JP5910159B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンター、複写機等の定着装置を備える画像形成装置に関し、特に抵抗発熱体層を発熱源とする加熱回転体を用いて未定着画像を熱定着させ、温度センサーを用いて加熱回転体の発熱領域の異常発熱を検出する定着装置における温度センサーの検出範囲の位置ずれを監視する技術に関する。
近年、定着装置の省エネルギー化や加熱スピードの高速化を図るため、プリンター、複写機等の画像形成装置の定着装置として、通電によりジュール発熱する抵抗発熱体層を発熱源とする加熱回転体を用いて記録シート上の未定着画像を熱定着させる定着装置が提案されている。
この加熱回転体として例えば、無端状の発熱ベルトを用いると、熱容量を小さくすることができるとともに、発熱源から記録シートまでの距離を短くすることができ、その分、発熱源からの伝熱効率を高めることができる。その結果、定着装置の消費電力を少なくし、定着装置のウォームアップに要する加熱時間を短縮化することができる。
この発熱ベルトに用いる抵抗発熱体層は、耐熱性樹脂等の絶縁性材料中に金属等の導電性材料を分散させて構成され、感電を防止するため絶縁層で被覆されているのが一般的である。この絶縁層の厚さは数百μm程度と薄く、外部から混入した異物等との接触により、絶縁層に傷が生じる場合がある。そして、絶縁層に生じた傷が抵抗発熱体層にまで広がると、当該傷の端部周辺で局所的に電流密度が高まり、抵抗発熱体層の内、電流密度が高まった部分が、高温に異常発熱することになる。
この異常発熱を放置しておくと、定着装置だけでなく、周辺の装置や部品にも異常発熱による熱損傷が広がるため、異常発熱を早期に検出し、定着装置への通電を遮断する等の措置を講じて定着装置やその周辺の装置等の熱損傷がひどくならないようにする必要がある。
このため、このような定着装置には、抵抗発熱体層における異常発熱の発生の有無を監視できるように、発熱ベルトの外周面上の、抵抗発熱体層によって発熱する発熱領域の全域の温度変化を監視する温度センサー(例えば、赤外線センサーが設けられている。
これにより、異常発熱が発生した場合には、当該温度センサーにより、異常発熱による発熱領域の温度変化を検出し、定着装置への通電の遮断等の必要な措置をとることができる。
特開2011―248116号公報
温度センサーを用いて発熱領域の温度を正確に検出するためには、温度センサーの検出範囲が、発熱領域以外の領域に及ばないように、温度センサーと発熱領域との間の相対位置関係にずれが生じないようにすることが必要となる。当該相対位置関係にずれが生じ、温度センサーの検出範囲の位置がずれて発熱領域以外の領域がその検出範囲に含まれてしまうと、当該発熱領域以外の領域が検出範囲に含まれない正常の相対位置関係にある場合に比べ、温度センサーの検出範囲の温度が低く検出されてしまう。
そうすると、当該検出範囲において異常発熱が発生していても、異常発熱による当該検出範囲における温度上昇が、位置ずれによる当該検出範囲における温度低下により相殺されて当該異常発熱が見逃されてしまう場合が生じ得る。
又、当該相対位置関係にずれが生じると、発熱領域の全域を検出範囲とすることができなくなり、当該相対位置関係のずれにより検出範囲から外れた発熱領域で異常発熱が発生した場合に、当該異常発熱を検出できなくなる場合が生じ得る。
温度センサーと発熱領域との間の相対位置関係は、製品出荷時に正しい相対位置関係になるように調整しておけば、通常の使用状態でずれることはないが、定着装置の部品交換時、地震等の強い衝撃を受けた場合、装置を傾斜のある設置場所に移動した場合等に当該相対位置関係がずれてしまうことがある。そして、そのずれ量が視認して確認できないほど微量である場合には、当該ずれに気づくことは困難である。
例えば、赤外線センサーのような非接触型の温度センサーの場合には、ずれ量が微量であっても検出範囲の位置ずれが生じやすい。そして、温度センサーの検出範囲の位置ずれが生じている場合に、ユーザーがそれに気づくことなく、定着装置を駆動させ、当該位置ずれにより温度センサーの検出範囲から外れた発熱領域において異常発熱が発生しても温度センサーによって検出できなくなるという不具合が生じる。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、抵抗発熱体層を発熱源とする加熱回転体の発熱領域の異常発熱を温度センサーにより検出する定着装置において、加熱回転体の発熱領域と温度センサーとの間の相対位置関係がずれた場合に、そのことを知らせることが可能な定着装置及び当該定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る定着装置は、通電によりジュール発熱する抵抗発熱体層を発熱源とする加熱回転体の外周面の発熱領域に記録シートを通紙して未定着画像を熱定着させ、前記加熱回転体との間の相対位置関係が正常な場合に、全体の温度検出範囲が、前記外周面の発熱領域の軸方向全域に及び、かつ、前記発熱領域外には及ばない1つ以上の温度センサーを用いて前記抵抗発熱体層の異常発熱を検知する定着装置であって、前記加熱回転体がウォームアップ中の間、前記1つ以上の温度センサー毎に検出される温度検出範囲の温度を監視し、監視結果に基づいて当該温度検出範囲の温度状態を示す温度情報を取得し、取得した温度情報が示す温度状態と、前記相対位置関係が正常な場合の当該温度センサーの温度検出範囲から取得されるべき温度状態とを比較することにより、前記相対位置関係がずれて、前記温度検出範囲の少なくとも一部が前記発熱領域外にはみ出しているか否かを判定する判定手段と、前記発熱領域外にはみ出している場合に、警告を発する警告手段と、を備える。
ここで、前記判定手段は、前記ウォームアップ中の所定期間の前記温度検出範囲における昇温量を前記温度状態として算出することにより前記温度情報を取得し、算出した昇温量が、前記相対位置関係が正常である場合の当該温度センサーの温度検出範囲から取得されるべき昇温量の基準値を下回る場合に、前記温度検出範囲の少なくとも一部が前記発熱領域外にはみ出していると判定することとすることができる。
又、前記1つ以上の温度センサーには、両者の温度検出範囲の少なくとも一部が異なる第1及び第2温度センサーが含まれ、前記判定手段は、前記ウォームアップ中の所定時期における、両者の温度センサーの温度検出範囲の検出温度の温度差の絶対値を前記温度状態として算出することにより前記温度情報を取得し、算出した絶対値が、前記相対位置関係が正常な場合に両者の温度センサーの温度検出範囲から取得されるべき、それぞれの検出温度の温度差の絶対値の基準値を超える場合に、両者の温度センサーの温度検出範囲の内の少なくとも一部が前記発熱領域外にはみ出していると判定することとすることができる。
又、前記警告手段は、前記加熱回転体への通電を停止することにより、前記警告を発することとすることができる。又、前記警告手段は、警告メッセージを表示させることにより、前記警告を発することとすることができる。
又、前記温度センサーは、非接触型の温度センサーであることとすることができる。さらに、前記非接触型の温度センサーは、赤外線センサーであることとすることができる。又、本発明の一形態に係る画像形成装置は、前記定着装置を備える画像形成装置とすることができる。
上記構成を備えることにより、加熱回転体の外周面の発熱領域と温度センサーとの間の相対位置関係が正常で、1つ以上の温度センサー全体の温度検出範囲が、当該発熱領域の軸方向全域に及び、かつ、当該発熱領域外には及ばない場合に、当該温度検出範囲から取得されるべき温度状態と、前記温度センサーにより検出される当該温度検出範囲の温度の監視結果に基づいて取得された当該温度検出範囲の温度状態とが比較されることにより、当該相対位置関係がずれて、温度検出範囲の一部が当該発熱領域外にはみ出している否かが判定され、はみ出している場合には警告が発せられ、ユーザーの注意が喚起される。
これにより、当該相対位置関係にずれがあり、温度検出範囲の一部が当該発熱領域外にはみ出している場合に、そのことをユーザーに気づかせることができ、ユーザーがそのことに気づくことなく、温度検出範囲の少なくとも一部が当該発熱領域外にはみ出している状態で定着装置が駆動され、当該温度検出範囲において異常発熱の検出が見逃される等の不具合が生じるのを防止することができる。
ここで、前記1つ以上の温度センサーには、前記相対位置関係が正常な場合おいて、前記軸方向の一方の端部を含む領域を温度検出範囲とし、その温度検出範囲の位置が、前記相対位置関係が正常な場合の位置よりも少しでも前記軸方向と直交する方向にずれると温度検出範囲が前記発熱領域外に及ぶ端部温度センサーが含まれ、前記判定手段は、前記端部温度センサーの温度検出範囲について算出した昇温量が前記基準値を下回る場合に、前記温度検出範囲の少なくとも一部が前記発熱領域外にはみ出していると判定することとしてもよい。
又、前記第1温度センサーは、前記相対位置関係が正常な場合おいて、前記軸方向の一方の端部を含む領域を温度検出範囲とし、その温度検出範囲の位置が、前記相対位置関係が正常な場合の位置よりも少しでも前記軸方向と直交する方向にずれると、温度検出範囲が前記発熱領域外に及び、前記第2温度センサーは、前記相対位置関係が正常な場合おいて、前記軸方向の両端部以外の領域を温度検出範囲とし、当該温度検出範囲の位置が、前記相対位置関係が正常な場合の位置より前記軸方向と前記軸方向と直交する方向の何れの方向に所定距離ずれても当該温度検出範囲が前記発熱領域内に入ることとしてもよい。
これにより、加熱回転体の発熱領域の軸方向の一方の端部を含む領域を温度検出範囲とし、その温度検出範囲の位置が、加熱回転体の外周面の発熱領域と温度センサーとの間の相対位置関係が正常な場合の位置よりも少しでも前記軸方向と直交する方向にずれると、温度検出範囲が前記発熱領域外に及ぶ温度センサーが、1つ以上の温度センサーの温度検出範囲の一部が当該発熱領域外にはみ出している否かの判定対象として用いられるので、当該温度検出範囲の位置が、前記相対位置関係が正常な場合の位置よりも少しでも前記軸方向(前記発熱領域外に向かう軸方向)又は前記軸方向と直交する方向にずれると、当該温度検出範囲が前記発熱領域外に及び、当該温度検出範囲の温度状態が、前記相対位置関係が正常な場合の温度状態と比較して変化する。
その結果、当該温度検出範囲の位置のずれ量が微量であっても、感度よくその位置がずれたことを検出することができる。
ここで、前記1つ以上の温度センサーには、さらに前記相対位置関係が正常な場合おいて、前記軸方向のもう一方の端部を含む領域を温度検出範囲とし、その温度検出範囲の位置が、前記相対位置関係が正常な場合の位置よりも少しでも前記軸方向と直交する方向にずれると温度検出範囲が前記発熱領域外に及ぶもう一方の端部温度センサーが含まれ、前記判定手段は、両者の端部温度センサーの温度検出範囲について算出した昇温量の内、一方の昇温量のみが前記基準値を下回る場合には、両者の端部温度センサーの温度検出範囲の位置が前記軸方向にずれていると判定し、両者の端部温度センサーの温度検出範囲について算出した昇温量が共に前記基準値を下回る場合には、両者の端部温度センサーの温度検出範囲の位置が前記軸方向と直交する方向にずれていると判定し、前記警告手段は前記温度検出範囲の位置ずれ方向についての判定結果を報知する報知手段を有することとしてもよい。
前記1つ以上の温度センサーには、さらに前記相対位置関係が正常な場合おいて、前記軸方向のもう一方の端部を含む領域を温度検出範囲とし、その温度検出範囲の位置が、前記相対位置関係が正常な場合の位置よりも少しでも前記軸方向と直交する方向にずれると、温度検出範囲が前記発熱領域外に及ぶ第3温度センサーが含まれ、前記判定手段は、さらに前記所定時期における、第2及び第3温度センサー間の検出温度の温度差の絶対値を算出し、第1及び第2温度センサー間の検出温度の温度差の絶対値と第2及び第3温度センサー間の検出温度の温度差の絶対値の何れか1つの絶対値のみが前記基準値を超える場合に、前記各温度検出範囲の位置が前記軸方向にずれていると判定し、両者の絶対値が共に前記基準値を超える場合に、前記各温度検出範囲の位置が前記軸方向と直交する方向にずれていると判定し、前記警告手段は前記温度検出範囲の位置ずれ方向についての判定結果を報知する報知手段を有することとしてもよい。
これにより、温度センサーの温度検出範囲の位置ずれの方向が判定され、判定結果が報知されるので、ユーザーは、当該報知された判定結果に基づいて迅速に温度検出範囲の位置ずれの修復処理を実行することができる。
プリンター1の構成を示す図である。 定着装置5の主要部の構成を示す斜視図である。 加熱回転体51の詳細な構成を示す断面図である。 赤外線センサー54の主要構成と加熱回転体51の発熱領域上における、赤外線センサー54の測定視野の範囲とを示す模式図及び平面図である。 制御部60の構成と制御部60による制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。 昇温量基準値テーブルの具体例を示す図である。 定着制御部50が行う温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理の動作を示すフローチャートである。 定着制御部50が行う位置ずれ警告処理の動作を示すフローチャートである。 定着制御部50が行う温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理の動作の変形例を示すフローチャートである。 定着制御部50が行う位置ずれ警告処理の動作の変形例を示すフローチャートである。 定着制御部50が行う位置ずれ警告処理の動作の別の変形例を示すフローチャートである。 図3の加熱回転体51の構成の変形例を示す図である。
(実施の形態)
以下、本発明に係る一形態の画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンター(以下、単に「プリンター」という。)に適用した場合を例にして説明する。
[1]プリンターの構成
先ず、本実施の形態に係るプリンター1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るプリンター1の構成を示す図である。同図に示すように、このプリンター1は、画像プロセス部3、給紙部4、定着装置5、制御部60を備えている。
プリンター1は、ネットワーク(例えばLAN)に接続され、外部の端末装置(不図示)や図示しない操作パネルから印刷指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー像を形成し、これらを多重転写してフルカラーの画像を形成することにより、記録シートへの印刷処理を実行する。
以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成要素の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。画像プロセス部3は、作像部3Y、3M、3C、3K、露光部10、中間転写ベルト11、2次転写ローラー45などを有している。
作像部3Y、3M、3C、3Kの構成は、いずれも同様の構成であるため、以下、主として作像部3Yの構成について説明する。作像部3Yは、感光体ドラム31Yと、その周囲に配設された帯電器32Y、現像器33Y、1次転写ローラー34Y、および感光体ドラム31Yを清掃するためのクリーナー35Yなどを有しており、感光体ドラム31Y上にY色のトナー像を作像する。
現像器33Yは、感光体ドラム31Yに対向し、感光体ドラム31Yに帯電トナーを搬送する。中間転写ベルト11は、無端状のベルトであり、駆動ローラー12と従動ローラー13に張架されて矢印C方向に周回駆動される。又、従動ローラー13の近傍には、中間転写ベルト上に残留するトナーを除去するためのクリーナー14が配置されている。
露光部10は、レーザダイオードなどの発光素子を備え、制御部60からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のためのレーザ光Lを発し、作像部3Y、3M、3C、3Kの各感光体ドラムを露光走査する。この露光走査により、帯電器32Yにより帯電された感光体ドラム31Y上に静電潜像が形成される。作像部3M、3C、3Kの各感光体ドラム上にも同様にして静電潜像が形成される。
各感光体ドラム上に形成された静電潜像は、作像部3Y、3M、3C、3Kの
各現像器により現像されて各感光体ドラム上に対応する色のトナー像が形成され
る。形成されたトナー像は、作像部3Y、3M、3C、3Kの各1次転写ローラー(図1では、作像部3Yに対応する一次転写ローラーのみ符号34Yを付し、他の1次転写ローラーについては、符号を省略している。)により、中間転写ベルト11上の同じ位置に重ね合わされるように、中間転写ベルト11上にタイミングをずらして順次1次転写された後、2次転写ローラー45による静電力の作用により中間転写ベルト11上のトナー像が一括して記録シート上に2次転写される。トナー像が2次転写された記録シートは、さらに定着装置5に搬送され、記録シート上のトナー像(未定着画像)が、定着装置5において加熱及び加圧されて記録シートに熱定着された後、排出ローラー71により排紙トレイ72に排出される。
給紙部4は、記録シート(図1の符号Sで表す)を収容する給紙カセット41と、給紙カセット41内の記録シートを搬送路43上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラー42と、繰り出された記録シートを2次転写位置46に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラー44などを備えている。給紙カセットは、1つに限定されず、複数であってもよい。
記録シートとしては、大きさや厚さの異なる用紙(普通紙、厚紙)やOHPシートなどのフィルムシートを利用できる。給紙カセットが複数ある場合には、異なる大きさ又は厚さ又は材質の記録シートを複数の給紙カセットに収納することとしてもよい。
繰り出しローラー42、タイミングローラー44等の各ローラーは、搬送モーター(不図示)を動力源とし、歯車ギヤやベルトなどの動力伝達機構(不図示)を介して回転駆動される。この搬送モーターとしては、例えば、高精度の回転速度の制御が可能なステッピングモーターが使用される。記録シートは、中間転写ベルト11上のトナー像の移動タイミングに合わせて給紙部4から2次転写位置46に搬送され、2次転写ローラー45により中間転写ベルト11上のトナー像が一括して記録シート上に2次転写される。
[2]定着装置の構成
図2は、定着装置5の主要部の構成を示す斜視図である。同図に示すように、定着装置5は、加熱回転体51と、定着ローラー52と、加圧ローラー53と、加熱回転体51(後述する抵抗発熱体層513)の両端部に電圧を印加して通電させる電源部500と、加熱回転体51(後述する電極511、512)に給電するための給電部材501、502と、赤外線センサー54等を有する。定着装置5の全体動作は、後述する定着制御部50によって制御される。
加熱回転体51は、無端状のベルトであり、その両端部に給電用の電極511、512が設けられ、両電極には電源部500から給電部材501、502を介して電圧が印加され、給電が行われる。給電部材としては、例えば、給電ブラシや給電ローラーを用いることができる。給電部材からの給電により、両電極間に電流が流れて、加熱回転体51がジュール発熱する。
図3は、加熱回転体51の詳細な構成を示す断面図である。同図に示すように、符号301で示す画像領域においては、加熱回転体51は、抵抗発熱体層513、補強層514、弾性層515、離型層516が、この順に積層されて構成されている。ここで、「画像領域301」は、記録シート上の画像が通紙される範囲に対応する加熱回転体51上の軸方向の領域を示す。なお、図2に示す画像領域についても同様である。
抵抗発熱体層513は、電源部500から電極511、512を通じて給電されることにより、ジュール熱を発熱する層である。抵抗発熱体層513は、耐熱性樹脂中に、繊維状、針状又はフレーク状の導電性フィラーが軸方向に配向するように分散されて構成されている。
抵抗発熱体層513に用いる耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリエステル-イミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリ-p-キシリレノン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂等を用いることができる。その中でも、ポリイミド樹脂は、耐熱性、絶縁性及び機械的強度等に優れた特性を示すので、ポリイミド樹脂を用いるのが望ましい。
導電性フィラーとしては、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)等の金属、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノコイル等を用いることができ、2種類以上の導電性フィラー(例えば、カーボンナノ材料と金属)を用いることとしてもよい。
導電性フィラーの形状は、同一含有量で導電性フィラー同士が線状に絡み合い、互いに接触しやすくして、接触確率を高めるため、繊維状、針状又はフレーク状の形状が望ましい。これにより、均一な電気抵抗を有する抵抗発熱体層513を成型することができる。
抵抗発熱体層513の厚さは、任意であるが、5〜100μm程度が望ましい。抵抗発熱体層513の体積抵抗率は、1.0×10-6〜1.0×10-2Ω・m程度の範囲に設定することができるが、当該体積抵抗率は、1.0×10-5〜5.0×10-3Ω・mの範囲内であることが望ましい。
補強層514は、抵抗発熱体層513の強度を補強するための層であり、例えば、ポリイミド樹脂を用いることができる。補強層514の厚さは、任意であるが、5〜100μm程度が望ましい。弾性層515は、記録シート上のトナー像に均一かつ柔軟に熱を伝えるための層である。弾性層515を設けることにより、トナー像が押しつぶされたり、トナー像が不均一に溶融されたりするのを防止し、画像ノイズの発生を防止することができる。弾性層515の材料としては、耐熱性と弾性とを有するゴム材や樹脂材を用いる。例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性エラストマーを材料として用いることができる。
弾性層515の厚さは、10〜800μm、さらに望ましくは50〜300μmの範囲内のものとする。弾性層515の厚さが10μm未満では厚さ方向の十分な弾力性を得ることが難しい。また、この厚さが800μmを超えていると、抵抗発熱体層513で発生した熱を加熱回転体51の外周面まで到達させることが難しく、伝熱効率が悪いので好ましくない。
離型層516は、加熱回転体51の最外層をなし,加熱回転体51と記録シートとの離型性を高めるための層である。離型層516の材料としては、定着温度での使用に耐えられるとともにトナーに対する離型性に優れたものを使用することができる。例えば、PFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)、PTFE(四フッ化エチレン)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化エチレン共重合体)、PFEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)等のフッ素樹脂を使用することができる。離型層516の厚さは5〜100μm、望ましくは10〜50μmの範囲内のものとするのがよい。
一方、図3の符号302a、302bで示す両端部の非画像領域においては、加熱回転体51は、符号303a、303bで示す露出領域と、符号304a、304bで示す重複領域とから構成されている。ここで、「非画像領域302a、302b」は、記録シート上の画像が通紙されない範囲に対応する加熱回転体51上の軸方向の領域を示す。図2に示す非画像領域についても同様である。
露出領域303a、303bにおいては、電極511、512がそれぞれ単層で露出し、重複領域304a、304bにおいては、電極511、512がそれぞれ抵抗発熱体層513で被覆され、電極511と抵抗発熱体層513との両層、電極512と抵抗発熱体層513との両層がそれぞれ、重なり合って重複するように構成されている。さらに、両層の上に補強層514、弾性層515、離型層516が、この順に積層されている。加熱回転体51における画像領域301と重複領域304a、304bを合わせた領域(図3の両矢印で示す領域)が抵抗発熱体層531によりジュール発熱する発熱領域を構成する。
電極511、512は、導電性の材料から構成される。電極の材料としては、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、ステンレス(SUS)、真鍮、リン青銅等の金属を用いることができるが、体積抵抗率が低く、耐熱性、対酸化性に優れたニッケル、ステンレス、アルミニウム等の使用が望ましい。電極の厚さは、厚い方が、剛性が高く、破壊に対して抵抗力が高いが、加圧部材により形成される定着ニップ部において変形し難くなるため、柔軟性とのバランスを考慮すると、10〜100μm、更には30〜70μm程度が望ましい。
図2の説明に戻って、給電部材501及び502には、給電部材を加熱回転体51の周回経路内側の方向に押圧する付勢部材5011、5021がそれぞれ設けられている。付勢部材としては、例えば、圧縮ばねを用いることができる。付勢部材5011、5021の押圧力により、給電部材が露出領域において電極に圧接される。
定着ローラー52と加圧ローラー53は、芯金522、532の軸方向両端部521、531が図示しないフレームの軸受部に回転自在に軸支される。加圧ローラー53は、駆動モーター(不図示)からの駆動力が伝達されることにより矢印B方向に回転駆動される。この加圧ローラー53の回転に伴って加熱回転体51と定着ローラー52が矢印A方向に従動回転する。なお、加圧ローラー53を回転駆動させる駆動モーターの駆動は、後述する定着制御部50によって制御される。
定着ローラー52は、長尺で円筒状の芯金522の周囲を断熱層523で被覆されてなり、加熱回転体51の周回経路の内側に配され、軸方向の長さが、加熱回転体51の両端部の露出領域において電極511、512がそれぞれ対応する給電部材と圧接する圧接位置間の軸方向の長さより長くなるように構成されている。芯金522は、定着ローラー52を支持する部材であり、耐熱性と強度を有する材料から構成される。芯金522の材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等を用いることができる。
断熱層523は、加熱回転体51が発熱した熱を芯金522に逃がさないようにするための層である。断熱層523の材料としては、熱伝導率が低く、耐熱性及び弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)を用いるのが望ましい。加熱回転体51のたわみを許容し、ニップ幅を広くすることができるからである。断熱層523を、ソリッド体とスポンジ体との2層構造にしてもよい。シリコンスポンジ材を断熱層523として用いる場合には、その厚さを1〜10mmとするのが望ましい。さらに望ましくは、2〜7mmとするのがよい。
加圧ローラー53は、円筒状の芯金532の周囲に、弾性層533を介して離型層534が積層されてなり、加熱回転体51の周回経路外側に配置され、加熱回転体51の外側から加熱回転体51の外周面を介して定着ローラー52を押圧して、加熱回転体51の外周面との間に周方向に所定幅を有する定着ニップ領域が形成される。
芯金532は、加圧ローラー53を支持する部材であり、耐熱性と強度を有する材料から構成される。芯金532の材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等を用いることができる。弾性層533は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体で、厚さ1〜20mmの範囲内の耐熱性の高い材料で構成される。離型層534は、離型層516と同様に、加圧ローラー53と記録シートとの離型性を高めるための層であり、離型層516と同様の材料及び厚さで構成することができる。
赤外線センサー54は、加熱回転体51の外周面と非接触に対向するように配置され、加熱回転体51の外周面の表面温度を検出する。赤外線センサー54には、図4(a)の模式図に示すように、それぞれが、加熱回転体51の発熱領域上における対応する測定視野の範囲(図4(a)及び図4(b)の加熱回転体51の平面図のt1、t2、t3、t4、t5で示す各範囲)から発生する赤外線を検知することにより、当該測定視野範囲の平均温度を検出する温度センサーとして機能する赤外線検出素子(サーモパイル)541〜545が配置されている。図4(a)に示すように、赤外線検出素子541は、測定視野範囲t1と、赤外線検出素子542は、測定視野範囲t2と、赤外線検出素子543は、測定視野範囲t3と、赤外線検出素子544は、測定視野範囲t4と、赤外線検出素子545は、測定視野範囲t5とそれぞれ対応している。
各赤外線検出素子は、赤外線センサー54と加熱回転体51の発熱領域との間の相対位置関係にずれがない正常な場合に、加熱回転体51の抵抗発熱体層513における異常発熱を検出できるように、図4(a)、(b)に示すように各測定視野範囲が全体(t1〜t5の各測定視野範囲を合わせた全体の測定視野範囲)で加熱回転体51の発熱領域の軸方向(長手方向)の全域に及び、当該発熱領域以外の領域に及ばないように、その傾き等が調整されている。
これにより、加熱回転体51が1周、周回する間に当該発熱領域の全域の温度を監視することが可能となり、その温度変化を検出することにより、異常発熱を検出することができる。
又、図4(b)に示すように、加熱回転体51の発熱領域の軸方向の両端の測定視野範囲t1、t5は、その軸方向及び軸方向と直交する方向の両方向が、上記発熱領域の境界に及ぶように、赤外線検出素子541及び545の配置が調整されている。このため、赤外線センサー54と上記発熱領域との間の相対位置関係にずれが生じると、測定視野範囲t1、t5の少なくとも何れかの測定視野範囲が上記発熱領域外に及ぶことになり(上記相対位置関係のずれにより、赤外線センサー54の測定視野範囲t1〜t5の位置が、上記相対位置関係が正常な場合の位置より少しでも加熱回転体51の発熱領域の軸方向にずれると、測定視野範囲t1又はt5のいずれかの測定視野範囲の位置が当該発熱領域外に向かう軸方向にずれて、その測定視野範囲が上記発熱領域外に及ぶことになり、上記相対位置関係のずれにより、赤外線センサー54の測定視野範囲t1〜t5の位置が、上記相対位置関係が正常な場合の位置より少しでも上記軸方向と直交する方向にずれると、測定視野範囲t1及びt5の両者の測定視野範囲が上記発熱領域外に及ぶことになり)、当該相対位置関係のずれが無い場合(当該相対位置関係が正常な場合)に比較して当該測定視野範囲の検出温度が低下する。
従って、加熱回転体51の発熱領域の両端の測定視野範囲t1、t5の温度状態を監視することにより、赤外線センサー54と上記発熱領域との間の相対位置関係にずれが生じ、各測定視野範囲の位置が、上記相対位置関係にずれがない正常な場合の位置よりも少しでも上記軸方向(上記発熱領域外に向かう軸方向)又は上記軸方向と直交する方向にずれると、当該温度検出範囲が上記発熱領域外に及び、当該温度検出範囲の温度状態が、前記相対位置関係が正常な場合の温度状態と比較して変化し、ずれが生じたことを他の測定視野範囲t2、t3、t4における場合よりも感度よく検出することができる。
又、図4(b)に示すように、加熱回転体51の発熱領域の軸方向の中央の測定視野範囲t3は、軸方向及び軸方向と直交する方向の両方向において、上記発熱領域の境界からそれぞれ所定距離離れている。このため、当該測定視野範囲の位置が、赤外線センサー54と上記発熱領域との間の相対位置関係が正常な場合の位置よりも軸方向及び軸方向と直交する方向の何れの方向に所定距離ずれた場合にも当該測定視野範囲は上記発熱領域内に入るので、上記相対位置関係にずれが生じた場合に、他の測定視野範囲の場合よりも当該測定視野範囲が上記発熱領域外にはみ出しにくいように設定されている。
なお、図示していないが、赤外線センサー54には加熱回転体51の発熱領域から発生する赤外線を受光し、受光した赤外線を各赤外線検出素子に導く集光レンズや、各赤外線素子が受光した赤外線の量に応じて出力する出力信号を増幅する増幅器や、増幅後の出力信号を温度データに変換する変換器等が含まれる。
[3]制御部の構成
図5は、制御部60の構成と制御部60による制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。制御部60は、所謂コンピュータであって、同図に示されるように、CPU(Central Processing Unit)601、通信インターフェース(I/F)部602、ROM(Read Only Memory)603、RAM(Random Access Memory)604、画像データ記憶部605、基準値記憶部606、警告メッセージ記憶部607などを備える。
通信I/F部602は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。ROM603には、画像プロセス部3、給紙部4、定着制御部50、操作パネル7、画像読取部8等を制御するためのプログラムなどが格納されている。
RAM604は、CPU601のプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。
画像データ記憶部605は、通信I/F部602や画像読取部8を介して入力された、印刷用の画像データを記憶している。基準値記憶部606は、昇温量基準値テーブルを記憶している。
ここで、「昇温量基準値テーブル」とは、加熱回転体51の発熱領域のウォームアップ開始時の表面温度と、ウォームアップ時の電源部500への供給電力と、ウォームアップ開始後、所定時間(ここでは、3秒とする。)の間における加熱回転体51の発熱領域における昇温量の基準値との対応関係を示すテーブルのことをいい、後述する温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理において用いられる。
昇温量基準値テーブルは、予め、プリンター1の製造者が、測定視野の範囲を図4(a)、(b)に示す範囲とする赤外線センサー54を用いて加熱回転体51のウォームアップ開始後所定時間(3秒)の間に測定視野範囲t1、t5において昇温する昇温量を、ウォームアップ開始時の加熱回転体51の発熱領域の温度、供給電力をそれぞれ変えて測定することにより作成される。又、昇温量の基準値は、測定した昇温量より所定の誤差分だけ小さい値になるように設定されている。図6は、昇温量基準値テーブルの具体例を示す図である。同図に示すように、昇温量は、ウォームアップ開始時の温度が上昇すると段階的に低下する傾向を示し、供給電力が増大するに従って上昇する傾向を示す。
図5の説明に戻って警告メッセージ記憶部607は、警告メッセージの元データを記憶している。後述する温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理において、加熱回転体51と赤外線センサー54との間の相対位置関係のずれが検出された場合に、当該元データに基づく警告メッセージ(例えば、「赤外線センサーの検出範囲の位置がずれています。サービスマンに連絡して点検して下さい。」という旨の警告メッセージ)が操作パネル7を介して表示される。
CPU601は、ROM603に格納されている各種プログラムを実行することにより、画像プロセス部3、給紙部4、定着制御部50、操作パネル7、画像読取部8等を制御する。CPU601は、定着制御部50と互いに通信可能なように構成され、定着制御部50を介して定着装置5を制御する。
定着制御部50は、所謂コンピュータであって、CPU、ROM、RAM等から構成される。定着制御部50は、加圧ローラー53の駆動モーターの駆動を制御することにより、加熱回転体51、定着ローラー52及び加圧ローラー53の回転駆動を制御したり、加熱回転体51の抵抗発熱体層513へ電源を供給する電源部500の電源のオン・オフを制御することにより、加熱回転体51の発熱領域の表面温度が、熱定着が可能な目標温度(例えば、190℃)になるように制御したりすることによって、定着装置5の全体の動作を制御する。
又、定着制御部50は、定着装置5が駆動している間、赤外線センサー54の赤外線検出素子541〜545が検出する各測定視野範囲の平均温度を所定時間間隔(例えば、1秒間隔)で取得し、各平均温度を監視することにより、加熱回転体51の抵抗発熱体層513の異常発熱を検出する。
具体的には、各平均温度を取得する毎に、平均温度の最大値と、当該最大値と平均温度の最小値を除く平均温度の平均値(当該平均値を抵抗発熱体層513に異常発熱が発生していない、通常状態における発熱領域の温度を指標する値とみなす。)との差が予め定めた許容値を超えるか否かを監視し、許容値を超えた場合に異常発熱が発生したと判定することにより、異常発熱を検出する。
異常発熱の検出方法は、上記の方法に限定されず他の方法であってもよい。例えば、各平均温度を取得する毎に、各平均温度が、予め定めた許容値を超えるか否かを監視し、許容値を超えた場合に異常発熱が発生したと判定することにより、異常発熱を検出することとしてもよい。
さらに、定着制御部50は、後述する温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理を行う。
操作パネル7は、複数の入力キーと液晶表示部を備え、液晶表示部の表面にはタッチパネルが積層されている。タッチパネルからのタッチ入力又は入力キーからのキー入力により、ユーザーからの指示を受取り、制御部60に通知する。画像読取部8は、スキャナーなどの画像入力装置から構成され、用紙等の記録シートに記載されている文字や図形などの情報を読取り、画像データを形成する。
[4]温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理
図7は、定着制御部50が行う温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理(ここでは、後述する変形例と区別するために「温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理A」としている。)の動作を示すフローチャートである。プリンター1の電源がオンされると(ステップS701)、定着制御部50は、赤外線センサー54より、加熱回転体51の発熱領域の軸方向の両端の赤外線検出素子の測定視野範囲t1、t5における平均温度(t1の平均温度T1(0)、t5の平均温度をT5(0)とする。)を取得し、取得した各平均温度を、加熱回転体51のウォームアップ開始時の初期温度として保持する(ステップS702)。
次に定着制御部50は、電源部500に所定の供給電力(ここでは、1200Wとする。)を供給して加熱回転体51のウォームアップ動作を開始し(ステップS703)、タイマーを起動させて時間計測を開始する(ステップS704)。
タイマー起動後、所定時間(ここでは、3秒とする)経過し、タイマーがタイムアウトすると(ステップS705:YES)、定着制御部50は、赤外線センサー54より、上記軸方向の両端の各赤外線素子の測定視野範囲t1、t5における平均温度(t1の平均温度をT1(1)、t5の平均温度をT5(1)とする。)を取得し(ステップS706)、上記軸方向の両端の測定視野範囲t1、t5における所定時間の間の昇温量(t1の昇温量をUT1、t5の昇温量をUT5とする。)を算出する(ステップS707)。
昇温量(UT1)の算出は、タイムアウト後に取得した測定視野範囲t1における平均温度(T1(1))から、保持している測定視野範囲t1における初期温度(T1(0))を減算することにより行う。同様に、昇温量(UT5)の算出は、タイムアウト後に取得した測定視野範囲t5における平均温度(T5(1))から、保持している測定視野範囲t5における初期温度(T5(0))を減算することにより行う。
次に、定着制御部50は、基準値記憶部606に記憶されている昇温量基準値テーブルを参照して、初期温度(T1(0))に対応する昇温量の基準値、初期温度(T5(0))に対応する昇温量の基準値をそれぞれ特定し、算出した昇温量UT1、UT5の内、少なくとも1つが対応する昇温量基準値を下回っているか否かを判定する(ステップS708)。
昇温量UT1及びUT5の内、少なくとも1つが対応する昇温量基準値を下回っている場合(ステップS708:YES)、定着制御部50は、加熱回転体51の発熱領域と赤外線センサー54との間の相対位置関係にずれが有り、赤外線センサー54の測定視野範囲の少なくとも一部が加熱回転体51の発熱領域外にはみ出していると判定し(ステップS709)、後述する位置ずれ警告処理を実行する(ステップS710)。
ステップS708の判定結果が否定的である場合(ステップS708:NO)、定着制御部50は、加熱回転体51の発熱領域と赤外線センサー54との間の相対位置関係にずれが無く、赤外線センサー54の測定視野範囲が加熱回転体51の発熱領域外にはみ出していない判定する(ステップS711)。
次に、定着制御部50が行う位置ずれ警告処理の動作について説明する。図8は、上記動作を示すフローチャートである。なお、同図においては、後述する位置ずれ警告処理の変形例と区別するため、「位置ずれ警告処理A」としている。定着制御部50は、電源部500の電源をオフにし、定着装置5への通電を停止し(ステップS801)、さらに、制御部60を介して警告メッセージ記憶部607に記憶されている警告メッセージの元データを読出させて操作パネル7の液晶表示部に当該元データに基づく警告メッセージを表示させる(ステップS802)。
このように、本実施の形態の構成では、赤外線センサー54の測定視野範囲の全てが加熱回転体51の発熱領域内に有り、当該発熱領域と赤外線センサー54との間の相対位置関係にずれがない正常な場合の当該測定視野範囲におけるウォームアップ中の所定時間の間の昇温量と、赤外線センサー54による当該測定視野範囲の検出温度の監視結果に基づいて算出された当該所定時間の間の昇温量とが比較され、両者の昇温量に差があるか否かにより、当該発熱領域と赤外線センサー54との間の相対位置関係にずれが有るか否かが判定され、当該相対位置関係にずれが有る場合には警告が発せられ、ユーザーの注意が喚起される。
これにより、当該相対位置関係にずれが有る場合に、そのことをユーザーに気づかせることができ、ユーザーがそのことに気づくことなく、赤外線センサー54の測定視野範囲の少なくとも一部が、加熱回転体51の発熱領域外にはみ出している状態で、定着装置5が駆動され、当該測定視野範囲(少なくとも一部が上記発熱領域外にはみ出している測定視野範囲)において異常発熱の検出が見逃される等の不具合が生じるのを防止することができる。
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)本実施の形態の温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理では、加熱回転体51のウォームアップ開始後における、赤外線センサー54の測定視野範囲における昇温量を、加熱回転体51の発熱領域と赤外線センサー54との間の相対位置関係が正常な場合における昇温量と比較することにより、当該相対位置関係のずれの有無を判定することとしたが、当該判定は昇温量の比較による判定に限定されず、当該相対位置関係のずれのない正常な場合との温度状態を比較するものであれば、他の方法により判定することとしてもよい。
例えば、比較対象となる温度状態として、昇温量の代わりに、赤外線センサー54の異なる測定視野範囲間の温度差を当該相対位置関係が正常な場合と比較することにより、当該相対位置関係のずれの有無を判定することとしてもよい。図9は、加熱回転体51の発熱領域と赤外線センサー54との間の相対位置関係が正常な場合との比較対象となる温度状態として、上記の温度差を用いた場合の温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理の動作の変形例(ここでは、図7の当該検出処理と区別するために、「温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理B」としている。)を示す図である。
同図において、図7に示す温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理と共通する処理内容のステップについては、図7のステップ番号と同じステップ番号を付し、説明を省略し、以下、相違する部分の処理内容について説明する。なお、変形例の場合も、赤外線センサー54の構成及び加熱回転体51の発熱領域との間の相対位置関係は、本実施の形態の場合と同じである。
定着制御部50は、ステップS705において、タイマーがタイムアウトすると(ステップS705:YES)、定着制御部50は、赤外線センサー54より、赤外線検出素子541、543、545に対応する各測定視野範囲t1、t3、t5における平均温度(t1における平均温度をT1、t2における平均温度をT3、t5における平均温度をT5とする。)を取得し、T3とT1の差の絶対値(ΔT1)、T3とT5の差の絶対値(ΔT5)をそれぞれ算出する(ステップS901)。
さらに、定着制御部50は、ΔT1、ΔT5の内の少なくとも1つが、予め定められた絶対値の差の基準値(以下、「差基準値」という。)を超えるか否かを判定し(ステップS902)、差基準値を超える場合に(ステップS902:YES)、ステップS709の処理に移行し、差基準値を超えない場合に(ステップS902:NO)、ステップS711の処理に移行する。
ここで、「差基準値」とは、赤外線センサー54の各赤外線検出素子の測定視野範囲が図4(b)に示すように、加熱回転体51の発熱領域内にある場合(加熱回転体51と赤外線センサー54との間の相対位置関係が正常な場合)に、ΔT1、ΔT5がとるべき値のことをいう。この値は、各測定視野範囲が加熱回転体51の発熱領域内にある場合には、各測定視野範囲の温度は、等しくなるので、0になるが、誤差を考慮して、誤差分だけ大きい値に設定されている。なお、ここではこの差基準値は、予めプリンター1の製造者によって実験等を行うことにより設定され、基準値記憶部606に記憶されているものとする。
又、測定視野範囲t3は、図4(b)に示すように、加熱回転体51の発熱領域の軸方向の中央の領域にあり、軸方向及び軸方向と直交する方向の両方向が、上記発熱領域の境界から離れているので、加熱回転体51と赤外線センサー54との間の相対位置関係がずれて、測定視野範囲t3の位置が軸方向、軸方向と軸方向と直交する方向の何れの方向にずれた場合にも、上記発熱領域外にはみ出しにくく、当該測定視野範囲の平均温度は、上記の相対位置関係のずれ量が大きくならない限り、当該相対位置関係が正常な場合の平均温度を示すと推定できる。
従って、上記相対位置関係がずれた場合に、加熱回転体51の発熱領域からはみ出しやすい、上記発熱領域の軸方向の両端の測定視野範囲t1、t5と、測定視野範囲t3との差の絶対値を、絶対値の差の基準値と比較することにより、上記相対位置関係のずれを、他の測定視野範囲間の差の絶対値を用いた場合に比べ、感度よく検出することができる。
(2)本実施の形態における位置ずれ警告処理においては、加熱回転体51の発熱領域と赤外線センサー54との間の相対位置関係にずれが生じた場合に、赤外線センサー54の検出範囲(測定視野の範囲)の位置がずれている旨の警告メッセージを、操作パネル7を介して表示させることとしたが、位置ずれ警告処理において、さらに、当該測定視野の範囲の位置のずれ方向を検出し、当該位置のずれ方向を通知することとしてもよい。
例えば、本実施の形態のように、昇温量の比較により、当該相対位置関係のずれの有無を判定する場合には、図8に示す位置ずれ警告処理の代わりに、図10に示す位置ずれ警告処理(図8及び後述する図11の位置ずれ警告処理と区別するため、ここでは、「位置ずれ警告処理A1」としている。)を行うこととしてもよい。
図10において、図8に示す位置ずれ警告処理と共通する処理内容のステップについては、図8のステップ番号と同じステップ番号を付し、説明を省略し、以下、相違する部分の処理内容について説明する。なお、当該変形例の場合も、赤外線センサー54の構成及び加熱回転体51の発熱領域との間の相対位置関係は、本実施の形態の場合と同じである。
定着制御部50は、ステップS801の処理を行った後、図7のステップS707の処理において算出した測定視野範囲t1における昇温量UT1と測定視野範囲t5における昇温量UT5の両者が、それぞれ対応する昇温量基準値を下回っているか否かを判定する(ステップS1001)。
両者が、それぞれ、対応する昇温量基準値を下回っている場合には(ステップS1001:YES)、定着制御部50は、両者の測定視野範囲が軸方向と直交する方向にずれていると判定し、その旨の通知メッセージを、制御部60を介して操作パネル7の液晶表示部に表示させる(ステップS1002)。
一方、ステップS1001の判定結果が否定的である場合には(ステップS1001:NO)、両者の測定視野範囲の位置が軸方向にずれていると判定し、その旨の通知メッセージを、制御部60を介して操作パネル7の液晶表示部に表示させる(ステップS1003)。
なお、操作パネル7の液晶表示部に表示させる各通知メッセージの元データは、警告メッセージ記憶部607に記憶させておくこととする。
同様に、(1)の変形例のように、赤外線センサー54の異なる測定視野範囲間の温度差を当該相対位置関係が正常な場合と比較することにより、当該相対位置関係のずれの有無を判定する場合には、図8に示す位置ずれ警告処理の代わりに、図11に示す位置ずれ警告処理(図8及び図10の位置ずれ警告処理と区別するため、ここでは、「位置ずれ警告処理B」としている。)を行うこととしてもよい。
図11において、図8に示す位置ずれ警告処理と共通する処理内容のステップについては、図8のステップ番号と同じステップ番号を付し、説明を省略し、以下、相違する部分の処理内容について説明する。なお、変形例の場合も、赤外線センサー54の構成及び加熱回転体51の発熱領域との間の相対位置関係は、本実施の形態の場合と同じである。
定着制御部50は、ステップS801の処理を行った後、図9のステップS901の処理において算出した、T3とT1の差の絶対値(ΔT1)、T3とT5の差の絶対値(ΔT5)の両者が、それぞれ、差基準値を超えるか否かを判定する(ステップS1101)。
両者が差基準値を超える場合に(ステップS1101:YES)、定着制御部50は、両者の測定視野範囲の位置が軸方向と直交する方向にずれていると判定し、その旨の通知メッセージを、制御部60を介して操作パネル7の液晶表示部に表示させる(ステップS1102)。
一方、ステップS1101の判定結果が否定的である場合には(ステップS1101:NO)、両者の測定視野範囲の位置が軸方向にずれていると判定し、その旨の通知メッセージを、制御部60を介して操作パネル7の液晶表示部に表示させる(ステップS1103)。
なお、操作パネル7の液晶表示部に表示させる各通知メッセージの元データは、警告メッセージ記憶部607に記憶させておくこととする。
このように、本変形例においては、測定視野範囲の位置のずれ方向が判定されて、判定結果が通知されるので、ユーザーは当該通知に基づいて迅速に測定視野範囲の位置ずれの修復処理を実行することができる。
(3)本実施の形態の温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理では、加熱回転体51の発熱領域の軸方向の両端の測定視野範囲t1、t5における昇温量を、加熱回転体51の発熱領域と赤外線センサー54との間の相対位置関係のずれの有無の判定に用いることとしたが、当該判定に用いる測定視野範囲の位置は両端の測定視野範囲に限定されず、加熱回転体51の発熱領域の軸方向の他の位置の測定視野範囲、例えば、測定視野範囲t2、t3、t4における昇温量を当該判定に用いることとしてもよい。
又、当該相対位置関係のずれの有無の判定に用いる測定視野範囲は、少なくとも1箇所あればよい。当該判定対象に用いる測定視野範囲の数を増やすことにより、又、本実施の形態のように、加熱回転体51の発熱領域の軸方向の両端の、軸方向及び軸方向と軸方向と直交する方向の両方向が、当該発熱領域の境界に及ぶ測定視野範囲を当該判定に用いることにより、当該相対位置関係のずれの検出感度をより高めることができる。
(4)(1)の温度センサー視野範囲の位置ずれ検出処理の変形例では、軸方向の両端部の各測定視野範囲t1、t5と中央の測定視野範囲t3との間の温度差を、加熱回転体51の発熱領域と赤外線センサー54との間の相対位置関係のずれの有無の判定に用いることとしたが、当該判定に用いる温度差の算出対象となる測定視野範囲の組み合わせは、上記の組み合わせに限定されず、両者の温度検出範囲の少なくとも一部が異なる任意の2つの測定視野範囲の組み合わせであればよい。
又、温度差の算出対象となる測定視野範囲の組み合わせは、少なくとも1組あればよい。当該判定に用いる温度差の組み合わせの数を増やすことにより、又、(1)の変形例のような組み合わせとすることにより、当該相対位置関係のずれの検出感度をより高めることができる。
(5)本実施の形態では、加熱回転体51として、無端状のベルトを用いたが、加熱回転体51は、ベルト形状に限定されず、他の形状、例えば、ローラー形状であってもよい(例えば、本実施の形態の加熱回転体51と定着ローラー52とを一体化したローラー形状であってもよい。)。
(6)本実施の形態では、加熱回転体51の発熱領域の温度検出に用いる温度センサーを赤外線センサーとしたが、本実施の形態が適用できる温度センサーは、その検出範囲が全体で、本実施の形態の赤外線センサー54の場合と同様に、加熱回転体51の発熱領域の軸方向の全域に及び、当該発熱領域以外の領域に及ばないものであれば、赤外線センサーに限定されず、他の温度センサー、例えば、接触型のサーミスタ、非接触型のサーミスタであってもよい。
(7)本実施の形態の位置ずれ警告処理及び(2)の変形例では、警告メッセージ又は通知メッセージの通知を操作パネル7の液晶表示部へメッセージを表示させることにより行うこととしたが、当該通知は、他の方法によって行うこととしてもよい。例えば、当該通知を音声により行うこととしてもよい。
又、本実施の形態の位置ずれ警告処理及び(2)の変形例では、定着装置5への通電停止及び警告メッセージ(又は通知メッセージ)の表示の両方の処理を行うこととしたが、何れか一方のみを行うこととしてもよい。
(8)本実施の形態の加熱回転体51では、補強層514を、抵抗発熱体層513の上に積層し、電極511、512の一部が単層で露出した構成としたが、加熱回転体の構成は、上記の構成に限定されず、他の構成であってもよい。例えば、加熱回転体の構成を図12に示す加熱回転体51Cの構成とすることとしてもよい。同図において加熱回転体51Cを構成する要素は、加熱回転体51の構成要素と同一であるので、各構成要素について、加熱回転体51の対応する構成要素と同一の番号を付与している。同図に示すように、加熱回転体51Cにおいては、抵抗発熱体層513は、補強層514の上に積層され、電極511、512は、それぞれ、抵抗発熱体層513上に形成されている。図12の両矢印で示す領域は、加熱回転体51Cの発熱領域を示す。
本発明は、プリンター、複写機等の定着装置を備える画像形成装置に関し、特に抵抗発熱体層を発熱源とする加熱回転体を用いて未定着画像を熱定着させ、温度センサーを用いて加熱回転体の発熱領域の異常発熱を検出する定着装置における温度センサーの検出範囲の位置ずれを監視する技術として利用できる。
1 プリンター
3 画像プロセス部
3Y〜3K 作像部
4 給紙部
5 定着装置
7 操作パネル
8 画像読取部
10 露光部
11 中間転写ベルト
12 駆動ローラー
13 従動ローラー
14、35Y クリーナー
31Y 感光体ドラム
32Y 帯電器
33Y 現像器
34Y 1次転写ローラー
35Y クリーナー
41 給紙カセット
42 繰り出しローラー
43 搬送路
44 タイミングローラー
45 2次転写ローラー
46 2次転写位置
50 定着制御部
51 加熱回転体
52 定着ローラー
53 加圧ローラー
54 赤外線センサー
60 制御部
71 排出ローラー
72 排紙トレイ
500 電源部
501、502 給電部材
511、512 電極
513 抵抗発熱体層
514 絶縁層
515、533 弾性層
516、534 離型層
521、531 芯金端部
522、532 芯金
523 断熱層

Claims (12)

  1. 通電によりジュール発熱する抵抗発熱体層を発熱源とする加熱回転体の外周面の発熱領域に記録シートを通紙して未定着画像を熱定着させ、
    前記加熱回転体との間の相対位置関係が正常な場合に、全体の温度検出範囲が、前記外周面の発熱領域の軸方向全域に及び、かつ、前記発熱領域外には及ばない1つ以上の温度センサーを用いて前記抵抗発熱体層の異常発熱を検知する定着装置であって、
    前記加熱回転体がウォームアップ中の間、前記1つ以上の温度センサー毎に検出される温度検出範囲の温度を監視し、監視結果に基づいて当該温度検出範囲の温度状態を示す温度情報を取得し、取得した温度情報が示す温度状態と、前記相対位置関係が正常な場合の当該温度センサーの温度検出範囲から取得されるべき温度状態とを比較することにより、前記相対位置関係がずれて、前記温度検出範囲の少なくとも一部が前記発熱領域外にはみ出しているか否かを判定する判定手段と、
    前記発熱領域外にはみ出している場合に、警告を発する警告手段と、
    を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記判定手段は、前記ウォームアップ中の所定期間の前記温度検出範囲における昇温量を前記温度状態として算出することにより前記温度情報を取得し、算出した昇温量が、前記相対位置関係が正常である場合の当該温度センサーの温度検出範囲から取得されるべき昇温量の基準値を下回る場合に、前記温度検出範囲の少なくとも一部が前記発熱領域外にはみ出していると判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記1つ以上の温度センサーには、前記相対位置関係が正常な場合おいて、前記軸方向の一方の端部を含む領域を温度検出範囲とし、その温度検出範囲の位置が、前記相対位置関係が正常な場合の位置よりも少しでも前記軸方向と直交する方向にずれると温度検出範囲が前記発熱領域外に及ぶ端部温度センサーが含まれ、
    前記判定手段は、前記端部温度センサーの温度検出範囲について算出した昇温量が前記基準値を下回る場合に、前記温度検出範囲の少なくとも一部が前記発熱領域外にはみ出していると判定する
    ことを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記1つ以上の温度センサーには、さらに前記相対位置関係が正常な場合おいて、前記軸方向のもう一方の端部を含む領域を温度検出範囲とし、その温度検出範囲の位置が、前記相対位置関係が正常な場合の位置よりも少しでも前記軸方向と直交する方向にずれると温度検出範囲が前記発熱領域外に及ぶもう一方の端部温度センサーが含まれ、
    前記判定手段は、両者の端部温度センサーの温度検出範囲について算出した昇温量の内、一方の昇温量のみが前記基準値を下回る場合には、両者の端部温度センサーの温度検出範囲の位置が前記軸方向にずれていると判定し、
    両者の端部温度センサーの温度検出範囲について算出した昇温量が共に前記基準値を下回る場合には、両者の端部温度センサーの温度検出範囲の位置が前記軸方向と直交する方向にずれていると判定し、
    前記警告手段は前記温度検出範囲の位置ずれ方向についての判定結果を報知する報知手段を有する
    ことを特徴とする請求項記載の定着装置。
  5. 前記1つ以上の温度センサーには、両者の温度検出範囲の少なくとも一部が異なる第1及び第2温度センサーが含まれ、
    前記判定手段は、前記ウォームアップ中の所定時期における、両者の温度センサーの温度検出範囲の検出温度の温度差の絶対値を前記温度状態として算出することにより前記温度情報を取得し、算出した絶対値が、前記相対位置関係が正常な場合に両者の温度センサーの温度検出範囲から取得されるべき、それぞれの検出温度の温度差の絶対値の基準値を超える場合に、両者の温度センサーの温度検出範囲の内の少なくとも一部が前記発熱領域外にはみ出していると判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  6. 前記第1温度センサーは、前記相対位置関係が正常な場合おいて、前記軸方向の一方の端部を含む領域を温度検出範囲とし、その温度検出範囲の位置が、前記相対位置関係が正常な場合の位置よりも少しでも前記軸方向と直交する方向にずれると、温度検出範囲が前記発熱領域外に及び、
    前記第2温度センサーは、前記相対位置関係が正常な場合おいて、前記軸方向の両端部以外の領域を温度検出範囲とし、当該温度検出範囲の位置が、前記相対位置関係が正常な場合の位置より前記軸方向と前記軸方向と直交する方向の何れの方向に所定距離ずれても当該温度検出範囲が前記発熱領域内に入る
    ことを特徴とする請求項5記載の定着装置。
  7. 前記1つ以上の温度センサーには、さらに前記相対位置関係が正常な場合おいて、前記軸方向のもう一方の端部を含む領域を温度検出範囲とし、その温度検出範囲の位置が、前記相対位置関係が正常な場合の位置よりも少しでも前記軸方向と直交する方向にずれると、温度検出範囲が前記発熱領域外に及ぶ第3温度センサーが含まれ、
    前記判定手段は、さらに前記所定時期における、第2及び第3温度センサー間の検出温度の温度差の絶対値を算出し、
    第1及び第2温度センサー間の検出温度の温度差の絶対値と第2及び第3温度センサー間の検出温度の温度差の絶対値の何れか1つの絶対値のみが前記基準値を超える場合に、前記各温度検出範囲の位置が前記軸方向にずれていると判定し、
    両者の絶対値が共に前記基準値を超える場合に、前記各温度検出範囲の位置が前記軸方向と直交する方向にずれていると判定し、
    前記警告手段は前記温度検出範囲の位置ずれ方向についての判定結果を報知する報知手段を有する
    ことを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  8. 前記警告手段は、前記加熱回転体への通電を停止することにより、前記警告を発する
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の定着装置。
  9. 前記警告手段は、警告メッセージを表示させることにより、前記警告を発する
    ことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の定着装置。
  10. 前記温度センサーは、非接触型の温度センサーである
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の定着装置。
  11. 前記非接触型の温度センサーは、赤外線センサーである
    ことを特徴とする請求項10記載の定着装置。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載の定着装置を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
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