JP2018054644A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一転高圧レスシステムにおいて、画像形成中は全域において中間転写ベルトが正極性に帯電しているため填料が付着しやすく、電位が落ちることがないため吸着力が増しクリーニングにより除去しにくくなる。一転レスシステムにおいてはタルクや炭酸カルシウムなどの填料の付着物を除去しやすくしたうえで中間転写体クリーニングモードを行うことが課題である
【解決手段】中間転写ベルトのクリーニング時に中間転写ベルトを電気的に浮かし、中間転写ベルトの電位を負極性に帯電させることで、静電気力で付着した填料を電気的な反発力を利用して中間転写ベルト表面からはがれやすくする。これにより、中間転写ベルト表面に付着した填料が取れやすくなる。
【選択図】図2
【解決手段】中間転写ベルトのクリーニング時に中間転写ベルトを電気的に浮かし、中間転写ベルトの電位を負極性に帯電させることで、静電気力で付着した填料を電気的な反発力を利用して中間転写ベルト表面からはがれやすくする。これにより、中間転写ベルト表面に付着した填料が取れやすくなる。
【選択図】図2
Description
本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、感光体からトナー像を中間転写体に転写(一次転写)して、中間転写体から記録材に転写(二次転写)することで画像を形成する中間転写方式が知られている。
しかし、二次転写ローラや二次転写用の電源とは別途に、一次転写専用の電源、および、一次転写ローラを用いれば、コストアップおよび、中間転写ユニットの大型化につながるおそれがある。
そこで、一次転写用の電源、および一次転写ローラを省き、かつ、中間転写ユニットの小型化を図るために、感光体から中間転写体へのトナー像の転写を、二次転写ローラに電圧を印加することによって行う旨が記載されている((特許文献1、2参照)。以下、一転高圧レスシステムと記載、図1参照)。
一転高圧レスシステムにおいて、プロセススピードの高速化とコストダウンを両立させるために、中間転写体を張架する複数の張架ローラのいずれか1つに補助高圧を追加する方法が提案される(一転レスシステムと記載、図2参照)。
ところで、市場で使われる数多あるメディアの中で、白色度を高めるために填料としてタルクや炭酸カルシウムを含むものが数多く存在する。紙の中に含まれる填料はトナー粒径よりも小さく(数ミクロン以下)、ネガ極性に帯電し、中間転写ベルトの表面に付着してもクリーニングされにくく蓄積しやすい。中間転写ベルトに填料が付着すると転写ベルトの離型性が低下してしまう。中間転写ベルト表面の離型性が低下すると、転写材に対するトナーの転写効率が低下するほか、感光体ドラムと中間転写ベルトとの摩擦力が上昇し、感光体ドラム上のかぶりトナーが中間転写ベルト上へ転写されやすくなる。
しかし、一転レスシステムにおいては、画像形成中は常時、全域において中間転写ベルトが正極性に帯電しているため填料が付着しやすく、電位が落ちることがないため吸着力が増しクリーニングにより除去しにくくなる。
一転レスシステムにおいてはタルクなどの填料の付着物を除去しやすくしたうえで中間転写体クリーニングモードを行うことが課題である。
上記の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、
感光体(1a〜1d)と、
前記感光体(1a〜1d)表面に接触配置されて前記感光体(1a〜1d)表面を帯電する帯電手段(2a〜2d)と、帯電後の前記感光体(1a〜1d)表面に静電潜像を形成する静電潜像手段(3a〜3d)と、前記感光体(1a〜1d)上に形成された該潜像をトナーにて現像する現像手段(4a〜4d)と、前記感光体(1a〜1d)上に形成されたトナー像を一次転写部(N1a〜N1d)で転写させる中間転写体(7)と、記録材を前記中間転写体(7)とともに挟持して前記中間転写体(7)からトナー像を記録材に2次転写部(N2)で転写する転写部材(14)と、
前記中間転写体(7)を張架する複数の張架ローラ(10、11、12、13)と、前記複数の張架ローラ(10、11、12、13)のいずれか1つに配置される第2の電源(21)と、
前記転写部材(14)に電圧を印加する電源(22)と、
前記電源(21)が前記中間転写体(7)の周方向に電流を流すことに伴って、
前記感光体(1a〜1d)からトナー像を前記一次転写部(N1a〜N1d)で前記中間転写体(7)に転写する一次転写電界が形成され、前記第1の電源(22)が前記転写部材(14)に転写電圧を印加することに伴って、前記中間転写体(7)からトナー像を記録材に前記二次転写部(N2)で転写する二次転写電界が形成されるように、前記中間転写体(7)とアースとの間に接続されるツェナーダイオード(16)と、を備え、
前記中間転写体(7)をクリーニングするクリーニング部材(15)を備え、検知検知前記中間転写体(7)を電気的に浮かし、前記電源(21または22)から前記中間転写体(7)にトナーと同極性の電圧を印加し、中間転写体(7)をクリーニングすることを特徴とする。
感光体(1a〜1d)と、
前記感光体(1a〜1d)表面に接触配置されて前記感光体(1a〜1d)表面を帯電する帯電手段(2a〜2d)と、帯電後の前記感光体(1a〜1d)表面に静電潜像を形成する静電潜像手段(3a〜3d)と、前記感光体(1a〜1d)上に形成された該潜像をトナーにて現像する現像手段(4a〜4d)と、前記感光体(1a〜1d)上に形成されたトナー像を一次転写部(N1a〜N1d)で転写させる中間転写体(7)と、記録材を前記中間転写体(7)とともに挟持して前記中間転写体(7)からトナー像を記録材に2次転写部(N2)で転写する転写部材(14)と、
前記中間転写体(7)を張架する複数の張架ローラ(10、11、12、13)と、前記複数の張架ローラ(10、11、12、13)のいずれか1つに配置される第2の電源(21)と、
前記転写部材(14)に電圧を印加する電源(22)と、
前記電源(21)が前記中間転写体(7)の周方向に電流を流すことに伴って、
前記感光体(1a〜1d)からトナー像を前記一次転写部(N1a〜N1d)で前記中間転写体(7)に転写する一次転写電界が形成され、前記第1の電源(22)が前記転写部材(14)に転写電圧を印加することに伴って、前記中間転写体(7)からトナー像を記録材に前記二次転写部(N2)で転写する二次転写電界が形成されるように、前記中間転写体(7)とアースとの間に接続されるツェナーダイオード(16)と、を備え、
前記中間転写体(7)をクリーニングするクリーニング部材(15)を備え、検知検知前記中間転写体(7)を電気的に浮かし、前記電源(21または22)から前記中間転写体(7)にトナーと同極性の電圧を印加し、中間転写体(7)をクリーニングすることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置によれば、一転レスシステムにおいて、タルクなどの付着した填料を効率よく除去することが可能となる。
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
[実施形態]
本実施形態においては、一転レスシステムにおいて、転写コントラストを最適化する制御方法について説明する。
本実施形態においては、一転レスシステムにおいて、転写コントラストを最適化する制御方法について説明する。
[画像形成装置]
図2は本実施形態における画像形成装置を示す。
図2は本実施形態における画像形成装置を示す。
画像形成装置は、各色の画像形成ユニットを独立かつタンデムに配置するタンデム方式を採用している。また、画像形成装置、各色の画像形成ユニットからトナー像を中間転写体に転写してから、中間転写体からトナー像を記録材に転写する中間転写方式を採用している。
画像形成ユニット101a、101b、101c、101dは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)色のトナー像を形成する画像形成手段である。これらの画像形成ユニットは、中間転写ベルト7の移動方向において上流側から、画像形成ユニット101a、101b、101c、101dの順、すなわちイエロー、マゼンタ、シアン、黒の順に配置されている。
各画像形成ユニット101a、101b、101c、101dはそれぞれ、トナー像が形成される感光体としての感光体ドラム1a、1b、1c、1dを備える。帯電ローラ2a、2b、2c、2dは、各感光体ドラム1a、1b、1c、1dの表面を帯電する帯電手段である。露光装置3a、3b、3c、3dはレーザスキャナーを備えて、帯電ローラ2a、2b、2c、2dによって帯電された感光体ドラム1a、1b、1c、1dを露光する。レーザスキャナーの出力が画像情報に基づいてオンオフされることによって、画像に対応した静電像が各感光体ドラム1a、1b、1c、1d上に形成される。すなわち、帯電ローラ2a、2b、2c、2dと露光装置3a、3b、3c、3dとが、静電像を感光体ドラム1a、1b、1c、1dに形成する静電像形成手段として機能する。現像装置4a、4b、4c、4dは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナーを収容する収容器を備えて、感光体ドラム1a、1b、1c、1d上の静電像をトナーを用いて現像する現像手段である。
感光体ドラム1a、1b、1c、1dに形成されたトナー像は、中間転写ベルト7へ一次転写部N1a、N1b,N1c,N1dで一次転写される。こうして中間転写ベルト7上に4色のトナー像が重ねて転写される。
中間転写ベルト7は、感光体ドラム1a、1b、1c、1dからトナー像が転写される、移動可能な中間転写体である。本実施形態では中間転写ベルト7は、基層と表層との二層構成である。基層はポリイミドあるいはポリアミド、PEN、PEEK等の樹脂または各種ゴム等にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものが用いられる。中間転写ベルト7の基層は、基層の表面抵抗率が102〜108Ω/□となるように形成される。本実施形態における基層としては、ポリイミドで、中心厚みが45〜150um程度のフィルム状の無端ベルトが用いられる。さらに表層は、基層込みでの膜厚方向の体積抵抗率が109〜1013Ω・cmに抵抗調整されたアクリルコートが施される。すなわち表層の抵抗よりも、基層の抵抗の方が低い。表層の厚みは1〜10umである。もちろんこれらの数値に限定する意図ではない。
中間転写ベルト7の内周面は、張架部材としての各種ローラ10、11、12、13によって張架されている。アイドラローラ12は、各感光体ドラム1a、1b、1c、1dの配列方向に沿って延びる中間転写ベルト7を張架する。テンションローラ11は、中間転写ベルト7に対して一定の張力を与えるテンションローラである。さらにテンションローラ11は、中間転写ベルト7の蛇行を防止する補正ローラとしても機能する。なお、テンションローラ11に対するベルトテンションは5〜12kgf程度になるように構成される。このベルトテンションがかけられることで、一次転写部N1a、N1b,N1c,N1dとして、中間転写ベルト7と感光体ドラム1a、1b、1c、1dとの間にニップが形成される。二次転写内ローラ10は、定速性に優れたモーターにより駆動されて中間転写ベルト7を循環駆動させる駆動ローラとして機能する。
ベルト電位用電源21は、テンションローラ11に接続されており、中間転写ベルト7の周方向に電流を流すための電源である。なお、ベルト電位用電源21は、必ずしもテンションローラ11へ接続する必要はなく、張架ローラ10、11、12、13のいずれか1つに接続されておればよい。
記録材は、記録材Pを収容する用紙トレイに収容されている。記録材Pは、この用紙トレイから所定のタイミングでピックアップローラによって取り出されて、レジストレーションローラ(不図示)へ導かれる。記録材Pは、中間転写ベルト7上のトナー像が搬送されるのと同期して、中間転写ベルト7からトナー像を記録材Pに転写する二次転写部N2へレジストレーションローラによって送り出される。
二次転写外ローラ14は、中間転写ベルト7を介して二次転写内ローラ10を押圧して、二次転写内ローラ10と共に二次転写部N2を形成する二次転写部材である。二次転写用電源22は、二次転写外ローラ14に接続されており、二次転写外ローラ14に電圧を印加する電圧印加手段としての電源である。
記録材Pが二次転写部N2へ搬送されると、二次転写外ローラ14にトナーと逆極性の二次転写電圧が印加されることによって、中間転写ベルト7からトナー像が記録材に転写する。
なお、二次転写内ローラ10はEPDMゴムからなる。二次転写内ローラ10の直径は20mm、ゴム厚は0.5mm、硬度は70°(Asker−C)に設定される。二次転写外ローラ14はNBRゴムやEPDMゴム等からなる弾性層と芯金からなる。二次転写外ローラの直径は、24mmになるように形成される。
中間転写ベルト7が移動する方向において二次転写部N2よりも下流側には、記録材に二次転写部N2で転写せず中間転写ベルト7に残留した残留トナーや紙粉を除去するための中間転写ベルトクリーニング装置15が設けられている。
[一転レスシステムにおける一次転写電界形成]
本実施形態における一次転写電界の形成について図3の等価回路を参照して説明する。ここで、ITB_bは中間転写ベルト7の基層を、ITB_sは中間転写ベルト7の表層を表す。
本実施形態における一次転写電界の形成について図3の等価回路を参照して説明する。ここで、ITB_bは中間転写ベルト7の基層を、ITB_sは中間転写ベルト7の表層を表す。
本実施形態は、一転高圧レスシステムにおいて、プロセススピードの高速化とコストダウンを両立させるために、中間転写体を張架する複数の張架ローラのいずれか1つにベルト電位用電源21を追加した構成である。そこで本実施形態では、感光体ドラム1a、1b、1c、1dからトナー像を中間転写ベルト7へ静電的に一次転写するために、定電流源であるベルト電位用電源21を用い、中間転写ベルト7からトナー像を記録材へ二次転写するために二次転写用電源22を用いる。
しかし、従来の構成、すなわち中間転写ベルト7を張架するローラが直接的にアースに接続される構成では、ベルト電位用電源21が中間転写ベルト7の周方向へ電流を流しても、張架ローラ10、11、12、13側へ全ての電流が流れてしまうおそれがある。すなわち、定電流源であるベルト電位用電源21から電流を流しても、感光体ドラム1a、1b、1c、1dへ電流が流れず、感光体ドラム1a、1b、1c、1dと中間転写ベルト7との間に、トナー像を転写するための一次転写電界が働かない。
そこで、一転レスシステムにおいて一次転写電界作用を働かせるためには、張架ローラ10、11、12、13のすべてとアースとの間に受動素子を配置して、張架ローラ10、11、12、13へ電流が流れるのが抑制するのが望ましい。
その結果、図3に示すように、中間転写ベルト7の電位が高くなり、感光体ドラム1a、1b、1c、1dと中間転写ベルト7との間に一次転写電界が働くようになる。
なお、中間転写ベルト7自体の抵抗が高ければ、中間転写ベルト7における電圧降下が大きくなる。その結果、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム1a、1b、1c、1dへ電流が流れにくくなるおそれもある。そのため、中間転写ベルト7が低抵抗の層を持つのが望ましい。本実施形態では中間転写ベルト7における電圧降下を抑制するために、中間転写ベルト7の基層の表面抵抗率が102Ω/□以上で108Ω/□以下となるように形成される。
ここで、本実施形態ではベルト電位用電源21として定電流源を接続しているが、定電圧の電源を接続してもよい。定電圧源の場合は、張架ローラ10、11、12、13のすべてをフロート状態にし、かつ、受動素子を配置しなくても、中間転写ベルト7の電位が高くなるので、感光体ドラム1a、1b、1c、1dと中間転写ベルト7との間に一次転写電界が働くようになる。
次に図4を用いて、感光体ドラムの電位と中間転写ベルトの電位の差である一次転写コントラストについて説明する。
図4は、感光体ドラム表面が帯電ローラによって帯電されて、感光体ドラム表面の電位Vd(ここでは−678Vとする)となり、帯電された感光体ドラムの表面が露光手段によって露光されて、感光体ドラムの表面がVl(ここでは−240Vとする)となる場合である。電位Vdは、トナーが付着されない非画像部の電位であり、電位Vlは、感光体ドラム上のトナーが付着される画像部の電位である。Vitbは中間転写ベルトの電位を示す。
ドラムの表面電位は帯電、露光手段の下流側、且つ現像手段の上流で感光体ドラムに近接配置された電位センサーの検知結果に基づいて制御される。
電位センサーは感光体ドラム表面の非画像部電位と画像部電位を検知し、非画像部電位に基づいて帯電手段の帯電電位を制御して、画像部電位に基づいて露光手段の露光光量を制御する。
この制御により感光体ドラムの表面電位は画像部電位、非画像部電位の両電位とも適正な値にすることができる。
この感光体ドラム上の帯電電位に対して、現像装置によって現像バイアスVdc(ここではDC成分は−467V)が印加されて、ネガ帯電したトナーが感光体ドラム側に現像される。
感光体ドラムのVlと現像バイアスVdcとの電位差である現像コントラストVcaは、
−240(V)−(−467(V))=227(V)
となる。
−240(V)−(−467(V))=227(V)
となる。
画像部電位Vlと非画像部電位Vdとの電位差である静電像コントラストVcbは、
−240(V)−(−678(V))=438(V)
となる。
−240(V)−(−678(V))=438(V)
となる。
感光ドラムの画像部電位Vlと中間転写ベルトの電位Vitb(ここでは300Vとする)との電位差である一次転写コントラストVtrは、
300(V)−(−240(V))=540(V)
となる。
300(V)−(−240(V))=540(V)
となる。
[ツェナーダイオードのVI特性]
一転レスシステムでは、一転高圧レスシステムと同様に、一次転写は中間転写ベルトの電位と感光体ドラムの電位との電位差である一次転写コントラストによって決まる。そのため一次転写コントラストを安定的に形成するためには中間転写ベルトの電位を一定に維持するのが望ましい。
一転レスシステムでは、一転高圧レスシステムと同様に、一次転写は中間転写ベルトの電位と感光体ドラムの電位との電位差である一次転写コントラストによって決まる。そのため一次転写コントラストを安定的に形成するためには中間転写ベルトの電位を一定に維持するのが望ましい。
そこで、本実施形態では、張架ローラとアースとの間に配置される受動素子として、ツェナーダイオードが用いられる。
図5はツェナーダイオードの電流電圧特性を示す。ツェナーダイオードは、ツェナー降伏電圧Vbr以上の電圧が印加されるまでほとんど電流を流さないが、ツェナー降伏電圧以上の電圧が印加されると急激に電流が流れるような特性を持つ。すなわち、ツェナーダイオード16にかかる電圧がツェナー降伏電圧以上の範囲では、ツェナーダイオード16の電圧降下はツェナー電圧で一定に維持される。
このようなツェナーダイオードの電流電圧特性を利用して、中間転写ベルト7の電位を一定に維持する。
すなわち本実施形態では、すべての張架ローラ10、11、12、13と、アースとの間に、受動素子としてツェナーダイオード16が配置される。
その上で、一次転写中は、ツェナーダイオード16にかかる電圧がツェナー降伏電圧以上の範囲になるように、ベルト電位用電源21から電流を流す。その結果、一次転写中に、中間転写ベルト7のベルト電位を一定に維持することができる。
本実施形態では、張架ローラとアースとの間に、ツェナー降伏電圧Vbrが25Vとなるツェナーダイオード16が12個直列に接続された状態で配置されるものとする。すなわち、ツェナーダイオードにかかる電圧がツェナー降伏電圧以上の範囲では、中間転写ベルトの電位は、各ツェナーダイオードのツェナー降伏電圧の合計、すなわち25×12=300Vで一定に維持されることになる。
もちろんツェナーダイオードを複数用いる構成に限定する意図ではない。ツェナーダイオードを1つだけ用いる構成にすることもできる。
もちろん中間転写ベルトの表面電位は300Vになる構成に限定する意図ではない。使用するトナーの種類や感光体ドラムの特性に応じて適宜設定するのが望ましい。
[ツェナー降伏電圧検知]
本実施形態では、ツェナーダイオード16にかかる電圧がツェナー降伏電圧以上の範囲内か範囲外かどうかを判断するために、ツェナーダイオード16を介してアースに流れ込む電流を検知する電流検知手段としての張架ローラ流入電流検出回路204が設けられている。張架ローラ流入電流検出回路204が電流を検知しない間、ツェナーダイオード16にかかる電圧がツェナー降伏電圧以上の範囲外と判断される。一方で張架ローラ流入電流検出回路204が電流を検知すると、ツェナーダイオード16にかかる電圧がツェナー降伏電圧以上の範囲内であると判断される。
本実施形態では、ツェナーダイオード16にかかる電圧がツェナー降伏電圧以上の範囲内か範囲外かどうかを判断するために、ツェナーダイオード16を介してアースに流れ込む電流を検知する電流検知手段としての張架ローラ流入電流検出回路204が設けられている。張架ローラ流入電流検出回路204が電流を検知しない間、ツェナーダイオード16にかかる電圧がツェナー降伏電圧以上の範囲外と判断される。一方で張架ローラ流入電流検出回路204が電流を検知すると、ツェナーダイオード16にかかる電圧がツェナー降伏電圧以上の範囲内であると判断される。
[コントローラ]
本画像形成装置全体の制御を行うコントローラの構成について図6を参照して説明する。
本画像形成装置全体の制御を行うコントローラの構成について図6を参照して説明する。
コントローラは、図6に示すように、CPU回路部150を有する。CPU回路部150は、CPU(図示せず)、ROM151およびRAM152を内蔵する。張架ローラ流入電流検出回路204は張架ローラに流入する電流を検出するための回路であり、二次転写部電流検出回路205は二次転写部を流れる電流を検出するための回路であり、電位センサー206は感光体ドラム表面の電位を検出するセンサーであり、温湿度センサー207は温湿度を検出するためのセンサーである
CPU回路部150には、張架ローラ流入電流検出回路204、二次転写部電流検出回路205、電位センサー206、温湿度センサー207からの情報が入力される。そしてCPU回路部150は、ROM151に格納されている制御プログラムに応じて、ベルト電位用電源21、二次転写用電源22、現像高圧電源201、露光手段高圧電源202,帯電手段高圧電源203、帯電補助手段高圧電源204を統括的に制御する。後述する環境テーブルや紙厚さ対応テーブルはROM151に格納されておりCPUが呼び出して反映される。RAM152は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
CPU回路部150には、張架ローラ流入電流検出回路204、二次転写部電流検出回路205、電位センサー206、温湿度センサー207からの情報が入力される。そしてCPU回路部150は、ROM151に格納されている制御プログラムに応じて、ベルト電位用電源21、二次転写用電源22、現像高圧電源201、露光手段高圧電源202,帯電手段高圧電源203、帯電補助手段高圧電源204を統括的に制御する。後述する環境テーブルや紙厚さ対応テーブルはROM151に格納されておりCPUが呼び出して反映される。RAM152は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
[二次転写電界適正化のための二次転写用電源の制御]
中間転写ベルトからトナー像を記録材に転写する二次転写電界を適正化するために、二次転写用電源22がCPU回路部150によって制御される。
中間転写ベルトからトナー像を記録材に転写する二次転写電界を適正化するために、二次転写用電源22がCPU回路部150によって制御される。
適正な二次転写電界は、雰囲気環境や記録材の種類によって変化する。そこで本実施形態では、トナー像を記録材に転写する二次転写電界を適正化するために、調整電圧を印加するATVC(Active Transfer Voltage Control)とよばれる、二次転写のための調整工程が、CPU回路部150によってトナー像を記録材に転写する二次転写工程前の非二次転写時に実行される。すなわちCPU回路部150は、二次転写のための調整工程を実行する実行部として機能する。
調整工程としてのATVCは、二次転写用電源22が定電圧制御された複数の調整電圧を印加した上で、調整電圧が印加された時に電流検知手段22によって二次転写部を流れる電流が測定されることにより行われる。ATVCによって電圧と電流の相関関係を算出することができる。
さらに、算出された電流と電圧との相関関係に基づいて、二次転写に必要となる二次転写目標電流Itを流すための電圧V1が算出される。二次転写目標電流Itは、表1で示されるマトリクスに基づいて設定される。
表1は、CPU回路部150内に設けられた記憶部に記憶されたテーブルである。このテーブルは、雰囲気中の絶対水分量(g/m3)に応じて、二次転写目標電流Itを設定し分けるものである。水分量が増大すると、二次転写目標電流Itが減少する。なお絶対水分量は、温湿度センサ207によって検出された温度と相対湿度とから、CPU回路部150によって算出される。なお本実施形態では絶対水分量を用いたがこれに限定する意図ではない。絶対水分量の代わりに相対湿度を用いることもできる。
さらに記録材が分担する記録材分担電圧V2が電圧V1に加算される。記録材分担電圧V2は、表2で示されるマトリクスに基づいて設定される。
表2は、CPU回路部150内に設けられた記憶部に記憶されたテーブルである。このテーブルは、雰囲気中の絶対水分量(g/m3)と記録材の坪量(g/m2)とに応じて、記録材分担電圧V2を設定し分けるものである。坪量が増えると、記録材分担電圧V2は増える。また、絶対水分量が増えると、記録材分担電圧V2は減る。また、片面印刷時よりも自動両面印刷時や手差両面印刷時の方が、記録材分担電圧V2は大きい。なお坪量とは、単位面積辺りの重さ(g/m2)を示す単位で、記録材の厚みを示す値として一般的に用いられる。坪量は、操作部でユーザーが入力する場合や、記録材を収容する収容部に記録材の坪量を入力する場合がある。これらの情報に基づいてCPU回路部150は坪量を判断する。
二次転写目標電流Itを流すためのV1に記録材分担電圧V2が加算された電圧(V1+V2)が、調整工程に続く二次転写工程中、定電圧制御された二次転写電圧の二次転写目標電圧Vtとして設定される。その結果、雰囲気環境と紙厚さに応じて、適正な電圧値が設定される。また二次転写中は二次転写電圧が定電圧制御された状態で印加されるので、記録材の幅が変わっても二次転写が安定した状態で行われる。
[一次転写適正化のための静電像形成手段の制御]
本実施形態では、一次転写コントラストはベルト電位用電源21を用いて形成し、二次転写コントラストは二次転写用電源22を用いて形成する。
本実施形態では、一次転写コントラストはベルト電位用電源21を用いて形成し、二次転写コントラストは二次転写用電源22を用いて形成する。
一次転写コントラストを最適化するための手順について説明する。図7は、一次転写コントラストを最適化するためのフローチャートである。
まず、Step1において、帯電ローラ2a、2b、2c、2dに画像作像時の高圧を印加し、感光体ドラム1a、1b、1c、1d表面を所望の電位Vdに設定する。
Step2において、定電流源であるベルト電位用電源21から中間転写ベルト7の周方向へ電流を流し、ツェナーダイオードを介してアースに流れ込む電流を検知する。なお、本実施形態では、ツェナーダイオードを介してアースに流れ込む電流を検知する電流検知手段としての張架ローラ流入電流検出回路204が設けられている。
続いて、Step3において、ツェナーダイオードに流れる電流量が目標電流に到達しているか判断する。ツェナーダイオードに流れる電流量が目標電流に到達している場合は、画像形成動作が開始される(Step4)。ツェナーダイオードに流れる電流量が目標電流に未達の場合は、定電流源であるベルト電位用電源21から中間転写ベルト7の周方向へ流す電流量を増加し、ツェナーダイオードに流れる電流量が目標電流に到達しているか判断する(Step5、6)。ツェナーダイオードに流れる電流量が目標電流に到達するまで、Step5、Step6を繰り返し、画像形成動作が開始される(Step4)。
ここで、図8(a)、(b)は定電流源であるベルト電位用電源21の調整方法を表す。
図8(a)は、定電流源であるベルト電位用電源21から低い電流を流して、ツェナーダイオードを介してアースに流れる電流量が目標電流になるまでベルト電位用電源21の出力を上げていく方法である。一方、図8(b)は、定電流源であるベルト電位用電源21から高い電流を流して、ツェナーダイオードを介してアースに流れる電流量が目標電流になるまでベルト電位用電源21の出力を下げていく方法である。ベルト電位用電源21の調整方法としては、どちらの方法でもよいものとする。
その結果、ベルト電位用電源21によって中間転写ベルト7の電位Vitbがツェナー降伏電圧以上で維持される範囲内に設定され、感光体ドラム1a、1b、1c、1dの画像部電位を制御することが可能となる。ゆえに、1転レスシステムにおいて、二次転写コントラストを適正化するために二次転写用電源22が印加する電圧を変更しても、一次転写電界が変化せず、適正な一次転写コントラストを形成することができる。
一次転写コントラストは、表3のテーブルに基づいて設定される。表3はCPU回路部150内に設けられた記憶部に記憶されたテーブルであって、一次転写コントラストと雰囲気環境との関係を示す。このテーブルは、一次転写コントラストを、色(Y,M,C,Bk)と雰囲気環境に応じて、設定し分ける。なお、ベルト電位用電源21からの出力電流も、色(Y,M,C,Bk)と雰囲気環境に応じてテーブルを設定し、テーブルに基づいて設定される。
例えば、絶対水分量が9(g/m3)の雰囲気環境において、坪量が64(g/m2)の記録材について片面印刷をユーザに選択されてから、坪量が150(g/m2)の記録材について片面印刷をユーザに選択された場合について説明する。この場合、記録材の分担電圧V2が800Vから950Vへ変わるので、二次転写目標電圧Vtが変わる。一方で記録材の厚さは一次転写には関係しないので、適正な一次転写コントラストは変わらない。
そこで、二次転写コントラスト適正化のために、二次転写用電源22が二次転写外ローラに印加する電圧が変更される。しかし、ベルト電位用電源21から中間転写ベルトの電位Vitbがツェナー降伏電圧以上で維持される電流が流されることで、中間転写ベルトの電位Vitbは300Vで一定に保持される。さらに静電像形成手段の静電像形成条件を変更することなく、静電像形成手段の静電像形成条件は維持される。その結果、Y,M,C,K色それぞれについての一次転写コントラストが適正な値580V、540V、540V、490Vで維持される。
[中間転写体填料付着検知方法]
本実施形態において、中間転写体への填料付着の検知方法について説明する。
本実施形態において、中間転写体への填料付着の検知方法について説明する。
図9、図10は中間転写体表面の填料付着を検知に関するフローチャートである。
本実施形態ではパッチ検25を使用した中間転写体表面の填料付着の検知方法であるが、その方法は本実施例に限定されるものではない。中間転写体駆動モータのトルク変化など、他の方法でもかまわない。
図9において中間転写体の下地光量の初期化の方法を説明する。
中間転写体が新しい時にパッチ検の中間転写体からの反射光量を設定する。
Step1、中間転写体を新品に交換。
Step2、現像バイアスOFFで前多回転を実施する。
Step3、LED光量を規定値LEDinitVに合わせる。
Step4、中間転写体のHP基準で1周分の初期反射光量ITBinitV0を取得。
Step5で初期の中間転写体LED反射光量ITBinitV0をCPU150内部の記憶装置に記憶する。
次に、図10において耐久時の中間転写体への填料付着の検知方法について説明する。
Step1、通紙後の後回転時に現像バイアスOFFの状態でパッチ検を実施する。
Step2、1000枚通紙後の後回転でなければ終了。1000枚通紙後であればStep3を実施。
Step3、パッチ検のLED光量をLEDinitVに設定。
Step4、中間転写体1周分の下地反射光量データITBnewVを取得。
Step5、ITBinitV0−ITBnewVをΔVとし、ΔV>3%以上ならばStep6で中間転写ベルトクリーニングモードを実施する。それ以下ならば実施しない。
[中間転写ベルトクリーニング時の制御方法]
本実施形態において、中間転写体への填料付着検知後の中間転写ベルトクリーニング方法について説明する。
本実施形態において、中間転写体への填料付着検知後の中間転写ベルトクリーニング方法について説明する。
図11は填料の多い紙例えばアスクルマルチペーパースーパーエコノミーや紀州上質紙を通紙した場合の中間転写体の下地反射光量の変化とCS680を通紙した時のパッチ検の電圧値で表したものである。
アスクル紙においては徐々に反射光量が落ちてくるが、CS680ではほとんど変化がない。1000枚当たりの変化量に換算するとアスクルではほぼ4%になる。閾値を3%に設けた場合、不要なベルトクリーニングモードを実施する必要がない。
図12は中間転写ベルトクリーニングを実施する時の制御に関するフローチャートである。図13は中間転写ベルトを電気的に浮かした状態の略図である。
Step1、印字可能幅全域に現像剤で帯画像を形成する。
Step2、帯画像が2次転写部を通過する間、2次転写外ローラに負極性の電圧を印加する。
Step3、2次転写外ローラに流れる電流量を検知し、定電流源であるベルト電位用電源からの出力電流を2次転写外ローラに流れる電流量分増加する。
Step4、画像が転写ベルトクリーニング部を通過後にベルト電位用電源をOFFする。
Step5、張架ローラ、ツェナーダイオード、ベルト電位用電源を高圧リレーで切り離し、フロートにする。
Step6、2次転写外ローラ14に負極性の電圧を印加する。
Step7、所定の時間、中間転写体を回転させる。
Step8、張架ローラ、ツェナーダイオード、ベルト電位用電源を系に接続する。
Step9、2次転写外ローラ14に2次転写外ローラ1周分ずつ正極性と負極性の電圧を交互に印加し、2次転写外ローラ表面に付着したトナーを静電気力で除去する。
Step5、6で中間転写ベルトの電位を負極性に帯電させることで、静電気力で付着した填料を電気的な反発力を利用して中間転写ベルト表面からはがれやすくしている。これにより短い時間でクリーニングブレード部に補給されたトナーによって、填料を取れやすくなる。
1 感光体ドラム、7 中間転写ベルト、14 2次転写外ローラ、15 クリーニング部材、16 ツェナーダイオード、21 中間転写ベルト用電源、22 2次転写用電源、25 パッチ検、150 CPU回路部
Claims (3)
- 感光体(1a〜1d)と、
前記感光体(1a〜1d)表面に接触配置されて前記感光体(1a〜1d)表面を帯電する帯電手段(2a〜2d)と、
帯電後の前記感光体(1a〜1d)表面に静電潜像を形成する静電潜像手段(3a〜3d)と、
前記感光体(1a〜1d)上に形成された該潜像をトナーにて現像する現像手段(4a〜4d)と、
前記感光体(1a〜1d)上に形成されたトナー像を一次転写部(N1a〜N1d)で転写させる中間転写体(7)と、
記録材を前記中間転写体(7)とともに挟持して前記中間転写体(7)からトナー像を記録材に2次転写部(N2)で転写する転写部材(14)と、
前記中間転写体(7)を張架する複数の張架ローラ(10、11、12、13)と、
前記複数の張架ローラ(10、11、12、13)のいずれか1つに配置される第2の電源(21)と、
前記転写部材(14)に電圧を印加する電源(22)と、
前記電源(21)が前記中間転写体(7)の周方向に電流を流すことに伴って、前記感光体(1a〜1d)からトナー像を前記一次転写部(N1a〜N1d)で前記中間転写体(7)に転写する一次転写電界が形成され、前記第1の電源(22)が前記転写部材(14)に転写電圧を印加することに伴って、前記中間転写体(7)からトナー像を記録材に前記二次転写部(N2)で転写する二次転写電界が形成されるように、前記中間転写体(7)とアースとの間に接続されるツェナーダイオード(16)と、を備え、
前記中間転写体(7)をクリーニングするクリーニング部材(15)を備え、前記中間転写体(7)を電気的に浮かし、前記電源(21または22)から前記中間転写体(7)にトナーと同極性の電圧を印加し、中間転写体(7)をクリーニングすることを特徴とする画像形成装置。 - 前記中間転写体(7)をクリーニングする場合、前記中間転写体(7)を電気的に浮かす前に、トナー像をクリーニング部材(15)に供給することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体(7)は2層以上のベルト体構成であり、表層の抵抗が他の層の抵抗よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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