JP5908743B2 - ティシュペーパー及びティシュペーパー製品 - Google Patents

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Description

本発明は、ティシュペーパー及びティシュペーパー製品に関する。
ティシュペーパーには、柔軟性や滑らかさを付与するために薬液を塗布した薬液塗布タイプのものと、薬液等が塗布されていない汎用品或いは汎用タイプのものがある。
薬液塗布タイプのティシュペーパーは、汎用タイプに比して柔らかさ滑らかさに優れるものの、日本の夏期など特に高温、多湿環境化における保管時に、基材や薬液成分に空気中の水分が吸湿されやすく、薬液成分が栄養素としてカビや細菌が発生するおそれがあった。
特にティシュペーパーは、複数枚のティシュペーパーを折り畳み積層した束を収納箱内に収納し、その収納箱(カートン箱或いはティシュカートンとも称される)の一面に設けられた取出口からティシュペーパーを順次一枚ずつ引き出して使用するティシュペーパー製品として、これを複数個まとめて市販する態様が一般的である(シート枚を取り出すとそれに連続して次のシートが取出口から引き出される形式をポップアップ式という)。
このような製品形態や市販態様と相まってティシュペーパーでは、未使用で長期間保管されることが多く、カビや細菌の発生を長期間にわたって継続的に防止することが求められる。
特表2008−544953 特表2004−513961 特開2002−370974
そこで、本発明の主たる課題は、防カビ性や抗菌性を有し、しかも使用時に殺菌効果をも発現する薬液塗布タイプのティシュペーパーを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は以下のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
ティシュペーパー原紙に、薬液が塗布され、かつ、亜塩素酸アルカリ金属塩及び亜塩素酸アルカリ土類金属塩の少なくとも一方が吸着されている粉末状多孔質材が担持されている、ことを特徴とするティシュペーパー。
〔請求項2記載の発明〕
ティシュペーパー原紙に、亜塩素酸アルカリ金属塩及び亜塩素酸アルカリ土類金属塩の少なくとも一方が吸着されている粉末状多孔質材を含む油系薬液が塗布されている、請求項1記載のティシュペーパー。
〔請求項3記載の発明〕
前記ティシュペーパーは、2プライ又は3プライであり、その積層内面に粉末状多孔質材が担持されている請求項1又は2記載のティシュペーパー。
〔請求項4記載の発明〕
請求項1〜3の何れか1項に記載のティシュペーパーが複数枚、ポップアップ式に折り畳み積層され、上面に取出口を有する収納箱に収納されていることを特徴とするティシュペーパー製品。
(作用効果)
優れた防カビ効果、殺菌効果を奏し、しかも人体への影響も少ないといわれる物質に二酸化塩素がある。この二酸化塩素は、沸点が11℃と低いがゆえ、液体として取り扱うことは可能であるものの、そのままティシュペーパーに塗布しても直ちに揮発してしまって所望の防カビ効果、殺菌効果を有するティシュペーパーとすることはできない。
ここで、二酸化塩素は、亜塩素酸アルカリ金属塩及び亜塩素酸アルカリ土類金属塩(以下、亜塩素酸アルカリ金属塩等ともいう)と酸との反応によって発生させることができる。
そこで、本発明では、薬液塗布タイプのティシュペーパーに、亜塩素酸アルカリ金属塩及び亜塩素酸アルカリ土類金属塩の少なくとも一方を吸着させた粉末状多孔質材を担持させ、薬液塗布タイプのティシュペーパーが保管時或いは使用時に水分が吸収された際に種々の要因によって吸収された水分が酸性となることを利用して、二酸化塩素を発生させるようにした。
すなわち、薬液塗布タイプのティシュペーパーを多湿環境下等で保管すると、基材紙や薬液の吸湿効果によってティシュペーパーに水分が取り込まれる。その際、薬液中に含有されていた成分等が溶出等によりティシュペーパーが弱酸性を呈する。したがって、ティシュペーパーに予め亜塩素酸アルカリ金属塩等を担持させておくと、カビ、細菌が発生しやすい多湿環境下でティシュペーパーが吸湿した際に、亜塩素酸アルカリ金属塩等が反応して、二酸化塩素が発生するのである。
そして、特に本発明では、亜塩素酸アルカリ金属塩等を吸着させた粉末状多孔質材を用いることで、基材紙や薬液の吸湿による非常に少量の空気中の水の取り込みと相まって、亜塩素酸アルカリ金属塩等の急激な反応なく、非常に長期間に渡って継続的に二酸化塩素を発生するようになっており、長期間にわたって防カビ、殺菌性が持続する。
また、例えば、鼻をかむ際には鼻水中の多量の水分がティシュペーパーに吸収されるため、亜塩素酸アルカリ金属塩等を吸着させた粉末状多孔質材と接触が良好となり、この際にも二酸化塩素が発生して、使用時における殺菌効果を奏する。
もちろん、二酸化塩素の発生を確実なものとすべく、吸湿による水分、鼻水等の水分などティシュペーパーに織り込まれる水分が酸性を呈するように、ティシュペーパーに対して予め水に溶出・溶解する酸性物質を担持させておいてもよい。
また、副次的な効果として、二酸化塩素は殺菌効果、防カビ効果以外に、スギ花粉等のアレルゲンの不活性化が知られており、鼻をかむ際のみならず、その他の肌の清拭、肌以外の拭き取り時に、当該拭取り場所に付着した花粉の不活性化の効果をも奏する。
ここで、薬液塗布タイプのティシュペーパーに用いられる薬液は種々存在するが、水及びポリオールを主とする水系薬液(通常「水系薬液」或いは「水系ローション薬液」とも呼ばれる)、主に非水溶性のワックス等を含み常温で半固形である油系薬液とに大別される。
水系薬液はシートに塗布した場合にシートを構成するパルプ繊維との親和性に優れ、シートの厚み方向(Z方向とも称される)に含浸し、シート全体を改質するように作用し、油系薬液は主に表面をコーティングするように作用し、特に表面の滑らかさを向上させる。 そして、上記薬液タイプのティシュペーパーに関するカビや細菌の発生の問題に関し、水系薬液を用いる場合には、水系薬液中に水溶性抗菌剤等を含有させることで、紙全体に防カビ効果を発現させる手法をとることができるが、油系薬液の場合には、紙層全体にまで防カビ剤や抗菌剤を含有させることが難しい。
本発明では、油系薬液であっても水系薬液であっても、亜塩素酸アルカリ金属塩及び亜塩素酸アルカリ土類金属塩の少なくとも一方を吸着させた粉末状多孔質材を担持させれば、本発明の効果を奏するようにできるが、特に、油系薬液のように紙層内にまで水溶性抗菌剤を含有させることが困難な薬液を用いる場合に有用である。
むしろ、本願発明では、油系薬液の場合には粉末状多孔質材を予め含有させた状態で塗布することができ、粉末状多孔質を担持させるのが容易である。なお、油系薬液では上記のとおり基材紙をコーティングするように作用するが基材紙そのものが吸湿するため、油系薬液中に粉末状多孔質材を含有させるようにしても吸湿によりティシュペーパーに取り込まれた水分との接触は確保できる。むしろ、長期的に継続して少量の水分との接触が徐々に行なわれるようになり望ましい。もちろん当該水分が酸性にならないということもない。
なお、薬液付与タイプのティシュペーパーが吸湿したり水分を吸収したりした際に、当該水分が酸性になる理由は種々の要因があり定かではないところもあるが、大きな理由として、薬液の酸化防止の為に含有される酸化防止剤、ティシュペーパーに薬液を塗布する場合、製造設備が腐食しないようにpH調整剤等を用いて薬液を中性より弱酸性から酸性領域にして行なわれることが挙げられる。
すなわち、乾燥後のティシュペーパーは中性とあるものの、塗布薬液中に通常は水分に溶解・溶出して酸性〜弱酸性となる物質が含有されているために、使用時や保管時にある程度の水分がティシュペーパーに取り込まれると当該水分中に上記物質が溶解・溶出して酸性〜弱酸性となるのである。また、薬液中に柔軟成分としてカチオン系界面活性剤が含有されている場合には、これに起因して酸性〜弱酸性を呈するようにもなる。さらに、薬液が大気中にさらされることによって、一部薬液成分が酸化されることも要因の一つとなりうる。
他方、本発明では、ティシュペーパーを2プライ又は3プライとして、その積層内面に粉末状多孔質材が担持されているのがよい。ティシュペーパーは、鼻をかむ際など肌に直接に触れる態様での使用がなされる。消費者においては、殺菌剤等が直接肌に触れることを嫌うものがいるため、積層内面に担持させるのがよい。
本発明に係るティシュペーパーは、複数枚のティシュペーパーからなる束が収納箱内に収納され、その収納箱(カートン箱或いはティシュカートンとも称される)の一面に設けられた取出口からティシュペーパーを順次一枚ずつ引き出して使用するティシュペーパー製品(シート枚を取り出すとそれに連続して次のシートが取出口から引き出される形式をポップアップ式という)のように、ティシュペーパーが収納箱に収納された状態で、保管されるティシュペーパー製品において特に効果的である。
以上の本発明によれば、保管時の防カビ性を有し、使用時には殺菌効果を発現する薬液塗布タイプのティシュペーパー及びこれを収納箱に収納したティシュペーパー製品が提供される。
本発明に係る2プライのティシュペーパーの断面図である。 本発明に係る3プライのティシュペーパーの断面図である。 本発明に係るティシュペーパーにおける二酸化塩素の発生を説明するための図である。
以下に本発明にかかるティシュペーパー及びティシュペーパー製品について、図面を参照しながら詳述する。
本発明は、ティシュペーパー原紙に、薬液が塗布され、かつ、亜塩素酸アルカリ金属塩及び亜塩素酸アルカリ土類金属塩の少なくとも一方を吸着させた粉末状多孔質材が担持されているものである。
本発明のティシュペーパーの坪量、紙厚は特に限定されないが、好適な例は、JIS P 8124による坪量が1プライ当たり10〜20g/m2、紙厚(ダイヤルシックネスゲージ:尾崎製作所製ピーコックにより測定)は100〜200μmである。坪量及び紙厚が上記範囲外であると、ティシュペーパーとしての強度及び柔らかさの点で好ましくない。
前記ティシュペーパー原紙は、パルプスラリーに対して乾燥紙力剤や湿潤紙力剤等の既知の薬剤を添加した抄紙原料を、ヤンキドライヤーを有する抄紙設備にて抄造したクレープ紙である。
本発明のティシュペーパー原紙におけるパルプ原料は、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)とLBKP(広葉樹クラフトパルプ)とで構成されているのが好ましい。適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、得られるティシュペーパーの風合いの点でも望ましいことから、バージンパルプのNBKPとLBKPのみから構成されているのがよい。その場合の配合割合(JIS P 8120)としては、NBKP:LBKP=20:80〜80:20がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70〜60:40が望ましい。
他方、本発明のティシュペーパーに係る亜塩素酸アルカリ金属塩の具体例としては、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムが例示できる。亜塩素酸アルカリ土類金属塩の具体例としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸マグネシウムが例示できる。特に、取り扱い性とコストの点で亜塩素酸ナトリウムが望ましい。
また、本発明では亜塩素酸アルカリ金属塩等を粉末状多孔質材に吸着させてティシュペーパー原紙に担持させるが、その粉末状多孔質材としては、亜塩素酸アルカリ金属塩等の吸着性、水分との接触性、さらに取り扱い性の点から、比表面積が500〜1,500m2/g程度のものが望ましく、平均粒子径(レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法))は5〜30μmのものが望ましい。
粉末状多孔質材の具体例としては、ゼオライト、メソポーラスシリカ、多孔質ケイ酸塩等が挙げられる。特に好ましくは取り扱い性とコストの点からメソポーラスシリカである。
これらの粉末状多孔質材に対して亜塩素酸アルカリ金属塩等を吸着して固定化する方法としては、例えば、亜塩素酸アルカリ土類金属塩の1〜25重量%溶液に粉末状多孔質材を浸漬させて、それらの細孔内に、亜塩素酸アルカリ金属塩等を吸着させた後、減圧乾燥することで、亜塩素酸アルカリ金属塩等を粉末状多孔質材に固定する方法が挙げられる。
他方、本発明におけるティシュペーパー原紙に塗布する薬液とは、ティシュペーパー原紙の柔軟性や表面の滑らかさを向上させるものをいう。ティシュペーパーに用いられるこの種の薬液は、上記のとおり水系薬液と油系薬液とに大別されるが、本発明はいずれであってもよい。但し、後述するとおり、薬液の効果と、亜塩素酸アルカリ金属塩等を吸着させた粉末状多孔質材をティシュペーパー原紙に担持させやすく製造が容易である点と、防カビ、殺菌効果の持続性の点とから、油系薬液を採用するのが望ましい。
好ましい薬液である油系薬液は、ティシュペーパー用のものを用いることができる。なお、油系薬液とは、主成分がワックス類、油脂類であり、常温・常圧では液体又は半固体(クリーム)状をなすのが一般的である。前記油脂類、ワックス類としては、白色ワセリン、流動パラフィン、ヤシ油、パーム油、パルチミン酸などの飽和脂肪酸等が例示できる。
油系薬液の塗布量は、ティシュペーパー原紙の10〜30wt%の塗布量とするのがよい。10wt%未満であると油系薬液による表面の滑らかさの向上が十分ではない場合があり、また、30wt%を超えるとベタつきが感じられるようになるため望ましくない。
他方、水系薬液は、ティシュペーパー用のものを用いることができる。なお、水系薬液は、グリセリン、プロピレングリコール等のポリオールを70〜90wt%、水分を10〜20wt%程度含むものが一般的である。
水系薬液を用いるのであれば、水系薬液の塗布量は、ティシュペーパー原紙の15〜35wt%の塗布量とするのがよい。15wt%未満であると柔軟性の向上が十分ではない場合があり、また、35wt%を超えるとベタつきが感じられるようになるため望ましくない。
ここで、ティシュペーパー原紙に対して粉末状多孔質材を担持させるには、油系薬液を用いるのであれば、油系薬液中に予め粉末状多孔質材を混合したうえ、ティシュペーパー原紙に塗布して担持させることができる。油系薬液中に予め粉末状多孔質材を混合することが可能であるのは、油系薬液は水分含有量が少なく、また、水分が溶媒、溶質として存在しているわけではないため、粉末状多孔質材との接触性・反応性が乏しいからである。油系薬液中の具体的な含有水分量は、油系薬液の塗布性や取り扱い性等を考慮して適宜設計すればよいことであるが、予め粉末状多孔質材を混合する観点からすれば、油系薬液中の含有水分は少ないのがよい。具体的には、含有する水分が1wt%未満であるのが望ましい。
一方、水系薬液は、塗布加工後の機器の洗浄のし易さ等の点では油系薬液よりも優れるところはあるが、主成分がポリオールと水との混合液であり、通常はpH調整により全体として弱酸性〜酸性の水溶液とされているから、粉末状多孔質材を混合すると、その瞬間に反応が完了して二酸化塩素が直ちに発生しきってしまう。したがって、水系薬液を用いる場合には、ティシュペーパー原紙に水系薬液を塗布し乾燥させたのちに、バインダー等の接着剤を用いて粉末状多孔質材を担持させる。この点、水系薬液は油系薬液よりも担持のための手間が必要となる。
もちろん、油系薬液を用いる場合においても、油系薬液とは別途にバインダーによってティシュペーパー原紙に粉末状多孔質を担持させてもよい。
また、水系薬液を用いる場合には、バインダーとして亜塩素酸アルカリ金属塩等が反応しない、非水溶性のもの選択する必要がある。このようなバインダーとしては、シリコンオイル等が例示できる。しかし、水系薬液の柔軟性向上効果のメカニズムは、紙のZ方向(紙層内)に薬液が浸透することで紙全体を改質するのであるが、非水溶性バインダーは、表面をコーティングするように作用するため水系薬液による柔軟性向上効果を低下させる傾向がある。
このように、本願発明においてはティシュペーパー原紙に、粉末状多孔質材を担持させるに、油性薬液の場合には、薬液中に粉末状多孔質材を混合したうえ塗布することで薬液塗布と同時に行なうことができ、油系薬液の滑らかさ向上効果も十分に発現されるのに対して、水系薬液では、薬液塗布と別途に粉末状多孔質材をバインダーによって担持させる必要があるとともに、当該バインダーによって水系薬液の柔軟性向上効果を低下させることがある。よって、本願発明においては、ティシュペーパー原紙への担持のさせやすさ、薬液による機能向上の点からして、水系薬液より油系薬液が好適となる。
なお、油系薬液、水系薬液に係わらず、薬液中に柔軟成分としてカチオン系界面活性剤を0.1〜2.0wt%含有させるのが望ましい。カチオン系界面活性剤が前記範囲に含有されていると、吸湿時、鼻かみ時にティシュペーパーに取り込まれた水分を好適に弱酸性〜酸性にする。
また、油系薬液、水系薬液に係わらずこの種の薬液は、水分に溶解・溶出して当該水分を酸性溶液とするものが含有されるのが通常であるが、より二酸化塩素の発生を確実なものとならしめるべく、また、二酸化塩素の発生をコントロールすべく、乳酸、アスコルビン酸、ヒアルロン酸、グルコン酸の塩などのpH調整剤等の物質を意図的にティシュペーパーに担持させておき、これが吸湿された水分中に溶出・溶解して当該水分を弱酸性〜酸性にするようにして、粉末状多孔質材に吸着した亜塩素酸ナトリウム塩等と反応するようにしてもよい。
他方、二酸化塩素の殺菌効果、スギ花粉アレルゲンの不活性化は、600〜3,000ppmで効果が最も高まる。また、粉末状多孔質材に対する亜塩素酸アルカリ金属塩等の吸着率は概ね10〜30wt%は確保することができる。したがって、粉末状多孔質材をティシュペーパー原紙に担持させる量は、上記の二酸化塩素濃度、吸着率などを考慮し、さらに担持方法、想定する保管時期(季節)、保管場所の雰囲気(温度・湿度)などに応じて適宜設計する。なお、油系薬液に対して含有して塗布する担持形態をとり、日本国において季節、場所を問わずに保管されることを想定した場合には、亜塩素酸アルカリ金属塩等を吸着させた粉末状多孔質材の油系薬液に対する混合率は、0.2〜1.0wt%である。
他方、粉末状多孔質材を担持させる具体的な位置は、ティシュペーパーの表面、裏面とすることができるほか、図1、図2に示すように、ティシュペーパーの好ましい形態である2プライ或いは3プライの態様を採る場合には、積層内面とすることができる(図中各プライは符号Pで示す)。なお、積層内面とは、各プライP,P同士が対面している面を言う。また、図1及び図2は、ともに油系薬液10を用いた例を示している。
上記のように積層内面であると、ティシュペーパーTで鼻をかむ際などの使用時には、粉末状多孔質材20,20…が直接的に肌に触れない。ティシュペーパーTを使用する者の中には、殺菌剤や防カビ剤等の薬剤が肌に直接触れることを嫌う者も少なくないため、積層内面に粉末状多孔質材20を位置せしめれば、このような消費者に対する訴求力を確保できる。
また、油系薬液10の場合には、ティシュペーパー原紙1の表面をコーティングするようにして薬液の効果を発揮するものであるため、図1、図2に示すように、積層外面の少なくとも一方の面に油系薬液10が塗布されている必要がある。したがって、油系薬液10が塗布された外面(積層外面:図1、図2中符号Aで示す面)を介してティシュペーパー原紙1に対して空気中の水分が吸収され難くなるようになる。
このため、図1や図2に示すように油系薬液10を用い、かつ積層内面に粉末状多孔質材20,20…を担持させた形態では、空気中の水分がティシュペーパー原紙に長期間を掛けて徐々に微量ずつ取り込まれるようになり、その過程で粉末状多孔質材20,20…に吸着させた亜塩素酸アルカリ塩等の反応が生ずるため、反応が長期間に渡って緩やかに進行するようになり、防カビ効果、殺菌効果が極めて長期にわたって発現するようになる。
その一方で、図3に示すように鼻をかんだ際など多量の水分が吸収された際には、例え、油系薬液が塗布された面であっても、多量の水(鼻水)Lと粉末状多孔質材20,20…が接触することになるため、反応がよく生じて二酸化塩素が発生し、鼻水中或いは手や顔に付着したウィルスや花粉等のアレルゲンを効果的に不活性化する。
水系薬液の場合には、使用時に二酸化塩素を発生させることはできるが、水系薬液ではティシュペーパー原紙に対する空気中の水分吸収の阻害の機能はなく、むしろ積極的に空気中の水分を吸湿して柔らかさを保持するように作用するため、必然的に防カビ効果は油系薬液よりも短期間になる傾向がある。
他方、本発明に係るティシュペーパーは、複数枚のティシュペーパーからなる束が、直六面体の収納箱内に収納され、その収納箱(カートン箱或いはティシュカートンとも称される)の上面に設けられた取出口からティシュペーパーを順次一枚ずつ引き出して使用するティシュペーパー製品(シート枚を取り出すとそれに連続して次のシートが取出口から引き出される形式をポップアップ式という)とすることができる。
かかるティシュペーパー製品は、この種の製品の既知の製造装置により製造できる。例えば、束の製造については、ロータリ式インターフォルダやマルチスタンド式インターフォルダが利用できる。
本発明のティシュペーパーの防カビ性等、好適条件について試験した。
試験は、JIS Z 2911(かび抵抗性試験)の一般工業品試験方法に準じて行った。試験カビは、Aspergillus niger、Penicillium citrinum、Rhizopus oryzae、Cladosporium cladosporioides、Chaetomium globosumを用いた。
試験の手順は、試験カビをポテトデキストロース寒天培地に接種し、25℃で10日間培養した後、無機塩溶液を用いてそれぞれ106CFU/mlとなるように胞子液を作製した。その後、各例に係るティシュペーパーの表面に試験胞子液を噴霧接種し、28±2℃、RH95〜99%以上の条件で、28日間培養した後、カビの発育を観察した。
試験の評価(表中の防カビ性能)は、『0:菌糸の発育を認められない、1:菌糸の発育を認められる面積が、全面積の1/3を超えない、2:菌糸の発育を認められる面積が、全面積の1/3を超える。』とした。
結果と各例に係る物性・組成の詳細は下記表1に示す。なお、実施例1〜5は、亜塩素酸ナトリウムを吸着させたメソポーラスシリカを含む油系薬液を塗布して製造した薬液塗布タイプのティシュペーパーである。メソポーラスシリカに対する亜塩素酸ナトリウムの固定化は、亜塩素酸ナトリウム溶液にメソポーラスシリカを浸漬させて減圧乾燥して固定化した(以下、参考例も同様)。
実施例6、7はメソポーラスシリカの使用量を少量としたものである。
比較例1〜3は、通常の水系薬液を用いた薬液塗布タイプのティシュペーパーの製造方法に準じて、水系薬液中に亜塩素酸ナトリウムを吸着させたメソポーラスシリカを混合して薬液塗布を行なって製造した薬液塗布タイプのティシュペーパーである。
Figure 0005908743
まず、本願発明の実施例1〜5は、極めて良好な防カビ性が発揮されることが確認でき、本願発明の効果が確認できた。
また、実施例1〜5、実施例6、7を対比すると、メソポーラスシリカの使用量により効果の差異が見られるため、本願発明の防カビ効果が、亜塩素酸ナトリウムを吸着させたメソポーラスシリカに起因するものと確認できる。なお、実施例6、7は、本試験の条件では実施例1〜5よりも防カビ性が劣るが、実施例6、7の粉末状多孔質材の含有量としても、ティシュペーパーの収納形態・保管形態によって効果を発現する場合がある。
他方、比較例1〜3のように水系薬液中に粉末状多孔質材を含有させても十分な効果が得られない。本試験において水系薬液中に粉末状多孔質材を含有させた場合には、製造課程で二酸化塩素発生反応が進行してしまい、粉末状多孔質材に亜塩素酸ナトリウムが吸着されていない状態となっているためと考えられる。よって、薬液に含有させるのであれば油系薬液とする必要があり、水系薬液を用いる場合には、薬液塗布を別途に行なう必要がある。
1…ティシュペーパー原紙、10…薬液(油系薬液)、20…粉末状多孔質材、P…プライ、T…ティシュペーパー、G…二酸化塩素、L…水(鼻水)。

Claims (4)

  1. ティシュペーパー原紙に、薬液が塗布され、かつ、亜塩素酸アルカリ金属塩及び亜塩素酸アルカリ土類金属塩の少なくとも一方が吸着されている粉末状多孔質材が担持されている、ことを特徴とするティシュペーパー。
  2. ティシュペーパー原紙に、亜塩素酸アルカリ金属塩及び亜塩素酸アルカリ土類金属塩の少なくとも一方が吸着されている粉末状多孔質材を含む油系薬液が塗布されている、請求項1記載のティシュペーパー。
  3. 前記ティシュペーパーは、2プライ又は3プライであり、その積層内面に粉末状多孔質材が担持されている請求項1又は2記載のティシュペーパー。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のティシュペーパーが複数枚、ポップアップ式に折り畳み積層され、上面に取出口を有する収納箱に収納されていることを特徴とするティシュペーパー製品。
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