JP5907531B2 - 紙葉類識別装置 - Google Patents

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Description

本発明は、紙幣や金券など紙葉類の真贋判定を行う紙葉類識別装置に関する。特に、紙葉類に設けられたマイクロパターン(万線パターン)に基づいて真贋判定を行う紙葉類識別装置に関する。
自動販売機など紙幣の取り扱いを可能とする各種機器では、紙幣の真贋判定に基づいて適正な紙幣のみ受け付けることが行われている。従来、紙幣の真贋判定は、紙幣に印刷された印刷模様や、印刷の色味などに基づいて行われている。ところで、現行の紙幣においては、多数の微細線を並記しておき、微細線の間隔を僅かにずらすことで文字や図形を潜像として目視させるマイクロパターン(「万線パターン」ともいう)が採用されている。
従来、紙幣の真贋判定は、このマイクロパターン領域を見たとき潜像が視認できるか否か、すなわち、人の目視によって確認されるものであった。
特許文献1には、このマイクロパターンを装置にて真贋判定を行う紙葉類の真偽判別装置が開示されている。この真偽判定装置では、紙葉類の透過光を、潜像模様の文字や図形の線画部分で凹凸の線状パターンのずらし量よりも小さい間隔の周期の解像度で電気信号に変換することで、凹凸形状に対応した明暗万線パターンを取得することを特徴としている。
特許第4909696号公報
紙幣など紙葉類の判定は、特許文献1に開示されるようなマイクロパターンの判定以外に、色味検出、あるいは、マイクロパターンよりも大きな形状など、紙幣における各種特徴を検出して行われている。このような特徴検出は、各特徴検出のためにセンサを設けることが一般的であるが、特許文献1に開示されるマイクロパターンの検出を行う場合、そのためのセンサを追加することとなり、装置の製造コストの増加、並びに、部品数が増加することによる製造工程の煩雑化などが予想される。
本発明は、紙葉類の判定についてマイクロパターンの判定を採用することで紙葉類の判定精度向上を図ることを目的としている。その際、マイクロパターン以外の特徴検出を行うセンサと共用を図ることで、部品数を減らし、製造コスト並びに製造工程の削減を図ることを目的としている。そして、マイクロパターン検出のためのセンサを共用したことで発生するデータ欠けについても解消を図り、マイクロパターン検出を適正に行うこととしている。
そのため本発明に係る紙葉類識別装置は、以下の事項を特徴とするものである。
複数の微細線が並んで構成されたマイクロパターンを有する紙葉類を識別対象とする紙葉類識別装置において、
前記紙葉類を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段にて搬送される前記紙葉類の一面に第1の周波数帯域を有する光を照射す
る第1発光素子と、
前記搬送手段にて搬送される前記紙葉類の一面に第2の周波数帯域を有する光を照射する第2発光素子と、
前記搬送手段にて搬送される前記紙葉類の他面からの透過光を受光する受光素子と、
第1発光素子を発光させる第1期間と、第2発光素子を発光させる第2期間とを交互に繰り返す発光処理と、
前記第1期間において前記受光素子から出力される受光出力信号に基づいて、前記紙葉類の特徴を判定する第1判定処理と、
前記第2期間において前記受光素子から出力される受光出力信号の波形に対し、前記第1期間によって欠落した箇所を補間し、補間後の受光出力信号の波形に基づいて、前記マイクロパターンの有無を判定する第2判定処理と、を実行する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
さらに、本発明に係る紙葉類識別装置において、
前記第2判定処理で実行される補間は、ラグランジュ補間であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る紙葉類識別装置において、
前記第2期間の時間長は、第1期間の時間長よりも長いことを特徴とする。
さらに、本発明に係る紙葉類識別装置において、
前記第1判定処理は、1の前記第1期間において受光出力信号を複数回サンプリングすることを特徴とする。
さらに、本発明に係る紙葉類識別装置において、
前記第2判定処理は、前記受光素子から出力される受光出力信号を周波数変換して周波数変換情報を生成し、前記周波数変換情報に基づいて前記マイクロパターンの有無を識別することを特徴とする。
さらに、本発明に係る紙葉類識別装置において、
前記周波数変換情報の所定周波数領域の値に基づいて、前記マイクロパターンの有無を識別することを特徴とする。
さらに、本発明に係る紙葉類識別装置において、
前記周波数変換情報の第1の周波数領域の値に対する第2の周波数領域の値に基づいて、前記マイクロパターンの有無を識別することを特徴とする。
本発明の紙葉類識別装置によれば、紙葉類の特徴判定(第1期間)と、マイクロパターンの判定(第2期間)を時分割で行うことにより、1の受光素子にて、紙葉類の特徴判定を行うと共に紙葉類のマイクロパターンを判定することが可能となり、製造コスト並びに製造工程の削減を図ることが可能となる。さらに、マイクロパターン判定用のデータが欠落した箇所について、マイクロパターンが周期性を有する情報であることを鑑みた補間処理を適用したことで、マイクロパターンの判定精度の向上が図られたものとなっている。
本発明の実施形態で使用する紙幣(紙葉類)の表面を示す図 本発明の実施形態に係る紙葉類識別装置における紙幣搬送の様子を示す上面図 本発明の実施形態に係る紙葉類識別装置の構成を示す側断面図 本発明の実施形態に係るセンサ部の構成を示す側断面図 本発明の実施形態に係る紙葉類識別装置の制御構成を示すブロック図 本発明の実施形態に係る各種信号のタイムチャートを示す図 本発明の実施形態に係るパターン識別処理を示すフロー図 本発明の実施形態に係るマイクロパターンのサンプリング値に対する補間の実験結果を示す図 本発明の実施形態に係る周波数変換情報を示す図
では、本発明に係る紙葉類識別装置についてその実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態で識別対象となる紙幣(紙葉類)の表面を示す図である。本発明に係る紙葉類識別装置において、識別対象とする紙葉類は、このような紙幣以外に、金券、証券、クーポン券のような各種有価証券などマイクロパターンを有する各種紙葉類を対象とすることが可能である。
図1に示す紙幣は、紙葉類の一例として、現行の千円札の表面を示した図であり、中央には透かし領域B2が設けられている。この千円札の左下には、マイクロパターン領域が形成されている。このマイクロパターン(「万線パターン」ともいう)は、線幅約0.08mm〜0.10mmで縦方向に長い微細線を、横方向に略等間隔(約0.08〜0.10mm)で並べたパターンであり、各微細線間の間隔を僅かにずらすことで、潜像模様(現行の千円札では「1000」の文字)が形成されている。本発明の紙葉類識別装置は、このマイクロパターンの有無を識別することで、紙葉類の真贋判定を行うものである。
図2は、本発明の実施形態に係る紙葉類識別装置1における紙幣搬送の様子を示す上面図である。図2は、紙葉類識別装置1に対して、識別対象となる紙幣B(図1と同じ紙幣B)が搬送される様子が示されている。図は、紙葉類識別装置1の下部構成について、その上面図を示している。
紙葉類識別装置1では、紙幣Bを搬送手段としての駆動ローラ42A〜42Dが設けられている。他の搬送手段などにて紙幣識別装置1に到着した紙幣Bは、この駆動ローラ42A〜42Dと、それぞれに対向する対向ローラ43A〜43Dとの間で、紙幣Bの上下部分が挟持され、図中、左方向に搬送される。紙葉類識別装置1において、紙幣Bの搬送路を形成する一方の搬送路には、紙幣Bのマイクロパターンを識別するためのセンサ部20A、20Bが2箇所設けられている。本実施形態の下部構成では、このセンサ部20A、20Bには、受光側の構成が配置される。
紙幣Bの真贋判定は、この2つのセンサ部20A、20Bを使用して実行される。本実施形態では、色味、あるいは、マイクロパターンよりも大きな形状といった紙幣Bの特徴量の判定、並びに、紙幣Bに設けられたマイクロパターンの有無の判定によって実行される。このような紙幣Bの特徴量、マイクロパターンの識別は、2つのセンサ部20A、20Bを用いて行われることとなる。
紙幣Bが図のような向きで紙葉類識別装置1を通過する場合、2つのセンサ部20A、20Bの内、センサ部20Aの何れか一方にてマイクロパターンの有無を識別することになる。図のような紙幣Bの挿入方向の場合、マイクロパターンが印刷された側に光が照射され、下方に位置するセンサ部20Aにて透過光を受光することとなる。紙幣Bの挿入方向によって、紙幣Bの上下が反転する場合、紙幣Bの表裏が反転する場合があり、各場合において、マイクロパターン領域B1の通過位置、並びに、マイクロパターン領域B1の印刷側が異なることとなる。紙葉類識別装置1では、紙幣Bの挿入方向を検出することで、センサ部20A、20Bのどちらをマイクロパターンの識別に使用するか、そして、使用するセンサ部20A、20Bの識別処理を切り替えることとしている。
図3は、本発明の実施形態に係る紙葉類識別装置の構成を示す側断面図である。ちょうど、図2の紙葉類識別装置1を横方向から見て、センサ部20A付近で切断したときの断面図となっている。紙葉類識別装置1は、搬送手段、センサ部20を含んで構成されている。この他、搬送手段、センサ部20の制御、並びに、マイクロパターンの有無を識別する制御手段を有している。
図3には、2つの駆動ローラ42A、42Bが図示されている。この駆動ローラ42A、42Bと対向して、対向ローラ43A、43Bが配置されている。駆動ローラ42A、42Bは、モータなどの駆動手段にて図示する矢印の方向に回転する。また、対向ローラ43A、43Bは、この駆動ローラ42A、43Bに当接する位置に配置され、紙葉類識別装置1に挿入された紙幣Bを図中、左方向に搬送する。
紙葉類識別装置1には、対向する2つの搬送路壁11A、11Bによって紙幣Bが通過する搬送路が形成されている。この搬送路の一方(搬送路壁11B側)には、基板22に配置された2つの発光素子、第1発光素子21Aと第2発光素子21B(本実施形態では共にLEDを使用)が配置されている。第1発光素子21Aと第2発光素子21Bは、その発光面が搬送路壁11Bに設けられた開口111に面するように、図中、奥行き方向に並んで配置されている。図3では分かりやすいように、これら第1発光素子21Aと第2発光素子21Bをずらして記載している。これら第1発光素子21Aと第2発光素子21Bは、異なる波長領域(重複する波長領域があってもよい)の光を射出可能としており、紙葉類識別装置1は、真贋判定する紙幣Bの特性(特徴量、もしくは、マイクロパターン)にあった発光素子(21A、21B、もしくは両方)を発光させることで、当該特性の検出を行う。
この搬送路の他方(搬送路壁11A側)には、基板24上に配置された受光素子23が配置されている。この受光素子23には、受光した透過光の明暗強度を検出可能なフォトディテクタ(PD)を使用している。本実施形態では、第1発光素子21A、及び、第2発光素子21Bが射出する両方の光の周波数領域を検出可能な1の受光素子23を使用している。第1発光素子21Aもしくは第2発光素子21Bから照射された光は、搬送路中を搬送される紙幣Bを透過して、受光素子23にて受光され、受光出力信号として変換出力される。受光素子23から出力された受光出力信号は、図示しない制御手段にて、紙幣Bの特徴、マイクロパターンの検出に使用される。
図4は、紙葉類識別装置1のセンサ部20の詳細を示す側断面図であって、図3のセンサ部20を拡大した図である。搬送路壁11Bには、開口111が設けられており、第1発光素子21A、第2発光素子21Bが照射する光を、搬送路内にて搬送される紙幣B側に導光する。受光側の構成として、前述した受光素子23の他、第1スリット形成板26、第2スリット形成板27が設けられている。各第1スリット形成板26、第2スリット形成板27には、第1発光素子21A、第2発光素子21Bから照射された光(紙幣Bの透過光)を受光するため、それぞれ第1スリット261、第2スリット271が設けられている。本実施形態では、この第1スリット形成板26と第2スリット形成板27の周囲を接続部29で接続してユニット化している。第1スリット261と第2スリット271は、発光素子21A、21Bと受光素子23を結ぶ線分上に開口を有するよう各第1スリット形成板26と第2スリット形成板27に形成されている。このような2つのスリット261、271を通過させることで、受光素子23に到着する透過光は、その散乱成分が抑制された状態となり、識別対象とするマイクロパターン近傍の透過光を効果的に受光素子23側に導光することが可能となる。
本実施形態では、紙幣Bのばたつき(位置変動)を抑制するため、第1スリット261
の周囲に受光側リブ25A、25Bが設けられている。この受光側リブ25A、25Bを設けたことで、搬送路の幅を狭め、紙幣Bを安定させることが可能となっている。本実施形態では、搬送路の幅L2を1.2mm、受光側リブ25A、25Bの高を0.4[mm]としている。したがって、紙幣Bが通過できる搬送路の幅L1は0.8[mm]となる。
また、本実施形態における受光素子23の幅W1は、1.5[mm]、第1スリット形成板26、第2スリット形成板27の紙幣進行方向に対する開口幅W2は、ともに0.05[mm]、第1スリット形成板26と第2スリット形成板27の間隔L3は、約1[mm]としている。
このように本実施形態の紙葉類識別装置1では、2つのスリット261、271を採用したことで、受光素子23に入射する散乱光の影響を抑え、紙幣Bの識別精度の向上を図ったものとなっている。さらに、紙幣Bに入射させる光についても、光学系を必要としない、あるいは、簡易な光学系を採用する程度でよく、製造費用の削減を図ることが可能となる。そして、第1発光素子21A、第2発光素子21Bについても図4に示すような比較的コストの安い砲弾型LED(発光面が砲弾の形状を有したLED)を採用することが可能であり、同様に製造費用の削減を図ることが可能となる。さらに、発光素子21A、21B、受光素子23、第1スリット261、第2スリット271の位置決めについても簡易に行うことが可能であり、製造時並びにメンテナンス時の手間を削減することが可能である。
図5には、本発明の実施形態に係る紙葉類識別装置の制御構成を示すブロック図が示されている。本実施形態の紙葉類識別装置1は、第1発光素子21A、第2発光素子21B、受光素子23などを含むセンサ部20、紙幣搬送手段としての紙幣搬送部40、制御手段としての制御部30を含んで構成されている。受光素子23から出力された受光出力信号は、アンプ28にて増幅され、制御部30に出力される。紙幣Bを搬送する紙幣搬送部40は、駆動ローラ42A〜42Dを回転駆動する駆動部としてのモータ42、駆動ローラ42A〜42Dの何れかに設けられ、その回転量を検出するエンコーダ41を含んで構成されている。エンコーダ41から出力される回転量は、制御部30側にて駆動ローラの径など各種条件を使用して、紙幣Bの搬送速度に変換される。
制御部30は、中央演算手段としてのCPU、プログラム、各種データを記憶する記憶手段としてのROM、RAMなどを有して構成されている。この制御部30は、駆動部42を駆動制御する駆動制御部35、エンコーダ41から出力される回転量に基づいて、紙幣Bの搬送速度を検出する紙幣速度検出部33、紙幣Bの搬送時間をカウントするタイマーカウンタ34が設けられている。A/Dコンバータ31は、アンプ28が出力する受光出力信号、搬送速度検出部33が出力する紙幣Bの搬送速度、タイマーカウンタ34が出力する紙幣Bの搬送時間をデジタル化して演算部32に出力する。演算部32は、紙幣Bの搬送速度とその搬送時間などに基づいて、紙幣Bの特徴領域(色味や形状など)、マイクロパターン領域B1を判定し、これら領域について受光した受光出力信号に基づいて、紙幣Bの特徴、並びに、マイクロパターンの有無を判定する。また、制御部30には、第1発光素子21A、第2発光素子21Bの発光を制御する発光制御部36を有し、紙幣Bの特徴領域、マイクロパターン領域に応じた発光素子21A、21Bを発光させる。
図6は、本発明の実施形態に係る各種信号のタイムチャートを示す図である。本実施形態の紙葉類識別装置1は、紙幣Bのマイクロパターン領域B1について、マイクロパターンの有無を検出すると同時に、紙幣の色味、あるいは、マイクロパターンの微細線間隔よりも大きな形状といった紙幣の特徴を同時に検出することとしている。そのため、時間軸を、紙幣Bの特徴(色味など)を検出する期間aと、紙幣Bのマイクロパターンを検出す
る期間bに分割し、1つの受光素子23にて賄うこととしている。
図6のタイムチャート上、符号aが付された期間は紙幣Bの特徴を検出する期間aに相当し、符号bが付された期間は紙幣Bのマイクロパターンを検出する期間bに相当している。まず、紙幣Bの特徴の検出について説明する。図6(D)は、紙幣Bの色味といった特徴を検出するため、第1発光素子21Aを発光させるタイミングを示している。パルスがONとなる期間a1において、第1発光素子21Aが発光し、紙幣Bを照明する。図6(B)は、受光素子23が出力する受光出力信号のサンプリングタイミングを規定するパルスである。このパルスの下降タイミングにて図6(A)に実線で示す受光素子23の受光出力信号をサンプリングする。図6(A)には白丸にて、受光出力信号のサンプリング値が示されている。
次に紙幣Bのマイクロパターンの特徴検出について説明する。図6(E)は、紙幣Bのマイクロパターンを検出するため、第2発光素子21Bを発光させるタイミングを示している。パルスがONとなる期間b1において、第2発光素子21Bが発光し、紙幣Bを照明する。図6(C)は、受光素子23が出力する受光出力信号のサンプリングタイミングを規定するパルスである。このパルスの下降タイミングにて図6(A)に実線で示す受光素子23の受光出力信号をサンプリングする。図6(A)には黒丸にて、受光出力信号のサンプリング値が示されている。
なお、受光出力信号のサンプリングにおいて、紙幣Bのマイクロパターン検出のための期間b2は、紙幣Bの特徴検出のための期間a2よりも長く設定しておくことが好ましい。さらに、紙幣Bの特徴検出のための期間a2内でのサンプリング回数は複数回行うことが好ましい(図では2回)。期間a2は、期間a1よりも短い期間で行われることとなるため、このように期間a2内でサンプリングを複数回行い、各期間a2内で複数回のサンプリング結果の平均を取って当該期間a2内の特徴量とすることで、特徴検出における信頼性の向上を図ることが可能となる。
受光素子23から出力される受光出力信号は、図6(A)に示されるように、紙幣Bの特徴検出のための照明期間a1と、紙幣Bのマイクロパターン検出のための照明期間b1との間で不連続となることがみてとれる。図6(A)には、紙幣Bの特徴検出のため、期間a1における照明を連続して行った場合の出力波形が一点鎖線a3で、また、紙幣Bのマイクロパターンのため期間b1における照明を連続して行った場合の出力波形が破線b3にて示されている。このように、各々を検出対象として発光させた場合、マイクロパターンによって発生する出力波形(破線b3)は一定の周期性のある波形となる。これは、マイクロパターンが、極細い微細線が極短い間隔で並んだ模様であることを原因としている。
ところで、本実施形態では、1つの受光素子23にて、紙幣Bの特徴とマイクロパターンの両者を識別することとしており、図6(A)のタイムチャートに示すように、紙幣Bの特徴と、紙幣Bのマイクロパターンの検出を時分割で行うものである。この場合、紙幣Bの特徴領域(色味や形状など)を判別する場合には、受光出力信号a3に基づいて取得した個々のサンプリング値に対して特徴判定を行うことが可能である。しかし、マイクロパターンの有無を判別する場合には、期間b1に取得した受光信号b3は、受光信号a2のサンプリング時の信号が欠如しているために、周期性を有す信号を取得できない、すなわちマイクロパターンの検出には適さないものとなってしまう。
そのため、本実施形態の紙葉類識別装置1では、この紙幣Bの特徴を検出する期間a2において、マイクロパターン検出のためにサンプリングした値(図6(A)に黒丸で示される値)が欠落した箇所となることを理由として、当該欠落した箇所を補間し、補完後の
値に基づいてマイクロパターンの有無を判定することとしている。通常、紙幣などの真贋判定においては、実測した値を用いることが通常であって、実測した値に対し補間や補正を行うことは行われないが、本実施形態では、マイクロパターンが周期性を有したものであるという特性を利用し、補間を行った場合においても真贋判定上、何ら差し支えないことを確認している。
図7には、本発明の実施形態に係る紙葉類識別装置1にて実行されるパターン識別処理を示すフロー図が示されている。紙葉類識別装置1に対して紙幣Bが挿入されたことを検出すると、このパターン識別処理が実行開始される。まず、紙幣Bの挿入方向を判定するセンサ(図示せず)にて、紙幣Bの挿入方向が判定される(S101)。次に、S101で判定された紙幣Bの挿入方向に基づいて紙幣B上でマイクロパターンの位置が判定される(S102)。図2で説明したように、紙幣Bの挿入方向によって、紙葉類識別装置1に対するマイクロパターン領域B1の位置関係(上下位置、微細線印刷部B1aの表裏位置)は異なったものとなる。S102で検出されたマイクロパターンの位置は、紙葉類識別装置1に設けられたどちらのセンサ部20A、20Bを使用してマイクロパターンを検出するか、また、微細線印刷部B1aがどちらの面に位置するかによって判別のための閾値を変化せるために使用される。
制御部30は、S102で判定されたマイクロパターンの位置に基づき、センサ部20A、20Bの何れか一方から出力される受光出力信号を使用する。使用したセンサ部20が有する受光素子23からの受光出力信号は、図6(D)、(E)の各発光期間に応じて、図6(A)に白丸で示す紙幣Bの特徴検出用サンプル値の抽出(S104)、図6(B)に黒丸で示す紙幣Bのマイクロパターン検出用サンプル値の抽出(S103)が実行される。
紙幣Bの特徴検出用にサンプリングされたサンプル値は、補間されることなく、色味識別など紙幣Bの特徴識別処理(S200)において使用される。一方、マイクロパターン検出用のサンプル値に対しては、図6(A)で示すように、そのままではその波形が損なわれたものとなっているため、周期性を再現するための補間処理が実行される(S105)。この補間は、紙幣Bの特徴検出のためサンプル値が欠落した箇所となる期間aに対して実行される。本実施形態では、補間処理にラグランジュ補間を採用している。
ラグランジュ補間は、補間対象となる区間の前後データが揃っている場合に有利な補間であって、本実施形態の期間aに対する補間に適したものである。図8には、補間処理の実例が記載されている。実データは、マイクロパターン検出用の受光出力信号からサンプリングした値に基づくデータである。この実データ上、補間区間を想定し、その前後の実データを用いてラグランジュ補間による補間処理を行ってみた。破線で示す値が補間処理によって補完された補間データである。補間区間における実データと補間データとを比較してみると、本実施形態のようにラグランジュ補間を使用した処理では、受光出力信号の周期性が再現されていることが分かる。このように本実施形態では、紙幣Bの特徴検出のための期間aに対して補間処理を行うことで、マイクロパターン検出用の受光出力信号における周期性を再現し、マイクロパターン判定に耐え得るものとしている。
マイクロパターンの有無検出は、補間処理(S105)にて補間された値に基づいて行われることになる。本実施形態では、この補間された値に対してFFTなどの周波数変換を施して周波数変換情報に変換(S106)し、周波数変換情報の特性値に基づいて判定することとしている。また、本実施形態では、紙幣Bの挿入方向にて、微細線印刷部B1aが発光素子21A、21B側、あるいは、受光素子23側に位置することを鑑み、判定のための閾値を変化させている。
図9には、本実施形態の紙葉類識別装置1について、受光素子23にて取得したマイクロパターンについて取得した波形に対して、周波数変換(FFT)を行った結果(周波数変換情報)を示したものである。図9(A)は、微細線印刷部B1aが発光素子21A、21B側に位置した場合の計測結果であり、図9(B)は、微細線印刷部B1aが受光素子23側に位置した場合の計測結果である。
周波数変換情報の特性値は、例えば、次のように設定することができる。この実施形態では、紙幣Bのマイクロパターンは、搬送速度との関係から1000[Hz]付近のピークとして観察される。
マイクロパターンの検出は、この周波数変換情報中、1000[Hz]付近の周波数領域(領域A)を積分した値に基づいて、当該値が閾値以上であることを条件としてマイクロパターン有りと判定する手法が考えられる。このような判定形態以外に、他の周波数領域(領域B)を参照することで、SN比の変動による誤判定を抑制することも可能である。例えば、領域Bを積分した値と領域Aを積分した値の比が閾値以上であることを、マイクロパターン検出の条件とすることが考えられる。ホワイトノイズのようなノイズ成分は全周波数領域に重畳されることが多く、このように他の領域Bとの比に基づいて判定を行うことで、SN比の変動による誤判定を抑制することが可能となる。
上述した実施形態では、(1)マイクロパターンによる周波数(1000[Hz])付近の周波数領域(領域A)積分値、あるいは、(2)領域Aの積分値と、他の周波数領域(領域B)の積分値との比に基づいて、マイクロパターンの検出を行うこととしているが、マイクロパターンの検出は、各領域A、B中の最大値(ピーク)を使用して行うことも可能である。すなわち、(1’)マイクロパターンによる周波数(1000[Hz])付近の周波数領域(領域A)最大値、あるいは、(2)領域Aの最大値と、他の周波数領域(領域B)の最大値との比によって行うこととしてもよい。
また、図9(A)と図9(B)を対比した場合、マイクロパターンによるピーク値の大きさは、微細線印刷部B1aが発光素子21A、21B側に位置する場合(図9(A))と、受光素子23側に位置する場合(図9(B))とで異なることが分かる。このような違いに対応するため、微細線印刷部B1aの位置(紙幣Bの挿入方向に依存)によって、判定のための閾値を切り換えることで、より正確にマイクロパターンの判定を行うことが可能となる。
図7のパターン識別処理に戻り、マイクロパターンの判定について説明を行う。図9で説明したように、本実施形態では、微細線印刷部B1aが発光素子21A、21B側にある場合と受光素子23側にある場合で、マイクロパターン判定のための閾値を異ならせている。この微細線印刷部B1aの位置は、S102の判定結果に基づいている。微細線印刷部B1aが発光素子21A、21B側にあると判定された場合(S107:Yes)には、第1閾値を使用してマイクロパターンを判定する。S106で変換された周波数変換情報の特性値(マイクロパターンに対応する周波数領域の値など)が第1閾値以上である場合(S108:Yes)、マイクロパターン有りと判定する(S110)。一方、特性値が第1閾値よりも小さい場合(S108:No)には、マイクロパターン無しと判定する(S111)。
また、微細線印刷部B1aが受光素子23側にあると判定された場合(S107:No)には、第2閾値を使用してマイクロパターンを判定する。S106で変換された周波数変換情報の特性値が第2閾値以上である場合(S109:Yes)、マイクロパターン有りと判定する(S110)。一方、特性値が第2閾値よりも小さい場合(S109:No)には、マイクロパターン無しと判定する(S111)。このように本実施形態のマイク
ロパターン識別処理は、マイクロパターンの表裏位置を考慮したものとなっており、表裏位置に応じて閾値を異ならせることで、より正確なマイクロパターン検出を行うことが可能となっている。
以上、本実施形態のパターン識別処理では、マイクロパターンの有無判定を行うことで、真贋判定の精度向上を図ることとしている。真贋判定には、このマイクロパターンの有無以外に、S200にて判定する紙幣Bの特徴の判定結果も加味される。
また、これら判定以外に他のセンサによる判定を加味して真贋判定を行うこととしてもよい。本実施形態では、1つの受光素子23にて紙幣Bの特徴検出、並びに、マイクロパターンの検出を行うことを可能としている。その際、マイクロパターン検出用に取得した値については、それを取得できなかった期間(紙幣Bの特徴検出のため)について、補間処理を行うことで、マイクロパターンの検出を可能としている。
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
1…紙葉類識別装置
11…搬送路壁
111…開口
20…センサ部
21A…第1発光素子(LED)
21B…第2発光素子(LED)
22、24…基板
23…受光素子
25A、B…受光側リブ
26…第1スリット形成板
261…第1スリット
27…第2スリット形成板
271…第2スリット
28…アンプ
30…制御部
31…A/Dコンバータ
32…マイクロパターン判定部(演算部)
33…搬送速度検出部
34…タイマーカウンタ
35…駆動制御部
36…発光制御部
40…紙幣搬送部
41…エンコーダ
41…駆動部(モータ)
42…駆動ローラ
43…対向ローラ
B…紙幣
B1…マイクロパターン領域
B2…透かし領域

Claims (7)

  1. 複数の微細線が並んで構成されたマイクロパターンを有する紙葉類を識別対象とする紙葉類識別装置において、
    前記紙葉類を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段にて搬送される前記紙葉類の一面に第1の周波数帯域を有する光を照射する第1発光素子と、
    前記搬送手段にて搬送される前記紙葉類の一面に第2の周波数帯域を有する光を照射する第2発光素子と、
    前記搬送手段にて搬送される前記紙葉類の他面からの透過光を受光する受光素子と、
    第1発光素子を発光させる第1期間と、第2発光素子を発光させる第2期間とを交互に繰り返す発光処理と、
    前記第1期間において前記受光素子から出力される受光出力信号に基づいて、前記紙葉類の特徴を判定する第1判定処理と、
    前記第2期間において前記受光素子から出力される受光出力信号の波形に対し、前記第1期間によって欠落した箇所を補間し、補間後の受光出力信号の波形に基づいて、前記マイクロパターンの有無を判定する第2判定処理と、を実行する制御手段と、を備えたことを特徴とする
    紙葉類識別装置。
  2. 前記第2判定処理で実行される補間は、ラグランジュ補間であることを特徴とする
    請求項1に記載の紙葉類識別装置。
  3. 前記第2期間の時間長は、第1期間の時間長よりも長いことを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の紙葉類識別装置。
  4. 前記第1判定処理は、1の前記第1期間において受光出力信号を複数回サンプリングすることを特徴とする
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の紙葉類識別装置。
  5. 前記第2判定処理は、前記受光素子から出力される受光出力信号を周波数変換して周波数変換情報を生成し、前記周波数変換情報に基づいて前記マイクロパターンの有無を識別することを特徴とする
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の紙葉類識別装置。
  6. 前記周波数変換情報の所定周波数領域の値に基づいて、前記マイクロパターンの有無を識別することを特徴とする
    請求項5に記載の紙葉類識別装置。
  7. 前記周波数変換情報の第1の周波数領域の値に対する第2の周波数領域の値に基づいて、前記マイクロパターンの有無を識別することを特徴とする
    請求項5に記載の紙葉類識別装置。
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