JP5908368B2 - 鞍乗型車両の操作部構造 - Google Patents
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Description
鞍乗型車両におけるハンドルパイプ(1)と、
このハンドルパイプ(1)に相対回転可能に組みつけられるスロットル(4)と、
前記鞍乗型車両に搭載された内燃機関に供給される空気量を調整するスロットルバルブ(図示されていない)と、
それぞれ芯線(6,6)と該芯線(6)を覆うケーブルアウタとを有する一対のケーブルで構成され、各ケーブルの芯線(6)の一端部が前記スロットル(4)に、他端部が前記スロットルバルブにそれぞれ固定され、前記スロットル(4)の操作方向に応じて、一対のケーブルのうちのいずれか一方のケーブルの芯線(6)が引かれることにより前記スロットルバルブを開き方向または閉じ方向に可変させるスロットルケーブルと、
2分割されたケース半体同士を結合させることで前記スロットル(4)の一部と前記スロットルケーブルの一端部とを保持するとともに前記ハンドルパイプ(1)に固定されるスロットルハウジング(3)と、
このスロットルハウジング(3)で挟持され、前記芯線(6)の屈曲部をガイドするスライダ(8)と、を備えている。
そのため、一対のケーブル(スロットルケーブル)とスライダとのスロットルハウジングへの組み付け作業に熟練を要し、組み付け性の向上が求められていた。
本発明が解決しようとする課題は、一対のケーブルとスライダとのスロットルハウジングへの組み付け性を向上させることができる鞍乗型車両の操作部構造を提供することである。
鞍乗型車両におけるハンドルパイプと、
このハンドルパイプに相対回転可能に組みつけられるスロットルと、
前記鞍乗型車両に搭載された内燃機関に供給される空気量を調整するスロットルバルブと、
それぞれ芯線と該芯線を覆うケーブルアウタとを有する一対のケーブルで構成され、各ケーブルの芯線の一端部が前記スロットルに、他端部が前記スロットルバルブにそれぞれ固定され、前記スロットルの操作方向に応じて、一対のケーブルのうちのいずれか一方のケーブルの芯線が引かれることにより前記スロットルバルブを開き方向または閉じ方向に可変させるスロットルケーブルと、
2分割されたケース半体同士を結合させることで前記スロットルの一部と前記スロットルケーブルの一端部とを保持するとともに前記ハンドルパイプに固定されるスロットルハウジングと、
このスロットルハウジングで挟持され、前記芯線の屈曲部をガイドするスライダと、
を備えた鞍乗型車両の操作部構造において、
前記一対のケーブルアウタの一端部と前記スライダとを一体化可能に構成し、その一体化物を前記2分割されたスロットルハウジングで挟持したことを特徴とする。
この鞍乗型車両の操作部構造によれば、一対のケーブルアウタの一端部とスライダとを一体化し、その一体化物を、2分割されたスロットルハウジングで挟持することにより、スライダと一対のケーブルアウタを一体的にスロットルハウジングに組み付けることができる。
したがって、一対のケーブルとスライダとのスロットルハウジングへの組み付け性を向上させることができる。
この鞍乗型車両の操作部構造は、前記一対のケーブルアウタの一端部同士を固定するエンドピースを備えた構成とし、このエンドピースと前記スライダとを結合させることで前記一体化物を構成することができる。
このように構成すると、一対のケーブルアウタの一端部同士を固定するエンドピースとスライダとを結合して一体化物を構成でき、その一体化物をスロットルハウジングで挟持することができるため、ケーブルアウタのサブ組立が可能となり、生産性が向上する。
この鞍乗型車両の操作部構造においては、
前記エンドピースとスライダとの間に、前記一対の芯線を通過させるシール部材を挟持した構成とすることができる。
このように構成すると、一対の芯線のシール部材をエンドピースとスライダとの間に挟持させるため、シール部材を芯線毎に組み付ける必要が無くなり、さらに、エンドピースとスライダとを一体化する際にシール部材も一体化することができるため、シール性を向上させることができると同時に生産性も向上させることができる。
この鞍乗型車両の操作部構造においては、
前記エンドピースおよびスライダを貫通する貫通穴を設け、該貫通穴に挿入することでエンドピースとスライダとを相対移動不能に位置決めする突起を前記スロットルハウジングに一体に設けた構成とすることができる。
このように構成すると、エンドピースおよびスライダの位置決め部材を別途追加する必要が無くなるため、生産性を向上させることができる。
この鞍乗型車両の操作部構造においては、
前記エンドピースは、前記芯線が挿通される挿通孔を有しかつ前記スライダに結合される結合凸部を有しているとともに、
前記スライダは、前記エンドピースの結合凸部を受け入れる受け入れ凹部と、この受け入れ凹部に受け入れられた前記結合凸部における挿通孔に連通し、前記芯線をガイドする凹溝とを有し、
前記凹溝側から該凹溝をガイドとして前記エンドピースにおける挿通孔にシール部材が挿入される構成とすることができる。
このように構成すると、シール部材を、凹溝をガイドとして利用しながら、エンドピース内に挿入することができるため、シール部材の組み付け性を向上させることができる。
この鞍乗型車両の操作部構造においては、
前記エンドピースの外周に突部を設ける一方、前記スロットルハウジングに、前記突部と当接する、前記ケーブルの長手方向と直行する位置決め面を設け、該位置決め面と前記突部とを当接させることで、前記エンドピースとスロットルハウジングとを、ケーブル長手方向に関して相対移動不能に位置決めした構成とすることができる。
このように構成すると、エンドピースとスロットルハウジングの形状を工夫することで、位置決めを行うことができるため、位置決めのための別部材を廃して、生産性を向上させることができる。
この鞍乗型車両の操作部構造においては、
前記一体化物を前記ハンドルパイプの上方に配置した構成とすることができる。
このように構成すると、一体化物がハンドルパイプの上方に位置するため、スロットルハウジング内に雨水等が浸入したとしても、ケーブル内への水の浸入を抑制することができる。
この鞍乗型車両の操作部構造においては、
前記シール部材は、エンドピースとスライダとによってケーブル長手方向で挟持される基部と、この基部からエンドピース側に向かって伸びてエンドピース内に配置されるチューブと、このチューブ部の内周面によって形成される芯線とのシール面とを備え、
前記チューブ部の外周面と前記エンドピースとの間に、隙間が設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、チューブ部の外周面とエンドピースとの間に隙間が設けられていることによって、芯線の動的な挙動に追従するようにしてチューブ部が変形しやすくなる。すなわち、芯線の動的挙動に対するチューブ部の追従性が良好となり、シール性および芯線の摺動性が向上する。
したがって、一対のケーブル33とスライダ50とのスロットルハウジング40への組み付け性を向上させることができる。
このように構成すると、一対のケーブルアウタ32の一端部32b同士を固定するエンドピース60とスライダ50とを結合して一体化物70を構成でき、その一体化物70をスロットルハウジング40で挟持することができるため、ケーブルアウタ32のサブ組立が可能となり、生産性が向上する。
このように構成すると、エンドピース60とスロットルハウジング40の形状を工夫することで、両者の位置決めを行うことができるため、位置決めのための別部材を廃して、生産性を向上させることができる。
結合凸部62には、芯線31が挿通される挿通孔62h、62hが設けられている。
結合部51に、前記エンドピース60の結合凸部52を受け入れる受け入れ凹部52が設けられている。
芯線ガイド部53には、受け入れ凹部52に受け入れられたエンドピース60の結合凸部62における挿通孔62hに連通し、芯線31をガイドする凹溝(ガイド溝)54,54が形成されている。
一対のケーブルアウタ32およびエンドピース60の挿通孔62hにはそれぞれ芯線31が挿通され、各芯線31の一端部31bにはコマ(タイコ)31dが固定される。
上記各部材がハンドルパイプ10に取り付けられた状態において、スロットル20を図2において反時計方向へ回動させると一方の芯線31が引かれてスロットルバルブが開き方向へ動き、スロットル20を図2において時計方向へ回動させると他方の芯線31’が引かれてスロットルバルブが閉じ方向へ動く。
例えば、図3,図4に示すように、ケース半体41,42にそれぞれボルトの挿通孔41h、41h、42h、42h(ケース半体42の挿通孔42hについては図4において一つのみ図示)を設け、各穴にボルト(図示せず)を挿通し、ボルトナットで締結することができる。
また、図3,図4に示すように、一方のケース半体42の接合面にリブ42rを設けるとともに、他方のケース半体41の接合面に前記リブ42rと嵌り合う凹溝41gを設けることによって、ケース半体41,42同士の接合作業の容易化を図ることができる。
また、図1,図2に示すように、一方のケース半体42に係合爪42fを設けるとともに、他方のケース半体41に前記係合爪42gと係脱可能な係合穴41jを設けることによって、ケース半体41,42同士の仮止めを可能とし、一体化物70のスロットルハウジング40への組込作業の容易化を図ることができる。
いずれの結合構造を採用するにせよ、前述したように、一体化物70は、スロットルハウジング40から突出する部位(この実施の形態ではケーブルアウタ固定部63)を有しているので、一体化物70をスロットルハウジング40に組み込む際には、その突出部位(63)を持ちながら行うことができる。したがって、組込作業を容易に行うことができる。
図2に示すように、ケース半体41,42の内面には、それぞれスライダ50を保持する保持片43を一体的に設けることができる。
図4に示すように、スライダ50における結合部51の外周面に係合凸部51pを設ける一方、スロットルハウジング40の内面に係合凹部40cを設け、これら係合凸部51pと係合凹部40cとを係合させることで、スロットルハウジング40とスライダ50との位置決めを行うようにすることもできる。
そのように構成すると、一体化物70がハンドルパイプ10の上方に位置するため、スロットルハウジング40内に雨水等が浸入したとしても、ケーブル33内への水の浸入を抑制することができる。
したがって、シール部材を廃止することも可能である。
しかし、例えば以下のようにシール部材を設けることにより、防水性を向上させることができる。
このように構成すると、シール部材80を、凹溝54をガイドとして利用しながら、エンドピース60内に挿入することができるため、シール部材80の組み付け性を向上させることができる。
一方、図1および図5〜図7に示すように、スライダ50におけるエンドピース60との結合部51、およびエンドピース60における結合凸部62にも、対応する位置にそれぞれ位置決め穴55、65が設けられている。
このシール部材80は、チューブ部83,83をエンドピース60における挿通孔62h、62hに挿入し、上記位置決め穴55,65,85に、共通の位置決め突起(例えばピン(図示せず))を挿入することによってスライダ50およびエンドピース60と結合される。
このように構成すると、シール部材80の固定部がエンドピース60とスライダ50の固定と共用されることから、組み付け工数を低減して、生産性を向上させることができる。
シール部材80はゴム等の弾性部材で構成される。
このように構成すると、一対の芯線31のシール部材90をエンドピース60とスライダ50との間に挟持させるため、シール部材90を芯線31毎に組み付ける必要が無くなり、さらに、エンドピース60とスライダ50とを一体化する際にシール部材90も一体化することができるため、シール性を向上させることができると同時に生産性も向上させることができる。
一方、図10に示すエンドピース60における結合凸部62には、小径部からなる第2係合凸部62bが設けられている。
このシール部材90は、チューブ部93,93をエンドピース60における挿通孔62h、62hに挿入するとともに、基部91の係合凹部92とエンドピース60における第2係合凸部62bとを嵌め合わせ、基部91をエンドピース60とスライダ50とで挟持することによって、スライダ50およびエンドピース60と結合される。
スライダ50およびエンドピース60に結合された状態で、チューブ部93の外周面とエンドピース60との間には、隙間Cが形成される。
このように構成すると、チューブ部93の外周面とエンドピース60との間に隙間Cが設けられていることによって、芯線31の動的な挙動に追従するようにしてチューブ部93が変形しやすくなる。すなわち、芯線31の動的挙動に対するチューブ部93の追従性が良好となり、シール性および芯線31の摺動性が向上する。
隙間Cは、エンドピース60における挿通孔62hの内径D2とチューブ部93の外径D1との差として形成される。
このように構成すると、エンドピース60およびスライダ50の位置決め部材を別途追加する必要が無くなるため、生産性を向上させることができる。
図11に示す実施の形態においては、エンドピース60の外周に一対のフランジ状の突部66,66を設ける一方、スロットルハウジング40の内外面46b、46cで、前記突部66と当接する、ケーブルの長手方向と直行する位置決め面を構成し、該位置決め面46b、46cと前記突部66,66とを当接させることで、エンドピース60とスロットルハウジング40とを、ケーブル長手方向に関して相対移動不能に位置決めした構成となっている。
このような構成としても、エンドピース60とスロットルハウジング40の形状工夫により、位置決めを行うことができるため、位置決めのための別部材を廃して、生産性を向上させることができる。
図11に示すスロットルハウジング40は、例えば図12に示すように、ハンドルカバーHCに隣接させて設ける場合に適した形状のスロットルハウジングである。
例えば、スライダ50とエンドピース60は別体ではなく、一体に構成することもできる。
また、エンドピース60とスライダ50との結合、およびシール部材80との結合は、ピンによる結合だけでなく、圧入や接着による結合、または嵌合のみによる結合としてもよい。
また、エンドピース60、スライダ50、およびシール部材90の結合も、圧入や接着による結合、または嵌合のみによる結合とすることができる。
Claims (8)
- 鞍乗型車両におけるハンドルパイプ(10)と、
このハンドルパイプ(10)に相対回転可能に組みつけられるスロットル(20)と、
前記鞍乗型車両に搭載された内燃機関に供給される空気量を調整するスロットルバルブと、
それぞれ芯線(31)と該芯線(31)を覆うケーブルアウタ(32)とを有する一対のケーブル(33)で構成され、各ケーブル(33)の芯線(31)の一端部(31b)が前記スロットル(20)に、他端部が前記スロットルバルブにそれぞれ固定され、前記スロットル(20)の操作方向に応じて、一対のケーブルのうちのいずれか一方のケーブル(33)の芯線(31)が引かれることにより前記スロットルバルブを開き方向または閉じ方向に可変させるスロットルケーブル(30)と、
2分割されたケース半体(41,42)同士を結合させることで前記スロットル(20)の一部と前記スロットルケーブル(30)の一端部とを保持するとともに前記ハンドルパイプ(10)に固定されるスロットルハウジング(40)と、
このスロットルハウジング(40)で挟持され、前記芯線(31)の屈曲部(31c)をガイドするスライダ(50)と、
を備えた鞍乗型車両の操作部構造において、
前記一対のケーブルアウタ(32)の一端部(32b)と前記スライダ(50)とを一体化可能に構成し、その一体化物(70)を前記2分割されたスロットルハウジング(40)で挟持したことを特徴とする鞍乗型車両の操作部構造。 - 請求項1において、
前記一対のケーブルアウタ(32)の一端部(32b)同士を固定するエンドピース(60)を備え、
このエンドピース(60)と前記スライダ(50)とを結合させることで前記一体化物(70)を構成することを特徴とする鞍乗型車両の操作部構造。 - 請求項2において、
前記エンドピース(60)とスライダ(50)との間に、前記一対の芯線(31)を通過させるシール部材(90)を挟持したことを特徴とする鞍乗型車両の操作部構造。 - 請求項2において、
前記エンドピース(60)およびスライダ(50)を貫通する貫通穴(55,56)を設け、該貫通穴(55,56)に挿入することでエンドピース(60)とスライダ(50)とを相対移動不能に位置決めする突起(45)を前記スロットルハウジング(40)に一体に設けたことを特徴とする鞍乗型車両の操作部構造。 - 請求項2において、
前記エンドピース(60)は、前記芯線(31)が挿通される挿通孔(62h)を有しかつ前記スライダ(50)に結合される結合凸部(62)を有しているとともに、
前記スライダ(50)は、前記エンドピース(60)の結合凸部(62)を受け入れる受け入れ凹部(52)と、この受け入れ凹部(52)に受け入れられた前記結合凸部(62)における挿通孔(62h)に連通し、前記芯線(31)をガイドする凹溝(54)とを有し、
前記凹溝(54)側から該凹溝(54)をガイドとして前記エンドピース(60)における挿通孔(62h)にシール部材(80)が挿入されることを特徴とする鞍乗型車両の操作部構造。 - 請求項2〜5のうちいずれか一項において、
前記エンドピース(60)の外周に突部(61p、66)を設ける一方、前記スロットルハウジング(40)に、前記突部(61p、66)と当接する、前記ケーブル(33)の長手方向と直行する位置決め面(41s、42s、46b、46c)を設け、該位置決め面(41s、42s、46b、46c)と前記突部(61p、66)とを当接させることで、前記エンドピース(60)とスロットルハウジング(40)とを、ケーブル長手方向に関して相対移動不能に位置決めしたことを特徴とする鞍乗型車両の操作部構造。 - 請求項1〜6のうちいずれか一項において、
前記一体化物(70)を前記ハンドルパイプ(10)の上方に配置したことを特徴とする鞍乗型車両の操作部構造。 - 請求項3において、
前記シール部材(90)は、エンドピース(60)とスライダ(50)とによってケーブル長手方向で挟持される基部(91)と、この基部(91)からエンドピース(60)側に向かって伸びてエンドピース(60)内に配置されるチューブ部(93)と、このチューブ部(93)の内周面(93s)によって形成される芯線(31)とのシール面(93s)とを備え、
前記チューブ部(93)の外周面と前記エンドピースとの間に、隙間(C)が設けられていることを特徴とする鞍乗型車両の操作部構造。
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