JP2984715B2 - 航空機等空海交通機関の姿勢制御装置 - Google Patents

航空機等空海交通機関の姿勢制御装置

Info

Publication number
JP2984715B2
JP2984715B2 JP63088149A JP8814988A JP2984715B2 JP 2984715 B2 JP2984715 B2 JP 2984715B2 JP 63088149 A JP63088149 A JP 63088149A JP 8814988 A JP8814988 A JP 8814988A JP 2984715 B2 JP2984715 B2 JP 2984715B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
adder
control
aircraft
actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63088149A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01262294A (ja
Inventor
佐藤  寛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Electric Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiichi Electric Co Ltd filed Critical Daiichi Electric Co Ltd
Priority to JP63088149A priority Critical patent/JP2984715B2/ja
Publication of JPH01262294A publication Critical patent/JPH01262294A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2984715B2 publication Critical patent/JP2984715B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、航空機、ヘリコプタおよび船舶で代表され
る空海交通機関の姿勢制御装置に関するものであり、特
に伝送回線を介して遠隔制御する航空機等空海交通機関
の姿勢制御装置に関する。
[従来の技術] 従来、航空機の水平および垂直方向舵ならびに補助翼
によるピッチングやヨーイングおよびローリングなどの
制御は、小型機の場合にはワイヤを用いて行っている
が、大型機の場合には全て油圧方式によって行ってい
る。このような油圧方式による姿勢制御は、ヘリコプタ
や船舶においても行われている。
とりわけ、超音速航空機や超高速船舶などの出現した
現在において、姿勢制御は、きわめて優れた応答性を要
求されている。そのため、サーボ弁を用いた油圧制御方
式によって応答性を確保し、姿勢制御を行う方式が主流
を占める結果となっている。たとえば、特開昭60−1467
99号公報を参照すると、その油圧操舵システムは、サー
ボ弁を用いてエネルギ変換効率の向上を図るべく工夫を
施している。このように、姿勢制御装置における油圧回
路は、サーボ弁を回路構成上省くことの出来ない構成要
素としている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、一般的に、このようなサーボ弁による
油圧アクチュエータ制御方式は、制御弁や長い配管など
によるエネルギーの損失が大きく、したがってエネルギ
ー変換効率は低く、15〜30%程度といわれている。
航空機にとっては、機体の軽量化やエンジンの効率向
上は十分に図られてきているが、上記の姿勢制御につい
ては液圧方式の有する利点や優れたサーボ弁の応答性等
に鑑みて、エネルギー変換効率の低さは甘受しているの
が現状である。また、航空機の機体内に配管を張り巡ら
すことにより、このことは、安全性確保の面から問題が
ある。
通常、航空機は、それぞれのフラップにアクチュエー
タを取り付け分散制御をしている。しかし、フェイルセ
ーフを考慮して、アクチュエータまでの配管を出来るだ
け分散したとしてもサーボ弁を使用した油圧制御系統が
まとまっている限り、何処か一箇所の配管が切断される
とその系統の全ての油圧が低下してしまう。さきに、大
型旅客機が、操縦系統の配管切断による油圧低下を原因
として墜落したことは記憶に新しい事実であるが、この
場合の油圧回路にもサーボ弁が使用されている。
本発明は、上記の問題点を解決するため、制御部から
アクチュエータ駆動部分までの制御信号伝達用の配管を
排除して、指令および動作状況を油圧あるいは空気圧系
統以外の伝送回線で授受すると共にサーボ弁を使用しな
い高精度のパワーサーボユニットを配設した航空機等空
海交通機関の姿勢制御装置を提供することを目的として
いる。
[課題を解決するための手段] 航空機等空海交通機関の姿勢制御装置は上記課題を解
決するために、以下の手段を講じている。
まず、請求項1に係る航空機の姿勢制御装置は、上記
課題を解決するために、伝送路を経由して与えられる制
御信号で航空機の各フラップに配設されたアクチュエー
タを遠隔駆動し姿勢の安定を図る姿勢制御装置におい
て、制御信号とフィードバック信号とを入力信号とする
加算器およびこの加算器の出力信号を入力信号とするサ
ーボ増幅器およびこのサーボ増幅器の出力信号に基づき
回転が制御されるサーボモータおよびこのサーボモータ
により駆動される流体圧ポンプおよびこの流体圧ポンプ
により駆動される流体圧アクチュエータおよびこの流体
圧アクチュエータにより円弧駆動される航空機のフラッ
プおよびこの航空機のフラップの回転角度を検出する角
度センサおよびこの角度センサの出力信号を上記加算器
にフィードバック信号として入力するフィードバック手
段とを含む第一のパワーサーボユニットと、遠隔制御の
ための制御信号を伝送し上記第一のパワーサーボユニッ
トに入力する伝送回線と、航空機の各フラップに上記第
一のパワーサーボユニットを1又は2以上配設したこと
を特徴とする。
また、請求項2に係るヘリコプタの姿勢制御装置は、
上記課題を解決するために、伝送路を経由して与えられ
る制御信号でヘリコプタのロータのリンク機構に配設さ
れたアクチュエータを遠隔駆動し姿勢の安定を図る姿勢
制御装置において、制御信号とフィードバック信号とを
入力信号とする加算器およびこの加算器の出力信号を入
力信号とするサーボ増幅器およびこのサーボ増幅器の出
力信号に基づき回転が制御されるサーボモータおよびこ
のサーボモータにより駆動される流体圧ポンプおよびこ
の流体圧ポンプにより駆動される流体圧アクチュエータ
およびこの流体圧アクチュエータにより傾斜駆動される
ヘリコプタのロータのリンク機構およびこのヘリコプタ
のロータのリンク機構の傾斜角度を検出する角度センサ
およびこの角度センサの出力信号を上記加算器にフィー
ドバック信号として入力するフィードバック手段とを含
む第二のパワーサーボユニットと、遠隔制御のための制
御信号を伝送し上記第二のパワーサーボユニットに入力
する伝送回線と、ヘリコプタのロータのリンク機構に上
記第二のパワーサーボユニットを2組一体としたものを
1又は2以上配設したことを特徴とする。
また、請求項3に係る船舶の姿勢制御装置は、上記課
題を解決するために、伝送路を経由して与えられる制御
信号で船舶の舵あるいは鰭機構に配設されたアクチュエ
ータを遠隔駆動し姿勢の安定を図る姿勢制御装置におい
て、制御信号とフィードバック信号とを入力信号とする
加算器およびこの加算器の出力信号を入力信号とするサ
ーボ増幅器およびこのサーボ増幅器の出力信号に基づき
回転が制御されるサーボモータおよびこのサーボモータ
により駆動される流体圧ポンプおよびこの流体圧ポンプ
により駆動される流体圧アクチュエータおよびこの流体
圧アクチュエータにより円弧駆動される船舶の舵あるい
は鰭機構およびこの船舶の舵あるいは鰭機構の回転角度
を検出する角度センサおよびこの角度センサの出力信号
を上記加算器にフィードバック信号として入力するフィ
ードバック手段とを含む第三のパワーサーボユニット
と、遠隔制御のための制御信号を伝送し上記第三のパワ
ーサーボユニットに入力する伝送回線と、船舶の舵ある
いは鰭機構の一方または両方のいずれかに上記第三のパ
ワーサーボユニットを1又は2以上配設したことを特徴
とする。
[作 用] 請求項1に係る航空機の姿勢制御装置において、使用
される第一のパワーサーボユニットは、操縦席からの油
圧配管に代わる伝送回線を経由して与えられる制御信号
に従って、たとえば油圧モータである流体圧アクチュエ
ータをフィードバック制御する。第一のパワーサーボユ
ニットは、サーボ弁を使用しないため制御信号に対して
迅速・安定かつ安全にフラップの回転角度を制御可能と
する。この第一のパワーサーボユニットは、航空機の各
フラップにフェイルセーフを考慮して複数個配設され
る。
また、請求項2に係るヘリコプタの姿勢制御装置にお
いて、使用される第二のパワーサーボユニットは、操縦
席からの油圧配管に代わる伝送回線を経由して与えられ
る制御信号に従って、たとえば油圧シリンダである流体
圧アクチュエータをフィードバック制御する。第二のパ
ワーサーボユニットは、サーボ弁を使用しないため制御
信号に対して迅速・安定かつ安全に、ヘリコプタのロー
タのリンク機構の傾斜角度を制御可能とし、ロータ翼の
ピッチコントロールを行う。この第二のパワーサーボユ
ニットは、ヘリコプタのロータのリンク機構の傾斜方向
であるX軸およびY軸方向にそれぞれ配設される。
また、請求項3に係る船舶の姿勢制御装置において、
使用される第三のパワーサーボユニットは、操舵室から
の油圧配管に代わる伝送回線を経由して与えられる制御
信号に従って、たとえば油圧シリンダである流体圧アク
チュエータをフィードバック制御する。第三のパワーサ
ーボユニットは、サーボ弁を使用しないため制御信号に
対して迅速・安定かつ安全に、船舶の舵あるいは鰭機構
の回転角度を制御可能とする。この第三のパワーサーボ
ユニットは、船舶の舵あるいは鰭機構に配設され、フェ
イルセーフを考慮する場合は、複数個配設される。
[実施例] 以下に添付図面を参照して本発明による空海交通輸送
機関の姿勢制御装置の実施例を詳細に説明する。なお、
図中、同一符号は、同一または相当部分を表している。
第1図は、本発明に適用する第一〜第三のパワーサー
ボユニットの実施例を示す概略構成ブロック図である。
本ブロック図において第一〜第三のパワーサーボユニッ
トの相違点は、流体圧アクチュエータ5と角度センサ6
にあるのみである。したがって、第一〜第三のパワーサ
ーボユニットの共通部分は、第1図で説明することと
し、相違点については各実施例の必要個所で後述するこ
ととする。
第1図を参照すると、パワーサーボユニット(以下、
PSUと略称する。)30は、まず、操縦席から送信される
制御信号(Ei)101と後述のフィードバック信号(Ef)1
04とが加算器1の入力に接続されている。加算器1の出
力である誤差信号102は、サーボ増幅器2の入力に接続
されている。この誤差信号102は、サーボ増幅器2によ
って増幅された後、サーボモータ3の駆動信号103とし
て、サーボモータ3の入力に接続されている。この駆動
信号103は、サーボモータ3において出力軸の回転動力
に変換される。
サーボモータ3の出力軸の回転動力は、直結された油
圧ポンプ4に伝達されて油圧ポンプ4が回転駆動され
る。この回転動力の方向に従って、たとえば油圧モータ
である流体圧アクチュエータ5(以下、単にアクチュエ
ータという。)は、所定の圧力の加わった流体(この場
合は、油液をいう。)によって、所定の方向に駆動さ
れ、PSU30の被駆動体7を回転あるいは傾斜させる。
この被駆動体7の回転角度あるいは傾斜角度は、アク
チュエータ5に取り付けられた角度センサ6で検出処理
され、この検出処理信号104は、前述の加算器1の入力
にフィードバックされ、接続されている。
被駆動体7を除く上記構成のPSU30は、これを一体化
することにより、電気あるいは光の伝送回線を介して受
信する制御信号(Ei)101に基づいて動作する一つのア
クチュエータと見なすことができる。なお、第1図に示
すアクチュエータとしての油圧モータ5と角度センサ6
とは、第2図に示すようにロッド5bを直線運動させるシ
リンダ5aと変位センサ6aとに置き換えてもよい。この場
合、第2図に示すように、シリンダ5aのロッド5bの端に
支点5dを中心に前後に回転可能なロッド5cを接続し、こ
のロッド5cの支点5dに角度センサ6を取り付けてもよ
い。
ここに、被駆動体7は、航空機の姿勢制御装置にあっ
ては、フラップのことをいい、ヘリコプタの姿勢制御装
置にあっては、ロータのリンク機構のことをいい、船舶
の姿勢制御装置にあっては、舵あるいは鰭(以下、本実
施例においては水中翼という。)のことをいう。
なお、本実施例において、油圧ポンプ4は、理解を容
易にするため2方向型吐出の定容量型油圧ポンプで説明
しているが、これに限るものではない。
本発明の第一実施例である航空機の姿勢制御装置の場
合は、第3図に例示される航空機の分散された被駆動体
であるフラップ7a〜7jごとに、上記PSU30が複数個配設
されて構成されている。一般に、航空機は、安全性確保
のため、操縦用のコンピュータを複数台搭載している。
そこで、航空機の姿勢制御装置は、第4図に示すように
各コンピュータと各PSU30との間を電気あるいは光によ
る伝送回線でネットワークを構成させフェイルセーフ機
能の充実を図っている。したがって、制御信号の送信側
のコンピュータまたは制御信号を受信するPSU30のいず
れかに障害が発生した場合においても、直にち他のコン
ピュータまたはPSU30に代替接続される。
また、本発明の第二実施例であるヘリコプタの姿勢制
御装置の場合は、第5図に例示されるヘリコプタのロー
タ11の被駆動体のリンク機構12に上記PSU30を2組一体
として配設されて構成されている。この場合のPSU30
は、第2図に示すロッド5bを直線運動させるシリンダ方
式のPSU30が使用される。さらに、第6図に例示するよ
うに、リンク機構1軸ごとに2個のシリンダ5aを配設し
て構成してもよい。この場合、2個のシリンダ5aは、1
台のPSU30に接続され互いに反対方向にロッド5bが駆動
されてもよく、または、2個のシリンダ5aはそれぞれ別
個のPSU30に接続し、ロッド5bを駆動してもよい。
また、本発明の第三実施例である船舶の姿勢制御装置
の場合は、第7図および第8図に例示される船舶13の船
首付近の左右と船尾付近の左右にそれぞれ設けられた被
駆動体である水中翼14a〜14dおよび船尾に設けられた舵
14eに上記PSU30がそれぞれ1又は2以上配設されて構成
されている。この水中翼14a〜14dは、船舶の接岸時に不
便とならないように、第9図に例示するように船首およ
び船尾の水中翼取付部分をへこませるか、または第10図
に例示するように船体の前後に突出させて設けるとよ
い。あるいは第11図に例示するように船底部分に設けて
もよい。なお、船舶にも複数台のコンピュータがバック
アップ用に配置されていれば、航空機の場合と同様、第
4図に示されるネットワークを構成し、障害の発生時に
迅速に代替接続することができる。この場合、水中翼14
a〜14dおよび舵14eにはPSU30が複数個配設されることに
なる。
次に、PSU30の動作を説明し、その後に、航空機等に
それぞれPSU30を配設した場合の動作を説明する。
第1図によると、PSU30は、まず、航空機等の操縦席
から電気または光を用いて伝送回線(ここでの伝送回線
は有線か無線かについては限定しない。)を介して送信
される制御信号を復調して加算器1の一方の入力に制御
信号Ei101として加える。加算器1の他方の入力には角
度センサ6の出力信号であるフィードバック信号Ef104
に負の符号を付加して加える。
加算器1は、すなわち、制御信号Ei101とフィードバ
ック信号Ef104との差(Ei−Ef)を出力することとな
り、これを誤差信号102としてサーボ増幅器2に入力す
る。誤差信号102は、定常状態においては零の値をとる
が、一旦、指令信号Ei101に変化が生じると誤差信号102
は、正または負の値をとる。サーボ増幅器2は、この誤
差信号102を増幅してサーボモータ3に入力して、サー
ボモータ3を正転または逆転駆動する。サーボモータ3
の動作状態は、最終的には、アクチュエータ5を正転ま
たは逆転(あるいは前進または後退)させる。アクチュ
エータ5の動きを検出する角度センサ6は、検出量をフ
ィードバック信号Ef104として加算器1に負の符号を付
加して入力する。ここで、誤差信号102の値が零であれ
ば、アクチュエータ5は静止し、被駆動体7も静止す
る。この状態のとき、このPSU30の消費電力は、最小と
なり、サーボ増幅器2等の電子回路の消費する電力のみ
となる。
サーボモータ3は、サーボ増幅器2からの駆動信号10
3を受けると、モータの回転軸を正転または逆転させ
る。モータの回転軸は、2方向吐出の油圧ポンプ4の回
転軸に結合されており、サーボモータ3の回転軸の回転
方向および回転速度に連動して、油圧ポンプ4は、与え
られた方向に一定の量の油を吐出する。油圧ポンプ4か
ら吐出された油の流れは、アクチュエータ5に供給さ
れ、アクチュエータ5を制御方向にその油量に比例した
速度で移動させる。ここで、移動とは、回転動作あるい
は直線動作を含む意味である。なお、アクチュエータ5
に供給された油は別ルートで油圧ポンプ4に戻され、再
利用される。
このように、PSU30を使用する場合は、油の配管を油
圧ポンプ4とアクチュエータ5との間の油の循環回路に
設けるだけでよく、また、サーボ弁を始めとする制御弁
(方向制御弁、圧力制御弁、流量制御弁等)を全く使用
しない制御方式であるため、小型ユニット化が図られ、
従来の同様の機能を有する油圧装置と比べて、エネルギ
ーの変換効率が飛躍的に向上している(従来の油圧装置
のエネルギー変換効率は15〜30%程度とされているのに
対し、PSU30のエネルギー変換効率は、80%程度は確保
されている)。また、雑音の混入を排除するためコンピ
ュータ側から送られる制御信号は、ディジタル信号ある
いは光信号による伝送を用いることによって、外部雑音
に対するPSU30の信頼性は格段に向上する。この場合
は、第12図に示すように、制御信号入力部に光−電変換
器等復調器を挿入することにより遠隔操作が可能とな
る。なお、第12図に示すように、PSU30は、増幅器用電
源とサーボモータ用電源の供給を必要とするが、これら
電力用電源は外部雑音の影響を受けにくいものである。
次に、第一実施例である航空機の姿勢制御装置の動作
について説明する。第3図で例示したように、航空機は
多数のフラップを有している。これらの各フラップにPS
U30を配設した場合、PSU30の高速応答性は、航空機のヨ
ーイング(偏揺れ)、ピッチング(縦揺れ)あるいはロ
ーリング(横揺れ)といった不安定な姿勢を安定化する
ための制御信号に迅速に対応でき、航空機の姿勢を早期
に安定化し得るものである。さらに、各フラップにPSU3
0を配設した場合は、従来、機体内に多数張り巡らされ
ていた油圧システムの配管はPSU30の内部配管を除いて
全て排除することができ、操縦席と各PSU30との間の情
報の授受は、電気信号あるいは光信号によって行うこと
ができる。したがって、配管に起因する事故の発生する
可能性は、極めて低いということが出来る。
なお、一枚のフラップに複数のPSU30を配設した場
合、そのうちの一台のPSU30が仮に故障してそのPSU30の
制御が困難な状態に陥った場合でも、他のPSU30がその
フラップを正常に制御することが可能である。ただし、
故障したPSU30がフラップをロックすることがないよう
に、第13図に示すように、油圧ポンプ4とアクチュエー
タ5の間の油の循環経路に2ポート方向制御弁8による
油のバイパス回路を設けられている。あるいは、第14図
に示すように、2ポート方向制御弁と油タンク9とを各
循環経路に設け、油を排出させることにより、アクチュ
エータ5に力が加わらないようにしてもよい。第13図の
バイパス回路を設けた場合は、フラップに配設された全
てのPSU30を同時に動作させなくても、一部のPSU30のみ
を動作させ他はスタンバイ状態とすることができる。
一般に、航空機は、安全性確保のため、操縦用のコン
ピュータを複数台搭載している。したがって、航空機の
姿勢制御装置は、第4図に示すように各コンピュータと
各PSU30との間を電気あるいは光による伝送路でネット
ワークを構成することにより、コンピュータまたはPSU3
0のいずれかに障害が発生した場合においても、直ちに
他のコンピュータまたはPSU30を接続するネットワーク
によって姿勢制御は維持される。このように、障害から
の復旧動作は、従来の油配管によって構成されるネット
ワークに比べて迅速かつ安全に行える。
なお、無人の航空機の姿勢制御あるいはミサイル等の
追尾制御システムの場合において、フェイルセーフを犠
牲にしても小型化と軽量化とを優先する場合は、PSU30
はそれぞれの方向舵等に1個ずつ配設してもよい。
次いで、第二実施例であるヘリコプタの姿勢制御装置
の動作について説明する。ヘリコプタのロータの傾斜方
向をX方向、Y方向とすると、第5図に示すように、リ
ニア動作する直動シリンダ5aをアクチュエータとするPS
U30が、ロータ11のリンク機構12に取り付けられる。ヘ
リコプタの操縦席からの制御信号は、伝送回線を経由し
てPSU30に送られ、ロータ11をXY制御し、ロータ翼のピ
ッチコントロールを行う。PSU30の有する高速応答性
は、制御信号に対応して、ロータ11の迅速制御を可能と
する。したがって、本発明は、俊敏な飛行動作を要求さ
れるヘリコプタに対しても、十分に対応できるものであ
る。また、上記の航空機の場合と同じく、伝送回線によ
る信号の授受を行うために、配管に起因する事故は極め
て発生しにくい。第6図は、PSU30のアクチュエータで
ある直動シリンダを、リンク機構の1軸に2個配設し、
シリンダのロッドを交互動作させた場合の例である。こ
の場合は、ロータ11のXY方向に対する制御能力が増加す
るため、さらに俊敏な飛行動作を可能とする。また、こ
の場合において、2組一体とするPSU30の組合せを複数
配設すれば1の組合せに障害が発生しても他の組合せに
よって操縦機能は維持される。
次いで、第三実施例である船舶の姿勢制御装置の動作
について説明する。船舶の制御姿勢は、船体の進行方向
のみならず、ローリング(横揺れ)およびピッチング
(縦揺れ)についても行わねばならない。船舶の場合
は、航空機と異なり、水面の波によって引き起こされる
ローリングとピッチングを軽減し、客室等の居住空間を
水平に保つ必要がある。船舶の傾きを検出する装置とし
て、たとえば、水準儀やジャイロスコープ等がある。こ
れらの検出装置から得られた情報を処理して、傾きを補
正する向きに制御信号が作り出される。この制御信号
は、伝送回線を経由して各水中翼を駆動するそれぞれの
PSU30に送られる。各PSU30は、制御信号に応じて水中翼
を駆動する。たとえば、第15図に示すように、船体の前
に位置する水中翼14a、14bおよび船体の後に位置する水
中翼14c、14dを反対向きに駆動すれば、ピッチングの防
止が可能となる。また、第16図に示すように、船体の左
側に位置する水中翼14a、14cおよび船体の右側に位置す
る水中翼14b、14dを反対向きに駆動すれば、ローリング
の防止が可能となる。
このように、舵でヨーイング(方向)を定め、水中翼
14でローリングとピッチングを防止することにより、船
客等の船酔いを著しく軽減させることが可能となる。こ
の水中翼14は、フラッパを取り付けることにより、さら
に安定性を向上できる。また、第17図に示すように、船
首または船尾のどちらか一方の水中翼を1枚にして3軸
による姿勢制御としてもよい。このように、船舶の姿勢
制御は、水中翼による安定制御を3軸または4軸で行
い、舵による方向制御を1軸とした合計4軸ないし5軸
にそれぞれ複数個のPSU30を配設して制御することによ
り、エネルギー変換効率が高く(いわゆる省エネルギー
対策の施された)、高速応答可能な制御を実現できる。
さらに、船体は空中にあり翼付きの脚部を水中に置きプ
ロペラ発動機等で推進するいわゆる水中翼船の水中翼の
制御にも、本発明の船舶の姿勢制御装置は適用でき、高
速運行時の微妙な振動を抑制することができる。
なお、上記説明の中で、一つのフラップや舵等に、複
数のPSU30を配設した場合について述べたが、この複数
のPSU30は、同期して駆動される。このことは、制御信
号の送出タイミングとフィードバックされるセンサの角
度あるいは位置を測定することによって、容易に行い得
ることである。
[発明の効果] 以上説明したように本発明による航空機等空海交通機
関の姿勢制御装置によれば、請求項1、請求項2および
請求項3のいずれについても以下の効果が期待できる。
まず、操縦席等に配置される制御信号の発生部と被駆
動体に配設されるアクチュエータとの間の情報伝達路で
ある油の配管は排除され、代わりに電気あるいは光によ
る制御信号が伝送回線で伝達されるため、制御信号伝達
用の油圧配管の劣化等を起因とする事故の発生は極めて
発生しにくくなる。また、制御信号を発生する装置もコ
ンパクトな電子回路で済むため保守も容易となり、姿勢
制御装置自体の長寿命化および軽量化が図られるという
効果を期待できる。
また、本発明に使用するパワーサーボユニット(PS
U)は、高速応答性があるため、制御信号の変更に対し
ても迅速に追従でき、航空機等の姿勢制御を安定に行う
ことができるという効果を期待できる。
また、上記パワーサーボユニットは、制御信号の変更
時のみ作動し、定常時(つまりサーボ増幅器の入力であ
る誤差信号が零の時)は作動しないため、姿勢制御装置
としてのエネルギー変換効率は高く、貴重な電力の消費
量が激減するという顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による航空機等空海交通機関の姿勢制
御装置の一実施例を示す概略構成ブロック図である。 第2図は、第1図に示すアクチュエータ部分にシリンダ
を用いた場合の概略ブロック図である。 第3図は、航空機のフラップ位置の配置例を示した航空
機の斜視図である。 第4図は、複数のコンピュータ側と複数のパワーサーボ
ツニットとの間を伝送回線でネットワーク構成した例を
示すブロック図である。 第5図は、シリンダであるアクチュエータをヘリコプタ
に適用した場合の一実施例を示す鳥瞰図である。 第6図は、第5図に示す実施例の応用例を示す鳥瞰図で
ある。 第7図は、船体に舵あるいは鰭を設けた船舶の側面図で
ある。 第8図は、第7図の船舶の背面図である。 第9図は、第7図の船体に設けた鰭を船体の下部に配置
した例を示す底面図である。 第10図は、第7図の船体に設けた鰭を船首および船尾に
突出して配置した例を示す図である。 第11図は、第7図の船体に設けた鰭を船底より下部に配
置した例を示す背面図である。 第12図は、パワーサーボユニットの制御信号受信部に光
−電変換器等復調器を用いた実施例の概略構成ブロック
図である。 第13図は、パワーサーボユニットの油圧ポンプとアクチ
ュエータとの間の油の循環経路に方向制御弁によるバイ
パス回路を設けアクチュエータに対する制御を解除する
例を示す回路図である。 第14図は、第13図の他の回路例を示す回路図である。 第15図は、船舶のピッチングの防止動作の例を示す側面
図である。 第16図は、船舶のローリングを防止するための鰭の動作
の例を示す斜視図である。 第17図は、船体の前後の一方の鰭を一枚にした場合の例
を示す斜視図である。 図中、1は加算器、2はサーボ増幅器、3はサーボモー
タ、4は油圧ポンプ、5は油圧モータ、6は角度セン
サ、7は被駆動体、11はヘリコプタのロータ、12はヘリ
コプタのリンク機構、13は船舶の船体、14は船舶の鰭、
30はパワーサーボユニットを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B64C 27/68 B64C 27/68 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B64C 13/40 B64C 13/50 B64C 27/64 B64C 27/68 B63B 1/28 B63B 39/06 C

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】伝送路を経由して与えられる制御信号で航
    空機の各フラップに配設されたアクチュエータを遠隔駆
    動し姿勢の安定を図る姿勢制御装置において、 制御信号とフィードバック信号とを入力信号とする加算
    器と、該加算器の出力信号を入力信号とするサーボ増幅
    器と、該サーボ増幅器の出力信号に基づき回転が制御さ
    れるサーボモータと、該サーボモータにより駆動される
    流体圧ポンプと、該流体圧ポンプにより駆動される流体
    圧アクチュエータと、該流体圧アクチュエータにより円
    弧駆動される航空機のフラップと、該航空機のフラップ
    の回転角度を検出する角度センサと、該角度センサの出
    力信号を前記加算器にフィードバック信号として入力す
    るフィードバック手段とを含む第一のパワーサーボユニ
    ットと、 遠隔制御のための制御信号を伝送し前記第一のパワーサ
    ーボユニットに入力する伝送回線と、 航空機の各フラップに前記第一のパワーサーボユニット
    を1又は2以上配設したこととを特徴とする航空機の姿
    勢制御装置。
  2. 【請求項2】伝送路を経由して与えられる制御信号でヘ
    リコプタのロータのリンク機構に配設されたアクチュエ
    ータを遠隔駆動し姿勢の安定を図る姿勢制御装置におい
    て、 制御信号とフィードバック信号とを入力信号とする加算
    器と、該加算器の出力信号を入力信号とするサーボ増幅
    器と、該サーボ増幅器の出力信号に基づき回転が制御さ
    れるサーボモータと、該サーボモータにより駆動される
    流体圧ポンプと、該流体圧ポンプにより駆動される流体
    圧アクチュエータと、該流体圧アクチュエータにより傾
    斜駆動されるヘリコプタのロータのリンク機構と、該ヘ
    リコプタのロータのリンク機構の傾斜角度を検出する角
    度センサと、該角度センサの出力信号を前記加算器にフ
    ィードバック信号として入力するフィードバック手段と
    を含む第二のパワーサーボユニットと、 遠隔制御のための制御信号を伝送し前記第二のパワーサ
    ーボユニットに入力する伝送回線と、 ヘリコプタのロータのリンク機構に前記第二のパワーサ
    ーボユニットを2組一体としたものを1又は2以上配設
    したこととを特徴とするヘリコプタの姿勢制御装置。
  3. 【請求項3】伝送路を経由して与えられる制御信号で船
    舶の舵あるいは鰭機構に配設されたアクチュエータを遠
    隔駆動し姿勢の安定を図る姿勢制御装置において、 制御信号とフィードバック信号とを入力信号とする加算
    器と、該加算器の出力信号を入力信号とするサーボ増幅
    器と、該サーボ増幅器の出力信号に基づき回転が制御さ
    れるサーボモータと、該サーボモータにより駆動される
    流体圧ポンプと、該流体圧ポンプにより駆動される流体
    圧アクチュエータと、該流体圧アクチュエータにより円
    弧駆動される船舶の舵あるいは鰭機構と、該船舶の舵あ
    るいは鰭機構の回転角度を検出する角度センサと、該角
    度センサの出力信号を前記加算器にフィードバック信号
    として入力するフィードバック手段とを含む第三のパワ
    ーサーボユニットと、 遠隔制御のための制御信号を伝送し前記第三のパワーサ
    ーボユニットに入力する伝送回線と、 船舶の舵あるいは鰭機構の一方または両方のいずれかに
    前記第三のパワーサーボユニットを1又は2以上配設し
    たこととを特徴とする船舶の姿勢制御装置。
JP63088149A 1988-04-12 1988-04-12 航空機等空海交通機関の姿勢制御装置 Expired - Lifetime JP2984715B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63088149A JP2984715B2 (ja) 1988-04-12 1988-04-12 航空機等空海交通機関の姿勢制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63088149A JP2984715B2 (ja) 1988-04-12 1988-04-12 航空機等空海交通機関の姿勢制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01262294A JPH01262294A (ja) 1989-10-19
JP2984715B2 true JP2984715B2 (ja) 1999-11-29

Family

ID=13934877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63088149A Expired - Lifetime JP2984715B2 (ja) 1988-04-12 1988-04-12 航空機等空海交通機関の姿勢制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2984715B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5109672A (en) * 1990-01-16 1992-05-05 The Boeing Company Method and apparatus for cooling and replenishing aircraft hydraulic actuators
CN102717889A (zh) * 2012-06-01 2012-10-10 湖南山河科技股份有限公司 轻型飞机襟翼控制方法及装置
JP5907843B2 (ja) * 2012-09-24 2016-04-26 三菱重工業株式会社 フィンスタビライザの油圧駆動回路、フィンスタビライザのフィン角度制御方法
FR3025626B1 (fr) * 2014-09-05 2017-11-03 Sagem Defense Securite Architecture bi-voies avec liaisons ccdl redondantes

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01262294A (ja) 1989-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7565876B2 (en) Marine vessel control system
EP2064607B1 (en) Steering control system for a vessel and method for operating such a steering control system
US5622130A (en) Heel control system for sailing yachts and sailing yacht hull
CN104648643A (zh) 一种水下机器人推进装置的布置结构
US5033694A (en) Attitude control device for air or sea transportation craft
US4562546A (en) Stability augmentation system for a forward swept wing aircraft
CN111465554A (zh) 独立控制横向和纵向推力的航行系统
Aage et al. Hydrodynamic manoeuvrability data of a flatfish type AUV
JP2984715B2 (ja) 航空機等空海交通機関の姿勢制御装置
US5564652A (en) Body spoiler for yaw control of a supersonic airplane
US20080269968A1 (en) Watercraft position management system & method
WO2021191729A1 (en) Hydrofoil with autopilot configuration
CN116859972A (zh) 基于波浪主动补偿的无人船甲板平台增稳控制方法及装置
US5687668A (en) Steerable tug-and-barge linkage
AU2021104570A4 (en) Hydrofoil
CN108973559A (zh) 一种水空两栖五体无人艇
Sun et al. Design and field test of a foldable wing unmanned aerial–underwater vehicle
CN113086139A (zh) 一种无人水翼航行器
GB2235662A (en) Attitude control for aircraft or marine vessels
JPH0230920B2 (ja) Hakuyopuroperasochi
CN112278176A (zh) 一种船舶姿态控制拓扑结构及控制系统
JPH03281495A (ja) 流体中の航行体
US20240004387A1 (en) Motion Control System and Controllers for A Marine Vessel
CN215043587U (zh) 一种无人水翼航行器
JP2610761B2 (ja) 船舶の減揺制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001

Year of fee payment: 9