JP5910338B2 - 回転調理器 - Google Patents
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Description
本発明の実施の形態に係る回転調理器100は、パン生地を捏ねるのにも使用できるものであって、図1から図5に示されるように、主に、本体110、容器150、蓋160、および混錬羽根190から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
本体110は、図1から図5、特に図2に示されるように、主に、本体ケース111、駆動装置112、回転軸113、駆動装置側プーリー114、回転軸側プーリー115、ベルト116、スイッチ117および駆動装置回転数制御装置118から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
本体ケース111は、主に、ベース部111aと立設部111bとで構成される。ベース部111aは、その平面形状が略円形の容器載置部111a1と、この容器載置部111a1と一体的に形成された立設部取付部11a2とで構成されている。容器載置部111a1の略中央部には、回転軸113が挿通される回転軸挿通孔120が形成されている(図2参照)。また、立設部111bは、ベース部111aの立設部取付部111a2から上方に立設された部分であり、平面視(図4)において容器載置部111a1に最も近い側壁111cが、容器載置部111a1に載置される容器150の外面に沿うように凹曲している。
駆動装置112は、本実施例の場合、電源ケーブル&コネクタ200を通じて供給された家庭用電源(AC100V、50あるいは60Hz)で回転するモーターであり、駆動装置回転数制御装置118によってその回転数が適切に制御されるようになっている(駆動装置112の回転数制御の例については後述する。)。また、駆動装置112からは、図中下向きに駆動装置回転軸119が突設されている。もちろん、駆動装置112は、モーターに限られず、混錬羽根190に回転力を与えられるものであれば、どのようなものであってもよい。
回転軸113は、その一端が、本体ケース111の内部から回転軸挿通孔120を通って容器載置部111a1から突設されているとともに、他端が本体ケース111のベース部111a内に収容されている棒状材料である。回転軸113の一端部は、当該一端部に混錬羽根190が被せられたときにおいて、この混錬羽根190の内部で係合することにより、回転軸113の回転力を混錬羽根190に伝達できるような形状になっている。
駆動装置側プーリー114は、駆動装置112の回転軸119の下端部に取り付けられている。また、回転軸側プーリー115は、回転軸113の他端に取り付けられている。さらに、ベルト116は、駆動装置側プーリー114と回転軸側プーリー115との間に架け渡されており、駆動装置側プーリー114からの回転力を回転軸側プーリー115に伝達できるようになっている。
スイッチ117は、本体ケース111の立設部111bの内側上端部に配設されている。ユーザーが蓋160に設けられた運転ボタン164(後述)を押し込むことにより、当該スイッチ117がオンになり、所定の回転数で駆動装置112が回転するようになっている。また、ユーザーが運転ボタン164から手を離すことにより、スイッチ117は直ちにオフとなり、駆動装置112の回転が停止するようになっている。
駆動装置回転数制御装置118は、本体ケース111の立設部111bの内側上端部であって、スイッチ117の近傍に配設されている。この駆動装置回転数制御装置118は、スイッチ117がオンになっている間に回転する駆動装置112の回転数を制御するものである。パン生地を捏ねる場合における、駆動装置回転数制御装置118による回転数の制御については後述する。
容器150は、例えばパン生地の材料を収容して攪拌・混錬を行うためのものである。容器150は、容器本体151、取手152、台座部153および回転軸挿通管154とで構成されている。
容器本体151は、上方に開口151aを有する有底筒状の器であり、ステンレス等の金属やガラス等で形成されている。本実施例では、容器本体151の機械的強度を向上させるためのディンプル155が側面に多数形成されている。また、容器本体151の底面中央部には、回転軸挿通管154が取り付けられる挿通管取付孔156が形成されている。
取手152は、略U字状に形成された樹脂製の部材であり、その一端が容器本体151の側面上端部に接続されているとともに、他端が台座部153の側面に接続されている
台座部153は、容器本体151の底面に取り付けられた樹脂製の略輪状部材である。また、台座部153の中央部における容器本体151の挿通管取付孔156に対応する位置には、回転軸113の一端が挿通される回転軸挿通孔157が形成されている。
回転軸挿通管154は、容器本体151の内側において縦置き収容された樹脂製の円筒部材であり、その下端が容器本体151の挿通管取付孔156に対して水密的に接続されている。また、回転軸挿通管154の長さは、その上端が容器本体151の開口よりも低く、かつ、当該回転軸挿通管154に挿通された回転軸113の一端が露出する程度の高さとなるように設定されている。これにより、容器本体151内にパン生地の材料を入れても、材料が容器本体151の挿通管取付孔156からこぼれ出ることがない。
蓋160は、容器150の開口を覆う部材であり、本実施例では、容器開口覆部161、および立設部天面覆部162で構成されている。
容器開口覆部161は、円形の盤材であり、容器本体151の開口151aをぴったりと覆うことのできる寸法に設定されている。また、容器開口覆部161の中央部には透明ガラス163が嵌め込まれており、この透明ガラス163を介して容器本体151の内側が見られるようになっている。もちろん、透明ガラス163に代えて、透明耐熱樹脂等を用いてもよい。
立設部天面覆部162は、容器開口覆部161と一体に形成されており、その輪郭が、本体ケース111における立設部111bの天面をぴったりと覆うことのできる形状に形成されている。立設部天面覆部162の中央部には、運転ボタン164が押下可能に取り付けられている。上述のように、この運転ボタン164を押し込むことにより、スイッチ117がオンになって駆動装置112が回転するようになっている。
混錬羽根190は、図6から図11に示すように、回転軸113の一端に被せられ、回転軸113とともに回転してパン生地を撹拌・混錬する部材である。この混錬羽根190は、軸部191と、当該軸部191の異なる高さから側方に延びる下段の羽根192および上段の羽根193と、凸部194とで一体的に構成されている。もちろん、一体的ではなく、軸部191に対して各部材を接続するようにして構成してもよい。
軸部191は、上述のように、回転軸113の一端に被せられる筒状の部材であり、その上部191aが円筒状に形成されているとともに、羽根192、193および凸部194が位置する下部191bはその平断面外形線が略楕円形状となるように形成されている。
上段の羽根193は、下段の羽根192よりも小径で、かつ、軸部191の回転方向Rにおいて下段の羽根192よりも後にずれた位置(すなわち、下段の羽根192よりも後でパン生地に当たる位置)に形成されている。また、凸部194は、下段の羽根192よりも小径で、かつ、軸部191における下段の羽根192よりも高い位置において、回転方向Rにおいて下段の羽根192よりも前にずれた位置(すなわち、下段の羽根192よりも先にパン生地に当たる位置)に形成されている。
本実施例に係る回転調理器100を用いてパン生地を捏ねる場合における、混錬羽根190の回転数の制御(すなわち、駆動装置回転数制御装置118による駆動装置112の回転数制御)について説明する。図12に駆動装置112の回転数制御の様子を示す。以下、駆動装置112の回転数制御について説明するが、前述のように、駆動装置回転軸119と混錬羽根190とは、駆動装置側プーリー114、ベルト116、回転軸側プーリー115および回転軸113を介して互いに連動回転するようになっている。したがって、駆動装置側プーリー114の径と回転軸側プーリー115の径との比率に基づく減速比で混錬羽根190の回転数は小さくなるものの、同回転数の制御の様子は駆動装置112の回転数制御の様子と同じである。
(1)
この回転調理器100では、パン生地を捏ねる場合に、撹拌回転よりも高い回転数の中回転と、当該中回転よりもさらに高い回転数の高回転とを交互に繰り返してパン生地を混錬するようになっている。これにより、中回転時において混錬羽根190にまとわりついた粘度の高いパン生地を、混錬羽根190を高回転させることによる遠心力で混錬羽根190から引き離すことができ、混錬羽根190を介して駆動装置112にかかる負荷が必要以上に大きくなるのを回避することができる。さらに言えば、高回転と中回転とを交互に繰り返すことにより、パン生地の位置が、高回転時における、混錬羽根190から離れた位置(すなわち、容器本体151の内壁により近い位置)と、中回転時における、混錬羽根190にまとわりつく位置とを交互に行き来するので、パン生地をより確実に混錬できる。
上述のように、パン生地の位置は、高回転時において混錬羽根190から離れた位置になるが、パン生地の混錬は、中回転時においてパン生地が混錬羽根190の近くにある場合により促進される。中回転の持続時間を高回転の持続時間よりも長く設定することにより、パン生地が混錬羽根190にまとわりついて駆動装置112にかかる負荷が必要以上に大きくなるのを回避しつつ、中回転によるパン生地の混錬時間を十分に確保することが可能となる。
加えて、この回転調理器100では、混錬羽根190における下段の羽根192が最も大径に形成されており、撹拌工程において未だ粉状のパン生地の材料が遠心力によって容器本体151の内壁付近に偏ってもきちんと撹拌できるようになっている。
凸部194の上面部195を、軸部191の回転方向Rにおける当該上面部195の前端から後端にかけて斜め上方に傾斜させていることにより、混錬工程において、下段の羽根192に当たるよりも先に凸部194に当たったパン生地が当該凸部194の上面部195に沿って上方に持ち上げられ、然る後、上段の羽根193でパン生地が混錬される。このように、凸部194によってパン生地が持ち上げられるので、パン生地が大径の下段の羽根192に当たるのを回避でき、混錬羽根190を介して駆動装置112に過度の負荷がかかるのを防止することができる。
混錬羽根190が第3の羽根196をさらに有することにより、混錬工程において、上段の羽根193で捏ねられたパン生地が、凸部194の上面部195によって再度上方に持ち上げられるまでの間にパン生地が容器本体151の底に落ちるのを、この第3の羽根196で防止することができる。これにより、パン生地を凸部194の上面部195でより確実に上方に持ち上げられるようになり、パン生地が下段の羽根192に当たって駆動装置112に過度の負荷がかかるのをより確実に防止できるとともに、上段の羽根193でより確実にパン生地を混錬できるようになる。
(A)
先の実施の形態に係る回転調理器100では、駆動装置回転軸119の動力が、プーリーおよびベルトで伝達されるようになっているが、伝達機構はこれに限られるものではなく、必要な動力を所定の減速比で伝達できるのであれば、歯車伝達機構の他、どのような伝達機構でも採用することができる。もちろん、駆動装置112を回転軸113に直結してもよい。
先の実施の形態に係る回転調理器100の容器150は、取手152および台座部153を備えているが、これらは本発明の実施に必須の構成要素ではなく、取手152や台座部153を備えていない容器150を有する回転調理器100も本発明の技術的範囲に含まれ得る。
110 本体
111 本体ケース
111a ベース部
111b 立設部
111a1 容器載置部
111a2 立設部取付部
112 駆動装置
113 回転軸
114 駆動装置側プーリー
115 回転軸側プーリー
116 ベルト
117 スイッチ
118 駆動装置回転数制御装置
119 駆動装置回転軸
120 回転軸挿通孔
150 容器
151 容器本体
152 取手
153 台座部
154 回転軸挿通管
155 ディンプル
156 挿通管取付孔
157 回転軸挿通孔
160 蓋
161 容器開口覆部
162 立設部天面覆部
163 透明ガラス
164 運転ボタン
190 混錬羽根
191 軸部
192 下段の羽根
193 上段の羽根
194 凸部
195 上面部
196 第3の羽根
200 電源ケーブル&コネクタ
Claims (1)
- 駆動装置を有する本体と、
上方に開口を有する容器と、
前記容器の開口を覆う蓋と、
前記容器の内底部に設けられ、前記駆動装置によって回転駆動される混錬羽根と
を備え、
前記駆動装置は、前記混錬羽根を所定の回転数で攪拌回転させ、然る後、前記攪拌回転時の回転数よりも高い回転数の中回転と、前記中回転時の回転数よりもさらに高い回転数の高回転とを交互に繰り返させ、
前記中回転の持続時間は、前記高回転の持続時間よりも長く、
前記中回転の持続期間中における回転数、および、前記高回転の持続期間中における回転数は、それぞれ、一定である
回転調理器。
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