以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタ、特に、ドット式のプリンタについて説明する。
図4は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を説明するための第1の図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を説明するための第2の図である。
図において、20は回転自在に配設されたプラテン、21は該プラテン20と対向させて配設された印字ヘッド、24、28は媒体としての用紙Pをプラテン20と印字ヘッド21との間の印字部Dtに案内する上側及び下側のシートガイドであり、該シートガイド24、28によって、用紙Pを搬送するための搬送路が形成される。また、30は前記印字部Dtにおいて走行自在に配設されたインクリボン、Rは、シートガイド24の一端に形成された隙間を介してプリンタの筐体内に進入する外光である。前記印字ヘッド21は、図示されない複数の印字ワイヤを備え、該印字ワイヤを印刷データに応じて選択的に印字ヘッド21の先端から突出させて、インクリボン30を介して用紙Pを打ち付けることによって用紙P上にドットが形成され、印字が行われる。
本実施の形態においては、前記用紙Pとして、両縁に紙送り用の複数の穴が所定のピッチで形成され、所定の大きさに折り畳まれた連続紙が使用される。そして、前記用紙Pを搬送するために、シートガイド28に隣接させてトラクタ27が配設され、該トラクタ27において、前記用紙Pの各穴と係止させられる図示されない突起を移動させることによって、用紙Pを搬送することができる。なお、本実施の形態においては、トラクタ27として、前記印字部Dtの前方から給紙を行うようにしたフロントプッシュトラクタが使用されるようになっているが、印字部Dtの後方から給紙を行うようにしたリヤプッシュトラクタを使用することができる。
また、本実施の形態においては、トラクタ27によって給紙された連続紙が、シートガイド24、28によって形成された搬送路に沿って搬送されるとともに、図示されない手差し装置又はカットシートフィーダによって給紙された単票が、他の搬送路に沿って搬送される。
前記シートガイド28における前記印字部Dtと隣接する箇所、本実施の形態においては、用紙Pの搬送方向における印字部Dtより上流側の近傍に、用紙Pの有無を検出するための媒体検出部St11が設定され、該媒体検出部St11に媒体検出子としての反射型の光学センサ29が配設される。該光学センサ29は、第1の検出素子としての、かつ、発光部としての発光ダイオードPHD、及び第2の検出素子としての、かつ、受光部としての受光トランジスタPHTRを備え、前記発光ダイオードPHD及び受光トランジスタPHTRは、シートガイド28にそれぞれ形成された穴h1を介して搬送路に臨ませて配設される。そして、図5に示されるように、媒体検出部St11に用紙Pがある場合、発光ダイオードPHDの光が用紙Pによって反射されて受光トランジスタPHTRを照射し、受光トランジスタPHTRをオンにする。これにより、媒体検出部St11に用紙Pがあることが検出される。
なお、このとき、外光Rは、用紙Pによって遮られ、受光トランジスタPHTRを照射しない。
また、図4に示されるように、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、発光ダイオードPHDの光は用紙Pによって反射されず、受光トランジスタPHTRを照射しないので、該受光トランジスタPHTRはオフになり、用紙Pは検出されない。なお、前記シートガイド24における前記光学センサ29と対向する部分に穴h2が形成され、光の反射を防止するための反射防止部材としての反射防止シート23が前記穴h2を介して搬送路に臨ませて配設される。なお、後述されるように、実際は反射防止シート23によってわずかに光が反射される。
次に、前記媒体検出部St11における用紙Pの有無を検出するための媒体検出回路について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの媒体検出回路を示す概念図である。
図において、10は制御用のプログラム、データ等を記録するための第1の記憶装置としてのROM、11は各種の設定値を記録するための第2の記憶装置としてのEEPROM、12は各種のデータを一時的に記録するための第3の記憶装置としてのRAMであり、前記ROM10、EEPROM11及びRAM12は、主制御部としての、かつ、マイクロコントローラとしてのCPU13に接続される。
また、該CPU13には、前記ROM10、EEPROM11及びRAM12のほかに、複数の、本実施の形態においては、三つの光学センサ回路A〜Cが接続される。この場合、光学センサ回路A〜Cは構造が同じであるので、シートガイト24、28によって形成される搬送路に沿って搬送される用紙Pの有無を検出するための光学センサ回路Aについて説明し、他の搬送路に沿って搬送される用紙Pの有無を検出するための光学センサ回路B、Cについては、説明を省略する。
前記光学センサ回路Aは、スイッチング素子としてのトランジスタTR11、抵抗R11、R12、光学センサ29等を備え、該光学センサ29は、発光ダイオードPHD及び受光トランジスタPHTRを備える。
そして、前記トランジスタTR11のベースが、CPU13の所定のポート、本実施の形態においては、ポートP6に接続され、トランジスタTR11のエミッタが、電源Vcc、受光トランジスタPHTRのコレクタ、及び抵抗R13〜R16の一方の端子に接続され、トランジスタTR11のコレクタが抵抗R11の一方の端子に接続される。
また、抵抗R11の他方の端子は発光ダイオードPHDのアノードに接続され、発光ダイオードPHDのカソードは、接地されるとともに、抵抗R12の一方の端子に接続され、抵抗R12の他方の端子は、受光トランジスタPHTRのエミッタ、及び比較器としてのコンパレータCMP1の非反転入力端子(+)に接続される。なお、光学センサ回路B、Cにおいて、抵抗R12の他方の端子は、受光トランジスタPHTRのエミッタ、及び比較器としてのコンパレータCMP2、CMP3の非反転入力端子(+)に接続される。
前記コンパレータCMP1の反転入力端子(−)には、抵抗R13の他方の端子、及び抵抗R17〜R20の一方の端子が接続され、抵抗R17の他方の端子はCPU13のポートP2に、抵抗R18の他方の端子はCPU13のポートP1に、抵抗R19の他方の端子はCPU13のポートP0に接続され、抵抗R20の他方の端子は接地される。
そして、前記コンパレータCMP1〜CMP3の出力端子は、抵抗R14〜R16の他方の端子、及びCPU13のポートP3〜P5にそれぞれ接続される。
なお、抵抗R12はグラウンドレベルの電圧を設定するためのプルダウン抵抗であり、抵抗R14〜R16は電源Vccの電圧を設定するためのプルアップ抵抗であり、抵抗R13、R17〜R20は、コンパレータCMP1〜CMP3の反転入力端子(−)にスライス電圧を入力するための分圧抵抗である。
次に、前記構成のプリンタの動作について説明する。
図6は本発明の第1の実施の形態におけるCPUの制御ブロック図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第1のフローチャート、図8は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第2のフローチャート、図9は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの動作を示すタイムチャート、図10は本発明の第1の実施の形態における用紙の有無の判断結果を示す図である。なお、図9及び10において、「強」は外光Rが強いことを、「弱、無」は外光Rが弱いか又はないことを、「有」は用紙Pがあることを、「無」は用紙Pがないことを表す。
まず、電源が投入され、プリンタが起動されると、CPU13の検出出力取得処理手段Pm1は、検出出力取得処理を行い、ROM10(図1)に記録されたプログラムに基づいて、光学センサ29の検出出力を取得する。
そのために、検出出力取得処理手段Pm1は、トランジスタTR11をオンにし、抵抗R11を介して発光ダイオードPHDのアノードに電流を供給し、発光ダイオードPHDをオンにする。これにより、発光電圧としての発光素子電圧Vdがハイレベル(H)になり、発光ダイオードPHDが発光させられる。
ところで、該発光ダイオードPHDの発光に伴って受光トランジスタPHTRがオンになると、受光トランジスタPHTRのエミッタに、受光状態を表す電圧、すなわち、受光電圧としての受光素子電圧Vtが発生し、コンパレータCMP1の非反転入力端子(+)に入力される。
前記媒体検出部St11に用紙Pがある場合、発光ダイオードPHDが発光させられると、該発光ダイオードPHDの光は用紙Pによって反射されて受光トランジスタPHTRを照射するので、前記受光素子電圧Vtは、ラインL1で示されるように、受光トランジスタPHTRの特性によって決まる所定の時定数で発生させられ、高くなる。また、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、前記発光ダイオードPHDの光が反射防止シート23によってわずかに反射されて受光トランジスタPHTRを照射するので、前記受光素子電圧Vtは、ラインL2で示されるように、前記所定の時定数でわずかに高くなる。
なお、コンパレータCMP1の反転入力端子(−)には、抵抗R13、R17〜R20の値で決まるスライス電圧VSが入力される。そのために、スライス電圧VSの設定データが前記EEPROM11にあらかじめ記録され、前記検出出力取得処理手段Pm1は、EEPROM11からスライス電圧VSの設定データを読み出し、該設定データに基づいてポートP0〜P2の信号をハイレベルとローレベルとで切り換え、抵抗R17〜19のうちの所定の抵抗と抵抗R20とを組み合わせる。これにより、スライス電圧VSがあらかじめ設定される。
そして、コンパレータCMP1は、非反転入力端子(+)に入力される受光素子電圧Vtと反転入力端子(−)に入力されるスライス電圧VSとを比較し、出力端子から比較結果を表す比較結果信号、すなわち、出力信号SGを出力する。なお、該出力信号SGは、受光素子電圧Vtがスライス電圧VS以上である場合、ハイレベル(H)に、受光素子電圧Vtがスライス電圧VSより低い場合、ローレベル(L)になり、CPU13のポートP3に入力される。
そこで、前記検出出力取得処理手段Pm1は、ROM10に記録されたプログラムに基づいて、所定のタイミング、本実施の形態においては、発光ダイオードPHDをオンにし、発生させた直後の第1の検出タイミングτ1でコンパレータCMP1の出力信号SG1を光学センサ29の検出出力として読み込み、前記出力信号SG1を、前記媒体検出部St11における用紙Pの有無を判断するための媒体有無判断データとしてRAM12に記録する。
続いて、前記検出出力取得処理手段Pm1は、第1の検出タイミングτ1から、所定の時間δ1が経過したかどうかを判断し、所定の時間δ1が経過すると、第2の検出タイミングτ2で、再びコンパレータCMP1の出力信号SG2を検出出力として読み込み、前記出力信号SG2を媒体有無判断データとしてRAM12に記録する。なお、本実施の形態において、前記所定の時間δ1は、媒体検出部St11に用紙Pがある場合に、受光素子電圧Vtが高くなるときの、時定数に応じて設定される。
このようにして、第1、第2の検出タイミングτ1、τ2でコンパレータCMP1の出力信号SG1、SG2が読み込まれ、RAM12に記録されると、前記検出出力取得処理手段Pm1は、ROM10に記録されたプログラムに基づいてトランジスタTR11をオフにし、発光ダイオードPHDのアノードへの電流の供給を停止させ、発光ダイオードPHDをオフにする。これにより、発光素子電圧Vdがローレベルになり、発光ダイオードPHDの発光が停止させられる。
発光ダイオードPHDの発光の停止に伴って受光トランジスタPHTRがオフになると、受光トランジスタPHTRのエミッタに発生する受光素子電圧Vtが低くなる。
このとき、媒体検出部St11に用紙Pがある場合、前記受光素子電圧Vtは、ラインL3で示されるように、受光トランジスタPHTRの特性によって決まる所定の時定数で低くなる。また、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、受光素子電圧Vtは、ラインL4で示されるように、前記所定の時定数でわずかに低くなる。
次に、前記CPU13の検出出力判断処理手段としての媒体有無判断処理手段Pm2は、検出出力判断処理としての媒体有無判断処理を行い、RAM12から出力信号SG1、SG2を読み出し、該出力信号SG1、SG2のハイレベル及びローレベルの組合せに基づいて媒体検出部St11に用紙Pがあるかどうかを判断する。
ところで、前述されたように、光学センサ29と対向させて反射防止シート23(図4)が配設されているので、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、発光ダイオードPHDがオン・オフされても、ラインL2、L4で示されるように、受光素子電圧Vtは極めて低い。したがって、媒体検出部St11に用紙Pがない場合に、外光Rがプリンタの筐体内に進入し、受光トランジスタPHTRを照射した場合、受光素子電圧Vtは、ほぼ外光Rの強度に応じて決まる値を採る。すなわち、媒体検出部St11に用紙Pがない場合において、外光Rが強い場合、発光ダイオードPHDのオン・オフに関係なく、受光素子電圧Vtはスライス電圧VSより高い一定の値VHを採り、外光Rが弱いか又はない場合、発光ダイオードPHDのオン・オフに関係なく、受光素子電圧Vtはスライス電圧VSより低い一定の値VLを採る。
また、媒体検出部St11に用紙Pがある場合、用紙Pによって外光Rは遮られるので、受光素子電圧Vtは、外光Rの影響を受けず、前記発光ダイオードPHDをオン・オフすることによってラインL1、L3に沿って変化する。
したがって、外光Rが強く、媒体検出部St11に用紙Pがある場合、受光素子電圧Vtは、外光Rの影響を受けず、ラインL1、L3に沿って変化するので、図9(a)に示されるように、第1の検出タイミングτ1でスライス電圧VSより低い値を、第2の検出タイミングτ2でスライス電圧VSより高い値を採る。その結果、図10に示されるように、出力信号SG1はローレベルに、出力信号SG2はハイレベルになる。
また、外光Rが弱いか又はなく、媒体検出部St11に用紙Pがある場合、受光素子電圧Vtは、外光Rの影響を受けず、ラインL1、L3に沿って変化するので、図9(b)に示されるように、第1の検出タイミングτ1でスライス電圧VSより低い値を、第2の検出タイミングτ2でスライス電圧VSより高い値を採る。その結果、図10に示されるように、出力信号SG1はローレベルに、出力信号SG2はハイレベルになる。
そして、外光Rが強く、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、受光素子電圧Vtは、発光ダイオードPHDのオン・オフに関係なく、図9(c)に示されるように、スライス電圧VSより高い一定の値VHを採る。その結果、図10に示されるように、出力信号SG1、SG2はいずれもハイレベルになる。
また、外光Rが弱いか又はなく、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、受光素子電圧Vtは、発光ダイオードPHDのオン・オフに関係なく、図9(d)に示されるように、スライス電圧VSより低い一定の値VLを採る。その結果、図10に示されるように、出力信号SG1、SG2はいずれもローレベルになる。
したがって、前記媒体有無判断処理手段Pm2は、出力信号SG1がローレベルであり、かつ、出力信号SG2がハイレベルであるかどうかによって、媒体検出部St11に用紙Pがあるかどうかを判断する。出力信号SG1がローレベルであり、かつ、出力信号SG2がハイレベルである場合、媒体有無判断処理手段Pm2は媒体検出部St11に用紙Pがあると判断し、出力信号SG1、SG2がいずれもハイレベルである場合、又は出力信号SG1、SG2がいずれもローレベルである場合、媒体有無判断処理手段Pm2は媒体検出部St11に用紙Pがないと判断する。
媒体検出部St11に用紙Pがある場合、CPU13の搬送処理手段Pm3は、搬送処理を行い、用紙Pの前端が、媒体検出部St11と印字部Dtとの間に配設された図示されない媒体検出部としての用紙センサによって検出されたかどうかを判断し、用紙Pの前端が検出されると、搬送用の駆動部としての図示されない搬送モータを駆動し、プラテン20(図4)を回転させ、用紙Pにおける印字領域の前端が印字部Dtに到達するまで用紙Pを搬送する。続いて、CPU13の印字処理手段Pm4は、印字処理を行い、用紙Pに対して印字を行い、前記搬送処理手段Pm3は、前記搬送モータを駆動することによって用紙Pを1ステップ分搬送し、改行する。したがって、用紙Pを繰り返し改行して印字を行うことができる。
また、前記媒体有無判断処理において媒体検出部St11に用紙Pがないと判断されると、CPU13の外光レベル判断処理手段Pm5は、外光レベル判断処理を行い、出力信号SG1、SG2がいずれもハイレベル(H)であるかどうかによって、外光の強度を判断する。出力信号SG1、SG2がいずれもハイレベルである場合、外光レベル判断処理手段Pm5は、外光Rが強いと判断し、CPU13の通知処理手段Pm6は、通知処理を行い、プリンタの筐体に配設された図示されない表示部にアラーム表示を行い、媒体検出部St11に用紙Pがなく、印字を行うことが困難であることを操作者に通知する。そして、前記印字処理手段Pm4は印字を行うことなく、処理を終了する。
また、外光レベル判断処理において、出力信号SG1、SG2がいずれもローレベル(L)であり、外光Rが強くない(弱いか又はない)と判断されると、前記搬送処理手段Pm3は、媒体検出部St11に用紙Pがないと判断し、前記用紙センサによって用紙Pの後端が検出されたかどうかを判断し、用紙Pの後端が検出されると、用紙Pを印字部Dtから排出する。
次に、図7及び8のフローチャートについて説明する。
ステップS1 プリンタが起動される。
ステップS2 検出出力取得処理手段Pm1は発光ダイオードPHDをオンにする。
ステップS3 検出出力取得処理手段Pm1は第1の検出タイミングτ1でコンパレータCMP1の出力信号SG1を読み込む。
ステップS4 検出出力取得処理手段Pm1は出力信号SG1をRAM12に記録する。
ステップS5 検出出力取得処理手段Pm1は所定の時間δ1が経過するのを待機し、所定の時間δ1が経過した場合はステップS6に進む。
ステップS6 検出出力取得処理手段Pm1は第2の検出タイミングτ2でコンパレータCMP1の出力信号SG2を読み込む。
ステップS7 検出出力取得処理手段Pm1は出力信号SG2をRAM12に記録する。
ステップS8 検出出力取得処理手段Pm1は発光ダイオードPHDをオフにする。
ステップS9 媒体有無判断処理手段Pm2は出力信号SG1がローレベル(L)であり、かつ、出力信号SG2がハイレベル(H)であるかどうかを判断する。出力信号SG1がローレベルであり、かつ、出力信号SG2がハイレベルである場合はステップS15に、出力信号SG1、SG2がいずれもハイレベルである場合、又は出力信号SG1、SG2がいずれもローレベルである場合はステップS10に進む。
ステップS10 外光レベル判断処理手段Pm5は出力信号SG1、SG2がいずれもハイレベルであるかどうかを判断する。出力信号SG1、SG2がいずれもハイレベルである場合はステップS13に、出力信号SG1、SG2がいずれもローレベルである場合はステップS11に進む。
ステップS11 搬送処理手段Pm3は用紙Pの後端を検出したかどうかを判断する。用紙Pの後端を検出した場合はステップS14に、用紙Pの後端を検出しない場合はステップS12に進む。
ステップS12 搬送処理手段Pm3は用紙Pを1ステップ分搬送し、ステップS2に戻る。
ステップS13 通知処理手段Pm6はアラーム表示を行い、処理を終了する。
ステップS14 搬送処理手段Pm3は用紙Pを印字部Dtから排出し、処理を終了する。
ステップS15 搬送処理手段Pm3は用紙Pの前端を検出したかどうかを判断する。用紙Pの前端を検出した場合はステップS16に、用紙Pの前端を検出しない場合はステップS17に進む。
ステップS16 搬送処理手段Pm3は用紙Pを搬送する。
ステップS17 印字処理手段Pm4は印字を行い、ステップS12に進む。
このように、本実施の形態においては、第1、第2の検出タイミングτ1、τ2における受光素子電圧Vt、及びあらかじめ設定されたスライス電圧VSに基づいて出力信号SG1、SG2が取得され、該出力信号SG1、SG2のハイレベル及びローレベルの組合せに基づいて媒体検出部St11に用紙Pがあるかどうかが判断されるので、外光Rの影響を受けることなく、媒体検出部St11において用紙Pの有無を精度良く検出することができる。
しかも、光学センサ29の受光トランジスタPHTRをオンにした状態のままで媒体検出部St11に用紙Pがあるかどうかが判断されるので、媒体検出部St11において用紙Pを容易に、かつ、短時間で検出することができる。
また、本実施の形態においては、前記媒体検出部St11における用紙Pの有無を検出するために、コンパレータCMP1〜CMP3が使用されるので、ADコンバータ等を配設する必要がなく、媒体検出回路のコストを低くすることができる。
さらに、コンパレータCMP1〜CMP3の各反転入力端子(−)には、抵抗R13、R17〜R20の値で決まる共通のスライス電圧VSが入力されるので、媒体検出回路のコストを一層低くすることができる。
そして、ポートP6の信号をローレベルにしたり、ハイレベルにしたりすることによって、発光ダイオードPHDをオン・オフすることができるので、用紙Pの有無を検出する必要がない場合は、発光ダイオードPHDをオフにしておくことができる。したがって、発光ダイオードPHDの耐久性を高くすることができるだけでなく、媒体検出回路の消費電力を小さくすることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図11は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの媒体検出回路を示す概念図である。
図において、10は制御用のプログラム、データ等を記録するための第1の記憶装置としてのROM、11は各種の設定値を記録するための第2の記憶装置としてのEEPROM、12は各種のデータを一時的に記録するための第3の記憶装置としてのRAMであり、前記ROM10、EEPROM11及びRAM12は、主制御部としての、かつ、マイクロコントローラとしてのCPU13に接続される。
また、該CPU13には、前記ROM10、EEPROM11及びRAM12のほかに、複数の、本実施の形態においては、三つの光学センサ回路A〜Cが接続される。この場合、光学センサ回路A〜Cは構造が同じであるので、シートガイド24、28(図4)によって形成される搬送路に沿って搬送される媒体としての用紙Pの有無を検出するための光学センサ回路Aについて説明する。
該光学センサ回路Aは、スイッチング素子としてのトランジスタTR11、抵抗R11、R12、媒体検出子としての反射型の光学センサ29等を備え、該光学センサ29は、第1の検出素子としての、かつ、発光部としての発光ダイオードPHD、及び第2の検出素子としての、かつ、受光部としての受光トランジスタPHTRを備える。
そして、前記トランジスタTR11のベースが、CPU13の所定のポート、本実施の形態においては、ポート6に接続され、トランジスタTR11のエミッタが、電源Vcc及び受光トランジスタPHTRのコレクタに接続され、トランジスタTR11のコレクタが抵抗R11の一方の端子に接続される。
また、抵抗R11の他方の端子は発光ダイオードPHDのアノードに接続され、発光ダイオードPHDのカソードは、接地されるとともに、抵抗R12の一方の端子に接続され、抵抗R12の他方の端子は、受光トランジスタPHTRのエミッタ及びCPU13のADコンバータAD3に接続される。なお、光学センサ回路B、Cにおいて、抵抗R12の他方の端子は、受光トランジスタPHTRのエミッタ及びCPU13のADコンバータAD4、AD5に接続される。
次に、画像形成装置としての前記構成のプリンタの動作について説明する。
図12は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第1のフローチャート、図13は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示す第2のフローチャート、図14は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの動作を示すタイムチャート、図15は本発明の第2の実施の形態における用紙の有無の判断結果を示す図である。なお、図14及び15において、「強」は外光Rが強いことを、「弱、無」は外光Rが弱いか又はないことを、「有」は用紙Pがあることを、「無」は用紙Pがないことを表す。
まず、電源が投入され、プリンタが起動されると、CPU13の前記検出出力取得処理手段Pm1は、ROM10に記録されたプログラムに基づいて、光学センサ29の検出出力を取得する。
そのために、検出出力取得処理手段Pm1は、トランジスタTR11をオンにし、抵抗R11を介して発光ダイオードPHDのアノードに電流を供給し、発光ダイオードPHDをオンにする。これにより、発光電圧としての発光素子電圧Vdがハイレベル(H)になり、発光ダイオードPHDが発光させられる。
ところで、該発光ダイオードPHDの発光に伴って受光トランジスタPHTRがオンになると、受光トランジスタPHTRのエミッタに、受光電圧としての受光素子電圧Vtが発生し、CPU13のADコンバータAD3に入力される。
前記媒体検出部St11(図5)に用紙Pがある場合、発光ダイオードPHDが発光させられると、該発光ダイオードPHDの光が用紙Pによって反射されて受光トランジスタPHTRを照射するので、前記受光素子電圧Vtは、ラインL1で示されるように、受光トランジスタPHTRの特性によって決まる所定の時定数で発生させられ、高くなる。また、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、前記発光ダイオードPHDの光が反射防止部材としての反射防止シート23によってわずかに反射されて受光トランジスタPHTRを照射するので、前記受光素子電圧Vtは、ラインL2で示されるように、前記所定の時定数でわずかに高くなる。
そこで、前記検出出力取得処理手段Pm1は、ROM10に記録されたプログラムに基づいて、EEPROM11にあらかじめ設定され、記録されているスライス電圧VS′のデータを読み込むとともに、所定のタイミング、本実施の形態においては、発光ダイオードPHDをオンにした直後の第1の検出タイミングτ1で受光素子電圧Vtを読み込み、ADコンバータAD3によってアナログ/ディジタル変換を行い、受光素子電圧Vtのデータとスライス電圧VS′のデータとを比較し、比較結果を表す比較結果信号SG1′を光学センサ29の検出出力とし、前記比較結果信号SG1′を、媒体検出部St11における用紙Pの有無を判断するための媒体有無判断データとしてRAM12に記録する。
続いて、前記検出出力取得処理手段Pm1は、第1の検出タイミングτ1から、所定の時間δ11が経過したかどうかを判断し、所定の時間δ11が経過すると、発光ダイオードPHDのデューティ制御を行い、オン・オフを繰り返す。なお、本実施の形態において、前記所定の時間δ11は、媒体検出部St11に用紙Pがある場合に、受光素子電圧Vtがスライス電圧VS′より高くなると想定される時間にされる。これにより、受光素子電圧Vtはスライス電圧VS′より高くなった後、平衡し、一定の値を採る。
そして、前記検出出力取得処理手段Pm1は、第1の検出タイミングτ1から、所定の時間δ12(δ12>δ11)が経過したかどうかを判断し、所定の時間δ12が経過すると、第2の検出タイミングτ2で受光素子電圧Vtを読み込み、該受光素子電圧Vtとスライス電圧VS′とを比較し、比較結果を表す比較結果信号SG2′を検出出力とし、前記比較結果信号SG2′を媒体有無判断データとしてRAM12に記録する。本実施の形態において、前記所定の時間δ12は、媒体検出部St11に用紙Pがある場合に、受光素子電圧Vtが高くなるときの、時定数に応じて設定される。
なお、前記比較結果信号SG1′、SG2′は、受光素子電圧Vtがスライス電圧VS′以上である場合、ハイレベルに、受光素子電圧Vtがスライス電圧VS′より低い場合、ローレベルになる。
このようにして、第1、第2の検出タイミングτ1、τ2で受光素子電圧Vtが読み込まれ、比較結果信号SG1′、SG2′がRAM12に記録されると、前記検出出力取得処理手段Pm1は、ROM10に記録されたプログラムに基づいてトランジスタTR11をオフにし、発光ダイオードPHDのアノードへの電流の供給を停止させ、発光ダイオードPHDをオフにする。これにより、発光素子電圧Vdがローレベルになり、発光ダイオードPHDの発光が停止させられる。
発光ダイオードPHDの発光の停止に伴って受光トランジスタPHTRがオフになると、受光トランジスタPHTRのエミッタに発生する受光素子電圧Vtが低くなる。
このとき、媒体検出部St11に用紙Pがある場合、前記受光素子電圧Vtは、ラインL3で示されるように、受光トランジスタPHTRの特性によって決まる所定の時定数で低くなる。また、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、受光素子電圧Vtは、ラインL4で示されるように、前記所定の時定数でわずかに低くなる。
次に、CPU13の検出出力判断処理手段としての前記媒体有無判断処理手段Pm2は、RAM12から比較結果信号SG1′、SG2′を読み出し、比較結果信号SG1′、SG2′のハイレベル及びローレベルの組合せに基づいて媒体検出部St11に用紙Pがあるかどうかを判断する。
ところで、前述されたように、光学センサ29と対向させて反射防止シート23が配設されているので、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、発光ダイオードPHDがオン・オフされても、ラインL2、L4で示されるように、受光素子電圧Vtは極めて低い。したがって、媒体検出部St11に用紙Pがない場合に、外光Rがプリンタの筐体内に進入し、受光トランジスタPHTRを照射した場合、受光素子電圧Vtは、ほぼ外光Rの強度に応じて決まる値を採る。すなわち、媒体検出部St11に用紙Pがない場合において、外光Rが強い場合、発光ダイオードPHDのオン・オフに関係なく、受光素子電圧Vtはスライス電圧VS′より高い一定の値VHを採り、外光Rが弱いか又はない場合、発光ダイオードPHDのオン・オフに関係なく、受光素子電圧Vtはスライス電圧VS′より低い一定の値VLを採る。
また、媒体検出部St11に用紙Pがある場合、用紙Pによって遮られるので、受光素子電圧Vtは、外光Rの影響を受けず、前記発光ダイオードPHDをオン・オフすることによってラインL1、L3に沿って変化する。
したがって、外光Rが強く、媒体検出部St11に用紙Pがある場合、受光素子電圧Vtは、外光Rの影響を受けず、ラインL1、L3に沿って変化するので、図14(a)に示されるように、第1の検出タイミングτ1でスライス電圧VS′より低い値を、第2の検出タイミングτ2でスライス電圧VS′より高い値を採る。その結果、図15に示されるように、比較結果信号SG1′はローレベルに、比較結果信号SG2′はハイレベルになる。
また、外光Rが弱いか又はなく、媒体検出部St11に用紙Pがある場合、受光素子電圧Vtは、外光Rの影響を受けず、ラインL1、L3に沿って変化するので、図14(b)に示されるように、第1の検出タイミングτ1でスライス電圧VS′より低い値を、第2の検出タイミングτ2でスライス電圧VS′より高い値を採る。その結果、図15に示されるように、比較結果信号SG1′はローレベルに、比較結果信号SG2′はハイレベルになる。
そして、外光Rが強く、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、受光素子電圧Vtは、発光ダイオードPHDのオン・オフに関係なく、図14(c)に示されるように、スライス電圧VS′より高い一定の値VHを採る。その結果、図15に示されるように、比較結果信号SG1′、SG2′はいずれもハイレベルになる。
また、外光Rが弱いか又はなく、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、受光素子電圧Vtは、発光ダイオードPHDのオン・オフに関係なく、図14(d)に示されるように、スライス電圧VS′より低い一定の値VLを採る。その結果、図15に示されるように、比較結果信号SG1′、SG2′はいずれもローレベルになる。
したがって、前記媒体有無判断処理手段Pm2は、比較結果信号SG1′がローレベルであり、かつ、比較結果信号SG2′がハイレベルであるかどうかによって、媒体検出部St11に用紙Pがあるかどうかを判断する。比較結果信号SG1′がローレベルであり、かつ、比較結果信号SG2′がハイレベルである場合、媒体有無判断処理手段Pm2は媒体検出部St11に用紙Pがあると判断し、比較結果信号SG1′、SG2′がいずれもハイレベルである場合、又は比較結果信号SG1′、SG2′がいずれもローレベルである場合、媒体有無判断処理手段Pm2は媒体検出部St11に用紙Pがないと判断する。
媒体検出部St11に用紙Pがある場合、CPU13の搬送処理手段Pm3は、用紙Pの前端が媒体検出部としての用紙センサによって検出されたかどうかを判断し、用紙Pの前端が検出されると、搬送用の駆動部としての搬送モータを駆動し、プラテン20を回転させ、用紙Pにおける印字領域の前端が印字部Dtに到達するまで用紙Pを搬送する。続いて、CPU13の印字処理手段Pm4は、用紙Pに対して印字を行い、前記搬送処理手段Pm3は、前記搬送モータを駆動することによって用紙Pを1ステップ分搬送し、改行する。したがって、用紙Pを繰り返し改行して印字を行うことができる。
また、前記媒体有無判断処理において媒体検出部St11に用紙Pがないと判断されると、CPU13の前記外光レベル判断処理手段Pm5は、比較結果信号SG1′、SG2′がいずれもハイレベルであるかどうかによって、外光の強度を判断する。比較結果信号SG1′、SG2′がいずれもハイレベルである場合、外光レベル判断処理手段Pm5は、外光Rが強いと判断し、CPU13の前記通知処理手段Pm6は、プリンタの筐体に配設された表示部にアラーム表示を行い、媒体検出部St11に用紙Pがなく、印字を行うことが困難であることを操作者に通知する。そして、前記印字処理手段Pm4は印字を行うことなく、処理を終了する。
また、外光レベル判断処理において、比較結果信号SG1′、SG2′がいずれもローレベルであり、外光Rが強くない(弱いか又はない)と判断されると、前記搬送処理手段Pm3は、用紙Pの後端が検出されたかどうかを判断し、用紙Pの後端が検出されると、用紙Pを印字部Dtから排出する。
次に、図12及び13のフローチャートについて説明する。
ステップS31 プリンタが起動される。
ステップS32 検出出力取得処理手段Pm1は発光ダイオードPHDをオンにする。
ステップS33 検出出力取得処理手段Pm1は第1の検出タイミングτ1で受光素子電圧Vtを読み込む。
ステップS34 検出出力取得処理手段Pm1は比較結果信号SG1′をRAM12に記録する。
ステップS35 検出出力取得処理手段Pm1は所定の時間δ11が経過するのを待機し、所定の時間δ11が経過した場合はステップS36に進む。
ステップS36 検出出力取得処理手段Pm1はデューティ制御を行う。
ステップS37 検出出力取得処理手段Pm1は第2の検出タイミングτ2で受光素子電圧Vtを読み込む。
ステップS38 検出出力取得処理手段Pm1は比較結果信号SG2′をRAM12に記録する。
ステップS39 検出出力取得処理手段Pm1は発光ダイオードPHDをオフにする。
ステップS40 媒体有無判断処理手段Pm2は比較結果信号SG1′がローレベル(L)であり、かつ、比較結果信号SG2′がハイレベル(H)であるかどうかを判断する。比較結果信号SG1′がローレベルであり、かつ、比較結果信号SG2′がハイレベルである場合はステップS46に、比較結果信号SG1′、SG2′がいずれもハイレベルである場合、又は比較結果信号SG1′、SG2′がいずれもローレベルである場合はステップS41に進む。
ステップS41 外光レベル判断処理手段Pm5は比較結果信号SG1′、SG2′がいずれもハイレベル(H)であるかどうかを判断する。比較結果信号SG1′、SG2′がいずれもハイレベルである場合はステップS44に、比較結果信号SG1′、SG2′がいずれもローレベルである場合はステップS42に進む。
ステップS42 搬送処理手段Pm3は用紙Pの後端を検出したかどうかを判断する。用紙Pの後端を検出した場合はステップS45に進み、用紙Pの後端を検出しない場合はステップS43に進む。
ステップS43 搬送処理手段Pm3は用紙Pを1ステップ分搬送し、ステップS32に戻る。
ステップS44 通知処理手段Pm6はアラーム表示を行い、処理を終了する。
ステップS45 搬送処理手段Pm3は用紙Pを印字部Dtから排出し、処理を終了する。
ステップS46 搬送処理手段Pm3は用紙Pの前端を検出したかどうかを判断する。用紙Pの前端を検出した場合はステップS47に、用紙Pの前端を検出しない場合はステップS48に進む。
ステップS47 搬送処理手段Pm3は用紙Pを搬送する。
ステップS48 印字処理手段Pm4は印字を行い、ステップS43に進む。
このように、本実施の形態においては、第1の検出タイミングτ1から所定の時間δ11が経過したときに、発光ダイオードPHDのデューティ制御が行われるので、受光素子電圧Vtが平衡し、一定の値を採るまでの時間を短くすることができる。したがって、第1の検出タイミングτ1から第2の検出タイミングτ2までの時間δ12を短くすることができるので、媒体検出部St11に用紙Pがあるかどうかを迅速に判断することができる。
また、発光ダイオードPHDのデューティ制御は、受光素子電圧Vtがスライス電圧VS′より高くなると行われるので、受光素子電圧Vtが平衡した後の値を低くすることができる。したがって、受光トランジスタPHTRがオフになって、受光素子電圧Vtが低くなるのに必要な時間を短くすることができるので、例えば、媒体検出部St11における単票等の用紙Pの有無を繰り返し検出する必要がある場合に、媒体検出部St11に用紙Pがあるかどうかを迅速に判断することができる。その結果、用紙Pの搬送速度を高く設定することができる。
さらに、発光ダイオードPHDのデューティ制御が行われるので、発光ダイオードPHDの耐久性を高くすることができるだけでなく、媒体検出回路の消費電力を小さくすることができる。
また、CPU13にADコンバータAD3〜AD5が配設されるので、媒体検出回路に、スライス電圧VS′を設定する回路、受光素子電圧Vtとスライス電圧VS′とを比較する回路等を配設する必要がない。したがって、媒体検出回路の回路規模を小さくすることができる。
ところで、前記第1、第2の実施の形態においては、媒体検出子として、反射型の光学センサ29を使用するようになっているが、透過型の光学センサを使用することができる。次に、透過型の光学センサを使用するようにした本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図16は本発明の第3の実施の形態におけるプリンタの動作を説明するための図、図17は本発明の第3の実施の形態における用紙の有無の判断結果を示す図である。なお、図17において、「強」は外光Rが強いことを、「弱、無」は外光Rが弱いか又はないことを、「有」は用紙Pがあることを、「無」は用紙Pがないことを表す。
図において、59は媒体検出子としての透過型の光学センサ、PHDは第1の検出素子としての、かつ、発光部としての発光ダイオード、PHTRは第2の検出素子としての、かつ、受光部としての受光トランジスタ、Pは媒体としての用紙、Rは外光である。
この場合、前記発光ダイオードPHDは用紙Pの搬送路より上方に、受光トランジスタPHTRは用紙Pの搬送路より下方に配設される。
そして、第1の実施の形態と同様に、発光ダイオードPHDをオンにすると、コンパレータCMP1(図1)の非反転入力端子(+)に受光トランジスタPHTRの受光電圧としての受光素子電圧Vtが、コンパレータCMP1の反転入力端子(−)にスライス電圧VSが入力され、前記コンパレータCMP1において受光素子電圧Vtとスライス電圧VSとが比較され、出力端子から比較結果を表す出力信号SGが出力される。
そして、主制御部としての、かつ、マイクロコントローラとしてのCPU13の前記検出出力取得処理手段Pm1は、第1の検出タイミングτ1で出力信号SG1を、第2の検出タイミングτ2で出力信号SG2を読み込み、媒体有無判断処理手段Pm2は、出力信号SG1、SG2のハイレベル及びローレベルの組合せに基づいて媒体検出部St11に用紙Pがあるかどうかを判断する。
したがって、媒体検出部St11に用紙Pがある場合、外光Rの強さに関係なく、発光ダイオードPHDの光及び外光Rは用紙Pによって遮られ、受光トランジスタPHTRに照射されないので、図17に示されるように、出力信号SG1、SG2はいずれもローレベルになる。
そして、外光Rが強く、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、受光素子電圧Vtは、発光ダイオードPHDのオン・オフに関係なく、スライス電圧VSより高い一定の値VHを採るので、図17に示されるように、出力信号SG1、SG2はハイレベルになる。
また、外光Rが弱いか又はなく、媒体検出部St11に用紙Pがない場合、受光素子電圧Vtは、外光Rの影響を受けず、ラインL1、L3(図9)に沿って変化し、第1の検出タイミングτ1でスライス電圧VSより低い値を、第2の検出タイミングτ2でスライス電圧VSより高い値を採る。その結果、図17に示されるように、出力信号SG1はローレベルに、出力信号SG2はハイレベルになる。
したがって、前記媒体有無判断処理手段Pm2は、出力信号SG1、SG2がいずれもローレベルである場合、媒体検出部St11に用紙Pがあると判断し、出力信号SG1、SG2がいずれもハイレベルである場合、又は出力信号SG1がローレベルであり、かつ、出力信号SG2がハイレベルである場合、媒体検出部St11に用紙Pがないと判断する。
前記各実施の形態においては、発光ダイオードPHDがオフになったときに、受光素子電圧Vtが、受光トランジスタPHTRの特性によって決まる所定の時定数で低くなるようになっているが、受光トランジスタPHTRのエミッタに、急速に放電を行うことができる急速放電回路を接続すると、受光素子電圧Vtを急速に低くすることができる。したがって、媒体検出部St11における単票等の用紙Pの有無を繰り返し検出する必要がある場合に、媒体検出部St11に用紙Pがあるかどうかを迅速に判断することができる。その結果、用紙Pの搬送速度を高く設定することができる。
また、前記各実施の形態においては、プリンタについて説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。