JP5907405B2 - 画像解析装置及びこれを用いた物体検出装置 - Google Patents
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Description
図1(a)及び(b)は、2台のカメラでそれぞれ撮像した各撮像画像を示す説明図である。
図1(a)及び(b)に示す例では、まず、エピポーラ線が一致している一対のカメラ(横方向にきっちり並んで配置されている一対のカメラ)を用い、互いに異なる方向から同じ撮像領域を撮像し、これにより得られる2つの撮像画像のうちの一方(図1(a)に示す画像)を基準画像とし、他方(図1(b)に示す画像)を比較画像とする。その後、基準画像内のある画像領域が比較画像内のどの画像領域に対応するかを検索する。例えば、基準画像内の画像領域Waに対応する比較画像内の画像領域を検索する際、縦方向位置は画像領域Waの縦方向位置と同じ位置に固定したまま、横方向位置を変化させて、比較画像内を、Wb1→Wb2→Wb3…というように検索していく。そして、この検索を行いながら基準画像と比較画像との間の相関演算を行い、相関度が最も高くなる画像領域を検出して、撮像領域内の同一地点に対応する対応点を基準画像及び比較画像の両方で特定するステレオマッチング処理(対応点特定処理)を行う。
ステレオマッチング処理により、基準画像内の画像領域Waに対応する比較画像内の画像領域Wb3が特定されたら、撮像領域内の同一地点に対応した各画像領域Wa,Wb3上の対応点について基準画像と比較画像とのズレ量を求め、三角測量の原理を利用して、測定対象である当該同一地点までの距離を算出する。
図3の上部には、ステレオカメラと対象物体との位置関係を鉛直方向上方から見たときの様子を模式的に示し、図3の下部には、ステレオカメラで撮像される基準画像と比較画像を模式的に示している。
対象物体が円柱形状である場合、従来の方法では、円柱形状を映し出した画像領域(長方形)の内部に特徴点を見出すことが困難であることから、当該画像領域の外縁上の点が対応点として特定される。しかしながら、基準画像及び比較画像上における当該画像領域の外縁は、対象物体の形状によっては同一地点に対応したものとはならないので、上述したように誤った距離を算出してしまう事態が発生する。
図4は、本実施形態に係る運転者支援システムの機能ブロック図である。
図示しない車両に搭載された2つのカメラ(撮像部)からなるステレオカメラ10により、移動体である車両が走行する路面(移動面)を含む自車周囲の風景を撮影し、一方のカメラの撮像画像データを基準画像メモリ11に記憶し、他方のカメラの撮像画像データを比較画像メモリ12に記憶する。なお、基準画像メモリ11と比較画像メモリ12は、それぞれ別個の記憶装置で構成されていてもよいし、単一の記憶装置の異なるメモリ領域で構成してもよい。本実施形態のステレオカメラ10は、非可視光である赤外光領域に感度を有するカメラであり、各カメラで赤外画像を撮像する。ステレオカメラ10の各カメラ10A,10Bは、水平方向に同じ高さに配置され、エピポーラ線が一致するように配置されている。
ステレオカメラ10を構成する各カメラ10A,10Bは、受光素子であるCCD(charge-coupled device)やCMOS(complementary metal oxide semiconductor)等の撮像素子により、例えばメガピクセルサイズの画素を有する周囲画像を撮像できるものである。各カメラ10A,10Bは、リアルタイムに近い短い時間間隔で周囲画像を連続的に取得するのが好ましい。このステレオカメラ10は、例えばルームミラー付近に取り付けられ、車両前方の風景(路面を含むフロントビュー)を撮像するものであってもよいし、例えばサイドミラーに取り付けられ、車両側方の風景を撮像するものであってもよいし、例えばバックドアに取り付けられ、車両後方の風景を撮像するものであってもよい。本実施形態では、ルームミラー又はその付近のフロントガラス若しくは車体内壁に取り付けられて車両前方の風景(路面を含むフロントビュー)を撮像する場合を例に挙げて説明する。
図6の例において、本実施形態のステレオマッチング処理では、基準画像及び比較画像上の対応点が、円柱形状の対象物体Tを映し出す長方形状の画像領域の外縁上に設定される。そして、このように設定された対応点のズレ量を算出して得られる視差画像は、図6の下部に示すようなものとなる。なお、図6に示す視差画像は、ズレ量を画像濃度(輝度)の違いによって表現したものであり、対応点部分は、そのズレ量に応じた画像濃度で表現されている。なお、この視差画像では、遠い地点である背景部分や対応点が存在しない領域(対応点に囲まれた内部領域)は、画像濃度が高く(輝度が低く)表現されている。すなわち、この視差画像は、距離が近いほど画像濃度が低く(輝度が高く)表現される。
図7の上部に示す位置関係図に示すように、第1光照射部21からの赤外光が対象物体Tに対して照射されることで、対象物体T上には、赤外光が照射される照射領域とその影の部分である非照射領域とが形成される。この照射領域と非照射領域との境界C1では、赤外光の輝度が大きく変化するという特徴がある。この特徴により、本実施形態のステレオマッチング処理では、照射領域と非照射領域との境界C1上の地点に対応した画像点が対応点として特定される。その結果、ステレオマッチング処理によって、図7の下部に示す視差画像のように、対象物体Tの輪郭に対応した長方形画像領域の外縁に対応した対応点のほか、照射領域と非照射領域との境界C1に対応した対応点も特定される。
図8の上部に示す位置関係図に示すように、第2光照射部22からの赤外光が対象物体Tに対して照射されることで、第1光照射期間のときと同様に、対象物体T上には、赤外光が照射される照射領域とその影の部分である非照射領域とが形成される。ただし、第2光照射部22からの赤外光は、第1光照射部21からの赤外光とは異なる方向から対象物体Tに対して照射されている。そのため、対象物体T上に形成される照射領域と非照射領域との境界C2は、第1光照射期間のときの境界C1の位置とは異なる位置に形成される。したがって、第2光照射期間についてのステレオマッチング処理では、図8の下部に示す視差画像のように、対象物体Tの輪郭に対応した長方形画像領域の外縁に対応した対応点のほか、第1光照射期間のときとは異なる位置に形成される照射領域と非照射領域との境界C2に対応した対応点も特定される。
(態様A)
自動車等の移動体に搭載された少なくとも2つのカメラ10A,10B等の撮像部で当該移動体周囲の撮像領域を撮像して得られる複数の撮像画像を解析して対象物体Tまでの距離を算出する画像解析装置において、上記撮像領域に向けて互いに異なる方向から非可視光を照射する複数の光照射部21,22等の光照射手段と、各光照射手段の光照射時期が互いに重複しないように各光照射手段を制御するカメラ制御部20等の光照射制御手段と、各光照射時期に上記少なくとも2つの撮像部により複数の撮像画像を撮像し、当該非可視光の照射によって上記対象物体の外表面に生じる該非可視光の照射領域と非照射領域との境界線C1,C2上の同一の地点を映し出す該複数の撮像画像上の対応点を光照射時期ごとにそれぞれ特定する視差演算部13等の対応点特定手段と、光照射時期ごとに、上記対応点特定手段が特定した対応点の当該複数の撮像画像上における位置の違いに基づいて上記対象物体の外表面上における上記同一地点までの距離を算出する視差演算部13等の距離算出手段とを有することを特徴とするものである。
これによれば、対象物体の外表面上の複数地点について、誤りのない距離を算出することができるので、対象物体の外表面上の単一地点までの距離しか算出しない場合よりも、当該対象物体との実際の最短距離に、より近い距離を特定できる可能性が高まる。よって、対象物体上の外表面形状によらず、対象物体までの距離を利用した適正な制御や処理を実現することが可能となる。
上記態様Aにおいて、上記複数の光照射手段は、上記少なくとも2つの撮像部を挟んだ両側に配置される2つの光照射手段を含むことを特徴とする。
これによれば、各撮像部で撮像される撮像画像上に非可視光の照射領域と非照射領域との境界線が現れやすく、対象物体の外表面上の複数地点について誤りのない距離をより安定して算出できる。
上記態様A又はBにおいて、上記複数の光照射手段が照射する非可視光は赤外光であることを特徴とする。
これによれば、赤外光の特性を生かして距離の算出を行うことができる。
上記態様A〜Cのいずれかの態様において、上記距離算出手段が算出した各光照射時期についての上記同一地点までの距離から、上記対象物体の外表面形状を特定する物体検出部15等の外表面形状特定手段を有することを特徴とする。
これによれば、対象物体の外表面上の複数地点までの距離を高精度に把握できる結果、対象物体の外表面上の単一地点までの距離しか算出しない場合と比較して、対象物体の外表面形状を高い精度で推定することが可能となる。対象物体の外表面形状は、その対象物体がどんな物体であるのかを推定する材料として有効に利用できる。よって、対象物体の検出精度の向上に寄与することができる。
撮像手段が撮像した撮像画像を解析する画像解析手段と、該画像解析手段の解析結果に基づいて撮像領域内に存在する対象物体の検出処理を行う物体検出処理手段とを有する物体検出装置において、上記画像解析手段として、上記態様Dの画像解析装置を用い、上記物体検出処理手段は、上記画像解析装置で特定された上記対象物体の外表面形状に基づいて、該対象物体の検出処理を行うことを特徴とする。
これによれば、物体の検出精度が高まる。
10A,10B カメラ
11 基準画像メモリ
12 比較画像メモリ
13 視差演算部
14 画像合成部
15 物体検出部
20 カメラ制御部
21 第1光照射部
22 第2光照射部
Claims (5)
- 移動体に搭載された少なくとも2つの撮像部で当該移動体前方の撮像領域を撮像して得られる複数の撮像画像を解析して対象物体までの距離を算出する画像解析装置において、
上記移動体前方を照明する左右のヘッドライトに設置され、上記撮像領域に向けて互いに異なる方向から非可視光を照射する第1の光照射手段及び第2の光照射手段と、
各光照射手段の光照射時期が互いに重複せず、かつ、照射と非照射とを交互に繰り返すように、各光照射手段を制御する光照射制御手段と、
各光照射時期に上記少なくとも2つの撮像部により複数の撮像画像を撮像し、当該非可視光の照射によって上記対象物体の外表面に生じる明部と暗部との間の輝度変化を特徴として、同一の地点を映し出す該複数の撮像画像上の対応点を光照射時期ごとにそれぞれ特定する対応点特定手段と、
光照射時期ごとに、上記対応点特定手段が特定した対応点の当該複数の撮像画像上における位置の違いに基づいて上記対象物体の外表面上における上記同一地点までの距離を算出する距離算出手段とを有し、
上記少なくとも2つの撮像部は、それぞれ、各光照射時期に少なくとも1回の撮像動作を行うことを特徴とする画像解析装置。 - 請求項1の画像解析装置において、
上記第1の光照射手段及び上記第2の光照射手段は、上記少なくとも2つの撮像部を挟んだ両側にそれぞれ配置されることを特徴とする画像解析装置。 - 請求項1又は2の画像解析装置において、
上記第1の光照射手段及び上記第2の光照射手段が照射する非可視光は赤外光であることを特徴とする画像解析装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像解析装置において、
上記距離算出手段が算出した各光照射時期についての上記同一地点までの距離から、上記対象物体の外表面形状を特定する外表面形状特定手段を有することを特徴とする画像解析装置。 - 撮像手段が撮像した撮像画像を解析する画像解析手段と、該画像解析手段の解析結果に基づいて撮像領域内に存在する対象物体の検出処理を行う物体検出処理手段とを有する物体検出装置において、
上記画像解析手段として、請求項4の画像解析装置を用い、
上記物体検出処理手段は、上記画像解析装置で特定された上記対象物体の外表面形状に基づいて、該対象物体の検出処理を行うことを特徴とする物体検出装置。
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