JP5909632B2 - 電気集塵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的には電気集塵装置に関し、特定的には、コロナ放電する部分を帯電部内の風上寄りの空間に配置する電気集塵装置に関するものである。
従来、この種の電気集塵装置は、帯電部の放電極に直流高電圧を印加し、正コロナまたは負コロナを発生させ、帯電部を通過する粉塵に正または負の電荷をもたせて帯電する。この帯電した粉塵を、直流高電圧が印加された放電極と、接地に繋がれた接地極板を有する集塵部の高電界により、静電気力で接地極板面上に捕集する技術が広く一般的に知られている。(例えば、特許文献1参照)。
以下、その電気集塵送風原理について図19を参照しながら説明する。
図19に示すように、電気集塵装置は帯電部104と集塵部105により構成される。通風方向は、帯電部104から、集塵部105への向きである。帯電部104と集塵部105にはそれぞれ+11kVの直流高圧電源108と+5.5kVの直流高圧電源109が接続されている。帯電部104は、放電線タイプの放電極104Aと接地極板104Bにより構成される。放電極104Aは、接地極板104Bにおける風の流れ方向の長さの中間点付近に配置されている。放電極104Aに+11kVの直流高圧が印加され、放電極104Aと接地極板104Bの間の空間に正コロナが発生する。この正コロナにより発生した正イオンが、空間中の粉塵(図示されず)に電荷を与え、粉塵は正に帯電される。帯電した粉塵は後段の集塵部105における、荷電極板105Aと接地極板105B間で形成される強電界により、静電気力で接地極板105B上に捕集される。電気集塵装置に正の高電圧が印加される場合で説明したが、負の高電圧が印加される場合でも、同様に、接地極板105B上に粉塵が捕集される。また、電圧値は必ずしも前記の値でなくてもよい。帯電部と集塵部が独立した二段式電気集塵方式であることが特徴となっている。
また、帯電部の放電極として、荷電極板の端部にトゲ突起を設けた二段式電気集塵装置が、特許文献2に示されている。
以下、その電気集塵送風原理について図20を参照しながら説明する。
図20に示すように、帯電部104は、トゲ突起を有する放電極104Aと接地極板104Bにより構成されている。このとき、放電極104Aは、接地極板104Bにおける風の流れ方向の長さの中間点付近に配置されている。
また、帯電部の放電極として、別の形状のトゲ突起を用いた二段式電気集塵装置が、特許文献3に示されている。
以下、その電気集塵送風原理について図21と図22を参照しながら説明する。
図21に示すように、帯電部104は、荷電極板の端部にトゲ突起を設けた放電極104A、104Cと接地極板104Bにより構成されている。このとき、放電極104Aの先端部分は、接地極板104Bにおける風の流れ方向の長さの中間点付近よりも風上側に配置されている。一方、放電極104Cの先端部分は、接地極板104Bにおける風の流れ方向の長さの中間点付近よりも風下側に配置されている。要するに、放電極104A、104Cの先端部分は、接地極板104Bにおける風の流れ方向の長さの中間点付近から
見て、風上側と風下側に、概ね対称的に配置されている。また、図22にも別の形態が示されている。荷電極板にトゲ突起を設けた放電極104A、とトゲ突起を設けた接地極板104Bが示されているが、各トゲ突起は、風の流れ方向の長さの中間点付近に配置されている。因みに、図22の形態において、接地極板104Bからは、放電極104Aと逆極性のコロナ放電が発生し、放電極104Aと接地極板104Bによる双極のコロナ放電により塵埃を帯電・集塵できるとしている。
また、別な形状のトゲ突起の放電極が、特許文献4に示されている。
以下、図23を参照しながら説明する。
図23の(A)(B)に示すように、帯電部104内には、荷電極板の一面至る所にトゲ突起を有する放電極104Aと接地極板104Bにより構成されている。要するに、放電極104Aの多数のトゲ突起は接地極板104Bにおける風の流れ方向の長さの中間点付近から見て、風上側と風下側に、ほぼ対称的に配置されていると見ることができる。
特開平10−202143号公報(図4) 特開2002−192014号公報(図1) 特許第3124193号公報(図2、図3) 特開平8−299848号公報(図1、図3)
このような従来の、電気集塵装置の帯電部の放電極の突起の配置については、接地極板における風の流れ方向の長さの中間点付近に配置するか、または、接地極板における風の流れ方向の長さの中間点付近から見て、風上側と風下側に、概ね対称的に配置するかが主流であった。一般産業用の電気集塵装置や家庭用空気清浄機の電気集塵装置の通過風速は概ね1から2m/s程度で低風速といえる。帯電部を通過する風速がこのように低ければ、前述の放電極の配置は、イオン場の対称性を概ね備えており、コロナ放電と粉塵への帯電効率の観点から至極妥当であるといえる。しかしながら、道路トンネル用の電気集塵装置のように、通過風速が5m/sから15m/s程度の高風速となると(注:高風速の上限値は理論上、存在しないが、圧力損失の増大抑制に配慮し、実用上の最大風速は15m/s程度であろうとされている)、コロナ放電によるイオン場の対称性が崩れ、その結果、粉塵への帯電効率が低下する。即ち、帯電部のコロナ放電に大電力を投入しなければ、充分に帯電できないので、満足のゆく集塵効率が得られず、帯電部の省エネ運転を行うことができないという課題があった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、帯電部において、コロナ放電する部分を、帯電部内の風上寄りの空間に配置した電気集塵装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明に係る電気集塵装置は、通過風速が5m/sから15m/s程度の範囲内の、帯電部と集塵部からなる電気集塵装置において、帯電部内のトゲ突起先端位置が、風の流れ方向における帯電部長さの中間位置よりもの風上側に位置し、かかる高風速により、帯電に必要なコロナ放電によるイオン場の対称性が崩れた条件下でも、効率的に粉塵を帯電・捕集できることを特徴としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、帯電に必要なコロナ放電によるイオン場の対称性が崩れた条件下でも、消費電力効率を向上させて粉塵を帯電・捕集できることを特徴とする電気集塵装置にしたことにより、省エネ運転が可能という効果を得ることができる。
本発明の実施の形態1による電気集塵装置の(a)概略図、(b)帯電部の荷電極板の平面図 同帯電部における(a)無風時の放電状態図、(b)通風時の放電状態図 本発明の実施の形態2による電気集塵装置の(a)概略図、(b)帯電部の荷電極板の平面図 同帯電部における(a)無風時の放電状態図、(b)通風時の放電状態図 本発明の実施の形態3による電気集塵装置の(a)概略図、(b)帯電部の荷電極板の平面図 同帯電部における(a)無風時の放電状態図、(b)通風時の放電状態図 本発明の実施の形態4による電気集塵装置の(a)概略図、(b)帯電部の荷電極板の平面図 同帯電部における(a)無風時の放電状態図、(b)通風時の放電状態図 本発明の実施例の実験装置概略図 本発明の実施例1の帯電部の構成図(A)極板平面図、(B)一対の極板配置図、(C)X=0mm極板配置図、(D)X=−60mm極板配置図、(E)X=+60mm極板配置図 本発明の実施例1の正電圧印加時の集塵効率の特性図 本発明の実施例1の負電圧印加時の集塵効率の特性図 本発明の実施例1の有風と無風における放電様相の比較写真 本発明の実施例2の帯電部の構成図(A)極板平面図、(B)一対の極板配置図、(C)X=0mm極板配置図、(D)X=−60mm極板配置図、(E)X=+60mm極板配置図 本発明の実施例2の正または負電圧印加時の集塵効率の特性図 本発明の実施例3の帯電部の構成図(A)極板平面図、(B)一対の極板配置図、(C)X=0mm極板配置図、(D)X=−60mm極板配置図、(E)X=+60mm極板配置図 本発明の実施例3の正または負電圧印加時の集塵効率の特性図 本発明の実施例4の帯電部の構成図(A)極板平面図、(B)極板配置図 従来の電気集塵装置の集塵原理図 従来の電気集塵装置の集塵原理図 従来の電気集塵装置の集塵原理図 従来の電気集塵装置の帯電部の構造図 従来の電気集塵装置の帯電部の構造図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態の電気集塵装置は、吸込ダクト11から粉塵を含む空気を吸い込み、帯電部13で粉塵に電荷を与えた後、集塵部16で粉塵を捕集するもので
ある。帯電部13は、複数枚の荷電極板1と複数枚の接地極板2を空気の流れに平行に交互に配置している。同じく集塵部16は、複数枚の荷電極板9と複数枚の接地極板10を空気の流れに平行に交互に配置している。帯電部13の荷電極板1は、風上側の端部と風下側の端部に先端を風上側あるいは風下側に向けた三角形状のトゲ51、52を有している。そして、風上側のトゲ51の先端は、接地極板2に対向した位置に設けられている。また、風下側のトゲ52の先端は、接地極板2に対向した位置で、かつ、接地極板2の風向方向の中心線よりも風上側に対向した位置に設けられている。すなわち、荷電極板1に設けられたトゲ51、52の先端は、風向に対して、接地極板2の風上側先端よりも風下側に有り、かつ、接地極板2の風向方向の中心線よりも風上側にあることになる。なお、図1(a)における帯電部13の荷電極板1の両端(風上側、風下側)を尖った形状で表しているが、これは、トゲ51、52を模式的に表したもので、実際にこの方向に見て尖った形状をしているわけではない。このことは、図2についても同様である。また、以降の実施の形態における図面でも、風上側あるいは風下側端部が尖った形状をしたものは、「トゲ」形状を示している。そして、風向に直交する「角部」をもつものは、「トゲ」のない直線状の端部を有していることを模式的に示している。
このような構成の電気集塵装置の帯電部13に、高電圧を印加すると、図2(a)に示すように、トゲ51、52の先端から、風上側、風下側対称にコロナ放電空間が形成される。しかし、通過風速が5m/sから15m/s程度の風を(図1の風向に沿って)流すと、図2(b)に示すように、コロナ放電空間が風下側に流され、結果として変形する。このとき、風下側のトゲ52のコロナ放電は、接地極板2を風下側に長くしているので、円滑な放電となり、結果として、帯電部13を通過する粉塵に対し、効率的に電荷を与えることができる。即ち、高い集塵効率を確保できるのである。
一方、風上側のトゲ51のコロナ放電については、接地極板2の風上側の長さが短いが、コロナ放電空間が風下側に向けて変形しているので、円滑な放電を得ることができる。よって、帯電部13を通過する粉塵に対し、効率的に電荷を与えることができ、高い集塵効率が得られるのである。
(実施の形態2)
図3,4を用いて第2の実施の形態による電気集塵装置について説明する。第1の実施の形態と同じ構成については同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施の形態の電気集塵装置の帯電部13の荷電極板1は、風下側の端部に先端を風下側に向けた三角形状のトゲ61を有している。そして、風上側の端部は、接地極板2に対向した位置に設けられている。また、風下側のトゲ61の先端は、接地極板2に対向した位置で、かつ、接地極板2の風向方向の中心線よりも風上側に対向した位置に設けられている。すなわち、荷電極板1は、風向に対して、接地極板2の風上側先端よりも風下側に有り、かつ、接地極板2の風向方向の中心線よりも風上側にあることになる。
このような構成の電気集塵装置の帯電部13に、高電圧を印加すると、図4(a)に示すように、トゲ61の先端から、風下側に向けてコロナ放電空間が形成される。しかし、通過風速が5m/sから15m/s程度の風を(図3の風向に沿って)流すと、図4(b)に示すように、コロナ放電空間が風下側に流され、結果として変形する。このとき、風下側のトゲ61のコロナ放電は、接地極板2を風下側に長くしているので、円滑な放電となり、結果として、帯電部13を通過する粉塵に対し、効率的に電荷を与えることができる。即ち、高い集塵効率を確保できるのである。
(実施の形態3)
図5,6を用いて第3の実施の形態による電気集塵装置について説明する。第1、第2
の実施の形態と同じ構成については同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施の形態の電気集塵装置の帯電部13の荷電極板1は、風上側の端部に先端を風上側に向けた三角形状のトゲ71を有している。そして、風上側のトゲ71の先端は、接地極板2に対向した位置に設けられている。風下側の端部は、接地極板2に対向した位置で、かつ、接地極板10の風向方向の中心線よりも風上側に対向した位置に設けられている。すなわち、荷電極板1は、風向に対して、接地極板2の風上側先端よりも風下側に有り、かつ、接地極板2の風向方向の中心線よりも風上側にあることになる。
このような構成の電気集塵装置の帯電部13に、高電圧を印加すると、図6(a)に示すように、トゲ71の先端から、風上側に向けてコロナ放電空間が形成される。このとき、通過風速が5m/sから15m/s程度の風を(図5の風向に沿って)流すと、図6(b)に示すように、風下側にコロナ放電空間が風下側に向けて変形するが、風下側に十分な距離を持った接地極板2を配置しているので、円滑な放電を得ることができる。よって、帯電部13を通過する粉塵に対し、効率的に電荷を与えることができ、高い集塵効率が得られるのである。
(実施の形態4)
図7,8を用いて第4の実施の形態による電気集塵装置について説明する。第1、第2、第3の実施の形態と同じ構成については同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施の形態の電気集塵装置の帯電部13の荷電極板1は、風上側の端部に先端を風上側に向けた三角形状のトゲ81を有している。また、帯電部13の接地極板2は、風下側の端部に、先端を風上側に向けたトゲ82を有している。
そして、接地極板2の風下側端部、すなわち、トゲ82の先端は、荷電極板1に対向した位置に設けられる。言い換えると、トゲ82の先端は、風向に対して荷電極板1の風上端よりも風下側で、かつ、荷電極板1の風下端よりも風上側に位置する。
また、荷電極板1の風上側端部、すなわち、トゲ81の先端は、接地極板2に対向した位置に設けられる。言い換えると、トゲ81の先端は、風向に対して接地極板2の風上端よりも風下側で、かつ、接地極板2の風下端よりも風上側に位置する。
このような構成の電気集塵装置の帯電部13に、高電圧を印加すると、図8(a)に示すように、トゲ81、82の先端から、風上側、風下側にコロナ放電空間が形成される。しかし、通過風速が5m/sから15m/s程度の風を(図7の風向に沿って)流すと、図8(b)に示すように、コロナ放電空間が風下側に流され、結果として変形する。このとき、トゲ81、82に対向する極板は、それぞれトゲ81、82の先端よりも風下側に長くしているので、円滑な放電となり、結果として、帯電部13を通過する粉塵に対し、効率的に電荷を与えることができる。即ち、高い集塵効率を確保できるのである。
なお、本実施の形態では、帯電部13の風上側の極板を接地極板2、風下側を荷電極板1をとしたが、逆であってもその作用効果に変わりはない。
すなわち、風下側の極板を接地して接地極板とし、風上側の極板に高圧電圧を印加する構成としても良い。
本発明の実施の形態として、以下の試験装置を用いて行った実験を例にして説明する。
図9に本試験装置の概略図を示す。図に示すように、吸込ダクト11から粉塵を含む空気を吸い込み、帯電部13で粉塵に電荷を与えた後、集塵部16で粉塵を捕集するものである。このダクト系の後端部に設けたファン19により、空気が吸い込まれる。吸込ダクト11、帯電部13および集塵部16で構成されるこのダクト系の内部の幅寸法は、一律120mmである。高さ寸法は一律130mmであるが、帯電部13のみは高風速を得るために高さ寸法を32mmとしている。
帯電部13における(トゲ突起を有する放電極としての)荷電極板1と接地極板2の間に印加する電圧は正負含めて可変としたが、集塵部16における荷電極板9とこれに隣接する接地極板10の間隔は10mmで一定とし、直流の印加電圧−9kVも一定とした。帯電部13の条件変化が集塵効率にどのように影響するのかを把握することとした。ファン19は周波数制御により回転数を可変できる。熱線風速計14は、吸込ダクト11部分での風速を計るのに用いた。帯電部13においては、高風速を実現するために、内部の高さ寸法を縮めることにより開口面積を狭めている。帯電部13内での風速が9m/s一定となるように、ファン19の電源周波数を微調整した。帯電部13は、正及び負の高圧電源22を切り替えて使用した。集塵部16に収納される荷電極板9と接地極板10には、負高圧電源23により電圧を印加した。電圧が印加される荷電極板9と接地される接地極板10については、形状・使用枚数・材質ともに同一とした。(全て、130mm×200mm、0.4t、SUS304)粉塵の濃度測定用には、パーティクルカウンター15を用い、帯電部13の風上側と集塵部16の風下側を濃度サンプル場所として集塵効率測定を行った。0.3ミクロンメートル以上の全ての粒径による粉塵濃度を用いて、集塵効率を算出した。除去対象の粉塵は、室中の大気塵である。
以上のような試験装置を用いた試験をより詳細に説明する。
(実施例1)
図10(A)は,実験で使用した帯電部13の荷電極板1と接地極板2の外形を示す。これらをそれぞれ複数枚用いて帯電部13を構成する。荷電極板1と接地極板2の板厚は0.4mmで、材質はSUS304である。荷電極板1の左端および右端の一辺に、それぞれ3個のトゲを配列した。トゲの先端角度は30度、トゲの高さは10mmで、トゲ間隔は12mmである。
図10(B)は、荷電極板1とこれに平行に隣接する接地極板2を板に垂直な方向から眺めたものである。太い矢印は9m/sの通風方向を示す。荷電極板1の風下端が、隣接する接地極板2における風上端と風下端の中間位置(一点叉線)よりも風上側に位置し、荷電極板1の風上端が、接地極板2の風上端と風下端の間に位置することを示している。接地極板2の中間位置を原点0mmポイントとし、ここから風下方向を+方向、風上方向を−方向としている。荷電極板1の風下端と原点間の距離をXとすると、荷電極板1の風下端が、接地極板2における風上端と風下端の中間位置よりも風上側に位置し、荷電極板1の風上端が、接地極板2の風上端と風下端の間に位置するための−方向の最大寸法はX=−60mmである。
図10(C)は、帯電部13において、X=0mmの場合の極板配置の様子を示す。太い矢印は通風方向を示す。荷電極板1と隣接する接地極板2の間の距離をDとし、Dが10mm、15mm、20mmの3ケースで実験を行った。これをD10、D15、D20と表現することにする。各D寸法と使用する極板枚数の関係は、次の通りである。
・D10の場合:荷電極板1は6枚、接地極板2は7枚。
・D15の場合:荷電極板1は4枚、接地極板2は5枚。
・D20の場合:荷電極板1は3枚、接地極板2は4枚。
荷電極板1において風上側の3個のトゲ突起からコロナ放電空間(a)が形成され、風下
側の3個のトゲ突起からもコロナ放電空間(b)が形成されることを示している。通風により風上側から運ばれてきた粉塵(図示せず)は、この帯電部13内のコロナ放電空間を通過することにより、帯電され、後段の集塵部16の強電界により捕集される。
図10(D)は、帯電部13において、X=−60mmの場合の極板配置の様子を示し、図10(E)は、X=+60mmの場合の極板配置の様子を示す。
集塵部16の極間・電圧条件は常に一定とし、また通風速度も常に9m/sで一定とし、帯電部13の条件を変化させて、集塵効率ηを測定する実験を行った。集塵効率ηは、吸込ダクト11に流入する粉塵の総数をAとし、集塵部16から流出する粉塵の総数をBとすると、η=(A−B)/A×100%で示される。
帯電部13の条件変化の詳細を以下に示す。
・D10の場合:1)X=−60mm、2)X=0mm、3)X=+60mm。
・D15の場合:1)X=−60mm、2)X=0mm、3)X=+60mm。
・D20の場合:1)X=−60mm、2)X=0mm、3)X=+60mm。
このとき荷電極板1には正の直流電圧と負の直流電圧をそれぞれ印加するものとした。電圧印加により放電電流が発生するが、同じ電圧でも、正負の別、Dの変化、Xの変化によって放電電流は変化する。帯電部の13の実験条件は、前記のように変化させるが、印加電圧と放電電流の積、即ち消費電力については、常に一定値1Wとなるように、印加電圧を調整して実験を行った。要するに、本実験は、集塵部16の条件は一定で、帯電部13の消費電力は一定であるが、その他の正負・D・Xを変化させたときに、集塵効率ηがどのように変化するのかを確認するものである。
実験結果を図11と図12に示す。図11には、荷電極板1に正電圧を印加した場合の各Dについて、横軸X、縦軸ηにて特性が示される。図12には、荷電極板1に負電圧を印加した場合の特性が示される。
図11でも図12でもXが増大すると、集塵効率ηは低下する。正負の別やDの違いにより、各特性に差異はあるものの、Xが増大すると、ηは低下する。これは荷電極板1が風下側にずれるとηが悪くなることを意味する。その理由を考察する。
図13に,帯電部13における正放電の様子を4枚の写真(a)、(b)、(c)、(d)で示す。写真は全て暗闇の中で、露出時間60秒にて撮影した。(a)のみは,瞬間的に約1秒間、懐中電灯を点灯させた写真である。写真は全て,G20でX=0mm の配置にて、無風もしくは9m/sの有風条件下で撮影した。写真(a)中央部の荷電極板1に正電圧を印加し、上下の極板は接地極板2である。有風の場合、写真の左手が風上である。(a)は、無風条件下で撮影された。中央部の荷電極板1の先端部のトゲ突起の形状が鮮明に映っており、トゲ突起先端から正コロナが発生している。(b)は(a)と同一条件にて、完全な暗闇で撮影したものである。(c)と(d)は、荷電極板1のトゲ突起先端から火花が発生した時のものである。無風条件の(c)に比べ、有風条件の(d)では、火花時の電離発光部分が、9m/sという高風速によって風下に流されていることがわかる。このことは、電離で発生したイオンも気体分子と同じく、通風によって風下に流されることを示している。これにより、「高風速条件下では,コロナ放電により発生した気体イオンは風下に流されるので、粉塵を帯電するのに効果的な荷電空間は、トゲの風上側よりも風下側に存在する。」と言えることが判明した。実験結果から、正荷電でも負荷電でもこのことが言える。従って、図11でも図12でもXが増大して、荷電極板1が風下側にずれると、風下側の荷電(帯電)空間が減るので、集塵効率ηが低下することが裏付けられた。よって、帯電部13の消費電力一定という条件下では、荷電極板1の風下端が、隣接する接地極板2における風上端と風下端の中間位置よりも風上側に位置したほうが、風下側に位置するよりも、集塵効率ηが高い値となるといえる。
なお、帯電部13の荷電極板1に印加する直流電圧kVを隣接する極板間隔(cm)で割った値を平均電界強度(kV/cm)と呼ぶが、正電圧を印加した場合は、平均電界強度は7kV/cmから10kV/cm程度の範囲内にあった。また、負電圧を印加した場合は、平均電界強度は6kV/cmから9kV/cm程度の範囲内にあった。
なお、荷電極板1の1列中のトゲの数は3個でなくても、1個以上あればよい。
なお、荷電極板1のトゲの数は、全てが同じでなくてもよい。
なお、荷電極板1のトゲ突起の先端角度は30でなくても、10度から40度程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1のトゲの高さは10mmでなくても、5mmから20mm程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1の端部上で隣接するトゲの間隔は12mmでなくても、4mmから20mm程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1の板厚は0.4mmでなくても、0.2mmから1.5mm程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1の材質はSUS304でなくても、平板化可能な金属であればよい。
なお、荷電極板1の寸法は40mm×36mmでなくてもよい。
すなわち、通過風速が5m/sから15m/s程度の範囲内で、帯電部13の荷電極板1の両端にコロナ放電用のトゲ突起を有し、荷電極板1の風下端が、隣接する接地極板2における風上端と風下端の中間位置よりも風上側に位置し、荷電極板1の風上端が、接地極板2の風上端と風下端の間に位置する構造であれば、消費電力効率の良い電気集塵装置が得られるのである。
(実施例2)
風下端のみに、トゲ突起を設けた場合を実施例2として、実験により確認することとした。
図14(A)は,実験で使用した帯電部13の荷電極板1と接地極板2の外形を示す。これらをそれぞれ複数枚用いて帯電部13を構成する。使用する枚数の考え方は実施例1と同じである。荷電極板1と接地極板2の板厚・材質も実施例1と同じである。荷電極板1の風下端の一辺に、3個のトゲを配列した。トゲの先端角度・トゲ高さ・トゲ間隔は実施例1と同じである。
図14(B)は、荷電極板1とこれに平行に隣接する接地極板2を垂直方向から眺めたものである。通風方向・風速は実施例1と同じである。荷電極板1の風下端が、隣接する接地極板2における風上端と風下端の中間位置(一点叉線)よりも風上側に位置し、荷電極板1が、接地極板2の風上端と風下端の間に位置することを示している。接地極板2の中間位置を原点0mmポイントとし、ここから風下方向を+方向、風上方向を−方向としている。荷電極板1の風下端と原点間の距離をXとすると、荷電極板1の風下端が、接地極板2における風上端と風下端の中間位置よりも風上側に位置し、荷電極板1が、接地極板2の風上端と風下端の間に位置するための−方向の最大寸法はX=−60mmである。
図14(C)は、帯電部13において、X=0mmの場合の極板配置の様子を示す。太い矢印は通風方向を示す。荷電極板1と隣接する接地極板2の間の距離をDとし、Dが10mm、15mm、20mmの3ケースで実験を行った。
荷電極板1において風下側の3個のトゲ突起からコロナ放電空間(b)が形成されることを示している。風上側から運ばれてきた粉塵(図示せず)は、この帯電部13内のコロナ放電空間を通過することにより、帯電され、後段の集塵部16の強電界で捕集される。
図14(D)は、帯電部13において、X=−60mmの場合の極板配置の様子を示し、図14(E)は、X=+60mmの場合の極板配置の様子を示す。
集塵部16の極間・電圧条件は常に一定とし、また通風速度も常に9m/sで一定とし、帯電部13の条件を変化させて、集塵効率ηを測定する実験を行った。
帯電部13の条件変化の詳細を以下に示す。
・D10の場合:1)X=−60mm、2)X=0mm、3)X=+60mm。
・D15の場合:1)X=−60mm、2)X=0mm、3)X=+60mm。
・D20の場合:1)X=−60mm、2)X=0mm、3)X=+60mm。
本実験は、集塵部16の条件は一定で、帯電部13の消費電力は一定の1Wであるが、電圧の正負の別・D・Xを変化させたときに、集塵効率ηがどのように変化するのかを確認するものである。
実験結果を図15に示す。荷電極板1に正または負の電圧を印加した場合の、各Dについて、横軸X、縦軸ηの特性が示される。記号説明の中で、極間Gの文字の前に付された+または−の記号は、印加した直流電圧が正であるか負であるかを示している。
図14では、Xが増大すると、集塵効率ηは低下している。正負の別やDの違いにより、各特性に差異はあるものの、Xが増大すると、ηは低下する。これは荷電極板1が風下側にずれるとηが悪化することを意味している。その理由は実施例1のものと同じであり、「高風速条件下では,コロナ放電により発生した気体イオンは風下に流されるので、粉塵を帯電するのに効果的な荷電空間は、トゲの風上側よりも風下側に存在する。」と言うものである。よって、帯電部13の消費電力一定という条件下では、荷電極板1の風下端が、隣接する接地極板2における風上端と風下端の中間位置よりも風上側に位置したほうが、風下側に位置するよりも、集塵効率ηが高い値となるといえる。
なお、帯電部13の荷電極板1に正電圧を印加した場合の平均電界強度は7kV/cmから10kV/cm程度の範囲であった。また、負電圧を印加した場合、平均電界強度は6kV/cmから9kV/cm程度の範囲であった。
なお、荷電極板1の1列中のトゲの数は3個でなくても、1個以上あればよい。
なお、荷電極板1のトゲの数は、全てが同じでなくてもよい。
なお、荷電極板1のトゲ突起の先端角度は30でなくても、10度から40度程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1のトゲの高さは10mmでなくても、5mmから20mm程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1の端部上で隣接するトゲの間隔は12mmでなくても、4mmから2
0mm程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1の板厚は0.4mmでなくても、0.2mmから1.5mm程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1の材質はSUS304でなくても、平板化可能な金属であればよい。
なお、荷電極板1の寸法は20mm×36mmでなくてもよい。
すなわち、通過風速が5m/sから15m/s程度の時、帯電部13の荷電極板1の風下端にコロナ放電用のトゲ突起を有し、荷電極板1の風下端が、隣接する接地極板2における風上端と風下端の中間位置よりも風上側に位置し、荷電極板1が、接地極板2の風上端と風下端の間に位置する構造であれば、消費電力効率の良い電気集塵装置が得られるのである。
(実施例3)
風上端のみに、トゲ突起を設けた場合を実施例3として、実験により確認する。
図16(A)は,実験で使用した帯電部13の荷電極板1と接地極板2の外形を示す。これらをそれぞれ複数枚用いて帯電部13を構成する。使用する枚数の考え方は実施例1と同じである。荷電極板1と接地極板2の板厚・材質も実施例1と同じである。荷電極板1の風上端の一辺に、3個のトゲを配列した。トゲの先端角度・トゲ高さ・トゲ間隔は実施例1と同じである。
図16(B)は、荷電極板1とこれに平行に隣接する接地極板2を垂直方向から眺めたものである。通風方向・風速は実施例1と同じである。荷電極板1の風上端が、隣接する接地極板2における風上端と風下端の中間位置(一点叉線)よりも風上側に位置し、荷電極板1が、接地極板2の風上端と風下端の間に位置することを示している。接地極板2の中間位置を原点0mmポイントとし、ここから風下方向を+方向、風上方向を−方向としている。荷電極板1の風下端と原点間の距離をXとすると、荷電極板1の風上端が、接地極板2における風上端と風下端の中間位置よりも風上側に位置し、荷電極板1が、接地極板2の風上端と風下端の間に位置するための−方向の最大寸法はX=−60mmである。
図16(C)は、帯電部13において、X=0mmの場合の極板配置の様子を示す。太い矢印は通風方向を示す。荷電極板1と隣接する接地極板2の間の距離をDとし、Dが10mm、15mm、20mmの3ケースで実験を行った。
荷電極板1において風上側の3個のトゲ突起からコロナ放電空間(a)が形成されることを示している。風上側から運ばれてきた粉塵(図示せず)は、この帯電部13内のコロナ放電空間を通過することにより、電荷を帯び、後段の集塵部16の強電界で捕集される。
図16(D)は、帯電部13において、X=−60mmの場合の極板配置の様子を示し、図16(E)は、X=+60mmの場合の極板配置の様子を示す。
集塵部16の極間・電圧条件は常に一定とし、また通風速度も常に9m/sで一定とし、帯電部13の条件を変化させて、集塵効率ηを測定する実験を行った。
帯電部13の条件変化の詳細を以下に示す。
・D10の場合:1)X=−60mm、2)X=0mm、3)X=+60mm。
・D15の場合:1)X=−60mm、2)X=0mm、3)X=+60mm。
・D20の場合:1)X=−60mm、2)X=0mm、3)X=+60mm。
本実験は、集塵部16の条件は一定で、帯電部13の消費電力は一定の1Wであるが、電圧の正負の別・D・Xを変化させたときに、集塵効率ηがどのように変化するのかを確認するものである。
実験結果を図17に示す。荷電極板1に正または負の電圧を印加した場合の、各Dについて、横軸X、縦軸ηの特性が示される。記号説明の中で、極間Gの文字の前に付された+または−の記号は、印加した直流電圧が正であるか負であるかを示している。
図17では、Xが増大すると、集塵効率ηは低下している。正負の別やDの違いにより、各特性に差異はあるものの、Xが増大すると、ηは低下した。これは荷電極板1が風下側にずれるとηが悪化することを意味している。その理由は実施例1のものと同じであり、「高風速条件下では,コロナ放電により発生した気体イオンは風下に流されるので、粉塵を帯電するのに効果的な荷電空間は、トゲの風上側よりも風下側に存在する。」と言うものである。よって、帯電部13の消費電力一定という条件下では、荷電極板1の風上端が、隣接する接地極板2における風上端と風下端の中間位置よりも風上側に位置したほうが、風下側に位置するよりも、集塵効率ηが高い値となるといえる。
なお、帯電部13の荷電極板1に正電圧を印加した場合の平均電界強度は7kV/cmから10kV/cm程度の範囲であった。また、負電圧を印加した場合、平均電界強度は6kV/cmから9kV/cm程度の範囲であった。
なお、荷電極板1の1列中のトゲの数は3個でなくても、1個以上あればよい。
なお、荷電極板1のトゲの数は、全てが同じでなくてもよい。
なお、荷電極板1のトゲ突起の先端角度は30でなくても、10度から40度程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1のトゲの高さは10mmでなくても、5mmから20mm程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1の端部上で隣接するトゲの間隔は12mmでなくても、4mmから20mm程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1の板厚は0.4mmでなくても、0.2mmから1.5mm程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1の材質はSUS304でなくても、平板化可能な金属であればよい。
なお、荷電極板1の寸法は20mm×36mmでなくてもよい。
すなわち、通過風速が5m/sから15m/s程度の範囲内の時、帯電部13の荷電極板1の風上端にコロナ放電用のトゲ突起を有し、荷電極板1の風上端が、隣接する接地極板2における風上端と風下端の中間位置よりも風上側に位置し、荷電極板1が、接地極板2の風上端と風下端の間に位置する構造であれば、消費電力効率の良い電気集塵装置が得られるのである。
(実施例4)
実施例1では、荷電極板1の風上端と風下端の両方にトゲ突起を設けた。実施例2では
、荷電極板1の風下端のみにトゲ突起を設けた。また、実施例3では、荷電極板1の風上端のみにトゲ突起を設けた。実施例1から実施例3の実験結果で共通することは、「同一消費電力条件下では、トゲ先端が、風上寄りに位置する方が、風下寄りに位置するよりも集塵効率ηが高くなる」というものである。さらに考えを深めれば、「トゲ突起の位置が風下端である実施例2の結果と、トゲ突起の位置が風上端である実施例3の結果を複合したものが、実施例1の結果となっている」ということができる。以上をまとめて表1を得る。
Figure 0005909632
従来技術の項で、図22について説明した。図22においては、放電極104A(荷電極板)のトゲ突起のみならず、接地極板104Bにもトゲ突起を設け、接地極板104Bからも、放電極104Aと逆極性のコロナ放電を発生させ、放電極104Aと接地極板104Bの両者のコロナ放電により粉塵を帯電させ集塵するものである。
「実施例2の結果と、実施例3の結果を複合したものが実施例1の結果である」ので、さらにこの考えを、図22のような接地極板104Bにもトゲ突起を設ける場合に、拡張して考えることができる。
図18を用いて説明する。図18(A)には、帯電部13の荷電極板1の風上端のみにコロナ放電用のトゲ突起が配置され、さらに、隣接する接地極板2の風下端にのみに放電用のトゲ突起が配置される様子を示す。接地極板2の風下端が、接地極板2の風上端と荷電極板1の風下端の中間位置(一点叉線)よりも風上側に位置し、荷電極板1の風上端が接地極板2の風上端と風下端の間に位置する構造となっている。図18(B)は、荷電極板1のトゲ突起先端からは正(または負)のコロナ放電が(a)のように発生し、接地極板2のトゲ突起先端からは負(または正)のコロナ放電が(b)のように発生する様子を示している。この実施例4は、紛れもなく「実施例2の結果と、実施例3の結果の複合である」といえる。即ち、荷電極板1の風上端にコロナ放電用のトゲ突起を有し、隣接する接地極板2の風下端に放電用のトゲ突起を有し、接地極板2の風下端が、接地極板2の風上端と荷電極板1の風下端の中間位置よりも風上側に位置し、荷電極板1の風上端が接地極板2の風上端と風下端の間に位置する構造であれば、高い集塵効率ηを得ることができるのは自明といえる。なお、本実施例では、正負両コロナの放電が発生するので、平均電界強度は、6.5kV/cmから9.5kV/cm程度の範囲である。
なお、荷電極板1の1列中のトゲの数は3個でなくても、1個以上あればよい。
なお、荷電極板1のトゲの数は、全てが同じでなくてもよい。
なお、荷電極板1のトゲ突起の先端角度は30でなくても、10度から40度程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1のトゲの高さは10mmでなくても、5mmから20mm程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1の端部上で隣接するトゲの間隔は12mmでなくても、4mmから20mm程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1の板厚は0.4mmでなくても、0.2mmから1.5mm程度の範囲であればよい。
なお、荷電極板1の材質はSUS304でなくても、平板化可能な金属であればよい。
すなわち、通過風速が5m/sから15m/s程度の範囲内の時、帯電部13の荷電極板1の風上端にコロナ放電用のトゲ突起を有し、隣接する接地極板2の風下端に放電用のトゲ突起を有し、接地極板2の風下端が、接地極板2の風上端と荷電極板1の風下端の中間位置よりも風上側に位置し、荷電極板1の風上端が接地極板2の風上端と風下端の間に位置する構造であれば、消費電力効率の良い電気集塵装置が得られるのである。
本発明にかかる電気集塵装置は、速い通過風速で使用される際に、帯電部内のコロナ放電する部分を、帯電部内の風上寄りの空間に配置することで、省エネ運転が可能となるので、広い範囲で有用である。
1 荷電極板
2 接地極板
9 荷電極板
10 接地極板
11 吸込ダクト
13 帯電部
14 熱線風速計
15 パーティクルカウンター
16 集塵部
19 ファン
22 高圧電源
23 負高圧電源
51 トゲ
52 トゲ
61 トゲ
71 トゲ
81 トゲ
82 トゲ

Claims (3)

  1. 荷電極板と接地極板を交互に平行に配置した帯電部と集塵部からなる電気集塵装置において、
    通過風速を5m/sから15m/s程度の範囲内とし、
    帯電部の荷電極板の風上端にコロナ放電用のトゲ突起を有し、
    隣接する接地極板の風下端に放電用のトゲ突起を有し、
    接地極板の風下端が、接地極板の風上端と荷電極板の風下端の中間位置よりも風上側に位置し、
    荷電極板の風上端が接地極板の風上端と風下端の間に位置する構造とし、
    風の流れ方向において荷電極板の長さは接地極板の長さよりも長いことを特徴とする電気集塵装置。
  2. 荷電極板と接地極板を交互に平行に配置した帯電部と集塵部からなる電気集塵装置において、
    通過風速を5m/sから15m/s程度の範囲内とし、
    帯電部の接地極板の風上端にコロナ放電用のトゲ突起を有し、
    隣接する荷電極板の風下端に放電用のトゲ突起を有し、
    荷電極板の風下端が、荷電極板の風上端と接地極板の風下端の中間位置よりも風上側に位置し、
    接地極板の風上端が荷電極板の風上端と風下端の間に位置する構造を特徴とする電気集塵装置。
  3. 帯電部の荷電極板と隣接する接地極板との最短距離が10mmから20mm程度の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の電気集塵装置。
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