JP5907843B2 - フィンスタビライザの油圧駆動回路、フィンスタビライザのフィン角度制御方法 - Google Patents

フィンスタビライザの油圧駆動回路、フィンスタビライザのフィン角度制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、船舶の航行中の揺れを抑えるためのフィンスタビライザの油圧駆動回路、フィンスタビライザのフィン角度制御方法に関するものである。
船舶の航行中の揺れを抑えるため、船体の両舷に、羽根状をなしたフィンが備えられることがある。
このようなフィンは水中に位置しており、船体の揺れに応じ、その角度を変化させることで潮流や水流に対する揚力(抵抗力)を変化させることで、揺れを効果的に抑えようというものである。
フィンの角度を変化させるには、油圧シリンダが用いられている。
フィンの角度制御コントローラは、センサ等によって検出された船体の揺れ(角度、角速度)等に基づいて、フィンの目標角度を決定し、フィンの角度が決定された目標角度となるよう、油圧シリンダに作動油を送り込む。油圧シリンダは、送り込まれた作動油の流量に応じてシリンダ内のピストンが作動し、ピストンと一体に設けられたロッドを介してフィンの角度を変化させる。
図8は、このようなフィンスタビライザの油圧駆動回路の一例を示すものである。この図8に示すように、フィン1は、二つの油圧シリンダ2A,2Bによってその角度が変化させられる。これら油圧シリンダ2A,2Bには、油圧ポンプ3から作動油が送り込まれるようになっており、サーボ弁4により、油圧シリンダ2A,2Bのそれぞれのロッド側油室2r、ヘッド側油室2hへの作動油の送り込み方向の切り換え、および流量の調整がなされるようになっている。
ここで、フィン1の作動応答性を高めるため、油圧駆動回路には、作動油を蓄えておくアキュムレータ5が備えられるとともに、油圧ポンプ3を常に作動させている。
しかし、このような油圧駆動回路においては、油圧シリンダ2A,2Bを作動させるために、油圧ポンプ3、サーボ弁4、アキュムレータ5をはじめ、アキュムレータ5の作動油圧を調整するための圧力スイッチ6、リリーフ弁7、回路内の油圧を検出する油圧センサ等、多数の構成部品が必要で、回路構成が複雑となっている。このため、システムとしての信頼性向上、コスト低減に余地がある。また、フィンの頻繁な作動が行われても回路内の油圧を所定以上に維持できるとともに、油圧ポンプの大型化に伴うコストアップを抑制することも求められる。
また、海象条件によりフィンが頻繁に作動しない場合でも、作動に備えて回路内の油圧を保持しておく必要があるため、常に最大流量で油圧ポンプ3からの吐出が行われているため、エネルギー消費の観点で改善の余地がある。
さらに、回路内の設定圧を油圧シリンダ2A,2Bを作動させるための圧力以上とするため、設定圧と作動圧との差分が動力損失となること、サーボ弁4において圧力損失が生じること等により、ここでも損失低減の余地がある。
加えて、このように損失が発生する回路構成においては、作動油が発熱するため、作動油の温度を下げるために作動油冷却用のクーラーや大型のタンクが必要となり、コストがかかるという問題もある。
これらの問題に対し、特許文献1には、油圧シリンダのロッド側油室とヘッド側油室の2方向に対し、それぞれに作動油を送り込むことのできる両吐出型固定容量ポンプを、サーボモータにより駆動する構成の駆動回路が開示されている。
このような構成によれば、構成部品点数が少なくて済み、また、油圧シリンダの作動量に応じて、サーボモータの回転数を変化させて油圧ポンプを作動させるので、無駄な圧力を発生している必要がなく、損失を低減できる。また、頻繁に作動しない状態では、サーボモータを停止させる等して、その回転数を低くしておけば、エネルギー消費を抑えるとともに、作動油の発熱を抑えてコストを低減することが可能となっている。
特開2001−114195号公報
フィンスタビライザにおいては、そのときの船体の揺れに応じて、フィンの角度を最適な角度に変化させなければならない。さらに、船体周囲の潮流(水流)の状況も時々刻々と変化するため、フィンの角度調整は、高い(素早い)応答性が求められる。
しかし、特許文献1に記載の技術は、フィンスタビライザを対象としたものではなく、操舵翼の角度調整を対象としており、応答性という点で、何らの工夫がなされていない。操舵翼の場合であれば、操舵翼の角度を変えたとしても、実際に船体の向きが変わるまでには時間がかかるため、フィンスタビライザのような高い応答性は求められていないからである。
したがって、例えば、特許文献1に記載の技術を、フィンスタビライザに適用したとしても、そのような構成においては、フィンの角度調整を行うに際し、その時点でのフィンの角度から、船体の揺れに基づいて設定された最適な角度までの変位角が大きい場合、フィンの角度変更に時間がかかってしまう。特に、サーボモータを停止している状態において、フィンを作動させようとすると、サーボモータが所要の油圧を発生できる回転数に到達するまでに時間がかかる。これでは、時々刻々と変化する最適角度に追従してフィンの角度を調整できないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フィンの角度調整の応答性を高めることのできるフィンスタビライザの油圧駆動回路、フィンスタビライザのフィン角度制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のフィンスタビライザの油圧駆動回路、フィンスタビライザのフィン角度制御方法は以下の手段を採用する。
本発明は、船体の揺れを抑制するため、船体の両舷にそれぞれ設けられたフィンの角度を調節する油圧駆動回路であって、前記フィンの角度を変えるロッドを備え、該ロッドが設けられたピストンをシリンダ内で油圧により移動させる油圧シリンダと、前記油圧シリンダの前記シリンダ内で前記ピストンの一方の側に接続された第一の管路と、前記油圧シリンダの前記シリンダ内で前記ピストンの他方の側に接続された第二の管路と、前記第一の管路および前記第二の管路の一方に選択的に作動油を送り込むとともに、前記第一の管路および前記第二の管路の他方から選択的に前記作動油を吸い込むポンプと、前記ポンプを駆動するモータと、前記モータの作動を制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記船体の揺れに応じて決定された前記フィンの角度を示す指令フィン角と、実際の前記フィンの角度を示す実フィン角との差分である差分フィン角をN乗(Nは1を含まない1より大きな数)し、該N乗された前記差分フィン角を更新指令フィン角とし、該更新指令フィン角に対応した角度だけ前記フィンの角度を変えるための前記モータの回転数を決定して、該決定された前記回転数で前記モータを回転させることを特徴とする。
このような構成によれば、揺れに応じて決定された指令フィン角と、実フィン角との差分である差分フィン角をN乗する処理(Nは1を含まない1より大きな数)をすることで、差分フィン角を増幅させる。そして、増幅された差分フィン角に対応した回転数でモータを作動させるので、モータの回転数が高まって吐出される作動油量が増え、油圧シリンダの応答性が高まる。
前記コントローラは、前記差分フィン角が予め定めた角度以上であるときのみ、差分フィン角をN乗する処理を実行することもできる。
つまり、差分フィン角が予め定めた角度未満であるときには、前記差分フィン角をそのまま前記更新指令フィン角としたり、差分フィン角に予め定めた係数を掛ける等して、これを更新指令フィン角とするのである。
これにより、差分フィン角が大きい場合に差分フィン角を増幅させることで、応答性を高めることができる。
前記コントローラは、前記モータの回転角度に基づいて、前記油圧シリンダにおける前記ピストンのストローク変化量を算出し、算出された前記ストローク変化量から、前記フィンの実フィン角を算出することを特徴とすることもできる。
これによって、フィンの実フィン角を、ポテンショメータ等のセンサを用いることなく取得することができる。
前記コントローラは、前記モータに供給される駆動電流値および駆動電圧値に基づいて、前記フィンで前記船体に対して発生しているトルクを算出し、前記フィンで発生すべきトルクの指令値を補正することを特徴とすることができる。
これにより、潮流や水流中でフィンによって発揮している揚力を、実際の状態に応じて調整(補正)することができる。
さらに、本発明は、前記モータに電力を供給するために、船内供給電源とバッテリとを備え、前記フィンの角度が、前記更新指令フィン角に到達するまでの間は、前記船内供給電源または前記バッテリから前記モータに電力を供給し、前記フィンの角度が、前記更新指令フィン角から元の角度に戻るときには、潮流または水流によって前記フィンが受ける圧力によって前記フィンの角度を変え、該フィンの角度の変化によって前記ポンプに戻る前記作動油により、前記モータを逆転させて回生発電させ、回生発電された電力を前記バッテリに蓄電することもできる。
このようにして、フィンの角度を調整するにあたって必要な電力をバッテリから供給し、フィンからバッテリに回生蓄電することにより、外部から供給する消費エネルギを抑えることができる。
本発明は、モータの回転制御によりフィンスタビライザに作用する油圧を制御するフィンの角度制御方法であって、船体の揺れに応じて決定されたフィンの角度を示す指令フィン角と、実際の前記フィンの角度を示す実フィン角との差分である差分フィン角をN乗(Nは1を含まない1より大きな数)することで更新指令フィン角を算出する工程と、該更新指令フィン角に対応した角度だけ前記フィンの角度を変えるための前記モータの回転数を決定する工程と、決定された前記回転数で前記モータを回転させる工程と、備えることを特徴とする。
このような構成によれば、フィンを動かす角度を規定する差分フィン角を、予め増幅することで、モータの回転数が高まって吐出油量が増え、油圧シリンダの応答性が高められる。これによって、フィンの角度調整の応答性を高めることができるとともに、ポンプと駆動モータの大型化を抑制しコストを低減することができる。
本発明の第1実施形態に係るフィンスタビライザの油圧駆動回路の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態におけるコントローラの制御内容を示す図である。 本発明の第1実施形態の変形例におけるコントローラの制御内容を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るフィンスタビライザの油圧駆動回路の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態におけるコントローラの制御内容を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るフィンスタビライザの油圧駆動回路の構成を示す図である。 本発明の第3実施形態において、フィンの角度変化、各速度変化と、フィンの角度変化に応じた油圧回路の圧力変化を示す図である。 従来のフィンスタビライザの油圧駆動回路の構成を示す図である。
以下に、本発明に係るフィンスタビライザの油圧駆動回路、フィンスタビライザのフィン角度制御方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図1を用いて説明する。
図1は、船舶の船体両舷に設けられたフィン1を駆動するための油圧駆動回路構成を示すものである。
この図1に示すように、フィン1の油圧駆動回路10Aは、フィン1の角度を変える油圧シリンダ11と、油圧シリンダ11に作動油を供給するポンプ12と、ポンプ12を駆動するサーボモータ(モータ)13と、サーボモータ13の作動を制御するコントローラ20と、を備える。
油圧シリンダ11は、フィン1に連結されたロッド11aを有したピストン11bが、シリンダ11c内でシリンダ11cの軸線方向に沿って進退自在とされている。シリンダ11c内において、ピストン11bを挟んでロッド11aが位置する側のロッド側油室11rと、ピストン11bを挟んで反対側のヘッド側油室11hには、ロッド側管路(第一の管路)14、ヘッド側管路(第二の管路)15が接続されている。
ポンプ12には、両吐出(2方向流れ)型の固定容量ポンプが用いられており、二つの吐出口には、ロッド側管路14、ヘッド側管路15が接続されている。
このポンプ12は、サーボモータ13の回転方向を変えることにより、ロッド側管路14およびヘッド側管路15のいずれか一方を選択的に吐出側とし、ロッド側管路14およびヘッド側管路15のいずれか他方を選択的に吸入側として、作動油を吐出することができる。これにより、ポンプ12から吐出された作動油は、ロッド側管路14またはヘッド側管路15を介し、ロッド側油室11r、ヘッド側油室11hに送り込まれる。これによって、シリンダ11c内でピストン11bが移動し、ロッド11aを介してフィン1の角度が変わる。
また、ピストン11bの移動により、ヘッド側管路15またはロッド側管路14からは、作動油がヘッド側管路15またはロッド側管路14を介して排出され、ポンプ12へと循環される。
ここで、油圧シリンダ11のロッド側油室11rとヘッド側油室11hとでは、ロッド側油室11r内にロッド11aが存在するため、その油室断面積が異なる。このため、ロッド側管路14とヘッド側管路15との間には、シャトル弁16が設けられている。シャトル弁16は、一方の入口16aがロッド側管路14に接続され、他方の入口16bがヘッド側管路15に接続され、出口16cがタンク17に接続されている。このシャトル弁16は、二つの入口16a,16bの圧力バランスにならってシャトル弁16dが移動し、入口16a,16bのいずれか一方が出口16cに連通する。これにより、ロッド側油室11rとヘッド側油室11hとの油室断面積の差によって圧力バランスの不均衡が生じてピストン11bが移動したときに、ロッド側管路14またはヘッド側管路15で余剰油が生じた場合には、タンク17に余剰油を排出し、ロッド側管路14またはヘッド側管路15で作動油の不足が生じた場合には、タンク17から作動油を吸い込む。
また、ロッド側管路14、ヘッド側管路15には、安全弁18a,18bが備えられ、ロッド側管路14、ヘッド側管路15内の作動油の圧力が規定以上となったときには、作動油をタンク17に排出する。
コントローラ20には、ロッド側管路14、ヘッド側管路15に設けた作動油の圧力を検出する圧力センサ21r,21hと、油圧シリンダ11のシリンダ11c内におけるピストン11bの位置を検出するポテンショメータ22と、からの検出信号が入力される。
このコントローラ20では、船体の揺れを各種センサ等で検出し、その検出結果から、予め定められたテーブル等に基づいて決定されたフィン1の制御指令を、船体の航行制御盤から受け取る。この制御指令には、フィン1の角度(指令フィン角)、フィン1の角速度、そのために必要なポンプ12から吐出する作動油の圧力が含まれる。
コントローラ20は、受け取った制御指令と、圧力センサ21r,21h、ポテンショメータ22から受け取った検出信号とに基づき、サーボモータ13の回転数と回転方向を指示する指令信号を出力する。コントローラ20から出力された指令信号は、サーボアンプ24を経てサーボモータ13に入力され、サーボモータ13がその指令信号に基づいて作動することで、油圧シリンダ11が駆動され、フィン1の角度が変更される。なお、サーボモータ13には、ロータリーエンコーダ25が設けられ、サーボモータ13の回転数がサーボアンプ24にフィードバックされるようにしても良い。
本実施形態において、コントローラ20は、前記したように、制御指令と、圧力センサ21r,21h、ポテンショメータ22から受け取った検出信号とに基づき、サーボモータ13の回転数と回転方向を指示する指令信号を出力するに際し、以下に示すような制御演算を実施する。
図2に示すように、コントローラ20で受け取った制御指令に含まれる、目標となるフィン1の角度である指令フィン角θsと、ポテンショメータ22から受け取った検出信号に基づいて得られる、その時点での実際のフィン1の角度である実フィン角θrとから、指令フィン角θsと実フィン角θrの差分角度θ1を算出する(θ1=θs−θr)。
そして、その差分角度θ1を2乗して増幅し、これを増幅指令フィン角(更新指令フィン角)θ2とする(θ2=θ1)。
さらに、増幅指令フィン角θ2を、予め定められた係数Kxにより、さらに増幅し、これを、サーボモータ13の回転数指令値θ3とする。この回転数指令値θ3は、増幅指令フィン角θ2に対応した角度だけフィン1の角度を変えるためのサーボモータ13の回転数である。
ここで、差分角度θ1の絶対値が1°未満であるときには、差分角度θ1を2乗すると増幅指令フィン角θ2が差分角度θ1よりも小さくなってしまうため、差分角度θ1の絶対値が1°未満であるときには、サーボモータ13の回転数指令値θ3を、差分角度θ1のまま、あるいは予め定めた係数Kpを掛けてもよい。
コントローラ20は、回転数指令値θ3に対応したサーボモータ13の駆動電流値および駆動電圧値を予め定められたテーブル等に基づいて決定し、回転方向の指令とともに、サーボアンプ24に出力する。
サーボアンプ24は、決定された駆動電流値および駆動電圧値の電力を、船内供給電源30から、決定された回転方向に応じてサーボモータ13に供給させる。これにより、サーボモータ13が所定方向に回転数指令値θ3で回転し、ポンプ12を駆動する。すると、その回転方向に応じて、ロッド側管路14およびヘッド側管路15のいずれか一方に作動油を送り出し、ロッド側管路14およびヘッド側管路15のいずれか他方から作動油を吸い込む。その結果、油圧シリンダ11のピストン11bがシリンダ11c内でサーボモータ13の回転方向に応じた方向に移動し、フィン1の角度が、一定の角速度で変わる。
コントローラ20では、フィン1の角度を、ポテンショメータ22から受け取った検出信号によってモニタリングしている。コントローラ20では、実際のフィン1の角度の変化量が、差分角度θ1に到達した時点で、サーボモータ13を停止させ、予め定めた時間、その角度を維持する。これによって、フィン1は、潮流や水流によって所定の揚力を発揮する。
予め定めた時間が経過した後は、コントローラ20は、サーボモータ13を、前記とは逆方向に回転させ、フィン1を元の角度に復帰させる。
上述したような構成によれば、フィン1を作動させる油圧シリンダ11を駆動するサーボモータ13に入力される、フィン1の角度を変化させるための信号(指令フィン角θsと実フィン角θrの差分角度θ1)を、2乗して増幅するようにした。これにより、サーボモータ13の回転速度が高められて大きな流量が得られ、高い応答性で油圧シリンダ11を駆動してフィン1の角度を変えることができる。
また、差分角度θ1の絶対値が1°未満であるときには、油圧駆動回路10Aでフィン1を動かす角度が小さいため、回転数指令値θ3を差分角度θ1のまま、もしくは予め定めた係数を掛けるのみ等としても応答性に特に影響は少ない。そして、指令フィン角θsと実フィン角θrの差分角度θ1が大きい場合にのみ、サーボモータ13に入力する信号を増幅するようにすれば、応答性を有効に高めることができる。
また、図8に示した従来の構成に比較すれば、構成部品点数が少なくて済み、また、油圧シリンダ11を作動すべき量に応じて、サーボモータ13の回転数を変化させてポンプ12を作動させるので、無駄な圧力を発生させる必要がなく、損失を低減できる。また、頻繁に作動しない状態では、サーボモータ13を停止させる等して、その回転数を低くしておけば、エネルギー消費を抑えるとともに、作動油の発熱を抑えてコストを低減することが可能となっている。これにより、フィンの頻繁な作動が行われても回路内の油圧を所定以上に維持できるとともに、油圧ポンプの大型化に伴うコストアップを抑制することもできる。
なお、ここで、差分角度θ1を増幅するために、差分角度θ1を2乗することとしたが、これを、例えば差分角度に応じて、3乗、4乗というように、乗するようにしても良い(は1を含まない1より大きな数)。
さらに、差分角度θ1の絶対値が1°未満であるときには、回転数指令値θ3を、差分角度θ1のまま、あるいは予め定めた係数Kpを掛けてもよい、としたが、これに限るものではない。差分角度θ1の絶対値が小さい場合には、油圧駆動回路10Aでフィン1を動かす角度が小さいため、回転数指令値θ3を差分角度θ1のまま、あるいは予め定めた係数Kpを掛ける差分角度θ1のしきい値は、1°に限らず、3°、5°等、適宜に設定することができる。さらに、差分角度θ1が大きいほど、増幅指令フィン角θ2が大きくなるよう、差分角度θ1の角度を複数段階に区分して、増幅度合いを漸次大きくしてもよい。
なお、上記第1実施形態において、ポテンショメータ22で油圧シリンダ11のピストン11bの位置を検出することによって、フィン1の実フィン角θrを把握するようにしたが、ポテンショメータ22に代えて、ロータリーエンコーダ25の検出値の変化量に基づいて、フィン1の実フィン角θrを把握することもできる。
これには、図3に示すように、ロータリーエンコーダ25の変化量に、これをサーボモータ13の回転角度に変換するための係数Krを掛ける。得られたサーボモータ13の回転角角度に基づき、予め用意されたサーボモータ13の回転角とポンプ12からの吐出量との関係を示すテーブルαq等から、ポンプ12における作動油の吐出量を特定する。
特定された作動油の吐出量を、油圧シリンダ11におけるピストン11bの作動油の受圧面積で除算する。これにより、油圧シリンダ11のピストン11bのストローク変化量が算出される。
そして、得られたピストン11bのストローク変化量に、予め定められた係数Kstを掛けることで、実フィン角θrを算出する。
このようにすれば、上記実施形態と同様の効果が得られるのに加え、ポテンショメータ22を廃することができ、よりシンプルで信頼の高い構成を実現することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明のフィンスタビライザの油圧駆動回路、フィンスタビライザのフィン角度制御方法の第2実施形態について説明する。
ここで、以下に説明する第2実施形態において、上記第1実施形態と共通する構成については、図中に同符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の油圧駆動回路10Bは、ポテンショメータ22を備えない他は、部品構成は、上記第一の実施形態と同様となっている。
本実施形態において、コントローラ20は、サーボモータ13に対して出力している信号から、サーボモータ13の駆動電流Diと駆動電圧Dvの大きさを取得し、これに基づいて、制御を行う。
図5に示すように、コントローラ20に入力される制御指令に含まれる、目標となるフィン1の角度である指令フィン角θsに、予め定められた定数Ktを乗算することにより、指令フィン角θsにあるときのフィン1によって発生することのできる、船体の揺れを抑えるためのトルクを算出し、これを指定トルクTsとする。
また、予め用意されたサーボモータ13の駆動電流および駆動電圧と、その駆動電流および駆動電圧にあるときのフィン1で発生するトルクとの関係を示すテーブルαt等に基づき、コントローラ20(サーボアンプ24)でサーボモータ(図示せず)に対して出力している実際のサーボモータ13の駆動電流Diおよび駆動電圧Dvから、実際にフィン1で発生している実トルクTrを求める。
そして、得られた指定トルクTsと、実トルクTrとから、指令フィン角の補正値θhを算出し、これを、コントローラ20から出力する。
そして、得られた指定トルクTsと、実トルクTrとから、以下の式により、指令フィン角の補正値θhを算出し、これを、コントローラ20から出力する。
θh=(Ts−Tr)×θx/Tx
ここで、θxは、フィン1の角度、Txはフィン1が角度θxであるときの計画トルクである。
フィン1の角度とフィン1で発生しているトルクは大まかには比例関係と見なせるので、上述の式で補正角度を算出できる。また、詳細に算出しようとすれば、フィン1の角度と計画トルクとの関係を、予めテーブルもしくはマップで作成しておき、これを使って補正角度を求める方法も考えられる。
このような構成によれば、上記第一の実施形態と同様の作用効果が得られるのに加え、ポテンショメータ22を用いることなく、よりシンプルで信頼の高い構成を実現することができる。
また、フィン1で発生しているトルクをパラメータとして制御を行うことにより、実際の潮流または水流の影響によって、コントローラ20からの指令フィン角θsと、実際のフィン1が発生している揚力とが一致しない場合でも、フィン1で発生すべき揚力の過不足を補正することにより、発生する揚力を最適化することができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明のフィンスタビライザの油圧駆動回路、フィンスタビライザのフィン角度制御方法の第3実施形態について説明する。
ここで、以下に説明する第3実施形態において、上記第1実施形態と共通する構成については、図中に同符号を付してその説明を省略する。以下に示す第3実施形態の構成は、上記第1または第2実施形態の構成と組み合わせて用いることのできるものである。
上記第1、第2実施形態においては、サーボアンプ24を介してサーボモータ13で用いる電気は、船舶内の各部に電気を供給する発電機等の船内供給電源30から供給されている。これに対し、以下に示す第3実施形態では、図6に示す油圧駆動回路10Cでは、サーボアンプ24を介してサーボモータ13で用いる電気を、船内供給電源30と、バッテリ31とから供給できるようになっている。
船内供給電源30およびバッテリ31からサーボアンプ24への電源供給を制御する電源コントローラ32は、図7に示すように、フィン1を、その時点での角度からコントローラ20が決定した角度に向けて変化させるとき(図中、X1の部分)には、バッテリ31に蓄電された電気をサーボアンプ24に供給し、バッテリ31の蓄電量で電力が不足する場合には船内供給電源30からサーボアンプ24に供給する。このようにしてバッテリ31または船内供給電源30から供給された電力によってサーボモータ13が駆動され、ポンプ12により、ロッド側管路14またはヘッド側管路15に作動油が送り込まれ、その圧力が高まっていく(図中、X2、X3の部分)。このときには、フィン1は、潮流や水流に抗して角度を変える必要があるため、サーボモータ13でポンプ12を駆動させてフィン1を動かす。
一方、コントローラ20が決定した角度に調整されたフィン1を、元の角度に戻すとき(図中、Y1の部分)には、潮流や水流からフィン1に作用する圧力により、フィン1が、元の角度に戻る方向に押圧される。これにより、ロッド側管路14またはヘッド側管路15を介して作動油がポンプ12に戻り、ポンプ12が逆回転する(図中、Y2、Y3の部分)。すると、ポンプ12の逆回転にともなってサーボモータ13が逆回転して発電がなされる。サーボモータ13で発電された電力は、電源コントローラ32により、バッテリ31に回生充電される。
上述したような構成によれば、フィン1の角度が元の角度に戻るときにサーボモータ13によりバッテリ31に回生蓄電し、フィン1の角度を揺れを抑えるための角度まで動かす時には、バッテリ31からの電力を用いるようにした。これにより、船内供給電源30から供給される電力の消費量を抑えることができ、エネルギー効率のよいシステムを構成することができる。
上記各実施形態で示した構成は、本発明の主旨の範囲内であれば、構成の適宜の変更、追加を許容する。
例えば、バッテリ31としては、フィンスタビライザ駆動専用に限らず、船全体電源に共通する他のバッテリを適用してもよい。
1 フィン
10A,10B,10C 油圧駆動回路
11 油圧シリンダ
11a ロッド
11b ピストン
11c シリンダ
11h ヘッド側油室
11r ロッド側油室
12 ポンプ
13 サーボモータ(モータ)
14 ロッド側管路(第一の管路)
15 ヘッド側管路(第二の管路)
16 シャトル弁
17 タンク
18a,18b 安全弁
20 コントローラ
21r,21h 圧力センサ
22 ポテンショメータ
24 サーボアンプ
25 ロータリーエンコーダ
30 船内供給電源
31 バッテリ
32 電源コントローラ

Claims (6)

  1. 船体の揺れを抑制するため、船体の両舷にそれぞれ設けられたフィンの角度を調節する油圧駆動回路であって、
    前記フィンの角度を変えるロッドを備え、該ロッドが設けられたピストンをシリンダ内で油圧により移動させる油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダの前記シリンダ内で前記ピストンの一方の側に接続された第一の管路と、
    前記油圧シリンダの前記シリンダ内で前記ピストンの他方の側に接続された第二の管路と、
    前記第一の管路および前記第二の管路の一方に選択的に作動油を送り込むとともに、前記第一の管路および前記第二の管路の他方から選択的に前記作動油を吸い込むポンプと、
    前記ポンプを駆動するモータと、
    前記モータの作動を制御するコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、前記船体の揺れに応じて決定された前記フィンの角度を示す指令フィン角と、実際の前記フィンの角度を示す実フィン角との差分である差分フィン角をN乗(Nは1を含まない1より大きな数)し、該N乗された前記差分フィン角を更新指令フィン角とし、該更新指令フィン角に対応した角度だけ前記フィンの角度を変えるための前記モータの回転数を決定して、該決定された前記回転数で前記モータを回転させることを特徴とするフィンスタビライザの油圧駆動回路。
  2. 前記コントローラは、前記差分フィン角が予め定めた角度以上であるときのみ、前記差分フィン角をN乗する処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のフィンスタビライザの油圧駆動回路。
  3. 前記コントローラは、前記モータの回転角度に基づいて、前記油圧シリンダにおける前記ピストンのストローク変化量を算出し、算出された前記ストローク変化量から、前記フィンの実フィン角を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のフィンスタビライザの油圧駆動回路。
  4. 前記コントローラは、前記モータに供給される駆動電流値および駆動電圧値に基づいて、前記フィンで前記船体に対して発生している実トルクを算出し、前記フィンで発生すべきトルクの指令値を補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のフィンスタビライザの油圧駆動回路。
  5. 前記モータに電力を供給するために、船内供給電源とバッテリとを備え、
    前記フィンの角度が、前記更新指令フィン角に到達するまでの間は、前記船内供給電源または前記バッテリから前記モータに電力を供給し、
    前記フィンの角度が、前記更新指令フィン角から元の角度に戻るときには、潮流または水流によって前記フィンが受ける圧力によって前記フィンの角度を変え、該フィンの角度の変化によって前記ポンプに戻る前記作動油により前記モータを逆転させて回生発電させ、回生発電された電力を前記バッテリに蓄電することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のフィンスタビライザの油圧駆動回路。
  6. モータの回転制御によりフィンスタビライザに作用する油圧を制御するフィンの角度制御方法であって、
    船体の揺れに応じて決定されたフィンの角度を示す指令フィン角と、実際の前記フィンの角度を示す実フィン角との差分である差分フィン角をN乗(Nは1を含まない1より大きな数)することで更新指令フィン角を算出する工程と、
    該更新指令フィン角に対応した角度だけ前記フィンの角度を変えるための前記モータの回転数を決定する工程と、
    決定された前記回転数で前記モータを回転させる工程と、
    を備えることを特徴とするフィンスタビライザのフィン角度制御方法。
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