JP2610761B2 - 船舶の減揺制御装置 - Google Patents

船舶の減揺制御装置

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JP2610761B2
JP2610761B2 JP4321962A JP32196292A JP2610761B2 JP 2610761 B2 JP2610761 B2 JP 2610761B2 JP 4321962 A JP4321962 A JP 4321962A JP 32196292 A JP32196292 A JP 32196292A JP 2610761 B2 JP2610761 B2 JP 2610761B2
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▲吉▼久 河村
一 山田
和宏 西川
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船体に設けられる複数
のフィンの角度を制御することによって、船体の揺動を
軽減するための船舶の減揺制御装置に関し、もっと詳し
くは船体のピッチングおよびローリングの減揺制御を同
時に行うことができる船舶の減揺制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】海上を航行する船舶には、風および波な
どの影響によって様々な力が作用するため、船体は複雑
に揺動する。このような揺動は、船体の平均的な中心位
置であるたとえば重心に関する回転運動と見なすことが
でき、船体の頭尾方向の中心軸線まわりの回転運動であ
るローリング(いわゆる横揺れ)、船首および船尾を上
下させる回転運動であるピッチング(いわゆる縦揺れ)
ならびに船首を左右に揺らせる回転運動であるヨーイン
グ(いわゆる蛇行または片揺れ)の組合わせによって構
成されている。
【0003】このような船舶の揺動を軽減することが、
単に船舶の乗り心地をよくするだけでなく、船舶の揺動
による燃料消費量の増加を防止し、波による船首底に衝
撃力が作用するスライミングによる船体の破損を防止
し、さらにプロペラが海面から空中に露出して空転する
プロペラレーシングによって主機関が過回転となること
を防ぐ上で、経済性、安全性の点から重要視されてい
る。
【0004】従来の船舶において、前記ヨーイングにつ
いては、舵およびオートパイロットによる船の進路を制
御するとともに、その軽減が図られており、ローリング
については、一部の船舶において、船体中央部の左右に
設けられたフィンスタビライザによって前記揺動の軽減
が図られているが、ピッチングについては特に考慮され
ていない。
【0005】ところで、船舶の前後左右の各部にフィン
を設け、これらのフィンの迎角を適切に制御すれば、フ
ィンスタビライザを設けた場合と同様に船舶のローリン
グを減少させることができ、また同時にピッチングをも
減少させることができ、このような先行技術は、たとえ
ば特開平3−224892(特願平2−20157)に
開示されている。
【0006】この先行技術では、船首および船尾の左右
の各舷に合計4枚のフィンを設置し、これらのフィンを
2組に分けて、それぞれの組によってピッチングおよび
ローリングを減少させ、ピッチングまたはローリングの
いずれか一方が大きくなると、前記4枚のフィンをすべ
て大きい方の制御に集中させ、かつピッチングおよびロ
ーリングのうちいずれか他方の制御を停止させるように
構成されている。
【0007】しかしながら、このような先行技術では、
各フィンに対する制御要因をピッチングまたはローリン
グのいずれか一方に特定し、ピッチングまたはローリン
グのうちいずれか他方の制御要因に基づく制御を停止さ
せるために、効率よくピッチングおよびローリングを減
揺することができない。
【0008】すなわち、前記先行技術では、フィンの各
組に対して1つの制御装置を対応して設け、個別にピッ
チングまたはローリングのうちいずれか一方を制御する
構成である。したがって、図5に示されるように、ピッ
チングまたはローリングなどの船体の揺動の一成分を検
出する船体傾斜角検出器1と、この船体傾斜角検出器1
によって検出されたピッチングまたはローリングなどの
船体傾斜角信号を入力して、制御対象となるフィンに対
してその角度を制御するフィン角度制御信号を出力する
フィン角度制御手段2と、このフィン角度制御信号に応
答して、各フィン3a,3bを駆動する油圧シリンダお
よび検出器などを含むサーボ駆動手段4a,4bと、各
サーボ駆動手段4a,4bによって駆動される前述した
フィン3a,3bとを有し、これらのフィン3a,3b
に対して船体の揺動の一成分、すなわちピッチングまた
はローリングを制御要因とする制御を行うように構成さ
れている。
【0009】また、他の先行技術として、たとえばフィ
ンスタビライザを用いるものがある。この先行技術で
は、船体傾斜角検出器1としての船体のロール角を検出
するロール角検出器が設けられ、そのロール角検出信号
をフィン角度制御手段に導出して左右のフィンに対応す
るフィン角度制御信号を発生し、このフィン角度制御信
号によって右舷および左舷のサーボ駆動手段4a,4b
を制御して、前記フィン角度制御信号に基づくフィン3
a,3bの角度を制御して、船体のローリングを減少さ
せている。この点は、前記先行技術(特開平3−224
892)に開示された装置も同様であるが、船首および
船尾の2組のフィンが独立にそれぞれピッチングまたは
ローリングの制御を行っているに過ぎない。このような
先行技術では、ピッチングまたはローリングの一成分を
制御要因として1組のフィンによって船体の減揺を図る
ように構成されているため、少なくとも2組のフィンが
必要となり、このような構成は必然的に前記先行技術
(特開平3−224892)と類似したものとなり、船
体の揺動を効率よく減少させることができないという問
題を有する。
【0010】なお、ヨーイングについては、一般に船舶
には舵があり、既にオートパイロット装置による船体の
減揺が行われているため、検討の対象から除外する。し
たがって、船体の揺動を減揺するための制御要因とし
て、ピッチングおよびローリングに対する減揺制御を行
えばよいことになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、船舶のピッチングおよびローリングを同時に効率
よく減少させることができるようにした船舶の減揺制御
装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)船体1
3の前部に、迎角が可変である前部右舷フィン14と、
迎角が可変である前部左舷フィン15とが設けられ、船
体13の後部に、迎角が可変である後部右舷フィン16
と迎角が可変である後部左舷フィン17とが設けられ、 (b)船体13のピッチ角θを検出するピッチ角検出器
23と、 (c)ピッチ角検出器23の出力に応答し、ピッチ角θ
を零に復元するために必要な船体13に作用すべき回転
力に相当するピッチングモーメントMp、 MP = Lp1・F1+LP2・F2−LP3・F3−LP4・F4 を求め、ここで、前部右舷フィン14、前部左舷フィン
15、後部右舷フィン16および後部左舷フィン17が
発生すべき各揚力をF1,F2,F3,F4とし、前部
右舷フィン14、前部左舷フィン15、後部右舷フィン
16および後部左舷フィン17のピッチングについての
船体13の重心Gからの船体13の前後方向に沿う各距
離をLP1,LP2,LP3,LP4とするピッチ制御手段25
と、 (d)船体13のロール角φを検出するロール角検出器
24と、 (e)ロール角検出器24の出力に応答し、ロール角φ
零に復元するために必要な船体13に作用すべき回転力
に相当するローリングモーメントMR、 MR = LR1・F1+LR2・F2−LR3・F3−LR4・F4 を求め、ここで、ローリングについての船体13の重心
Gからの船体13の左右方向に沿う各距離をLR1
R2,LR3,LR4とするロール制御手段26と、 (f)ピッチ制御手段25とロール制御手段26との出
力に応答し、 F1 = t11・MP+t12・MR F2 = t21・MP+t22・MR F3 = t31・MP+t32・MR F4 = t41・MP+t42・MR を求め、ここで、
【数11】 である揚力配分演算手段27と、 (g)船体13の航行速度を計測する航行速度検出器
と、 (h)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
に応答し、
【数12】 に基づき、前部右舷フィン14の迎角δ1を求め、ここ
で、UHは航行速度検出器によって検出された航行速
度、CL1は前部右舷フィン14の揚力係数、AF1は前部
右舷フィン14の面積、ρは水の密度である前部右舷フ
ィン角度演算手段28と、 (i)右舷フィン角度演算手段28の出力に応答し、前
部右舷フィン14の迎角δ1となるように前部右舷フィ
ン14を角変位駆動する前部右舷フィン駆動手段18
と、 (j)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
に応答し、
【数13】 に基づき、前部左舷フィン15の迎角δ2を求め、ここ
で、CL2は前部左舷フィン15の揚力係数、AF2は前部
左舷フィン15の面積である前部左舷フィン角度演算手
段29と、 (k)前部左舷フィン角度演算手段29の出力に応答
し、前部左舷フィン15の迎角δ2となるように前部左
舷フィン15を角変位駆動する前部左舷フィン駆動手段
19と、 (l)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
に応答し、
【数14】 に基づき、後部右舷フィン16の迎角δ3を求め、ここ
で、CL3は後部右舷フィン16の揚力係数、AF3は後部
右舷フィン16の面積である後部右舷フィン角度演算手
段30と、 (m)後部右舷フィン角度演算手段30の出力に応答
し、後部右舷フィン16の迎角δ3となるように後部右
舷フィン16を角変位駆動する後部右舷フィン駆動手段
20と、 (n)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
に応答し、
【数15】 に基づき、後部左舷フィン17の迎角δ4を求め、ここ
で、CL4は後部左舷フィン17の揚力係数、AF4は後部
左舷フィン17の面積である後部左舷フィン角度演算手
段31と、 (o)後部左舷フィン角度演算手段31の出力に応答
し、後部左舷フィン17の迎角δ4となるように後部左
舷フィン17を角変位駆動する後部左舷フィン駆動手段
21とを含むことを特徴とする船舶の減揺制御装置であ
る。
【0013】また本発明は、(a)船体13の前部に、
迎角が可変である前部右舷フィン14と、迎角が可変で
ある前部左舷フィン15とが設けられ、船体13の後部
に、迎角が可変である後部右舷フィン16と迎角が可変
である後部左舷フィン17とが設けられ、 (b)船体13のピッチ角速度を検出するピッチ角速度
検出器と、 (c)ピッチ角速度検出器の出力に応答し、ピッチ角速
度検出器の出力を積分してピッチ角θを求め、ピッチ角
θを零に復元するために必要な船体13に作用すべき回
転力に相当するピッチングモーメントMp、 MP = Lp1・F1+LP2・F2−LP3・F3−LP4・F4 を求め、ここで、前部右舷フィン14、前部左舷フィン
15、後部右舷フィン16および後部左舷フィン17が
発生すべき各揚力をF1,F2,F3,F4とし、前部
右舷フィン14、前部左舷フィン15、後部右舷フィン
16および後部左舷フィン17のピッチングについての
船体13の重心Gからの船体13の前後方向に沿う各距
離をLP1,LP2,LP3,LP4とするピッチ制御手段25
と、 (d)船体13のロール角速度を検出するロール角速度
検出器と、 (e)ロール角速度検出器の出力に応答し、ロール角速
度検出器の出力を積分してロール角φを求め、ロール角
φを零に復元するために必要な船体13に作用すべき回
転力に相当するローリングモーメントMR、 MR = LR1・F1+LR2・F2−LR3・F3−LR4・F4 を求め、ここで、ローリングについての船体13の重心
Gからの船体13の左右方向に沿う各距離をLR1
R2,LR3,LR4とするロール制御手段26と、 (f)ピッチ制御手段25とロール制御手段26との出
力に応答し、 F1 = t11・MP+t12・MR F2 = t21・MP+t22・MR F3 = t31・MP+t32・MR F4 = t41・MP+t42・MR を求め、ここで、
【数16】 である揚力配分演算手段27と、 (g)船体13の航行速度を計測する航行速度検出器
と、 (h)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
に応答し、
【数17】 に基づき、前部右舷フィン14の迎角δ1を求め、ここ
で、UHは航行速度検出器によって検出された航行速
度、CL1は前部右舷フィン14の揚力係数、AF1は前部
右舷フィン14の面積、ρは水の密度である前部右舷フ
ィン角度演算手段28と、 (i)右舷フィン角度演算手段28の出力に応答し、前
部右舷フィン14の迎角δ1となるように前部右舷フィ
ン14を角変位駆動する前部右舷フィン駆動手段18
と、 (j)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
に応答し、
【数18】 に基づき、前部左舷フィン15の迎角δ2を求め、ここ
で、CL2は前部左舷フィン15の揚力係数、AF2は前部
左舷フィン15の面積である前部左舷フィン角度演算手
段29と、 (k)前部左舷フィン角度演算手段29の出力に応答
し、前部左舷フィン15の迎角δ2となるように前部左
舷フィン15を角変位駆動する前部左舷フィン駆動手段
19と、 (l)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
に応答し、
【数19】 に基づき、後部右舷フィン16の迎角δ3を求め、ここ
で、CL3は後部右舷フィン16の揚力係数、AF3は後部
右舷フィン16の面積である後部右舷フィン角度演算手
段30と、 (m)後部右舷フィン角度演算手段30の出力に応答
し、後部右舷フィン16の迎角δ3となるように後部右
舷フィン16を角変位駆動する後部右舷フィン駆動手段
20と、 (n)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
に応答し、
【数20】 に基づき、後部左舷フィン17の迎角δ4を求め、ここ
で、CL4は後部左舷フィン17の揚力係数、AF4は後部
左舷フィン17の面積である後部左舷フィン角度演算手
段31と、 (o)後部左舷フィン角度演算手段31の出力に応答
し、後部左舷フィン17の迎角δ4となるように後部左
舷フィン17を角変位駆動する後部左舷フィン駆動手段
21とを含むことを特徴とする船舶の減揺制御装置であ
る。
【0014】
【作用】本発明に従えば、ピッチ角検出手段によって船
体のピッチ角が検出され、またロール角検出手段によっ
て船体のロール角が検出される。前記ピッチ角検出手段
から出力されるピッチ角信号はピッチ制御手段に入力さ
れ、このピッチ制御手段は前記ピッチ角を抑制するため
に必要な第1回転力であるピッチングモーメントMP
演算して求める。また前記ロール角検出手段から出力さ
れるロール角信号はロール制御手段に入力され、前記ロ
ール角を抑制するために必要な第2回転力であるローリ
ングモーメントMRが演算して求められる。
【0015】これらの第1および第2回転力に対応する
第1および第2回転力信号は、揚力配分演算手段に入力
されて、これらの第1および第2回転力を同時に実現す
るために4つの各フィンが発生すべきフィン揚力F1〜
F4の配分が算出される。揚力配分演算手段によって求
められた各フィンに対応する揚力信号によって、フィン
角度演算手段28〜31は各揚力信号に相当する揚力を
発生するために必要な各フィンの迎角δ1〜δ4を個別
に算出して求め、このフィン角度演算手段28〜31か
ら出力されるフィン角度信号に応答して、駆動手段18
〜21は各フィンを個別に制御して、ピッチングおよび
ローリングの2つの制御要因に基づいて迎角を変化させ
て制御する。
【0016】また本発明に従えば、ピッチ角速度検出手
段によって船体のピッチ角の角速度が検出され、またロ
ール角速度検出手段によって船体のロール角の角速度が
検出される。前記ピッチ角速度検出手段から出力される
ピッチ角速度信号は、ピッチ制御手段に入力されて積分
されてピッチ角θが求められ、これによってピッチング
を抑制するために必要な第1回転力が演算して求められ
る。また前記ロール角速度検出手段から出力されるロー
ル角速度信号は、ロール制御手段に入力されて積分され
てロール角φが求められ、これによって船体のローリン
グを抑制するために必要な第2回転力が演算して求めら
れる。これらの第1および第2回転力に対応する回転力
信号は揚力配分演算手段に入力され、これらの第1およ
び第1回転力を同時に実現するために各フィンが発生す
べき各フィン揚力配分が算出される。このような揚力配
分演算手段から各フィンに与えられる揚力信号は、各演
算手段28〜31に入力され、各揚力信号に相当する各
フィンの迎角が個別的に算出して求められる。このよう
なフィン角度演算手段28〜31から出力されるフィン
角度信号に応答して、駆動手段18〜21は各フィンの
迎角を変化させ、ピッチングおよびローリングの2つの
制御要因を同時に考慮して、ピッチングおよびローリン
グを抑制するように各フィンの迎角を変化させて船舶の
減揺制御が行われる。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の減揺制御装置1
0を示すブロック図であり、図2は図1に示される減揺
制御装置10を備える船舶11の平面図であり、図3は
船舶11の正面図であり、図4は船舶11の側面図であ
る。船舶11は、船体13と、船体13の前部に設けら
れる前部右舷フィン14および前部左舷フィン15と、
前記船体13の後部に設けられる後部右舷フィン16お
よび後部左舷フィン17とを有する。これらのフィン1
4〜17の各迎角は、油圧シリンダなどを含んで構成さ
れるサーボ駆動手段18,19,20,21によって駆
動制御される。このような船舶11が、ピッチングによ
ってピッチ角θだけ傾斜し、またローリングによってロ
ール角φだけ傾斜した場合について説明する。
【0018】まず、各フィン14〜16によって船舶1
1の減揺制御を行う場合、各フィン14〜17によって
発生する揚力を求める必要がある。すなわち、各フィン
14〜17は、それらの迎角δ1〜δ4に応じた揚力を
発生し、また各フィン14〜17の設置位置から船体1
3の重心位置Gまでのピッチングに関する距離およびロ
ーリングに関する距離にこれらの揚力を乗ずることによ
って、ピッチングを抑制するための第1回転力であるピ
ッチングモーメントと、ローリングを抑制するための第
2回転力であるローリングモーメントを生ずるのであ
る。これらのピッチングモーメントおよびローリングモ
ーメントは、ピッチ角検出手段であるピッチ角検出器1
3と、ロール角検出手段であるロール角検出器24とに
よって個別に検出されたピッチ角θおよびロール角φに
基づいて、ピッチ制御手段25およびロール制御手段2
6によってそれぞれ求めた第1の回転力信号と第2の回
転力信号に相当する値とする必要がある。
【0019】ピッチ制御手段25およびロール制御手段
26から出力された第1の回転力信号であるピッチング
モーメントMP および第2の回転力信号であるローリン
グモーメントMR に相当するピッチングモーメントおよ
びローリングモーメントを同時に実現するために、揚力
配分演算手段27が設けられ、各フィン14〜17へ発
生すべき揚力信号F1〜F4を割当てる必要がある。こ
のような各フィン14〜17への揚力信号F1〜F4の
割当て方法については、要求される回転力信号が2つ
(ピッチングモーメント信号MPおよびローリングモー
メント信号MR)であることから、各フィン14〜17
の自由度が2であれば、一意的に決めることができるけ
れども、フィンの数が増加してその自由度が増えると、
多数の揚力の配分が考えられる。そこで、本実施例で
は、各フィン14〜17への揚力信号F1〜F4の二乗
和が最小となる割当て方法によって、発生すべき各フィ
ン14〜17への揚力信号F1〜F4を求める手順につ
いて説明する。
【0020】船舶11に設置される各フィン14〜17
の数をn=4とし、それぞれのフィン14〜17が発生
すべき揚力に相当する揚力信号をF1,F2,F3,F
4とする。また各フィン14〜17のピッチングについ
ての重心Gからの船体13の前後方向に沿う距離を
P1,LP2,LP3,LP4とし、ローリングについての重
心Gからの船体13の左右方向に沿う距離をLR1
R2,LR3,LR4とする。いま、ピッチ制御手段25で
出力されたピッチングモーメント信号がMP であり、ロ
ール制御手段26から出力されたローリングモーメント
信号がMR であるとき、これらの間には次の関係式
(1),(2)が成立しなければならない。
【0021】 ピッチングモーメント信号: MP=LP1・F1+LP2・F2+LP3・F3+LP4・F4 …(1) ローリングモーメント信号: MR=LR1・F1+LR2・F2+LR3・F3+LR4・F4 …(2) すなわち、上述した揚力信号F1〜F4の割当ては、ピ
ッチ制御手段25から指令されるピッチングモーメント
信号MP と、ロール制御手段26から指令されるローリ
ングモーメント信号MR とを与えた上で、上記関係式
(1)と(2)とを同時に満足する揚力信号F1〜F4
を求めることである。
【0022】前記フィンの自由度が2の場合、すなわち
n=2の場合には、上記関係式(1),(2)は、二元
連立方程式となり、一般に一意的に解が存在する。この
ことは、上述のとおり、フィンに対する揚力の割当てが
一通りであることである。
【0023】また、一般にn>2の場合には、上記連立
方程式(1),(2)は多数の解を持つことになるが、
その解の中からフィンが発生すべき揚力の二乗和を最小
とするものが最も効率のよい揚力の割当てに相当する。
【0024】ところで、上記関係式(1),(2)を行
列で表現すると、次のとおりである。
【0025】 …(3) ここで、はピッチングモーメント信号およびローリン
グモーメント信号を要素とする指令ベクトルであり、
は各フィンが発生すべき揚力信号を要素とする揚力ベク
トルであり、さらには各フィンの配置を示す行列であ
る。具体的には、下記の式(4),(5),(6)の形
となる。
【0026】
【数21】
【0027】上記式(3)は、指令ベクトルを与えた
ときに、揚力ベクトルの各要素F1〜F4を未知数と
する線形連立方程式と見なすことができるため、その解
の中で揚力ベクトルの要素の二乗和ΣFi(ここに、
i=1〜n)を最小とするものは、n×2行列によっ
て次の形で得ることができる。
【0028】 最も効率のよい揚力の割当て: opt …(7) 前記フィンの自由度n=2のときには、上記行列はフ
ィン配置行列の逆行列となるけれども、n>2のとき
には、上記行列はフィン配置行列の一般化した逆行
列として求めることができる。前記解ベクトルを与える
n×2行列によって、最も効率のよいフィン揚力の割
当てを求めることができる。このような最も効率のよい
フィン揚力の割当てに従って、割当てられたフィン揚力
信号に相当する揚力を発生するように各フィン14〜1
7の迎角δ1〜δ4を制御するので、各フィン14〜1
7の能力を充分に発揮させて、効率よく船体11を減揺
制御することができる。
【0029】前記最も効率のよいフィン揚力の割当てを
与える行列は、フィン配置行列だけによって求める
ことができるため、本件減揺制御装置10に予め計算し
て記憶させておくことができる。以上のような減揺制御
装置の動作を、以下に具体的に説明する。
【0030】前記ピッチ角検出器23は、船体13のピ
ッチ角θを検出して、そのピッチ角信号をピッチ制御手
段25へ出力し、ロール角検出器24は、船体13の横
方向の傾斜であるロール角φを検出し、そのロール角信
号をロール制御手段26へ出力する。
【0031】前記ピッチ制御手段25では、前記ピッチ
角信号θを入力し、比例・微分演算を行ってピッチ角θ
を復元するために必要な回転力に相当するピッチングモ
ーメント信号MP を求める。すなわち比例制御は、ピッ
チ角θに応じた回転力を与えるものであり、船体13の
ピッチ角θを0とするために必要な回転力である。さら
に微分制御は、ピッチ角θの角速度に比例した回転力を
与えるものであり、船体13のピッチングの角速度を0
とするために必要な回転力である。このようにして比例
・微分制御によって船体13のピッチ角θを0とし、か
つピッチングの角速度をも0とするための回転力に相当
するピッチングモーメント信号MP が求められる。
【0032】ところで、各フィン14〜17が発生すべ
き揚力に相当する揚力信号をF1〜F4とすると、これ
らの発生すべき揚力がピッチ制御手段25から出力され
るピッチングモーメント信号MP に相当する値となるた
めには、次式(8)が成立しなければならない。
【0033】 MP=LP1・F1+LP2・F2−LP3・F3−LP4・F4 …(8) また、前記ロール制御手段26では、上記ロール角φを
示すロール角信号を入力し、比例・微分演算を行って、
ロール角φを復元するために必要な回転力に相当するロ
ーリングモーメント信号MR を求める。すなわち、比例
制御は、ロール角φに応じた回転力を与えるものであ
り、船体13のロール角φを0とするために必要な回転
力を示す。また、微分制御はロール角φの角速度に比例
した回転力を与えるものであり、船体13のローリング
の角速度を0とするために必要な回転力を示す。このよ
うにして、比例・微分制御によって船体13のロール角
φを0とし、かつローリングの角速度をも0とするため
のローリングモーメント信号MRを求めることができ
る。
【0034】各フィン14〜17が発生すべき揚力に相
当する揚力信号を前述したようにF1〜F4とし、これ
らの発生すべき揚力信号がロール制御手段26から出力
されるローリングモーメント信号MR に相当する値とな
るためには、次式(9)が成立しなければならない。
【0035】 MR=LR1・F1+LR2・F2−LR3・F3−LR4・F4 …(9) 上述の式(8),(9)において、LP1〜LP4;LR1
R4は、ピッチングモーメントおよびローリングモーメ
ントに関する各フィン14〜17の重心Gからの距離で
ある。これらの距離LP1〜LP4;LR1〜LR4は、船舶の
設計段階のデータとして予め得ることができるけれど
も、簡単には船体13の重心位置Gから各フィン14〜
17までの距離によって近似することもできる。
【0036】次に、前記揚力配分演算手段27では、上
記式(8),(9)を解くことによって、各フィン14
〜17に対応する揚力信号F1〜F4を次のように割当
てて求めることができる。
【0037】 F1=t11・MP+t12・MR …(10) F2=t21・MP+t22・MR …(11) F3=t31・MP+t32・MR …(12) F4=t41・MP+t42・MR …(13) そこで、各フィン14〜17には割当てる揚力信号F1
〜F4の2乗和である次式、
【0038】
【数22】
【0039】を最小とするt11〜t42は、次式(1
5)〜(22)によって得られる。
【0040】
【数23】
【0041】各フィン14〜17に対して割当てられた
揚力信号F1〜F4から該当するフィンの迎角信号δ1
〜δ4を演算して求めるフィン角度演算手段28〜31
および、各迎角信号δ1〜δ4に基づいて各フィン14
〜17を駆動するサーボ駆動手段18〜21のうち、前
部右舷フィン14に関連する角度演算手段28およびサ
ーボ駆動手段18について説明する。なお、残余の角度
演算手段29〜31およびサーボ駆動手段19〜21は
上記フィン角度演算手段28およびサーボ駆動手段28
と同様である。
【0042】このフィン角度演算手段28に対応する前
部右舷フィン14へ流入する水流の速度UH、すなわち
船体13の前進速度を次の手順で説明する。
【0043】ここで、αは船体13を前進させるための
プロペラ33の翼角であり、Nはプロペラ33の回転数
である。また関数fは船体13の計画値から求めること
ができる。一定の速度で航行する船舶については、この
計算に代えて、船舶の航行速度とすることもできる。本
発明では、船体13の航行速度を計測する検出器を備え
る船舶においては、該検出器によって計測された航行速
度を上記計算値UH に代えて使用する。
【0044】次に、フィン14の揚力係数をCL1とする
と、フィン14の揚力に相当する揚力信号F1は次式で
得ることができる。すなわち、
【0045】
【数24】
【0046】ここで、ρは海水の密度であり、AF1はフ
ィン14の面積である。
【0047】前記フィン14の揚力係数CL1は、フィン
14の迎角の関数であることから、揚力配分演算手段2
7によって割当てられた揚力信号F1の値を代入して、
上式(24)を逆に解くことによって、揚力信号F1に
相当するフィン14の迎角信号δ1を算出することがで
きる。サーボ駆動手段18は、フィン角度演算手段28
によって求められたフィン14の迎角信号δ1に従って
フィン14を駆動し、フィン14の迎角を迎角信号δ1
相当の傾きに変化させることができる。
【0048】同様にして、残余のフィン15〜17に関
しても、揚力と揚力配分演算手段27によって割当てら
れた揚力信号F2〜F4が作用し、ピッチ制御手段2
5,26において求められたピッチングモーメント信号
P およびローリングモーメント信号MR に相当する回
転力が同時に船体13に作用し、この船体13のピッチ
ングおよびローリングを同時に抑制することができる。
【0049】上述の実施例では、船体13の前後方向の
傾斜角、すなわちピッチ角θを検出するピッチ角検出器
23および船体13の横方向の傾斜角、すなわちロール
角φを検出するロール角検出器25を用いるようにした
けれども、本発明の他の実施例として、これらの検出器
23,24に代えて角速度を検出するピッチ角速度検出
器およびロール角速度検出器を用いるようにしてもよ
い。この場合、ピッチ制御手段25およびロール制御手
段26の構成を比例・微分から比例・積分に変更すれ
ば、同様な結果を得ることができる。
【0050】上述の実施例に代えて、ピッチ制御手段2
5およびロール制御手段26において比例・微分制御を
採用したけれども、本発明は、これらに限定されるもの
ではなく、必要に応じて比例、微分、積分などの公知の
制御方法を採用するようにしてもよい。
【0051】さらに、上述の実施例では、フィン角度演
算手段28〜31において複雑な演算を行う必要がある
けれども、各フィンの揚力は迎角にほぼ比例することか
ら、この演算を単純な定数の乗算とすることもできる。
【0052】また、本発明では、ピッチ制御手段、ロー
ル制御手段、揚力配分演算手段、フィン角度演算手段に
ついて、機械式、電気式などの周知の演算手段を組合わ
せて構成するようにしてもよく、その一部もしくは全部
を電子計算機によって実現することもできる。また、サ
ーボ駆動手段として、電動サーボ装置などの周知の各種
サーボ装置を用いることができる。
【0053】
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ピッチン
グおよびローリングの2つの制御要因に基づいて複数の
フィンを同時に制御できるので、各フィンの配置に応じ
て効率よく制御することができる。これによって乗り心
地を向上することができるとともに、船舶の燃費を向上
することができる。しかも、上述のように船舶の揺動が
抑制されるので、船舶の航行上の安全性を向上すること
ができる。特に本発明によれば、合計4つのフィン14
〜17に割当てる揚力F1〜F4の2乗和である前述の
式14が最小となる値t11〜t42が揚力配分演算手
段27において設定されていることが重要であり、これ
によってフィン14〜17を用いて縦揺れおよび横揺れ
を確実に防止することができるという優れた効果が初め
て達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の減揺制御装置10を示すブ
ロック図である。
【図2】船舶11の平面図である。
【図3】船舶11の正面図である。
【図4】船舶11の側面図である。
【図5】典型的な先行技術のブロック図である。
【符号の説明】
10 減揺制御装置 11 船舶 13 船体 14〜17 フィン 18〜21 サーボ駆動手段 23 ピッチ角検出器 24 ロール角検出器 25 ピッチ制御手段 26 ロール制御手段 27 揚力配分演算手段 28〜31 フィン角度演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−80795(JP,A) 特開 昭46−3678(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)船体13の前部に、迎角が可変で
    ある前部右舷フィン14と、迎角が可変である前部左舷
    フィン15とが設けられ、 船体13の後部に、迎角が可変である後部右舷フィン1
    6と迎角が可変である後部左舷フィン17とが設けら
    れ、 (b)船体13のピッチ角θを検出するピッチ角検出器
    23と、 (c)ピッチ角検出器23の出力に応答し、ピッチ角θ
    を零に復元するために必要な船体13に作用すべき回転
    力に相当するピッチングモーメントMp、 MP = Lp1・F1+LP2・F2−LP3・F3−LP4・F4 を求め、ここで、前部右舷フィン14、前部左舷フィン
    15、後部右舷フィン16および後部左舷フィン17が
    発生すべき各揚力をF1,F2,F3,F4とし、 前部右舷フィン14、前部左舷フィン15、後部右舷フ
    ィン16および後部左舷フィン17のピッチングについ
    ての船体13の重心Gからの船体13の前後方向に沿う
    各距離をLP1,LP2,LP3,LP4とするピッチ制御手段
    25と、 (d)船体13のロール角φを検出するロール角検出器
    24と、 (e)ロール角検出器24の出力に応答し、ロール角φ
    零に復元するために必要な船体13に作用すべき回転力
    に相当するローリングモーメントMR、 MR = LR1・F1+LR2・F2−LR3・F3−LR4・F4 を求め、ここで、ローリングについての船体13の重心
    Gからの船体13の左右方向に沿う各距離をLR1
    R2,LR3,LR4とするロール制御手段26と、 (f)ピッチ制御手段25とロール制御手段26との出
    力に応答し、 F1 = t11・MP+t12・MR F2 = t21・MP+t22・MR F3 = t31・MP+t32・MR F4 = t41・MP+t42・MR を求め、ここで、 【数1】 である揚力配分演算手段27と、 (g)船体13の航行速度を計測する航行速度検出器
    と、 (h)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
    に応答し、 【数2】 に基づき、前部右舷フィン14の迎角δ1を求め、ここ
    で、UHは航行速度検出器によって検出された航行速
    度、CL1は前部右舷フィン14の揚力係数、AF1は前部
    右舷フィン14の面積、ρは水の密度である前部右舷フ
    ィン角度演算手段28と、 (i)右舷フィン角度演算手段28の出力に応答し、前
    部右舷フィン14の迎角δ1となるように前部右舷フィ
    ン14を角変位駆動する前部右舷フィン駆動手段18
    と、 (j)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
    に応答し、 【数3】 に基づき、前部左舷フィン15の迎角δ2を求め、ここ
    で、CL2は前部左舷フィン15の揚力係数、AF2は前部
    左舷フィン15の面積である前部左舷フィン角度演算手
    段29と、 (k)前部左舷フィン角度演算手段29の出力に応答
    し、前部左舷フィン15の迎角δ2となるように前部左
    舷フィン15を角変位駆動する前部左舷フィン駆動手段
    19と、 (l)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
    に応答し、 【数4】 に基づき、後部右舷フィン16の迎角δ3を求め、ここ
    で、CL3は後部右舷フィン16の揚力係数、AF3は後部
    右舷フィン16の面積である後部右舷フィン角度演算手
    段30と、 (m)後部右舷フィン角度演算手段30の出力に応答
    し、後部右舷フィン16の迎角δ3となるように後部右
    舷フィン16を角変位駆動する後部右舷フィン駆動手段
    20と、 (n)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
    に応答し、 【数5】 に基づき、後部左舷フィン17の迎角δ4を求め、ここ
    で、CL4は後部左舷フィン17の揚力係数、AF4は後部
    左舷フィン17の面積である後部左舷フィン角度演算手
    段31と、 (o)後部左舷フィン角度演算手段31の出力に応答
    し、後部左舷フィン17の迎角δ4となるように後部左
    舷フィン17を角変位駆動する後部左舷フィン駆動手段
    21とを含むことを特徴とする船舶の減揺制御装置。
  2. 【請求項2】 (a)船体13の前部に、迎角が可変で
    ある前部右舷フィン14と、迎角が可変である前部左舷
    フィン15とが設けられ、 船体13の後部に、迎角が可変である後部右舷フィン1
    6と迎角が可変である後部左舷フィン17とが設けら
    れ、 (b)船体13のピッチ角速度を検出するピッチ角速度
    検出器と、 (c)ピッチ角速度検出器の出力に応答し、ピッチ角速
    度検出器の出力を積分してピッチ角θを求め、ピッチ角
    θを零に復元するために必要な船体13に作用すべき回
    転力に相当するピッチングモーメントMp、 MP = Lp1・F1+LP2・F2−LP3・F3−LP4・F4 を求め、ここで、前部右舷フィン14、前部左舷フィン
    15、後部右舷フィン16および後部左舷フィン17が
    発生すべき各揚力をF1,F2,F3,F4とし、 前部右舷フィン14、前部左舷フィン15、後部右舷フ
    ィン16および後部左舷フィン17のピッチングについ
    ての船体13の重心Gからの船体13の前後方向に沿う
    各距離をLP1,LP2,LP3,LP4とするピッチ制御手段
    25と、 (d)船体13のロール角速度を検出するロール角速度
    検出器と、 (e)ロール角速度検出器の出力に応答し、ロール角速
    度検出器の出力を積分してロール角φを求め、ロール角
    φを零に復元するために必要な船体13に作用すべき回
    転力に相当するローリングモーメントMR、 MR = LR1・F1+LR2・F2−LR3・F3−LR4・F4 を求め、ここで、ローリングについての船体13の重心
    Gからの船体13の左右方向に沿う各距離をLR1
    R2,LR3,LR4とするロール制御手段26と、 (f)ピッチ制御手段25とロール制御手段26との出
    力に応答し、 F1 = t11・MP+t12・MR F2 = t21・MP+t22・MR F3 = t31・MP+t32・MR F4 = t41・MP+t42・MR を求め、ここで、 【数6】 である揚力配分演算手段27と、 (g)船体13の航行速度を計測する航行速度検出器
    と、 (h)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
    に応答し、 【数7】 に基づき、前部右舷フィン14の迎角δ1を求め、ここ
    で、UHは航行速度検出器によって検出された航行速
    度、CL1は前部右舷フィン14の揚力係数、AF1は前部
    右舷フィン14の面積、ρは水の密度である前部右舷フ
    ィン角度演算手段28と、 (i)右舷フィン角度演算手段28の出力に応答し、前
    部右舷フィン14の迎角δ1となるように前部右舷フィ
    ン14を角変位駆動する前部右舷フィン駆動手段18
    と、 (j)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
    に応答し、 【数8】 に基づき、前部左舷フィン15の迎角δ2を求め、ここ
    で、CL2は前部左舷フィン15の揚力係数、AF2は前部
    左舷フィン15の面積である前部左舷フィン角度演算手
    段29と、 (k)前部左舷フィン角度演算手段29の出力に応答
    し、前部左舷フィン15の迎角δ2となるように前部左
    舷フィン15を角変位駆動する前部左舷フィン駆動手段
    19と、 (l)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
    に応答し、 【数9】 に基づき、後部右舷フィン16の迎角δ3を求め、ここ
    で、CL3は後部右舷フィン16の揚力係数、AF3は後部
    右舷フィン16の面積である後部右舷フィン角度演算手
    段30と、 (m)後部右舷フィン角度演算手段30の出力に応答
    し、後部右舷フィン16の迎角δ3となるように後部右
    舷フィン16を角変位駆動する後部右舷フィン駆動手段
    20と、 (n)揚力配分演算手段27と航行速度検出器との出力
    に応答し、 【数10】 に基づき、後部左舷フィン17の迎角δ4を求め、ここ
    で、CL4は後部左舷フィン17の揚力係数、AF4は後部
    左舷フィン17の面積である後部左舷フィン角度演算手
    段31と、 (o)後部左舷フィン角度演算手段31の出力に応答
    し、後部左舷フィン17の迎角δ4となるように後部左
    舷フィン17を角変位駆動する後部左舷フィン駆動手段
    21とを含むことを特徴とする船舶の減揺制御装置。
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