
そこで本実施形態では、張架ローラとアースとの間に配置される受動素子として、ツェナーダイオードが用いられる。
図3は、ツェナーダイオードの電流電圧特性を示す。ツェナーダイオードは、ツェナー降伏電圧Vbr以上の電圧が印加されるまでほとんど電流を流さないが、ツェナー降伏電圧以上の電圧が印加されると急激に電流が流れるような特性を持つ。すなわち、ツェナーダイオード15にかかる電圧がツェナー降伏電圧以上の範囲では、ツェナーダイオード15の電圧降下はツェナー電圧を維持するように電流を流す。
このようなツェナーダイオードの電流電圧特性を利用して、中間転写ベルト7の電位を一定に維持する。
すなわち本実施形態では、すべての張架ローラ10,11,12と、アースとの間に、受動素子としてツェナーダイオード15が配置される。
その上で、一次転写中は、ツェナーダイオード15の電圧降下がツェナー降伏電圧を維持するように、二次転写電源22が電圧を印加する。その結果、一次転写中に、中間転写ベルト7のベルト電位を一定に維持することができる。
本実施形態では、張架ローラとアースとの間に、ツェナー降伏電圧の規格値Vbrが25Vとなるツェナーダイオード15が12個直列に接続された状態で配置される。すなわち、ツェナーダイオードにかかる電圧がツェナー降伏電圧を維持する範囲では、中間転写ベルトの電位は、各ツェナーダイオードのツェナー降伏電圧の合計、すなわち25×12=300Vで一定に維持される。
もちろんツェナーダイオードを複数用いる構成に限定する意図ではない。ツェナーダイオードを1つだけ用いる構成にすることもできる。
もちろん中間転写ベルトの表面電位は300Vになる構成に限定する意図ではない。使用するトナーの種類や感光体ドラムの特性に応じて適宜設定するのが望ましい。
このように、二次転写用電源210によって電圧が印加されると、ツェナーダイオードの電位が所定電位に維持され、感光体ドラムと中間転写ベルトとの間に一次転写電界が形成される。さらに従来の構成と同様に、2次転写高圧電源によって電圧が印加されると、中間転写ベルトと二次転写外ローラとの間に、二次転写電界が形成される。
このように、二次転写用電源210によって電圧が印加されると、ツェナーダイオードの電位が所定電位に維持され、感光体ドラムと中間転写ベルトとの間に一次転写電界が形成される。さらに従来の構成と同様に、2次転写高圧電源によって電圧が印加されると、中間転写ベルトと二次転写外ローラとの間に、二次転写電界が形成される。
[コントローラ]
本画像形成装置全体の制御を行うコントローラの構成について図4を参照して説明する。コントローラは、図4に示すように、CPU回路部150を有する。CPU回路部150は、CPU、ROM151およびRAM152を内蔵する。二次転写部電流検出回路204は二次転写外ローラを流れる電流を検出するための回路(二次転写電流検出手段)であり,張架ローラ流入電流検出回路205(ツェナーダイオード電流検知手段)は張架ローラに流入する電流を検出するための回路であり,電位センサー206は感光体ドラム表面の電位を検出するセンサーであり、温湿度センサー207は温湿度を検出するためのセンサーである。
本画像形成装置全体の制御を行うコントローラの構成について図4を参照して説明する。コントローラは、図4に示すように、CPU回路部150を有する。CPU回路部150は、CPU、ROM151およびRAM152を内蔵する。二次転写部電流検出回路204は二次転写外ローラを流れる電流を検出するための回路(二次転写電流検出手段)であり,張架ローラ流入電流検出回路205(ツェナーダイオード電流検知手段)は張架ローラに流入する電流を検出するための回路であり,電位センサー206は感光体ドラム表面の電位を検出するセンサーであり、温湿度センサー207は温湿度を検出するためのセンサーである。
CPU回路部150には、二次転写部電流検出回路204、張架ローラ流入電流検出回路205、電位センサー206、温湿度センサー207からの情報が入力される。そしてCPU回路部150は、ROM151に格納されている制御プログラムに応じて、二次転写用電源22,現像高圧電源201,露光手段高圧電源202,帯電手段高圧電源203を統括的に制御する。後述する環境テーブルや紙厚さ対応テーブルはROM151に格納されておりCPUが呼び出して反映される。RAM152は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
[判断機能]
本実施形態では、中間転写ベルトの表面電位をツェナー電圧以上にするための、二次転写用電源が印加する電圧の下限電圧を判断するための工程を実行する。図5を用いて説明する。
本実施形態では、中間転写ベルトの表面電位をツェナー電圧以上にするための、二次転写用電源が印加する電圧の下限電圧を判断するための工程を実行する。図5を用いて説明する。
本実施形態では、下限電圧を判断するために、ツェナーダイオード15を介してアースに流れ込む電流を検知する張架ローラ流入電流検出回路(ツェナーダイオード電流検出手段)が用いられる。張架ローラ流入電流検出回路は、ツェナーダイオードとアースとの間に接続される。すなわち張架ローラ全てがツェナーダイオードと張架ローラ流入電流検出回路を介して接地される。
図3に示されるようにツェナーダイオードは、ツェナーダイオードの電圧降下がツェナー降伏電圧未満の範囲では、ほとんど電流を流さない特性を持っている。そのため、張架ローラ流入電流検出回路が電流を検出しない時、ツェナーダイオードの電圧降下はツェナー降伏電圧未満であると判断することができる。そして張架ローラ流入電流検出回路が電流を検出する時、ツェナーダイオードの電圧降下はツェナー降伏電圧を維持すると判断することができる。
まず、Y、M、C、Bkの全てのステーションの帯電電圧を印加し、感光体ドラムの表面電位を非画像部の電位Vdに制御する。
次に、二次転写用電源がテスト電圧を印加する。二次転写用電源が印加するテスト電圧を線形的に、或いは段階的に上昇させる。図5では、V1、V2、V3と段階的に上げていく。二次転写用電源が印加する電圧がV1の時、張架ローラ流入電流検出回路は、電流を検出しない(I1=0μA)。二次転写用電源が印加する電圧がV2,V3を印加する時には、それぞれ、張架ローラ流入電流検出回路がI2μA、I3μAを検出する。ここで張架ローラ流入電流検出回路が電流を検出した場合の印加電圧と検出電流との相関関係から、電流が流入し始める場合に対応する電流流入開始電圧V0が算出される。すなわち、I2,I3,V2,V3の関係から、線形補完を行うことによって、電流流入開始電圧V0が算出される。
二次転写用電源が印加する電圧として、V0を上回る電圧を設定することによって、ツェナーダイオードの電圧降下がツェナー降伏電圧を維持するようにすることができる。
このときの二次転写用電源が印加する電圧と中間転写ベルトのベルト電位との関係を図6に示す。
例えば本実施例においてはツェナーダイオードのツェナー電圧が300Vに設定される。そのため中間転写ベルトの電位が300V未満の範囲ではツェナーダイオードに電流が流れず、中間転写ベルトのベルト電位が300Vになるとツェナーダイオードに電流が流れ始める。それ以上二次転写用電源が印加する電圧を上げたとしても、中間転写ベルトのベルト電位は一定となるように制御される。
つまり、ツェナーダイオードへの電流の流れ込みが検知され始めるV0未満の範囲では、二次転写バイアスが変化すると、ベルト電位は一定電圧で制御することができない。ツェナーダイオードへの電流の流れ込みが検知され始めるV0を上回る範囲では、二次転写バイアスが変化したとしても、ベルト電位は一定電圧で制御することができる。
なお、本実施形態では、テスト電圧として電流流入開始電圧の前後を用いたがこの構成に限定する意図ではない。テスト電圧として、予め大きめの所定電圧を設定しておくことで、テスト電圧全てが電流流入開始電圧を上回る構成にすることもできる。このような構成では判断工程を省略することができるというメリットがある。
なお本実施形態は、電流流入開始電圧を算出する正確性を高めることを重視して、電流流入開始電圧V0を算出する判断機能を実行する構成である。もちろんこの構成に限定する意図ではない。ダウンタイムが長くなるのを抑制することを重視して、電流流入開始電圧V0を算出する判断機能を実行する構成ではなくて、電流流入開始電圧V0を予めROMに記憶した構成にすることもできる。
[二次転写のための調整機能]
本実施形態では、トナー像を記録材に転写する二次転写電界を適正化するために、調整電圧を印加するATVC(Active Transfer Voltage Control)とよばれる機能が実行される。これは、二次転写のための調整する調整機能であって、記録材が二次転写部を通っていない非通紙時に実行される。ATVCによって、二次転写用電源が印加する電圧と、二次転写部を流れる電流との相関関係を把握することができる。
本実施形態では、トナー像を記録材に転写する二次転写電界を適正化するために、調整電圧を印加するATVC(Active Transfer Voltage Control)とよばれる機能が実行される。これは、二次転写のための調整する調整機能であって、記録材が二次転写部を通っていない非通紙時に実行される。ATVCによって、二次転写用電源が印加する電圧と、二次転写部を流れる電流との相関関係を把握することができる。
なお、調整機能は、記録材が二次転写部を通過しない時に、CPU回路部150が二次転写用電源を制御することで行われる。すなわちCPU回路部150は、二次転写のための調整機能を実行する実行部(調整部)として機能する。
調整機能としてのATVCでは、定電圧制御された複数の調整電圧Va、Vb、Vcが二次転写電圧電源により印加される。その上でATVCでは、調整電圧が印加された時に流れる電流Ia,Ib,Icが二次転写部電流検出回路204(二次転写電流検出手段)によってそれぞれ検知される。その結果、電圧と電流の相関関係を把握することができる。
[二次転写目標電流設定]
印加された複数の調整電圧Va,Vb,Vcと、それぞれ測定された電流Ia,Ib,Icとの相関関係に基づいて、二次転写に必要となる二次転写目標電流Itを流すための電圧Viが算出される。二次転写目標電流Itは、表1で示されるマトリクスに基づいて設定される。
印加された複数の調整電圧Va,Vb,Vcと、それぞれ測定された電流Ia,Ib,Icとの相関関係に基づいて、二次転写に必要となる二次転写目標電流Itを流すための電圧Viが算出される。二次転写目標電流Itは、表1で示されるマトリクスに基づいて設定される。
表1は、CPU回路部150内に設けられた記憶部に記憶されたテーブルである。このテーブルは、雰囲気中の絶対水分量(g/kg)に応じて、二次転写目標電流Itを設定し分けるものである。この理由について説明する。水分量が高くなるとトナーの帯電量が小さくなる。そこで、水分量が高くなると、二次転写ターゲット電流は小さくなるように設定される。すなわち水分量が増大すると、二次転写目標電流Itが減少する。なお絶対水分量は、温湿度センサ207によって検出された温度と相対湿度とから、CPU回路部150によって算出される。なお本実施形態では絶対水分量を用いたがこれに限定する意図ではない。絶対水分量の代わりに湿度を用いることもできる。
ここで、Itを流すための電圧Viは、記録材が二次転写部に存在しない場合にItを流すための電圧である。しかし二次転写は、記録材が二次転写部に存在する時に行われる。そこで記録材分の抵抗を考慮するのが望ましい。そこで記録材が分担する記録材分担電圧Viiが電圧Viに加算される。記録材分担電圧Viiは、表2で示されるマトリクスに基づいて設定される。
表2は、CPU回路部150内に設けられた記憶部に記憶されたテーブルである。このテーブルは、雰囲気中の絶対水分量(g/kg)と記録材の坪量(g/m2)とに応じて、記録材分担電圧Viiを設定し分けるものである。坪量が増えると、記録材分担電圧Viiは増える。これは、坪量が増えると記録材が厚くなるので、記録材の電気的抵抗が増えるからである。また、絶対水分量が増えると、記録材分担電圧Viiは減る。これは、絶対水分量が増えると、記録材が含有する水分量が増えるので、記録材の電気的抵抗が増えるからである。また、片面印刷時よりも自動両面印刷時や手差両面印刷時の方が、記録材分担電圧Viiは大きい。なお坪量とは、単位面積辺りの重さ(g/m2)を示す単位で、記録材の厚みを示す値として一般的に用いられる。坪量は、操作部でユーザーが入力する場合や、記録材を収容する収容部に記録材の坪量を入力する場合がある。これらの情報に基づいてCPU回路部150は坪量を判断する。
二次転写目標電流Itを流すためのViに記録材分担電圧Viiが加算された電圧(Vi+Vii)が、調整機能に続く二次転写工程中、定電圧制御された二次転写電圧の二次転写目標電圧VtとしてCPU回路部150によって設定される。すなわちCPU回路部150は、二次転写電圧を設定する設定手段として機能する。その結果、雰囲気環境と紙厚さに応じて、適正な電圧値が設定される。また二次転写中は、設定された二次転写電圧が定電圧制御された状態で印加されるので、記録材の幅が変わっても二次転写が安定した状態で行われる。
[最大幅の記録材に対応した二次転写電圧の設定]
ダウンタイムが長引くのを抑制するためには、一次転写と二次転写とを並行して行うのが望ましい。しかし一次転写と二次転写とを並行して行う時に、ツェナーダイオードの電圧降下がツェナー降伏電圧を下回れば、一次転写を不安定にするおそれがある。
ダウンタイムが長引くのを抑制するためには、一次転写と二次転写とを並行して行うのが望ましい。しかし一次転写と二次転写とを並行して行う時に、ツェナーダイオードの電圧降下がツェナー降伏電圧を下回れば、一次転写を不安定にするおそれがある。
そこで、一次転写と二次転写とを両立するためには、記録材が二次転写部を通過する時、ツェナーダイオードの電圧降下はツェナー降伏電圧を維持するのが望ましい。
しかし、一次転写高圧レスシステムでは、図7に示されるように、二次転写部における記録材の幅方向のサイズによって、二次転写部材に印加される電圧とベルト電位との関係は異なる。ここで幅方向とは、記録材を搬送する搬送方向に対して直交する方向である。図7は、所定の種類(普通紙)の記録材について、代表的な記録材サイズとしてA4R(幅方向210mm)、A4(幅方向297mm)、SRA3(320mm)の二次転写印加電圧とベルト電位の関係を示している。図7に示されるように、記録材の種類が同じであっても、幅方向のサイズが大きくなる程、ベルト電位を一定に維持するために必要な電圧は大きくなる。
この理由について説明する。この理由は、図8のように記録材の幅方向幅により二次転写ローラと中間転写ベルトの接触幅が変わるためである。図8(a)はA3サイズでの記録材幅と記録材が通過しない非通過領域で中間転写ベルトと二次転写外ローラの接触幅を示した図である。図のように記録材の幅L21と、二次転写外ローラと中間転写ベルトとの接触幅L1が示されている。次に図8(b)にはA4Rサイズでの記録材幅と、非通過領域での中間転写ベルトと二次転写ローラの接触幅を示した図である。図のように記録材幅L22と、二次転写外ローラと中間転写ベルトとの接触幅L2が示されている。このように幅方向の記録材サイズによる中間転写ベルトと二次転写ローラとの接触幅の違いによって、二次転写外ローラに印加される二次転写バイアスと中間転写ベルトのベルト電位の関係は異なる。
記録材の幅が小さい場合、つまり接触幅が大きい場合、記録材の外側を電流が流れやすくなる。そのため、記録材の分担電圧は小さくなり、ツェナーダイオードにかかる電圧が大きくなる傾向がある。一方で、記録材の幅が大きい場合、つまり接触幅が小さい場合、記録材の外側を電流が流れにくくなる。そのため、記録材の分担電圧は大きくなり、ツェナーダイオードにかかる電圧が小さくなる傾向がある。このように、二次転写ローラと中間転写ベルトが直接接触する幅(面積)が変わると、二次転写部材に印加される電圧とベルト電位との関係が記録材の幅によって異なる。
記録材の幅が大きい場合、ツェナーダイオードにかかる電圧が小さくなれば、ツェナーダイオードの電圧降下がツェナー降伏電圧を下回るおそれがある。その結果、一次転写と二次転写とを両立するのが困難になる。
よって、本実施形態では、最大の幅の記録材によって決められる二次転写ローラと中間転写ベルトが直接接触する幅(面積)に対応するように、二次転写電圧が設定される。なお、最大の幅の記録材は、画像形成装置が対応可能な定型サイズのうちで最大の幅の記録材のことであって、出荷前に予め決められている。本実施形態でいえば、画像形成装置が対応可能な定型サイズは、A4R(幅方向210mm)、A4(幅方向297mm)、SRA3(320mm)であるので、最大の幅の記録材は、SRA3となる。
図7に示される印加電圧とベルト電位との関係のうち、最大幅の記録材(SRA3)が搬送される場合における印加電圧とベルト電位との関係に基づいて、記録材の分担電圧値が算出される。算出された電圧値は、普通紙の全サイズについての分担電圧として、制御部20のROM151に記憶される。普通紙が搬送される場合には、記録材の幅によらず、記録材による抵抗変化分として、目標表電流に対応する電圧値に加算される。こうして、二次転写電圧が得られる。
二次転写電圧を得るために加算される記録材の分担電圧は、最大幅の記録材が搬送される場合の関係から算出されるので、どの幅の記録材が搬送される場合であっても、ツェナーダイオードにかかる電圧が低くなるのが抑制される。なお、記録材の分担電圧の設定は、他の種類の記録材についても同様にして行う。すなわち、他の種類の記録材についても、最大幅の記録材が搬送される場合の関係に基づいて、記録材の分担電圧が算出される。
図9にフローチャートを示す。
画像形成装置の動作に先立ち、ユーザーからの指示で、タッチパネル等から使用される記録材サイズと種類が選択される(Step1)。次に、画像形成装置のスタートボタンが押され(Step2)画像形成動作が開始されると、記録材が搬送されていない状態で二次転写バイアス決定のフローが開始される。まず、複数の二次転写バイアスが二次転写部に印加される(Step3)。印加された電圧に対する検知電流から目標電流に対応する二次転写電圧を決定する(Step4)。さらにStep4で決められた二次転写電圧でのツェナーダイオード流入電流を検知しベルト電位が安定しているかどうかか確認する(Step5)。
画像形成装置の動作に先立ち、ユーザーからの指示で、タッチパネル等から使用される記録材サイズと種類が選択される(Step1)。次に、画像形成装置のスタートボタンが押され(Step2)画像形成動作が開始されると、記録材が搬送されていない状態で二次転写バイアス決定のフローが開始される。まず、複数の二次転写バイアスが二次転写部に印加される(Step3)。印加された電圧に対する検知電流から目標電流に対応する二次転写電圧を決定する(Step4)。さらにStep4で決められた二次転写電圧でのツェナーダイオード流入電流を検知しベルト電位が安定しているかどうかか確認する(Step5)。
予め記憶されてあった記録材種に応じて決められた電圧値をStep4によりきめられた電圧値に加算する(Step6)。Step6で加算された電圧値を記録材の通記録材タイミングに合わせて通記録材時の二次転写電圧として二次転写ローラに印加し(Step7)、中間転写ベルトからトナー像が記録材に転写される二次転写動作が行われる(Step8)。次に連続して通記録材されるのであればStep6に戻り(Step8)、記録材種が変えられるのであればStep1に戻る(Step9)。そのまま終了であれば画像形成動作を終了する(Step10)。
以上により、1転高圧レスシステムの構成において、二次転写ローラの印加電圧を通記録材される最大記録材幅により決定することで記録材に二次転写する時における1次転写部での転写コントラスト不足による転写不良防止することができる。
(実施形態2)
実施形態1と重複する点については説明を省略する。実施形態1と異なる点について説明する。
実施形態1と重複する点については説明を省略する。実施形態1と異なる点について説明する。
実施形態1では、記録材の最大の幅に基づいて決められた電圧が、搬送される記録材のサイズがいずれであっても、二次転写電圧を得るために用いられる。サイズ毎に電圧を設定せずに済むので、設定を簡潔にするというメリットがある。
実施形態2では、記録材の幅に応じて決められた電圧値が、搬送される記録材のサイズによって選択されて、二次転写電圧を得るために用いられる。二次転写ローラに必要以上の電圧をかけるのを抑制して、二次転写外ローラの寿命を長くするというメリットがある。
本実施形態では、二次転写ローラはその抵抗値が1×106〜1×1010(Ω)程度の値に調整される。ゴム材料としては、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)等の一般的なゴム及びその発泡体が用いられる。さらには導電材として、イオン導電系の材料を配合したものが用いられる。
本実施形態では、二次転写ローラはその抵抗値が1×106〜1×1010(Ω)程度の値に調整される。ゴム材料としては、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)等の一般的なゴム及びその発泡体が用いられる。さらには導電材として、イオン導電系の材料を配合したものが用いられる。
このイオン導電系の転写ローラの抵抗に関しては、機内の温湿度や通電時間や印加電圧に応じて変動しやすいことが知られている。二次転写ローラに印加される電圧が高ければ二次転写外ローラの抵抗上昇を加速させ、より短寿命となってしまうおそれがある。
よって、記録材幅に応じた二次転写印加電圧を選択することで二次転写ローラの寿命を長くするのが望ましい。
よって、記録材幅に応じた二次転写印加電圧を選択することで二次転写ローラの寿命を長くするのが望ましい。
図10は二次転写電圧とベルト電位の関係を説明するグラフである。ここでは説明を簡易化するために代表的な記録材幅に絞って説明をする。
図10のようにA4R、A4、SRA3で二次転写バイアスに対するベルト電位の関係は実施例1でも説明したように異なる。
ここで、A4Rに対応した二次転写バイアスはV21、A3に対応した二次転写バイアスはV22、SRA3に対応した二次転写バイアスはV23となる。
そこで、記録材の分担電圧は、記録材の幅ごとに決められる。つまり、記録材の幅によって、分担電圧の設定が異なる。種類が同じであっても、小さい幅の記録材の分担電圧は小さく、大きな幅の記録材の分担電圧は大きくなるように設定される。その上で、各分担電圧は、記録材による抵抗変化分として、目標表電流に対応する電圧値に加算される。こうして、二次転写電圧が得られる。
本実施形態では、二次転写電圧に加算される記録材分担電圧は、それぞれの幅の記録材が搬送される場合の関係に基づいて算出される電圧値である。どの幅の記録材が搬送される場合であっても、ツェナーダイオードにかかる電圧が低くなるのが抑制される。
二次転写電圧を得るために加算される記録材の分担電圧は、各幅の記録材が搬送される場合の関係から算出されるので、どの幅の記録材が搬送される場合であっても、ツェナーダイオードにかかる電圧が低くなるのが抑制される。
図11にフローチャートを示す。
画像形成装置の動作に先立ち、ユーザーからの指示で、タッチパネル等から使用される記録材サイズと種類が選択される(Step1)。
画像形成装置の動作に先立ち、ユーザーからの指示で、タッチパネル等から使用される記録材サイズと種類が選択される(Step1)。
次に、画像形成装置のスタートボタンが押され(Step2)画像形成動作が開始されると、記録材が搬送されていない状態で二次転写バイアス決定のフローが開始される。まず、複数の二次転写バイアスが二次転写部に印加される(Step3)。
印加された電圧に対する検知電流から目標電流に対応する二次転写電圧を決定する(Step4)。さらにStep4で決められた二次転写電圧でのツェナーダイオード流入電流を検知しベルト電位が安定しているかどうかか確認する(Step5)。
ここで、Step1にて選択された記録材幅により、予め記憶されてあった記録材種に応じて決められた電圧値をStep4によりきめられた電圧値に加算する(Step6)。Step6で加算された電圧値を記録材が通過するタイミングに合わせて二次転写電圧として二次転写ローラに印加し(Step7)、中間転写ベルトからトナー像が記録材に転写される二次転写動作が行われる(Step8)。次に連続して記録材が搬送されるのであればStep7に戻り(Step9)、記録材の種類が変えられるのであればStep1に戻る(Step10)。そのまま終了であれば画像形成動作を終了する(Step11)。
以上が実施例2の形態となるが、選択される記録材種の幅方向の幅は、記録材のトレイから二次転写部までの搬送経路に記録材幅検知センサーを置いて自動検知することも可能である。
また、実施例1、実施例2においては画像形成前に二次転写電圧を選択する構成である。しかしこの構成に限定する意図ではない。記録材が二次転写部を通過している時にツェナー流入電流を検知して、検知する度に二次転写電圧を補正する制御を、この構成に組み合わせることも可能である。記録材が二次転写部を通過中にツェナーダイオードに流れ込む電流値が無い場合には、ベルト電位がツェナー電位に到達していないことを意味するので、ベルト電位を上げるために二次転写電圧にフィードバックをかけることも可能である。
以上より、本実施形態では、予め決められたサイズの記録材が搬送された場合、記録材のサイズによらず、一次転写と二次転写とを両立することができる。また、記録材幅に応じた電圧を選択するので、幅方向に小さいサイズの記録材が連続してきたときにも二次転写ローラの抵抗上昇を抑えることができる。
なお本実施形態は、電子写真方式で静電像を形成する画像形成装置について説明したが、この構成に限定する意図ではない。電子写真方式でなくて、静電気力方式で静電像を形成する画像形成装置にすることもできる。
Claims (4)
- 像担持体と、
前記像担持体からトナー像が一次転写される中間転写体と、
記録材を前記中間転写体とともに挟持して前記中間転写体からトナー像を記録材に二次転写する転写部材と、
前記中間転写体からトナー像を記録材に二次転写する二次転写電界と、前記像担持体からトナー像を前記中間転写体に一次転写する一次転写電界とを形成するために、前記転写部材に電圧を印加する電源と、
前記中間転写体とアースとの間に接続されるツェナーダイオードと、
記録材を搬送する方向に対して直交する幅方向において予め決められたサイズの記録材が搬送された場合に、記録材のサイズによらず、前記中間転写体からトナー像を記録材に二次転写する時に前記転写部材に印加する電圧を、前記ツェナーダイオードの電圧降下がツェナー降伏電圧を維持するように設定する設定手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記ツェナーダイオードを流れる電流を検知するためのツェナーダイオード電流検知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
- 前記中間転写体を張架する複数の部材を備えて、前記ツェナーダイオードは、前記複数の部材の全てとアースとの間に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載された画像形成装置。
- 上記中間転写体は2層以上の構成であり、前記像担持体側の表層の抵抗が他の層の抵抗よりも高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載された画像形成装置。
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