JP5910067B2 - トルクセンサ及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2は、入力側回転軸及びトーションバーを連結している連結ピンの外方を覆うようにハウジングが配置されており、連結ピンが連通孔から抜け落ちるのは防止されるが、連結ピンが連通孔から抜け出てハウジングに接触すると、ハウジングに対する入力側回転軸及びトーションバーの相対回転に影響を与えてしまう。そこで、連通孔に挿入した連結ピンをカシメ等により変形させて抜け止めを行うことが考えられる。しかし、連通孔に挿入した連結ピンに対してカシメ等の変形を行う専用工具が必要となり、しかも、狭い空間で専用工具を使用した作業となるので多くの作業時間が費やされ、コストアップに繋がるおそれがある。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のトルクセンサにおいて、前記インダクタンス変化手段が、導電性且つ非磁性材料からなり周方向に窓を形成した円筒部材を、前記第2回転軸の溝を形成した外周面を包囲するように前記第1回転軸の回転方向に一体に固定し、前記円筒部材の前記窓を形成した部分を包囲するようにコイルを配設しており、前記連結ピンが装着されている前記第1回転軸の前記連通孔を包囲するように延在している前記円筒部材の延長筒部に前記抜け止め部を設けた。
また、請求項5記載の電動パワーステアリング装置は、請求項1乃至3の何れか1項に記載のトルクセンサの前記第2回転軸を、ステアリングホイールに連結した入力軸とし、前記トルクセンサの前記第1回転軸を、ステアリング機構に連結した出力軸とし、前記トルクセンサが検出したトルクに基づいて前記ステアリング機構に伝達する操舵補助トルクを発生するようにした。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置によると、ステアリングホイールを操舵することによって発生した操舵トルクをトルクセンサが高精度に検出し、操舵補助トルクを伝達することができる。
図1は、本発明に係る第1実施形態の電動パワーステアリング装置の主要部を示す断面図であり、図2は、図1の電動パワーステアリング装置のトルクセンサの構成を示す斜視図である。
入力軸2及び出力軸3には、それぞれの軸中心を貫通する軸貫通孔2a,3aが形成されており、それら軸貫通孔2a,3aにトーションバー4が挿入されている。
トーションバー4の両端部には径方向に延在する連通孔4a,4bが形成されている。
入力軸2の左端部にも、前述した連通孔4aと同径の連通孔2bが径方向に延在して形成されており、出力軸3の図1における左端部にも、前述した連通孔4bと同径の連通孔3bが径方向に延在して形成されている。
また、入力軸2の左端部には、出力軸3の右端部の外周面を包囲する部分が形成され、この部分の内周面に軸方向に長い複数の凸部2cが形成されている。これら凸部2cに対向する出力軸3の右端部の外周面には、軸方向に長い複数(凸部2cと同数)の溝3cが形成されており、これら凸部2c及び溝3cは周方向に余裕を持って嵌め合わされている。
円筒部材11は、図2に示すように、導電性で且つ非磁性の材料(例えば、アルミニウム)から形成されており、出力軸3を包囲する部分に、軸方向に離間した第1窓列及び第2窓列が形成されている。第1窓列は、周方向に等間隔離隔した長方形の複数の窓11A,…,11Aからなり、第2窓列は、第1窓列と同数であり、窓11A,…,11Aと位相が180度ずれるように周方向に等間隔離隔した長方形の複数の窓11B,…,11Bからなる。
出力軸3の円筒部材11に包囲された部分の外周面には、軸方向に延びる横断面略長方形の複数(第1窓列及び第2窓列と同数)の溝3A,…,3Aが形成されているとともに、これら溝3Aの間に、横断面凸型の歯部3B,…,3Bが形成されている。
コイル12及び13は、センサケース15内の制御基板16上に構成されているモータ制御回路(不図示)に接続されている。
すなわち、図3に示すように、連通孔2b,4aに挿入されている連結ピン6の両端部に対応している円筒部材11の位置に、一部を切り残した切欠き片17を形成し、図4に示すように、円筒部材11の内側に切欠き片17を折り曲げて連結ピン6の両端部に係合することで、係合爪17として形成されている。
この係合爪17は、入力軸2に嵌合後にかしめても良いし、予め曲げた状態で、入力軸2に嵌合しても良い。
ここで、連通孔2b,4aに挿入されている連結ピン6の両端部に対応している円筒部材11の位置が本発明の円筒部材の延長筒部に対応し、入力軸2が本発明の第1回転軸に対応し、出力軸3が本発明の第2回転軸に対応している。
操舵系が直進状態にあって操舵トルクが零である場合は、トーションバー4には捩れが発生せず、入力軸2と出力軸3とは相対回転しない。出力軸3と円筒部材11との間にも、相対回転は生じない。
一方、ステアリングホイールを操作して入力軸2に回転力が加わると、その回転力はトーションバー4を経て出力軸3に伝達される。このとき、出力軸3には、転舵輪及び路面間の摩擦力や出力軸3の図示しない左端側に構成されたラックアンドピニオン式ステアリング装置のギアの噛み合い等の摩擦力に応じた抵抗力が生じるため、入力軸2及び出力軸3間には、トーションバー4が捩じれることによって出力軸3が遅れる相対回転が発生し、出力軸3及び円筒部材11にも相対回転が生じる。
トルクが作用しない状態では、インダクタンスが最小となる位相(窓11A及び11Bと歯部3Bとが重なっていない位相)に位置に設定されているから、トルクが作用してトーションバー4が捩れ、出力軸3と円筒部材11との間に位相差が生じると、2つのコイル12,13のインダクタンスは、一方が増加し、他方は減少する。
本実施形態は、円筒部材11に形成した一対の係合爪17,17が、入力軸2とトーションバー4とを連結している連結ピン6の軸方向の両端部に係合しているので、連結ピン6は連通孔2b,4aから抜け出るおそれがなく、内部部品(ハウジング1の内周面等)との接触のおそれがない。
また、従来のように、連結ピンをカシメ等により変形させて抜け止めを行う等の作業が無くなり、狭い空間での作業も不要となるので、連結ピン6の抜け止め作業を大幅に短縮することができ、コストアップを抑制することができる。
また、円筒部材11に形成した一対の係合爪17,17は、入力軸2の連通孔2bに入り込んで連結ピン6の軸方向の両端部に係合していることから、入力軸2及び円筒部材の相対回転が確実に防止されるので、ステアリングホイールを操作して入力軸2に回転力が加わる際に、出力軸3及び円筒部材11の相対回転を測定することにより操舵トルクを高精度に検出し、その操舵トルクに応じて操舵補助トルクを的確に発生させることができる。
本実施形態の電動パワーステアリング装置は、ハウジング1内に、トーションバー4を介して連結された入力軸2及び出力軸3が、軸受20a〜20cによって回転自在に支持されている。
トーションバー4の右端部と入力軸2とは、スプライン結合又はセレーション結合している。
トーションバー4の左端部には径方向に延在する連通孔4cが形成されている。
出力軸3の右端部には、トーションバー4の連通孔4cと同径の連通孔3dが径方向に延在して形成されている。
出力軸3にはピニオン軸22が一体的に形成されており、ピニオン軸22はラック19と噛合して公知のラックアンドピニオン式ステアリング機構を構成している。
また、出力軸3には、トーションバー4との連結のために連結ピン21が挿入されている位置を覆い、入力軸2の左端部側の外周面に近接してこれを包囲するように、肉薄の円筒部材23が回転方向に一体に固定されている。
すなわち、図6に示すように、連通孔3d,4cに挿入されている連結ピン21の両端部に対応している円筒部材23の位置に、一部を切り残した切欠き片24を形成し、図7に示すように、円筒部材23の内側に切欠き片24を折り曲げて連結ピン21の両端部に係合することで、係合爪24として形成されている。
この係合爪24は、出力軸3に嵌合後にかしめても良いし、予め曲げた状態で、出力軸3に嵌合しても良い。
ここで、連通孔3d,4cに挿入されている連結ピン21の両端部に対応している円筒部材23の位置が、円筒部材の延長筒部に対応し、出力軸3が本発明の第1回転軸に対応し、入力軸2が本発明の第2回転軸に対応している。
本実施形態によると、円筒部材23に形成した一対の係合爪24,24が、出力軸3とトーションバー4とを連結している連結ピン21の軸方向の両端部に係合しているので、連結ピン21は連通孔3d,4cから抜け出るおそれがなく、内部部品(ハウジング1やウォームホイール9)との接触のおそれがない。
そして、係合爪24が連結ピン21の軸方向の両端部に係合することで、円筒部材23の回り止めと、連結ピン21の抜け止めを同時に行うことができる。
また、円筒部材23に形成した一対の係合爪24,24は、出力軸3の連通孔3dに入り込んで連結ピン21の軸方向の両端部に係合していることから、出力軸3及び円筒部材23の相対回転を確実に防止することができ、ステアリングホイールを操作して入力軸2に回転力が加わる際に、入力軸2及び円筒部材23の相対回転を測定することにより操舵トルクを高精度に検出し、その操舵トルクに応じて操舵補助トルクを的確に発生させることができる。
Claims (5)
- 同軸に配置した磁性材料からなる第1回転軸及び第2回転軸を、トーションバーを介して連結し、導電性且つ非磁性材料からなり、前記第1回転軸及び前記第2回転軸の相対的な変位をインダクタンスの変化として反映させるインダクタンス変化手段を、前記第1回転軸に一体としたトルクセンサにおいて、
前記第1回転軸の軸心に貫通した軸貫通孔に前記トーションバーの一端部を挿入し、これら前記第1回転軸及び前記トーションバーの一端部に径方向に延在する連通孔を形成し、前記連通孔に連結ピンを装着するとともに、
前記連結ピンが装着されている前記第1回転軸の前記連通孔を包囲するように延在している前記インダクタンス変化手段の延長筒部に、前記連通孔から前記連結ピンが抜け出るのを防止する抜け止め部を設けたことを特徴とするトルクセンサ。 - 前記抜け止め部は、前記延長筒部の一部を切り欠いて切欠き片が形成されており、この切欠き片を、前記連通孔内に位置する前記連結ピンの端部に係合する係合爪として変形させてなることを特徴とする請求項1記載のトルクセンサ。
- 前記インダクタンス変化手段は、導電性且つ非磁性材料からなり周方向に窓を形成した円筒部材を、前記第2回転軸の溝を形成した外周面を包囲するように前記第1回転軸の回転方向に一体に固定し、前記円筒部材の前記窓を形成した部分を包囲するようにコイルを配設しており、
前記連結ピンが装着されている前記第1回転軸の前記連通孔を包囲するように延在している前記円筒部材の延長筒部に前記抜け止め部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のトルクセンサ。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載のトルクセンサの前記第1回転軸を、ステアリングホイールに連結した入力軸とし、前記トルクセンサの前記第2回転軸を、ステアリング機構に連結した出力軸とし、前記トルクセンサが検出したトルクに基づいて前記ステアリング機構に伝達する操舵補助トルクを発生するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
- 請求項1乃至3の何れか1項に記載のトルクセンサの前記第2回転軸を、ステアリングホイールに連結した入力軸とし、前記トルクセンサの前記第1回転軸を、ステアリング機構に連結した出力軸とし、前記トルクセンサが検出したトルクに基づいて前記ステアリング機構に伝達する操舵補助トルクを発生するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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